「少女ファニーと運命の旅」

Le voyage de Fanny…akaFanny's Journey2016 フランス/ベルギー

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1943年、フランスはナチスドイツの支配下にあった。市民からなる支援組織が秘かに運営する児童施設はユダヤ人の子どもたちを匿っていた。ある日、13歳の少女ファニーは二人の妹と共に施設にやって来る。そしてファニーの母親は迎えに来ると言い残し去って行く...


ファニーにレオニー・スーショー。

マダム・フォーマンに「メビウス/2013」セシル・ドゥ・フランス。

農夫ジャンにステファン・ドゥ・グルート。

エリカにファンティーヌ・アルデュアン。

ジョルジェットにジュリアンヌ・ルプロー。

ヴィクトールにライアン・ブロディ。

ディアヌにアナイス・マイリンガー。

ラシェルにルー・ランブレヒト。

モーリスにイゴール・ファン・デッセル。

マリーにマロン・レヴァナ。

ジャックにルシアン・クーリー。

料理番エリーにヴィクトール・ムーテレ。

監督、脚本はローラ・ドワイヨン


ファニーがいた施設は密告者によって閉鎖を余儀なくされ、子供たちは新しい施設に移り住むことになる。しかしここにもナチスが迫って来ており、責任者のマダム・フォーマンは子供たちをスイスに逃がそうと考える。

列車の乗り継ぎで大人たちと行き違いになってしまったファニーたち。そしてマダム・フォーマンは約束の待ち合わせ場所に現れない。結局ファニーがリーダーとなってスイスを目指す過酷な旅が始まる。


原タイトルはいたってシンプル。このタイトルだとまるでファニーが楽しい旅にでるようなニュアンスで、意外ながらナイスだなと思った。

実話が元なのでファニーたちが生き延びるのはわかっている。しかしラストを迎えるまで結構ハラハラした。

オーディションで選ばれ、演技初というファニー役のレオニー・スーショーが素晴らしい。他の子供たちも然り。

久しぶりのセシル・ドゥ・フランスがBodyと共に貫禄たっぷり。


同じフランス人なのにユダヤ人を助ける者もいればナチスに密告する者もいる。しかしそれは全て戦争のせい。ファニーたちを追いつめる警察官の姿は「黄色い星の子供たち/2010」でも描かれていた。

ファニーとヴィクトールが森の中で見つけた死体。ドイツ人かフランス人か?と確かめるシーンは子供ながらスゴい!と思った。お金を払ってスイスへの道案内人を雇う様も大人顔負け?


エンディングにイスラエルに暮すファニー・ベン=アミが登場。

ポーランドのワルシャワのゲットーから逃げ生き延びたユダヤ人少年の物語を描いた「ふたつの名前を持つ少年/2013」思い起こした。


TOHOシネマズ・シャンテにて



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# by margot2005 | 2017-08-16 22:39 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「夜明けの祈り」

Les innocentes」…aka「Agnus Dei」2016 フランス/ポーランド

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1945年、12月のポーランド。フランス人のマチルドは赤十字の活動で医師として従事する日々。ある時、見知らぬシスターから助けを求められ、遠く離れた修道院へ駆けつける。そこでマチルドは戦争末期にソ連兵によって暴行され身ごもった修道女の姿を目の当たりにする...


マチルドに「世界にひとつの金メダル/2013」ルー・ドゥ・ラージュ。

シスター・マリアに「ハミングバード/2013「イレブン・ミニッツ/2015」のアガタ・ブゼク。

修道院長に「イーダ/2013」のアガタ・クレシャ。

イレーナに「あの日 あの時 愛の記憶/2011」「ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー/2011」のヨアンナ・クーリグ。

サミュエルに「やさしい人/2013」「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬/2013」ヴァンサン・マケーニュ。

監督、脚本は「恍惚/2003」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「美しい絵の崩壊/2013」「ボヴァリー夫人とパン屋/2014」アンヌ・フォンテーヌ。


臨月を迎えた修道女は7人。修道院の閉鎖を恐れる修道院長は、外部に修道女たちの妊娠が漏れないようひた隠しにしておりマチルドの助けを拒む。しかしシスター・マリアに懇願されマチルドは修道女たちを守る決意をする。


医師マチルドは実在の人物で映画は実話を元に描いている。

イエス・キリストに身を捧げた修道女たちが妊娠なんてあり得ないことながら、戦争のせいで最悪の事態が起こったのだ。ソ連兵にレイプされ妊娠してしまった修道女たちには何の罪もなく完璧に被害者ながら、訴えることもせずひたすら事実を隠すばかり。この辺りの事情は全く理解できないが舞台が修道院と言うことで納得せざるを得ない。


原タイトルは“アニュス・デイ/神の子羊”。それはイエス・キリストを象徴する表現の言葉の一つだそう。

ラスト、生まれた子供を抱いてカメラの前に集合する修道女たちの姿がとても違和感ありながら素晴らしかった。


イメージが違っていて最初わからなかったが、「世界にひとつの金メダル」でラファエル役だったルー・ドゥ・ラージュがヒロインのマチルドを演じている。彼女は今注目される若手女優の一人。

アガタ・ブゼクはジェイソン・ステイサムの「ハミングバード」でもシスターを演じていて修道女のコスチュームがとても似合う。そしてウマ・サーマンに似ている!

一風変わったキャラが似合うヴァンサン・マケーニュが医師サミュエル役でちょっと驚き。


新宿武蔵野館にて



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# by margot2005 | 2017-08-11 22:30 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「ハートストーン」

Hjartasteinn…akaHeartstone2016 アイスランド/デンマーク

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アイスランドの小さな漁村に暮すソールとクリスティアンは幼なじみの大親友。思春期真っただ中のソールは美少女ベータに惹かれている。それを知ったクリスティアンはソールを応援する。やがてベータの友達でクリスティアンに思いを寄せるハンナも加わり4人で行動するようになる...


ソールにバルドゥル・エイナルソン。

クリスティアンにブラーイル・ヒンリクソン。

ベータにディルヤゥ・ヴァルスドッティル。

ハンナにカトラ・ニャルスドッティル。

ラケルにヨーニナ・ソールディス・カルスドッティル。

ハフディスにラゥン・ラグナスドッティル。

ソールの母にニーナ・ドッグ・フィリップスドッティル。

クリスティアンの父にスヴェイン・オーラフル・グンナルソン。

クリスティアンの母にナンナ・クリスティン・マグヌスドッティル。

牧場主にソーレン・マリング。

店主に「好きにならずにいられない/2015」のグンナル・ヨンソン。

監督はグズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン。


ソールとクリスティアンは常に行動を共にしている。小さな漁村は閉鎖的であり人間関係は濃密。やがて二人が友人以上の関係であるという噂が広がり、両親によってソールと引き離されたクリスティアンは自殺を図る。

原タイトルの“Hjartasteinn”はそれぞれが〝温かい感情/Heart”と〝厳しい環境/Stone”の意味を持つ造語だそう。二つの言葉がドラマの展開と共に意味深い。

スクリーンにソールとクリスティアンが牧場主の手伝いをするシーンや、大自然の中でキャンプをするシーンが映し出される。それは都会暮らしをする自分にとっては異次元の世界のようでとてつもなく新鮮に感じる。そしてアイスランドに羊はかかせない。

「馬々と人間たち/2013」「ひつじ村の兄弟/2015」「好きにならずにいられない/2015」と続くアイスランド映画。「好きにならずにいられない/2015」はあまり惹かれなかったので見ていない。

アイスランド映画って独特の雰囲気があって興味深い。上に書いた2作はコメディの要素が入っているが本作はシリアスなLGBTがテーマのドラマで、少年の恋と友情が語られる。見終わってやはりとんでもなく切ないドラマだと思った。アイスランドの雄大な自然の中に溶け込むように演じる少年たちが素晴らしい。


恵比寿ガーデンシネマにて


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# by margot2005 | 2017-08-05 20:02 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「ボンジュール、アン」

Bonjour Anne…akaParis Can Wait2016 USA

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カンヌからパリまで美しいフランスの景色が楽しめるロード・ムービー。


アン・ロックウッドに「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男/2015」ダイアン・レイン。

ジャック・クレマンに「メトロで恋して/2004:監督、脚本、製作」のアルノー・ヴィアール。

マイケル・ロックウッドに「アリスのままで/2014」アレック・ボールドウィン。

監督、脚本、製作はエレノア・コッポラ。


アンはアメリカの著名な映画プロデューサー、マイケル・ロックウッドの妻。夫と共にカンヌ国際映画祭にやって来た彼女はその後のバカンスを楽しみにしていたが、マイケルに急な仕事が入りブダペストへ行かなくてはならない事態が起こる。しかし耳の調子が悪くて飛行機に乗る気がしないアンは電車でパリに戻ることを選ぶ。そんな折、マイケルの仕事仲間のジャックが、パリまで一緒に車で戻るのはどう?と誘いかけてくる…


子育ても一段落したアンはこれからの人生をどう生きよう!と思っていたところ。そんな折、タイムリーに出会ったのが人生を楽しむ術を知り尽くすフランス人独身男性のジャックだった。


カンヌからパリまで車を飛ばせばその日中に到着する。しかしジャックは美味しいものを食べて景色を楽しもうじゃないかと提案してくる。そんなわけでホテルに一泊し、ゴージャスな料理を堪能する。


ローマ時代に作られた水道橋ポン・デュ・ガール、プロヴァンスのサント・ヴィクトワール山、ヴェズレーのサント=マドレーヌ大聖堂と、世界遺産に登録されたスポットが登場し、リヨンでリュミエール博物館を訪れるシーンは特に印象深い。リヨンは映画発祥の地であり食通の街でもある。


スティーヴ・クーガンの「イタリアは呼んでいる/2014」というロード・ムービーもあったけどこちらの方が断然ナイス!

レディース・デイ(先週)に見に行ったらなんと!なんと!完璧に満席だった。

Paris Can Wait/パリは待ってくれる」の方がドラマにふさわしいかな?


TOHOシネマズ・シャンテにて

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# by margot2005 | 2017-07-28 19:08 | MINI THEATER | Trackback | Comments(2)

「残像」

Powidokiaka…Afterimage2016 ポーランド

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1945年、ポーランドのウッチ。第二次世界大戦後スターリン政権の影響が深まる中、造形大学の教授を勤めるストゥシェミンスキは、創作活動の合間積極的に後進の指導にあたっていたが、芸術を政治に利用する政府の要求に反撥し大学を追われてしまう...


ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキにボグスワフ・リンダ。

美大生ハンナにゾフィア・ヴィフワチュ。

娘ニカにブロニスワヴァ・ザマホフスカ。

詩人ユリアンにクシシュトフ・ピチェンスキ。

監督、脚本は「カティンの森/2007」「菖蒲/2009」アンジェイ・ワイダ。


2016年10月に亡くなったポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作で、アヴァンギャルドなスタイルで有名な画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキを描いた伝記ドラマ。

残念なことに前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキのことは全く知らなくて今回初めて知った。ウッチ・ヴワディスワフ・スチシェミンスキ美術アカデミーは1945年に設立され現在に至っている。


ストゥシェミンスキは片方の足が不自由で松葉杖に頼る生活。美の創造に情熱を傾け信念を貫こうとするが、社会主義政権に抵抗し大学を追われる。追い打ちをかけるように美術館に飾られた作品は壁からはがされ、芸術家デザイナー協会の会員証も没収されて画材を買うこともできない。そして食料を買うのに必要な配給切符まで喪失してしまう。


ラスト近く、食べるために巨大な看板(ポスター)を描くストゥシェミンスキの姿が哀れだった。やがて追いつめられたストゥシェミンスキは病気が悪化し帰らぬ人となる。

ドラマの中でストゥシェミンスキが学生たちにオランダの画家モンドリアンを語っていたが、どことなく似た作風を感じる。タイトルの「残像」は、“ものを見たあと目に残る色だ”と解説するストゥシェミンスキの言葉からきている。

アンジェイ・ワイダの遺作に魂が揺さぶられる。


岩波ホールにて(7/28まで)



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# by margot2005 | 2017-07-24 19:50 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「アメリカン・バーニング」

American Pastoral2016 USA

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かつてアメリカン・フットボールのスター選手として活躍したスウィードは父親から手袋製造会社を継ぎ、美しい妻ドーンと娘メリーと共にニュージャージーのカントリー・サイドで幸せな日々を満喫していた。しかし16歳になったメリーがニューヨークの学校に通う内ベトナム戦争反対を掲げる過激派グループに加入してしまう。そんな折、地元の郵便局で爆弾テロ事件が起こる...


シーモア(愛称スウィード)、監督に「美女と野獣/2017」ユアン・マクレガー。

ドーンに「ハッピーエンドが書けるまで/2012」「ノア 約束の舟/2014」ジェニファー・コネリー。

メリーに「リリィ、はちみつ色の秘密/2008」「ラスト・スキャンダル~あるハリウッドスターの禁じられた情事~/2013」のダコタ・ファニング。

父ルーに「舞台よりすてきな生活/2000」のピーター・リーガート。

弟ジェリーに「アレクサンドリア/2009」のルパート・エヴァンス。

ヴィッキーにウゾ・アブダ。

リタにバロリー・カレー。

作家ネイサン・ザッカーマンに「テンペスト/2010」「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章/2015」デヴィッド・ストラザーン。

原作は「白いカラス/2003「エレジー/2008」のフィリップ・ロス。


物語は作家のネイサン・ザッカーマンが母校の同窓会に現れるシーンから始まる。棚に飾られた晴れやかなスウィードの写真を見て懐かしい思いに浸っている時一人の男と出会う。彼はスウィードの弟ジェリーだった。その後回想でスウィードの波乱の人生ドラマが始まる。


テロ事件直後行方がわからなくなったメリー。そしてスウィードはある時、ドーンの浮気現場を目の当たりにする。ビジネスに成功し、愛する妻子と幸せな日々を謳歌していたスウィードの人生は完璧なまでに崩壊してしまう。


ある日、スウィードの工場に仕事がしたいという名目でリタと言う娘がやって来る。しかしリタは職探しに来たわけではなくメリーと繋がっていた。メリーに会いたくてたまらないスウィードは居場所を詰問する。

メリーを疑うFBIがスウィードの邸宅を盗聴したり、リタがスウィードをニューヨークにおびき寄せたりするシーンを挟みながら描かれる様はサスペンスフルながら淡々と進むのでそれほどの盛り上がりはないかも知れない。


壊れてしまった家族を元のさやに戻そうと奔走するスウィードが気の毒過ぎる。演じるユアン・マクレガーが好演。

ジェニファー・コネリーを久方ぶりに見た。元ミス・ニュージャージーを演じる彼女は相変わらず美しい。ダコタ・ファニングも頑張っている。

でも英国人のユアン・マクレガーの初めての監督作品が、ユダヤ系アメリカン人の60年代を描いたドラマとは何となくユアンらしくないかな?


カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017にて期間、時間限定で公開中)



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# by margot2005 | 2017-07-23 18:46 | MINI THEATER | Trackback | Comments(2)

「歓びのトスカーナ」

La pazza gioia…akaLike Crazy2016 イタリア/フランス

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イタリア、トスカーナ州にある診療施設ヴィラ・ビオンディでは、心に問題を抱えた女性たちが社会復帰のために治療を受け、寝食を共にしている。ベアトリーチェは極度の虚言癖を持つ自称、伯爵夫人で、施設では女王のように振る舞いつつ常にハイテンションで喋りまくっている。ある日、タトゥだらけで極端に痩せたドナテッラがやって来る。ドナテッラに目を付けたベアトリーチェは彼女に付きまとい世話を焼く内、最愛の息子と引き離されていたことを知る…


ベアトリーチェに「人間の値打ち/2013」ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。

ドナテッラに「ハートの問題/2009」ミカエラ・ラマツォッティ。

ドクター・ザッパにヴァレンティーナ・カルネルッティ。

ドクター・ロレンツィーニに「孤独な天使たち/2012」トンマーゾ・ラーニョ。

監督は「ナポレオンの愛人/2006」「人間の値打ち/2013」パオロ・ヴィルズィ。


おしゃべりな中年女と自分の殻に閉じこもる若い女。対照的な二人が施設を脱走しつかの間の自由を謳歌するロード・ムービー。

何はともあれ虚言癖のある自称、伯爵夫人ベアトリーチェの行動が破天荒!車を盗んだかと思えば、超高級レストランで”わたしは伯爵夫人だけど今は持ち合わせがないの。”と言いつつ逃げ出して無銭飲食。押し掛けた銀行でも”わたしは伯爵夫人だけどお金を用立ててくれる!”なんて宣う。銀行が用立てるなんてあり得ない!のに…。


離婚、子供を連れての自殺未遂と別れ。心に傷を抱える女性たちは立ち直れるのだろうか?

イタリア映画祭2017で上映された時見るかどうか迷ったが配給がついていたので見送った。映画祭ではチケット完売。今回の上映ではかなり期待して見に行ったが、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが喋りまくり少々うるさかったのは否めない。イタリア旅行で何度も感じたようにイタリア語って耳にうるさい言語かも?

でもヴァレリア・ブルーニ・テデスキとミカエラ・ラマツォッティの成りきりぶりはさすが!

テーマは全く違うがアメリカ映画「テルマ&ルーズ」を思い出す。


シネスイッチ銀座にて


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# by margot2005 | 2017-07-19 21:59 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「しあわせな人生の選択」

Truman2015 スペイン/アルゼンチン

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スペイン、マドリッド。舞台俳優のフリアンは妻と別れ今は愛犬のトルーマンと暮らしている。そして一人息子はオランダで大学生活を送っている。そんなフリアンは末期がん患者で、治らない病気にうんざりしていた。そろそろ身辺整理を初めようと思っていた矢先カナダから親友のトマスが訪ねて来る…


フリアンに「瞳の奥の秘密/2009」「人生スイッチ/2014」リカルド・ダリン。

トマスに「トーク・トゥ・ハー/2002」「バッド・エデュケーション/2004「アラトリステ/2006」のハビエル・カマラ。

パウラに「ブエノスアイレスの夜/2001」のドロレス・フォンシ。

監督、脚本はセスク・ガイ。


フリアンとトマスが共に過ごす4日間の物語。主人公は末期がん患者ながら決して暗くならず、むしろユーモアを交えて描いているので、見ている者も暗くはならない。

“スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞で作品賞を含む最多5部門を獲得した感動のヒューマン・ドラマ。”と言うことらしいが、感動するには至らなかったかな?でも二人の俳優は素晴らしかった。


フリアンはトマスの突然の訪問に困惑気味。どうやら従姉妹のパウラが知らせたらしい。トマスとパウラは中が良かったから..。

日々フリアンはトルーマンの里親探しに躍起になっている。しかしフリアンが望む里親は中々見つからない。


再び会うことは叶わない末期ガンに冒された親友と会うって半端じゃないほど辛いと思う。フリアンに振り回されるトマスがちょっと気の毒だったけど、トマスは本当に良い人なんだと感心した。

トマスとパウラのいきなりのベッドインには仰天!あのシーンは必要だった?

原タイトル“Truman”はフリアンの愛犬の名前。ラストはやはり想像どうり。


マドリッドからアムステルダムまで飛行機で2時間35分。新幹線のぞみで東京~新神戸くらい。よその国に日帰りランチに行けるヨーロッパ人が羨まし過ぎる。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて


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# by margot2005 | 2017-07-17 19:05 | スペイン | Trackback | Comments(0)

「甘き人生」

Fai bei sogni…akaSweet Dreams2016 イタリア/フランス

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母を失った男の魂の喪失と再生の物語。


マッシモに「おとなの事情/2016」ヴァレリオ・マスタンドレア。

マッシモ(幼少期)にニコロ・カブラス。

マッシモ(青春期)にダリオ・ダル・ペーロ。

エリーザに「シークレット・オブ・モンスター/2015」ベレニス・ベジョ。

マッシモの父にグイド・カプリーノ。

マッシモの母にバルバラ・ロンキ。

マッシモ(青春期)の友人エンリコにディラン・フェッラリオ。

エンリコの母に「ヴィオレット-ある作家の肖像-/2013」エマニュエル・ドゥヴォス。

大富豪アトスに「人間の値打ち/2013」ファブリツィオ・ジフーニ。

監督は「母の微笑/2002」「夜よこんにちは/2003「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」「眠れる美女/2012のマルコ・ベロッキオ。


トリノに住む9歳のマッシモは地元のサッカーチーム、トリノの大ファン。ある夜、大好きな母がお休みのキスをした後、帰らぬ人となる。やがて父親に連れられて教会へ行き、神父から母の死を告げられるがマッシモは彼女の死を受け入れることができない。そして母の死因を知らないまま大人に成長する。


母の死はマッシモの人生にずっと影を落とし続けていた。ある時、マッシモは呼吸が苦しくなって病院で診察を受け、担当した女性医師のエリーザに惹かれてしまう。母は心筋梗塞で亡くなったとエリーザに告げるが、彼女の返答から母の死因に疑問を抱くようになる。

終盤で母の死因が明かされる。逝かせてあげなさい。というエリーザの言葉が胸に染みる。


原作はトリノ生まれのジャーナリスト、マッシモ・グラメッリーニの書いたベストセラー小説。

ドラマは60年代から90年代にかけて描かれる。

ジャーナリストであるマッシモが政治記者時代に取材した政界の構造汚職と検察による汚職捜査や、サラエヴォで取材したボスニア・ヘルツェゴビナの紛争などが描かれることでマッシモの新聞記者としての経歴をたどることができる。そしてスクリーンにサッカーの試合中継がたびたび流れるのはマッシモが一時期スポーツ記者だったから...60年代に流行ったMusic&ツイストが懐かしい。

ある時、母を愛せないと悩む中年男の人生相談投稿に答えるマッシモ。彼は母を亡くした男で、自身の経験を綴った投稿が大評判を呼ぶエピソードはとっても素敵だった。


大人のマッシモを演じるヴァレリオ・マスタンドレアがスゴく良かった。彼のこのようなキャラは初めて見たかも知れない。

出番は少ないながらフランス人女優エマニュエル・ドゥヴォスの存在感は圧倒的。

マッシモに癒しを与えるエリーザ役のベレニス・ベジョも良かったな。


イタリア映画祭2017で鑑賞/有楽町スバル座、ユーロスペースにて上映中



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# by margot2005 | 2017-07-17 18:56 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ヒトラーへの285枚の葉書」

Alone in Berlin2016 UK/フランス/ドイツ

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19406月、ベルリン市民は戦勝ムードに沸いていた。そんなある日、工場で働くオットーと妻アンナの元に、ドイツ軍から1通の封書が届く。それは出征した一人息子ハンスの戦死の知らせだった。ヒトラーのせいでハンスは死んだ!と夫に訴えるアンナ。やがてオットーはカードとペンを手に取り、ヒトラーを批判する言葉を書き始める...


アンナ・クヴァンゲルに「美女と野獣/2017」エマ・トンプソン。

オットー・クヴァンゲルに「アサシン クリード/2016」ブレンダン・グリーソン。

エッシャリヒ警部に「僕とカミンスキーの旅 /2015」ダニエル・ブリュール。

プラル大佐に「悪党に粛清を/2015」ミカエル・パーシュブラント。

監督、脚本は「インドシナ/1992」「王妃マルゴ/1994」「天使の肌/2002:監督/脚本」「皇帝と公爵/2012」(ほとんど)チャーミングな王子/2013」のヴァンサン・ペレーズ。


オットー一人がやり始めたことだが、後にアンナが共に行動しカードを公共の場所にそっと置く日々が始まる。書き込みは指紋がつかないよう手袋をはめて行う慎重さ。

オットーが街中の店でカードを購入するシーンを見て証拠として残らないのか?とハラハラしたが、ある時、別人が逮捕され、後にオットーが逮捕されたのは他でもない彼が働く工場だった。


実話が元の映画なのでオットーとアンナの結末はわかっている。しかし何とかバレないでいて欲しいと願いながら見ていた。

原タイトル“Alone in Berlin”が語るように、オットーとアンナは単独でペンとカードでレジスタンス運動をしたのだ。

オットーが匿名で書いたカードは合計285枚。そしてその内の18枚はゲシュタポの懸命なる捜査にも関わらず見つからなかった。カードを読んで共感してもらおうと思っていたオットーながら、18枚以外は全て警察に届けられたわけだ。

ラスト、全てを読んだゲエッシャリヒ警部は窓からカードを道路にまき自殺する。あの行為はゲシュタポに対する抵抗以外の何ものでもない。


エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、そしてダニエル・ブリュールと皆素晴らしい。ブレンダン・グリーソンは寡黙な男が似合うし、コメディが似合うエマ・トンプソンも一人息子を亡くした母アンナを好演している。苦悩するダニエル・ブリュールもナイスだし、絶対的権力でエッシャリヒ警部を攻め立てるプラル大佐を演じるミカエル・パーシュブラントの気迫の演技がコワいほど。


ヴァンサン・ペレーズの初めての監督作品「天使の肌」は当時横浜で開催されていたフランス映画祭2003で鑑賞した。彼は映画祭の団長で運良くお目にかかることもできた。あれから14年経過!月日の経つのは実に早いものだ。映画はモルガーヌ・モレと今は亡きギヨーム・ドパルデューがカップルを演じる感動的な恋物語だったと記憶する。

ヴァンサン・ペレーズはかつてフランス製作の大作やコメディに多く出演してきた人気俳優。硬派な作品の監督としても素晴らしく才能豊かな人である。


新宿武蔵野館にて



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# by margot2005 | 2017-07-11 19:23 | UK | Trackback | Comments(0)