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イタリア映画祭2016...「私と彼女」

「Io e lei」2015 イタリア
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建築家のフェデリカと、ケータリング・ビジネスを展開するマリーナは5年前から恋人として暮らしている。フェデリカはかつては良き妻、良き母で元夫セルジオとの間に24歳の一人息子ベルナルドがいる。しかしかつて女優だったマリーナは同性しか愛したことがなかった...

フェデリカに「母よ、/2015」のマルゲリータ・ブイ。
マリーナに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のサブリナ・フェリッリ。
眼科医マルコに「湖のほとりで/2007」のファウスト・マリア・シャラッパ。
マリーナのアシスタント、カミッラに「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のアレッシア・バレーラ。
フェデリカの息子ベルナルドにドメニコ・ディエーレ。
フェデリカの同僚カルロにアントニオ・サバテーリ。
フェデリカの元夫セルジオに「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」「対角に土星/2007」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエンニオ・ファンタステキーニ。
映画プロデューサー、ステファノに「あしたのパスタはアルデンテ」「あなたたちのために/2015」のマッシミリアーノ・ガッロ。
監督、原案、脚本は「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のマリア・ソーレ・トニャッツィ。

ドラマのオープニングはセルジオの若い妻が生んだ子供の洗礼式。
フェデリカはマリーナと同居しているものの職場では同性愛の関係を隠している。ある時、雑誌のインタビューを受けたマリーナが建築家の女性と暮らしていると告白する。記事は同僚のカルロに知られた上、マリーナは女優業を再開すると言う。二人の中が公になるのを恐れるフェデリカは動揺し戸惑う。しかし女性しか愛したことのないマリーナは“あなたは同性愛を恥じているの?私を愛していないの?”とフェデリカを責める。そうこうするうちフェデリカは昔の友人で眼科医のマルコと出会い関係を持ってしまう。それを知ったマリーナは怒りをあらわにしてフェデリカを家から追い出してしまう。
この辺りの展開にフランス映画「アデル、ブルーは熱い色/2013」を思い出した。女の執念は怖い!?
まぁ結末は読めるけれど、男たちを排除して生きる彼女たちの人生が中々素敵。母親と息子の関係は別だけど…。

撮影されたイタリア、ラツィオ州のラディスポリ(ローマから車で30分くらい)の海岸はとても美しく、二人が乗る車の窓からは素敵なローマの景色が見えて懐かしい。マリーナの事務所はヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂側のロケーション。そして女性二人が住むアパートのインテリアはとてもゴージャスでため息がでる。やはり女性監督だなぁと思わせるシーンや台詞がたっぷりと織り込まれているのが良かったな。
フェデリカのさりげないファッションにも注目だし、何はともあれ主演二人の女優がナイス。
「キャロル/2015」も素敵なレズビアン映画だったけど、本作は21世紀が舞台の上、少々コメディ・タッチのラブ・ロマンスでとっても素敵な作品だった。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-07 11:37 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「あなたたちのために」

「Per amor vostro」2015 イタリア/フランス
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ナポリに住むアンナはTVドラマの製作スタジオでプロンプターとして働いてる。夫ジジは花火を売って稼いでいるというが、どうやら怪しい仕事に携わっている様子。二人の娘と、ろうあ者の息子に加え両親の面倒も見なくてはならないアンナは“あなたたち(大家族)のために”生きているといっても過言ではない。家で暴力を振るう夫に耐え、そんな父親を憎む息子を諌める。一歩外に出ればアンナの働く前にプロンプターだったチーロから仕事を取られたと愚痴られ金をせびられる始末。そんなさえない日々のアンナにスター俳優のミケーレが言いよってくる...

アンナに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「私たちの家で(愛と欲望 ミラノの霧の中で)/2006」「湖のほとりで/2007」「バッグにはクリプトナイト/2011」のヴァレリア・ゴリノ。
ジジに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」マッシミリアーノ・ガッロ。
ミケーレに「スウェプト・アウェイ/2002」アドリアーノ・ジャンニーニ。
監督、原案、脚本、製作はジュゼッペ・M・ガウディーノ。

子供の頃勇敢だった少女が大人になり結婚して3人の子供の母親となった今、夫の暴力に耐え、子供たちをかばい、頼りにならない兄の代わりに両親の面倒まで見なくてはならない現実が立ちはだかっている。
映画祭の公式カタログに“ジュゼッペ・M・ガウディーノの映画は主に社会的疎外と文化的に排除されるということを題材にしている。”と記されている。本作のヒロイン、アンナが正にそれだ。
ドラマはモノクロで描かれ、アンナの夢と記憶だけはカラーで描いている。そしてドラマのエンディング(現実)もカラー。

この映画はいわゆるアンナの人生再生ドラマ。
マルゲリータ・ブイの「母よ、/2015」にも登場した水のシーン。本作では走行するバスの床が水浸しになる。それは何かの暗示なのかも知れない。
信心深いアンナの母親の姿や、子供の頃“聖母被昇天祭”で天使に扮したなど、宗教色も濃いので少々とっつきにくいドラマではある。
ポスターを見てヒロインの目から下を覆う白い部分は天使の羽であることに気づいた。

ちょっと気になったのはドラマの時代設定が良くわからないこと。ミケーレが携帯電話を持っていたように見えたので現代であるのは間違いない。でもまるで60年代のような雰囲気を感じるのはモノクロのせい?それともアンナのアンティークっぽい服装のせい?そういえばミケーレもレトロな雰囲気を醸しだしている。
さえない子持ちのアンナにスター俳優のミケーレがなぜ?誘惑してくるのか?と、とても不思議だったがなるほどの展開で呆れた。

TV俳優ミケーレ役の俳優はどこかで見た、見たと思っていたらガイ・リッチーの駄作でマドンナ主演の「スウェプト・アウェイ」で船員ジュゼッペを演じた彼だった。かなり老けた感じ。
トム・クルーズの「レインマン/1988」でヒロインを演じたヴァレリア・ゴリノは今年50歳になるがとてもキュート。リッカルド・スカマルチョがパートナーだから?

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-05 00:46 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2016...「地中海」

「Mediterranea」2015 イタリア/フランス/USA/ドイツ/カタール
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アイヴァは西アフリカのブルキナファソで娘と暮すシングル・ファーザー。ある日、より良い暮らしを求めヨーロッパに働きに出ることを決意する。彼は親友のアバスと共に広大な北アフリカの砂漠を徒歩で横断しリビアの海岸に到着。その後ボートで地中海を渡り南イタリア、ロサルノの街にたどり着く…

アイヴァにクドゥ・セイオン。
アバスにアラサン・シー。
監督、原案、脚本はジョナス・カルピニャーノ。

アイヴァは愛する娘を妹に預けアバスと共にヨーロッパにやって来た。それは命がけの旅で、地中海では窃盗団の掠奪に遭い海に投げだされたりもしたがなんとかイタリア上陸を果たし、二人はロサルノのオレンジ農園で働き始める。アフリカ人をこき使う雇い人に反撥を覚えるアバスに反して、真面目なアイヴァは一生懸命働き続ける。月日がたち農園のオーナーに気に入られたアイヴァは家にも出入りしイタリア人一家と食事を共にするようになる。アイヴァは正当な滞在許可が欲しくてオーナーに頼み込むが良い返事はもらえなかった。
やがて移民労働者たちの反乱が起き、そこには率先して参加するアバスと、躊躇しながらも反乱に加わるアイヴァの姿があった。
ラスト、一生懸命働いても不法移民以外の何者でもない扱いに故郷に帰る決断をしたかに見えたアイヴァ...パーティでの大ラスのアイヴァは残る決断をしたかに見えた。

監督のジョナス・カルピニャーノはイタリアとアフリカ系アメリカンのハーフだそうで、本作を作るにあたり、映画の舞台となったロサルノの隣町に数年居を構え構想を練ったという。
主演の二人以外の出演陣は役者ではなく、監督の友人となったロサルノの隣町の住民がほとんどという。アイヴァ役のクドゥ・セイオンのまなざしがスゴく優しくて素敵なキャスティング。

昨今では日本でもヨーロッパの移民問題のニュースが度々報道されている。
今からちょうど10年前、イタリア映画祭2006で見た「13才の夏に僕は生まれた/2005」で初めてヨーロッパの移民問題を知った。フランス映画祭2009で見た「西のエデン/2008」も移民問題がテーマの素晴らしい作品だった。

2010年の1月に南イタリア、カラブリア州ロサルノの街で移民労働者たちの反乱が起こりイタリア全土に衝撃が走ったらしい。この事件のことは残念ながら知らない。
世界地図で、アフリカ大陸にあるリビアと、ロサルノの街がある南イタリアのカラブリア州の位置を確認した。リビアの海岸とイタリアの海岸の間に地中海が立ちはだかる。

今年もGWの予定がたたずにぐずぐずしてたらやはり見たい映画のチケットは売り切れていた。GW前半は全く行けずで本作が最初の一本。今まさに世界中で問題となっている移民をテーマにしたドラマに心打たれた。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2016-05-03 19:55 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

「母よ、」

「Mia madre」2015 イタリア/フランス/ドイツ
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映画監督のマルゲリータは恋人と別れたばかり。彼女の悩みは日々尽きない。反抗期の娘リヴィアとは意見があわず、ハリウッドからやって来たわがままな主演俳優バリーにはムカついて撮影も上手く進まない。しかしそんな中でも一番の悩みは母親の病気だった…

マルゲリータに「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のマルゲリータ・ブイ。
バリーに「グッド・シェパード/2006」「セントアンナの奇跡/2008」「ジゴロ・イン・ニューヨーク/2013」「エクソダス:神と王/2014」のジョン・タートゥーロ。
アーダにジュリア・ラッツァリーニ。
リヴィアにベアトリーチェ・マンチーニ。
監督、原案、脚本、製作、出演(ジョヴァンニ)は「息子の部屋/2001」「カイマーノ(夫婦の危機)/2006」「ローマ法王の休日/2011」のナンニ・モレッティ。

ナンニ・モレッティは“ ヨーロッパにおいては既に名匠との声もある一方、そのクセの強さから必ずしもすべての人に受け入れられてきたとは言い難い…”と言われてるそうだが、私的に本作は受け入れられない作品だった。

まずストーリーの展開がどうもすっきりしない。色んなシーンで...それはマルゲリータの夢なのか?現実なのか?彼女の母親は既に亡くなっているのか?いやまだ?と良くわからない。
マルゲリータの家の水のシーンは夢ではなかったように見えたけどなぜ??と、いたるところに疑問が残る。

母親が完治しない病気ということもあるがドラマは暗い。映画監督マルゲリータが撮影する作品は社会派ドラマでつまらないし、介護のため休職しているジョヴァンニも暗いし、ハリウッドからやって来たおおらかでよく喋る俳優バリーの存在のみが明るい材料。
映画の中でイタリア語を喋るジョン・タートゥーロを初めて見た。風貌はほぼイタリアンのタートゥーロ。イタリアン・アメリカンの両親を持つ彼にはイタリア語がとても似合う。
色んな役柄を演じるマルゲリータ・ブイは暗いキャラより明るいキャが似合う女優。

マルゲリータは母親が逝くということに耐えられない気持ちを募らせている。見ていてマルゲリータのストレスがこちらにも移りそうな気配だった。わがままなバリーに怒りを発散するマルゲリータ。でも彼女自身も相当わがままなのじゃないか?とも思った。マルゲリータって多分友達などいないタイプの女性だろう。そういえばドラマの中に彼女の友人は一人も登場しなかった。元恋人にも説教されていたし…。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2016-04-12 22:54 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

「これが私の人生設計/生きていてすみません!」

「Scusate se esisto!」2014 イタリア
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イタリアの大田舎に生まれたセレーナには素晴らしい絵の才能があった。やがて国内外で学位を修め、若くしてロンドンで建築家として花開く。しかし雨ばかり降るロンドンに嫌気がさしイタリアへ戻る決心をする。やがてローマに落ち着き職探しを始めるが、男社会の建築業界で苦悩することになる…

原案、脚本、出演(セレーナ・ブルーノ)に「ジョルダーニ家の人々/2010」のパオラ・コルテレージ。
フランチェスコに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」のラウル・ボヴァ。
セレーナの同僚ピエトロにコッラード・フォルトゥナ。
セレーナのボスのアシスタント、ミケーラに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のルネッタ・サヴィーノ。
フランチェスコの恋人ニコラにマルコ・ヴォッチ。
監督、原案、脚本は「ようこそ、大統領!/2013」のリッカルド・ミラーニ。

配給がついていない作品が多いので毎年楽しみにしているイタリア映画祭。一番最初に観たのが本作。今年はコメディが多いんだろうか?最初に観た作品がとても面白いコメディで大満足だった。

映画に戻って...
預金も尽き果てアルバイトでもして稼ごうと思ったセレーナはレストランでウエイトレスの仕事を始める。オーナーのフランチェスコは離婚歴のある子持ちの超イケメン。仕事が終わり家に送ってくれるフランチェスコに心は乱れ落ち着かない。しかし彼はゲイだった。
父親であるがゆえに愛する一人息子にゲイだと告げられない彼と、とても有能なのだけど女ということで企業に相手にされない彼女の組み合わせが面白い。フランチェスコに助けられ乗り切ったかに見えたセレーナだったが…現実はそう甘くはない。でもラストはとても爽やかだった。

ラウル・ボヴァのこのようなコミカルなキャラは初めて見た。「トスカーナの休日」と「向かいの窓」でヒロインをとろけさせた彼とは思えない。まぁ10年の歳月もありだが…ラウル・ボヴァは40代の味わい深い男性に変化していてますますゴージャス。
シリアスなドラマ「ジョルダーニ家の人々」で、精神科医を演じていたパオラ・コルテレージは絶対コメディが似合う。
監督と共にホールに現れた素顔のパオラ・コルテレージがチャーミング。

有楽町朝日ホールにて

2015年5月上映の際は配給がついてなかったが、とても面白いドラマだったのでやはり一般公開された。
現在新宿ピカデリーにて上映中
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by margot2005 | 2016-03-07 20:39 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ローマに消えた男/自由に乾杯」

「Viva la libertà」...aka「Long Live Freedom」2013 イタリア
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ある日、党大会の演説で痛烈な野次を浴び精神的に追いつめられた左翼野党書記長エンリコは、妻アンナや腹心の部下アンドレアにも知らせず突然行方をくらましてしまう。マスコミには病気で入院中と嘘をつき、失踪を隠し続けるアンドレアはあることを知る。エンリコにはジョヴァンニという哲学者の双子の兄弟がいたのだ。ジョヴァンニの巧みな弁舌を聞いたアンドレアは彼を代役に仕立て、政局を乗り切ろうと考える...

エンリコ/ジョヴァンニに「湖のほとりで/2007」「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「それは息子だった/2012」のトニ・セルヴィッロ。
アンドレアに「ナポレオンの愛人/2006」「錆び/2011」「司令官とコウノトリ/2012」「家の主たち/2012」のヴァレリオ・マスタンドレア。
ダニエルに「ミュンヘン/2005」 「ぼくを葬る/2004」「明日へのチケット/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「家の主たち」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
アンナに「13才の夏に僕は生まれた/2005」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のミケーラ・チェスコン。
党員エヴェリーナに「カイマーノ/2006」「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-」のアンナ・ボナユート。
監督、原案、脚本は「そして、デブノーの森へ/2004」のロベルト・アンド。

大統領とかくれんぼしたり、首相(女性)とタンゴを踊ったりするジョヴァンニは双極性障害(躁うつ病)で精神科病院から退院したばかり。
一方で政局を放棄してパリへ逃亡したエンリコはかつての恋人ダニエルのアパルトマンに身を寄せる。ダニエルの夫は有名な映画監督で、彼女自身も映画製作の仕事に関わっている。ダニエルと共に撮影に赴き現場の人々と交流したり、ダニエルの娘と仲良くなったりするうちエンリコの心が癒されて行く。そうエンリコは映画が好きだったのだ。

ごく普通の仕事に就いている人でもストレスはたまる。ましてや公的な人で、常に言動を注目されているとしたら…それはそれは猛烈なるストレスがたまっているに違いない(個人差はあるだろうが…)。で、エンリコは逃げ出したのだ。
ラストはとても爽快で素敵だった。

エンリコとジョヴァンニ、ダブル・キャストのトニ・セルヴィッロが秀逸。
「湖のほとりで」では穏やかで心優しい刑事。「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男」ではイタリアの元首相ジュリオ・アンドレオッティ役が強烈な印象を残した。そして昨年のイタリア映画祭で観た「それは息子だった」ではパレルモ舞台のブラック・コメディで、クレージーな主人公が実に似合っていた。
レビューは書いていないが「よせよせ、ジョニー/2007」「ゴモラ/2008」「海の上のバルコニー/2010」などでもお目にかかったトニ・セルヴィッロは今イタリアを代表する俳優のひとりなのだろう。

アンドレアを演じるヴァレリオ・マスタンドレアはお気に入りイタリア人俳優の一人。平凡な顔(ヨーロッパ人に多い?)なのであまり印象には残らないが、中々チャーミングな俳優だ。

イタリア映画祭2014で鑑賞/恵比寿ガーデンシネマにて上映中
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by margot2005 | 2015-11-18 20:49 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「カプチーノはお熱いうちに」

「Allacciate le cinture」…aka「Fasten Your Seatbelts」2014 イタリア
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ある日、エレナは大雨に見舞われた街中のバス停でいけすかない男と出会い口論になる。シングルの彼女はカフェで働いているが、いつか自分の店を持ちたいと願っている。そんなある夜、資産家ジョルジョの家で友人シルヴィアのボーイフレンド、アントニオを紹介されるが、なんと彼はバス停で会ったあのイヤミな男だった。エレナの親友のファヴィオはゲイ。しかしアントニオは臆面もなくファヴィオの前でアンチ・ゲイ発言を始める。頭にはきたもののエレナは価値観の全く違うアントニオになぜか惹かれていく。やがてアントニオがエレナにポロポーズし二人は結婚する…

エレナに「それもこれもユダのせい/2009」「パリより愛をこめて/2010」のカシア・スムートニアック。
アントニオ(夫)にフランチェスコ・アルカ。
ファヴィオ(親友)に「ブルーノのしあわせガイド/2011」のフィリッポ・シッキターノ。
シルヴィア(友人)にカロリーナ・クレシェンティーニ。
ジョルジョ(資産家)に「シチリア!シチリア!/2009」「ジョルダーニ家の人々/2010」のフランチェスコ・シャンナ。
アンナ(母親)に「恋するローマ、元カノ/カレ/2009」のカルラ・シニョーリス。
ヴィヴィアナ(叔母)に「カラヴァッジョ 天才画家の光と影/2007」「恋するローマ、元カノ/カレ」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエレナ・ソフィア・リッチ。
エグレ(病室の友人)に「あしたのパスタはアルデンテ」のパオラ・ミナッチョーニ。
マリクラ(美容院店主)に「マリア・カラス 最後の恋/2005」「バール・マルゲリータに集う仲間たち/2009」「ジュリエットからの手紙/2010」のルイーザ・ラニエリ。
ディアーナ(担当医)に「湖のほとりで/2007」のジュリア・ミケリーニ。
監督、脚本、原案は「向かいの窓/2003」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のフェルザン・オズペテク。

エレナとアントニオは結婚後2人の子供をもうけていた。いつか自分の店を持ちたいと願っていたエレナの夢は叶い、ファヴィオと共に始めた店は13年たち、大成功を修めていたが、夫アントニオとの仲はなぜかぎくしゃくしている。そんな折、エレナが乳がんに冒されていることが発覚する。

配給がついていたので見送ったが、本作はイタリア映画祭2015で上映された作品。予告編は何度もシアターで観ていたが、どのような展開になるのか全く予測のつかないドラマで、互いに相容れない性格ながらエレナとアントニオの間には深い愛があることがわかるラストはとても良かった。13年前に戻った二人の海のシーンはナイスだ。海はホント絵になる。

舞台はアドリア海を臨む南イタリアのレッチェ。エレナがファヴィオと一緒に開くあのカフェ。ミラノに行った時街中にあのような店があったのを思い出した。それは本屋だったりもしてオシャレな雰囲気を醸しだしている。

イタリア映画は結構見ていると自負するが、アントニオを演じるフランチェスコ・アルカには初めてお目にかかった。濃い系の正にラテンといった風貌の俳優で中々素敵。
原タイトル“シートベルトを締めて”が“カプチーノはお熱いうちに”になってしまう邦題は「あしたのパスタはアルデンテ」同様主人公の仕事から取ったのかも??

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2015-10-05 22:44 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「夏をゆく人々」

「Le meraviglie」…aka「The Wonders」2014 イタリア/スイス/ドイツ
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イタリア、トスカーナ州の山奥。養蜂業を営むヴォルフガングには妻アンジェリカとの間に4女がいる。長女ジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に優れ父を助ける日々。そんな夏のある日、家族はTV番組のロケ隊に遭遇する…

長女ジェルソミーナにマリア・アレクサンドラ・ルング。
父親ヴォルフガングに「闇を生きる男/2011」のサム・ルーウィック。
母親アンジェリカに「ボローニャの夕暮れ/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」のアルバ・ロルヴァケル。
候のココにザビーネ・ティモテオ。
次女マリネッラにアニェーゼ・グラツィアーニ。
三女カテリーナにエヴァ・レア・ペイス・モッロー。
四女ルーナにマリス・ステッラ・モッロー。
ドイツ人の少年マルティンにルイス・ウイルカ。
ヴォルフガングの友人アドリアンに「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」「コッポラの胡蝶の夢/2007」のアンドレ・ヘンニック。
少年更生プログラムのイルデにマルガレーテ・ティーゼル。
TV司会者ミリー・カテナに「灼熱の肌/2011」のモノカ・ベルッチ。
監督、脚本はアリーチェ・ロルヴァケル。

長女ジェルソミーナの視点で描かれるドラマの舞台は、まるで文明など存在しないような人里離れた山奥の農村。家族は自然と共存しながら自給自足の日々を送っている。父親ヴォルフガングはドイツ出身で、家族はジェルソミーナの母と3人の妹、そして居候のココと父親以外全て女性。ヴォルフガングは家族に対し圧倒的な態度を取る支配者。次女のマリネッラは“わたしたちはまるで奴隷のよう。”と言う。

父親の独断である日、青少年更正プログラムの監視下にあるドイツ人少年マルティンを引き取ることになる。それは少年を預かることによって得られる現金収入のためだった。子供は娘ばかりで、ヴォルフガングは少年の存在が嬉しい。しかし娘たちはいきなりやって来た少年の存在に違和感を感じ始める。

ジェルソミーナはTV番組司会者ミリー・カテナの妖しくも美しい姿に魅了され、父親に内緒でTV番組のオーディションに応募する。番組は伝統的な製法で農産物を作る家族を紹介すると言うもの。
ヴォルフガングは自然と共に生きる伝統的な養蜂家の暮らしをかたくなに守ってきた。しかしジェルソミーナは外の世界へ飛び出したくてたまらない。ミリー・カテナと出会い、少年マルティンとの出会いも彼女に変化を与えたのだ。

しかしながらヴォルフガングはなんと頑固な男であることか!ある時、妻のアンジェリカが“もう我慢できない!別れるわ!”と宣うシーンがある。自己中な男に振り回される女性たち。日々、支配されこき使われながらも父親が大好きなジェルソミーナでさえうんざりする時もある。
ジェルソミーナを喜ばすため、ラクダをプレゼントするヴォルフガング。しかし当然ながらペットには無理だとわかる。トスカーナにラクダが全くマッチせずに可笑しい。

ドラマの中に養蜂のシーンが何度もでてくる。ミツバチのたてる音や風、雨の音がバック・ミュージックのようにドラマに溶け込んでいて素敵だ。

2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品で、実に岩波にふさわしい映画だった。
イタリア映画祭2015で上映された作品で映画祭のポスターにもなっている。
最初ポスターに映る少女のあごの部分に付いている物は何?とあまり気にしてもいなかったが、本作を見てわかった。それは蜂...少女は蜂を操ることができるのだ。

神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2015-08-29 23:06 | イタリア | Trackback(3) | Comments(0)

「ただひとりの父親」

「Solo un padre」...aka「Just a Father」「Perfect Skin」2008 イタリア
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カルロに「私たちの家で/愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「対角に土星/2007」のルカ・アルジェンティーロ。
カミーユにディアーヌ・フレーリ。
ジョルジョにファビオ・トロイアーノ。
メリッサにクラウディア・パンドルフィ。
監督にルカ・ルチーニ。

10ヶ月の娘ソフィアの父親カルロは若くて優秀な皮膚科医でありシングル・ファーザーでもある。普段は両親がソフィアの面倒を見ているが、ある日、両親が留守の間娘の世話をしなくてはならなくなる。カルロは同僚である友人ジョルジョたちの助けを借り幼いソフィアの育児に奮闘する。
一方で同僚の妹を紹介されデートが始まるがカルロは全く乗り気でない。そんな折、ジョギング中のカルロはフランスからやって来たカミーユと出会う。カルロは妻メリッサとは上手く行かなくて、別れる寸前に妊娠が発覚し子供が出来てしまった。しかし運命とはなんとも皮肉であり残酷なもので、子供を産み落としたメリッサは亡くなってしまったのだ。どうして良いか分らず、途方に暮れた彼は娘ソフィアを抱きしめ海に入って行こうかと考える。しかしソフィアの無邪気な笑顔を見て思いとどまるのだった。

生活がかかるシングル・マザーも辛いだろうけど、仕事を持つシングル・ファーザーはもっと大変か?と察する。カルロには助けてくれる両親がいるからOKだけど、助けてくれる身内がいない男ってどうするのだろう?なんて考えてしまった。
デートの相手は魅力的でゴージャスな女性ながらカルロは彼女に全く魅力を感じない。しかしジョギング中に出会ったフランス娘カミーユには惹かれて行く。それはソフィアが彼女に懐いているということもありで…。

妻を亡くし、娘をどうして育てようかと悩みまくる優柔不断な男カルロと、天真爛漫で、若くても自立しているカミーユの組み合わせはミスマッチながら未来を感じさせる。
過去のイタリア映画祭で見た何作かの映画の中に登場していたルカ・アルジェンティーロ。ラティン男の魅力たっぷりな彼はマルチェロ・マストロヤンニ級のイケメンで母性本能をくすぐる。以前見た2作は脇役だったので、主演のこちらは彼の魅力を存分に味わえる。

イタリア映画祭2010で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って本日より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-28 00:52 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「夫婦の危機」

「Il Caimano」2006 イタリア/フランス
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B級映画プロデューサー、ブルーノにシルヴィオ・オルランド。
ブルーノの妻パオラに「恋愛マニュアル/2005」のマルゲリータ・ブイ。
映画監督志望のテレーザに「息子の部屋」「輝ける青春/2003」「恋愛マニュアル/2005」のジャスミン・トリンカ。
俳優マルコにミケーレ・プラチド。
監督は「息子の部屋/2001」のナンニ・モレッティ。

タイトルの“カイマーノ”とはカイマンワニ(南米や中米の河や沼に生息している)のことだそう。
ローマ在住のB級映画プロデューサー、ブルーノは破産寸前状態の上、妻パオラから離婚を言い渡されている。ある夜、彼の古い映画が上映されている劇場に、監督志望の若い女性テレーザが現れ、ブルーノに脚本を手渡す。“カイマーノ”というタイトルのその脚本は権力の階段を駆け上がって首相になった実業家ベルルスコーニが主人公であった。ブルーノは社会派ドラマとは無縁で、このような題材は乗り気ではなかった。しかし、知り合いのプロデューサーが資金を提供してくれ、有名俳優マルコが主人公役を引き受けてくれるとのこと。やがて映画製作が始まる。だが、主人公を演じるマルコは家庭サービスのため急に役を降りると言い出す。それによって資金提供も打ち切られ映画製作は暗礁に乗り上げてしまう。

ドラマは破産状態で売れない監督の苦悩と、実生活で妻に離婚を言い渡される夫の苦悩を描いていて、“プロデューサー、監督、首相という3人の主役を配し、さらに首相役を3人のカイマーノと1人のベルルスコーニが演じるという錯綜した構成になっている。”と映画祭の冊子にコメントしてあるように...少々錯綜した構成に少々疲れてしまったのは否めないが、軽いコメディ・タッチで、売れない監督ブルーノがなんとか仕事をゲットしようと焦る日々の中、離婚寸前の愛する妻(妻に捨てられそうな様子)と息子との団らんに生き甲斐を見いだす姿に、新しい映画制作を絡め、中々面白いストーリーともなっている。でも一つ...イタリアの前首相シルヴィオ・ベルルスコーニについては何も知らないので、イタリアでは相当流行ったらしいが、ピンと来ない場面も多々ありだった。政治的な事は考えないで観た方が良いかもしれない。ベルルスコーニはACミランの会長。そういや劇中サッカー場にヘリで登場するシーンあり。

パオラ役のマルゲリータ・ブイがナイス。「息子の部屋」でも父親を演じた監督モレッティが“カイマーノ(首相)”を演じている。

イタリア映画祭2007で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って来週より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-27 21:44 | イタリア | Trackback | Comments(0)