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「ロブスター」

「The Lobster」2015 アイルランド/UK/ギリシャ/フランス/オランダ/USA
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突然妻に先立たれたデヴィッドは、既に犬に変身している兄と一緒にとある施設(ホテル)に送られる。この地では独身は罪とされていた。独裁者のごとくふるまうホテルの女マネージャーは“45日以内にパートナーを見つけないと動物に変身します。ところで何に変身したいですか?”と尋ねる。デヴィッドは“海が好きだからロブスターにする”と答える。一方で辺りの森には独身者たちのリーダーを中心に強固なコミュニティが築かれ、そこではカップルになることを禁じていた…

デヴィッドに「ニューヨーク 冬物語/2014」のコリン・ファレル。
近視の女に「ナイロビの蜂/2005」「ファウンテン/2006」「マイ・ブルーベリー・ナイツ/2007」「ドリーム・ハウス/2011」「オズ はじまりの戦い/2013」のレイチェル・ワイズ。
独身者たちのリーダーに「007 スペクター/2015」のレア・セドゥ。
ホテルのマネージャーに「思秋期/2010」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」「私が愛した大統領/2012」「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」「カムバック!/2014」のオリヴィア・コールマン。
ホテルのメイドに「ビフォア・ミッドナイト/2013」のアリアーヌ・ラベド。
足の悪い男に「リリーのすべて/2015」のベン・ウィショー。
滑舌の悪い男に「おとなのけんか/2011」「少年は残酷な弓を射る/2011」のジョン・C・ライリー。
鼻血女に「ハンナ/2011」のジェシカ・バーデン。
ビスケット女に「ヒステリア/2011」のアシュレー・ジェンセン。
ハートのない女に「籠の中の乙女/2009」のアンゲリキ・パプーリァ。
監督、脚本、製作は「籠の中の乙女/2009」のヨルゴス・ランティモス。

運良くパートナーを見つけることができないディヴィッドはある時ホテルを脱走する。やがてたどり着いた森で一人の女性と出会い、皮肉にも彼女と恋に落ちてしまうのだ。
独身でいるのは罪、一方でカップルになるのも罪…ならばどうすれば??
ホテルのマネージャーは独身でいると災いが起こると力説し、独身者たちのリーダーはデヴィッドが恋に落ちた近視の女に制裁を下す。
「籠の中の乙女」も全くあり得ないむちゃくちゃな発想だったが、本作も同じくめちゃくちゃ変なストーリー。でも奇想天外さは前作よりましかも知れない。ギリシャの奇才と言われる監督ヨルゴス・ランティモスの頭の中はどのようになっている?

独身は罪と言う理由は良くわからないが、21世紀の今ドラマのような世界が存在するなら施設は独身の男女であふれ返ってしまうに違いない。本作はSFラヴ・ストーリーとのことで未来はあのようになってしまう??
コリン、レイチェル、レア、ベン、そしてオリヴィア・コールマン、ジョン・C・ライリーと出演陣がとても個性的かつ豪華。
舞台となる施設は海辺に建つ瀟洒なホテルで、アイルランドでロケされた模様。
コリンのおじさんぶりには少々驚き。役作りのために太ったに違いない。多分...。でも本作でのコリン・ファレルは性格俳優の雰囲気でナイス。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-03-29 23:57 | UK | Trackback(6) | Comments(4)

「偉大なるマルグリット」

「Marguerite」2015 フランス/チェコ/ベルギー
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1920年のフランス。ある日、郊外の豪邸でサロン音楽会が開かれようとしている。サロンの主人公はマルグリット・デュモン男爵夫人。マルグリットの前座で歌手アゼルが登場し見事な喉を聴かせている。サロンにはいつもの様に大勢の貴族たちが招待され、その中に新聞記者のボーモンもまぎれ混んでいた...

マルグリットに「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵/2008」「地上5センチの恋心/2006」「譜めくりの女/2006」「大統領の料理人/2012」のカトリーヌ・フロ。
夫ジョルジュ・デュモンに「不機嫌なママにメルシィ!/2013」のアンドレ・マルコン。
オペラ歌手アトス・ペッジーニに「スイミング・プール/2003」のミシェル・フォー。
歌手アゼルに「ルノワール 陽だまりの裸婦/2012」「シリアルキラーNo.1/2015」のクリスタ・テレ。
執事マデルボスにドゥニ・ムプンガ。
新聞記者リュシアン・ボーモンにシルヴァン・デュエード。
監督、脚本は「情痴アヴァンチュール/2005」「ある朝突然、スーパースター/2012」のグザヴィエ・ジャノリ。

夫ジョルジュ、執事マデルボス、そして貴族たちは決してマルグリットの音痴ぶりにはふれないようにしていた。しかしマルグリットの歌声を聴いた新聞記者のボーモンはあまりの酷さにあきれ返ってしまう。彼女は完璧に音痴だったが、ボーモンは翌日の新聞に“心をわし掴みにする声”と偽りの大絶賛記事を掲載する。そしてそれを読んだマルグリットはパリの新聞社へと車を走らせる。

酷い妻の歌声を聴きたくなくていつもサロンの音楽会にわざと遅れる夫のジョルジュ。おまけに彼は妻の友人と浮気している。
一方で新聞記者のボーモンはマルグリットの音痴ぶりに驚愕したにも関わらず彼女の無邪気さと、大胆さに魅了されてもいた。

新聞記者のボーモンが感じた通り、ドラマを見ればマルグリットってホント無邪気な人だったんだとわかる。呆れ返るくらいあどけなくかわいらしい心を持った人物だったに違いない。
マルグリットに対して忠節を守る執事マデルボスの存在がトレヴィアン!
パリでリサイタルを開くためオペラ歌手アトス・ペッジーニに師事するシーンは少し笑えるかな?

マルグリットは実在の人物フローレンス・フォスター・ジェンキンスがモデルで、彼女はアメリカ人のソプラノ歌手。
本作の予告編はシアターで何度か観ていた。カトリーヌ・フロが主演なのでひょとしてコメディ?なんて思っていたら意外にシリアスなドラマだった。モデルがいるからコメディにするには失礼だったのか?どうか?は定かではないが、コメディっぽいシーンも登場するけど、どうも中途半端でカトリーヌ・フロに期待したのに少々残念だった。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2016-03-28 21:58 | フランス | Trackback(3) | Comments(2)

「リリーのすべて」

「The Danish Girl」2015 UK/USA/ベルギー/デンマーク/ドイツ
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1926年、デンマーク、コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家であるゲルダと結婚して6年、深く愛し合う二人ながら子宝には無縁だった。そんな折、ゲルダの頼みで、ストッキング、華奢な靴そしてチュチュを身にあてがい、踊り子ウラの代わりにモデルを勤めることになる。ゲルダに口紅を塗られ戸惑いつつもポーズを取るアイナー。やがて彼は自分の中に潜んでいた女性というアイデンティティに向かって突き進んで行く...

リリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)に「グッド・シェパード/2007」「美しすぎる母/2007」「ブーリン家の姉妹/2008」「レ・ミゼラブル/2012」「博士と彼女のセオリー/2014」「ジュピター/2015」のエディ・レッドメイン。
ゲルダ・ヴェイナーに「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「アンナ・カレーニナ/2012」「ガンズ&ゴールド/2013」「コードネームU.N.C.L.E./2015」のアリシア・ヴィキャンデル。
ヘンリクに「追憶と、踊りながら/2014」「007 スペクター/2015」のベン・ウィショー。
ハンスに「フランス組曲/2014」のマティアス・スーナールツ。
ウラに「ラム・ダイアリー/2011」「マジック・マイク XXL/2015」のアンバー・ハード。
ヴァルネクロスに「善き人のためのソナタ/2006」「アンノウン/2011」「ブリッジ・オブ・スパイ/2015」のセバスチャン・コッホ。
監督、製作は「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「英国王のスピーチ/2010」「レ・ミゼラブル/2012」のトム・フーパー。

トム・フーパーが監督と言うことでとても楽しみにしていた一作。
とにかく映像が素晴らしく美しい。20年代のコペンハーゲンのシーンや衣装、調度品などすべてが美しくて、よりいっそうドラマに惹きつけられる。
原作“The Danish Girl”の邦題は“世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語”とスゴい。
でもこの妻の愛は確かにスゴい!女性として生きると宣言した夫を手助けし、支え、愛し続けたのだから。
ドラマのラストはわかっていたけど“世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語”にふさわしい展開で素晴らしかった。

女装で頑張っていたエディ・レッドメインはオスカーにノミネートされたが受賞は叶わなかった。昨年もらったしまぁ良しとしよう。
夫をこよなく愛した妻ゲルダを演じたスウェーデン出身のアリシア・ヴィキャンデルがアカデミー助演女優賞獲得。授賞式で感動していたのを思い出す。アリシア・ヴィキャンデルは作品ごとに素敵な女優になっていく。彼女とてもチャーミング。

脇を固める出演陣がベン・ウィショーにマティアス・スーナールツにセバスチャン・コッホと嬉しい限り。「フランス組曲」同様、限りなく優しい表情のマティアスが素敵。
ベン・ウィショーはそのままゲイ役。
ドラマの中でベン・ウィショー演じるヘンリクとリリーが腕を組んで歩く姿を目撃したゲルダが嫉妬する。しかし“ヘンリクは男にしか興味がない。”と答えるリリー。安堵はしつつもゲルダにとっては複雑な気持ちなのだろうな?と考えずにはいられなかった。
ゲルダに隠れて女性に変身するリリーが愛おしい。

TOHOシネマズみゆき座にて
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by margot2005 | 2016-03-24 23:45 | UK | Trackback(10) | Comments(2)

「火の山のマリア」

「Ixcanul」2015 グアテマラ/フランス
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マリアにマリア・メルセデス・コロイ。
母親ファナにマリア・テロン。
父親マヌエルにマヌエル・アントゥン。
マリアの許婚イグナシオにフスト・ロレンソ。
ペペにマルビン・コロイ。
監督、脚本はハイロ・ブスタマンテ。

17歳のマリアは厳しい自然に囲まれた火山の麓で両親と共に暮らしている。農業を営む両親の土地は借地で地主はコーヒー農園の主任イグナシオ。生活が苦しい両親はマリアをイグナシオに嫁がせようと考えている。中年で子持ちのイグナシオとの結婚はマリアにとって喜ばしいことではない。マリアは誰にも内緒でコーヒー農園で働く青年ペペに想いを寄せていた。貧困から逃れアメリカに移住したいと望むペペ。マリアは一緒に連れて行って欲しいと懇願する...

始めは、望まれない妊娠をした娘を故意に流産させようと目論む母親ファナ…しかし後に“この子は生きる運命にある!”と感じたファナは未婚で妊婦となったマリアを心から受け入れる。ありったけの力で娘をサポートする両親の愛の深さにほっとする。

何はともあれ、マリアも彼女の両親もスペイン語が話せなかったためイグナシオの嘘を見抜くことができなかった。ペペに裏切られ、イグナシオに振り回されたマリアがとても気の毒でならない。

グアテマラは中南米であることはわかっていたが正確な位置はどこか?と考えていたらシアターに地図がありメキシコの南と確認した。
世界は広い!グアテマラでこのような原始的な暮らしをする人が存在するとは知らなかったが、彼らはマヤ系先住民。オープニングとエンディングに伝統的な衣装で盛装するマリアのシーンが映る。どちらのシーンにもマリアに笑顔がないのが実に哀しい。
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岩波ホールにて(3/25迄上映)
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by margot2005 | 2016-03-20 00:25 | 中・南米 | Trackback | Comments(0)

「スティーブ・ジョブズ」

「Steve Jobs」2015 USA/UK
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1984年、マッキントッシュ発売40分前。“ハロー!”と挨拶する予定になっていたマシーンが喋ってくれなく黙ったままなのだ。怒りを爆発させるスティーブにマーケティング担当のジョアンナはなす術もない。一度言い出したら決して引き下がらないスティーブに今日も又振り回されている。そんな折、元恋人のクリスアンが娘のリサを連れてやって来る...

スティーブ・ジョブズに「それでも夜は明ける/2013」「X-MEN:フューチャー&パスト/2014」のマイケル・ファスベンダー。
ジョアンナ・ホフマンに「ヴェルサイユの宮廷庭師/2014」のケイト・ウインスレット。
スティーブ・ウォズニアックに「テイク・ディス・ワルツ/2011」のセス・ローゲン。
ジョン・スカリーに「消されたヘッドライン/2009」「オデッセイ/2015」のジェフ・ダニエルズ。
クリスアン・ブレナンに「ラブストーリーズ エリナーの愛情/2013」「ラブストーリーズ コナーの涙/2013」のキャサリン・ウォーターストン。
監督、製作は「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「127時間/2010」「トランス/2013」のダニー・ボイル。

ドラマはスティーブ・ジョブズの伝記ではなく、1984年のMacintosh、1988年のNeXT Cube、1998年のiMacの3つの新作発表会に焦点を絞って描いている。
全く同じタイトルでアシュトン・カッチャー主演の「スティーブ・ジョブズ/2013」も見ている。本作のマイケル・ファスベンダーもアシュトン・カッチャーも本人には似ていないが、どちらの俳優もスティーブ・ジョブズの雰囲気を漂わせている。

アシュトン・カッチャー版でもリサが描かれている。元恋人がやっかいな存在であるからスティーブはリサに対して素直に愛情を抱くことができなかったのかも知れない。でもマシーンに“リサ”と名付けるなんてやはり父親ならでは。

スティーブ・ジョブズはカリスマ性を持った人物であり変人であったように映る。 となるとマイケル・ファスベンダーはぴったりのキャスティングのように思える。
Fassyは全編ほぼ出ずっぱりでマシンガン・トークで膨大な台詞を操っている。これは彼の才能の一つかも知れない。ベネディクト・カンバーバッチもスゴいけど…二人の競演が見てみたい。
マット・デイモン同様オスカーはゲットできなかったけど、本作のFassyは素晴らしかった。やはりオスカーにノミネートされていたケイト・ウインスレットとの掛け合いもナイス。
Fassy映画は5月公開予定の「マクベス/2015」が楽しみ。
そう言えば本作2/12公開で既に終了。1ヶ月で上映打ち切りって少々寂しい。でもMac好きじゃなきゃ見ないのかも知れないけど…。

TOHOシネマズ日劇にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2016-03-14 00:20 | USA | Trackback(5) | Comments(0)

「ディーバンの闘い」

「Dheepan」2015 フランス
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内戦が続くスリランカ。妻子を殺された元兵士のディーパンはもはや戦う意味がなかった。一方で一人の女が難民キャンプで子連れの女性に“この子はあなたの子?”と訪ね回っている。とうとう母親のいない女の子を見つけだした後、女はディーパンと出会う。独り身より家族の方が難民として受け入れてもらえることがわかり、ディーパン、妻ヤリニ、娘イラヤルと偽装家族を作り上げた3人はスリランカを脱出しフランスへと向かう...

ディーパンにアントニーターサン・ジェスターサン。
ヤリニにカレアスワリ・スリニバサン。
イラヤルにカラウタヤニ・ヴィナシタンビ。
フラヒムに「ナルコ/2004」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「ルノワール 陽だまりの裸婦/2012」「ムード・インディゴ うたかたの日々/2013」のヴァンサン・ロティエ。
監督、脚本は「真夜中のピアニスト/2005」「予言者(アンプロフェット)/2009」「君と歩く世界/2012」のジャック・オーディアール。

スリランカの内戦についてはほとんど知らない。オープニングの難民キャンプはアフリカのどこか?と思うほど悲惨。偽装家族でフランスに入国し、難民審査にもパスした3人はパリ郊外で暮すことになり、ディーパンは団地の管理人の職を得る。やがてイラヤルも学校へ通い始め、ヤリニも団地の住人である老人の家政婦として働き始める。偽りの家族にも一時平和が訪れたように思えた矢先事件が起こる。ヤリニが家政婦をする老人の部屋は団地の麻薬密売組織のリーダーである甥フラヒムが事務所として使っていたのだ。

麻薬密売組織のアジトとなるパリ郊外の団地に多数の若者が集まってくる。暴力がはびこるこの場所で白昼堂々と銃をぶっ放し争いが勃発する。戦地から逃げてフランスへやって来たというのに、又しても争いに巻き込まれるなんてヤリニには決して耐えられない。以前から彼女は親戚のいる英国に行きたいと願っていた。祖国スリランカでのディーパンは誰もが知る屈強な兵士。しかし彼は既に銃を捨ててフランスで新しい生活に溶け込もうと日々努力している。偽の妻であるヤリニともなんとか上手くやってきた。そんな折、平和に暮らせると思っていたフランスで、それもディーパンの目の前で麻薬密売組織の抗争が勃発したのだ。
闘いを捨てた男がとうとう怒りを爆発させる。怒りに怒ったディーパンはやむなく銃を手に取る。がむしゃらに闘うディーパンの怒りはほんとスゴかった!まるでヤクザの闘いのようなシーンに唖然とする。

偽夫婦のディーパンとヤリニの間に恋愛感情は全くない。実際のヤリニは独身でまだまだ若い。ちょっとオシャレをして老人の部屋で出会う異国人のフラヒムにほのかな恋心を見せるヤリニの姿が可愛い。
フランス人俳優ヴァンサン・ロティエは冷血漢フラヒムを怪演している。この俳優は優しい顔立ちなので、相反してますます凄みが伝わってくる。
ほとんど演技の経験がないという3人のスリランカ人にびっくり。見ていてとてもリアルでドキュメンタリーのようにも映るのはそのせいかも知れない。
英国でのラストに救われる。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-03-09 00:01 | フランス | Trackback(5) | Comments(0)

「これが私の人生設計/生きていてすみません!」

「Scusate se esisto!」2014 イタリア
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イタリアの大田舎に生まれたセレーナには素晴らしい絵の才能があった。やがて国内外で学位を修め、若くしてロンドンで建築家として花開く。しかし雨ばかり降るロンドンに嫌気がさしイタリアへ戻る決心をする。やがてローマに落ち着き職探しを始めるが、男社会の建築業界で苦悩することになる…

原案、脚本、出演(セレーナ・ブルーノ)に「ジョルダーニ家の人々/2010」のパオラ・コルテレージ。
フランチェスコに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」のラウル・ボヴァ。
セレーナの同僚ピエトロにコッラード・フォルトゥナ。
セレーナのボスのアシスタント、ミケーラに「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のルネッタ・サヴィーノ。
フランチェスコの恋人ニコラにマルコ・ヴォッチ。
監督、原案、脚本は「ようこそ、大統領!/2013」のリッカルド・ミラーニ。

配給がついていない作品が多いので毎年楽しみにしているイタリア映画祭。一番最初に観たのが本作。今年はコメディが多いんだろうか?最初に観た作品がとても面白いコメディで大満足だった。

映画に戻って...
預金も尽き果てアルバイトでもして稼ごうと思ったセレーナはレストランでウエイトレスの仕事を始める。オーナーのフランチェスコは離婚歴のある子持ちの超イケメン。仕事が終わり家に送ってくれるフランチェスコに心は乱れ落ち着かない。しかし彼はゲイだった。
父親であるがゆえに愛する一人息子にゲイだと告げられない彼と、とても有能なのだけど女ということで企業に相手にされない彼女の組み合わせが面白い。フランチェスコに助けられ乗り切ったかに見えたセレーナだったが…現実はそう甘くはない。でもラストはとても爽やかだった。

ラウル・ボヴァのこのようなコミカルなキャラは初めて見た。「トスカーナの休日」と「向かいの窓」でヒロインをとろけさせた彼とは思えない。まぁ10年の歳月もありだが…ラウル・ボヴァは40代の味わい深い男性に変化していてますますゴージャス。
シリアスなドラマ「ジョルダーニ家の人々」で、精神科医を演じていたパオラ・コルテレージは絶対コメディが似合う。
監督と共にホールに現れた素顔のパオラ・コルテレージがチャーミング。

有楽町朝日ホールにて

2015年5月上映の際は配給がついてなかったが、とても面白いドラマだったのでやはり一般公開された。
現在新宿ピカデリーにて上映中
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by margot2005 | 2016-03-07 20:39 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「サウルの息子」

「Saul fia」2015 ハンガリー
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1944年10月、ポーランドのアウシュビッツ(ビルケナウ)収容所。ハンガリー系ユダヤ人のサウルはゾンダーコマンドとして働いている。彼の仕事は同胞であるユダヤ人の死体処理。ある日ガス室で生き残った少年を発見するが、直ちに医者が呼ばれ殺されてしまう。やがてサウルは彼を手厚く葬ろうとラビを探し始める…

サウルにルーリケ・ゲーザ。
監督、脚本はネメシュ・ラースロー。

カンヌ国際映画祭グランプリ/ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞/アカデミー賞外国映画賞と華やかなる受賞歴。
かなり前(昨年?)にシアターで予告編を見て、一般公開されてもアウシュヴィッツものはあまり見たくないとずっと躊躇していた。でもアカデミー賞外国映画賞にも輝いたし、ちょっと見てみるかと重い腰を上げて見に行った。サービスディ(夕方の回)に行ったらかなりの人で、最終回はたぶんもっと入っていたはず。

少年はサウルの実の息子ではない。しかし少年を我が息子と自身に言い聞かせ埋葬にこだわり続ける。アウシュビッツ(ビルケナウ)ではナチスたちは人間であるユダヤ人を“部品”と呼んでいる。ここで生きのびるにはひたすら感情を押し殺して行動しなくてはならない。サウルは日々失われそうになる人間としての尊厳を保つため少年の埋葬にこだわったに違いない。

酷いシーンはぼかしてあるので良く見えないが、女性と子供の泣き声は聞こえて来る。なのでより以上に想像力をかきたてられ、途中でやめようかとも思うくらい見ていて辛かった。
ラスト…希望が見えたのに…結末は哀しい。

サウルを演じるルーリケ・ゲーザは詩人であり、現在小説を執筆する才人。レイフ・ファインズとアントニオ・バンデラスを足して2で割った風貌。全編を通じて見せる彼の哀しげな目が記憶に残る。
“ビルケナウ”はドイツ語で「白樺の谷」を意味するという。ラストシーンは正に“白樺の谷”だった。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-03-04 23:27 | ヨーロッパ | Trackback(9) | Comments(0)

「オデッセイ」

「The Martian」2015 USA/UK
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火星の有人探査計画“アレス3”は猛烈な砂嵐に見舞われ、早々にミッションを中止することになる。やがて撤収作業を行う中、折れたアンテナの直撃を受け一人の宇宙飛行士マーク・ワトニーが吹き飛ばされてしまう。宇宙船ヘルメス号の船長ルイスはワトニーを助けようとするが強烈な砂嵐に行く手を阻まれ他のクルーの安全を優先して火星から脱出する...

マーク・ワトニーに「ミケランジェロ・プロジェクト/2014」のマット・デイモン。
メリッサ・ルイスに「クリムゾン・ピーク/2015」のジェシカ・チャスティン。
テディ・サンダースに「消されたヘッドライン/2009」のジェフ・ダニエルズ。
アニー・モントローズに「ローラーガールズ・ダイアリー/2009」「LIFE!/ライフ/2013」のクリステン・ウィグ。
リック・マルティネスに「クラッシュ/2004」「ワールド・トレード・センター/2006」「ザ・シューター/極大射程/2007」「大いなる陰謀/2007」「グッド・ドクター 禁断のカルテ/2010」「アメリカン・ハッスル/2013」のマイケル・ペーニャ。
ベス・ヨハンセンに「ザ・シューター/極大射程/2007」「127時間/2010」のケイト・マーラ。
アレックス・フォーゲルに「ヘッドハンター/2011」アクセル・ヘニー。
クリス・ベックに「ブラック・スワン/2010」「ファインド・アウト/2012」のセバスチャン・スタン。
ミッチ・ヘンダーソンに「ジュピター/2015」のショーン・ビーン。
ビンセント・カプーアに「キンキー・ブーツ/2005」「インサイドマン/2006」「アメリカン・ギャングスター/2007」「2012/20009」「それでも夜は明ける/2013」のキウェテル・イジョフォー。
監督、製作に「プロヴァンスの贈りもの/2006」「アメリカン・ギャングスター/2007」「ワールド・オブ・ライズ/2008」「ロビン・フッド/2010」「プロメテウス/2012」「悪の法則/2013」「エクソダス:神と王/2014」のリドリー・スコット。

猛烈な嵐が去った後、植物学者の宇宙飛行士ワトニーは火星に一人ぼっちで取り残されてしまった。通信は途絶え食料は足りないし、次に宇宙船が来るのは4年後。追いつめられた過酷な現状でありながら、彼は残りの食料の在庫を調べ、記録用のカメラにはユーモアを交えて話す余裕。あのポジティブな精神に脱帽する。演じるマット・デイモン最高だった。
最後に唯一の食料となったじゃがいもは、栽培方法もさることながら食べ方も興味深い。ケチャップがなくなった時には薬品を塩胡椒代わりにしたりして、ナイス・アイデア。

NASAのテディ・サンダースとアニーが残された飛行士ワトニーを見捨てるのが随分と早いなぁとも思った。まぁ宇宙船ヘルメス号は既に帰還中だったし、彼らを火星に戻す事はできない。でもヘルメス号クルーたちはワトニー飛行士が生きていることを知らなかった。それはあえてNASAが知らせなかったから…。とにかく金がかかり過ぎる…一人の飛行士を救うために莫大な金が必要となる。NASAの一人の女性エンジニアが火星での動きをキャッチしてワトニー飛行士生存情報を確認しなければ彼は地球へと戻って来れなかったかも知れない。ワトニー飛行士はマジで強運の持ち主。

宇宙飛行牛アレックス・フォーゲル役で「ヘッドハンター」のノルウェー人俳優アクセル・ヘニーの出演が嬉しい。キウェテル・イジョフォーやショーン・ビーンとキャストも豪華。

月曜日にWOWOWでアカデミー賞中継を見て、やはり下馬評どうり主演男優賞はレオナルド・ディカプリオだった。本作のマット・デイモンもすごく良かったけど残念でした。司会者クリス・ロックによる「The Martian」のパロディは強烈だった。

TOHOシネマズ日本橋にて
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by margot2005 | 2016-03-02 23:40 | USA | Trackback(7) | Comments(2)