「青い棘」

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「WAS NUTZT DIE LIEBE IN GEDANKEN」...aka「Love in Thoughts」2004 ドイツ
昨秋、渋谷のbunkamuraで上映していた際、観れなくて...
この作品は原色を使わないセピア色の映像が滅茶美しい...やはり劇場で観たかった...。
主演はダニエル・ブリュール「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「戦場のアリア/2005」
とアウグスト・ディール。アウグスト・ディールについては何の知識もない。ただドイツ人ということだけ。
監督はアヒム・フォン・ボリエス。脚本はヘンドリック・ハンドレーグデン。
この作品は1927年ベルリンが舞台の実話である。ベースは”シュテークリッツ校の悲劇”。
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ある日寄宿舎学校の教室で、たまたま居残ったため知り合ったパウル(ブリュール)とギュンター(ディール)。ギュンターは金持ちの息子で自信家であった。反対に労働者の息子であるパウルは詩を愛する純朴な青年。対照的な二人だが互いに好意を抱き、週末をギュンターの親の瀟洒な別荘で過ごす事になる。パウルは訪れた別荘でギュンターの妹ヒルデ(アンナ・マリア・ミューエ )に一目で恋をしてしまう。ヒルデは誰もが愛する美しく奔放な娘であった。ヒルデには恋人ハンス(トゥーレ・リントハート)がおり、ハンスはヒルデの兄ギュンターのかつての恋人でもあった。
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セピア色の画面に...森、湖、瀟洒な屋敷...思春期の若者たちの“愛の葛藤”が素晴らしく美しく描き出される。
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思春期の多感な若者が破滅へと向かうデカダンスの世界...ラスト・シーンはスゴイ。
映画の中で出演者たちが着るファッション...時代(1920年代)は感じるのだが、白とモノトーンのみの彼らのワードローブがとてもお洒落。
多感な若者を演じるダニエル・ブリュールとアウグスト・ディールがスゴイgood。
愛されるために生まれてきたようなヒルデ役のアンナ・マリア・ミューエは、とりたてて美人なわけではないのだが、この物語のヒロインにぴったりの女性。
2005年10月に公開され、現在DVDになっている。
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# by margot2005 | 2006-04-20 00:51 | ドイツ | Trackback(9) | Comments(8)

「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」

a0051234_2131356.jpg「Nanny McPhee 」2005 USA/UK/フランス
エマ・トンプソン「いつか晴れた日に/1995」、コリン・ファース「高慢と偏見/1995」主演のファンタジー。
監督はカーク・ジョーンズ。脚本はエマ・トンプソン。原作は英国の児童書“マチルダばあや”。
ただのお子ちゃま映画ではないだろうな??と思いつつ観に行ったが、大人でも楽しめる素敵なファンタジー。最終上映の字幕版で観たので、子供がいるわけないが...
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ブラウン家の長男サイモンを演じるのは「ラブ・アクチュアリー/2003」のサム役のトーマス・サングスター。一家の料理人ミセス・ブラザウイックには「ヴェラ・ドレイク/2004」のイメルダ・スタウントン。使用人エヴァンジェリンには「ネバーランド/2004」のケリー・マクドナルド。伯母アデレード役はアンジェラ・ランズベリー(ジェシカおばさんの事件簿シリーズ)。
コリン・ファースご本人はコメディは好きではないということだが...おまけにこれはファンタジー...しかしラストではファンタジーの中の“ミスター・ダーシー”になりきっている...似合う王子様系...でもちょっとお年...。
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葬儀社を経営するミスター・ブラウン(ファース)は妻を亡くし、7人の子供たちの世話を、これまで17人ものナニー(乳母/家庭教師)に任せてきた。しかし、すべて子供たちの度が過ぎるいたずらでナニーたちは逃げ出すしまつ。今回のナニーもやはり出て行った。ナニー斡旋協会は、ミスター・ブラウンにはもうナニーを紹介できないと宣告する。
一方でミスター・ブラウンは、リッチな伯母アデレード(ランズベリー)の助けを借りて生活していた。伯母から、一ヶ月以内に再婚しなければ“援助を打ち切る!”と宣告される。
困っりきったミスター・ブラウン...天を仰ぐミスター・ブラウンの耳に囁く声が...そしてナニー・マクフィー(トンプソン)がステッキと共に登場する。
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エマ・トンプソン演じるナニーは出っ歯で顔に大きなイボがあり、かなり不細工系のデブのおばさん。しかしストーリーが進むに従ってイボが取れて行って、ラストでは実際のエマの顔が現れる。これもファンタジーの成せる技か?
上にも書いたが、コリン・ファースは今やどんな役を演じても素敵に似合ってはいるが、やはり“ミスター・ダーシー”のイメージって彼について回るのか、こういった作品を観ると”ダーシー”を思い出さずにはいられない。
ファンタジーは大好きなので観に行ってしまった。お子ちゃまっぽい場面も多々登場するが、大人の鑑賞に堪える素敵なファンタジーとなっている。
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# by margot2005 | 2006-04-19 21:40 | USA | Trackback(25) | Comments(6)

「美しき運命の傷痕」

a0051234_22262658.jpg「L'Enfer」2005 フランス/イタリア/ベルギー/日本
主演の三姉妹にエマニュエル・べアール「恋は足手まとい/2005」、カリン・ヴィアール「年下の人/1999」、マリー・ジラン「さよならモンペール/1991」。
三姉妹の母親にキャロル・ブーケ「美しすぎて/1989」。
原案は「トリコロール」3部作のクシュシュトフ・キェシロフスキ。
監督は「ノーマンズ・ランド/2001」のダニス・タノヴィッチ。
「トリコロール」3部作は大好きな作品なので、この作品も期待していたが、女性たちの描き方が少々狂気じみていて参ってしまった。
やはり原題の“地獄”が物語っている。
男性陣には、三女が愛してやまない大学教授フレデリックにジャック・ペラン「コーラス/2004」
長女ソフィーの夫ピエールにジャック・ガンブラン「マドモアゼル/2001」。そして次女セリーヌに近づく男セバスチャン役にギョーム・カネ「戦場のアリア/2005」
が出演している。
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父親(ミキ・マノイロヴィッチ)と母親(ブーケ)が大げんかをし、あげく、父親が窓から身を投げ自殺をした。その現場を見てしまった三姉妹...22年の年月が経ち、長女ソフィー(べアール)は夫ピエール(ガンブラン)が浮気をしている事を疑っている。次女セリーヌ(ヴィアール)は、恋人もなく、施設にいる言葉が不自由で、車椅子の母親を見舞う毎日。三女アンヌ(ジラン)は親友の父親でもある、中年の大学教授フレデリック(ペラン)に夢中である。
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ソフィーはピエールの浮気現場であるホテルを突き止め、ピーエルが去った後、残った女のベッドに忍び込む。セリーヌは郊外の施設にいる母を見舞うことだけが生き甲斐。アンヌは不倫相手の家の前に潜み、ストーカーまがいの行動をしている。どうにもならない日常が過ぎて行く、嫉妬や孤独と戦いながら...。
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とにかくvery フランス映画である。フランス人にとって人生の中で“アムール”というのは相当重要な位置を占めているようで...ここまでのめり込む気持ちには理解できないものがある...やはり狂気としか思えない彼女たちの行動。
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ジャック・ペラン、ギョーム・カネ、ジャック・ガンブランとお気に入り俳優総出演なのだが、どうも彼らの役柄が哀れで悲しすぎる。
母親役のキャロル・ブーケを始めとして、スクリーンで繰り広げられる、女性たちの凄まじい姿に、観終わって久しぶりに疲れた映画であった。フランス映画らしからぬ、ユーモア皆無というのも疲れる理由かも...。
“今、何か傷を負い、くじけそうになっている人には特におすすめの作品...”というチラシ案内はどうかと思う...?これを観て、あまりの凄まじさに、余計めげてしまう人もいるのではなかろうか??
邦題の“美しき運命の傷跡”は美しすぎる。原題の“地獄”は観て納得のタイトルである。
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# by margot2005 | 2006-04-12 00:17 | フランス | Trackback(16) | Comments(19)

「リトル・イタリーの恋」

a0051234_213826100.jpg「Love's Brother」2004 オーストラリア/UK
主演の兄弟に、ジョヴァンニ・ジビリ「ギフト/2000、ヘヴン/2002」とアダム・ガルシア「コヨーテ・アグリー、タップ・ドッグス/2000」。
ヒロイン、ロゼッタ役は「クイルズ/2000」のアメリア・ワーナー。
弟の恋人コニー役に「アイ・アム・ディヴィッド/2003」のシルヴィア・ドゥ・サンティス。
監督、脚本のジャン・サルディは「シャイン/1996、君に読む物語/2004」の脚本家。
オーストラリアの“リトル・イタリー”に住む移民兄弟の淡い恋物語。
ガルシアとサルディはオーストラリアン。
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1950年代、オーストラリアの“リトル・イタリー”に住むアンジェロ(ジビリ)とジーノ(ガルシア)兄弟。4年前にイタリアよりこの地にやって来て、叔父夫婦と一緒に暮らしている。兄アンジェロはシャイで寡黙で自分の容姿に自信が持てない。弟ジーノは社交的でハンサム、おまけにコニー(サンティス)という恋人もいる好青年。対照的な二人であるが、彼らはとても仲の良い兄弟。ある日、アンジェロの将来を心配したジーノは、彼に故郷イタリアへお見合い写真と手紙を送るよう促す。相手は南イタリアの寒村に住むロゼッタ(ワーナー)。彼女は同封されていたアンジェロの写真に一目惚れしてしまう。しかしこの写真はアンジェロではなく、アンジェロがわざと弟ジーノの写真を送ったのであった。
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この映画も予告をさんざん観せられた。観ようか?観ようまいか?迷っていたが...なんとなく観に行ってしまった。期待してなかったので、私的には中々素敵なラヴ・ストーリーであった。
ジーノ役のアダム・ガルシア...少年ぽい感じの「コヨーテ・アグリー」や「タップ・ドッグス」での彼だったが、この作品では素敵な好青年役が似合って...兄アンジェロ役のジョヴァンニ・ジビリより年上だったとは知らなかった。
移民や国籍の類いに実感がないので良くわからないが、祖国を捨て、新天地で生活を始めるというのは大変なことであろうと想像する、ましてや写真一枚で、地球の裏側の結婚相手の所へ行く決心をするのもスゴイことだろうなと感じる。
オーストラリアの広大な景色をもうちょっと描いて欲しかった気がするが、時代が古いので無理があったのかな...?
ジョヴァンニとアダムは似てないので、兄弟役はちょっと無理があるかと思えたが、兄想いの、とてもセンシィティヴな弟役を好演していたアダムが素晴らしかった!
ヒロイン役のアメリアより、コニーを演じたシルヴィアがgoodであった。
ジョヴァンニは相変わらず、こういった堅物の変な役が似合う俳優である。
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# by margot2005 | 2006-04-09 23:08 | UK | Trackback(15) | Comments(8)

「クレールの刺繍」

a0051234_21403543.jpg「Brodeuses 」...aka 「A Common Thread」2003 フランス
主演のクレールにローラ・ネマルク「エイブラハムおじさんとコーランの花たち/2003」。
刺繍職人マダム・メリキアンにアリアンヌ・アスカリッド。
監督はエレオノール・フォーシェ。
カンヌ映画祭2004国際批評家週間グランプリ受賞作品/フランス映画祭2004上映作品
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スーパーマーケットで働くクレール(ネマルク)は17才。彼女は妊娠5ヶ月の身体。親とは不仲で、恋人も当てにならない。彼女は一人、匿名出産(生みの親が子供の出生届けを出さないで、親権を放棄する)で子供を産もうと決意する。お腹が目立って来たクレールは勤め先に長期休暇を依頼する。以前から刺繍の才能を持つクレールは、ある日、アルメニア人のオートクチュール刺繍職人、マダム・メリキアン(アスカリッド)の工房を訪れる。バイクの事故で一人息子を亡くした夫人は殻に閉じこもっていた。
息子を亡くしたばかりのマダム・メリキアンと、これから子供を出産するクレールとの間にぎこちない愛(友情)が芽生え始める。
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17才の少女クレールを演じるローラ・ネマルクはロジェ・ヴァディムに見いだされた少女ということだが、1987年生まれなので、映画のヒロインとほぼ同年齢である。若いながらも妖艶な魅力を醸し出す女優である。
オートクチュールの刺繍というのはなんと美しいものなんだろう!一針、一針手作業でボタンや、ビーズが刺繍されていく様は、素晴らしい!の一言。
互いに話したくないことを胸に秘めているため、二人の会話は殆どない。しかし刺繍を通して徐々に心を開いて行く、まるで母と娘のような、雇い主と、少女...その姿が美しい...オートクチュールの刺繍のように...。
フランス中東部ローヌ、アルプス地方の田舎の風景が美しい。
原題は“刺繍機械(職人)”。
2005年9月に劇場公開され、現在DVDになっている。
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# by margot2005 | 2006-03-29 23:53 | フランス | Trackback(4) | Comments(0)

フランス映画祭2006...「誘拐者」

a0051234_136340.jpg「La Ravisseuse」2004 フランス
パリ大学サンジェ校出身のアントワーヌ・サンタナの描いた母性愛の世界。脚本もサンタナ。主演の乳母アンジェル・マリー役にイジルド・ル・ベスコ。彼女を雇うブルジョワ家庭のジュリアンとシャルロット夫婦にグレゴワール・コラン(セックス・イズ・コメディ/2002)とエミリー・ドゥケンヌ(ロゼッタ/1996、灯台守の恋/2004)。
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舞台は19世紀の終わり。田舎出身の若い乳母アンジェル(ベスコ)はブルジョワ家庭に雇われる。雇い主の妻シャルロット(ドゥケンヌ)はアンジェルと同年齢であった。歩み寄る二人...乳母と雇い主...あってはならない関係なのだが、二人はだんだん親密になっていく。二人の関係を感じ取った夫ジュリアン(コラン)は...
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監督サンタナによると、究極の母性映画であるようだが、どうも馴染めないこういった作品...母性は解るのだが、観る人によってエロチシズムが先走ってしまって...母性というより、一つ間違えばエロティックな世界へと誘われてしまいそうな映像が登場する作品である。
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上映後、質疑応答の際、業界の人か...??と疑うばかりの質問が飛び出て、こういった人々に受ける作品なのか??凡人は理解に苦しむ作品なのか??と感じた...やはりこれは日本で公開される映画とは思えない。夫役のコランはアンヌ・パリロー主演の「セックス・イズ・コメディ」のポルノ俳優役の彼であった事を思い出した。この作品ではブルジョワ役が似合っている。妻シャルロット演じるエミリーのこういった役は初めてだが...やはり彼女はなぜか?労働者階級のマドモアゼル役がぴったしなのだが...。主演乳母役のベスコについては何の知識もないがブノア・ジャコ(イザベル・アジャーニの惑い/2002、トスカ/2001)のお気に入り女優ということである。妖艶な魅力たっぷりの素晴らしいフランス女優である。
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# by margot2005 | 2006-03-27 01:49 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

フランス映画祭2006...「戦場のアリア」

a0051234_22541314.jpg「Joyeux Noël」2005 フランス/ドイツ/UK/ルーマニア
実話がベースの、第一次世界大戦に起こった感動の戦争ドラマ。1914年のクリスマス・イブが舞台。主演の歌姫にダイアン・クルーガー「トロイ/2004」。他にベンノ・フュルマン「美しき家、わたしのイタリア/2003」、ギョーム・カネ美しき運命の傷痕/2005」、ダニエル・ブリュール「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」、ゲーリー・ルイス「リトル・ダンサー/2000」etc. 監督、脚本はクリスチャン・カリオン。
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デンマーク人のソプラノ歌手アナ・ソレンセン(クルーガー)は、徴兵された夫であるドイツ人テノール歌手ニコラウス・シュプリング(フュルマン)と再会し、つかの間の逢瀬の後、皇太子の前で歌を披露する。クリスマス・イヴ、戦地へ戻ったはニコラウスはスコットランド軍からのバグパイプ演奏にお返しすべく、”聖しこの夜”を歌い始める。彼の歌声に拍手を送るフランス軍兵士。その後兵士たちは戦争を忘れてしまったかのように、アナの歌う“サンタマリア”に耳を傾ける。
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実話というと感動してしまうのだが、いや感動はしたのだが...主演のオペラ歌手役の二人がクチパクで...余りにもクチパクで...ちょっといただけなかった気がする。他に配役いなかったのか?クルーガーは美しいデンマーク人のオペラ歌手という役は良いのだが、歌のシーンは余りにも吹き替え見え見えで参った。ニコラウス役のベンノ・フュルマンも同じである。クルーガーの元夫ギョーム・カネを久方ぶりで観たが、フランス軍中尉オードベール役が実に良かった。ドイツ軍中尉ホルストマイヤー役のダニエル・ブリュールはベイビー・フェイスなので中尉役は似合わなかった気がする。スコットランド軍の敬虔な神父役のゲーリー・ルイスは存在感のある素敵な俳優だ。
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テノール歌手ニコラウス役のベンノ・フュルマンは“どこかで観た顔だ、どこかで...”と映画観ている間中思い出せなくって...マギー・スミスの「美しきイタリア、私の家」のドイツ人ワグナー役だったと思い出した。
戦争の最中、敵同士が互いに歩み寄り、それぞれの国の言葉(ドイツ語、フランス語、英語)で話始めるシーンはジーンと来る。
この作品は5月のゴールデン・ウイークに劇場公開される。
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# by margot2005 | 2006-03-26 23:53 | 映画祭 | Trackback(27) | Comments(10)

フランス映画祭2006...「アレックス」

a0051234_135321.jpg「Alex」2004 フランス
フランス南部の田舎に住む労働者階級の逞しい女性を描いたリアリズム作品。主演アレックスにマリー・レイナル。監督、脚本はジョゼ・アルカラ。アレックス演じるマリー・レイナルが実に素晴らしい!
生活のため、朝早くから市場で野菜を売るアレックス(レイナル)には10代の一人息子グザヴィエ(エイドリアン・ルイ)がいる。が、親権は夫にあり一緒に暮らしてはいない。山間に立つ廃墟のような建物を買い取り、一人で修復している。それは将来息子と一緒に暮らすことを夢見ているから...。
誘われるまま男たちと“アムール”を交わすアレックスの日常が過ぎて行く。
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ヒロインと同じ、一人息子の母親として、アレックスを応援したくなる。理由はどうあれ一人息子と一緒に暮らせない母親ほど哀しく、寂しいものはないだろう。
久しぶりに逢った息子グザヴィエにキスも拒否される母アレックスは哀しすぎるが...このヒロイン、アレックスという女性は本当に強い人だ。
何もかも巧く行かなくなり、自棄になって修復中の建物を自ら壊すシーンがでてくる。このシーンはヒロインと共に泣けてしまった。
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ラスト・シーンがフランス映画っぽくなく??素敵。
この作品はフランスで公開された際、“見事な女優による、事実そのもののもつ力の衝撃的なポートレイト”と絶賛されたと言うが、日本ではどうだろうか?公開されるだろうか??
アレックスの男たちの一人カリム役のライズ・サーレムが映画祭クロージングに登場していた。彼は「ミュンヘン/2005」にアラブのガード役で出演しているらしい...記憶に無いが...。
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# by margot2005 | 2006-03-25 01:39 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

フランス映画祭2006...「恋は足手まとい」

a0051234_17134357.jpg「Un fil à la patte」2005 フランス
エマニュエル・べアール「恍惚/2003」主演のドタバタ・ラヴ・コメディで、ジョルジュ・フェドーの戯曲の映画化。監督はミシェル・ドヴィル「読書する女/1988」。べアールの相手役にシャルル・ベルリング「8月15日/2001」、スタニスラス・メラール「イザベル・アジャーニの惑い(アドルフ)/2002」etc.
デュベルジェ男爵未亡人役にドミニク・ブラン「王妃マルゴ/1994、天使の肌/2002」が出演している他、ジェラール・ドパルデューの娘ジュリー・ドパルデュー「パリの確率/1999」がリュセットの妹アメリ役で出演。
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舞台は19世紀末、歌姫リュセット(べアール)は貧乏人のプレイボーイ、エドアール(ベルリング)に夢中。彼に逢えない寂しさに涙、涙の毎日。そこへ突然エドアールがやって来たと執事が知らせに来る。エドアールはリュセットに別れを告げるため訪ねて来たのだ。彼には男爵夫人の娘ヴィヴィアンヌ(サラ・フォレスティエ)というフィアンセがいる。今や、エドアールにとってリュセットは“足手まとい”なのである。エドアールがリュセットを訪ねた後、彼女の元夫や作曲家、はたまたリュセットに愛を告白に来た弁護士イリグア(メラール)と彼女の居間は男で一杯になる。エドアールは別れを告白するどころか、又またリュセットと“アムール”の世界にハマってしまう...。舞台は変わって、デュベルジェ男爵未亡人(ブラン)の屋敷にてエドアールのフィアンセ、ヴィヴィアンヌ登場。この後はもうドタバタ劇である。
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べアールは撮影時ちょうど40才であろうか...妖艶な魅力満載の素敵な女性である。まだまだナイス・バディだし...。ベルリングはコメディ滅茶似合う俳優である。メラールの作品もほとんど日本では公開されないので、イザベル・アジャーニとの共演映画以来お目にかかった作品である。
この映画を観てオドレイ・トトゥの「巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)/2003」を思い出した。本作品はオペレッタではないが...。
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今回舞台挨拶に登場したメラールは、2003年に来日した時よりちょっと老けていたが、相変わらず優しいまなざしの素敵なフランス男であった。一緒に登場したサラは着物姿で拍手を浴びていた。しかしgaijinって足長いのか...サラの着物姿を観て“ SAYURI”を思い出したのは言うまでもない。
今年の初夏に渋谷で公開予定。
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# by margot2005 | 2006-03-21 23:50 | 映画祭 | Trackback(1) | Comments(2)

フランス映画祭2006...「この世のすべての美しいもの」

a0051234_131127.jpg「Toute la beauté du monde」2005 フランス
バリ島を舞台に描く、男フランクと女ティナの物語。
主演はマルク・ラヴォワーヌとゾエ・フェリックス。
監督、脚本はマルク・エスポジト。エスポジトは映画雑誌プレミアの元編集長だそうで、この作品の原作である小説は彼がバリを訪れた時の経験を元に書かれたという。
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学生時代に知り合って結婚した夫が亡くなった、子供を残して...
女ティナ(フェリックス)は一人アジアへと傷心の旅に出る。
そこは美しい南の島バリ。
そして男フランク(ラヴォワーヌ)と出会う。島の案内人となったフランクに誘われ、彼の友人ミッシェル(ジャン・ピエール・ダルッサン)の家を訪れる。そこはまるでパラダイスのような美しさだった。
一人の人(夫)しか愛したことがないティナと、何人かの愛人を持つフランク。やがて、フランクはティナに惹かれていくが、ティナはそれを受け入れようとしない。生涯愛する人はただ一人...。
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恋多きフランス人の中に、一人の人しか愛せない人がいるのか??と疑問を感じたが...おまけに、フランス映画でこのようなプラトニックな恋...いわゆるセックス描写なしは非常に珍しいと思う。なので変に新鮮みがあったのは事実。この映画の素晴らしさは景色であろうか。バリと言えば有名な観光地なのだが、この映画で撮影された場所は、観光客用のホテルは林立していない。美しい緑の風景が延々と続き、やがて海が顔を出す。この大自然の美しい島でフランクとティナ、二人は結ばれるのだろうか?と気になる...。なんとなく、トラティニアン&エーメの「男と女/1966」を思い出したりしてしまった。
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フランクの友人ミッシェル役で「8月15日/2001,ロング・エンゲージメント/2004」のジャン・ピエール・ダルッサンが出演している。
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# by margot2005 | 2006-03-21 02:26 | 映画祭 | Trackback | Comments(2)