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「これが私の人生設計/生きていてすみません!」

「Scusate se esisto!」2014 イタリア
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イタリアの大田舎に生まれたセレーナには素晴らしい絵の才能があった。やがて国内外で学位を修め、若くしてロンドンで建築家として花開く。しかし雨ばかり降るロンドンに嫌気がさしイタリアへ戻る決心をする。やがてローマに落ち着き職探しを始めるが、男社会の建築業界で苦悩することになる…

原案、脚本、出演(セレーナ・ブルーノ)に「ジョルダーニ家の人々/2010」のパオラ・コルテレージ。
フランチェスコに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」のラウル・ボヴァ。
セレーナの同僚ピエトロにコッラード・フォルトゥナ。
セレーナのボスのアシスタント、ミケーラに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のルネッタ・サヴィーノ。
フランチェスコの恋人ニコラにマルコ・ヴォッチ。
監督、原案、脚本は「ようこそ、大統領!/2013」のリッカルド・ミラーニ。

配給がついていない作品が多いので毎年楽しみにしているイタリア映画祭。一番最初に観たのが本作。今年はコメディが多いんだろうか?最初に観た作品がとても面白いコメディで大満足だった。

映画に戻って...
預金も尽き果てアルバイトでもして稼ごうと思ったセレーナはレストランでウエイトレスの仕事を始める。オーナーのフランチェスコは離婚歴のある子持ちの超イケメン。仕事が終わり家に送ってくれるフランチェスコに心は乱れ落ち着かない。しかし彼はゲイだった。
父親であるがゆえに愛する一人息子にゲイだと告げられない彼と、とても有能なのだけど女ということで企業に相手にされない彼女の組み合わせが面白い。フランチェスコに助けられ乗り切ったかに見えたセレーナだったが…現実はそう甘くはない。でもラストはとても爽やかだった。

ラウル・ボヴァのこのようなコミカルなキャラは初めて見た。「トスカーナの休日」と「向かいの窓」でヒロインをとろけさせた彼とは思えない。まぁ10年の歳月もありだが…ラウル・ボヴァは40代の味わい深い男性に変化していてますますゴージャス。
シリアスなドラマ「ジョルダーニ家の人々」で、精神科医を演じていたパオラ・コルテレージは絶対コメディが似合う。
監督と共にホールに現れた素顔のパオラ・コルテレージがチャーミング。

有楽町朝日ホールにて

2015年5月上映の際は配給がついてなかったが、とても面白いドラマだったのでやはり一般公開された。
現在新宿ピカデリーにて上映中
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by margot2005 | 2016-03-07 20:39 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ローマに消えた男/自由に乾杯」

「Viva la libertà」...aka「Long Live Freedom」2013 イタリア
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ある日、党大会の演説で痛烈な野次を浴び精神的に追いつめられた左翼野党書記長エンリコは、妻アンナや腹心の部下アンドレアにも知らせず突然行方をくらましてしまう。マスコミには病気で入院中と嘘をつき、失踪を隠し続けるアンドレアはあることを知る。エンリコにはジョヴァンニという哲学者の双子の兄弟がいたのだ。ジョヴァンニの巧みな弁舌を聞いたアンドレアは彼を代役に仕立て、政局を乗り切ろうと考える...

エンリコ/ジョヴァンニに「湖のほとりで/2007」「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「それは息子だった/2012」のトニ・セルヴィッロ。
アンドレアに「ナポレオンの愛人/2006」「錆び/2011」「司令官とコウノトリ/2012」「家の主たち/2012」のヴァレリオ・マスタンドレア。
ダニエルに「ミュンヘン/2005」 「ぼくを葬る/2004」「明日へのチケット/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「家の主たち」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
アンナに「13才の夏に僕は生まれた/2005」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のミケーラ・チェスコン。
党員エヴェリーナに「カイマーノ/2006」「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-」のアンナ・ボナユート。
監督、原案、脚本は「そして、デブノーの森へ/2004」のロベルト・アンド。

大統領とかくれんぼしたり、首相(女性)とタンゴを踊ったりするジョヴァンニは双極性障害(躁うつ病)で精神科病院から退院したばかり。
一方で政局を放棄してパリへ逃亡したエンリコはかつての恋人ダニエルのアパルトマンに身を寄せる。ダニエルの夫は有名な映画監督で、彼女自身も映画製作の仕事に関わっている。ダニエルと共に撮影に赴き現場の人々と交流したり、ダニエルの娘と仲良くなったりするうちエンリコの心が癒されて行く。そうエンリコは映画が好きだったのだ。

ごく普通の仕事に就いている人でもストレスはたまる。ましてや公的な人で、常に言動を注目されているとしたら…それはそれは猛烈なるストレスがたまっているに違いない(個人差はあるだろうが…)。で、エンリコは逃げ出したのだ。
ラストはとても爽快で素敵だった。

エンリコとジョヴァンニ、ダブル・キャストのトニ・セルヴィッロが秀逸。
「湖のほとりで」では穏やかで心優しい刑事。「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男」ではイタリアの元首相ジュリオ・アンドレオッティ役が強烈な印象を残した。そして昨年のイタリア映画祭で観た「それは息子だった」ではパレルモ舞台のブラック・コメディで、クレージーな主人公が実に似合っていた。
レビューは書いていないが「よせよせ、ジョニー/2007」「ゴモラ/2008」「海の上のバルコニー/2010」などでもお目にかかったトニ・セルヴィッロは今イタリアを代表する俳優のひとりなのだろう。

アンドレアを演じるヴァレリオ・マスタンドレアはお気に入りイタリア人俳優の一人。平凡な顔(ヨーロッパ人に多い?)なのであまり印象には残らないが、中々チャーミングな俳優だ。

イタリア映画祭2014で鑑賞/恵比寿ガーデンシネマにて上映中
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by margot2005 | 2015-11-18 20:49 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「カプチーノはお熱いうちに」

「Allacciate le cinture」…aka「Fasten Your Seatbelts」2014 イタリア
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ある日、エレナは大雨に見舞われた街中のバス停でいけすかない男と出会い口論になる。シングルの彼女はカフェで働いているが、いつか自分の店を持ちたいと願っている。そんなある夜、資産家ジョルジョの家で友人シルヴィアのボーイフレンド、アントニオを紹介されるが、なんと彼はバス停で会ったあのイヤミな男だった。エレナの親友のファヴィオはゲイ。しかしアントニオは臆面もなくファヴィオの前でアンチ・ゲイ発言を始める。頭にはきたもののエレナは価値観の全く違うアントニオになぜか惹かれていく。やがてアントニオがエレナにポロポーズし二人は結婚する…

エレナに「それもこれもユダのせい/2009」「パリより愛をこめて/2010」のカシア・スムートニアック。
アントニオ(夫)にフランチェスコ・アルカ。
ファヴィオ(親友)に「ブルーノのしあわせガイド/2011」のフィリッポ・シッキターノ。
シルヴィア(友人)にカロリーナ・クレシェンティーニ。
ジョルジョ(資産家)に「シチリア!シチリア!/2009」「ジョルダーニ家の人々/2010」のフランチェスコ・シャンナ。
アンナ(母親)に「恋するローマ、元カノ/カレ/2009」のカルラ・シニョーリス。
ヴィヴィアナ(叔母)に「カラヴァッジョ 天才画家の光と影/2007」「恋するローマ、元カノ/カレ」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエレナ・ソフィア・リッチ。
エグレ(病室の友人)に「あしたのパスタはアルデンテ」のパオラ・ミナッチョーニ。
マリクラ(美容院店主)に「マリア・カラス 最後の恋/2005」「バール・マルゲリータに集う仲間たち/2009」「ジュリエットからの手紙/2010」のルイーザ・ラニエリ。
ディアーナ(担当医)に「湖のほとりで/2007」のジュリア・ミケリーニ。
監督、脚本、原案は「向かいの窓/2003」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のフェルザン・オズペテク。

エレナとアントニオは結婚後2人の子供をもうけていた。いつか自分の店を持ちたいと願っていたエレナの夢は叶い、ファヴィオと共に始めた店は13年たち、大成功を修めていたが、夫アントニオとの仲はなぜかぎくしゃくしている。そんな折、エレナが乳がんに冒されていることが発覚する。

配給がついていたので見送ったが、本作はイタリア映画祭2015で上映された作品。予告編は何度もシアターで観ていたが、どのような展開になるのか全く予測のつかないドラマで、互いに相容れない性格ながらエレナとアントニオの間には深い愛があることがわかるラストはとても良かった。13年前に戻った二人の海のシーンはナイスだ。海はホント絵になる。

舞台はアドリア海を臨む南イタリアのレッチェ。エレナがファヴィオと一緒に開くあのカフェ。ミラノに行った時街中にあのような店があったのを思い出した。それは本屋だったりもしてオシャレな雰囲気を醸しだしている。

イタリア映画は結構見ていると自負するが、アントニオを演じるフランチェスコ・アルカには初めてお目にかかった。濃い系の正にラテンといった風貌の俳優で中々素敵。
原タイトル“シートベルトを締めて”が“カプチーノはお熱いうちに”になってしまう邦題は「あしたのパスタはアルデンテ」同様主人公の仕事から取ったのかも??

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2015-10-05 22:44 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「夏をゆく人々」

「Le meraviglie」…aka「The Wonders」2014 イタリア/スイス/ドイツ
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イタリア、トスカーナ州の山奥。養蜂業を営むヴォルフガングには妻アンジェリカとの間に4女がいる。長女ジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に優れ父を助ける日々。そんな夏のある日、家族はTV番組のロケ隊に遭遇する…

長女ジェルソミーナにマリア・アレクサンドラ・ルング。
父親ヴォルフガングに「闇を生きる男/2011」のサム・ルーウィック。
母親アンジェリカに「ボローニャの夕暮れ/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」のアルバ・ロルヴァケル。
候のココにザビーネ・ティモテオ。
次女マリネッラにアニェーゼ・グラツィアーニ。
三女カテリーナにエヴァ・レア・ペイス・モッロー。
四女ルーナにマリス・ステッラ・モッロー。
ドイツ人の少年マルティンにルイス・ウイルカ。
ヴォルフガングの友人アドリアンに「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」「コッポラの胡蝶の夢/2007」のアンドレ・ヘンニック。
少年更生プログラムのイルデにマルガレーテ・ティーゼル。
TV司会者ミリー・カテナに「灼熱の肌/2011」のモノカ・ベルッチ。
監督、脚本はアリーチェ・ロルヴァケル。

長女ジェルソミーナの視点で描かれるドラマの舞台は、まるで文明など存在しないような人里離れた山奥の農村。家族は自然と共存しながら自給自足の日々を送っている。父親ヴォルフガングはドイツ出身で、家族はジェルソミーナの母と3人の妹、そして居候のココと父親以外全て女性。ヴォルフガングは家族に対し圧倒的な態度を取る支配者。次女のマリネッラは“わたしたちはまるで奴隷のよう。”と言う。

父親の独断である日、青少年更正プログラムの監視下にあるドイツ人少年マルティンを引き取ることになる。それは少年を預かることによって得られる現金収入のためだった。子供は娘ばかりで、ヴォルフガングは少年の存在が嬉しい。しかし娘たちはいきなりやって来た少年の存在に違和感を感じ始める。

ジェルソミーナはTV番組司会者ミリー・カテナの妖しくも美しい姿に魅了され、父親に内緒でTV番組のオーディションに応募する。番組は伝統的な製法で農産物を作る家族を紹介すると言うもの。
ヴォルフガングは自然と共に生きる伝統的な養蜂家の暮らしをかたくなに守ってきた。しかしジェルソミーナは外の世界へ飛び出したくてたまらない。ミリー・カテナと出会い、少年マルティンとの出会いも彼女に変化を与えたのだ。

しかしながらヴォルフガングはなんと頑固な男であることか!ある時、妻のアンジェリカが“もう我慢できない!別れるわ!”と宣うシーンがある。自己中な男に振り回される女性たち。日々、支配されこき使われながらも父親が大好きなジェルソミーナでさえうんざりする時もある。
ジェルソミーナを喜ばすため、ラクダをプレゼントするヴォルフガング。しかし当然ながらペットには無理だとわかる。トスカーナにラクダが全くマッチせずに可笑しい。

ドラマの中に養蜂のシーンが何度もでてくる。ミツバチのたてる音や風、雨の音がバック・ミュージックのようにドラマに溶け込んでいて素敵だ。

2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品で、実に岩波にふさわしい映画だった。
イタリア映画祭2015で上映された作品で映画祭のポスターにもなっている。
最初ポスターに映る少女のあごの部分に付いている物は何?とあまり気にしてもいなかったが、本作を見てわかった。それは蜂...少女は蜂を操ることができるのだ。

神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2015-08-29 23:06 | イタリア | Trackback(3) | Comments(0)

「ただひとりの父親」

「Solo un padre」...aka「Just a Father」「Perfect Skin」2008 イタリア
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カルロに「私たちの家で/愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「対角に土星/2007」のルカ・アルジェンティーロ。
カミーユにディアーヌ・フレーリ。
ジョルジョにファビオ・トロイアーノ。
メリッサにクラウディア・パンドルフィ。
監督にルカ・ルチーニ。

10ヶ月の娘ソフィアの父親カルロは若くて優秀な皮膚科医でありシングル・ファーザーでもある。普段は両親がソフィアの面倒を見ているが、ある日、両親が留守の間娘の世話をしなくてはならなくなる。カルロは同僚である友人ジョルジョたちの助けを借り幼いソフィアの育児に奮闘する。
一方で同僚の妹を紹介されデートが始まるがカルロは全く乗り気でない。そんな折、ジョギング中のカルロはフランスからやって来たカミーユと出会う。カルロは妻メリッサとは上手く行かなくて、別れる寸前に妊娠が発覚し子供が出来てしまった。しかし運命とはなんとも皮肉であり残酷なもので、子供を産み落としたメリッサは亡くなってしまったのだ。どうして良いか分らず、途方に暮れた彼は娘ソフィアを抱きしめ海に入って行こうかと考える。しかしソフィアの無邪気な笑顔を見て思いとどまるのだった。

生活がかかるシングル・マザーも辛いだろうけど、仕事を持つシングル・ファーザーはもっと大変か?と察する。カルロには助けてくれる両親がいるからOKだけど、助けてくれる身内がいない男ってどうするのだろう?なんて考えてしまった。
デートの相手は魅力的でゴージャスな女性ながらカルロは彼女に全く魅力を感じない。しかしジョギング中に出会ったフランス娘カミーユには惹かれて行く。それはソフィアが彼女に懐いているということもありで…。

妻を亡くし、娘をどうして育てようかと悩みまくる優柔不断な男カルロと、天真爛漫で、若くても自立しているカミーユの組み合わせはミスマッチながら未来を感じさせる。
過去のイタリア映画祭で見た何作かの映画の中に登場していたルカ・アルジェンティーロ。ラティン男の魅力たっぷりな彼はマルチェロ・マストロヤンニ級のイケメンで母性本能をくすぐる。以前見た2作は脇役だったので、主演のこちらは彼の魅力を存分に味わえる。

イタリア映画祭2010で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って本日より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-28 00:52 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「夫婦の危機」

「Il Caimano」2006 イタリア/フランス
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B級映画プロデューサー、ブルーノにシルヴィオ・オルランド。
ブルーノの妻パオラに「恋愛マニュアル/2005」のマルゲリータ・ブイ。
映画監督志望のテレーザに「息子の部屋」「輝ける青春/2003」「恋愛マニュアル/2005」のジャスミン・トリンカ。
俳優マルコにミケーレ・プラチド。
監督は「息子の部屋/2001」のナンニ・モレッティ。

タイトルの“カイマーノ”とはカイマンワニ(南米や中米の河や沼に生息している)のことだそう。
ローマ在住のB級映画プロデューサー、ブルーノは破産寸前状態の上、妻パオラから離婚を言い渡されている。ある夜、彼の古い映画が上映されている劇場に、監督志望の若い女性テレーザが現れ、ブルーノに脚本を手渡す。“カイマーノ”というタイトルのその脚本は権力の階段を駆け上がって首相になった実業家ベルルスコーニが主人公であった。ブルーノは社会派ドラマとは無縁で、このような題材は乗り気ではなかった。しかし、知り合いのプロデューサーが資金を提供してくれ、有名俳優マルコが主人公役を引き受けてくれるとのこと。やがて映画製作が始まる。だが、主人公を演じるマルコは家庭サービスのため急に役を降りると言い出す。それによって資金提供も打ち切られ映画製作は暗礁に乗り上げてしまう。

ドラマは破産状態で売れない監督の苦悩と、実生活で妻に離婚を言い渡される夫の苦悩を描いていて、“プロデューサー、監督、首相という3人の主役を配し、さらに首相役を3人のカイマーノと1人のベルルスコーニが演じるという錯綜した構成になっている。”と映画祭の冊子にコメントしてあるように...少々錯綜した構成に少々疲れてしまったのは否めないが、軽いコメディ・タッチで、売れない監督ブルーノがなんとか仕事をゲットしようと焦る日々の中、離婚寸前の愛する妻(妻に捨てられそうな様子)と息子との団らんに生き甲斐を見いだす姿に、新しい映画制作を絡め、中々面白いストーリーともなっている。でも一つ...イタリアの前首相シルヴィオ・ベルルスコーニについては何も知らないので、イタリアでは相当流行ったらしいが、ピンと来ない場面も多々ありだった。政治的な事は考えないで観た方が良いかもしれない。ベルルスコーニはACミランの会長。そういや劇中サッカー場にヘリで登場するシーンあり。

パオラ役のマルゲリータ・ブイがナイス。「息子の部屋」でも父親を演じた監督モレッティが“カイマーノ(首相)”を演じている。

イタリア映画祭2007で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って来週より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-27 21:44 | イタリア | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「僕たちの大地」

「La nostra terra」2014 イタリア
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反マフィア団体で働くフィリッポは、獄中のマフィアのボス、ニコラ・サンソーネから国が押収した農地で、有機農業の共同組合を立ち上げようとする。農地はニコラの父親が農民から奪い取った土地だった。その地でフィリッポは元地主の息子コジモと出会う。コジモはサンソーネ家の小作人として働いていたが、押収後も無許可で野菜や果物を作り続けていた。やがてフィリッポは紆余曲折を経て共同組合の立ち上げに成功する。メンバーは農夫のコジモ意外、教師、エコロジスト、デザイナーと皆農業未経験者ばかり。その中にはゲイのカップルと車椅子の障害者も含まれていた…

フィルッポに「最後のキス/2001」「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「対角に土星/2007」「娘と狼/2007」「気楽な人生/2011」「錆び/2011」「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のステファノ・アルコッシ。
コジモに「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「無用のエルネスト/2013」のセルジオ・ルビーニ。
ロッサーナにマリア・ロザリア・ルッソ。
アッズーラに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のイアイア・フォルテ。
ニコラ・サンソーネに「孤独な天使たち/2012」のトンマーゾ・ラーニョ。
監督は「人生、ここにあり!/2008」のジュリオ・マンフレドニア。

悪戦苦闘の末有機トマトの栽培にこぎつけ収穫の時がくる。しかし買い手がつかない上、自宅軟禁の判決を受けたニコラが自宅へ戻ってくる。ニコラはフィリッポたちを追い出すため妨害作戦を開始し、とうとう農場に火を放つのだった。しかし全て灰となってしまった農場を再建するため再びフィリッポは立ち上がる。

フィリップはとても神経質な人間。上司の命令でいやいややって来たこの地で、やや戸惑いながらも必死で“僕たちの大地”を守ろうと、マフィアと戦うメンバーたちをサポートする姿が清々しい。演じるステファノ・アルコッシも適役。
大笑いするほどってこともないけど、あらゆる所にイタリアン・ジョークを交えて進行するドラマは見応えがある。
ステファノ・アルコッシはお気に入りイタリア人俳優。本作を観る気になったのはアルコッシ主演作に他ならない。

少女の頃からこの地に住むロッサーナとフィリッポのちょっと気になる関係や、盆栽作りが趣味のアッズーラがトマト栽培に生き甲斐を見つける...といったエピソードも微笑ましい。

マフィア(犯罪組織)から押収した膨大な土地がイタリア中にあり、これらを社会的目的のため再利用されるよう定める法案が1996年に制定されたとエンディングで説明される。

今年は6作品鑑賞。どの作品も良くて大満足なイタリア映画祭2015だった。
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by margot2005 | 2015-05-08 00:06 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「レオパルディ」

「Il giovane favoloso」…aka「Leopardi」2014 イタリア
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1789年、レオパルディ伯爵の長男としてイタリア中部の小さな町レカナーティに生まれたジャコモは膨大なる蔵書に囲まれた屋敷で、弟カルロ、妹パオリーナとともに育てられる。やがて厳格な父親に古典教育を叩き込まれ詩の才能を開花させる。文学者ピエトロ・ジョルダーニに手紙を送り自由への憧れを抱いていたが病弱なジャコモは家を離れることができない。10年後ようやく故郷を離れたジャコモはフィレンツェで、ナポリ出身の政治亡命者で生涯の友となるアントニオ・ラニエリと出会い共同生活を始める…

ジャコモ・レオパルディに「ナポレオンの愛人/2006」「NINE/2009」「我らの生活/2010」「家の主たち/2012」「無用のエルネスト/2013」のエリオ・ジェルマーノ。
アントニオ・ラニエリに「眠れる美女/2011」のミケーレ・リオンディーノ。
レオパルディ伯爵に「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のマッシモ・ポポリツィオ。
ファニー・タルジョーニ・トッツェッティに「そして、デブノーの森へ/2004」「シャネル&ストラヴィンスキー/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「ジェラシー/2013」のアナ・ムグラリス。
ピエトロ・ジョルダーニに「心の中の獣/2005」のヴァレリオ・ビナスコ。
パオリーナ・ラニエリに「新世界:Golden Door/2006」のフェデリカ・デ・コーラ。
レオパルディ伯爵夫人アデライデにラファエッラ・ジョルダーノ。
カルロ・レオパルディにエドアルド・ナトリ。
パオリーナ・レオパルディに「見わたすかぎり人生/2008」「初任地にて/2010」「我らの生活/2010」「幸せの椅子/2014」のイザベラ・ラゴネーゼ。
監督は「われわれは信じていた/2010」のマリオ・マルトーネ。

アントニオは脊椎の病と弱視に苦しめられた上、文壇からも孤立したジャコモを終始支え続けた。アントニオの妹パオリーナもジャコモの面倒をみたという。
ジャコモはフィレンツェで美しい年上の貴族夫人ファニーに恋をしたが、彼女の心はアントニオにあり、生涯を通じて成就する恋はなかった。
ナポリで48歳で亡くなったジャコモ・レオパルディはイタリア、ロマン主義を代表する詩人であり思想家だそう。
とても重厚なドラマの主人公レオパルディを全く知らないのでドラマに入っていくのは少々難しかった気がする。

ロケされたレカナーティの町が19世紀始めに戻ったようで素晴らしい。他に美しいトスカーナ地方の田園地帯やフィレンツェ、そしてナポリの景色もドラマを盛り上げている。
アントニオが病に苦しむジャコモのため転地療養を勧めヴェズーヴィオ山を見上げる村に引っ越す。そして1822年に噴煙を上げたヴェズーヴィオ山の姿もスクリーンに映し出される。
ジャコモ・レオパルディを演じるエリオ・ジェルマーノが大熱演。UK映画「博士と彼女のセオリー/2014」のスティーヴン・ホーキング役のエディ・レッドメインを思い起こした。
アントニオ・ラニエリ役のミケーレ・リオンディーノは「眠れる美女」では眼鏡だったが、本作ではヒゲがとても似合うイケメン俳優。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2015-05-07 00:43 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「われらの子供たち」

「 I nostri ragazzi」…aka「The Dinner」2014 イタリア
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兄のマッシモは冷静でドライな敏腕弁護士。一方で弟パオロは人情味あふれる小児科医。全く異なった性格である兄弟は月に一度それぞれの妻ソフィアとクララを伴い高級レストランで夕食をすることに決めている。兄弟は決して仲が良いというわけではなく、クララはマッシモの二度目の妻ソフィアを“バービー人形みたい!”と軽蔑している。しかしマッシモの亡くなった前妻との間に生まれた娘ベネデッタと、パオロ、クララ夫婦の一人息子ミケーレは仲が良くいつも一緒に過ごしている。ある夜、パオロとベネデッタはパーティの帰り道に、酔った勢いで衝動的にホームレスに暴行を加え死に至らしめる…

マッシモに「トランスポーター2/2005」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」のアレッサンドロ・ガスマン。
パオロに「輝ける青春/2003」「映画のようには愛せない/2004」「心の中の獣/2005」「セントアンナの奇跡/2008」「シチリア!シチリア!/2009」「バール・マルゲリータに集う仲間たち/2009」のルイジ・ロ・カーショ。
クララに「向かいの窓/2003」「心の中の獣/2005」「コレラの時代の愛/2007」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のジョヴァンナ・メッツォジョルノ。
ソフィアに「見つめる女/2004」「気ままに生きて/2006」「ココ・シャネル/2008」「ブルーノのしあわせガイド/2012」「南部のささやかな商売/2013」のバルボラ・ボブローヴァ。
ミケーレに「孤独な天使たち/」のヤコポ・オルモ・アンティノーリ。
ベネデッタに「幸せのバランス/2012」のロザベル・ラウレンティ・セラーズ。
監督は「幸せのバランス/2012」のイヴァーノ・デ・マッテオ。

重大なる事件を引き起こしたにも関わらず、その重大さを理解しない子供たちに両親は苦悩する。息子を守りたい!と切に願うパオロとクララに対して、弁護士のマッシモは“二人に法の裁きを”と辛い決断を下す。しかしマッシモの決断に強く反撥したパオロは兄への積年の不満が爆発し諍いとなる。
親は弁護士と医師。何不自由なく育った思春期の子供たちが、取り返しがつかない重大な犯罪を犯してしまう。ドラマの中で、マッシモは母親が亡くなったせいもあり娘ベネデッタを甘やかし過ぎたと語っている。パオロとクララはどうなのだろう。二人は息子ミケーレを守ろうと躍起になっている。それは息子を愛しているからこそ…。
子供が犯したとんでもない事件に親はどう対処するのか?というのが本作のテーマ。
で、何度思い起こしてもあのラストは実に衝撃的だった。

数年ぶりで見たルイジ・ロ・カーショが少々懐かしい。ジョヴァンナ・メッツォジョルノも数年ぶりで、思春期の少年の母親役が似合っている。
ベルナルド・ベルトリッチの「孤独な天使たち」の主人公ロレンツォ役のヤコポ・オルモ・アンティノーリが本作の問題少年ミケーレを演じている。彼はホールにゲストとした現れたが、まだ17歳だそうでニキビだらけの顔が可愛い。
今年の映画祭はコメディが多いような気がするが、本作はシリアスな家族のドラマ…それも苦悩を描いた重厚な作品。俳優たちが皆素晴らしくて惹き付けられる。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2015-05-06 01:05 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「幸せの椅子」

「La sedia della felicità」2013 イタリア
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ヴェネツィア近郊の海辺の町でエステサロンを経営するブルーナは借金地獄の日々。ある日、刑務所で定期的にネイルケアをする女囚ノルマが亡くなる。著名なる窃盗犯の母親であるノルマの最期の言葉は…“自宅の居間にある椅子の一つに宝石を隠してある。”というものだった。早速ノルマの屋敷に潜入するが、森から現れたイノシシに追いつめられ窮地に陥る。友人に電話をかけてもつながらず、ブルーナは仕方なくサロンの真向かいでタトゥの店を経営するディーノに電話で助けを求める...

ディーノに「ナポレオンの愛人/2006」「錆び/2011」「司令官とコウノトリ/2010」「家の主たち/2012」「自由に乾杯!/2013」のヴァレリオ・マスタンドレア。
ブルーナに「見わたすかぎり人生/2008」「初任地にて/2010」「我らの生活/2010」のイザベラ・ラゴネーゼ。
ヴァイネル神父に「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」「司令官とコウノトリ/2012」のジュゼッペ・バッティストン。
TVに出演する美術商役で「もうひとつの世界/1999」「カイマーノ/2006」「ジョヴァンナのパパ(ボローニャの夕暮れ)/2008」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」のシルヴィオ・オルランドが友情出演している。
監督は「まなざしの長さをはかって/2007」「ラ・パッショーネ/2010」のカルロ・マッツァクラティ。

ノルマの屋敷にあるはずの椅子…しかしそれはどこを探してもない。一方で、刑務所でノルマを看取ったヴァイネル神父も椅子探しを企んでいた。全部で8脚ある椅子は裁判所の入札にかけられ行方がわからなくなっていたのだ。
離婚後の養育費の支払いに悩まされるディーノも一攫千金狙いで椅子探しに参加。
右往左往するブルーナ、ディーノ、ヴァイネル神父の3人の姿がばかばかしいほど滑稽ながら、あのようなシチュエイションになったらやはり誰もがやるかも?と思ったりした。

ヴェネツィア、ポー川、オーストリア国境近くのトレンティーノなどで撮影された景色が美しい。
こちらはカルロ・マッツァクラティのとっても素敵で、ちょっと切ないロマンティック・サスペンスな作品「まなざしの長さをはかって」とは全く違った趣のコメディ。今年の映画祭では3本続けてコメディを観たが本作も中々面白かった。

有楽町朝日ホールにて

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by margot2005 | 2015-05-05 00:13 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)