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「ある天文学者の恋文」

「La corrispondenza」…aka「Correspondence」2016 イタリア

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ホテルで逢瀬を重ねるエドワードとエイミー。“またしばらく会えない。手紙を書くよ。”と言って去って行くエドワード。エイミーはスタントマンのアルバイトをしながら大学に通っている。そんなある日、大学で担当教授からエドワード・フィーラム教授が亡くなったと告げられる。ショックを受けたエイミーがエドワードの携帯に電話をかけると留守番メッセージが流れてきた...

エドワード・フィーラム教授に「栄光のランナー/1936ベルリン/2016」ジェレミー・アイアンズ。

エイミー・ライアンに「パリ、ジュテーム/2006」「007/慰めの報酬/2008」「故郷よ/2011」「陰謀のスプレマシー/2012」「トゥ・ザ・ワンダー/2012」のオルガ・キュリレンコ。

エドワードの娘ヴィクトリアに「フィルス/2013」のショーナ・マクドナルド。

島の船乗りオッタヴィオに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「いつだってやめられる/2014」パオロ・カラブレージ。

島の女アンジェラにアンナ・サヴァ。

エイミーの母親にイリーナ・カラ。

監督、脚本は「題名のない子守唄/2006」 「シチリア!シチリア!/2009」「鑑定士と顔のない依頼人/2013」のジュゼッペ・トルナトーレ。

亡くなったはずの人間からメールや手紙やプレゼントが送られて来る。なぜ?ドラマの中盤で謎が解き明かされる。

著名な天文学者の大学教授とその教え子が恋愛関係にある。物語が進むにつれ教授の妻は亡くなっている様子で、これは不倫ではないと分ったり、教え子エイミーと、教授エドワードの娘は同じ年齢と言うことが判明する。スゴい年齢差ながら大学教授とその教え子が恋に落ちるって良くあることなのだろうか?

エドワードが亡くなった事実を受け入れられないエイミーは、なんとか彼にコンタクトを取ろうとするが、電話からは常に留守番のメッセージが返ってくるばかり。エイミーは思案の末エドワードの住まいのあるスコットランド、エジンバラへと赴く。彼の家の前にやっては来たが訪ねることに躊躇し、道路にたたずみ家の様子を見ることしかできない。

エドワードは亡くなっているのにエイミーの元に手紙や小包が届くのだ。その中にはPCから語りかけるエドワードの映像も含まれていて、ある時届いた小包の中には鍵が...それは二人が共に過ごしたオルタ・サン・ジューリオの屋敷の鍵だった。

ミステリーってわけでもないけど、何となくミステリーっぽい雰囲気が漂うこのような展開のドラマは初めて見たかも?エドワードが天文学者という設定がドラマにマッチしているし、エイミーがスタントマンのアルバイトをしている設定も面白い。時折、映画の撮影でスタントマンを演じるエイミーのシーンが挿まれる。

ジェレミー・アイアンズは60代後半ながら男としての魅力があふれる俳優で本作の役柄にはぴったり。

ドラマにはそれほど惹かれなかったけど、舞台となるイタリア、ピエモンテ州のオルタ・サン・ジューリオや、スコットランド、エジンバラでロケされた景色が美しい。特にオルタ・サン・ジューリオは美しく神秘的でドラマを盛り上げている。

TOHOシネマズ・シャンテにて



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by margot2005 | 2016-10-07 23:36 | イタリア | Trackback(1) | Comments(2)

「神様の思し召し」

「Se Dio vuole」…aka 「God Willing」2015 イタリア
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天才心臓外科医トンマーゾは腕は良いが傲慢な性格のせいで病院のスタッフに煙たがられている。ある日、医大生の息子アンドレアから“神父になる!”と告白され呆然となる。やがてあることをきっかけに、アンドレアがその気になったのはカリスマ神父ピエトロのせいと確信する。そして神父の身辺を調査した結果、刑務所帰りの前科者であることが判明。トンマーゾはピエトロの正体を暴くため心臓外科医の身分を偽って神父に接近する...

トンマーゾに「赤いアモーレ/2004」のマルコ・ジャリーニ。
ピエトロに「トランスポーター2/2005」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「われらの子供たち/2014」のアレッサンドロ・ガスマン。
カルラに「息子の部屋/2001」「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」のラウラ・モランテ。
ビアンカにイラリア・スパダ。
ジャンニにエドアルド・ペッシェ。
アンドレアにエンリコ・オティケル。
監督、脚本はエドアルド・ファルコーネ。

暇を持て余しボランティア活動に励むアル中の妻カルラ。娘のビアンカはお気楽で夫のジャンニは冴えない不動産屋。トンマーゾの唯一の希望は医大生の息子アンドレアの将来。しかしそのアンドレアが突然神父になると宣言する。医者を継いでくれるとばかり思っていたのに…。
子供は決して親の思いどうりにはならないことを、自己中で傲慢な男が身を持って体験することになる。

カトリックの本山があるローマは歩いていても普通に神父や修道女の姿を見かける。バチカン周辺では尚更のこと。“神などいない!”と豪語するトンマーゾや、ビアンカが弟アンドレアの聖書に無中になる様を見て可笑しかった。

“神などいない!人々を救うのは医者だ!”と力説する心臓外科医がひょんなことからカリスマ神父と出会う。しかし医者も病気は治せても人生を修復することはできない。方法は異なるが医者も神父もそれぞれ人を救う立場にある。その二人が互いに歩み寄り、認め合うコメディ・ドラマは痛快で見応えがあった。
しかしながらあの梨が落ちるシーンのラストが非常に気になる。

トンマーゾが住むマンションのバルコニーの真後ろにサンタンジェロ城が見え、その後ろにライトアップされたサンピエトロ寺院が姿を見せる。あのロケーションは美し過ぎてスゴい。きっと超高級マンションに違いない。以前見たフランス映画で、バルコニーから凱旋門が見えるアパルトマンが登場していた。歴史のあるヨーロッパの街中にそびえるスーパー級に有名な建物の側に建つマンションってやはりセレヴの家?
アレッサンドロ・ガスマンが神父なんて?と思ったけど、意外にハマっている。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-09-07 22:59 | イタリア | Trackback(4) | Comments(0)

「ローマ発、しあわせ行き」

「All Roads Lead to Rome」イタリア/USA 2015
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バツイチのマギーはニューヨークに住むジャーナリスト。ある日、反抗期の娘サマーを連れてイタリアに旅立つ。マギーにとってイタリアは初恋の相手ルカと出会った思い出の場所だった...

マギーに「幸せのポートレート/2005」「噂のモーガン夫妻/2009」「セックス・アンド・ザ・シティ/2008」「ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)/2011」のサラ・ジェシカ・パーカー。
サマーにロージー・デイ。
ルカに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」「これが私の人生設計(生きていてすみません!)/2014」のラウル・ボヴァ。
カルメンに「鞄を持った女/1961」「山猫/1963」「ブーベの恋人/1963」「家族の灯り/2012」のクラウディア・カルディナーレ。
ジュリアに「スパングリッシュ/2004」「ひばり農園/2007」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のパス・ベガ。
ヴァレンティーナにナディール・カゼッリルカ。
モラヴィア警部補にマルコ・ボニーニ。
監督はエラ・レムハーゲン。

異国の地で初恋の相手と20年ぶりに奇跡的に出会うなんて...おまけに彼はシングル...あまりにも出来過ぎだけど映画なので許してしまった。

18:30の回に鑑賞したところシアターは満席。イタリアが好きでロマンティック・コメディが好きな人が集まったって感じ。
隣にとても若い男の子がいて(大学生?)イタリアが好きなのかな?なんて思った。そういえばすぐ近くにおじいさんがいたけど、サラのファンか?ロマコメ、ファンかも?それともクラウディア・カルディナーレのファン?
私自身はロマコメとラウル・ボヴァが見たかったから…。
ロマンティック・コメディって今の時代に合わないのだろうか?公開される作品が極端に少ない気がする。でもシアター満員ということは愛好家もいるわけで、もっとたくさん公開して欲しいな。

結末は見え見えながら、イタリアの美しい田舎の景色とローマの街、そしてラウル・ボヴァの出演を楽しんだが、ラウルがおじさん化していて少々悲しい。
サラもちょっと好きなハリウッド女優。クラウディア・カルディナーレがラウルのマンマ役で、ラウルの元ガールフレンド役のパス・ベガが相変わらず妖艶な魅力を振りまいている。
今やおばあさんとなったカルディナーレはハスキーボイス(つぶれた声の方がぴったりかも?)で、なぜか?可愛い。

新宿シネマカリテ/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016にて
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by margot2005 | 2016-08-10 00:11 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「緑はよみがえる」

「Torneranno i prati」…aka「Greenery Will Bloom Again」2014 イタリア
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1917年、冬。第一次世界大戦下のイタリア、アルプス、アジア—ゴ高原。イタリア軍とオーストリア軍は極寒の銀世界の中、塹壕を掘り互いに向かい合っている。戦いは膠着状態で若い兵士たちは厳しい寒さと飢えに疲労困憊する上、いつ落ちてくるかもわからない砲弾に怯えていた。そんな折、現状を全く理解していない少佐とまだ若い中尉がやって来る...

少佐に「最後のキス/2001」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「赤い肌の大地/2008」「ジョルダーニ家の人々/2010」「海と大陸/2011」のクラウディオ・サンタマリア。
若い中尉に「ヘヴン/2002」「ジョルダーニ家の人々」のアレッサンドロ・スペルドゥーティ。
大尉にフランチェスコ・フォルミケッティ。
ナポリ出身の兵士にアンドレア・ディ・マリア。
監督、脚本は「木靴の樹/1978」「明日へのチケット/2005」「ポー川のひかり/2006」「楽園からの旅人/2011」のエルマンノ・オルミ。

前線を任された大尉に届いた指令は“通信が敵に傍受されているため、新たな通信ケーブルを敷け!”というものだった。しかし危険が伴うその作業に猛反撥した大尉は軍位を返上してしまう。そして後を任されたのは戦争経験のない若い中尉だった。

劣悪な環境の塹壕で体力を消耗した兵士は疲れ果て、インフルエンザに冒された者までいる。戦おうとする意志と活力も尽き果て、ただ家に帰りたいと願うばかり。時折届く家族や恋人からの手紙が、唯一心のよりどころ。
若い中尉は想像とはかけ離れた戦争の醜さに直面し、なす術もなく、自分の無力さに打ちのめされる。
やがて彼は“愛する母さん、一番難しいのは、人を赦すことですが、人が人を赦せなければ人間とは何なのでしょうか"と手紙を綴り始めるのだった。

短いドラマ(76分)から戦争の醜さが強烈に伝わってきて怖くなる。
巨匠と呼ばれる人の作った映画は基本的に暗いのかも知れない。本作が公開される前に、巨匠の「木靴の樹」の期間限定上映があった。それはDVDで見たが途中挫折していて最後まで見ていない。いつか再チャレンジしようと思う。一方でかなり宗教的な作品ながら「ポー川のひかり」は中々素敵な映画だったのを思い出す。
若い大尉役のアレッサンドロ・スペルドゥーティは「ジョルダーニ家の人々」でイケメン高校生ロレンツォを演じた俳優。本作では優しい顔つきの彼が、終始とても悲しい表情を見せ切なくなる。

DVDだと途中でやめてしまうこともあるが、シアターでは決して途中で挫折はしない。かなり睡魔に襲われたもののなんとか最後迄鑑賞した。
イタリア映画祭2016で盛んに宣伝していたからかどうか定かではないが、思ったより観客入っていた。巨匠エルマンノ・オルミに惹かれるのかも知れない。

岩波ホールにて(6/3迄)
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by margot2005 | 2016-05-31 00:11 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「グランドフィナーレ」

「Youth」 2015 イタリア/フランス/UK/スイス
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高級リゾートホテルに宿泊するフレッド・バリンジャーは英国を代表する世界的音楽家。現役を引退し80歳を過ぎた今、アルプスのリゾートホテルで優雅なバカンスを満喫している。長年の親友で娘婿の父親でもある映画監督のミックも同じホテルの宿泊客。ミックはフレッドと違って今だ現役で、若いスタッフたちと新作の準備に勤しんでいた…

フレッド・バリンジャーに「スルース/2007」「ダークナイト ライジング/2012」「キングスマン/2014」のマイケル・ケイン。
ミック・ボイルに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「贖罪の街/2014」のハーヴェイ・カイテル。
レナ・バリンジャーに「ナイロビの蜂/2005」「ファウンテン/2006」「マイ・ブルーベリー・ナイツ/2007」「ドリーム・ハウス/2011」「ロブスター/2015」のレイチェル・ワイズ。
ジミー・ツリーに「キング 罪の王/2005」「リトル・ミス・サンシャイン/2006」「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド/2007」「それでも夜は明ける/2013」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー/2015」のポール・ダノ。
ブレンダ・モレルに「みんなで一緒に暮らしたら/2011」「大統領の執事の涙/2013」「あなたを見送る7日間/2014」「パパが遺した物語/2015」のジェーン・フォンダ。
英国女王の使者に「ワンチャンス/2013」のアレックス・マックイーン。
ミス・ユニヴァースにマダリーナ・ゲネア。
ディエゴ・マラドーナにロリー・セラーノ。
監督、脚本は「イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-/2008」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のパオロ・ソレンティーノ。

原タイトルはズバリ“若さ”。
フレッドの娘で彼のアシスタントでもあるレナと、ハリウッドの元スター俳優ジミー・ツリーを絡ませながら、美しい背景を舞台に描いたドラマはとてもゴージャス。

ある日、英国女王の使者がフレッドを訪ねてくる。オファーはフレッド・バリンジャーの不朽の名曲“シンプル・ソング”を 自らの指揮で演奏して欲しいというものだった。しかしフレッドはそれを頑に断るばかり。理由を聞いても決して答えようとはしない。それはアシスタントのレナも知らないことだった。
そんな折、レナは夫が浮気をしていることを父親に打ち明ける。
ミックは往年の人気女優ブレンダを新作に出演させようとしていたが、いきなりミックを訪ねてやって来たブレンダにくそみそに罵られ落ち込んでしまう。

ミックのラストは悲惨だったが、後に決断したフレッドは英国女王の前で“シンプル・ソング”の指揮をする。愛する妻のために作ったその曲を指揮したフレッドのラストは晴れ晴れとしていた。そして新しい恋を見つけたレナも...。
アドルフ・ヒトラー役を“演じられない!”と拒否した俳優ジミーの将来はどうなっていくのかな?と少々気になった。

老境を迎えたフレッドとミック。女優のブレンダもそうだが、女性はやはりスゴい!あのパワー!演じるジェーン・フォンダは来年80歳になるという。もちろんシワだらけだがゴージャスなオーラを放っている。
俳優を演じるポール・ダノがスゴく良かった。前作「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」もナイスだったけど…。
レイチェル・ワイズも好きなUK女優で、俳優陣がとても豪華で、ドラマの背景もとても豪華で惹き付けられた。
最初あのデブのおじさんは誰?とわからなかったけどIMDbでディエゴ・マラドーナを演じているのだとわかった。マラドーナなら高級リゾートホテルに集うセレブの一人として全く違和感はない。テニス・ボールでのリフティングはスゴかった。多分CG??

IMDbのジャンルではコメディに分類されていて??コメディっぽいシーンって?女優のブレンダが飛行機で暴れるシーンと、俳優ジミーがアドルフ・ヒトラーのメイクで台詞を語る時…そうそうディエゴ・マラドーナのシーンは少々可笑しかった。

ポスターにもある水に浸かったヴェネチア、サン・マルコ広場。水に渡したボードの上を歩くフレッドとミス・ユニヴァースのシーンはとても幻想的。ホテル内でも美しいプールのシーンが何度か登場する。
美しい水のシーンと、撮影されたスイスの緑が実に美しい!映画は“耽美”の世界といっても良いほどの美しさだった。

シネリーブル池袋にて
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by margot2005 | 2016-05-11 23:58 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「オレはどこへ行く?」

「Quo vado?」 2016 イタリア
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終身雇用の公務員にしがみつく男ケッコを描いた痛快コメディ。

ケッコにケッコ・ザローネ。
ヴァレリアにエレオノーラ・ジョヴァナルディ。
シローニ女史に「輝ける青春/2003」「孤独な天使たち/2012」のソニア・ベルガマスコ。
ケッコの父親ペッピーノにマウリツィオ・ミケーリ。
ケッコの母親カテリーナにルドヴィカ・モドゥーニョ。
マーニョ大臣にニンニ・ブルスケッタ。
ビネット上院議員にリーノ・バンフィ。
ケッコのフィアンセにアッズラ・マルティーノ。
観測隊員に「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のパオロ・ピエロボン。
監督、原案、脚本はジェンナーロ・ヌンツィアンテ。
原案、脚本、音楽はルカ・メディチ(ケッコ・ザローネ)。

地方都市で公務員の職にあるケッコは38歳のシングルで両親と同居している。フィアンセに結婚をせがまれているが、心から愛するのはマンマだけ。そんなある時、政府が公務員の人員削除に乗り出し早期退職者を募ることになる。ケッコは退職か勤務地変更か?の選択に迫られる。マーニョ大臣の命令によりシローニ女史は次々と早期退職に追い込むことに成功するが、ケッコはだけは絶対に首を縦に振らない。で、彼女はケッコを退職させるべく、嫌がらせでイタリアのあらゆる所に左遷するが全く動じない有様。頭にきたシローニ女史は彼を北極圏にあるノルウェーの離島の観測所に送り込む。やがてケッコはあまりの寒さにイタリアに戻りたい!気持ちが芽生え始めるが、観測所で働くヴァレリアに一目惚れし、彼女の3人の連れ子と共に暮らし始める。

ケッコは一時ヴァレリアとノルウェーで幸せな日々を送っていたが、やはりノルウェーは寒い!ヴァレリアを説き伏せイタリアに戻りプーリアに赴任することになる。とにかくどこまでも公務員なのだ。しかしそんな公務員魂がいやになったヴァレリアはケッコと別れる決断をする。
オープニングとエンディングはアフリカ。予想どうり二人のヨリは戻ったわけ。

主演のケッコ・ザローネはイタリアでは有名なコメディ俳優とのこと。でもケッコ・ザローネの映画は今回初めて見た。日本のお笑い芸人にいそうなタイプで、その中の誰かに顔似ている?なんて思ったりもした。
この方多彩な人で主題歌も歌っている。
氷のようなシローニ女史を演じるソニア・ベルガマスコはシリアスなドラマの「輝ける青春」や「孤独な天使たち」より本作のようなコメディがとても似会う女優。

映画祭のエンディングにふさわしい痛快イタリアン・コメディは、もうとにかく全編笑いっぱなしで…隣の女性はうるさいくらい笑っていてちょっと困ったけど...。
今年は5本しか見ることができなかった。中でも良かったのは、移民問題を扱った「地中海」、同性愛を描いた「私と彼女」、そして過激なストーリーの「暗黒街」はとても見応えがあったし、ラストに見た「オレはどこへ行く?」はもう最高!にくだらなくって面白いイタリアン・コメディで大満足。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-10 21:19 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「暗黒街」

「Suburra」2015 イタリア/フランス
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政治家、ギャング、聖職者が複雑に絡み合い、金と欲望に生きる男たちの1週間を描いた壮絶なる暗黒街のスリラー・ドラマ。

フィリッポ・マルグラーディに「家の鍵/2004」「題名のない子守唄/2006」「対角に土星/2007」「セントアンナの奇跡/2008」「天使と悪魔/2009」「気楽な人生/2011」のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
セバスティアーノに「ナポレオンの愛人/2006」「NINE/2009」「我らの生活/2010」「家の主たち/2012」「無用のエルネスト/2013」「レオパルディ/2014」のエリオ・ジェルマーノ。
ナンバー8にアレッサンドロ・ボルギ。
サムライに「王妃マルゴ/1994」のクラウディオ・アメンドラ。
ナンバー8の恋人ヴィオラにグレタ・スカラーノ。
娼婦サブリーナにジュリア・エレットラ・ゴリエッティ。
マンフレディ・アナクレッティに「ブルーノのしあわせガイド/2011」のアダーモ・ディオニージ。
ベルシェー枢機卿に「ベティ・ブルー/愛と激情の日々/1986」「ニキータ/1990」「王妃マルゴ/1994」「ラクダと針の穴/2003」のジャン=ユーグ・アングラード。
監督、原案、脚本はステファノ・ソッリマ。

原タイトルの「Suburra」とは“古代ローマ時代、売春宿や居酒屋が立ち並び、政治家とゴロツキなど異なる世界の住人が密かに接触した地区の名称”だそう。原タイトルは正にドラマにぴったり!

ドラマは2011年11月5日から12日にかけての1週間を描いており、11月12日にイタリア共和国第60代首相シルヴィオ・ベルルスコーニが辞任する。
過去に日本でもその数々の醜聞が報道されたイタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニと、政治家フィリッポ・マルグラーディが被って見える。

ローマ郊外のオスティアを牛耳るナンバー8は“ウオーターフロント計画”と呼ばれる再開発のため、暴力をもって地上げを進めている。一方で議会で再開発計画を推進するマルグラーディはローマの暗黒街を牛耳るサムライと強く結びついている。
ある夜、マルグラーディがホテルに二人の娼婦を連れ込みドラッグとセックスに溺れる最中、一人の若い娼婦がドラッグ中毒で死んでしまう。彼女はまだ17歳だった。あせったマルグラーディは事件をもみ消そうと事を起こす。やがてマルグラーディが犯した罪からナンバー8とロマ(ジプシー)のアナクレッティ一家との抗争が勃発する。

ハリウッド大作にも出演するピエルフランチェスコ・ファヴィーノが、貫禄たっぷりにワル役を演じる一方で、ちょっとキュートなエリオ・ジェルマーノが情けないキャラにぴったり。でも怒りに怒ったラストは痛快だった。
ベルシェー枢機卿を演じるフランス人俳優ジャン=ユーグ・アングラードの老けぶりに驚き。見ていて誰だか全くわからなかった。
スキンヘッドにタトゥでひげ面のアレッサンドロ・ボルギの素顔は超イケメン。実際の彼は髪の毛ありそう。

ドラマのロケーションで、ライトアップされたサンピエトロ寺院や、テヴェレ川にかかる橋の奥に浮かび上がるサンタンジェロ城。そして大統領官邸前広場や、華やかなローマの街が映し出されたロケーションには大満足だったが、この映画ホントにスゴい!強烈なストーリーだった。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-09 00:32 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「私と彼女」

「Io e lei」2015 イタリア
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建築家のフェデリカと、ケータリング・ビジネスを展開するマリーナは5年前から恋人として暮らしている。フェデリカはかつては良き妻、良き母で元夫セルジオとの間に24歳の一人息子ベルナルドがいる。しかしかつて女優だったマリーナは同性しか愛したことがなかった...

フェデリカに「母よ、/2015」のマルゲリータ・ブイ。
マリーナに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のサブリナ・フェリッリ。
眼科医マルコに「湖のほとりで/2007」のファウスト・マリア・シャラッパ。
マリーナのアシスタント、カミッラに「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のアレッシア・バレーラ。
フェデリカの息子ベルナルドにドメニコ・ディエーレ。
フェデリカの同僚カルロにアントニオ・サバテーリ。
フェデリカの元夫セルジオに「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」「対角に土星/2007」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエンニオ・ファンタステキーニ。
映画プロデューサー、ステファノに「あしたのパスタはアルデンテ」「あなたたちのために/2015」のマッシミリアーノ・ガッロ。
監督、原案、脚本は「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のマリア・ソーレ・トニャッツィ。

ドラマのオープニングはセルジオの若い妻が生んだ子供の洗礼式。
フェデリカはマリーナと同居しているものの職場では同性愛の関係を隠している。ある時、雑誌のインタビューを受けたマリーナが建築家の女性と暮らしていると告白する。記事は同僚のカルロに知られた上、マリーナは女優業を再開すると言う。二人の中が公になるのを恐れるフェデリカは動揺し戸惑う。しかし女性しか愛したことのないマリーナは“あなたは同性愛を恥じているの?私を愛していないの?”とフェデリカを責める。そうこうするうちフェデリカは昔の友人で眼科医のマルコと出会い関係を持ってしまう。それを知ったマリーナは怒りをあらわにしてフェデリカを家から追い出してしまう。
この辺りの展開にフランス映画「アデル、ブルーは熱い色/2013」を思い出した。女の執念は怖い!?
まぁ結末は読めるけれど、男たちを排除して生きる彼女たちの人生が中々素敵。母親と息子の関係は別だけど…。

撮影されたイタリア、ラツィオ州のラディスポリ(ローマから車で30分くらい)の海岸はとても美しく、二人が乗る車の窓からは素敵なローマの景色が見えて懐かしい。マリーナの事務所はヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂側のロケーション。そして女性二人が住むアパートのインテリアはとてもゴージャスでため息がでる。やはり女性監督だなぁと思わせるシーンや台詞がたっぷりと織り込まれているのが良かったな。
フェデリカのさりげないファッションにも注目だし、何はともあれ主演二人の女優がナイス。
「キャロル/2015」も素敵なレズビアン映画だったけど、本作は21世紀が舞台の上、少々コメディ・タッチのラブ・ロマンスでとっても素敵な作品だった。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-07 11:37 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「あなたたちのために」

「Per amor vostro」2015 イタリア/フランス
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ナポリに住むアンナはTVドラマの製作スタジオでプロンプターとして働いてる。夫ジジは花火を売って稼いでいるというが、どうやら怪しい仕事に携わっている様子。二人の娘と、ろうあ者の息子に加え両親の面倒も見なくてはならないアンナは“あなたたち(大家族)のために”生きているといっても過言ではない。家で暴力を振るう夫に耐え、そんな父親を憎む息子を諌める。一歩外に出ればアンナの働く前にプロンプターだったチーロから仕事を取られたと愚痴られ金をせびられる始末。そんなさえない日々のアンナにスター俳優のミケーレが言いよってくる...

アンナに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「私たちの家で(愛と欲望 ミラノの霧の中で)/2006」「湖のほとりで/2007」「バッグにはクリプトナイト/2011」のヴァレリア・ゴリノ。
ジジに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」マッシミリアーノ・ガッロ。
ミケーレに「スウェプト・アウェイ/2002」アドリアーノ・ジャンニーニ。
監督、原案、脚本、製作はジュゼッペ・M・ガウディーノ。

子供の頃勇敢だった少女が大人になり結婚して3人の子供の母親となった今、夫の暴力に耐え、子供たちをかばい、頼りにならない兄の代わりに両親の面倒まで見なくてはならない現実が立ちはだかっている。
映画祭の公式カタログに“ジュゼッペ・M・ガウディーノの映画は主に社会的疎外と文化的に排除されるということを題材にしている。”と記されている。本作のヒロイン、アンナが正にそれだ。
ドラマはモノクロで描かれ、アンナの夢と記憶だけはカラーで描いている。そしてドラマのエンディング(現実)もカラー。

この映画はいわゆるアンナの人生再生ドラマ。
マルゲリータ・ブイの「母よ、/2015」にも登場した水のシーン。本作では走行するバスの床が水浸しになる。それは何かの暗示なのかも知れない。
信心深いアンナの母親の姿や、子供の頃“聖母被昇天祭”で天使に扮したなど、宗教色も濃いので少々とっつきにくいドラマではある。
ポスターを見てヒロインの目から下を覆う白い部分は天使の羽であることに気づいた。

ちょっと気になったのはドラマの時代設定が良くわからないこと。ミケーレが携帯電話を持っていたように見えたので現代であるのは間違いない。でもまるで60年代のような雰囲気を感じるのはモノクロのせい?それともアンナのアンティークっぽい服装のせい?そういえばミケーレもレトロな雰囲気を醸しだしている。
さえない子持ちのアンナにスター俳優のミケーレがなぜ?誘惑してくるのか?と、とても不思議だったがなるほどの展開で呆れた。

TV俳優ミケーレ役の俳優はどこかで見た、見たと思っていたらガイ・リッチーの駄作でマドンナ主演の「スウェプト・アウェイ」で船員ジュゼッペを演じた彼だった。かなり老けた感じ。
トム・クルーズの「レインマン/1988」でヒロインを演じたヴァレリア・ゴリノは今年50歳になるがとてもキュート。リッカルド・スカマルチョがパートナーだから?

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-05 00:46 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「地中海」

「Mediterranea」2015 イタリア/フランス/USA/ドイツ/カタール
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アイヴァは西アフリカのブルキナファソで娘と暮すシングル・ファーザー。ある日、より良い暮らしを求めヨーロッパに働きに出ることを決意する。彼は親友のアバスと共に広大な北アフリカの砂漠を徒歩で横断しリビアの海岸に到着。その後ボートで地中海を渡り南イタリア、ロサルノの街にたどり着く…

アイヴァにクドゥ・セイオン。
アバスにアラサン・シー。
監督、原案、脚本はジョナス・カルピニャーノ。

アイヴァは愛する娘を妹に預けアバスと共にヨーロッパにやって来た。それは命がけの旅で、地中海では窃盗団の掠奪に遭い海に投げだされたりもしたがなんとかイタリア上陸を果たし、二人はロサルノのオレンジ農園で働き始める。アフリカ人をこき使う雇い人に反撥を覚えるアバスに反して、真面目なアイヴァは一生懸命働き続ける。月日がたち農園のオーナーに気に入られたアイヴァは家にも出入りしイタリア人一家と食事を共にするようになる。アイヴァは正当な滞在許可が欲しくてオーナーに頼み込むが良い返事はもらえなかった。
やがて移民労働者たちの反乱が起き、そこには率先して参加するアバスと、躊躇しながらも反乱に加わるアイヴァの姿があった。
ラスト、一生懸命働いても不法移民以外の何者でもない扱いに故郷に帰る決断をしたかに見えたアイヴァ...パーティでの大ラスのアイヴァは残る決断をしたかに見えた。

監督のジョナス・カルピニャーノはイタリアとアフリカ系アメリカンのハーフだそうで、本作を作るにあたり、映画の舞台となったロサルノの隣町に数年居を構え構想を練ったという。
主演の二人以外の出演陣は役者ではなく、監督の友人となったロサルノの隣町の住民がほとんどという。アイヴァ役のクドゥ・セイオンのまなざしがスゴく優しくて素敵なキャスティング。

昨今では日本でもヨーロッパの移民問題のニュースが度々報道されている。
今からちょうど10年前、イタリア映画祭2006で見た「13才の夏に僕は生まれた/2005」で初めてヨーロッパの移民問題を知った。フランス映画祭2009で見た「西のエデン/2008」も移民問題がテーマの素晴らしい作品だった。

2010年の1月に南イタリア、カラブリア州ロサルノの街で移民労働者たちの反乱が起こりイタリア全土に衝撃が走ったらしい。この事件のことは残念ながら知らない。
世界地図で、アフリカ大陸にあるリビアと、ロサルノの街がある南イタリアのカラブリア州の位置を確認した。リビアの海岸とイタリアの海岸の間に地中海が立ちはだかる。

今年もGWの予定がたたずにぐずぐずしてたらやはり見たい映画のチケットは売り切れていた。GW前半は全く行けずで本作が最初の一本。今まさに世界中で問題となっている移民をテーマにしたドラマに心打たれた。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-03 19:55 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)