「ありがとう、トニ・エルドマン」

Toni Erdmann2016 ドイツ/オーストリア/スイス/ルーマニア

a0051234_21191876.jpg

ルーマニア、ブカレストのコンサルタント会社に勤めるイネスは仕事一筋のキャリアウーマンでシングル。ある日、悪ふざけが大好きな父がドイツから娘を訪ねてやって来る…


ヴィンフリート/トニ・エルドマンにペーター・ジモニシェック。

イネスにザンドラ・ヒュラー。

ヘンネベルクにミヒャエル・ヴィッテンボルン。

ゲラルロにトーマス・ロイブル。

イネスの秘書アンカにイングリット・ビス。

同僚でボーイフレンドのティムにトリスタン・ピュッター。

同僚のタチアナに「フィレーネのキライなこと/2003」ハーデヴィッフ・ミニス。

同僚のステフに「エンジェル/2007」ルーシー・ラッセル。

監督、脚本、製作はマーレン・アデ。


イネスの父ヴィンフリートがブカレストに現れたのは愛犬が亡くなり喪失感を埋めるためでもあったが、何といっても異国にいる仕事中毒の娘が気がかりだったから…。


ある日、ヴィンフリートはイネスの働く会社の受付で待ち伏せしていた。連絡もなく現れたことに戸惑うイネスをよそに娘のアパートに滞在を決め込む父親。不穏な空気が漂う中数日が過ぎる。しかしようやく帰ってくれたと思いきや、出っ歯の付け歯に変なカツラを被りトニ・エルドマンという名の別人に扮して再びイネスの前に現れる。


イネスが上司のゲラルロと話しているといきなり現れふざけるヴィンフリート。しかしながら神出鬼没の父親にも調子を合わせてその場をあしらうイネスがスゴい!

ちょっとクレージーな父親の娘は自らのバースデイ・パーティをNudeで参加すること!と決める辺り似た者親子だなと感心しつつ可笑しかった。

上映時間は2時間42分と少々長いが、意外にもダラダラした感じはなかった。でもヴィンフリートが娘のためにしでかす変な?イタズラ…彼の行為にかなり違和感を感じる観客もいるかも知れない。見終わってやはりこれは万人に受ける映画ではないなと思った。


ドイツ人て日本人同様真面目な人間が多いイメージがあるが、映画となると少々趣が違い、奇想天外なコメディが多く作られているような気がする。今年公開された映画では「僕とカミンスキーの旅 /2015」もかなりだったし、ファティ・アキンの「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN/2009」とか「帰ってきたヒトラー/2015」などなど。


ブカレストと言えばニコラエ・チャウシェスクが独裁政治で私腹を肥やし妻と共に贅沢な暮らしをしていた宮殿が有名。今では国民の館と呼ばれ、BSの旅番組で何度も見たことがある。映画の中でも、訪ねて来た父に娘が宮殿見に行く?と言う台詞があった。

イネスが顧客のヘンネベルクの妻を案内するショッピングモールはヨーロッパ最大とか…なぜブカレスト?と思ったけど土地があるからに違いない。


イネスは仕事の時は常に黒のパンツスーツに白のブラウス。しかし遊びとなると彼女のファッションは一変する。メリハリをつけたファッションが素敵だ。

ところでいつも感じるのはドイツ映画を見てあまり美しくないドイツ人女優たちの存在。ヒロインのザンドラ・ヒュラーも間違っても美人とは言えない。ドイツ人で美人女優と言えば絶世の美女“トロイのヘレン”を演じたダイアン・クルーガーと、往年の名女優ロミー・シュナイダー(正確にはウイーン出身)とナスターシャ・キンスキーくらい?

常に仏頂面のイネスを笑わせることに一生懸命のヴィンフリートはエラい!


新宿武蔵野館にて



[PR]
# by margot2005 | 2017-07-08 21:34 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「セールスマン」

Forushande…akaThe Salesman2016 イラン/フランス

a0051234_19595002.jpg

エマッドとラナ夫婦は小さな劇団に所属する俳優。アーサー・ミラー原作のセールスマンの死の舞台稽古で忙しい最中自宅が倒壊の危機に見舞われる。やがて劇団員のババクに紹介してもらったアパートに住むことが決まるが、前に住んでいた女性の荷物が運び出されず落ち着かない。そんなある日、シャワーを浴びていたラナが何者かに襲われて頭部に怪我をする事件が起こる…


エマッド・エテサミにシャハブ・ホセイニ。

ラナ・エテサミにタラネ・アリドゥスティ。

ババクにババク・カリミ。

サナムにミナ・サダティ。

男にファリッド・サジャディー・ホセイーニ。

監督、脚本は「彼女が消えた浜辺/2009」「別離/2011」「ある過去の行方/2013」アスガー・ファルハディ。


イランのテヘランを舞台に描いた役者夫婦の物語。

エマッドは事件を警察に届けようと言い張るがラナに拒否されてしまう。やがて襲った人物に復讐を誓ったエマッドは独自で捜査を開始する。

ラスト、エマッドは憎悪をむき出しに男と対決する。男を罰するエマッドを見て涙を流すラナ。何をおいても年長者を敬い名誉を重んじる社会で生きる彼らを理解するのは難しい。


宗教的なことが大きいと思うのでイラン人の行動や考え方は良くわからないが、ラナの頑なな抵抗は理解しがたい。そしてラナを襲った男は本当にあの男だったのか?階段を上がるのにも苦労するほど心臓が悪い老人の男がラナを襲うことは不可能ではないのか?と少々疑問が残る。


彼女が消えた浜辺」でチャーミングだったタラネ・アリドゥスティがちょっとおばさん化していた。映画のキャストは過去にアスガー・ファルハディ作品に出演歴がある俳優ばかりでまるでファミリーの様子。


映画案内には“濃密な心理サスペンスの傑作”とか“事件の衝撃の顛末を緊張感あふれる筆致でスリリングに描き出していく…"とか書いてるがそれほどスリリングでもなかったし、心理サスペンスの傑作ってほどでもなかったかと思う。


本作は今年のアカデミー賞外国語映画賞に輝いたが、トランプ政権がイラン人などへのビザの発給制限を検討しているとの報道を受け、監督と主演女優が授賞式をボイコットした。アカデミー賞授賞式には確か関係者の女性が受け取りに現れたと記憶している。


新宿シネマカリテにて



[PR]
# by margot2005 | 2017-07-03 21:31 | アジア | Trackback | Comments(2)

「フィフティ・シェイズ・ダーカー」

Fifty Shades Darker2017 USA

a0051234_22585655.jpg

大学を卒業し、念願だった出版社に就職したアナは巨大企業の若きCEOクリスチャン・グレイに“戻ってきて欲しい!”と懇願され受け入れる。そしてルールと秘密のない関係を要求する...


クリスチャン・グレイに「マリー・アントワネット/2006」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」ジェイミー・ドーナン。

アナスタシア・スティールに「ブラック・スキャンダル/2015」「胸騒ぎのシチリア/2015」ダコタ・ジョンソン。

ジャック・ハイドにエリック・ジョンソン。

ミア・グレイに「サウスポー/2015」のリタ・オラ。

エリオット・グレイにルーク・グライムス。

ケイト・キャヴァナーにエロイーズ・マンフォード。。

レイラ・ウィリアムズに「Re:LIFE~リライフ~/2014」「高慢と偏見とゾンビ/2016」のベラ・ヒースコート。

ホセに「ヘイヴン/堕ちた楽園/2004」ヴィクター・ラサック。

テイラーに「パシフィック・リム/2013」のマックス・マーティーニ。

Dr.グレース・トレヴェリアン・グレイに「トレビの泉で二度目の恋を/2014」「マジック・イン・ムーンライト/2014」マーシャ・ゲイ・ハーデン。

エレナ・リンカーンに「ドア・イン・ザ・フロア/2004」「あの日、欲望の大地で/2008」「ナイスガイズ!/2016」キム・ベイシンガー。

監督は「パーフェクト・ストレンジャー/2007」のジェームズ・フォーリー。


アナはクリスチャンとヨリを戻し“No more rules”を主張する。しかしながらこの女性やはりマゾヒスト以外の何ものでもない。クリスチャンはサディストなのだから二人は正にパーフェクト・カップル。

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ”から始まる3部の原作は長編小説。一作目は中々素敵な展開だったが、とぎれとぎれに描かれる本作は冴えなくて全くキレがなかった。


1作目にでてきたアナの両親(実母と義父)が全く登場しないのが摩訶不思議だった。

長編小説を2時間のドラマにするにはやはり無理がある。物語は端折り過ぎて切れ切れになっている様子。このドラマはTVシリーズで延々と描いた方が良かったのじゃないかな?。


ジャック・ハイド、エレナ・リンカーン、レイラ・ウィリアムズ以外は全て前作に出演している。

キム・ベイシンガーは「ナイスガイズ!」では若い!と思ったけど本作ではもうおばあさんの風貌(現実にそうだけど)で、エレナ・リンカーン役はちょっと無理があったかも?でも1年間で女性ってあんなに変化するってちょっとばかりショック。


今年の2月上旬にアメリカ、カナダやヨーロッパ、南米、アジアで公開された。しかしなぜか?日本では公開されず先週ようやく公開。アメリカではもちろんTop10入りした。マミーポルノと呼ばれる本作ながら、若い女性は少なくシアターは男性が多くてちょっと驚いた。前作は女性でいっぱいだったのに…。公開1週間で既にシアターはガラガラ(平日夕方の回)。TOHOシネマズのポイントで鑑賞したけどお金払っていたらきっと許せなかったに違いない。来年、続の公開はあるのかな?

TOMATOMETER前作の24%よりはるかに少なくて何と10%

TOHOシネマズ・シャンテにて


[PR]
# by margot2005 | 2017-07-01 23:28 | USA | Trackback | Comments(2)

「ザ・ダンサー」

La danseuse…aka「The Dancer2016 フランス/ベルギー/チェコ

a0051234_17415531.jpg

19世紀末のフランス。パリが繁栄した華やかなベル・エポック(良き時代)を舞台に、“モダン・ダンスの祖”と呼ばれ一世を風靡した伝説的ダンサー、ロイ・フラーの実話を元にしたヒューマン・ドラマ。


マリー・ルイーズ・フラー/ロイ・フラーに「博士と私の危険な関係/2012」「嫉妬/2012」のソコ。

ルイ・ドルセー伯爵に「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「サンローラン/2014」「たかが世界の終わり/2016」ギャスパー・ウリエル。

ガブリエルに「海の上のピアニスト/1999」「ラルゴ・ウィンチ/2008」のメラニー・ティエリー。

イサドラ・ダンカンにリリー=ローズ・デップ。

フォリー・ベルジェールの支配人に「プチ・ニコラ/2009」「ハートブレイカー/2010」「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」「エール!/2014」「神様メール/2015」フランソワ・ダミアン。

オペラ座の支配人に「あの夏の子供たち/2009」「めぐりあう日/2015」「フランコフォニア ルーヴルの記憶/2015」ルイ=ド・ドゥ・ランクザン

監督、脚本はステファニー・ディ・ジュースト。


フランス人の父とアメリカ人の母の間に生まれたマリー・ルイーズは、愛する父が亡くなり母の住むニューヨークの修道院に身を寄せる。そして女優志望の彼女は舞台デビューするがほんの端役だった。そんな折、幕間に披露したマリー・ルイーズの独創的なダンスが拍手喝采を浴びる。その中には彼女のダンスに魅せられ拍手を贈るルイ・ドルセー伯爵がいた。


ルイ・ドルセー伯爵はアメリカ人の富豪女性と結婚したフランス人貴族。マリー・ルイーズはルイ・ドルセー伯爵の支援を得てフランスに渡り、パリのミュージック・ホール、フォリー・ベルジェールの門をたたく。支配人は今まで見たこともないダンスに興味を持たなかったが、ダンサーたちの世話をするガブリエルはマリー・ルイーズの才能を認めフォローすることを決意する。やがてロイ・フラーと名のる様になったマリー・ルイーズのダンスは観客を虜にするのだった。そしてとうとうオペラ座の支配人がやって来て出演が決まる。


ロイ・フラーと同じくアメリカ人のイサドラ・ダンカンはモダン・ダンサーとしてとても有名。彼女も又“モダン・ダンスの祖”と呼ばれている。ドラマには共演者として選ばれた若くて美しいダンサー、イサドラ・ダンカンに嫉妬するロイ・フラーのエピソードも織り込まれている。


ヒロインを演じるソコは独特の魅力を放つフランス人の女優でシンガーソング・ライターでもある。上に書いた2本の映画はどちらもwowowで見たが、男子のようにも見える風貌ながらとてもエロティックな雰囲気を醸し出す希有な女優。本作ではダンスパフォーマンスのシーンを熱演している。

そしてイサドラ・ダンカンを演じるリリー=ローズ・デップがとても蟲惑的で美しい。ヴァネッサ&ジョニーの良い所取りしたリリーがマジでチャーミング。

ギャスパー・ウリエルにはデカダンスな世界が似合う。


シネスイッチ銀座にて



[PR]
# by margot2005 | 2017-06-25 20:48 | フランス | Trackback | Comments(0)

「おとなの恋の測り方」

Un homme à la hauteur…akaUp for Love2016 フランス

a0051234_23085489.jpg
a0051234_23084427.jpg

フランス、マルセイユ。敏腕弁護士のディアーヌはブルーノと離婚して3年になるが仕事のパートナーゆえ職場は同じで、顔を合わせるたび喧嘩する毎日にうんざりしている。そんなある夜、レストランに忘れた携帯を拾ったという男性アレクサンドルから連絡が入る...


アレクサンドルに「アーティスト/2011」「プレイヤー/2012」「ミケランジェロ・プロジェクト/2013」「メビウス/2013」「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)/2015」ジャン・デュジャルダン。

ディアーヌに「ターニング・タイド 希望の海/2013」ヴィルジニー・エフィラ。

ブルーノに「チャーリーとパパの飛行機/2005:監督」「よりよき人生/2011:監督」のセドリック・カーン。

弁護士事務所の秘書コラリーにステファニー・パパニヤン。

アレクサンドルの息子ベンジーにセザール・ドンボワ。

監督、脚本は「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「プチ・ニコラ/2009」ローラン・ティラール。


アレクサンドルの知的な話ぶりに好意を抱いたディアーヌは携帯を受け取るため会う約束をする。少々期待を込めて出かけたディアーヌが翌日約束したカフェで目にした男性は子供か?と疑うくらい身長の低い人物だった。

女性にとって男性の声ってかなり重要な魅力の一つ。アレクサンドルのユーモアがあって知的な声が気に入ったディアーヌは本人と会ってがっくり来てしまう。そう、そして女性にとって自分より背が低い男性はダメ?

アレクサンドルはジェントルマンで優秀な建築家でおまけにリッチ。ディアーヌは仕事ができて美人。アレクサンドルの身長が並だったらパーフェクト・カップルなのに…。


1メートル36センチって小学生の身長。街を歩けば皆が振り向き、レストランで食事をしていても露骨に見つめてくる人がいる。

本作は身長差ありのカップルが織りなすラヴ・コメディ。ドラマの結末がハッピー・エンディングになることを誰しもわかっている。しかしアレクサンドルとの恋に悩むディアーヌが彼の肉体的欠陥をどのように受け入れるのか?と、見ている間とても気になっていた。

ラスト、ディアーヌがアレクサンドルに、“あなたは首が痛くなり、私は背中が痛くなるけど、愛しているわ”と言う台詞がtrès bien!だった。

原タイトルはずばり“男性の背丈”。でも男性の価値は背丈ではないということを知った女性の物語でもある。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



[PR]
# by margot2005 | 2017-06-23 23:18 | フランス | Trackback | Comments(2)

「ローマ法王になる日まで」

「Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente」…aka「Call Me Francesco」2015 イタリア

a0051234_22583970.jpg

1936年にアルゼンチン、ブエノスアイレスでイタリア移民の子として生まれたホルヘ・ベルゴリオが2013年3月に第266代ローマ法王に就任し、フランチェスコと名乗るまでを描いたヒューマン・ドラマ。


ホルヘ・ベルゴリオ(1961-2005)に「モーターサイクル・ダイアリーズ/2003」のロドリゴ・デ・ラ・セルナ。

ホルヘ・ベルゴリオ(2005-2013)に「グロリアの青春/2013」のセルヒオ・エルナンデス。

エステル・バッレストリーノに「モーターサイクル・ダイアリーズ」「今夜、列車は走る/2004」のメルセデス・モラーン。

オリベイラ判事にムリエル・サンタ・アナ。

監督、脚本は「我らの生活/2010」のダニエーレ・ルケッティ。


20133月のローマ。コンクラーベのためヴァティカンを訪れたホルヘ・ベルゴリオ枢機卿は運命の日を前に波乱に飛んだ自らの半生を振り返る。


1958年イエズス会に入信したベルゴリオが宣教師として日本へ行くことを熱望するエピソードが語られる。しかし日本へ行くことは叶わなかった。

70年代にアルゼンチン管区長を務め、80年代の終わりにブエノスアイレス大司教、そして2001年に枢機卿に選ばれている。

ベルゴリオがアルゼンチン管区長を務めていた時期はアルゼンチンの軍事独裁政権真っただ中。軍の圧力から教会と神学校を守るため奔走し、又仲間が虐殺された悲惨な過去も体験している。

エステル・バッレストリーノを始めとした反体制派の捕虜が飛行機から突き落とされる光景は衝撃的だった。


常に弱い立場の民衆に手を差し伸べ、勇気ある行動を取るベルゴリオは法王になるべき器を持っていた人物なんだと改めて思った。

ドイツに留学していた時に教会で会った女性に教えられた”結び目を解くマリア”の教えに助けられたエピソードが素敵。

ベルゴリオ役のロドリゴ・デ・ラ・セルナが熱演!


ローマ法王の住むサン・ピエトロ寺院へは観光で二度訪れたことがある。ドラマの中でベルゴリオ枢機卿が屋上に洗濯物を干すシーンがある。サン・ピエトロ広場からは見えないところに上手く干していると想像すると微笑ましくなる。


新宿シネマカリテにて


[PR]
# by margot2005 | 2017-06-22 23:18 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「世界にひとつの金メダル」

Jappeloup2013 フランス/カナダ

a0051234_19495501.jpg

1980年代始めのフランス、ドルドーニュ地方。少年の頃から父セルジュの指導のもと、馬術の障害飛越競技に打ち込んできたピエールは大学卒業後馬術から離れ弁護士になる。仕事にも恵まれ充実した日々だったが、何か物足りなさを感じていた。やがてピエールは再び障害飛越競技を始める決心をする…


出演(ピエール・デュラン)、脚本に「ターニング・タイド 希望の海/2013」「疑惑のチャンピオン/2015」のギョーム・カネ

ナディアに「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「隠された日記 母たち、娘たち/2009」マリナ・ハンズ。

セルジュ・デュランに「マルセイユの決着/2007」「殺意は薔薇の香り/2013」のダニエル・オートゥイユ。

アルレット・デュランに「コーラス/2004」「ルパン/2004」「サン・ジャックへの道/2005」「引き裂かれた女/2007」「刑事ベラミー/2009」マリー・ビュネル。

ラファエルにルー・ドゥ・ラージュ。

コーチのマルセルに「三銃士 妖婦ミレディの陰謀/2005」「星の旅人たち/2010」「そして友よ、静かに死ね/2011」「ベル&セバスチャン/2013」チェッキー・カリョ。

アメリカ人の馬主ジョンに「プライドと偏見/2005」「鑑定士と顔のない依頼人/2013」ドナルド・サザーランド。

監督は「ココ・シャネル/2008」「ベル&セバスチャン 新たな旅立ち/2015」のクリスチャン・デュゲイ。


弁護士のキャリアを捨て馬術を選んだピエールは若くて気性が激しい馬ジャップルーを手に入れ、オリンピック目指して過酷なトレーニングを始める。

ピエールはライダー(選手)として優秀ではないが、彼の馬ジャップルーは素晴らしい才能を持っていた。

ヨーロッパ選手権で活躍したピエールは1984年のロサンゼルスオリンピックに出場するが敗北。その後ジャップルーを乗りこなすことに成功したピエールは1988年ソウル・オリンピックで念願の金メダルを獲得する。


一度は気性が激しいジャップルーに乗ることを諦め、アメリカ人の馬主ジョンに馬を売ることまで考えたピエール。しかし馬術を理解している父と妻ナディア、ジャップルーのトレーナー、ラファエルの大きな支えに励まされオリンピックで金メダルを取ることができた。

ワイン作りをやめ農地で馬術学校を開いていたセルジュ。一方でナディアも馬術が大好きな女性。このような環境があったからこそピエールは偉業を成し遂げることができたのだなと思った。


原タイトルの“Jappeloupジャップルーは馬の名前。馬は小さな体ながら1991年迄活躍したそう。

ギョーム・カネは1973年生まれなので撮影時はぎりぎり30代。20代始めの役はちょっと無理があるが、この方童顔なのか若いキャラに意外にも違和感はない。

フランスの田園地帯がとても美しいと思いながら見ていたがロケーションはスペイン。ドルドーニュ地方はワインで有名なボルドーの東隣にあり、ピエール・デュランの弁護士時代の職場はボルドー。

とにもかくにも乗馬のシーンはギョーム・カネ自身が演じたというからスゴい!そして実話なのでラストに感動する。

邦題が悲しいくらい陳腐。


シネマート新宿にて


[PR]
# by margot2005 | 2017-06-21 20:14 | フランス | Trackback | Comments(0)

「キング・アーサー」

King Arthur: Legend of the Sword2017USA

a0051234_22555341.jpg

中世のイングランド。アーサーは王ユーサー・ペンドラゴンの一人息子でありその後継者だったが、叔父ヴォーティガンに父を殺されてしまう。しかしからくも生き延びスラムで育ったアーサーは逞しい青年に成長する…


アーサーに「パシフィック・リム/2015「クリムゾン・ピーク/2015」のチャーリー・ハナム。

ベディヴィアに「ブラッド・ダイヤモンド/2006」「テンペスト/2010」「ターザン:REBORN/2016」ジャイモン・フンスー。

メイジに「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉/2011」のアストリッド・ベルジュ=フリスベ。

ビルに「シャドー・ダンサー/2011」「ブリッツ/2011」「ある神父の希望と絶望の7日間/2014」のエイダン・ギレン。

ヴォーティガンに「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ/2015」ジュード・ロウ。

ユーサーに「ミュンヘン/2005」「ラッキー・ユー/2007」「ブーリン家の姉妹/2008」エリック・バナ。

監督、脚本、製作は「ロックンローラ/2008」「コードネームU.N.C.L.E./2015」ガイ・リッチー。


アーサー王伝説を現代的かつスタイリッシュに描いたアクション・ファンタジー・ドラマ。

ガイ・リッチーお得意のスローモーションあり、瞬間ストップありの後、怒濤の早回しが続き見ているものを飽きさせない。そして何といってもCGがスゴい!オープニングでの巨大なゾウと建物のシーンはとてつもない迫力!だった。


聖剣エクスカリバーを引き抜いたことにより自らの出自を知ったアーサーは父ユーサー王の敵討ちを誓う。激しい闘いの後アーサーが王となりあの円卓が登場してエンディングを迎える。

ロケされた北ウェールズの景色が神秘的で美しい。


アーサーを演じるチャーリー・ハナムはもちろん、恐怖政治を貫く暴君が似合うジュード・ロウと、王が限りなく似合うエリック・バナがナイス・キャスティング。アーサーと共に戦うベディヴィア役のジャイモン・フンスーと、ビルを演じるエイダン・ギレンも良かったな。


アーサー王”をテーマにした映画は色々とあるが、本作はスラムで育ったアーサー王になるまでを描いたドラマで、映像もBackMusicも迫力たっぷりでまるでゲームの世界だった。


丸の内ピカデリーにて


[PR]
# by margot2005 | 2017-06-19 23:22 | USA | Trackback(1) | Comments(2)

「日々と雲行き」

Giorni e nuvole…akaDays and Clouds2007 イタリア/スイス/フランス

a0051234_22372073.jpg

一人娘のアリーチェが成人して家を出て以来、ミケーレとエルサは広々とした家で何不自由なく暮らしている。ある日、修復家のエルサが大学を優秀な成績で卒業し、盛大なるパーティが開かれる。幸せな夜を過ごしたエルサが朝目覚めるとミケーレがとんでもない話を始めるのだった...


エルサに「私と彼女/2015」マルゲリータ・ブイ。

ミケーレに「ハートの問題/2009」「ローマでアモーレ/2012」アントニオ・アルバネーゼ。

アリーチェに「ハングリー・ハーツ/2014」「おとなの事情/2016」アルバ・ロルヴァケル。

ヴィートに「幸せの椅子/2013」「おとなの事情/2016」ジュゼッペ・バッティストン。

ナディアに「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「カプチーノはお熱いうちに/2014」カルラ・シニョーリス。

リキに「それもこれもユダのせい/2009」ファビオ・トロイアーノ。

サルヴィアーティにパオロ・サッサネッリ。

ミケーレの父にアルナルド・ニンキ。

監督は「司令官とコウノトリ/2012」シルヴィオ・ソルディーニ。


ミケーレは会社を乗っとられて失職したのだ。エルサの卒業記念にカンボジア旅行を計画していた二人。しかしカンボジアどころか家を売らねばならないくらい経済状態は悪化していた。


映画の舞台はリグリア海(地中海の一部)に面した港湾都市ジェノヴァ。

ミケーレの失業にエルサは茫然自失。広々とした家で優雅に暮らす生活に終止符をうつ時が来たのだ。旅好きの夫婦には思い出の品がいっぱい。次に住む家に全て収まるのだろうか?そして友人のナディアに現状を話せなくて電話にでることも出来ない。そんなエルサは生活のため、カタログ販売のコールセンターでアルバイトを始める。

一方で会社を経営していたミケーレはプライドを捨てられずシュウカツに難航。新しい住まいで内装工事をする知人のヴィートを手伝ううち、シュウカツそっちのけで作業にどっぷりハマってしまう。


ミケーレにうんざりしているエルサは時給の良い新しい仕事に就く。そしてボスのサルヴィアーティとトキメキの時間を共にしたりして

エルサと大げんかしたミケーレは娘のアリーチェの家に転がり込む。彼女と一緒にレストランを経営するボーイフレンドのリキに親切にされ温かい気持ちになるミケーレ。

自分のことで精一杯なのに施設にいる痴呆症の父が気がかりでならない優しい息子ミケーレ。

これらのエピソードはとても良かった。


イタリアらしくヒロインはフレスコ画の修復家。

エルサが情熱を注いだ修復が終了し、そこにはマリアに受胎を告げにきた大天使ガブリエルの姿があった。天井画を見上げるエルサの元に現れたミケーレ。二人は互いがいないと生きて行けないことを知る。なんとも素敵なエンディングだった。


映画だからあの展開になったと思う。現実的に考えると離婚という形を取る夫婦が多いに決まっている。でもイタリアの男って妻に対して意外にも強気??

イタリア映画祭2008で上映された時見たかった一本ながら見れなくてやっと公開され見ることができた。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて(Viva!イタリア Vol.3で期間、時間限定で公開中)



[PR]
# by margot2005 | 2017-06-13 23:06 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

Lo chiamavano Jeeg Robot…akaThey Call Me Jeeg Robot2015 イタリア

a0051234_19585205.jpg

荒廃するローマ郊外で育ったエンツォは盗品を売りながら孤独な日々を過ごしている。ある日、警察に追われたエンツォはテヴェレ川に飛び込みドラム缶の中身を浴びてしまう。翌日同じアパートに住むセルジョと盗品売買のトラブルに巻き込まれ唯一の友セルジョが殺されてしまう...


エンツォに「緑はよみがえる/2014」クラウディオ・サンタマリア。

ジンガロに「ニーナ ローマの夏休み/2012」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」ルカ・マリネッリ。

アレッシアにイレニア・パストレッリ。

セルジョにステファノ・アンブロジ。

ヌンツィアに「重なりあう時/時の重なる女/2009」アントニア・トゥルッポ。

監督、製作、音楽はガブリエーレ・マイネッティ。


ドラム缶の中身を浴びたせいで鋼の肉体と超人的なパワーを手に入れたエンツォは、セルジョを殺したギャングのボス、ジンガロに復讐を誓うが、同時にセルジョの娘アレッシアを守るハメに陥る。

アレッシアは日本のアニメ“鋼鉄ジーク”の大ファン。鋼鉄のアパートのドアを素手で破るエンツォを見て、“鋼鉄ジーク”の主人公司馬宙(シバヒロシ)だと思い込み、”ヒーローは人を救うべき!”と訴える。そう、アレッシアは空想の世界に生きる女だったのだ。


一方で地元ギャングのボス、ジンガロはシンガーとして芽がでず犯罪者として大成したいと願い、ヌンツィアをボスとするナポリ出身の犯罪組織と張り合っている。

そんなある日、突然超人的なパワーを身につけたエンツォが最初にしたことはATM強盗。街中に設置してあるATM現金自動預け払い機を壁から外して持ち帰る。やがて防犯カメラが捕らえたその映像はネット動画に配信され、それを見たジンガロはエンツォに興味を抱き始める。


不器用で冴えない男と現実と空想の世界がごっちゃになっているかわいそうな女。孤独な二人は次第に互いを求め合うようになる。いわゆるヒーローとヒロインとは全くかけ離れたダサいエンツォと普通じゃないアレッシアの組合わせがユニーク。ポルノ・ビデオとヨーグルトが大好きなエンツォもヒーローらしくない?


エンツォを演じるクラウディオ・サンタマリアのこのようなキャラはもちろん初めてで、クールでないヒーローが似合っている。

「ニーナ ローマの夏休み」ではイケメンのチェリスト役だったルカ・マリネッリが、ものスゴいキャラで怪演している。

ラスト、アレッシアが編んだニットのマスクをつけて夜の闇に現れたエンツォ…続あり?


イタリア映画祭2017(イタリア映画祭2016で上映された)で盛んに宣伝していた本作は日本のアニメをモチーフにしたヒーローもの。あまり興味はそそられなかったがクラウディオ・サンタマリアがヒーローを演じるというので見に行った。イタリアで大ヒットしたらしいが、東京でもヒットしている様子。


新宿武蔵野館にて



[PR]
# by margot2005 | 2017-06-09 22:09 | イタリア | Trackback | Comments(0)