タグ:イタリア映画 ( 120 ) タグの人気記事

イタリア映画祭2015...「僕たちの大地」

「La nostra terra」2014 イタリア
a0051234_23512935.jpg

a0051234_235189.jpg
a0051234_2351213.jpg
a0051234_23505484.jpg

a0051234_23504631.jpg

a0051234_23503960.jpg

a0051234_23511972.jpg

反マフィア団体で働くフィリッポは、獄中のマフィアのボス、ニコラ・サンソーネから国が押収した農地で、有機農業の共同組合を立ち上げようとする。農地はニコラの父親が農民から奪い取った土地だった。その地でフィリッポは元地主の息子コジモと出会う。コジモはサンソーネ家の小作人として働いていたが、押収後も無許可で野菜や果物を作り続けていた。やがてフィリッポは紆余曲折を経て共同組合の立ち上げに成功する。メンバーは農夫のコジモ意外、教師、エコロジスト、デザイナーと皆農業未経験者ばかり。その中にはゲイのカップルと車椅子の障害者も含まれていた…

フィルッポに「最後のキス/2001」「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「対角に土星/2007」「娘と狼/2007」「気楽な人生/2011」「錆び/2011」「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のステファノ・アルコッシ。
コジモに「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「無用のエルネスト/2013」のセルジオ・ルビーニ。
ロッサーナにマリア・ロザリア・ルッソ。
アッズーラに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のイアイア・フォルテ。
ニコラ・サンソーネに「孤独な天使たち/2012」のトンマーゾ・ラーニョ。
監督は「人生、ここにあり!/2008」のジュリオ・マンフレドニア。

悪戦苦闘の末有機トマトの栽培にこぎつけ収穫の時がくる。しかし買い手がつかない上、自宅軟禁の判決を受けたニコラが自宅へ戻ってくる。ニコラはフィリッポたちを追い出すため妨害作戦を開始し、とうとう農場に火を放つのだった。しかし全て灰となってしまった農場を再建するため再びフィリッポは立ち上がる。

フィリップはとても神経質な人間。上司の命令でいやいややって来たこの地で、やや戸惑いながらも必死で“僕たちの大地”を守ろうと、マフィアと戦うメンバーたちをサポートする姿が清々しい。演じるステファノ・アルコッシも適役。
大笑いするほどってこともないけど、あらゆる所にイタリアン・ジョークを交えて進行するドラマは見応えがある。
ステファノ・アルコッシはお気に入りイタリア人俳優。本作を観る気になったのはアルコッシ主演作に他ならない。

少女の頃からこの地に住むロッサーナとフィリッポのちょっと気になる関係や、盆栽作りが趣味のアッズーラがトマト栽培に生き甲斐を見つける...といったエピソードも微笑ましい。

マフィア(犯罪組織)から押収した膨大な土地がイタリア中にあり、これらを社会的目的のため再利用されるよう定める法案が1996年に制定されたとエンディングで説明される。

今年は6作品鑑賞。どの作品も良くて大満足なイタリア映画祭2015だった。
[PR]
by margot2005 | 2015-05-08 00:06 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「レオパルディ」

「Il giovane favoloso」…aka「Leopardi」2014 イタリア
a0051234_012576.jpg

1789年、レオパルディ伯爵の長男としてイタリア中部の小さな町レカナーティに生まれたジャコモは膨大なる蔵書に囲まれた屋敷で、弟カルロ、妹パオリーナとともに育てられる。やがて厳格な父親に古典教育を叩き込まれ詩の才能を開花させる。文学者ピエトロ・ジョルダーニに手紙を送り自由への憧れを抱いていたが病弱なジャコモは家を離れることができない。10年後ようやく故郷を離れたジャコモはフィレンツェで、ナポリ出身の政治亡命者で生涯の友となるアントニオ・ラニエリと出会い共同生活を始める…

ジャコモ・レオパルディに「ナポレオンの愛人/2006」「NINE/2009」「我らの生活/2010」「家の主たち/2012」「無用のエルネスト/2013」のエリオ・ジェルマーノ。
アントニオ・ラニエリに「眠れる美女/2011」のミケーレ・リオンディーノ。
レオパルディ伯爵に「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のマッシモ・ポポリツィオ。
ファニー・タルジョーニ・トッツェッティに「そして、デブノーの森へ/2004」「シャネル&ストラヴィンスキー/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「ジェラシー/2013」のアナ・ムグラリス。
ピエトロ・ジョルダーニに「心の中の獣/2005」のヴァレリオ・ビナスコ。
パオリーナ・ラニエリに「新世界:Golden Door/2006」のフェデリカ・デ・コーラ。
レオパルディ伯爵夫人アデライデにラファエッラ・ジョルダーノ。
カルロ・レオパルディにエドアルド・ナトリ。
パオリーナ・レオパルディに「見わたすかぎり人生/2008」「初任地にて/2010」「我らの生活/2010」「幸せの椅子/2014」のイザベラ・ラゴネーゼ。
監督は「われわれは信じていた/2010」のマリオ・マルトーネ。

アントニオは脊椎の病と弱視に苦しめられた上、文壇からも孤立したジャコモを終始支え続けた。アントニオの妹パオリーナもジャコモの面倒をみたという。
ジャコモはフィレンツェで美しい年上の貴族夫人ファニーに恋をしたが、彼女の心はアントニオにあり、生涯を通じて成就する恋はなかった。
ナポリで48歳で亡くなったジャコモ・レオパルディはイタリア、ロマン主義を代表する詩人であり思想家だそう。
とても重厚なドラマの主人公レオパルディを全く知らないのでドラマに入っていくのは少々難しかった気がする。

ロケされたレカナーティの町が19世紀始めに戻ったようで素晴らしい。他に美しいトスカーナ地方の田園地帯やフィレンツェ、そしてナポリの景色もドラマを盛り上げている。
アントニオが病に苦しむジャコモのため転地療養を勧めヴェズーヴィオ山を見上げる村に引っ越す。そして1822年に噴煙を上げたヴェズーヴィオ山の姿もスクリーンに映し出される。
ジャコモ・レオパルディを演じるエリオ・ジェルマーノが大熱演。UK映画「博士と彼女のセオリー/2014」のスティーヴン・ホーキング役のエディ・レッドメインを思い起こした。
アントニオ・ラニエリ役のミケーレ・リオンディーノは「眠れる美女」では眼鏡だったが、本作ではヒゲがとても似合うイケメン俳優。

有楽町朝日ホールにて
[PR]
by margot2005 | 2015-05-07 00:43 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「われらの子供たち」

「 I nostri ragazzi」…aka「The Dinner」2014 イタリア
a0051234_0594552.jpg

兄のマッシモは冷静でドライな敏腕弁護士。一方で弟パオロは人情味あふれる小児科医。全く異なった性格である兄弟は月に一度それぞれの妻ソフィアとクララを伴い高級レストランで夕食をすることに決めている。兄弟は決して仲が良いというわけではなく、クララはマッシモの二度目の妻ソフィアを“バービー人形みたい!”と軽蔑している。しかしマッシモの亡くなった前妻との間に生まれた娘ベネデッタと、パオロ、クララ夫婦の一人息子ミケーレは仲が良くいつも一緒に過ごしている。ある夜、パオロとベネデッタはパーティの帰り道に、酔った勢いで衝動的にホームレスに暴行を加え死に至らしめる…

マッシモに「トランスポーター2/2005」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」のアレッサンドロ・ガスマン。
パオロに「輝ける青春/2003」「映画のようには愛せない/2004」「心の中の獣/2005」「セントアンナの奇跡/2008」「シチリア!シチリア!/2009」「バール・マルゲリータに集う仲間たち/2009」のルイジ・ロ・カーショ。
クララに「向かいの窓/2003」「心の中の獣/2005」「コレラの時代の愛/2007」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のジョヴァンナ・メッツォジョルノ。
ソフィアに「見つめる女/2004」「気ままに生きて/2006」「ココ・シャネル/2008」「ブルーノのしあわせガイド/2012」「南部のささやかな商売/2013」のバルボラ・ボブローヴァ。
ミケーレに「孤独な天使たち/」のヤコポ・オルモ・アンティノーリ。
ベネデッタに「幸せのバランス/2012」のロザベル・ラウレンティ・セラーズ。
監督は「幸せのバランス/2012」のイヴァーノ・デ・マッテオ。

重大なる事件を引き起こしたにも関わらず、その重大さを理解しない子供たちに両親は苦悩する。息子を守りたい!と切に願うパオロとクララに対して、弁護士のマッシモは“二人に法の裁きを”と辛い決断を下す。しかしマッシモの決断に強く反撥したパオロは兄への積年の不満が爆発し諍いとなる。
親は弁護士と医師。何不自由なく育った思春期の子供たちが、取り返しがつかない重大な犯罪を犯してしまう。ドラマの中で、マッシモは母親が亡くなったせいもあり娘ベネデッタを甘やかし過ぎたと語っている。パオロとクララはどうなのだろう。二人は息子ミケーレを守ろうと躍起になっている。それは息子を愛しているからこそ…。
子供が犯したとんでもない事件に親はどう対処するのか?というのが本作のテーマ。
で、何度思い起こしてもあのラストは実に衝撃的だった。

数年ぶりで見たルイジ・ロ・カーショが少々懐かしい。ジョヴァンナ・メッツォジョルノも数年ぶりで、思春期の少年の母親役が似合っている。
ベルナルド・ベルトリッチの「孤独な天使たち」の主人公ロレンツォ役のヤコポ・オルモ・アンティノーリが本作の問題少年ミケーレを演じている。彼はホールにゲストとした現れたが、まだ17歳だそうでニキビだらけの顔が可愛い。
今年の映画祭はコメディが多いような気がするが、本作はシリアスな家族のドラマ…それも苦悩を描いた重厚な作品。俳優たちが皆素晴らしくて惹き付けられる。

有楽町朝日ホールにて
[PR]
by margot2005 | 2015-05-06 01:05 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「幸せの椅子」

「La sedia della felicità」2013 イタリア
a0051234_073414.jpg

ヴェネツィア近郊の海辺の町でエステサロンを経営するブルーナは借金地獄の日々。ある日、刑務所で定期的にネイルケアをする女囚ノルマが亡くなる。著名なる窃盗犯の母親であるノルマの最期の言葉は…“自宅の居間にある椅子の一つに宝石を隠してある。”というものだった。早速ノルマの屋敷に潜入するが、森から現れたイノシシに追いつめられ窮地に陥る。友人に電話をかけてもつながらず、ブルーナは仕方なくサロンの真向かいでタトゥの店を経営するディーノに電話で助けを求める...

ディーノに「ナポレオンの愛人/2006」「錆び/2011」「司令官とコウノトリ/2010」「家の主たち/2012」「自由に乾杯!/2013」のヴァレリオ・マスタンドレア。
ブルーナに「見わたすかぎり人生/2008」「初任地にて/2010」「我らの生活/2010」のイザベラ・ラゴネーゼ。
ヴァイネル神父に「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」「司令官とコウノトリ/2012」のジュゼッペ・バッティストン。
TVに出演する美術商役で「もうひとつの世界/1999」「カイマーノ/2006」「ジョヴァンナのパパ(ボローニャの夕暮れ)/2008」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」のシルヴィオ・オルランドが友情出演している。
監督は「まなざしの長さをはかって/2007」「ラ・パッショーネ/2010」のカルロ・マッツァクラティ。

ノルマの屋敷にあるはずの椅子…しかしそれはどこを探してもない。一方で、刑務所でノルマを看取ったヴァイネル神父も椅子探しを企んでいた。全部で8脚ある椅子は裁判所の入札にかけられ行方がわからなくなっていたのだ。
離婚後の養育費の支払いに悩まされるディーノも一攫千金狙いで椅子探しに参加。
右往左往するブルーナ、ディーノ、ヴァイネル神父の3人の姿がばかばかしいほど滑稽ながら、あのようなシチュエイションになったらやはり誰もがやるかも?と思ったりした。

ヴェネツィア、ポー川、オーストリア国境近くのトレンティーノなどで撮影された景色が美しい。
こちらはカルロ・マッツァクラティのとっても素敵で、ちょっと切ないロマンティック・サスペンスな作品「まなざしの長さをはかって」とは全く違った趣のコメディ。今年の映画祭では3本続けてコメディを観たが本作も中々面白かった。

有楽町朝日ホールにて

[PR]
by margot2005 | 2015-05-05 00:13 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「いつだってやめられる」

「Smetto quando voglio」…aka「I Can Quit Whenever I Want」2014 イタリア
a0051234_0585724.jpg

神経生物学の研究者ピエトロが新しい開発をしたが難しすぎて大学側から理解が得られず研究費を打ち切られてしまう。ポストを失ったピエトロは収入を失い窮地に陥る。追いつめられたピエトロはあることに思いつく。自分が開発したアルゴリズムを利用して違法薬物に未指定の新しいドラッグを作ろうと考える。早速、中華屋で皿洗いのバイトをする元化学者のアルベルトを訪ねる。やがて元数理経済学者で今やポーカー中毒のバルトロメオを始めとして、元考古学者で現在道路工事監督中のアルトゥーロに、ガソリンスタンドで働くマッティアとジョルジョ、そして就活中のアンドレアと、皆過去は才能豊かな研究者ばかり。チーム結成後ドラッグストアで原材料を買い求め薬を作り始める...

ピエトロにエドアルド・レオ。
ジュリアに「昼下がり、ローマの恋/2011」「錆び/2011」のヴァレリア・ソラリーノ。
マッティアに「副王家の一族/2007」のヴァレリオ・アプレア。
ジョルジョにロレンツォ・ラヴィア。
アルトゥーロにパオロ・カラブレージ。
バルトロメオに「バッグにはクリプトナイト/2011」のリベロ・デ・リエンツォ。
アルベルトにステファノ・フレージ。
アンドレアにピエトロ・セルモンティ。
ドラッグ市場のボス、ムレーナにネリ・マルコレ。
監督、原案、脚本はシドニー・シビリア。

本作が長編デビュー作となる監督によると、“最高得点で学位を取得したゴミ収集員たち”というタイトルの新聞記事を見たのが映画を作る発端だったらしい。学位を持つ優秀なる人間が上手く職を得る事ができず社会の片隅に追いやられている現実があるという。
映画はコメディだが、社会からのけ者扱いされた学者たちが集まれば不可能なことも可能になってしまう。7人はドラッグで大もうけし、一時リッチな気分に酔う。
アルベルトが車の事故を起こさななければ…ドラッグ市場のボス、ムレーナが現れなければ…と想いは募るが…結局悪事は罰せられるのだ。
ドラッグを作るピエトロの同居中の恋人ジュリアが、ドラッグ中毒人間を更正させるカウンセラーというのも笑える。イタリアで大ヒットしたのも納得。ラストがイケてる。

有楽町朝日ホールにて
[PR]
by margot2005 | 2015-05-04 01:00 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「生きていてすみません!/これが私の人生設計」

「Scusate se esisto!」2014 イタリア
a0051234_19204192.jpg

a0051234_1919351.jpg

イタリアの大田舎に生まれたセレーナには素晴らしい絵の才能があった。やがて国内外で学位を修め、若くしてロンドンで建築家として花開く。しかし雨ばかり降るロンドンに嫌気がさしイタリアへ戻る決心をする。やがてローマに落ち着き職探しを始めるが、男社会の建築業界で苦悩することになる…

原案、脚本、出演(セレーナ・ブルーノ)に「ジョルダーニ家の人々/2010」のパオラ・コルテレージ。
フランチェスコに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」のラウル・ボヴァ。
セレーナの同僚ピエトロにコッラード・フォルトゥナ。
セレーナのボスのアシスタント、ミケーラに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のルネッタ・サヴィーノ。
フランチェスコの恋人ニコラにマルコ・ヴォッチ。
監督、原案、脚本は「ようこそ、大統領!/2013」のリッカルド・ミラーニ。

配給がついていない作品が多いので毎年楽しみにしているイタリア映画祭。一番最初に観たのが本作。今年はコメディが多いんだろうか?最初に観た作品がとても面白いコメディで大満足だった。

映画に戻って...
預金も尽き果てアルバイトでもして稼ごうと思ったセレーナはレストランでウエイトレスの仕事を始める。オーナーのフランチェスコは離婚歴のある子持ちの超イケメン。仕事が終わり家に送ってくれるフランチェスコに心は乱れ落ち着かない。しかし彼はゲイだった。
父親であるがゆえに愛する一人息子にゲイだと告げられない彼と、とても有能なのだけど女ということで企業に相手にされない彼女の組み合わせが面白い。フランチェスコに助けられ乗り切ったかに見えたセレーナだったが…現実はそう甘くはない。でもラストはとても爽やかだった。

ラウル・ボヴァのこのようなコミカルなキャラは初めて見た。「トスカーナの休日」と「向かいの窓」でヒロインをとろけさせた彼とは思えない。まぁ10年の歳月もありだが…ラウル・ボヴァは40代の味わい深い男性に変化していてますますゴージャス。
シリアスなドラマ「ジョルダーニ家の人々」で、精神科医を演じていたパオラ・コルテレージは絶対コメディが似合う。
監督と共にホールに現れた素顔のパオラ・コルテレージがチャーミング。

有楽町朝日ホールにて
[PR]
by margot2005 | 2015-05-02 23:01 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

「ローマの教室で~我らの佳き日々~ 」

「Il rosso e il blu」…aka「The Red and the Blue」2012 イタリア
a0051234_2145668.jpg

ある日、ローマの公立高校に国語の補助教員が採用される。やってきた若いジョヴァンニはやる気満々の熱血漢。しかし校長のジュリアーナは“教師は学校内の教育だけすればいい”という考えの持ち主で、おまけに“生徒はみんな頭が空っぽ”と嘆く老美術史教師のフィオリートがいた...

ジュリアーナに「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のマルゲリータ・ブイ。
ジョヴァンニに「輝ける青春/2003」「西のエデン/2008」「あしたのパスタはアルデンテ/2011」「昼下がり、ローマの恋/2011」「ローマでアモーレ/2012」「南部のささやかな商売/2013」のリッカルド・スカマルチョ。
フィオリートに「七つの慈しみ/2011」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のロベルト・ヘルリッカ。
アンジェラにシルヴィア・ダミーコ。
エンリコにダヴィデ・ジョルダーノ。
エレナ・トガーニにルチア・マシーノ。
アダムにヨヌッツ・ポウン。
監督、脚本は「もうひとつの世界/1998」「映画のようには愛せない/2004」のジュゼッペ・ピッチョーニ。

原タイトルは“赤鉛筆、青鉛筆”。
赴任早々意欲満々で授業に臨んだジョヴァンニも、集中しない多くの生徒に振り回され、素行不良で、授業放棄のアンジェラに手を焼く。
老教師フィオリートはあろうことか教室でタバコをくゆらせ授業は適当にすましている。一人暮らしの彼は未来もなく自殺しようか...なんて考える日々。
そんな中、ジュリアーナは体育館で寝袋にくるまる男子生徒エンリコを発見し、咳が止まらない彼を病院へ連れて行く。

ジョヴァンニはジュリアーナとは全く違う考えの持ち主。手を焼きつつもアンジェラが気がかりでならない。アンジェラの授業放棄は父親の失業と母親の死と知り、人情に厚いジョヴァンニはますますアンジェラが気になる。
一方で、ジュリアーナは母親に捨てられたエンリコの面倒とみるハメに陥り、病院へ入院させ見舞いに訪れる。“教師は学校内の教育だけすればいい”が信条ながらどうしようもないのだ。

イタリア映画祭2013で上映された時観たかったのだが都合が付かなくて断念。岩波ホールで公開され観ることができた。
クラス一の優等生であるルーマニアからの移民少年アダムや、臨床検査室に勤めるフィオリートの教え子エレナなども交えたヒューマン・ドラマは中々素敵だった。

神保町 岩波ホールにて(10/10迄上映)
[PR]
by margot2005 | 2014-10-06 21:13 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」

「La grande bellezza」…aka「The Great Beauty」2013 イタリア/フランス
a0051234_11324562.jpg


a0051234_11343695.jpg
ローマの社交界に君臨するジャーナリスト、ジェップは今年65歳を迎える。遥か昔40年前に高い評価を得た小説を書いて以来、今だ一冊も書けていない。作家として書くものが見いだせないのだ。目の前に堂々とコロッセオがそびえる超高級アパートのベランダでリッチな仲間たちと夜を過ごし、夜明けには一人ローマの街を散策する。そんなある日、若い頃に愛したエリーザの夫が訪ねて来る…。

ジェップに「湖のほとりで/2007」「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「それは息子だった/2012」「自由に乾杯!/2013」のトニ・セルヴィッロ。
ロマーノに「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「昼下がり、ローマの恋/2011」のカルロ・ヴェルドーネ。
ラモーナにサブリナ・フェリッリ。
枢機卿に「七つの慈しみ/2011」のロベルト・ヘルリッカ。
監督、脚本は「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」のパオロ・ソレンティーノ。

エリーザの夫がジェップを訪ねて来たのは彼女が亡くなったから…エリーザが亡くなり鍵のかかった日記を見つけた夫はそれをこじ開け読んでしまう。日記にはジェップへの想いが切々と綴られていたのだ。
ジェップの友人で売れない劇作家のロマーノはローマに失望し故郷へと帰る。旧友の娘でヌード・ダンサーのラモーナに惹かれるが、やがて彼女は病で亡くなる。
日々、華やかな生活を謳歌しながらも心に空しさが募るジェップはある時、彼の小説に感銘を受けたという104歳の修道女にインタビューする機会を得る。“なぜ小説を書かないのか?”と問いつめられたことをきっかけに、座礁した豪華客船の取材でエリーザとの思い出の地を訪ねる。そしてジェップは書くことへの希望を見いだすのだ。

ストリップ、クラブのヌード・ダンサーやアーティストにマフィア、そして貴族や修道女まで登場するローマの街は興味深い。隣に住む紳士がマフィアだったというのもイタリア的??

闇に浮かぶナヴォーナ広場や、人の全くいない夜のカピトリーニ美術館まで登場する。主演のトニ・セルヴィッロのポスターに映る彫刻…何処かで!見た!と思っていたら2年前に訪れたローマのカピトリーニ美術館の大彫刻(下、デジカメで撮った写真)だった。ポスターは合成写真。

トニ・セルヴィッロは65歳の初老の男を演じているが、実際は10歳も若い。「湖のほとりで」で初めてお目にかかったセルヴィッロは現在のイタリアを代表する俳優なのだろう。温厚な刑事から狂気の首相まで幅広い役柄がどれもこれも適役で素晴らしい。今年のイタリア映画祭で観た「自由に乾杯!」の双子の兄弟役は最高だった。シアターで見損ない、最近wowowで見た「眠れる美女/2012」の彼も素晴らしかった。

映画はタイトル道りゴージャスに美しい!耽美の世界を堪能できる。そして当たり前ながらローマってキリスト教国なのだとしみじみ感じる。

「隣の女/1982」「恍惚/2003」「パリ、ジュテーム/2006」のフランス人女優ファニー・アルダンが本人役でワンシーンに出演している。
a0051234_11332268.jpg

Bunkamura ル・シネマにて
[PR]
by margot2005 | 2014-09-24 00:18 | イタリア | Trackback(4) | Comments(0)

「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」

「Sacro GRA」 2013 イタリア/フランス
a0051234_23142073.jpg

監督、撮影にジャンフランコ・ロージ。

全長約70キロ、イタリア最長の環状高速道路GRAはローマを土星の輪のように取り囲んでいる。
その周辺に住む人々...
ヤシの幹の中の音を聞き害虫から守る研究をする植物学者。
上空を飛行機が飛び交う高層アパートに住む父親と大学生の娘がとりとめもない会話を交わす。
お城のような大邸宅に住み、それを映画撮影やセレモニー、B&Bに貸し出している自称没落貴族。
環状線の救急隊員は年老いた母親を気使う心優しい男性。
テヴェレ川でうなぎ漁をする老漁師は後継者がいないことを嘆いている。
両性具有の車上生活者は子守唄を口ずさむ。
そして道路沿いの屋台には女装のゲイ、大道芸人、外国人売春婦など様々な人々が集まってくる。

主人公たちはローマ環状線周辺に暮す市井の人々。主に6組の家族が織りなす日常生活。世界的観光地ローマが舞台ながら、映画には観光客が訪れるスポットは全く映しだされない。淡々と進むドラマの中に、自称没落貴族と植物学者を除きイタリアの底辺に住む人々のほのぼのとした生活を覗き見た気分になる。

没落貴族がきんきらきんの部屋で風呂に入り葉巻をくゆらす姿や、部屋の壁中に偽物の著名な絵画…フィレンツェ、パラティーナ美術館にあるラファエロの”聖母子像”の模造画があって笑える。
ヘッドフォンで樹から発する音を分析する植物学者のエピソードも面白かったし、高層アパートに住む親子の会話がナイス。母親を気遣い、深い愛を注ぐ救急隊員のおじさんの姿にはジーンとくる。

初日(8/16)に観に行ったところ満員で断られた。土曜日でお盆ってこともあるし…以前から都内のシアターはお盆には人が入る。帰省する人を除いて仕事が休みの人が多いせいだろう。上映はヒューマントラストの小さい方のシアター。で、気を取り直して9月に入ってから観に行ったところかなり空いていたな(平日最終回)。
イタリア映画祭2014で上映され少々気になっていたドキュメンタリー映画。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて(現在レイトショーのみ上映中)
[PR]
by margot2005 | 2014-09-22 23:26 | イタリア | Trackback(4) | Comments(0)

イタリア映画祭2014...「いつか行くべき時が来る」

「Un giorno devi andare」...aka「There Will Come a Day」2012 イタリア/フランス
a0051234_23231172.jpg

a0051234_23233715.jpg
a0051234_23232553.jpg

アウグスタに「息子の部屋/2001」「輝ける青春/2003」「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」のジャスミン・トリンカ。
アウグスタの母アンナに「ムッシュ・カステラの恋/1999」のアンヌ・アルヴァロ。
アウグスタの祖母アントニアに「もうひとつの世界/1998」のソニア・ゲスネル。
宣教師フランカにピア・エングレベルト。
ジャナイーナにアマンダ・フォンセカ・ガルヴァン。
監督は「やがて来る者/2009」のジョルジョ・ディリッティ。

イタリア、トレントに住むアウグスタは子供を亡くし夫にも去られた深い悲しみを抱えブラジル、アマゾンに渡る。アマゾン川沿いの村でキリスト教を布教する宣教師のフランカはアウグスタの母アンナの友人。異国の地でポルトガル語を覚えながらフランカと行動を共にするが、地元の宣教師たちの姿に違和感を感じ下船する。そしてマナウスの町にやって来たアウグスタはスラム街に間借りをし、貧しくとも温かい人々と交流するうち、彼女の心は次第に癒されていくのだった。
ラスト、ブラジル、アマゾンの奥地で一人瞑想?にふけるアウグスタはまるで女シッダールタ(釈迦)にように見える。

アウグスタ、母アンナ、祖母アントニア三世代の女性。そして宣教師フランカに、マナウスのスラム街で間借りした家の娘ジャナイーナ...ドラマの中の女性たちは皆心に悲しみを抱えていて少々悲しいドラマだが、徐々に癒されていくアウグスタに観ている方もほっとする。全体的に宗教色がかなり濃いので少々の違和感は否めない。

しかしながらアマゾンの大自然が雄大!の一言!アウグスタが滞在したマナウスは2014 FIFAワールドカップの開催都市の一つ。ドラマを見ていてかなりの都会だと分るが、貧富の差が凄まじいことに驚く。
本作で30歳の女性を演じるジャスミン・トリンカは1981年生まれ。「イタリア的、恋愛マニュアル」ではとてもキュートだった彼女も、落ち着いた大人の女性に変身していて素敵だ。
同じくジャスミン・トリンカ主演の「ミエーレ/2013」も観たかったのだが時間が取れなくてあきらめた。
[PR]
by margot2005 | 2014-05-16 23:31 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)