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「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」

「Genius」2016 UK/USA


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1929年のニューヨーク。ある日、編集者マックス・パーキンズの元に無名の作家トマス・ウルフが原稿を持って訪ねてくる。原稿を読んだパーキンズはウルフの才能を見抜き出版すると約束する。ウルフは何件もの出版社からノーと言われ続けていたためパーキンズの言葉に喜びを隠せない。大喜びするウルフにパーキンズは一つ条件をつける。それは持ち込まれた膨大な原稿を大幅に削ること。しかし納得いかないウルフは最初抵抗を試みるが、パーキンズと議論を重ねながら編集作業を始めて行くのだった…


マックス・パーキンズに「キングスマン/2014」コリン・ファース。

トマス・ウルフに「ブラック・シー/2014」ジュード・ロウ。

アリーン・バーンスタインに「シークレット・アイズ/2015」ニコール・キッドマン。

ルイーズ・パーキンズに「アメリカを売った男/2007」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」「最終目的地/2009」「私が愛した大統領/2012」「ハドソン川の奇跡/2016」ローラ・リニー。

F・スコット・フィッツジェラルドに「ハート・ロッカー/2008」「ザ・ロード/2009」「英国王のスピーチ/2010」「アニマル・キングダム/2010」「プロメテウス/2012」「あなたとのキスまでの距離/2013」ガイ・ピアース。

アーネスト・ヘミングウェイに「300<スリーハンドレッド>/2007」「パレードへようこそ/2014」「マネーモンスター/2016」ドミニク・ウェスト。

ゼルダ・フィッツジェラルドに「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~/2013」「世界一キライなあなたに/2016」ヴァネッサ・カービー。

監督、製作は「英国万歳!/1994」のマイケル・グランデージ。


お気に入り英国人俳優コリン&ジュードの共演を楽しみにしていた一作。

マックス・パーキンズはもちろん、トマス・ウルフは名前しか聞いたことがない作家。パーキンズはドラマにも登場するF・スコット・フィッツジェラルドとアーネスト・ヘミングウェイを発掘した偉大なるカリスマ編集者。パーキンズは名もない作家を有名にするだけではなく、彼らの人生の助言者でもあった心優しい人物。


カリスマ編集者マックスには愛する妻ルイーズと5人の娘がいるが、トマスは独身で愛人アイリーンと暮らしている。トマスはマックスに才能を認めてもらい、共同で編集作業をするうち彼の家に足しげく通うようになる。それを知ったアイリーンは嫉妬心をむき出しにし、トマスを攻め立てるのだった。


コリンとジュードはそれぞれに素晴らしい配役。ジュードは「ブラック・シー」のレビューに“かつてモテる男の代名詞的存在だった。”と書いたけど、年々深みのある俳優になっており素敵だ。

人情家で包容力たっぷりのマックス・パーキンズを演じるコリンも貫禄たっぷり。もはや名優の域か?


女性二人…ルイーズとアイリーンが対照的で面白い。アイリーン役のニコール・キッドマンは魔女のように見える?どうもキッドマンは苦手な女優で、年を重ねるにつれ魔女化しているように映るのだが…。ルイーズを演じるローラ・リニーも夫の仕事を尊重しつつ家庭を守る穏やかな優しい女性を好演している。


1938年に37歳の若さで亡くなったトマス・ウルフ。カリスマ編集者と天才作家の短くも熱く深い友情物語は素晴らしかった。


TOHOシネマズ・シャンテにて



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by margot2005 | 2016-10-30 22:36 | UK | Trackback | Comments(0)

「ハングリー・ハーツ」

「Hungry Hearts」2014 イタリア

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エンジニアのアダムと大使館勤務のイタリア人のミナはニューヨークに暮らしている。ある日、二人はドアの故障で中華料理店のトイレに閉じ込められる。運命的に出会った二人は同居を始めミナが妊娠し二人は結婚する…


ジュードに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒/2015」アダム・ドライヴァー。

ミナに「ボローニャの夕暮れ(ジョヴァンナのパパ)/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」「夏をゆく人々/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ジュードの母親アンに「ポストマン/1997」のロバータ・マクスウェル。

監督、脚本はサヴェリオ・コスタンツォ。


ミナは妊娠中からなぜか食事を取ることを拒否し生まれた男の子は未熟児だった。

アパートの屋上で家庭菜園をするミナは完璧なるベジタリアン。口に入れるのは自然食品と水だけで、ゼロ歳児の息子も同様。体重が増えないことを心配したジュードは医者に相談に行く。案の定“もっと肉を食べさせなさい。”と言われ、肉系のベビーフードを与え始める。しかしそれを知ったミナはジュードを攻め立てるのだった。

困った夫はなんとかしようと躍起になるが、自分一人ではなんともできず、息子を母親アンに預けるしか方法がなかった。


女性が子供を産んだ後、鬱になることは良くあるらしい。しかしながらこの女性は子育てに異常に神経質になり鬱なんてものではない。何かに取り憑かれて精神がおかしくなったに違いない。


友人との接触を拒み、孤立無縁で子育てする夫婦の姿が異常で不気味。"愛かそれとも狂気か?”と思わせる展開にぞっとする。

ヒューマンドラマなのだけど、なぜかオカルトホラーの雰囲気が漂う。「ローズマリーの赤ちゃん/1968」の世界になって行くのか?なんてことも脳裏をかすめた。


とても個性的なキャラであるアダム&アルバはナイス・キャスティング。二人が第71回ベネチア国際映画祭主演男優賞&主演女優賞を受賞したのも納得だ。

ラストはかなり衝撃的だが、私がアンの立場だったら、孫を守るために同じことをするかも知れない。


ヒューマントラストシネマ渋谷にて(期間、時間限定公開/10/28迄)



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by margot2005 | 2016-10-28 22:43 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「人間の値打ち」

「Il capitale umano」…aka「Human Capital」2013 イタリア/フランス

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イタリア・ミラノ郊外。町で小さな不動産屋を経営するディーノは、後妻で診療内科医のロベルタと娘のセレーナの三人暮らし。ある日、ディーノはセレーナのボーイフレンド、マッシミリアーノの家に娘を車で送ることになる。マッシミリアーノの父親ジョヴァンニは投資ファンドで大もうけした大富豪。やがてディーノは豪邸の庭でテニスに興じるジョヴァンニに自らを紹介し、強引にテニスの相手に加わる。ジョヴァンニの妻カルラは元舞台女優で、今では何不自由ない暮らしながら、夫からはトロフィーワイフ扱いされ自身の居場所が見いだせない空虚な日々。そしてセレーナはリッチな生活を送るボーイフレンド、マッシミリアーノに別れを告げようとしている...


カルラ・ベルナスキに「アスファルト/2015」ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。

ディーノ・オッソラに「まなざしの長さをはかって/2007」「ブルーノのしあわせガイド/2011」ファブリッイオ・ベンティヴォリオ。

ロベルタに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「私たちの家で(愛と欲望 ミラノの霧の中で)/2006」「湖のほとりで/2007」「バッグにはクリプトナイト/2011」「あなたたちのために/2015」ヴァレリア・ゴリノ。

ジョヴァンニ・ベルナスキに「輝ける青春/2003」「湖のほとりで」「バッグにはクリプトナイト」のファヴリッツィオ・ジフーニ。

ドナート・ルッソマンノに「われらの子供たち/2014」ルイジ・ロ・カーショ。

セレーナ・オッソラにマティルデ・ジョリ。

マッシミリアーノ・ベルナスキにグリエルモ・ピネッリ。

ルカ・アンブロジーニにジョヴァンニ・アンサルド。

監督、脚本は「ナポレオンの愛人/2006」パオロ・ヴィルズィ。


自分の居場所が見いだせない富豪の妻カルラ、投資ファンドで一攫千金を狙う男ディーノ、愛に疑念を抱く高校生のセレーナ…3人を軸にドラマは進んで行く。


カルラは町にある唯一の劇場が老朽化で取り壊しになることを知り、夫に資金提供を申し出る。自ら運営委員会を立ち上げ、屋敷に評論家や劇作家のドナートを呼び寄せ議論を交わす。そして次第にカルラとドナートの関係は深まって行く。

一攫千金を狙うディーノは銀行から70万€を借り入れジョヴァンニの投資ファンドに参加する。

リッチなボーイフレンドがつまらなくなったセレーナは、診療内科医ロベルタの勤務先で出会った一風変わった少年ルカに恋をする。

彼らには家族が知らない思惑や秘密がぎっしり。


ドラマのオープニングはクリスマス・イブのひき逃げ事故。

車を運転していたのは誰?真実を知るのは誰?と、じわじわ真実が暴かれて行く過程が興味深くて面白い。

金持ちに取り入ろうとする父親と、金持ちの息子を捨てる娘の行動が真逆で滑稽だ。


本作はイタリア・アカデミー賞で7冠に輝いたシリアス・ドラマ。ある夜、突然起こった一つの事故から、金持ち、中間層、低所得者の3つの家庭の隠された秘密と欲望が浮かび上がる。

邦題の「人間の値打ち」とは事故で亡くなった人に支払われる慰謝料のこと。

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキは富豪の妻より、「アスファルト」の生活に疲れた中年女性の方が断然似合う。


Bunkamura ル・シネマにて



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by margot2005 | 2016-10-26 00:10 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

「歌声にのった少年」

「Ya tayr el tayer」…aka「The Idol」2015 パレスチナ/オランダ/UK/カタール/アルゼンチン/エジプト/アラブ首長国連邦

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2005年、紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区。姉ヌールと2人の少年の5人組でバンド活動するムハンマドは歌うことが大好きで、“スター歌手になって世界を変える”ことを夢見ている。しかしヌールが重い腎臓病に冒されていることが発覚する。やがて手術費用を稼ぐためムハンマドはウエディング・シンガーとして歌い始め、人々は彼の歌声に魅了される。一方でカイロのオペラハウスに出場することがヌールの夢だったが病気が悪化し亡くなってしまう。

2012年、ガザ地区でタクシー・ドライバーをするムハンマドは、ヌールの叶わなかった夢を果たすためオーディション番組“アラブ・アイドル”への出場を決意する...


ムハンマド・アッサーフ(少年)にカイス・アタッラー。

ムハンマド・アッサーフ(青年)にタウフィーク・バルホーム。

ヌールにヒバ・アタッラー。

アマルにディーマ・アワウダ。

シャーディヤに「キャラメル/2007」「友よ、さらばと言おう/2014」「チャップリンからの贈りもの/2014」のナディーン・ラバキー。

監督、脚本、出演(サミール)は「オマールの壁/2013」のハニ・アブ・アサド。


ムハンマド・アッサーフの子供時代の展開は少々ダラダラと長く、早く大人になって!なんて思いながら見ていた。いつものように前知識なしで見たので、ムハンマドが“アメリカン・アイドル”ならぬ“アラブ・アイドル”で2013年に優勝した有名人だったとは知らずで驚きだった。もちろん本人の映像もあり。ムハンマド役の俳優より本人の方がハンサム。


パレスチナ・ガザ地区に住む青年がエジプトに行くには偽造パスポートを用意し検問をくぐり抜けなければならない。しかし友人の助けもありムハンマドはオーディション番組“アラブ・アイドル”出場を果たしたのだからスゴい!


「オマールの壁」が素晴らしかったので見に行った次第。World-wide (English title)公開タイトルはズバリ「The Idol」。ポップ・スターとして大成功を納めたムハンマド・アッサーフはパレスチナの国民的アイドルで、現在国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使を務め平和への活動を続けている。


オーディションで選ばれたガザ地区に暮らす少年少女たちの出演に、ドラマの中の子供時代がとてもナチュラルに映る。

ムハンマド・アッサーフはパレスチナのポップ・スターながら、殆ど耳にすることのない彼の歌声はイスラム教で唱えるコーランの雰囲気?


ヒューマントラストシネマ有楽町


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by margot2005 | 2016-10-25 20:55 | アジア | Trackback(1) | Comments(2)

「ハドソン川の奇跡」

「Sully」2016 USA

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2009年1月15日。乗員乗客155人を乗せた旅客機が、ニューヨークのラガーディア空港を離陸した直後バードトラブルによりエンジンが止まってしまう。やがて機体は急速に高度を下げ始めるのだった...


チェズレイ(サリー)・サレンバーガーに「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー/2006」「天使と悪魔/2009」「ウォルト・ディズニーの約束/2013」「ブリッジ・オブ・スパイ/2015」トム・ハンクス。

ジェフ・スカイルズに「陰謀のスプレマシー/2012」「エンド・オブ・キングダム/2016」のアーロン・エッカート。

ローリー・サレンバーガーに「アメリカを売った男/2007」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」「最終目的地/2009」「私が愛した大統領/2012」ローラ・リニー。

監督、製作は「チェンジリング/2008」「グラン・トリノ/2008」「インビクタス/負けざる者たち/2009」「アメリカン・スナイパー/2014」クリント・イーストウッド。


日本でも大きなニュースとなったのでハドソン川に不時着した飛行機事故のことはもちろんTVで見ている。そして機長は確かヒーローだったはず??その後、そのヒーローが事故調査委員会に厳しく追求されていたとは...。


飛行機のエンジンが止まっても翼があるのですぐには墜落しない。しかし機体は急速に高度を下げいつまでも浮かんではいられない。そこで機長は空港に戻るのは時間的に無理と判断する。

ハドソン川に不時着後、サリーとジェフはホテルに閉じ込められる。

事故調査委員会は、片方のエンジンは動いていたので空港に戻れたと主張し、サリーの判断は間違っていたと攻め立てる。

ベテラン・パイロットが妻に携帯電話で“事故調査委員会の判断で職を失うかも知れない!”と話すシーンに、国民にはヒーローと賞賛される人物が現実ではとても苦悩してたことを知って驚いた。

サリーは40年の飛行経験があるベテラン・パイロット。それを示すように若き日のサリーの飛行シーンが織り込まれている。


コックピットではコンピューターが“Pull up!Pull up!”と繰り返し、機内では客室乗務員が“Brace!Brace!”と叫ぶシーンは生々しくてとても臨場感があった。

救出後、“155人は全員無事か?”と確認する台詞にさすが命を預かる機長が発した言葉だと感動する。


ラスト、事故調査委員会から“同じことが起きたら同じ判断をしますか?”と質問されたジェフ。“できれば7月にしていただきた!”と答える様はウイットに富むアメリカ人だと感心しきり。あのシーンはナイス!だった。アーロン・エッカートはお気に入りハリウッド俳優の一人。

トム・ハンクス映画は今月末公開予定の「インフェルノ」が楽しみ!


ドキュメンタリータッチで描かれるドラマはとても見応えがあった。さすがはクリント・イーストウッド。

大ラスでサリーご本人と今でも交流を持つという乗客たちが登場する。


丸の内ピカデリーにて



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by margot2005 | 2016-10-13 22:17 | USA | Trackback(6) | Comments(2)

「白い帽子の女」

「By the Sea」2015 フランス/マルタ/USA

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ある日、アメリカ人の小説家ローランドが妻のヴァネッサを伴いフランスの避暑地にやって来る。終始物思いに沈むヴァネッサはホテルの部屋に閉じこもり、ローランドは小説の執筆にのらなくて朝から酒を飲んでいる。そんな折、隣の部屋にフランス人のハネムーン・カップルがやって来る...


監督、脚本、製作、出演(ヴァネッサ)に「Mr.&Mrs.スミス/2005」「グッド・シェパード/2006」「マイティ・ハート/愛と絆/2007」「ウォンテッド/2008」「チェンジリング/2009」「マレフィセント/2014」のアンジェリーナ・ジョリー。

製作、出演(ローランド)に「マネー・ショート 華麗なる大逆転/2015」ブラッド・ピット。

レアに「リスボンに誘われて/2013」メラニー・ロラン。

フランソワに「わたしはロランス/2012」 「皇帝と公爵/2012」メルヴィル・プポー。

ミシェルに「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「サラの鍵/2020」「予言者/2009」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「戦火の馬/2011」「パリよ、永遠に/2014」ニエル・アレストリュプ。


ある時、ヴァネッサは部屋の壁に穴を見つけ、隣のカップルの様子を観察し始める。そしてとうとうローランドもその穴を見つけることになる。冷えきった夫婦が隣のハネムーン・カップル、レアとフランソワの部屋を覗き見するシーンは好奇心をかき立てる。


ドラマの三分の一くらいの台詞はフランス語で、ローランド役のブラッド・ピットはニエル・アレストリュプ演じるカフェの主人ミシェルとフランス語で会話している。

アル中の夫とウツの妻が主人公ゆえ全編アンニュイなモードが漂う。

ブラッド&アンジーがハネムーンに訪れたマルタ島で撮影された模様。


映画のオフィシャル・サイトに

“すれ違ってしまった夫婦が粘り強い愛によって自分たちを取り戻し、

お互いを受け入れるようになるまでを描く映画です。

アンジェリーナ・ジョリー・ピット”と記されている。


現実ではつい最近別れることになった二人が映画のようにはいかなかったのか?と彼らの破局にはかなりの驚き。セレヴ・カップルは上手く行かない??


ドラマの時代設定が1970年代なのはとても良かったと思う。

でも主演の二人にどうもアンニュイなモードが似合わない。全く笑わないブラッド・ピットは魅力がないし...。

ドラマが素敵だったのは美しいマルタの景色と、70年代のアンジーの衣装のみ。

今年一番の駄作としたい。


シネスイッチ銀座にて


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by margot2005 | 2016-10-10 23:52 | フランス | Trackback | Comments(0)

「世界一キライなあなたに」

Me Before You2016 UKUSA

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ルーはイギリスの田舎町に暮らす26歳の女性。ある日、働いていたカフェが閉店し失職してしまう。父親も失業中のためすぐにでも仕事を見つけなければならない。そしてようやく見つけた仕事は車椅子生活を送る大富豪の世話係だった


ルイーザ(ルー)・クラークに「ゲーム・オブ・スローンズ シリーズ20112016」のエミリア・クラーク。

ウィル・トレイナーに「ダークエイジ・ロマン 大聖堂/2010「ハンガーゲーム シリーズ20132015「あと1センチの恋/2014」「スノーホワイト/氷の王国/2016」サム・クラフリン。

ウィルの母親カミーラに「アルバート氏の人生/2011」「ハンナ・アーレント/2012」「パパが遺した物語/2015」ジャネット・マクティア。

ウィルの父親スティーブンに「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「タロット・カード殺人事件/2006」「ドラキュラzero/2014」「黄金のアデーレ 名画の帰還/2015」「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」チャールズ・ダンス。

エイミーの父親バーナードに「ダウントン・アビー シリーズ 20102015」のブレンダン・コイル。

ウィルの介護師ネイサンにスティーヴン・ピーコック。


青年実業家のウィルはロンドンで交通事故に遭い脊髄を損傷して四肢麻痺になってしまう。やがて実家に戻り車椅子で介護を受けることになる。ウィルは生きる希望も何もなく完全に心を閉ざしていた。そんな折、6ヶ月の期間限定で、天真爛漫で奇抜なオシャレが大好きなルーが世話係としてやって来る。やがてルーの悪戦苦闘の日々が始まる。


本作は世界中で大ヒットしたラヴ・ストーリーで、ラストは世界的な社会問題を感じさせる内容でとても興味深かった。ハッピーエンディングで終わらないラストは見る人によって、あれで良いのか?悪いのか?と賛否両論に分かれるだろうけど私的にはあの結末は良かったと思う。邦題は難ありかと思えるけど


サム・クラフリンはスゴくヒットした「あと1センチの恋」で女性を胸きゅんさせたハンサム・ボーイ。

テーマは暗くて辛いが、終始笑顔を見せるルーの存在は圧倒的。演じるエミリア・クラークはホントに笑顔がキュート。

ルーはフォーマルなドレスの選び方は素敵なのに、日常の服装はド派手でチャラチャラしたファッションばかり。どうにかならないのか?なんて思ったけど、ハンサムな大富豪とあか抜けない田舎娘の組み合わせなので、ウィルや彼の母親とのミスマッチは良かったのかも知れない。

ウェールズで撮影された城も美しい。


新宿バルト9にて



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by margot2005 | 2016-10-09 19:32 | UK | Trackback(4) | Comments(4)

「ある天文学者の恋文」

「La corrispondenza」…aka「Correspondence」2016 イタリア

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ホテルで逢瀬を重ねるエドワードとエイミー。“またしばらく会えない。手紙を書くよ。”と言って去って行くエドワード。エイミーはスタントマンのアルバイトをしながら大学に通っている。そんなある日、大学で担当教授からエドワード・フィーラム教授が亡くなったと告げられる。ショックを受けたエイミーがエドワードの携帯に電話をかけると留守番メッセージが流れてきた...

エドワード・フィーラム教授に「栄光のランナー/1936ベルリン/2016」ジェレミー・アイアンズ。

エイミー・ライアンに「パリ、ジュテーム/2006」「007/慰めの報酬/2008」「故郷よ/2011」「陰謀のスプレマシー/2012」「トゥ・ザ・ワンダー/2012」のオルガ・キュリレンコ。

エドワードの娘ヴィクトリアに「フィルス/2013」のショーナ・マクドナルド。

島の船乗りオッタヴィオに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「いつだってやめられる/2014」パオロ・カラブレージ。

島の女アンジェラにアンナ・サヴァ。

エイミーの母親にイリーナ・カラ。

監督、脚本は「題名のない子守唄/2006」 「シチリア!シチリア!/2009」「鑑定士と顔のない依頼人/2013」のジュゼッペ・トルナトーレ。

亡くなったはずの人間からメールや手紙やプレゼントが送られて来る。なぜ?ドラマの中盤で謎が解き明かされる。

著名な天文学者の大学教授とその教え子が恋愛関係にある。物語が進むにつれ教授の妻は亡くなっている様子で、これは不倫ではないと分ったり、教え子エイミーと、教授エドワードの娘は同じ年齢と言うことが判明する。スゴい年齢差ながら大学教授とその教え子が恋に落ちるって良くあることなのだろうか?

エドワードが亡くなった事実を受け入れられないエイミーは、なんとか彼にコンタクトを取ろうとするが、電話からは常に留守番のメッセージが返ってくるばかり。エイミーは思案の末エドワードの住まいのあるスコットランド、エジンバラへと赴く。彼の家の前にやっては来たが訪ねることに躊躇し、道路にたたずみ家の様子を見ることしかできない。

エドワードは亡くなっているのにエイミーの元に手紙や小包が届くのだ。その中にはPCから語りかけるエドワードの映像も含まれていて、ある時届いた小包の中には鍵が...それは二人が共に過ごしたオルタ・サン・ジューリオの屋敷の鍵だった。

ミステリーってわけでもないけど、何となくミステリーっぽい雰囲気が漂うこのような展開のドラマは初めて見たかも?エドワードが天文学者という設定がドラマにマッチしているし、エイミーがスタントマンのアルバイトをしている設定も面白い。時折、映画の撮影でスタントマンを演じるエイミーのシーンが挿まれる。

ジェレミー・アイアンズは60代後半ながら男としての魅力があふれる俳優で本作の役柄にはぴったり。

ドラマにはそれほど惹かれなかったけど、舞台となるイタリア、ピエモンテ州のオルタ・サン・ジューリオや、スコットランド、エジンバラでロケされた景色が美しい。特にオルタ・サン・ジューリオは美しく神秘的でドラマを盛り上げている。

TOHOシネマズ・シャンテにて



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by margot2005 | 2016-10-07 23:36 | イタリア | Trackback(1) | Comments(2)

「トレジャー オトナタチの贈り物」

「Comoara」…aka「The Treasure」2015 ルーマニア/フランス
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ルーマニア、ブカレスト。コスティは妻と息子の三人で慎ましやかに暮らしている。ある日、近所に住む男アドリアンが、“失業中で家のローンの支払に困っている。800ユーロ貸してくれないか?”と訪ねてくる。“家も余裕がなく貸す金などない。”と断るコスティに“800ユーロあれば曾祖父が共産党台頭前に庭に埋めた宝探しをすることができる。”と言い、“宝発見の折には分け前を折半する!”と怪しいながらも美味しい話を持ちかけてくる。半信半疑ながらアドリアンの話にのってしまったコスティは妻にも相談してなんとか800ユーロをかき集めるのだった…

コスティにクジン・トマ。
アドリアンにアドリアン・プルカレスク。
コルネルにコルネリュ・コズメイ。
監督、脚本はコルネリュ・ポルンボイュ。

ある日突然近隣の住民が訪ねて来て金を貸せと言う。胡散臭いなぁと思いつつも金を用意する主人公に驚くが、ドラマは実際に体験した人から聞いた話にもとづいて映画にしたと言う。あのゴージャスな宝を発見した二人はなんとラッキーなんだろうと羨ましくなる。

少々ファンタジーっぽい雰囲気は良いのだが、コメディ・ドラマとは思えないほど終始ペーソスが漂う。
金属探知機で地面をこする様と、穴掘り作業が延々と続き、スロー、ペースで盛り上がりも何もないシンプルなドラマは少々退屈だったかな?

当然宝は出てくる...発見した宝の入った箱を抱えアドリアン所有の空き家から出てきた二人は巡回していたパトカーの警察官に怪しまれ尋問される。警察に連行されモノによっては国に没収される可能性もあると告げられた二人は手放しで喜べない。あのシーンは気の毒ながら可笑しかった。
そしてあのラストにはびっくり!子供を喜ばせるお父さんは偉いが、フリーズしてしまった。あのお父さんはただただ息子を喜ばせたくて、息子のヒーローになりたかったに違いない。

コスティの妻と息子を演じるのはコスティ役のクジン・トマの実際の妻子で、怪しい業者のコルネルを演じるコルネリュ・コズメイは元兵士で金属探知を職業としているとのこと。
主演二人はプロの俳優ながら、なんとなく俳優ぽくなくて、近所のおじさんの雰囲気でナイス。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-10-05 23:28 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「エル・クラン」

「El Clan」…aka「The Clan」2015 アルゼンチン/スペイン
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1980年代のアルゼンチン。70年代から80年代に起こった軍事独裁政権も終わり、国は徐々に民主政治を取り戻していた。裕福で、近隣からも信頼厚いプッチオ家は主のアルキメデス、そして妻と三人の息子と二人の娘が共に幸せな生活を送っていた。しかし1982年にマルビーナス戦争(フォークランド紛争)が起こり政府がこけてしまい、あおりを受け政府の情報管理官として働いていたアルキメデスは失職してしまう。そんなある日、長男アレハンドロのラグビーチームの友人誘拐事件が起こる...

アルキメデス・プッチオに「ルドandクルシ/2008」「瞳の奥の秘密/2009」のギレルモ・フランセーヤ。
妻エピファニにリリー・ポポヴィッチ。
長男アレハンドロにピーター・ランサーニ。
次男マギラにガストン・コッチャラーレ。
三男ギレルモにフランコ・マシニ。
長女シルビアにジゼル・モッタ。
次女アドリアナにアントニア・ベンゴエチェア。
アレハンドロの恋人モニカにステファニア・コエッスル。
監督、脚本、製作は「セブン・デイズ・イン・ハバナ/2012」のパブロ・トラペロ。

アレハンドロのラグビーチームの友人の誘拐犯は父親のアルキメデスだった。彼は家に監禁部屋を作り、人質に家族へ身代金支払いの手紙を書くよう支持する。まんまと身代金をせしめたアルキメデスは息子のアレハンドロにも分け前を与えるのだった。
その後もアルキメデスは金持ちの家族誘拐に成功し、決してバレることはなかった。ある日、父親から貰った金でサーフショップを立ち上げたアレハンドロは来店した客モニカに一目惚れ。やがて二人は結婚を約束し、アレハンドロは父親に報告するが、アルキメデスは怒りと共に結婚に大反対する。普通の生活がしたいと願うアレハンドロも父親にがんじがらめで従うしか方法がなかった。

アルゼンチン人って家族の結びつきが強いとどこかで聞いたことがある。ドラマに登場する家族も互いに愛情深いことが窺える。おまけに一家の主である父親は絶対的存在で、逆らうことなどできない。長男と次男は父親の言いなりだったが、何れ悪事がバレると感じ家を飛び出した三男は賢い!と思った。一つ屋根の下に一緒に住んでいながら何も知らなかった女性たちが、おばかと言うか哀れ。

何度かシアターで予告篇は見たが、いつのも様に全く前知識なしで鑑賞。時折アルゼンチンの社会模様が実写で映し出されるので、始めは政治的な犯罪なのか?と思っていたらなんのことはない単なる身代金目当ての誘拐だった。
何はともあれ家族を振り回す一家の主が猛烈!父親の言いなりにならざるを得ない長男が気の毒だったけど、家族から去って行った三男のように行動を起こさなかったのが疑問?金が欲しかったのか?母親や妹たちが気がかりだったのか?定かではない。

実話をベースにした犯罪ドラマは本当に実際に起こったこと?と疑うくらいとんでもない悪行。
家では優しい夫であり父親でもあるアルキメデス・プッチオが、良心の呵責など全く感じずに淡々と強盗誘拐に興じる様がブラック・コメディの雰囲気で可笑しかった。演じるギレルモ・フランセーヤはナイス・キャスティング。
公開二週目のサービスデイに鑑賞した折、シアターは満席だった。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-10-02 20:54 | 中・南米 | Trackback | Comments(0)