タグ:イザベル・ユペール ( 5 ) タグの人気記事

「未来よ こんにちは」

L'avenir…akaThings to Come2016 フランス/ドイツ

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ナタリーはパリの高校で哲学を教える50代後半の女性教師。夫ハインツも哲学教師で結婚生活は25年になる。そんなある日、夫から”好きな人ができたので別れて欲しい。”と告白される。そして認知症が進む母親イヴェットが施設に入った末亡くなってしまい、仕事上では長い付き合いだった出版社から時代に合わないと契約を打ち切られてしまう。娘クロエと息子ヨアンは既に独立しており、ふと気つけばナタリーは一人きりになっていた…


ナタリーに「アスファルト/2015」イザベル・ユペール。

ハインツに「ラブ・トライアングル 秘密/2014」「偉大なるマルグリット/2015」アンドレ・マルコン。

ファビアンに「EDEN/エデン/2014」のロマン・コリンカ。

イヴェットに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「夏時間の庭/2008」「ホーリー・モーターズ/2012」「ボヴァリー夫人とパン屋/2014」エディット・スコブ。

ヨアンにソラル・フォルト。

脚本、出演(クロエ)にサラ・ル・ピカール。

監督、脚本は「あの夏の子供たち/2009」EDEN/エデン/2014」のミア・ハンセン=ラヴ。


子供が独立した後夫に愛人が出来て離婚を要求される。おまけに母親が亡くなり孤独で時折泣きたくもなるが、ナタリーは何といっても自由である。思い返せば認知症だった母親に手を焼いた時期もあった。


映画はナタリーの歩くシーンを頻繁に映し出す。それは前向きに生きようとするナタリーを表現しているようにも見えて素敵だ。

ナタリーは再会したかつての教え子ファビアンの住まいがあるローヌ・アルプスを訪ねて彼の仲間たちと交流するが、若者ばかりのコミュニティに身を置いて、自分はもう若くはないと痛感する。しかし辛いながらも日々の現実を受け入れ、未来に向かって生きている。いつも凛として…。

演じるイザベル・ユペールは60代ながらとてもチャーミングでナタリーにぴったり。

ファビアンに新しい出会いはある?と聞かれ“孫が出来たわ!”と答えるナタリーが愛おしい。


ミア・ハンセン=ラヴの作った大人の女性のためのドラマは素晴らしかった。中高年女性に今年一番のおすすめ映画。

渋谷で見るか、有楽町で見るか迷った末、夕方の時間が合う有楽町にしたところシアターは満席(平日/小さい方)。窓口では“昨日も満席だった!”なんて声も…。本作巷で話題になっているなんて知らなかった。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて


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by margot2005 | 2017-04-01 22:20 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「アスファルト」

「Asphalte」…aka「Macadam Stories」2015 フランス
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フランス郊外の団地に暮す不器用で孤独な男女を描いた群像ドラマ。

ジャンヌ・メイヤーに「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇/1995・甘い罠/2000」「愛、アムール/2012」「皇帝と公爵/2012」「ラブストーリーズ エリナーの愛情/2013」「ラブストーリーズ コナーの涙/2013」「間奏曲はパリで/2013」のイザベル・ユペール。
シャルリにジュール・ベンシェトリ。
看護師に「ミュンヘン/2005」 「ぼくを葬る/2004」「明日へのチケット/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「家の主たち/2012」「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」「サンローラン/2014」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
スタンコヴィッチにギュスタヴ・ケルヴェン。
マダム・ハミダに「ディーバンの闘い/2015」のタサディット・マンディ。
ジョン・マッケンジーに「ドリーマーズ/2003」「シルク/2007」「ファニーゲーム U.S.A./2007」のマイケル・ピット。
監督、脚本は「歌え!ジャニス・ジョプリンのように/2003」のサミュエル・ベンシェトリ。

愛に飢えた落ちぶれ女優と家庭の愛に飢えた少年。さえない自称写真家と何かわけあり気味の夜間勤務の看護士。フランスに不時着してしまったNASAの宇宙飛行士と、刑務所に収監中の息子を抱えるアルジェリア移民のマダム。ドラマは3つの物語が同時に進行する。
登場する人々の共通点は全員不安定で孤独。しかしそれぞれが偶然出会った相手との数日間で心の平安を取リ戻すといった趣でラストは爽やかだった。

宇宙服で団地のキッチンにいるジョン・マッケンジーの姿と、エクササイズ用の自転車をこぎすぎて骨折し、車椅子に乗るハメになった自称写真家のスタンコヴィッチが笑いを誘う。
マダム・ハミダのお土産のクスクス持参で、迎えに来たNASAのヘリコプターに乗り込む宇宙飛行士ジョンのラストは滑稽で最高。
コメディってほどのものではないが、全体的になんとなく可笑しくてほのぼのとした雰囲気を醸し出している。

ジョンとマダム・ハミダは言葉が全く通じないにも関わらず次第に心を通わせて行く。それはジャンヌとシャルリ、そして互いに惹かれ合うようになるスタンコヴィッチと看護師にも見て取れた。
本作は設定が可笑しくてちょっと趣の変わったドラマ。そういえばサミュエル・ベンシェトリの「歌え!ジャニス・ジョプリンのように」も風変わりなドラマだったのを思い出す。

シャルリ役のジュール・ベンシェトリは監督の息子で、フランスの名優ジャン=ルイ・トランティニャンの孫。
スタンコヴィッチを演じるギュスタヴ・ケルヴェンは予告編を見た時まさか?リュック・ベッソン?なんて思ったけど…むさ苦しいところがそっくり。
マイケル・ピット久しぶり!

シネ・リーブル池袋にて
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by margot2005 | 2016-09-16 23:59 | フランス | Trackback(4) | Comments(0)

「間奏曲はパリで」

「La ritournelle」…aka「Paris Follies」2014 フランス
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グザヴィエとブリジット夫婦はノルマンディで畜産業を営んでいる。子供たちが巣立ったため夫婦の会話は乏しい。そんなある日、ブリジットは隣に住むローレットの姪マリオンが開いたパーティに呼ばれ、パリからやって来た彼女の友人スタンと出会い心ときめく...

ブリジットに「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇/1995・甘い罠/2000」「愛、アムール/2012」「皇帝と公爵/2012」「ラブストーリーズ エリナーの愛情/2013」「ラブストーリーズ コナーの涙/2013」のイザベル・ユペール。
グザヴィエに「ダニエラという女/2005」「サン・ジャックへの道/2005」「画家と庭師とカンパーニュ/2007」「バレッツ/2010」「キリマンジャロの雪/2011」「シャトーブリアンからの手紙/2011」のジャン・ピエール・ダルッサン。
ジェスパーに「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/2009」のミカエル・ニクヴィスト。
スタンにピオ・マルマイ。
マリオンに「キリマンジャロの雪/2011」「ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー/2011」のアナイス・ドゥムースティエ。
グザヴィエの妹クリスティーンに「バレッツ」「パリ警視庁:未成年保護部隊/2011」のマリナ・フォイス。
息子グレゴワールにクレモン・メテイエ。
牧場で働くレジにジャン・シャルル・クリシェ。
隣人ローレットに「君を想って海をゆく/2009」のオドレイ・ダナ。
監督、脚本はマルク・フィトゥシ。

スタンを訪ねてパリに向かったブリジットに拍手を送りたい。少々勘違いはあったがあの行動力は素晴らしい!の一言。で、中年男で歯科医のジェスパーとも出会えたわけだし…。
一方で、ブリジットが家を空けた理由が嘘だとわかったグザヴィエはパリを目指す。でも後に理解し合うところは熟年夫婦らしい。

イザベル・ユペールの代表作はやはり「ピアニスト/2001」。明るい役柄が少ないイザベル・ユペールながら、カトリーヌ・ドヌーヴ主演で彼女の妹を演じた「8人の女たち/2002」は素敵な映画だ。ミュージカルってこともあるし…。
「愛、アムール」の後、「3人のアンヌ/2012」「眠れる美女/2012」「デッドマン・ダウン/2013」とwowowで観た。イタリア、フランス合作の「眠れる美女」はシアターで見逃していて…イタリア人俳優トニ・セルヴィッロ主演のこの映画はとても良かった。
本作は年取っても可愛い女性が似合うイザベルが適役。うーんと若い男に好かれたと勘違いするobasanが又可愛い。

シアターで予告を観た限り、パリを舞台にした在り来たりのストーリーかな?と想像していて映画を観るかどうか少々迷っていた。でもジャン・ピエール・ダルッサンとミカエル・ニクヴィストの出演に興味を惹かれシアターへ…想像以上に良かったかな。

ノルマンディの景色はもちろん、パリもたっぷり!セーヌを走るバトー・ムーシュから眺めるノートルダムやエッフェル。ジェスパーとコンコルド広場の観覧車に乗ったり、グザヴィエが訪れるオルセーでも撮影されている。そしてラストにイスラエルとヨルダン間に位置する死海も登場。

フランスってホント酪農業国なんだなとまたまた納得。大事に、大事に育てても結局人間が食べてしまうあの牛たちがとても美しくて驚き。

ホテルの部屋でジェスパーのPCから「ストックホルムでワルツを/2013」のモニカ・ゼタールンドの歌が流れるシーン...スウェーデン人俳優ミカエル・ニクヴィストがデンマーク人を演じ、スウェーデン人シンガーのモニカ・ゼタールンドは素晴らしい!と絶賛してるところがチャーミング。

セーヌ
ノートルダム
オルセー

角川シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-04-20 00:14 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「愛、アムール」

「Amour」 2012 フランス/ドイツ/オーストリア

パリのアパルトマンに暮す音楽家夫婦のジョルジュとアンヌ。ある日、アンヌが病に倒れ、やがて寝たきりになってしまう。ジョルジュは献身的にアンヌを介護するが、アンヌの病状はどんどん悪化していく…
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ジョルジュに「素直な悪女/1956」「男と女/1966」「スエーデンの城/1962」「トリコロール/赤の愛/1994」「歌え!ジャニス・ジョプリンのように/2003」のジャン・ルイ・トラティニャン。
アンヌに「トリコロール/青の愛/1993」「華麗なるアリバイ/2007」のエマニュエル・リヴァ。
エヴァに「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇/1995・甘い罠/2000」「ピアニスト/2001」「8人の女たち/2002」のイザベル・ユペール。
アレキサンドルにアレキサンドル・タロー。
監督、脚本は「ピアニスト」「隠された記憶/2005」「白いリボン/2009」のミヒャエル・ハネケ。


老老介護がテーマの本作はなんか身につまされそうで観るのを躊躇していたが結局観に行ってしまった。
ドラマのなりゆきは想像どおり「グッド・ハーブ/2010」と一緒。「グッド・ハーブ」は老老介護ではなく、娘が母親の介護をしていたが…。
映画を見終わり“尊厳死”という言葉が頭から離れなかった。

“愛、アムール”のタイトルが示すように本作は、長年連れ添った老夫婦の愛の物語。80歳を超えたの妻に“今日も綺麗だ!”なんていう日本人はいるだろうか?“愛、アムール”の国フランスならではのドラマである。
キッチンで、買って来た花(ひな菊だったか?)の枝を揃えるジョルジュの姿が忘れられない。何かに取り憑かれたように枝を切っているのだ。あれはきっとアンヌの好きな花だったに違いない。

この夫婦には娘がいる。娘エヴァは母親アンヌの病状が気になり定期的に両親の家を訪れる。しかしアンヌの病気が悪化し、ワケのわからないことを話すようになった時ジョルジュは娘を母親にあわせようとしなかったのだ。この気持ちはとても良くわかる。母親を心配する娘に、ヒドくなった姿を見せるに忍びないという気持ちがあったからだろう。

ラスト、オープニングのシーンと合わさって、観ているものはドラマの全貌を知ることになる。
ミヒャエル・ハネケの描く世界は複雑(一筋縄でいかない)だが、本作はとてもあっさりとしていて心に訴える。今迄観たハネケ映画の中では私的に一番好きな作品となった。

オスカー主演女優賞にノミネートされたエマニュエル・リヴァの演技はやはり素晴らしかった。老老介護に苦しむジョルジュ役のトラティニャンもナイス・キャスティング。
ジャン・ルイ・トランティニャンは1930年生まれなので80歳過ぎている。もうそのようなお年なのかと思っていたけど、ブリジット・バルドーやアヌーク・エーメ、モニカ・ヴィッティと共演しているのだから当然かと納得。トランティニャンといえばやはり「男と女」。「歌え!ジャニス・ジョプリンのように」以来かれこれ10年ぶりのトランティニャンの姿に歳月を感じる。
アンヌの教え子のアレキサンドルを演じるアレキサンドル・タローは実際にピアニストだそう。

銀座テアトルシネマにて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2013-04-24 23:57 | フランス | Trackback(13) | Comments(0)

クロード・シャブロル...

「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇/1995」
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「甘い罠/2000」
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「悪の華/2003」
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フランスの著名なる映画監督、プロデューサー、脚本家であるクロード・シャブロルの作品を先月何作かwowowで放映していたのでまとめて見た。
過去に運良くシアターで観ることが出来たのは、ブログを始める前に観た「石の微笑/2004」と「肉屋/1969」「引き裂かれた女/2007」「刑事ベラミー/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」の計5作。「ゲンズブールと女たち」は俳優として出演。

マリー・ラフォレの「赤と青のブルース/1960」の脚本や、ダイアン・レインとリチャード・ギアの「運命の女/2002」の原案もクロード・シャブロル。
ジェラール・ブランとジャン・クロード・ブリアリの「いとこ同志/1959」、オムニバス映画の「パリところどころ/1965」もBSで観たことがある。

クロード・シャブロルは2010年9月12日80歳で既に亡くなっている。彼の映画を何作か観て思ったのはどれもこれも殺人が行われると言うこと。それも少々シニカルな殺人なのだ。「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」は最高にシニカルで楽しませていただいた。これに館のマダム役で出演していた元ハリウッド女優のジャクリーン・ビセットの哀れな終末も多いに笑える。
当時20代だった「仕立て屋の恋/1989・マドモアゼル/2001」「灯台守の恋/2004」「親密すぎるうちあけ話/2004」のサンドリーヌ・ボネールが素知らぬ顔して銃をぶっ放す姿は痛快だ。
本作にも主演し、シャブロル映画の何作かのヒロインを演じる「ピアニスト/2001」「8人の女たち/2002」のイザベル・ユペールはシャブロルのお気に入り?シャブロル&ユペールの「主婦マリーがしたこと/1988」や「ボヴァリー夫人/1991」が観てみたい。
ユペールは「甘い罠」でも陰湿でワルな女を演じていてハマりにハマっている。同じく「甘い罠」に「そして、デブノーの森へ/2004」「シャネル&ストラヴィンスキー/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」のアナ・ムグラリスが出演していて20代始めの彼女がスゴく初々しくで驚いた。

「悪の華」「石の微笑」「引き裂かれた女」に出演するブノワ・マジメルもシャブロルのお気に入り俳優に違いない。
「悪の華」のマジメルは「石の微笑」以前なのでとてもキュートだ。そういやかつて彼のファンだった。フランス映画祭2006では生マジメルを見たし...。でもここ数年マジメル映画は公開されていない気がする。
「裏切りの闇で眠れ/2006」でのマジメルはマジでヤクザっぽくて...元々甘いマスクの彼には今一つだった。
ブノワ・マジメル同様サンドリーヌ・ボネールも最近全くお目にかかれないフランス女優だ。
同じく「悪の華」で叔母役のシュザンヌ・フロンは「ガスパール/君と過ごした季節(とき)/1990」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」でのおばあさん役が印象的だった女優。彼女も2005年に亡くなっている。

「甘い罠」の原タイトルは“Merci pour le chocolat/ココアをありがとう”で、ヒロインが飲み物と言えばココアを作っていて、それが重要な小道具となっている。
「沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇」でもココアを良く飲んでいた。甘いもの好きなヨーロッパ人にとってココアは欠かせない飲み物なのかも。

アルフレッド・ヒッチコックがシャブロルの作品に影響を与えたと記されているように彼はサスペンス(殺人)が非常にお好き。

フランス映画祭で思い出した。年々寂しくなるフランス映画祭...今年もパスした。そのうち開催されなくなるのかな?
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by margot2005 | 2012-07-08 23:42 | フランス | Trackback | Comments(0)