「ほっ」と。キャンペーン

<   2016年 01月 ( 8 )   > この月の画像一覧

「ナショナル・シアター・ライヴ2016/ハムレット」

「National Theatre Live: Hamlet」2015 UK
a0051234_2332430.jpg

ベネディクト・カンバーバッチのハムレットは素晴らしかった!
カンバーバッチの魅力は何といってもあのsexyなバリトンの声。堪能したのは言うまでもない。

舞台劇「ハムレット」は少々現代のテイストを取り入れている。電話にカメラに卓上灯etc.
ハムレットと彼の親友のホレイショーは普通のパンツにシャツとスニーカーを着用し、ホレイショーはタトゥまで入れている。
オープニングでハムレットが耳を傾けるレコードから流れる曲はナット・キング・コールと違和感ずくめ。ただオフィーリアのパンツ姿は少々頂けなかったかな?
王クローディアスや侍従長でオフィーリアの父親ポローニアスは三つ揃いを着ている。反面、王妃ガートルードだけはいつもドレス姿で舞台に溶け込んでいる。でも見ていて次第に彼らの服装に違和感を感じなくなった。舞台で演じる俳優たちの気迫に圧倒されたのかも知れない。

シェイクスピアの四大悲劇の一つながら笑えるシーンや台詞もあって退屈させない展開となっている。何といってもカンバーバッチのハムレットが最高にチャーミング!
カンバーバッチ完璧ながら、ハムレットの叔父クローディアスを演じるキアラン・ハインズが、兄を殺して兄嫁(クイーン)を我がものにする卑劣漢役にぴったり。
王妃ガートルードを演じるアナスタシア・ヒルも素晴らしかった。

舞台劇が始まる前にカンバーバッチのインタビューがあり合わせて上映時間は210分。途中でインターミッションあり。
期間限定、朝と夜二回の上映。朝からシアターに行けないので夜の回に見たが、平日にも関わらずカンバーバッチ、ファン多しで驚いた。

「ハムレット」映画…過去に見たのはローレンス・オリヴィエ 、メル・ギブソン、ケネス・ブラナーが主演。そしてロシア版や、現代のNYを舞台にイーサン・ホークがハムレットを演じたものもある。で、やはりカンバーバッチ、ハムレットは最高。

TOHOシネマズ日本橋にて

原作ウィリアム・シェイクスピア。
舞台演出リンジー・ターナー。
ハムレットに「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」のベネディクト・カンバーバッチ。
クローディアスに「ミュンヘン/2005」「マリア/2006」「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド/2007」「裏切りのサーカス/2011」「ラブストーリーズ エリナーの愛情/2013」「ラブストーリーズ コナーの涙/2013」のキアラン・ハインズ。
ガートルードに「善き人/2008」「スノーホワイト/2012」のアナスタシア・ヒル。
オフィーリアにシアン・ブルック。
先王の亡霊に「ターナー、光に愛を求めて/2014」カール・ジョンソン。
ホレイショーに「落下の王国/2006」のレオ・ビル。
ポローニアスに「恋人たちのパレード/2011」「ジミー、野を駆ける伝説/2014」のジム・ノートン。
レアティーズにKobna Holdbrook-Smith。
[PR]
by margot2005 | 2016-01-27 23:41 | UK | Trackback | Comments(0)

「完全なるチェックメイト」

「Pawn Sacrifice」2014 USA
a0051234_23284332.jpg

アメリカの天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの数奇な人生を、描いた伝記ドラマ。

製作、出演(ボビー・フィッシャー)に「マイ・ブラザー/2009」「とらわれて夏/2013」のトビー・マグワイア。
神父ビル・ロンバーディに「エレジー/2008」「17歳の肖像/2009」「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー/2013」「ブルージャスミン/2013」のピーター・サースガード。
ボリス・スパスキーに「コレラの時代の愛/2007」「ディファイアンス/2008」「大統領の執事の涙/2013」「ジゴロ・イン・ニューヨーク/2013」のリーヴ・シュレイバー。
弁護士ポール・マーシャルに「ヒッチコック/2012」「ブルージャスミン」のマイケル・スタールバーグ。
ボビーの姉ジョーン・フィッシャーに「幸せのレシピ/2007」のリリー・レーブ。
ボビーの母親レジーナ・フィッシャーに「50歳の恋愛白書/2009」「セッションズ/2012」のロビン・ワイガート。
監督、製作は「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い/1994」「ラスト サムライ/2003」「ブラッド・ダイヤモンド/2006」「ディファイアンス/2008」のエドワード・ズウィック。

子供の頃からチェスにのめり込み才能を開花させていったボビー・フィッシャー。やがて傲慢で自信家の男に成長した彼は母親とは不仲で恋人もなく姉のジョーンが唯一の理解者。そして元チェスプレイヤーの神父ロンバーディと弁護士マーシャルが支えだが、ことあるごとにボビーは彼らに不満をぶつけている。
1972年、アイスランドのレイキャビクでチェスの世界王者決定戦が開催される。当時米ソは冷戦下にあり、そんな折、ソ連の現チャンピオンのボリス・スパスキーにアメリカ代表のボビー・フィッシャーが挑戦することになる。

チェスの世界選手権がレイキャビクで行われるなんて全く知らなかった。対戦する会場には観客がおりTVカメラが試合の行方を撮影している。試合開始後、ボビーはカメラの回る音が気になると言い、あげくは観客が気になって集中出来ないと言い出す。とんでもないわがままに翻弄される周囲の人々。しかしボビーの言い分が聞き入れられピンポン台が置かれていた狭い部屋で試合に望むシーンはなんだか滑稽で、ボビーに対してボリスはなんと大人の男かと思った。
天才って奇怪な行動を取るのかも知れない。でもボビーはこの試合に勝ってアメリカで英雄に祭り上げられる。

「スパイダーマン」シリーズで有名になったトビー・マグワイアも既に40歳。この方童顔なので年齢より若く見える。映画でも始めはうーんと若い役を演じているし…。
トビー・マグワイアと言えば「サイダーハウス・ルール/1999」「シービスケット/2003」がナイス・キャスティングでとても良かった。ニ作とも物語もナイス。「華麗なるギャツビー/2013」のニック役も中々良かったけど、本作の彼は製作にも加わっているだけあって迫真の演技が光っている。
エドワード・ズウィック映画を見るのはホント久しぶり。

ドラマの中で一時期アメリカでチェス・ブームが起きたことが語られる。
昔(70〜80年代)チェスをしたことがある。“チェス入門”なる本も買い何度もトライしたが難し過ぎて、凡人の頭では無理なのかも知れない。今でもゲーム器は家にあるが全くしなくなった。

チェス映画で思い出深いのはジョン・タートゥーロ&エミリー・ワトソンの「愛のエチュード/2000」。それは切ないラヴ・ストーリでもある。本作の主人公はチェス一筋に生きた男の物語で、主人公は実在の人物。
チェスプレイヤーは天才的な頭脳を持つ。「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」で“エニグ マ”解読のために集められた天才的な頭脳を持つ面々の一人にチェスの英国チャンピオンが選ばれている。

TOHOシネマズ・シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-27 00:06 | MINI THEATER | Trackback(2) | Comments(2)

「あの頃エッフェル塔の下で」

「Trois souvenirs de ma jeunesse」…aka「My Golden Days」2015 フランス
a0051234_021550.jpg

a0051234_044333.jpg
a0051234_00251.jpg
a0051234_024474.jpg

人類学者で外交官でもあるポール・デダリュスは長い外国暮らしに幕を閉じ故郷のフランスへ帰国する。しかし空港でパスポートに問題ありと入国を拒否される。やがて取調官が現れポールは過去を語り始める...

ポール・デダリュスにカンタン・ドルメール。
エステルにルー・ロワ=ルコリネ。
ポール・デダリュス(大人)に「カミーユ、恋はふたたび/2012」のマチュー・アマルリック。
ポールの父親アベル・デダリュスに「キングス&クイーン/2004」「96時間/2008」「君を想って海をゆく/2009」「神々と男たち/2010」「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて/2010」「96時間/リベンジ/2012」のオリヴィエ・ラブルダン。
ポールの弟イヴァン・デダリュスにラファエル・コーエン。
ポールの妹デルフィーヌ・デダリュスにリリー・タイエブ。
取調官に「パリよ、永遠に/2014」のアンドレ・デュソリエ。
ソ連のポールの恋人イリーナに「やさしい嘘/2003」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「愛、アムール/2012」「1001グラムハカリしれない愛のこと/2014」のディナーラ・ドルカーロワ。
コヴァルキにピエール・アンドロー。
コヴァルキ(大人)に「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者/2010」のエリック・リュフ。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のアルノー・デプレシャン。

パスポートは偽物と言う事実を突きつけられポールは過去に思いを馳せる。
精神に異常をきたし自殺を図った母親。妻の死から立ち直れない父親アベル。やがてソリが合わなくなった父親とポールは絶縁状態となる。しかしポールにはとても仲の良い弟イヴァンと妹デルフィーヌがいた。
思い起こせば高校時代親友とソ連へスリリングな旅をした際パスポートを盗まれたと偽り再発行申請していた。だがそのパスポートはユダヤ人青年を助けるため彼に与えたもので、ポール・デダリュスはユダヤ人に取って代わっていたのだ。高校生活に戻ったポールはデルフィーヌの同級生エステルと出会い恋に落ちる。卒業後ポールは憧れのパリ大学に進学するがエステルは故郷 ルーベに残ることになる。

恋人を取るか仕事を取るか?との究極の選択に迫られたポールは仕事を選ぶ。こういったシチュエイションに置かれた時の人ってスゴくツライだろうな?と感じる。ラスト近くでポールがずっとエステルを愛していたことが語られあっと思った。
パリに戻ったポールがオペラを鑑賞した劇場で偶然にもコヴァルキと再会する。中年になったエステルも登場するのか?とも思ったけど…やはり出てこなかった。スクリーンが青春時代のポールに戻る大ラスはとても良かったな。
邦題の「あの頃エッフェル塔の下で」は全くタイトルにふさわしくない。エッフェル塔の下の二人が映ったのは確か一回だけだったと思うけど…。

本作は「そして僕は恋をする/1996」と同じ役 名でアルノー・デプレシャンとマチュー・アマルリックがコンビを組んだという。「そして僕は恋をする」は未見なので是非見てみたい。
こうして見るとデプレシャン監督はマチューが相当好きらしい。

マチュー大好きなので楽しみにしたいた一作ながら中々見に行けなくてやっと見れた。
ドラマはポールの若い頃を中心に描いているのでマチューの出番は少ない。
若いポールを演じるカンタン・ドルメールと、恋人エステル役のルー・ロワ=ルコリネには初めてお目にかかった。ルーのキュートさは若かりし頃のブリジット・バルドーを彷彿とさせる(顔のみ)。

Bunkamura ル・シネマにて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-21 00:15 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「フランス組曲」

「Suite Française」2014 UK/フランス/カナダ/ベルギー
a0051234_22262570.jpg
a0051234_22261248.jpg

1940年6月のフランス、ビュシー。ドイツ軍の侵攻によりパリから多数の市民がこの地にも押し寄せて来る。リュシルは戦地に行った夫を待ちながら厳格な義母との二人暮らし。アンジェリエ家は裕福で大きな屋敷を所有しているため、ドイツ軍が将校の滞在先として選びブルーノ・フォン・ファルク中尉がやって来る...

リュシル・アンジェリエに「アイム・ノット・ゼア/2007」「彼が二度愛したS/2008」「ブローン・アパート/2008」「ブルー・バレンタイン/2010」「テイク・ディス・ワルツ/2011」のミシェル・ウイリアムズ。
アンジェリエ夫人に「パリ3区の遺産相続人/2014」のクリスティン・スコット・トーマス。
ブルーノ・フォン・ファルク中尉に「ロフト/2008」「闇を生きる男/2011」「君と歩く世界/2012」「マイ・ブラザー 哀しみの銃弾/2013」「ヴェルサイユの宮廷庭師/2014」のマティアス・スーナールツ。
ブノワ・ラバリに「オン・ザ・ロード/2012」「ビザンチウム/2012」「マレフィセント/2014」のサム・ライリー。
マドレーヌ・ラバリに「アンナ・カレーニナ/2012」「ウォルト・ディズニーの約束/2013」「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」のルース・ウイルソン。
セリーヌ・ジョゼフに「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~/2013」のマーゴット・ロビー。
モンモール子爵(町長)に「華麗なるアリバイ/2007」「神々と男たち/2010」「ブラインドマン その調律は暗殺の調べ/2012」のランベール・ウイルソン。
子爵夫人に「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「わたしの可愛い人-シェリ/2009」のハリエット・ウォルター。
クルト・ボネ中尉に「ルートヴィヒ/2012」「コーヒーをめぐる冒険/2012」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」「黄金のアデーレ 名画の帰還/2015」のトム・シリング。
レーアに「愛を読むひと/2008」「セントアンナの奇跡/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「最終目的地/2009」「イマジン/2012」のアレクサンドラ・マリア・ララ。
監督、脚本は「ある公爵夫人の生涯/2008」のソウル・ディブ。

昨年からシアターで何度も、何度も予告を見て楽しみにしていた一作。第二次世界大戦下、ドイツ軍に侵攻されたフランスの田舎町の人々がベースになっているがドラマはラヴ・ストーリー。
こんなに切ないドラマを見たのは久方ぶり。それも戦争のせいで…。かなりシチュエーションは異なるが「暮れ逢い/2013」も戦争(第一次世界大戦)のせいでかなり切ない。

お気に入り俳優のマティアス・スーナールツがナイス・キャスティング。この方切ない表情がすごく上手い。そしてミシェル・ウイリアムズも切ない表情が実に似合う女優。
最近ドイツ映画以外にも出演が目立つトム・シリング。「黄金のアデーレ 名画の帰還」と同じく第二次世界大戦下の嫌われドイツ軍人がマッチしている。
出番は少ないながらモンモール子爵(町長)を演じるランベール・ウイルソンは存在感あり。
いつもながら激しい役柄が激しく似合うクリスティン・スコット・トーマス。ラストで温情を見せるところも良いな。
映画は小品ながら豪華キャスティング。

ドイツ軍の支配下に置かれた町の人々はドイツ軍人の慰みものになる人、彼らを忌み嫌う人、そしてレジスタンスに向かう人とそれぞれ。ヒロインのリュシルは軍人ブルーノの紳士的な態度や、音楽を愛する繊細な人間像に心惹かれる。やがてリュシルとブルーノは互いの感情が押さえられなくなっていることを認め密会を計画する。しかしブルーノにやっかいな出来事が起き密会は叶わなかった。

少々ネタバレ...
ラストでリュシルは生き延びるがファルク中尉が亡くなることが明かされる。あの二人の間でやはり再会は叶わなかったのだと悲しくなる。しかし互いに想いは寄せていても、再会するなんてかなり無理があるなとも感じた。不謹慎だけどブルーノが亡くなったからこそドラマ(小説)は盛り上がりを見せるのかも知れない。
2004年にフランスのみならず世界中でベストセラーとなった原作。翻訳本読んでみたい!

TOHOシネマズ・シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-16 22:51 | UK | Trackback(4) | Comments(2)

「ひつじ村の兄弟」

「Hrútar」…aka「Rams」2015 アイスランド/デンマーク/ノルウェー/ポーランド
a0051234_23261094.jpg

アイスランドの辺境の地に住む兄弟キディーとグミーは隣合う家に住みながら非常に仲が悪く40年も口を聞いていない。そして毎年開催される羊の品評会ではいつも兄弟の羊が優勝を競い合っている。そんな折、キディーの羊が疫病に侵されていることが発覚する…

グミーにシグルヅル・シグルヨンソン。
キディーに「ザ・ディープ/2012」のテオドール・ユーリウソン。
保健所のカトリンに「馬々と人間たち/2013」のシャーロッテ・ボーヴィング。
監督、脚本はグリームル・ハゥコーナルソン。

保健所の立ち入り調査が入り村の全ての羊が殺処分されることになる。先祖代々の羊が絶滅の危機にさらされてしまい、焦ったグミーは牡の羊1匹と数匹の牝羊を繁殖のため家の地下に隠すことを思いつく。

アイスランド発のヒューマン・コメディドラマは大笑いするほどのものではないが、愛する羊たちのために人間がバタバタする様子が描かれていて面白かった。
「馬々と人間たち」と同じくアイスランド映画はどこか可笑しい雰囲気を漂わせるのだ。

初老の兄弟は共にシングルで非常に仲が悪い。しかしながらそこはやはり血を分けた仲。弟が酔っぱらって雪の上で眠った兄を介抱したり病院へ運んだりする。渋々ながらではあっても。
トラクターで病院へ運ぶ(荷物を載せる部分に人間をのせる)シーンに唖然とし、兄弟は会話しないので手紙を書いて犬に届けさせる様子は微笑ましくなる。
何はともあれグミーにとって羊はまるで愛するペットのよう。ぎゅっと抱きしめ頬すりしたあげくキスまでするのだから。臭くないのか?と何度も思った。俳優は大変だ!
大ラスの兄の深い愛にびっくり。あれは完璧アイスランドのやり方だと思う。

アイスランドと言えば火山と歌姫ビョークくらいしか思い浮かばないが牧羊(羊毛)が盛んらしいことを知った。
映画の中で描かれるアイスランドの過酷な冬は凄まじい。見ていて印象に残ったのは兄弟がいつも着ている温かそうなロピセーター。なぜか?セーターはヒゲもじゃの顔にとてもマッチしている。スコットランド、アラン島のフィッシャーマンズセーターも素敵だがロピセーターもかなり素敵だ。

新宿武蔵野館にて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-13 23:56 | ヨーロッパ | Trackback(4) | Comments(0)

「マイ・ファニー・レディ」

「She's Funny That Way」2014 USA
a0051234_23265064.jpg

ハリウッドの新進女優イジーことイザベラ・パターソンはニューヨークのとあるバーでインタビューを受けている。イザベラはコールガールから女優になったシンデレラ・ガール。インタビュアーの無遠慮な質問にも顔色一つ変えずに答える度胸の持ち主。そしてイザベラはある人物と出会ったことで自らの人生が変わっていったことを詳細に話始める...

アーノルドに「トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合/2006」「ダージリン急行/2007」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」「映画と恋とウディ・アレン/2011」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のオーウェン・ウイルソン。
イザベラに「ジェーン・エア/2011」「25年目の弦楽四重奏/2012」「フィルス/2013」「Mr.スキャンダル/2013」のイモージェン・プーツ。
デルタに「ホリデイ/2006」「LIFE!/ライフ/2013」のキャスリン・ハーン。
ジョシュアに「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅/2013」のウィル・フォーテ。
セスに「Jの悲劇/2004」「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2007」「パイレーツ・ロック/2009]「もうひとりのシェイクスピア/2011」のリス・エヴァンス。
ジェーンに「ハニーVSダーリン 二年目の駆け引き/2006」「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」「モンスター上司/2011」のジェニファー・アニストン。
裁判官 ペンダーガストに「ビューティフル・マインド/2002」のオースティン・ペンドルトン。
イジーの母親に「ラスト・ショー/1971」「ワン・モア・タイム/1989」のシビル・シェパード。
イジーの父親に「リービング・ラスベガス/1995」のリチャード・ルイス。
探偵にジョージ・モーフォゲン。
インタビュアーに「ファクトリー・ガール/2006」のイリアナ・ダグラス。
監督、脚本は「ラスト・ショー/1971」「ペーパー・ムーン/1973」「マスク/1984」「カンヌ 愛と欲望の都/2002/出演」のピーター・ボグダノヴィッチ。

イザベラはコールガール時代にお客として演出家のアーノルドと出会う。彼はその時“この仕事を辞めるなら、君に3万 ドルをあげよう”と奇妙でいて寛大なオファーをする。驚きつつもそれを受け入れたイザベルは夢でもあった女優の仕事につくため舞台のオーディションにチャレンジする。
そしてあろうことかイザベラはオーディションで演出家のアーノルドと再会。彼の妻デルタは舞台劇の主演女優で相手役の売れっ子俳優セスとはただならぬ仲。結局イザベラはアーノルド以外の全員に気に入られオーディションに合格する。舞台脚本家のジョシュアはイザベラを絶賛し食事に誘う。しかしレストランでジョシュアの元カノのジェーンと遭遇…とかなりドタバタしていて面白い。
他にもコールガールのイザベラが大好きな裁判官 ペンダーガストや、彼が雇った探偵がジョシュアの父親だったり、イザベラの精神科医がジェーンだったりともうカオス状態。

ドラマはウディ・アレンが作ったのか?と思うほど雰囲気が似ている。ピーター・ボグダノヴィッチは遥か昔の人であることは確か。軽いタッチで描かれるドラマはホントにボグダノヴィッチ?と疑いたくなるくらい、彼の有名作品とは趣が異なっているように感じる。
でもとにかくスゴく良かった。このタッチのハリウッド映画ってあまり公開されないから尚更素敵に映る。
本人役で「イングロリアス・バスターズ/2009」のクエンティン・タランティーノ、ウエイトレス役で「ペーパー・ムーン/1973」のテイタム・オニールが出演している。そしてシビル・シェパードが実に懐かしい。
ヒロイン役のUK女優のイモージェン・プーツは目、鼻、口と全て大きいんだけどホントに可愛い。
オーウェン・ウイルソンも良い味だしてるし、リス・エヴァンスはひょうきんな雰囲気全開でコメディが似合う。コメディ女優ジェニファー・アニストンの存在も忘れてはならない。

新宿シネマカリテにて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-11 23:47 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「消えた声が、その名を呼ぶ」

「The Cut」2014 ドイツ/フランス/イタリア/ロシア/ポーランド/カナダ/トルコ/ヨルダン
a0051234_2043481.jpg

a0051234_2033448.jpg

a0051234_2042595.jpg

a0051234_204813.jpg

a0051234_2041765.jpg

a0051234_2035814.jpg

a0051234_2035076.jpg

1915年オスマン・トルコのマルディン。アルメニア人の鍛冶職人ナザレットは美しい妻ラケルと可愛い双子の娘たちと愛に満ちあふれた日々を送っている。キリスト教徒である彼は教会で祈りを捧げる善き人。しかしある夜、いきなり押し掛けてきた憲兵に、同居していた兄弟と一緒に強制連行されてしまう。
以後ナザレットは強制連行された男たちと共に灼熱の砂漠の中、毎日奴隷のように働かされる。ある日、ナザレットはアルメニア人の老人、女性、そして子供たちが疲れ果てた姿で列をなし歩く姿を目の当たりにする。ぐずぐずする者に容赦なく馬上からムチをふるう憲兵。彼らはどこへ向かっているのか?行き先には何が待ち受けているのだろうか?と自らも不安になる。やがてナザレットたちは手足を縄でつながれ行進させられ行き着いた所は谷底だった。そしてアルメニア人の男たちに処刑が言い渡される...

ナザレット・マヌギアンに「予言者/2009」「第九軍団のワシ/2010」「ある過去の行方/2013」「サンバ/2014」のタハール・ラヒム。
ナザレットの妻ラケルにヒンディ・ザーラ。
ナザレットの親友クリコルに「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「WEAPONS/シークレット・ディフェンス/2008」「ゼロ・ダーク・サーティ/2012」のシモン・アブカリアン。
ナザレットを助ける石鹸工場のオーナー、オマル・ナスレディンに「シリアの花嫁/2004」「ミュンヘン/2005」のマクラム・フーリ。
ナザレットのアメリカの親戚ナカシアンに「96時間/リベンジ/2012」「エクソダス:神と王/2014」のケヴォルク・マリキャン。
ナカシアン夫人に「アララトの聖母/2002」のアルシネ・カンジアン。
孤児院院長に「未来を生きる君たちへ/2010」「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「愛さえあれば/2012」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のトリーヌ・ディルホム。
縫製工場のピーター・エデルマンに「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「ガーディアン/2012」のモーリッツ・ブライブトロイ。
監督、脚本、製作は「太陽に恋して/2000」「愛より強く/2004」「そして、私たちは愛に帰る/2007」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN)/2009」のファティ・アキン。

ファティ・アキン監督、タハール・ラヒム主演で楽しみにしていた一作。
鑑賞したのは昨年12月末。今年一番のレビューにしたかった一作でもある。
本作を見てすぐにイタリア映画祭で見た「ひばり農園/2007」を思い出した。第一次世界大戦下のトルコに住むアルメニア人家族を描くことで始まるドラマは「ひばり農園」と全く同じ。しかし本作はトルコにおけるアルメニア人虐殺が本筋ではなく、一人のアルメニア人の家族探しの旅が大きなテーマとなっていて、トルコの砂漠からレバノン、キューバ、フロリダ、そしてノースダコタへと続く主人公の過酷な旅のエンディングに感動する。
ドラマの中、娘探しをするナザレットがチャーリー・チャプリンのサイレント映画「The Kid/キッド/1921」を見て涙を流すシーンにも心打たれた。
「そして、私たちは愛に帰る」は“愛と死”をテーマに描いた素晴らしいヒューマン・ドラマだったが、本作でもやはり“愛と死”が描かれる。
ファティ・アキンって「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN)」のようなふざけた映画を作るかと思えば、「そして、私たちは愛に帰る」や本作のような超真面目な映画も作る...やっぱり彼は鬼才なのか?!

ナザレットを演じるタハール・ラヒムはほぼ全編に出演し大熱演している。
フランス映画祭2010で見た「予言者」の主人公マリックの面影はもはやなく、多種多様な役柄が似合う俳優だ。wowowで見たジル・ルルーシュと共演のサスペンス「ジブラルタルの罠/2013」ではフランス税関の捜査官役でとても似合っていたのを思い出す。「サンバ」はもちろん最高だったし、タハールは素晴らしいフランス人俳優。
レア・セドゥと共演のロマンス・ドラマ「グランド・セントラル/2013」が見てみたい。

モーリッツ・ブライブトロイは「ひばり農園」でトルコ軍兵士役で出演している。クレジットにしっかりと入っているモーリッツの出演はワンシーンのみ、それもロング・ショットで…。トリーヌ・ディルホムの出演も少ない。
エンドクレジットでファティ・アキン監督が敬愛するマーティン・スコセッシ監督に本作を捧げている。
邦題はかなり陳腐。原タイトル「The Cut」は主人公が鍛冶職人ということもあり意味深い。

角川シネマ有楽町にて
[PR]
by margot2005 | 2016-01-07 23:00 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

HAPPY NEW YEAR!

a0051234_2325748.jpg

今年もよろしくお願いいたします。
そして今年も見に来て下さる皆さんに感謝をしたいと思います。
昨年の10月でブログを初めてちょうど10年たちました。こんなに続くとは思ってもいなかったのですが、毎日たくさんの人が見に来て下さることが励みになっていると思います。昨年は今迄で最高の鑑賞数でした。
極私的MY BEST20本(一般公開されたもので映画祭からは選んでいない)下から見た順に...

Re:LIFE~リライフ~
ローマに消えた男/自由に乾杯!
アクトレス ~女たちの舞台~
ピエロがお前を嘲笑う
キングスマン
チャップリンからの贈りもの
オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分
ボヴァリー夫人とパン屋
フレンチアルプスで起きたこと
チャイルド44 森に消えた子供たち
ターナー、光に愛を求めて
奇跡のひと マリーとマルグリット
真夜中のゆりかご
悪党に粛清を
シンデレラ
博士と彼女のセオリー
パリよ、永遠に
おみおくりの作法
おやすみなさいを言いたくて
暮れ逢い

フランス映画32本
UK映画26本
イタリア映画13本
ドイツ映画11本
その他のヨーロッパ映画13本
USA映画45本
中南米映画2本
アジア映画1本
今年は昨年より大幅に増えてシアターで鑑賞した映画は合計143本。
イタリア映画は6本が映画祭なので一般公開が少ないのに気づく。やはりフランス映画の公開が断然多い。ドイツ映画が例年になく多く公開された感じ。

レビューを書かなかった映画は3本とも有楽町&日比谷のシアターで見たい映画が満員(映画サービスデーとか…)で断られ、やむなく鑑賞したものばかり。

「テッド2/2015」「テッド/2012」は面白かったのに続は全く頂けなかった。

「マジックマイクXXL/2015」も上同様続はつまらなかった。チャニング・テイタムのダンスはスゴかったけど。

「サヨナラの代わりに/2014」はアカデミー賞女優ヒラリー・スワンクは頑張っていたけど、ヒロインを介護するエミー・ロッサムの方が断然良かった。彼女をヒロインにすれば良かったのにと思ったくらい。ヒロインの夫を演じたジョシュ・デュアメルはお気に入りハリウッド俳優の一人で、シアターでジョシュを見れて最高。

MY BESTの選び方を見ていると俳優で選んでいるような気もするが、俳優で映画を選ぶことも多いので致し方ない。
「Re:LIFE~リライフ~」はヒュー・グラントが最高だったし、「シンデレラ」はアニメも物語も大好きだから。
今年新たに加わったお気に入りUK人俳優はトム・ハーディ。
大好きなニコライ・コスター・ワルドーとマッツ・ミケルセンの映画を見れたのも良かった。新宿に現れた生マッツを見逃したのは実に残念だった。

上写真はローマRepubblicaの夜景
昨年は海外脱出叶わなかったので今年にかけたい!
[PR]
by margot2005 | 2016-01-01 23:31 | TRIP | Trackback(9) | Comments(8)