タグ:アルバ・ロルヴァケル ( 9 ) タグの人気記事

「日々と雲行き」

Giorni e nuvole…akaDays and Clouds2007 イタリア/スイス/フランス

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一人娘のアリーチェが成人して家を出て以来、ミケーレとエルサは広々とした家で何不自由なく暮らしている。ある日、修復家のエルサが大学を優秀な成績で卒業し、盛大なるパーティが開かれる。幸せな夜を過ごしたエルサが朝目覚めるとミケーレがとんでもない話を始めるのだった...


エルサに「私と彼女/2015」マルゲリータ・ブイ。

ミケーレに「ハートの問題/2009」「ローマでアモーレ/2012」アントニオ・アルバネーゼ。

アリーチェに「ハングリー・ハーツ/2014」「おとなの事情/2016」アルバ・ロルヴァケル。

ヴィートに「幸せの椅子/2013」「おとなの事情/2016」ジュゼッペ・バッティストン。

ナディアに「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「カプチーノはお熱いうちに/2014」カルラ・シニョーリス。

リキに「それもこれもユダのせい/2009」ファビオ・トロイアーノ。

サルヴィアーティにパオロ・サッサネッリ。

ミケーレの父にアルナルド・ニンキ。

監督は「司令官とコウノトリ/2012」シルヴィオ・ソルディーニ。


ミケーレは会社を乗っとられて失職したのだ。エルサの卒業記念にカンボジア旅行を計画していた二人。しかしカンボジアどころか家を売らねばならないくらい経済状態は悪化していた。


映画の舞台はリグリア海(地中海の一部)に面した港湾都市ジェノヴァ。

ミケーレの失業にエルサは茫然自失。広々とした家で優雅に暮らす生活に終止符をうつ時が来たのだ。旅好きの夫婦には思い出の品がいっぱい。次に住む家に全て収まるのだろうか?そして友人のナディアに現状を話せなくて電話にでることも出来ない。そんなエルサは生活のため、カタログ販売のコールセンターでアルバイトを始める。

一方で会社を経営していたミケーレはプライドを捨てられずシュウカツに難航。新しい住まいで内装工事をする知人のヴィートを手伝ううち、シュウカツそっちのけで作業にどっぷりハマってしまう。


ミケーレにうんざりしているエルサは時給の良い新しい仕事に就く。そしてボスのサルヴィアーティとトキメキの時間を共にしたりして

エルサと大げんかしたミケーレは娘のアリーチェの家に転がり込む。彼女と一緒にレストランを経営するボーイフレンドのリキに親切にされ温かい気持ちになるミケーレ。

自分のことで精一杯なのに施設にいる痴呆症の父が気がかりでならない優しい息子ミケーレ。

これらのエピソードはとても良かった。


イタリアらしくヒロインはフレスコ画の修復家。

エルサが情熱を注いだ修復が終了し、そこにはマリアに受胎を告げにきた大天使ガブリエルの姿があった。天井画を見上げるエルサの元に現れたミケーレ。二人は互いがいないと生きて行けないことを知る。なんとも素敵なエンディングだった。


映画だからあの展開になったと思う。現実的に考えると離婚という形を取る夫婦が多いに決まっている。でもイタリアの男って妻に対して意外にも強気??

イタリア映画祭2008で上映された時見たかった一本ながら見れなくてやっと公開され見ることができた。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて(Viva!イタリア Vol.3で期間、時間限定で公開中)



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by margot2005 | 2017-06-13 23:06 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「おとなの事情」

Perfetti sconosciuti…akaPerfect Strangers2016 イタリア

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ある月食の夜、幼なじみの男性4人がそれぞれのパートナー同伴で食事会を開くことになる。ロッコとエヴァ夫婦の家にやって来たのはレレとカルロッタ夫婦にコジモとビアンカ夫婦。そして後はペッペを待つばかり。離婚歴があるペッペは新しい恋人と参加するはずだったが、恋人の都合がつかずペッペは一人参加となる。食事が始まり会話も弾む中、エヴァがゲームをしようと提案する。それはそれぞれの携帯に届いたメールや電話を見せ合うこと。やがて一人のスマートフォンにメールが届く…


ペッペに「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」「司令官とコウノトリ/2012」「幸せの椅子/2013」ジュゼッペ・バッティストン。

レレに「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」「天使が消えた街/2014」ヴァレリオ・マスタンドレア。

カルロッタに「ローマ、恋のビフォーアフター/2011」のアンナ・フォリエッタ。

コジモに「いつだってやめられる/2014」エドアルド・レオ。

ビアンカに「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」「ハングリー・ハーツ/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ロッコに「神様の思し召し/2015」マルコ・ジャリーニ。

エヴァに「それもこれもユダのせい/2009」「パリより愛をこめて/2010」「カプチーノはお熱いうちに/2013」カシア・スムートニアック。

監督、脚本、原案はパオロ・ジェノヴェーゼ。


イタリア映画は大好きだし、出演陣も豪華だしで楽しみにしていた一作。でもこのブラック・コメディはあまり好きじゃない。イタリアで流行ったらしいが日本人の感性に合うかどうかは疑問?あれだけごちゃごちゃになった夫婦&友人関係がラストでは….。してやられたラストに唖然!

そして食事会を月食の夜に設定して、不思議な現象が起きても可笑しくない?なんて考えたのかも?

映画はほぼ密室劇。原タイトルの“完全なる他人”はどう理解すれば良いのやら?邦題の”大人の事情”って?


携帯というのはとてもパーソナルなもので、たとえ夫婦であっても互いに見せ合うなんて考えられない。だからそれをテーマにしたら面白いと思ったのだろうか?このドラマを考えた人は?まぁテーマとしては面白いかも知れないけれど、映画としては今ひとつだった。


シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-04-03 23:17 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「ハングリー・ハーツ」

「Hungry Hearts」2014 イタリア

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エンジニアのアダムと大使館勤務のイタリア人のミナはニューヨークに暮らしている。ある日、二人はドアの故障で中華料理店のトイレに閉じ込められる。運命的に出会った二人は同居を始めミナが妊娠し二人は結婚する…


ジュードに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒/2015」アダム・ドライヴァー。

ミナに「ボローニャの夕暮れ(ジョヴァンナのパパ)/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」「夏をゆく人々/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ジュードの母親アンに「ポストマン/1997」のロバータ・マクスウェル。

監督、脚本はサヴェリオ・コスタンツォ。


ミナは妊娠中からなぜか食事を取ることを拒否し生まれた男の子は未熟児だった。

アパートの屋上で家庭菜園をするミナは完璧なるベジタリアン。口に入れるのは自然食品と水だけで、ゼロ歳児の息子も同様。体重が増えないことを心配したジュードは医者に相談に行く。案の定“もっと肉を食べさせなさい。”と言われ、肉系のベビーフードを与え始める。しかしそれを知ったミナはジュードを攻め立てるのだった。

困った夫はなんとかしようと躍起になるが、自分一人ではなんともできず、息子を母親アンに預けるしか方法がなかった。


女性が子供を産んだ後、鬱になることは良くあるらしい。しかしながらこの女性は子育てに異常に神経質になり鬱なんてものではない。何かに取り憑かれて精神がおかしくなったに違いない。


友人との接触を拒み、孤立無縁で子育てする夫婦の姿が異常で不気味。"愛かそれとも狂気か?”と思わせる展開にぞっとする。

ヒューマンドラマなのだけど、なぜかオカルトホラーの雰囲気が漂う。「ローズマリーの赤ちゃん/1968」の世界になって行くのか?なんてことも脳裏をかすめた。


とても個性的なキャラであるアダム&アルバはナイス・キャスティング。二人が第71回ベネチア国際映画祭主演男優賞&主演女優賞を受賞したのも納得だ。

ラストはかなり衝撃的だが、私がアンの立場だったら、孫を守るために同じことをするかも知れない。


ヒューマントラストシネマ渋谷にて(期間、時間限定公開/10/28迄)



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by margot2005 | 2016-10-28 22:43 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「夏をゆく人々」

「Le meraviglie」…aka「The Wonders」2014 イタリア/スイス/ドイツ
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イタリア、トスカーナ州の山奥。養蜂業を営むヴォルフガングには妻アンジェリカとの間に4女がいる。長女ジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に優れ父を助ける日々。そんな夏のある日、家族はTV番組のロケ隊に遭遇する…

長女ジェルソミーナにマリア・アレクサンドラ・ルング。
父親ヴォルフガングに「闇を生きる男/2011」のサム・ルーウィック。
母親アンジェリカに「ボローニャの夕暮れ/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」のアルバ・ロルヴァケル。
候のココにザビーネ・ティモテオ。
次女マリネッラにアニェーゼ・グラツィアーニ。
三女カテリーナにエヴァ・レア・ペイス・モッロー。
四女ルーナにマリス・ステッラ・モッロー。
ドイツ人の少年マルティンにルイス・ウイルカ。
ヴォルフガングの友人アドリアンに「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」「コッポラの胡蝶の夢/2007」のアンドレ・ヘンニック。
少年更生プログラムのイルデにマルガレーテ・ティーゼル。
TV司会者ミリー・カテナに「灼熱の肌/2011」のモノカ・ベルッチ。
監督、脚本はアリーチェ・ロルヴァケル。

長女ジェルソミーナの視点で描かれるドラマの舞台は、まるで文明など存在しないような人里離れた山奥の農村。家族は自然と共存しながら自給自足の日々を送っている。父親ヴォルフガングはドイツ出身で、家族はジェルソミーナの母と3人の妹、そして居候のココと父親以外全て女性。ヴォルフガングは家族に対し圧倒的な態度を取る支配者。次女のマリネッラは“わたしたちはまるで奴隷のよう。”と言う。

父親の独断である日、青少年更正プログラムの監視下にあるドイツ人少年マルティンを引き取ることになる。それは少年を預かることによって得られる現金収入のためだった。子供は娘ばかりで、ヴォルフガングは少年の存在が嬉しい。しかし娘たちはいきなりやって来た少年の存在に違和感を感じ始める。

ジェルソミーナはTV番組司会者ミリー・カテナの妖しくも美しい姿に魅了され、父親に内緒でTV番組のオーディションに応募する。番組は伝統的な製法で農産物を作る家族を紹介すると言うもの。
ヴォルフガングは自然と共に生きる伝統的な養蜂家の暮らしをかたくなに守ってきた。しかしジェルソミーナは外の世界へ飛び出したくてたまらない。ミリー・カテナと出会い、少年マルティンとの出会いも彼女に変化を与えたのだ。

しかしながらヴォルフガングはなんと頑固な男であることか!ある時、妻のアンジェリカが“もう我慢できない!別れるわ!”と宣うシーンがある。自己中な男に振り回される女性たち。日々、支配されこき使われながらも父親が大好きなジェルソミーナでさえうんざりする時もある。
ジェルソミーナを喜ばすため、ラクダをプレゼントするヴォルフガング。しかし当然ながらペットには無理だとわかる。トスカーナにラクダが全くマッチせずに可笑しい。

ドラマの中に養蜂のシーンが何度もでてくる。ミツバチのたてる音や風、雨の音がバック・ミュージックのようにドラマに溶け込んでいて素敵だ。

2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品で、実に岩波にふさわしい映画だった。
イタリア映画祭2015で上映された作品で映画祭のポスターにもなっている。
最初ポスターに映る少女のあごの部分に付いている物は何?とあまり気にしてもいなかったが、本作を見てわかった。それは蜂...少女は蜂を操ることができるのだ。

神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2015-08-29 23:06 | イタリア | Trackback(3) | Comments(0)

イタリア映画祭2013...「司令官とコウノトリ」

「Il comandante e la cicogna」...aka「The Commander and the Stork」2012 イタリア/スイス/フランス
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配管工のレオは夜な夜な妻テレーザのゴーストに愚痴をこぼしている。男手一つで16歳の娘マッダレーナと13歳の息子エリアを育てるのは大変なこと。そしてマッダレーナは男に夢中で、エリアはコウノトリに夢中…
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レオに「ナポレオンの愛人/2006」「錆び/2011」のヴァレリオ・マスタンドレア。
ディアーナに「ボローニャの夕暮れ/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」のアルバ・ロルヴァケル。
アマンツィオに「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」のジュゼッペ・バッティストン。
テレーザに「題名のない子守唄/2006」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」のクラウディア・ジェリーニ。
エリアにルカ・ディローディ
マッダレーナにセレーナ・ピント。
マラッファーノ弁護士に「愛と欲望 ミラノの霧の中で」「バッグにはクリプトナイト/2011」のルカ・ジンガレッティ。
弁護士の秘書チンツィアに「ミラノ、 愛に生きる」のマリア・ピアート。
探偵エミリアーノにミケーレ・マガンツァ。
スーパーの店長に「NINE/2009」のジュゼッペ・チェデルナ。
不動産屋に「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のファウスト・ルッソ・アレジ。
ジュゼッペ・ガリバルディの声に「家の鍵/2004」「題名のない子守唄」「対角に土星/2007」「天使と悪魔/2009」「気楽な人生/2010」のフランチェスコ・ファヴィーノ。
監督、脚本は「ベニスで恋して/2000」「30日の不倫/2010」のシルヴィオ・ソルディーニ。

今年もイタリア映画祭に行って来た。例年通り観たい作品より、観に行ける日にちを優先する。昨年はたまたま観た4作のうち3作が暗かったので、満足したのは上にも書いた「気楽な人生」1作だけだった。しかし今年の第一作はかなりの満足。

コウノトリに夢中のエリアがスーパーで冷凍の蛙を万引きする。その理由は彼のコウノトリのエサにするため。
男に夢中のマッダレーナはボーイ・フレンドにきわどい写真を撮られたあげくInternet公開されてしまう。
売れない画家ディアーナは家賃をも滞納するほど日々の生活に困っている。
ディアーナの大家アマンツィオはインテリの世捨て人で、ただいま語学の勉強中(あるとあらゆる国の娼婦と寝るため?)。
レオはマッダレーナの窮地を救うべく弁護士に相談に行く。レオはそこで事務所の壁画を描くディアーナと出会う。

レオを軸に、彼の子供たちマッダレーナとエリア。エリアはスーパーでアマンツィオと出会う。アマンツィオとディアーナは大家と店子の関係。それぞれが上手く絡み合ってとても面白いコメディとなっている。
夜な夜な現れるレオの亡くなった妻テレーザのゴーストがとてもナイスな演出。コーヒーの匂いを嗅ぐのが好きなゴーストって?きっと生前コーヒーが大好きだったのだろう。

映画の舞台は北イタリアのとある街とあるが、ロケはトリノだそう。
街中に立つ銅像のガリバルディが市民の素行の悪さに嘆くシーンでオープニングが始まる。
ガリバルディの後、イタリアが生んだ著名人カッツアニーガ、ジャコモ・レオパルディ、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチとそれぞれの銅像が登場する。
レオナルド・ダ・ヴィンチ以外は日本人にとって著名人ではない。イタリアを二回訪問したため(ガイドブック読んでる)、ガリバルディはイタリア統一に大きく貢献した人物として知っている。しかしカッツアニーガ、ジャコモ・レオパルディに至っては全く知らない。それで調べてみたところジャコモ・レオパルディはイタリアの詩人で、随筆家、哲学者、文献学者だそう。で、カッツアニーガってオペラ・シンガー??

有楽町 朝日ホールにて(イタリア映画祭:5/6まで開催)
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by margot2005 | 2013-05-05 23:40 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

「ミラノ、 愛に生きる」

「Io sono l'amore」…aka「I Am Love」2009 イタリア
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エンマに「フィクサー/2007」「倫敦(ロンドン)から来た男/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のティルダ・スウィントン。
エンマの息子エドアルド(エド)にフラヴィオ・パレンティ。
エドアルドの友人でシェフのアントニオにエドアルド・ガブリエリーニ。
エンマの夫タンクレディにピッポ・デルボーノ。
タンクレディの母親ローリに「ベニスに死す/1971」のマリサ・ベレンソン。
エリザベス(ベッタ)にジョヴァンナのパパ(ボローニャの夕暮れ)「私を撮って/2008」「やがて来る者へ/2009」のアルバ・ロルヴァケル。
ハウスキーパー、イダにマリア・パイアート。
監督、脚本、製作にルカ・グァダニーノ。
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ロシア出身のエンマはイタリア人の大富豪と結婚しミラノの豪邸に住んでいる。日々贅沢な暮らしを送っているが、彼女の心は満たされていなかった。孤独の中で生きているエンマはある日最愛の息子エドアルドから、彼の友人でシェフのアントニオを紹介される。その後、ハウス・パーティの料理をアントニオに依頼し、屋敷で頻繁にアントニオと会うようになる。やがて彼女の中に深く眠っていた情熱が蘇り始める...

「フィクサー」でオスカーをゲットしたティルダ・スウィントンはお気に入り女優の一人。昨年11月に50歳になったティルダ…ナイス・バディとはいえないが、田園風景の中のエンマとアントニオのラヴ・シーンがとても奇麗に映し出されている(ティルダも製作に加わっているゆえ?)。

映画のオフィシャルサイトに“官能”という文字がある。エンマがアントニオのレストランでローリとエドアルドのフィアンセ3人で食事をするシーン…アントニオが作った海老料理に舌鼓を打ち、まるでエクスタシーを感じるような表情を見せる。最初、彼女はアントニオの料理に恋をしたのかも知れない。ある時、エンマは屋敷の厨房でアントニオに再会する。居合わせたエドアルドに促されるままアントニオの作った料理を口に入れる。“アントニオの作ったものは上手いだろう!”という息子。エンマはここでも、えも言われぬ表情を浮かべるのだ。ティルダ・スウィントンの表情にしばし引き込まれる。

娘に会いに行くつもりのサンレモで、ばったりアントニオと出くわしたエンマ。そしてやはり彼女はアントニオの誘惑に勝てなかった。日頃満たされない生活を送っている中年女が、若くて魅力的な男に誘惑されたら、彼の胸に飛び込むのは時間の問題だろう。結局、恋に落ちたエンマは全てを捨てることになる。最愛の息子まで…。
哀しいエンディングながら“真実の愛”に目覚めたエンマが取る行動に共感を覚える。
個性的な役柄が多いティルダが大富豪の有閑マダム?少々違和感ありかと思えたが、じっと耐えるもの静かなティルダもたまには良い。

この物語はミラノが舞台。イタリアは先月ローマとフィレンツェを訪れたばかり。5年前のイタリア周遊旅行ではミラノへも行った。ミラノの大聖堂はイタリア映画に良く登場するが、これでも大聖堂をバックにエンマの姿がスクリーンに現れる。
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ミラノの雪景色と、エンマが暮す、とてつもなく大きくて豪華な屋敷が素晴らしく美しい。その上エンマが身にまとうミラノ・ファッションがオシャレで美しいのも見所の一つ(オスカーにノミネートされた)。エンド・クレジットに“DAMIANI”の文字もあった。

アントニオが住むリグーリア州のサンレモの町並みや、上に書いた田園風景も素晴らしく美しく、ヨーロッパ舞台の映画はこれだからやめられない。

エリザベス役のアルバ・ロルヴァケルは可憐な雰囲気が漂う女優だが(顔がそうかも?)、wowowで見た「30日の不倫/2010」ではピエルフランチェスコ・ファヴィーノ相手に大胆なラヴ・シーンを演じている。どちらもしっくり来る希有な女優の一人。

エドアルド役のフラヴィオ・パレンティはパリ生まれで、フランスとイタリアで育ったイケメン。
Flavio Parenti

ミラノの大聖堂の写真は5年前デジカメで撮ったもの。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて(2/10で終了)
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by margot2005 | 2012-02-11 21:19 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「やがて来る者」

「L'uomo che verrà」…aka「The Man Who Will Come」2009 イタリア
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ベニャミーナに「私を撮って/2008」「ジョヴァンナのパパ/2008」のアルバ・ロルヴァケル。
レナに「輝ける青春/2003」「夜よこんにちは/2003」のマヤ・サンサ。
アルマンドにクラウディオ・カザディーオ。
マルティーナにグレタ・ズッケリ・モンタナーリ。
監督、原案、脚本、編集、製作にジョルジョ・ディリッティ。
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1934年冬、ボローニャに程近い山間の村モンテソーレ。8歳の少女マルティーナは生まれたばかりの弟が亡くなって以来言葉を失ってしまった。彼女の父親アルマンドは貧農で、母親レナは再び妊娠中、伯母ベニャミーナは厳格な母親に反抗的な態度を取っている。そんな中、この家族にも戦争の影が近づいていた...

イタリアでは“マルザボットの虐殺”として知られ、1944年ボローニャ近郊の山村でナチスの手により行われた大量殺戮。「セントアンナの奇跡/2008」でもナチスの大量殺戮が描かれていたのを思い出した。
この映画は8歳の少女マルティーナの目を通して描かれている。弟の死後話さなくなったマルティーナ。彼女の母親は再び妊娠し、出産する。しかし迫り来るナチスの手から逃れるため、生まれたばかりの赤ん坊を抱え右往左往するマルティーナの姿が哀れなことこの上ない。
スクリーンでは何度も、何度も観てきたように、ここでもまた痛烈なる戦争の悲劇が語られる。

マルティーナを演じたグレタ・ズッケリ・モンタナーリは10歳にも満たないのに既に男を惑わす風貌を匂わしている。さぞかし美人になるであろうのグレタ。10年後の彼女が見てみたい。

アルバ・ロルヴァケルの「ジョヴァンナのパパ/2008」は邦題が「ボローニャの夕暮れ」となり6月に渋谷で一般公開される。
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by margot2005 | 2010-05-16 00:48 | 映画祭 | Trackback(1) | Comments(0)

イタリア映画祭2009...「私を撮って」

「Riprendimi」...aka「Good Morning Heartache」 2008 イタリア
ルチアに「ジョヴァンナのパパ/2008」のアルバ・ロルヴァケル。
ジョヴァンニにマルコ・フォスキ。
ミケーラに「まなざしの長さをはかって/2007」のヴァレンティーナ・ロドヴィーニ。
エロスにアレッサンドロ・アヴェローネ。
ジョルジュにステファノ・フレージ。
監督、原案、脚本にアンナ・ネグリ。
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ショウビズの世界にも雇用不安に苛まれる人々がいる。エロスとジョルジュは雇用不安をテーマに私財を投じてドキュメンタリーを撮影する。ドキュメンタリーの主人公は俳優のジョヴァンニと編集者であるルチア夫婦。彼らには幼い子供がいる。
ある日、ジョヴァンニはルチアに家を出たいと告げる。お金のためつまらない役柄に甘んじる事なく、創作活動をしたいと言うのが彼の家庭を捨てる理由。その日はジョヴァンニの誕生日だった。彼のためにイカスミのドリアやケーキを作り、準備をしたルチアは家を出たいというジョヴァンニの言葉に愕然とする...
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イタリア本国でインターネット公開されスゴイ反響を呼んだというが納得!今回観た作品の中で一番惹かれた作品。
ルチアとジョヴァンニの夫婦生活がある日突然破綻する。子供の面倒を見ながら仕事もしなくてはならないルチア。一方で子育てを放棄したジョヴァンニは新しい愛を見つけ、それにのめり込んで行く。ルチア、ジョヴァンニそれぞれの私生活をカメラが執拗に追う。
ルチアは別れた後もジョヴァンニに未練があり、戻って欲しいと訴える。ジョヴァンニは子供には会いたいが、家を出てすぐゴージャスな女性に恋をし、少々罪悪感を抱きながらも彼女とめくるめく愛の日々を送る始末。やはり自由を手にするのは男なのか?
1歳の子供を妻に託して家を出て行きたいと言う男のわがまま。イタリアも出生率が低いというが、フランスのように国が子供を育てるサポートしなきゃと又しても思ってしまう。
日本でも離婚したカップルの母親が自身のキャリアのため子供を引き取らないケースがあるという。仕方なく父親が引き取る事に、しかし働かなきゃならない男は自分の母親に子供を託す。すなわち祖母が孫の面倒を見るハメになる。それって冗談じゃない。
ルチアを毎日カメラで追っていたエロスが彼女に愛を告白するシーンと、ミケーラがジョヴァンニの子供を妊娠した事を告げるシーンでラストを迎える。
エロスは子供を育てながら仕事にせいを出す健気なルチアに惹かれ、一方で子育てを放棄したい一心で家を出たジョヴァンニに又しても子供が出来たという皮肉。このラストは最高!だった。
ジョヴァンニを愛する二人の女性...「まなざしの長さをはかって」で妖艶な美しさが際立ったヴァレンティーナ・ロドヴィーニと、「ジョヴァンナのパパ」での無邪気とも見えるアルバ・ロルヴァケルの魅力が対照的でとても良い。
USA公開タイトルはビリー・ホリディの名曲“Good Morning Heartache”。
ルチアの心情を表すかのように効果的に流れる...とってもお洒落な選曲。
有楽町 朝日ホールにて...
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by margot2005 | 2009-05-10 20:25 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2009...「ジョヴァンナのパパ/ボローニャの夕暮れ」

今年のイタリア映画祭。GWの予定が決まらなくてぎりぎり迄チケットを買わなかった。観に行ける日にちと時間を考えなければならないので、結局買ったのは5本(観たかった作品で前売り分完売が2本)。
30日のラスト上映作品「ジョヴァンナのパパ」。前売りは買えなかったが、上映前にシアターに駆け込んだ所、当日チケット数枚残っていて観る事が出来た。この日の、この作品完売だった。主演のシルヴィオ·オルランドの舞台挨拶にも間に合った。彼は2007年の映画祭で観た「カイマーノ/2006」の印象が残っていたが、実物もユーモアたっぷりのイタリアン。しかしこの映画での彼はとてもシリアスな役を演じている。
今年は合計7本観た。一番観たかったコメディ「見わたすかぎり人生」は前売りが買えず、当日は時間が間に合わずで観損なってしまった。
今年観た映画は時代物と重い映画が殆ど。もっとコメディものを上映して欲しかったなぁのイタリア映画祭2009。
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「Il papà di Giovanna 」...aka「Giovanna's Father」2008 イタリア

ミケーレに「トリノ、24時からの恋人たち/2004(ナレーション)」「カイマーノ」のシルヴィオ·オルランド。
デリアに「ハンニバル/2001」「コラテラル·ダメージ/2001」のフランチェスカ·ネーリ。
ジョヴァンナにアルバ·ロルヴァケル。
ミケーレの親友で刑事のセルジュにエツィオ·グレッジョ。
監督、脚本はプーピ・アヴァーティ。

1938年、ボローニャ。ジョヴァンナは内気な高校生。ジョヴァンナの父親ミケーレは彼女の通う学校の美術教師。二人は毎日一緒に通学する仲の良い親子。
そんなある日、嫉妬に狂ったジョヴァンナが学校の体育館で親友を殺害する。逮捕されたジョヴァンナは裁判の後、心神喪失で精神病院へと送られる...
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第二次世界大戦をさりげなく織り込んで描かれる重くて暗い家族の物語。
まだ子供だと思っていた内気な娘が殺人を犯した事を受け入れられない両親。やがて近隣者はミケーレとデリアに冷たいまなざしを向けるようになる。打ちひしがれた気持ちを身体全体で表現しているシルヴィオ·オルランドが上手い。平穏な娘の人生を、自らの計らいで狂わせてしまったミケーレの気持ちはいかばかりだったろう?
シルヴィオ·オルランドはヴェネツィア国際映画祭で主演男優賞を受賞。
精神病院に収容されているジョヴァンナを見舞うのは父親だけ。母親は一度もジョヴァンナに会いに行かなかった。二人の間にはきっとわだかまりがあったに違いない。それは、夫ミケーレと娘ジョヴァンナの異常なまでの深い結びつきに嫉妬する母デリアと、美しく魅力的な母親に嫉妬する娘ジョヴァンナ。
2005年のイタリア映画祭で上映された(未見)「愛はふたたび/2004」に出演以来躍進が著しいとのアルバ·ロルヴァケル。華奢で古風な顔立ち(ルネッサンス時代の彫像のような...)の彼女にジョヴァンナ役はぴったりかと思える。精神を病んだジョヴァンナを演じる彼女は素晴らしい。
相反し、セルジュにも思いをよせられる魅力的なデリアを演じるフランチェスカ·ネーリ。彼女はハリウッド大作に出演しているとても妖艶なイタリア女優で、デリア役にマッチしている。
暗くて重い作品ながらハッピー·エンディングへとつながるラストに救われる。
2010年に公開予定。
有楽町 朝日ホールにて...
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by margot2005 | 2009-05-06 17:36 | 映画祭 | Trackback(9) | Comments(0)