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「ワイルド わたしの中の獣」

「Wild」2016 ドイツ

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IT企業で働くアニアにはボーイフレンドも友達もいない。恋に夢中の妹とインターネット電話で話し、寝たきりの祖父の面倒を見ている。アニアの日々は空虚で味気がない。職場と自宅を往復するそんなある日、森の公園でオオカミと出会う...


アニアに「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男/2016」リリト・シュタンゲンベルク。

上司ボリスに「アイガー北壁/2008」「ミケランジェロの暗号/2010」「ファウスト/2011」「ドッペルゲンガー 凍てつく分身/2014」のゲオルク・フリードリヒ。

妹ジェニーに「さよなら、アドルフ/2012」ザスキア・ローゼンダール。

同僚キムにジルク・ボーデンベンダー。

監督、脚本は「トンネル/2001/出演」のニコレッテ・クレビッツ。



オオカミを彼氏と呼び、マンションを飛び出して荒野にでたアニアは泥水を飲み彼氏に獲ってもらった野ネズミを食べる。あのアニアの姿があまりにもワイルドでかなり引いた。

野生に目覚める女…まぁわかるけど強烈過ぎて見終わってどっと疲れが出たことは間違いない。

本作レイトショーのみで、見る人限られる映画かと思える。私自身見るのを相当迷ったが、今年に入ってから見たい映画があまりないので見に行った次第。そして公開が少ないドイツ映画と言うのが一番の理由。シアターで予告編は見ていなくて、壁に貼ってあるポスターを見たくらい。


しかしながら驚いたのはアニアの執念。一目惚れしたオオカミをゲットするためネットで調べた知識を駆使して捕らえることに成功し、自身の住むマンションに連れ帰り部屋で飼い始める。飼うといっても一目惚れした彼はオオカミであって犬ではないから思ったより大変。部屋を破壊し、至る所に汚物をまき散らすオオカミ。そして“変な音や匂いがする!”と近隣者に騒がれても怯むことなくオオカミと暮すアニア。やがて彼と心を通わすことに成功したアニアは仕事にも行かずどんどん野生に目覚めて行く。


アニアとオオカミとのシーンがとてもリアルだと思って見ていたが、CGとかは使わず生のオオカミを使って撮影したらしい。エンドクレジットでオオカミにも名前がついていたけど誰かが飼育している?


本作は「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」以前に鑑賞。少ない出演ながら強烈な印象が残った「アイヒマンを追え!~」のヴィクトリア役のリリト・シュタンゲンベルク。ヴィクトリアは黒髪だったが、本作のアニアはダーティ・ブロンド。

ドイツ国内で最も期待される若手女優の一人であるリリト・シュタンゲンベルクはマジで強烈な個性を放つ女優だ。


シネマカリテにて



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by margot2005 | 2017-01-22 19:57 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男」

Der Staat gegen Fritz Bauer…akaThe People vs. Fritz Bauer2016 ドイツ

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1950年代後半の西ドイツ、フランクフルト。検事長フリッツ・バウアーは妻と別居し仕事一筋の生活を送っている。戦後の経済復興が進み、戦争の記憶が風化しようとして行く中、理想主義者のユダヤ人バウアーはナチス戦犯の告発に執念を燃やし続けている。ある日、南米から1通の手紙がバウアーの元へ届く。それには逃亡中のナチス親衛隊中佐アイヒマン潜伏に関する情報が記されていた...


フリッツ・バウアーに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「23年の沈黙/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」ブルクハルト・クラウスナー。

カール・アンガーマンに「東ベルリンから来た女/2012」「あの日のように抱きしめて/2014」ロナルト・ツェアフェルト。

ヴィクトリアにリリト・シュタンゲンベルク。

監督、脚本はラース・クラウメ。


アドルフ・アイヒマンを描いた映画と言えば「ハンナ・アーレント/2012」「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち/2015」2本。それぞれにアルゼンチン、ブエノスアイレスでモサドによって拘束された後、イスラエルで裁判にかけられるアイヒマンを描いている。

本作は1950年代の西ドイツ・フランクフルトを舞台に、ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーが、ナチス残党による妨害や圧力にさらされながら孤立無援でアドルフ・アイヒマンを追いつめて行く姿を描く。

検事長バウアーの部下カール・アンガーマンは架空のキャラクターで同性愛者。そしてバウアー自身も同じ嗜好の持ち主で、ドラマでは二人の深い友情も語られる。


アドルフ・アイヒマンの罪をドイツ国内で裁きたいと願うバウアーは国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、単身モサド(イスラエル諜報特務庁)に乗り込み極秘情報を提供する。しかし今だ国内に寄生するナチスの残党からの妨害や圧力にさらされ孤立無援の苦しみを強いられる。


1950年代後半を舞台に描かれる「顔のないヒトラーたち/2014」も、ドイツ国民の間でナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていたことを案じた一人の検事が奔走し、1963年にアウシュヴィッツ裁判が行われることになったいきさつを描いた映画。このドラマを見た時にやはり「ハンナ・アーレント」を思い起こした。

50年代の西ドイツに熱心な検事がいたからこそアイヒマン裁判やアウシュヴィッツ裁判が行われたのだと感心した次第。


ドイツの名優ブルクハルト・クラウスナーが理想主義者のユダヤ人検事長フリッツ・バウアーを好演している。カール役のロナルト・ツェアフェルトも然り、そういえばちょっと太った?

怪しい女/男を演じるリリト・シュタンゲンベルクが強烈な個性を放っている。リリト・シュタンゲンベルク主演で今公開中の「ワイルド わたしの中の獣/2016」も見てきたのでレビューを書こうと思っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-01-21 00:02 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(2)

「皆さま、ごきげんよう」

Chant d'hiver…akaWinter Song2015 フランス

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管理人に「アメリ/2001」「ロング・エンゲージメント/2004」のリュファス。

人類学者にアミラン・アミラナシヴィリ。

家を建てる男に「あの頃エッフェル塔の下で/2015」「ダゲレオタイプの女/2016」マチュー・アマルリック。

知事にマチアス・ユング。

やくざに「愛より強い旅/2004」のトニー・ガトリフ。

ヴァイオリニスト(知事の娘)にフィオナ・モンベ。

監督、脚本、編集、出演(アンクレジット)は「汽車はふたたび故郷へ/2010」オタール・イオセリアーニ。


現代のパリを舞台に描かれる群像ドラマ。アパートの管理人と骸骨収集が趣味の人類学者を軸にドラマは展開される。アパートの住人は他にローラースケートで万引きを繰り返す姉妹や恐妻家の金管楽器職人。そしてヴァイオリニストにホームレスや警官、ヤクザや貴婦人などなどユニークでヴァラエティに飛んだ人物が取りとめなく登場してくる。


現代のパリが描かれる前にフランス革命の時代と、どこかの戦場での出来事が短く描かれる。

オープニングはフランス革命時代ギロチンにかけられる貴族の様子。当時ギロチン処刑は見せ物で、処刑される貴族が現れるのを今か今かと待ちわびる市民たち。女性陣は一番前に陣取って編み物をしている。


次にどこかの戦場が登場し、住民を銃で撃ち、略奪を繰り返して女を犯す兵士たち。そして神に祈る聖職者。

現代のパリに住む管理人役のリュファスがフランス革命の貴族と戦場の聖職者を演じているのがわかる。


オタール・イオセリアーニは有名な俳優を起用しないことで知られるらしいが、今回はフランスの名優マチュー・アマルリックが出演。ひらすら家を建てることに集中する飄々とした男が可笑しい。

ほのぼのとしたと言うのかなんとも形容しがたい奇妙な映画。

「汽車はふたたび故郷へ」もファンタジーのような要素も取入れた一風変わった映画だった。やはり本作もオタール・イオセリアーニの世界炸裂!他愛もなく、無目的で良くわからない変な?映画だった。


岩波ホールにて

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by margot2005 | 2017-01-15 20:31 | フランス | Trackback | Comments(0)

「こころに剣士を」

Miekkailija…akaThe Fencer2015 フィンランド/エストニア/ドイツ

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1950年代始めのエストニア。田舎町ハープサルに体育教師としたやって来たエンデルは秘密警察から追われる身の上。エストニアは第二次世界大戦中ドイツとソ連の戦いの場となり、戦争終結後スターリン指揮下のソ連に併合されていた。そのため戦争時ドイツ軍にいたエンデルは秘密警察から身を隠さなければならなかった。彼を採用した学校長は大都会レニングラードから、田舎町ハープサルにやって来たエンデルに不信感を抱く…


エンデルにマルト・アヴァンディ。

カドリにウルスラ・ラタセップ。

ヤーンの祖父にレンビット・ウルフサク。

ヤーンにヨーナス・コッフ。

マルタにリーサ・コッペル。

監督は「ヤコブへの手紙/2009」クラウス・ハロ。


学校長はエンデルに反感を抱きキツく当たるようになる。彼が開いたフェンシング教室もつぶしてしまおうと考えるが、保護者の圧倒的な支持により免れることになる。やがて学校長はエンデルの素性を調べるよう部下に命じる。


同僚教師のカドリに“実は子供は苦手”と打ち明けるエンデル。そしてヤーンに“本当は僕たちが嫌いなんだろ”と言われショックを受ける。多くの生徒たちの親はスターリン政権に連行さており、エンデルを父親のように慕うものもいたのだ。

ある日、レニングラードで開催される”フェンシングの全国大会”の記事を見つけたマルタは“挑戦したい!”とエンデルに訴える。しかし親友のアレクセイからレニングラードに近づいては危ないと知らされていることもあり、”君たちにはまだ早い!”とレニングラード行きを却下してしまう。やがてマルタの懇願と、懸命に練習を続けるヤーンの姿を目の当たりにしたエンデルは、子供たちをレニングラードに連れて行く決心をする。


始めは”子供は苦手”と言っていたエンデル。しかしアレクセイが紹介してくれたシベリアでのコーチの仕事を断ってまでハープサルに残る決断をする。徐々に芽生えるエンデルと子供たちの絆が素敵だ。


スターリンの死後解放されたエンデルがカドリの元に戻って来る。そしてそこには子供たちの姿もあった。心温まるラストに感動する。

ドラマのモデルとなった元フェンシング選手が開いたフェンシング教室は現存するらしい。

エンデルを演じるマルト・アヴァンディはエストニアのスター俳優とのこと。よそ者エンデル役が似合っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-01-07 22:34 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(2)

HAPPY NEW YEAR!

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今年もよろしくお願いいたします。

そして見に来て下さる皆様に今年もありがとう!と感謝したいと思います。

年々見に来て下さる方が増えて、ブログを続ける励みになっています。

(上写真パリ、コンコルド広場)


今年極私的BEST15本。下から見た順番に

ブルゴーニュで会いましょう

誰のせいでもない

ダゲレオタイプの女

われらが背きし者

アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)

ハートビート

エクス・マキナ

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店

オマールの壁

ハロルドが笑うその日まで

最高の花婿

リリーのすべて

これが私の人生設計/生きていてすみません!(2016年3月に一般公開)

キャロル

ドリームホーム 99%を操る男たち

フランス映画21

UK映画35

イタリア映画(映画祭含む)15

ドイツ映画4

その他のヨーロッパ映画12

中南米映画2

アジア映画3

USA映画37

合計129本をシアターで鑑賞。映画祭は基本的に一日最低2本。普段のシアターでも2本見ることがあるが、だいたい1週間に3日はシアターにいる計算。


昨年に比べて減ったのはフランス映画とドイツ映画で、UK映画は増えている。

今年は1月にベネディクト・カンバーバッチの「ナショナル・シアター・ライヴ2016/ハムレット」11月にリチャード・マッデン&リリー・ジェイムズの「ブラナー・シアター・ライブ2016/ロミオとジュリエット」をTOHOシネマズ日本橋で見た。ウィリアム・シェイクスピアの舞台劇はどちらも素晴らしかった。


レビューを書かなかった映画8本...


「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生/2016」

ベン・アフレックがバットマンを演じた大ヒット作ながら私的にはつまらなかった。スーパーマンは蘇る?


「エンド・オブ・キングダム/2016」

ジェラルド・バトラー&アーロン・エッカートの出演で見に行った次第。前作「エンド・オブ・ホワイトハウス/2013」も本作もあり得ない展開に唖然!


「すれ違いのダイアリーズ/2014」

タイ映画って初めて見たかも知れない。水上学校を舞台にしたドラマは中々素敵だった。


「追憶の森/2015」

マシュー・マコノヒーと渡辺謙の共演に興味がありシアターへ…。ゴーストだったとは?


「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years2016

ザ・ビートルズ、ファン必見映画。伝説の“シェイ・スタジアム”ライブが見れて最高だった。


「イエスタデイ/2016」

上作品と同時期に公開されたノルウェー映画。オスロに住むビートルズに憧れる少年たちの青春音楽ムービーなんだけど、ドラマは音楽ムービーとは言えず残念。


「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争/2016」

第二次世界大戦下、アメリカの田舎町に住む少年が、敵対視される日系人と友情を育むドラマ。主人公の男の子が可愛い。


「高慢と偏見とゾンビ/2016」

ジェーン・オースティンの小説『高慢と偏見』の登場人物がきっちり出てきて多いに楽しめる。ミスター・ダーシーとエリザベスたちがゾンビと戦うシーンは最高!

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腰痛が悪化して重いラゲージが持てず海外一人旅がキツくなった。で、最近は姉妹旅を楽しんでいる。昨年は京都、奈良、そして箱根。

京都は最低年2回、奈良は毎年か2年に一度くらい訪れる。箱根は10数年ぶりだった。

久しぶりに大湧谷からの富士山の絶景を堪能した。

京都、奈良は当然ながら箱根に外国人が多くてびっくり!泊まった強羅の温泉旅館に香港人がいっぱい宿泊していて、中国語と英語が飛び交う箱根が摩訶不思議だった。


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by margot2005 | 2017-01-01 00:32 | TRIP | Trackback(12) | Comments(8)