「天使にショパンの歌声を」

La passion d'Augustine2015 カナダ

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カナダ、ケベックにある修道院が経営する小さな寄宿学校の校長オーギュスティーヌは音楽教育に熱心で、前回のピアノコンクールでは念願の銀メダルを獲得していた。しかしそんな名門私立学校も、今や公立学校の増加で経営が苦しくなってきている。修道院の総長は出費のかさむ音楽教育をやめて、良妻賢母になるための教育の実施を校長に促す。しかし校長はこれを断固拒否し、シスターたちに諦めないで闘いましょう!と宣言する。そんな折、校長の姪であるアリスが転校してくる


マザー・オーギュスティーヌ(校長)に「アサインメント/1997」のセリーヌ・ボニエ。

アリス・シャンパーニュにリザンドル・メナール。

シスター・リーズにディアヌ・ラヴァレ。

シスター・クロードにヴァレリー・ブレ。

シスター・オネジムにピエレット・ロビタイユ。

スザンヌ・ゴーティエにエリザベート・トランブレ=ガニョン。

監督、脚本は「翼をください/2001」「天国の青い蝶/2004」のレア・プール。


シアターで予告編も見ていなくて鑑賞対象に入っていなかったが、有楽町で上映していたので見に行った。ところがこれが意外にも素敵なドラマでちょっと感動してしまった。そう、静かな感動を呼ぶ素敵なドラマである。


アリス役のリザンドル・メナールのピアノ演奏が圧倒的!と思っていたら、高い評価を得るピアニストだそうで納得!

カナダ、ケベックの深い雪に埋もれた村に建つ修道院。1960年代が舞台らしいが、とても古く感じる。

映画の知識が全くなかったので、最初ドラマで描かれる時代がいつかわからなかった。修道服を見ている限りいつの時代かはわからない。しかし少女たちの服装を見てこれはさほど古い時代ではない、と理解した。修道服の代わりにユニフォームとなったシスターたちのあの服..あれはきっと60年代に流行ったスタイルだと思う。


神は救ってくださる!と宣言する修道院の総長に神は耳が遠いのです!と切り返すマザー・オーギュスティーヌ。二人のバトルが可笑しい。

過去に苦い経験を持つマザー・オーギュスティーヌ。姪のアリスは天才的なピアノ演奏の技術を持つ少女ながら問題児で、母親の病気のせいで修道院に預けられる。互いに反撥を感じる叔母と姪が歩み寄り深い親愛を取り戻すラストは短絡的ながら小さな感動を呼ぶ。

何はともあれ雪に埋もれた修道院と、バックに流れるMusicがドラマを盛り上げている。


角川シネマ有楽町にて



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# by margot2005 | 2017-02-05 22:20 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(2)

「ショコラ~君がいて、僕がいる~」

Chocolat2016 フランス

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19世紀末のフランス北部の村。小さなサーカス一座の落ちぶれ芸人フティットは、そこで人食い族を演じる黒人青年カナンガと出会い、コンビを組もうと誘いかける。願ってもいない誘いに大喜びし快諾したカナンガはショコラと名を改め、前代未聞である白人と黒人コンビのフティット&ショコラが誕生する。2人の芸は観客に大受けし、噂を聞いたパリの名門ヌーヴォー・シルクの団長ジョゼフが二人をスカウトしにやって来る。そしてパリでもフティット&ショコラは大人気を得ることになる...


ショコラに「ミックマック/2011」「最強のふたり/2011」「ムード・インディゴ うたかたの日々/2013」「サンバ/2014」「二ツ星の料理人/2015」「インフェルノ/2016」のオマール・シー。

フティットに「ラブバトル/2013」ジェームズ・ティエレ

マリーに「食料品屋の息子/2007」「ミステリーズ 運命のリスボン/2010」「黒いスーツを着た男/2012」のクロチルド・エム。

ジョゼフに「ダゲレオタイプの女/2016」のオリヴィエ・グルメ。

サーカス一座のマダム、イボンヌに「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「キングス&クイーン/2004」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」「カミーユ、恋はふたたび/2012」「パリ3区の遺産相続人/2014」のノエミ・ルヴォヴスキ。

サーカス一座の娘カミーユに「夏時間の庭/2008」「あの夏の子供たち/2009」 のアリス・ドゥ・ランクザン。

監督、脚本は「バード・ピープル/2014」 の俳優ロシュディ・ゼム。


コメディアンを描くドラマながら、時代が古過ぎて彼らのパフォーマンスは決して笑えない。おまけに究極の差別にさらされ葛藤するショコラの姿は哀れですらある。


19世紀末~20世紀初頭に芸人として活躍したショコラ本名ラファエル・パディーヤは植民地出身の黒人青年。白人の召使いだったラファエルの父親は主人に動物並に扱われる日々を送っていた。そうはなるまいと心に誓ったラファエル。しかし彼のサーカスでの最初の仕事は人間動物園と称する人食い族の見せ物だった。


フティットと出会いコンビを組んでパフォーマンスするものの、ショコラは白人のフティットに痛めつけられる役どころ。フティットがショコラを蹴飛ばすと観客は大いに盛り上がる。観客は二人の芸が面白くて大笑いするのか?それとも黒人が蹴り飛ばされることに爆笑するのか?

やがて差別の嵐に苦悩するショコラはギャンブルにのめり込んで行く。


実話なので見ていてやるせなくなるが、後ろ指さされながらも生涯ラファエルを愛した白人女性マリーの姿に感動する。そしてあの時代に人種を乗り越えたフティットとショコラの友情にも感銘を受ける。

オマール・シーとジェームズ・ティエレのコンビが素晴らしい。

チャーリー・チャプリンの孫であるジェームズ・ティエレは「ラブバトル」の演技もスゴかったけど、オープニングでのフティットのパフォーマンスがチャプリンそっくりで驚く!


シネスイッチ銀座にて



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# by margot2005 | 2017-02-02 00:03 | フランス | Trackback | Comments(0)

「ワイルド わたしの中の獣」

「Wild」2016 ドイツ

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IT企業で働くアニアにはボーイフレンドも友達もいない。恋に夢中の妹とインターネット電話で話し、寝たきりの祖父の面倒を見ている。アニアの日々は空虚で味気がない。職場と自宅を往復するそんなある日、森の公園でオオカミと出会う...


アニアに「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男/2016」リリト・シュタンゲンベルク。

上司ボリスに「アイガー北壁/2008」「ミケランジェロの暗号/2010」「ファウスト/2011」「ドッペルゲンガー 凍てつく分身/2014」のゲオルク・フリードリヒ。

妹ジェニーに「さよなら、アドルフ/2012」ザスキア・ローゼンダール。

同僚キムにジルク・ボーデンベンダー。

監督、脚本は「トンネル/2001/出演」のニコレッテ・クレビッツ。



オオカミを彼氏と呼び、マンションを飛び出して荒野にでたアニアは泥水を飲み彼氏に獲ってもらった野ネズミを食べる。あのアニアの姿があまりにもワイルドでかなり引いた。

野生に目覚める女…まぁわかるけど強烈過ぎて見終わってどっと疲れが出たことは間違いない。

本作レイトショーのみで、見る人限られる映画かと思える。私自身見るのを相当迷ったが、今年に入ってから見たい映画があまりないので見に行った次第。そして公開が少ないドイツ映画と言うのが一番の理由。シアターで予告編は見ていなくて、壁に貼ってあるポスターを見たくらい。


しかしながら驚いたのはアニアの執念。一目惚れしたオオカミをゲットするためネットで調べた知識を駆使して捕らえることに成功し、自身の住むマンションに連れ帰り部屋で飼い始める。飼うといっても一目惚れした彼はオオカミであって犬ではないから思ったより大変。部屋を破壊し、至る所に汚物をまき散らすオオカミ。そして“変な音や匂いがする!”と近隣者に騒がれても怯むことなくオオカミと暮すアニア。やがて彼と心を通わすことに成功したアニアは仕事にも行かずどんどん野生に目覚めて行く。


アニアとオオカミとのシーンがとてもリアルだと思って見ていたが、CGとかは使わず生のオオカミを使って撮影したらしい。エンドクレジットでオオカミにも名前がついていたけど誰かが飼育している?


本作は「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」以前に鑑賞。少ない出演ながら強烈な印象が残った「アイヒマンを追え!~」のヴィクトリア役のリリト・シュタンゲンベルク。ヴィクトリアは黒髪だったが、本作のアニアはダーティ・ブロンド。

ドイツ国内で最も期待される若手女優の一人であるリリト・シュタンゲンベルクはマジで強烈な個性を放つ女優だ。


シネマカリテにて



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# by margot2005 | 2017-01-22 19:57 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」

Der Staat gegen Fritz Bauer…akaThe People vs. Fritz Bauer2016 ドイツ

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1950年代後半の西ドイツ、フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーは妻と別居し仕事一筋の生活を送っている。戦後の経済復興が進み、戦争の記憶が風化しようとして行く中、理想主義者のユダヤ人バウアーはナチス戦犯の告発に執念を燃やし続けている。ある日、南米から1通の手紙がバウアーの元へ届く。それには逃亡中のナチス親衛隊中佐アイヒマン潜伏に関する情報が記されていた...


フリッツ・バウアーに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「23年の沈黙/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」ブルクハルト・クラウスナー。

カール・アンガーマンに「東ベルリンから来た女/2012」「あの日のように抱きしめて/2014」ロナルト・ツェアフェルト。

ヴィクトリアにリリト・シュタンゲンベルク。

監督、脚本はラース・クラウメ。


アドルフ・アイヒマンを描いた映画と言えば「ハンナ・アーレント/2012」「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち/2015」2本。それぞれにアルゼンチン、ブエノスアイレスでモサドによって拘束された後、イスラエルで裁判にかけられるアイヒマンを描いている。

本作は1950年代の西ドイツ・フランクフルトを舞台に、ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーが、ナチス残党による妨害や圧力にさらされながら孤立無援でアドルフ・アイヒマンを追いつめて行く姿を描く。

検事長バウアーの部下カール・アンガーマンは架空のキャラクターで同性愛者。そしてバウアー自身も同じ嗜好の持ち主で、ドラマでは二人の深い友情も語られる。


アドルフ・アイヒマンの罪をドイツ国内で裁きたいと願うバウアーは国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、単身モサド(イスラエル諜報特務庁)に乗り込み極秘情報を提供する。しかし今だ国内に寄生するナチスの残党からの妨害や圧力にさらされ孤立無援の苦しみを強いられる。


1950年代後半を舞台に描かれる「顔のないヒトラーたち/2014」も、ドイツ国民の間でナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていたことを案じた一人の検事が奔走し、1963年にアウシュヴィッツ裁判が行われることになったいきさつを描いた映画。このドラマを見た時にやはり「ハンナ・アーレント」を思い起こした。

50年代の西ドイツに熱心な検事がいたからこそアイヒマン裁判やアウシュヴィッツ裁判が行われたのだと感心した次第。


ドイツの名優ブルクハルト・クラウスナーが理想主義者のユダヤ人検事長フリッツ・バウアーを好演している。カール役のロナルト・ツェアフェルトも然り、そういえばちょっと太った?

怪しい女/男を演じるリリト・シュタンゲンベルクが強烈な個性を放っている。リリト・シュタンゲンベルク主演で今公開中の「ワイルド わたしの中の獣/2016」も見てきたのでレビューを書こうと思っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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# by margot2005 | 2017-01-21 00:02 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(2)

「皆さま、ごきげんよう」

Chant d'hiver…akaWinter Song2015 フランス

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管理人に「アメリ/2001」「ロング・エンゲージメント/2004」のリュファス。

人類学者にアミラン・アミラナシヴィリ。

家を建てる男に「あの頃エッフェル塔の下で/2015」「ダゲレオタイプの女/2016」マチュー・アマルリック。

知事にマチアス・ユング。

やくざに「愛より強い旅/2004」のトニー・ガトリフ。

ヴァイオリニスト(知事の娘)にフィオナ・モンベ。

監督、脚本、編集、出演(アンクレジット)は「汽車はふたたび故郷へ/2010」オタール・イオセリアーニ。


現代のパリを舞台に描かれる群像ドラマ。アパートの管理人と骸骨収集が趣味の人類学者を軸にドラマは展開される。アパートの住人は他にローラースケートで万引きを繰り返す姉妹や恐妻家の金管楽器職人。そしてヴァイオリニストにホームレスや警官、ヤクザや貴婦人などなどユニークでヴァラエティに飛んだ人物が取りとめなく登場してくる。


現代のパリが描かれる前にフランス革命の時代と、どこかの戦場での出来事が短く描かれる。

オープニングはフランス革命時代ギロチンにかけられる貴族の様子。当時ギロチン処刑は見せ物で、処刑される貴族が現れるのを今か今かと待ちわびる市民たち。女性陣は一番前に陣取って編み物をしている。


次にどこかの戦場が登場し、住民を銃で撃ち、略奪を繰り返して女を犯す兵士たち。そして神に祈る聖職者。

現代のパリに住む管理人役のリュファスがフランス革命の貴族と戦場の聖職者を演じているのがわかる。


オタール・イオセリアーニは有名な俳優を起用しないことで知られるらしいが、今回はフランスの名優マチュー・アマルリックが出演。ひらすら家を建てることに集中する飄々とした男が可笑しい。

ほのぼのとしたと言うのかなんとも形容しがたい奇妙な映画。

「汽車はふたたび故郷へ」もファンタジーのような要素も取入れた一風変わった映画だった。やはり本作もオタール・イオセリアーニの世界炸裂!他愛もなく、無目的で良くわからない変な?映画だった。


岩波ホールにて

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# by margot2005 | 2017-01-15 20:31 | フランス | Trackback | Comments(0)

「こころに剣士を」

Miekkailija…akaThe Fencer2015 フィンランド/エストニア/ドイツ

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1950年代始めのエストニア。田舎町ハープサルに体育教師としたやって来たエンデルは秘密警察から追われる身の上。エストニアは第二次世界大戦中ドイツとソ連の戦いの場となり、戦争終結後スターリン指揮下のソ連に併合されていた。そのため戦争時ドイツ軍にいたエンデルは秘密警察から身を隠さなければならなかった。彼を採用した学校長は大都会レニングラードから、田舎町ハープサルにやって来たエンデルに不信感を抱く…


エンデルにマルト・アヴァンディ。

カドリにウルスラ・ラタセップ。

ヤーンの祖父にレンビット・ウルフサク。

ヤーンにヨーナス・コッフ。

マルタにリーサ・コッペル。

監督は「ヤコブへの手紙/2009」クラウス・ハロ。


学校長はエンデルに反感を抱きキツく当たるようになる。彼が開いたフェンシング教室もつぶしてしまおうと考えるが、保護者の圧倒的な支持により免れることになる。やがて学校長はエンデルの素性を調べるよう部下に命じる。


同僚教師のカドリに“実は子供は苦手”と打ち明けるエンデル。そしてヤーンに“本当は僕たちが嫌いなんだろ”と言われショックを受ける。多くの生徒たちの親はスターリン政権に連行さており、エンデルを父親のように慕うものもいたのだ。

ある日、レニングラードで開催される”フェンシングの全国大会”の記事を見つけたマルタは“挑戦したい!”とエンデルに訴える。しかし親友のアレクセイからレニングラードに近づいては危ないと知らされていることもあり、”君たちにはまだ早い!”とレニングラード行きを却下してしまう。やがてマルタの懇願と、懸命に練習を続けるヤーンの姿を目の当たりにしたエンデルは、子供たちをレニングラードに連れて行く決心をする。


始めは”子供は苦手”と言っていたエンデル。しかしアレクセイが紹介してくれたシベリアでのコーチの仕事を断ってまでハープサルに残る決断をする。徐々に芽生えるエンデルと子供たちの絆が素敵だ。


スターリンの死後解放されたエンデルがカドリの元に戻って来る。そしてそこには子供たちの姿もあった。心温まるラストに感動する。

ドラマのモデルとなった元フェンシング選手が開いたフェンシング教室は現存するらしい。

エンデルを演じるマルト・アヴァンディはエストニアのスター俳優とのこと。よそ者エンデル役が似合っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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# by margot2005 | 2017-01-07 22:34 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(2)

HAPPY NEW YEAR!

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今年もよろしくお願いいたします。

そして見に来て下さる皆様に今年もありがとう!と感謝したいと思います。

年々見に来て下さる方が増えて、ブログを続ける励みになっています。

(上写真パリ、コンコルド広場)


今年極私的BEST15本。下から見た順番に

ブルゴーニュで会いましょう

誰のせいでもない

ダゲレオタイプの女

われらが背きし者

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)

ハートビート

エクス・マキナ

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店

オマールの壁

ハロルドが笑うその日まで

最高の花婿

リリーのすべて

これが私の人生設計/生きていてすみません!(2016年3月に一般公開)

キャロル

ドリームホーム 99%を操る男たち

フランス映画21

UK映画35

イタリア映画(映画祭含む)15

ドイツ映画4

その他のヨーロッパ映画12

中南米映画2

アジア映画3

USA映画37

合計129本をシアターで鑑賞。映画祭は基本的に一日最低2本。普段のシアターでも2本見ることがあるが、だいたい1週間に3日はシアターにいる計算。


昨年に比べて減ったのはフランス映画とドイツ映画で、UK映画は増えている。

今年は1月にベネディクト・カンバーバッチの「ナショナル・シアター・ライヴ2016/ハムレット」11月にリチャード・マッデン&リリー・ジェイムズの「ブラナー・シアター・ライブ2016/ロミオとジュリエット」をTOHOシネマズ日本橋で見た。ウィリアム・シェイクスピアの舞台劇はどちらも素晴らしかった。


レビューを書かなかった映画8本...


「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生/2016」

ベン・アフレックがバットマンを演じた大ヒット作ながら私的にはつまらなかった。スーパーマンは蘇る?


「エンド・オブ・キングダム/2016」

ジェラルド・バトラー&アーロン・エッカートの出演で見に行った次第。前作「エンド・オブ・ホワイトハウス/2013」も本作もあり得ない展開に唖然!


「すれ違いのダイアリーズ/2014」

タイ映画って初めて見たかも知れない。水上学校を舞台にしたドラマは中々素敵だった。


「追憶の森/2015」

マシュー・マコノヒーと渡辺謙の共演に興味がありシアターへ…。ゴーストだったとは?


「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years2016

ザ・ビートルズ、ファン必見映画。伝説の“シェイ・スタジアム”ライブが見れて最高だった。


「イエスタデイ/2016」

上作品と同時期に公開されたノルウェー映画。オスロに住むビートルズに憧れる少年たちの青春音楽ムービーなんだけど、ドラマは音楽ムービーとは言えず残念。


「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争/2016」

第二次世界大戦下、アメリカの田舎町に住む少年が、敵対視される日系人と友情を育むドラマ。主人公の男の子が可愛い。


「高慢と偏見とゾンビ/2016」

ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』の登場人物がきっちり出てきて多いに楽しめる。ミスター・ダーシーとエリザベスたちがゾンビと戦うシーンは最高!

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腰痛が悪化して重いラゲージが持てず海外一人旅がキツくなった。で、最近は姉妹旅を楽しんでいる。昨年は京都、奈良、そして箱根。

京都は最低年2回、奈良は毎年か2年に一度くらい訪れる。箱根は10数年ぶりだった。

久しぶりに大湧谷からの富士山の絶景を堪能した。

京都、奈良は当然ながら箱根に外国人が多くてびっくり!泊まった強羅の温泉旅館に香港人がいっぱい宿泊していて、中国語と英語が飛び交う箱根が摩訶不思議だった。


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# by margot2005 | 2017-01-01 00:32 | TRIP | Trackback(12) | Comments(8)

「聖杯たちの騎士」

Knight of Cups2015 USA

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ハリウッドで脚本家として成功したリックは快楽を求め日々女性たちと戯れている。しかし崩壊寸前の家族を目の当たりにして自らの人生を見つめ直そうと考える…


リックに「マネー・ショート 華麗なる大逆転/2015」クリスチャン・ベール。

ナンシーに「ニュースの真相/2015」ケイト・ブランシェット。

エリザベスに「ブラック・スワン/2010」ナタリー・ポートマン。

ヘレンに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「ミラル/2010」「恋のロンドン狂騒曲/2010」「トリシュナ/2011」のフリーダ・ピント。

イザベルに「インモータルズ -神々の戦い-2011」のイザベル・ルーカス。

カレンに「殺し屋チャーリーと6人の悪党/2014「きみがくれた物語/2016」のテリーサ・パーマー。

デラに「ジェーン・エア/2011」「25年目の弦楽四重奏/2012」 「ジェーン・エア/2011」イモージェン・プーツ。

ジョセフに「コクーン/1985「スリーデイズ/2010」のブライアン・デネヒー。

バリーに「アメリカン・ビューティー/1999」「パーフェクト・メモリー/2015」のウェス・ベントリー。

トニオに「ボーダータウン/報道されない殺人者/2006」「私が、生きる肌/2011」「エージェント・マロリー/2011」アントニオ・バンデラス。

監督、脚本は「ニュー・ワールド/2005」「ツリー・オブ・ライフ/2011」「トゥ・ザ・ワンダー/2012」テレンス・マリック。


リックの家族は崩壊寸前。そして心にはいつも虚しさを抱えている。やがてリックにかつて巡り会った6人の美しい女性の記憶が蘇る。

ナンシーは元妻で一時期互いに愛し合っていたが既に別れていた。人妻のエリザベス、モデルのイザベルやヘレン、そしてダンサーのカレンと、風変わりなデラ。ハリウッドのセレブリティならではの派手な女性関係が続く。リックが運転するコンバーティブルの助手席に乗るそれぞれの女性たち...あのシーンで6人の美しい女性たちは過去の人と理解できる。


ストーリーは殆どないに等しく、当然台詞も少ない。圧倒的な映像美がドラマの主人公のよう。クリスチャン・ベールの相手に、二人のオスカー女優ケイト・ブランシェット&ナタリー・ポートマンを出演させるなんてなんとも贅沢なキャスティング!

やはりテレンス・マリックは水が好き。サンタモニカの海岸が何度も登場する。そしてテレンス・マリックの世界には宗教/キリスト教も欠かせない。

意図不明というのか?ワケの分からない映画が多いテレンス・マリックの世界。前作の「トゥ・ザ・ワンダー」の方が見やすかったかも知れない。本作は少々眠気に襲われて困った。


本作の上映前に来年3月公開予定のテレンス・マリックのドキュメンタリー「ボヤージュ・オブ・タイム/2016」の予告編があった。スクリーンから素晴らしい映像が映し出され、テレンス・マリック映画は映像のみが良いのかも知れない。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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# by margot2005 | 2016-12-30 20:19 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(2)

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」

Eye in the Sky2015 UK/南アフリカ

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キャサリン・パウエル大佐はフランク・ベンソン中将と協力し英米合同テロリスト捕獲作戦の指揮に当たっている。ある時、米国軍の最新鋭ドローン偵察機がケニアのナイロビでテロリストのアジトを突き止める。しかもアジトでは今正に自爆テロを決行するための準備が行われていた。パウエル大佐はテロリスト殺害のため、ドローンでのミサイル攻撃決行を決断する。やがて指示を受けた米国ネバダ州のドローン・パイロットが発射の準備に入ったその時、アジトの側でパンを売る少女の姿が目に入る...


キャサリン・パウエル大佐に「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男/2015」ヘレン・ミレン。

スティーヴ・ワッツに「エクソダス:神と王/2014」「パパが遺した物語/2015」アーロン・ポール。

フランク・ベンソン中将に「大統領の執事の涙/2013」「モネ・ゲーム/2012」「暮れ逢い/2013」「ヴェルサイユの宮廷庭師/2014」アラン・リックマン。

ジャマ・ファラに「キャプテン・フィリップス/2013」のバーカッド・アブディ。

ブライアン・ウッデールに「抱擁/2002」 「インベージョン/2007」「奇蹟がくれた数式/2015」「われらが背きし者/2016」ジェレミー・ノーサム。

キャリー・ガーションにフィービー・フォックス。

ジェームズ・ウィレット英外相に「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」「ダウントン・アビー (シーズン2)/2011」のイアン・グレン。

監督は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO/2009」のギャヴィン・フッド。


ケニアのナイロビ。両親の愛情を受け無邪気に遊ぶ少女の姿が映し出される。やがて少女は母親が焼いたパンを売りに行くが、屋台を置いた場所はテロリストのアジトのすぐ側だった。

楽しそうにフラフープで遊ぶ少女の姿でエンディングを迎える。あの少女は無事だったのだろうか?


ロンドンに隣接するノースウッド司令部で指揮を執る英国軍事情報部のキャサリン・パウエル大佐。

ロンドンの内閣府で大臣のブライアン・ウッデールや法務長官らとミーティング中の国防相フランク・ベンソン中将。

米国ネバダ州でドローン操作をするパイロットのスティーヴ・ワッツとキャリー・ガーション。

現場(ケニア、ナイロビ)で虫型小型ドローンbeetleを飛ばす工作員ジャマ・ファラ。

それぞれが違う場所にいながら、インターネットや電話を駆使して、全く違った場所にいる人々が一同に集まっているかの様に見えるシチュエイションがスゴくて感心する。


パウエル大佐はテロリスト殺害のため少女を犠牲にするか否かで、上(政治家のトップ)に判断を求めるが、責任を取りたくない政治家たちの議論がまとまらない。テロリストを逃しても、民間人を犠牲にしても批判されることを知っているパウエル大佐は苛立ちを募らせる。

ヘレン・ミレンがクールでかっこいいが、何はともあれ虫型小型ドローンbeetleのスゴさに驚き!あれは確かにカブトムシの格好をしていた。

beetleを操作する工作員ジャマ・ファラがゲームで遊んでいるように見えて、子供がやらせて!なんて言うシーンにはニヤリとなる。


シンガポールで海老を食べ腹を壊した英外相が不機嫌だったり、米国国務長官は北京で卓球に夢中…全編に臨場感が漂い手に汗握る展開から目が離せないが、責任回避する政治家たちの姿だけは滑稽に映る。

フィクションだけど、昨今多々起こる自爆テロ事件を思い出し、現実のことのように見えるのが恐ろしい。

映画は今年1月に亡くなったアラン・リックマンを偲び、コリン・ファースがプロデューサーで参加している。


TOHOシネマズ・シャンテにて



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# by margot2005 | 2016-12-29 00:23 | UK | Trackback(7) | Comments(2)

「ヒトラーの忘れもの」

Under sandet…akaLand of Mine2015 デンマーク/ドイツ

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19455月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマークの美しい浜辺。ある日、ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、ドイツ兵捕虜の11名が集められる。そして彼らには地雷を扱った経験がほとんどなかった。作業を監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は集められたのがあどけない少年であることに驚くが、ナチス・ドイツへの憎悪をむき出しに暴言と暴力を繰り返すのだった...


ラスムスン軍曹に「真夜中のゆりかご/2014」ローランド・ムーラー。

エベ大尉に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」ミケル・ボー・フォルスゴー。

セバスチャン・シューマンにルイス・ホフマン。

ヘルムート・モアバッハにジョエル・バズマン。

ヴィルヘルム・ハーンにレオン・サイデル。

エルンスト・レスナーにエミール・ベルトン。

ヴェルナー・レスナーにオスカー・ベルトン。

監督、脚本はマーチン・サントフリート。


オープニング以降、地雷の除去作業だけが延々と続きスクリーンからも緊張感が漂う。少年たちは食事も与えられず日々作業を続けている。ある日、一人の少年が地雷の爆発で両手をもぎ取られキャンプの病院へ運ばれる。後日キャンプへ行ったラスムスンは彼が死んだ事実を知らされるが、残された少年たちが動揺しないよう、傷が癒えたので国へ帰したと伝える。そんな折、空腹に耐えられず農家から盗んできた食べ物にあたり腹を壊してしまう少年たち。見るに見かねたラスムスンはキャンプから自分の食べ物と一緒に少年たちに与える野菜やパンを調達してくる。それを知ったエベ大尉は“ドイツ兵は餓死してもかまわない!”と宣いラスムスンを攻め立てる。あまりにも残酷な答えに呆然となるラスムスン。


仲間たちが一人、また一人と命を落として行く様はとてもリアルで見ていてぞっとする。”作業が終われば国に帰れる。”というラスムスンの言葉にすがりつくかのように耐える少年たち。そして日々彼らの姿を目の当たりにするラスムスンに次第に情が芽生え始める。


デンマーク軍のエベ大尉が強烈に無情。慈悲も何も持ち合わせていない。ナチス、ドイツに怒るのは良くわかるが、少年たちに責任はないのだ。

邦題の「ヒトラーの忘れもの」はちょっと低俗過ぎてドラマに不適当かと思った。

ドイツとデンマークは国が隣り合っている。ラスト、ここから500メートルのところに国境があると説明したラスムスン軍曹は少年たちを解放する。あのシーンには救われたが、史実では多くのドイツ兵が亡くなったと記され胸を打たれる。


シネスイッチ銀座にて


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# by margot2005 | 2016-12-26 00:04 | ヨーロッパ | Trackback(9) | Comments(4)