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「たかが世界の終わり」

Juste la fin du mooned…akaIt's Only the End of the World2016 カナダ/フランス

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ルイは人気の劇作家。不治の病に冒され死期が迫っている彼は12年ぶりに帰郷する


マルティーヌに「悪の華/2003」「わたしはロランス/2012」「シリアルキラーNo.12015」のナタリー・バイ。

アントワーヌに「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」「ジェイソン・ボーン/2016」のヴァンサン・カッセル。

カトリーヌに「マリアンヌ/2016」のマリオン・コティヤール。

シュザンヌに「ロブスター/2015」のレア・セドゥ。

ルイに「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「サンローラン/2014」のギャスパー・ウリエル。

監督、脚本、製作、編集は「わたしはロランス/2012」「トム・アット・ザ・ファーム/2013」「Mommy/マミー/2014」のグザヴィエ・ドラン。


結局大事な話も出来ずに去るしかなかったルイ。あれは家族の最後の集まりだったのに

取り留めもないことをひたすら喋りまくる母、兄、妹。話さなければならないのに話せないルイ。でもあのシチュエイションで不治の病に冒され死期が迫っている…”なんて話せる状態じゃない。 


ルイは病気なのだから生気がなくても不思議はない。ドラマを見ている誰もが元気のないルイに気づくはずだが、母親マルティーヌは息子が元気で良かったと言い、彼の変化に気がつかない。12年ぶりに再会したとはいえ母親と息子なのだから、何か変化を感じるはず。


マルティーヌ、アントワーヌ、シュザンヌは弾丸のごとく喋るのに対して、カトリーヌとルイは穏やかに話している。二人は初対面ということもあり会話もぎこちない。でもルイの秘密を知ったのは初対面のカトリーヌだった。


グザヴィエ・ドランの映画ってなぜこんなに話題になるのだろう?映画サービスデーの夕方の回は満席だった。

グザヴィエ・ドラン映画の特徴登場人物の顔は殆どアップ、うるさいくらいのBack Music、そして舞台は世界の何処かで特定はしない。本作が今迄と違っているのはヴァンサン、マリオン、レア、ギャスパー+ナタリー・バイのフランスの著名俳優総出演のキャストがとてもゴージャスなこと。


フランソワ・オゾンが監督したメルヴィル・プポー主演の「ぼくを葬る/2005」を思い起こした。

両親に自らの死を告白できない主人公は祖母に打ち明ける。それは互いにそろそろ死ぬから…”と言うのが理由だった。「ぼくを葬る」は見応えのあるドラマだったが、本作はどうかな?グザヴィエ・ドランが絶賛されるのが良くわからない。

俳優陣が豪華過ぎて、逆にドラマがつまらなくなった?

「わたしはロランス」や「 Mommy/マミー」は良かったのに...。


ギャスパー・ウリエルは20代の頃より30代になった今の方が素敵。本作では実年齢より少し年上の役柄だが、不治の病に冒され死期が迫っている男を好演している。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-02-20 23:01 | MINI THEATER | Trackback | Comments(0)

「Mommy/マミー」

「Mommy」2014 カナダ
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2015年、カナダのとある町(仮想の国でもある)。ある日、シングルマザーのダイアンは矯正施設から15歳の息子スティーヴを連れ出す。多動性障害であるスティーヴは情緒不安定なため、自分をコントロールできず怒りを覚えると暴れまくり、施設に放火していたのだ。まもなく二人のぎこちない生活が始まるが、母親は失業中の上、息子は問題を起こしてばかり。そんな折、二人は真向かいの家に住む女性カイラと出会う。元教師のカイラは神経を病み吃音に苦しんでいた。やがてカイラの存在が二人に良い影響を与え平和な日常が始まろうとしていた…

ダイアン・デュプレに「マイ・マザー/2009」のアンヌ・ドルヴァル。
カイラに「わたしはロランス/2012」のスザンヌ・クレマン。
スティーヴ・デュプレにアントワーヌ・オリヴィエ・ピロン。
弁護士のポールに「人生、ブラボー!/2011」のパトリック・ユアール。
監督、脚本、製作、編集、衣装デザイン、出演(クレジットなし)に「マイ・マザー/2009」「わたしはロランス/2012」「トム・アット・ザ・ファーム/2013」のグザヴィエ・ドラン。

残念なことに3人で築く平和な日々も長くは続かなかった。車の中でのダイアンの白昼夢が哀れでいたたまれない気持ちになる。
やっかいな自分をマミーはいつかきっと愛さないと思いこむ息子に“母親の愛は永遠よ!”と答えるダイアン。そして“母親の愛は永遠だけど、あなた(息子)は別の愛を見つけるのよ!”とも言う台詞に“図星だな。”とうなった。そう何れ息子は新しい愛を見つけるのだから...。

グザヴィエ・ドラン映画は非常に顔アップが多いように思える。本作のスクリーンは真四角。一部、フルスクリーンにもなるが、全編を通してほぼ全て真四角のスクリーン。なのでアップがますます強調され、ダイアンとスティーヴの緊張が猛烈に伝わってくる。神経を患っているカイラの表情もアップにされて緊張感が増す。
そしてもう一つ彼の映画は毎回Musicが多彩。本作もカナダの歌姫セリーヌ・ディオン、BECK、サラ・マクラクラン、オアシス、そしてヴィヴァルディのクラシックも…。
ポールと母親の3人でいったKARAOKEでスティーヴがマミーに捧げるアンドレ・ボチェッリの“Viv Per Lei/彼女のために生きる”がナイス!場違いな曲でひんしゅく買ったけど…。

グザヴィエ・ドランは衣装デザインも担当している。「わたしはロランス」でやはり衣装を担当していて、ロランスの纏う衣装…特に色がスゴく印象的だった。本作では衣装デザインも担当しているので、ダイアンの歳に似合わないド派手な衣服とチープなアクセサリーが目にも鮮やか。

独特の世界観を持つグザヴィエ・ドランの作品はとても興味深くて、突飛ながら惹き付けられる。いや突飛だから惹き付けられるのかも知れない。
見終わって母親と息子の深い愛に心揺さぶられた。

新宿武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-05-24 00:22 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(0)

「トム・アット・ザ・ファーム」

「Tom à la firm」…aka「Tom at the Farm」2013 カナダ/フランス
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モントリオールの広告代理店で働くトムは交通事故で亡くなった恋人ギョームの葬儀に参列するため、ケベック州にある彼の実家の農場を訪ねる。そこにはギョームの母親アガットと農場を経営する兄フランシスが住んでいた。母親アガットは息子のギョームがゲイとは知らなかったがフランシスはそれを知っていた。トムはフランシスの存在すら知らずにいたため驚きを隠せない。やがてフランシスはギョームがゲイであったことを母親に隠すようトムを脅し始める…

監督/編集/脚本/製作/出演(トム)に「わたしはロランス/2012」のグザヴィエ・ドラン。
フランシスにピエール・イヴ・カルディナル。
アガットにリズ・ロワ。
サラに「クロエの祈り/2012」のエヴリーヌ・ブロシュ。
バーテンダーにエマニュエル・タドロス。

ギョームの母親アガットはトムを歓迎し息子のことを知りたがる。トムはたびたび真実を伝えようかと思うがフランシスが脅しをかけるため嘘を付き続けるしか方法はない。フランシスは執拗なまでにトムを虐める。そんなある日、ギョームの同僚であるサラをモントリオールから呼び寄せるよう促す。しかしギョームの嘘の恋人のフリするサラの演技もをアガットをいらだたせるだけ。そしてスキあらばサラと一緒に逃げようとするトムをフランシスが見逃すわけがない。やがてサラ一人が去り、もはや観念したトムは街のバーで酒を飲むことにする。しかしバーテンダーからフランシスにまつわる醜い話を知ることになる。そしてとうとう自分の身が危ういと感じたトムはフランシスから逃げ出すことを決意する。

フランシスの弟ギョームへの深い愛…フランシスもゲイだったに違いないとしか思えない(広い納屋でトムとダンスをする場面なぞ興味深い)。しかし彼が住む田舎ではゲイなど全くもって受け入れられないことを知っている。そして母親もきっと息子たちの性癖を知っていたのじゃないかと思う(ダンスの場面を母親も見ていたのだから...)。

映画のオフィシャル・サイトに“隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。ケベックの雄大な田園地帯を舞台に、一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描き切る、息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス。”…とある…正にこの“愛のサイコ・サスペンス”は面白い。

オープニング、カナダ、ケベックの広大なる田園地帯が映し出される。そしてミシェル・ルグランの“Les moulins de mon cœur/The Windmills of Your Mind (風のささやき)”が流れる。
「わたしはロランス」もそうだったが、Back Musicもまた素敵。
葬儀のシーンでトムが話す予定だった弔辞の代わりに流れるとても場違いな音楽もまた最高。
しかしながらグザヴィエ・ドランって若い頃のメグ・ライアンにそっくりなんだけど。

シネマカリテにて
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by margot2005 | 2014-11-03 00:09 | MINI THEATER | Trackback(8) | Comments(0)

「わたしはロランス」

「Laurence Anyways」2012 カナダ/フランス
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ロランスは小説家を目指す高校教師で恋人フレッドと同居中。35歳の誕生日、突然自分はトランスジェンダー(性同一性障害)だと告白する…
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ロランスに「ミステリーズ 運命のリスボン/2010」のメルヴィル・プポー。
フレッドに「マイ・マザー/2009」スザンヌ・クレマン。
ロランスの母親ジュリエンヌに「悪の華/2003」のナタリー・バイ。
フレッドの妹にモニカ・ショクリ。
フレッドの母親にソフィー・フォシェ。
ジャーナリストにスーザン・アームグレン。
監督/脚本/編集/衣装は「マイ・マザー/2009」のグザヴィエ・ドラン。

舞台はカナダ、ケベック州。
とにかく映像が美しい。雪のシーンはとても幻想的だったし、湖のシーンも美しかった。
カウチに座るフレッドの下へ天井から洪水のような水が流れ落ちてきたり、ロランスとフレッドが歩く道、いきなり空からバルーンが大量に落ちてきたりして、ファンタジーのようでもあり、何はともあれ映像が素晴らしく綺麗。

ロランスの着るコートからブーツにまで気を配っているのではなかろうか…衣装まで担当している監督グザヴィエ・ドランのこだわりがひしひしと伝わってくる。映画が終わってもロランスの着る紫色のコートが脳裏に残る。

恋人(男)に、自分は女になりたい!女として生きて行きたい!と告白された女性の心理ってどうなんだろう?とても想像出来ない。
そして女として生きていきたいと願ったロランスはスカートを身につけ、ストッキングとヒールをはいて学校へ行く。しかし学校の反応はヤバかった。そう、彼は解雇を言い渡される。教えることに情熱をかけるロランスは学校関係者に懇願するが認めてもらえない。偏見の固まりである、ある人物は“文章が書けるのだから、自身のことを小説にしたら!”なんて言う始末。落ち込むロランスを支えたのはもちろん恋人のフレッドだった。

でも結果ロランスは解雇されて良かったのかも知れない。文章を書くことに執着するロランスは、後に詩を書き成功を収める。フレッドを失ったのはどうしようもなかったが…やがてその詩集はフレッドに贈られ、フレッドはロランスと再会することになる。

少々奇想天外なストーリーながら、168分ドラマの中に引き込まれた。フランス映画で168分とはかなりの長さである。でも次から次へと変化するロランスの人生に見ていて飽きることはなかった。ロランスとフレッドの一番始めの出会いをラストに持ってくる手法もナイス。そのラストが素晴らしかった!!そして24歳の監督グザヴィエ・ドランはゲイだそう。

優しい顔立ちなので似合うかなと思ったが、やはりメルヴィル女装は似合わないなぁと感じた。
メルヴィル・プポーはお気に入りフランス人俳優の一人。先だってwowowでフランソワ・オゾンの「ムースの隠遁/2009」を見た。こちらの映画でもゲイ役だったが、すぐに死んでしまう役柄で至って残念であった。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2013-10-05 23:59 | MINI THEATER | Trackback(2) | Comments(0)