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「23年の沈黙」

「Das letzte Schweigen」…aka「The Sielende」2010 ドイツ
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ドイツの田舎町。ある日、13歳の少女が疾走し、後に死体となって発見されるが事件は迷宮入りしてしまう。そして23年後、以前と全く同じ麦畑で一人の少女が疾走する事件が起きる…

ピアに「ある愛の風景/2004」「未来を生きる君たちへ/2010」「真夜中のゆりかご/2014」のウルリク・トムセン。
ティモに「es [エス]/2002」「SOUL KITCHENソウル・キッチン/2009」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2001」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のヴォータン・ヴィルケ・メーリング。
エレナに「グッバイ、レーニン!/2003」「陽だまりハウスでマラソンを/2013」のカトリーン・ザース。
ダーヴィトに「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「血の伯爵夫人/2009」のゼバスティアン・ブロンベルク。
クリシャンに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のブルクハルト・クラウスナー。
監督、脚本は「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のバラン・ボー・オダー。

23年前に起きた事件は未解決に終わり、その事件のせいで妻と別れることになった元警官のクリシャン。一方で、警官のダーヴィトは妻を亡くしたばかりで情緒不安定に陥っている。クリシャンは今回起きた事件は23年前と同じ犯人だと考え独自に捜査を開始する。

夫とも別れ一人で暮らすエレナは23年前の事件で亡くなった少女の母親。とても酷似した事件が起き戸惑いを隠せない。そんなある日、クリシャンが訪ねて来る。やがて共に配偶者がいない二人は急接近して行く。

成功した建築家のティモは妻子に囲まれ幸せな日々を送っている。そんなある日、麦畑で疾走した少女の事件がTVから流れるのを見て愕然となる。彼は大学生の時にピアと言う一風変わった男と出会い親交を深めていた。そして二人は人には言えない共通の性癖を持っていた。やがてティモは名前を変え、過去を完全に封印して今の生活を得る。妻には知られてはならない性癖をひたすら隠して生きてきたティモは過去に引き戻され茫然自失に陥る。

過去と現在が何度か行ったり来たりする。ピア役のウルリク・トムセンはヘアー・スタイルを変え老けて見せているが、ティモを演じるヴォータン・ヴィルケ・メーリングの容貌が23年前とあまり変わらなく、ほぼ同じ時代の人間に見えて困った。
ウルリク・トムセンはドイツに移住してきたデンマーク人ピアを演じている。彼は善い人役が多いのでこういった役柄は初めて見たが、癖のあるキャラも似合っている。

クリシャンとエレナの急接近と、妻を亡くしたダーヴィトの滑稽なまでの嘆きぶりが、重いサスペンスの中でちょっと一息つける。
面白いサスペンスだったが映画のラストにすっきりしなかった。原タイトルは“最後の沈黙”で、結末はあれで良いのか?と思ったりもしたが、一番すっきりしなかったのは警官のダーヴィトに違いない。犯人は一人ではないと確信し上司に直訴するが聞き入れてもらえず事件解決と納めてしまったのだから...。

「ピエロがお前を嘲笑う/2014」が大ヒットしているのに多分便乗して1週間限定のレイトショー(だれでもワンコイン500円で鑑賞できる)で公開された(既に上映終了)。映画はDVDで上映なので画質は悪い。

新宿 シネマカリテにて
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by margot2005 | 2015-10-31 00:49 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

「Elser」…aka「13 Minutes」2015 ドイツ
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1939年11月8日、ミュンヘン。恒例のミュンヘン一揆記念演説を行っていたアドルフ・ヒトラーは、その日の悪天候によりいつもより早く演説を切り上げる。やがて人々が会場から去った後仕掛けられた時限爆弾が爆発する。それはヒトラーの演説が終わった13分後だった...

ゲオルク・エルザーに「白いリボン/2009」のクリスティアン・フリーデル。
エルザに「コーヒーをめぐる冒険/2012」のカタリーナ・シュットラー。
アルトゥール・ネーベ大佐に「白いリボン」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」のブルクハルト・クラウスナー。
ハインリヒ・ミュラーに「顔のないヒトラーたち/2014」のヨハン・フォン・ビューロー。
監督は「es [エス]/2001」「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」「ダイアナ/2013」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。

家具職人ゲオルク・エルザーはスパイなどではなくたった一人でヒトラー暗殺を実行した。自身の暗殺を知ったヒトラーは容疑者に対し徹底的な尋問を命じる。命を受けたナチスの親衛隊ネーベとゲシュタポ局長ミュラーは、“暗殺の背後に誰がいる?”と問いつめエルザー単独犯を決して信じようとしない。やがて尋問は拷問に至るがエルザーの答えは変わらない。いや変えられないのだ。単独犯なのだから…。口を割らないエルザーに業を煮やしたゲシュタポはエルザーの恋人エルザを連行してくる。

ドラマは過去に戻る…美しい湖のほとりで友人たちと音楽やダンスに興じるゲオルク・エルザー。ゲオルクは音楽を愛し、平和を愛する家具職人。ある夜、酒場で人妻エルザと出会い魅了される。エルザは暴力をふるう夫に悩まされているが子供を持つ身で別れることもできない。しかし互いに惹かれ合う二人は逢瀬を重ねて行く。
一方でナチスに対する不満を募らせるゲオルクは、ユダヤ人の友人が連行され過酷な労働を強いられていることを知りますますナチスに対して反感を抱くようになる。そこで彼は行動にでるのだ。
たった一人で組み立てた時限爆弾を森に持ち込み爆発の実験を行う。ゲシュタポも認めたように彼の作った時限爆弾はかなりの優れもの。職人のゲオルクは器用な人だったに違いない。巧妙に計画をたて実行に移したものの爆発時間がズレさぞかし悔しかったことだろう。

拷問のシーンなどとてもリアルで目を背けるシーンが多くちょっとツライ映画。でも又一つナチスが起こした悲惨な史実を知った。
原タイトルは主人公の名前。エンディングにゲオルク・エルザー本人の写真が登場する。
反ヒトラーに転じたネーベが殺されてもエルザーは殺されず、ナチスの収容所で生かされたまま1945年4月9日、ヒトラーの死の少し前に処刑された。
エンディングにゲオルク・エルザーの私生活はフィクションであると記される。そう確かに彼の私生活はドラマティックだった。

BSの旅番組で見たヒトラー演説の場所として有名なミュンヘンのビアホール“ホフブロイハウス”。そこで撮影されたのだろうか?あのシーンはスゴく臨場感があった。
トム・クルーズ主演の「ワルキューレ/2008」でもアドルフ・ヒトラー暗殺が描かれている。ヒトラー暗殺は40回以上行われたにも関わらず一度も成功しなかったと言う。暗殺においてはヒトラーはとてつもない強運の持ち主だったに違いない。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2015-10-26 23:33 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「白い沈黙」

「The Captive」 2014 カナダ
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雪に覆われるカナダ・ナイアガラフォールズの街。造園会社を営むマシューは妻ティナとスケート選手を夢見る9歳の娘キャスと幸せに暮らしている。ある吹雪の日、車に残したキャスが忽然と消えてしまう。警察に捜査を依頼するが、証拠も何もないためマシューは刑事に疑惑を持たれてしまう。妻ティナにも責められやりきれないマシューは日々車を走らせ娘探しを始める。
8年後、マシューは妻ティナと別居し、自責の念からひたすら娘探しを続けていた…

マシュー・レインに「あなたは私の婿になる/2009」「グリーン・ランタン/2011」「デンジャラス・ラン/2012」「ハッピー・ボイス・キラー/2014」のライアン・レイノルズ。
ティナ・レインに「デビルズ・ノット/2013」「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所/2014」のミレイユ・イーノス。
キャス・レインに「アウトロー/2012」のアレクシア・ファスト。
ジェフリー・コーンウォールに「死ぬまでにしたい10のこと/2003」「アンダーワールド/2003」「君への誓い/2012」のスコット・スピードマン。
ニコール・ダンロップに「RENT/レント/2005」「アンストッパブル/2010」「トランス/2013」のロザリオ・ドーソン。
ミカに「ロビン・フッド/2010」「フルートベール駅で /2013」「ノア 約束の舟/2014」のケヴィン・デュランド。
ヴィンスに「華麗なる恋の舞台で/2004」「カポーティ/2005」「デジャヴ/2006」「アイム・ノット・ゼア/2007」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命/2012」「デビルズ・ノット/2013」「パパが遺した物語/2015」のブルース・グリーンウッド。
監督、脚本、原案、製作は「秘密のかけら/2005」「クロエ/2009」「デビルズ・ノット/2013」のアトム・エゴヤン。

犯人がキャスを連れ去ったのには理由があった。ストーリーが進むにつれ、隠しカメラやインターネットでの誘いと、キャスが消えた理由がだんだんわかってくる。映画のオープニングは犯人と少女。でもドラマは犯人の日常には少ししか触れないし、少女をどのような目的で拉致したのかも最初は良くわからない。そして少女の両親の日常を時折挿みながら、主軸は捜査を進める刑事たち。ジェフリーとニコールの刑事コンビが執念を見せる。でもニコールが拉致されたのには驚いた。

ドラマは時系列で描かれないので過去と現在が行ったり来たりして少々ややこしい。
アトム・エゴヤンの世界はどれもこれもダーク。映画の舞台は雪に埋もれるカナダ・ナイアガラフォールズの街。
原タイトルは“捕虜/監禁された”とそのものずばりながら、邦題の「白い沈黙」にそそられ、白い世界にダークなサスペンスとくればドラマはかなり盛り上がるように思える。でも誘拐された少女たちをインターネットでは見れるが、どこにいるのかわからない。ラスト犯人は殺されるがどうもすっきりしなくて困った。
「デビルズ・ノット」のラストもすっきりしなかった記憶が…。それってアトム・エゴヤンの世界なのかも知れない?

俳優陣は皆素晴らしい。
先だって「ハッピー・ボイス・キラー」で少々変なキャラのライアン・レイノルズを見たばかり。本作は忽然と姿を消した娘を案じる真面目な父親役が似合っている。来月公開される「黄金のアデーレ 名画の帰還/2015」も楽しみだ。

TOHOシネマズシャンテ
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by margot2005 | 2015-10-24 22:04 | MINI THEATER | Trackback | Comments(0)

「マイ・インターン」

「The Intern」2015 USA
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インターネットのファッション通販で大成功を納めたジュールスは多忙極まる日々を送っている。ある日、福祉事業の一環としてシニアのインターン制度を始め、70歳のベンが採用される。シニア相手は苦手と及び腰のジュールスに対し、カ ルチャー・ギャップなどなんのその、あっという間に若者ばかりの会社に溶け込んだベンはオフィスの人気者になってしまう...

ベンに「グッド・シェパード/2006」「昼下がり、ローマの恋/2011」「レッド・ライト/2012」「世界にひとつのプレイブック/2012」「アメリカン・ハッスル/2013」のロバート・デ・ニーロ。
ジュールスに「インターステラー/2014」「ブルックリンの恋人たち/2014」のアン・ハサウェイ。
フィオナに「ナイトクローラー/2014」のレネ・ルッソ。
夫マットにアンダース・ホルム。
監督、脚本、製作は「ハート・オブ・ウーマン/2000」「恋愛適齢期/2003」「ホリデイ/2006」「恋するベーカリー/2009」のナンシー・マイヤーズ。

舞台がファッション通販の会社ということで、ジュールスのファッションがオシャレ!彼女の家のインテリアなんかもオシャレだし、こういったドラマは目を楽しませてくれる。
あっという間にオフィスの人気者となったベンながら待っていてもボスから仕事が来ない。そこで自ら志願しお抱え運転手となった彼はジュールスの私生活をも知ることになる。
朝から何も食べていないと言えば、チキンスープが用意され、マットや娘までが彼を気に入り、ジュールズはベンの存在が少々疎ましいなんて思い始める。しかしベンの存在はジュールズにとって大きな支えであることが次第にわかってくる。

ナンシー・マイヤーズの映画は大好きなのでロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイのコンビも面白そうで見てみようかと思いシアターへ…。
いつもラストはハッピー・エンディングになるナンシー・マイヤーズの作品。ジュールスとマット、ベンとフィオナのラストは想像どうり。最近こういったドラムを見ることが殆どないので、見終わって温かい気持ちになる。
自分のキャリアを捨ててまで家庭に入る夫マット。あれは絶対あり得ない。ドラマの展開は現実の世界ではまず起こりえないだろうな?と思えるほどでき過ぎながら良しとしてしまった。
ロバート・デ・ニーロおじいちゃん役が似合う。
「ナイトクローラー」とは打って変わったキャラのレネ・ルッソがナイス。

丸の内ピカデリーにて
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by margot2005 | 2015-10-23 00:01 | USA | Trackback(2) | Comments(2)

「ヴェルサイユの宮廷庭師」

「A Little Chaos」2014 UK
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1682年、フランス。田園地帯に一人で住むサビーヌ・ド・バラは造園家という仕事に誇りを持ち日々精進している。そんなある日、1通の書状が届く。それはルイ14世がパリのルーヴルに代わってヴェルサイユに新しい王宮を置き、自らが望む最高の庭園を造るため、民間の造園家にも参加を募るというものだった。王の庭園建設の責任者はアンドレ・ル・ノートル。サビーヌは面接のためル・ノートルの家へ向かう…

サビーヌ・ド・バラに「とらわれて夏/2013」のケイト・ウィンスレット。
アンドレ・ル・ノートルに「ロフト/2008」「闇を生きる男/2011」「君と歩く世界/2012」「マイ・ブラザー 哀しみの銃弾/2013」のマティアス・スーナールツ。
フィリップ1世、オルレアン公に「プラダを着た悪魔/2006」「ジュリー&ジュリア/2009」「モネ・ゲーム/2012」のスタンリー・トゥッチ。
マダム・ル・ノートルに「Jの悲劇/2004」「カサノバ/2005」「クィーン/2006」「007 スカイフォール/2012」のヘレン・マックロリー。
現場監督ティエリー・デュラスに「フェイス/1997」「プルートで朝食を/2005」「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」のスティーヴン・ウォディントン。
モンテスパン侯爵夫人に「高慢と偏見/1995」「抱擁/2002」「英国王のスピーチ/2010」「ゼロ・ダーク・サーティ/2012」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」のジェニファー・イーリー。
監督、脚本、出演(ルイ14世)は「大統領の執事の涙/2013」「モネ・ゲーム/2012」「暮れ逢い/2013」のアラン・リックマン。

英国俳優アラン・リックマンと言えばブルース・ウイリスの「ダイハード/1988」のテロリスト役で有名。21世紀になってからは“ハリーポッター・シリーズ”で再び有名になった。本作はとても美しい映画でアラン・リックマンの隠れた感性を知った。彼の前監督作「ウィンター・ゲスト/1997」は残念ながら見ていない。是非見てみたいものだ。

ベルギー人俳優のマティアス・スーナールツ大好きなので楽しみにしていた一作。そういえば古典ものの彼を見たのは初めて。造園家アンドレ・ル・ノートルが似合っている。
アンドレ・ル・ノートルの名前を冠した薔薇がある。ドラマの中にそのピンクの薔薇とそっくりな一輪が登場し、サビーヌから王へ贈られるシーンはとても粋な計らいだ。
本作のテーマとなる“ロカイユの木立/舞踏の間”はヴェルサイユ宮殿で見たけれど、水が流れていないと雰囲気はゼロ。何か催しのある時には現在でも使っているのかと思う。

舞台はフランスながらロケ地は英国。1680年代と同じ景色が現存するなんてさすが英国かと感嘆する。
“ほんの少しの無秩序”という原タイトルがドラマの中で語られる。
女性の地位が全く確率されていなかった時代に、男たちと渡り合うサビーヌが逞しい。演じるケイト・ウィンスレットはナイスキャスティング。
美しいものを探求するサビーヌとル・ノートル...しかし二人は愛を失った者同志。美しい田園風景をバックに描かれる二人の出会いが中々素敵に描かれている。

角川シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-22 00:20 | UK | Trackback | Comments(0)

「パパが遺した物語」

「Fathers and Daughters」2015 USA/イタリア
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1989年のニューヨーク。ジェイク・デイヴィスは小説家で妻と娘と共に幸せな日々を送っている。しかしある日、車の中で妻と口論になり事故を起こしてしまう。ジェイクと娘のケイティは無事だったが、助手席にいた妻が命を落としてしまい、自己嫌悪に苛まれたジェイクは精神に異常をきたし入院を余儀なくされる…

ジェイク・デイヴィスに「ノア 約束の舟/2014」のラッセル・クロウ。
ケイティに「クロエ/2009」「ジュリエットからの手紙/2010」「親愛なるきみへ/2010」「レ・ミゼラブル/2012」のアマンダ・サイフリッド。
幼いケイティにカイリー・ロジャース。
キャメロンに「エクソダス:神と王/2014」のアーロン・ポール。
エリザベスに「バツイチは恋のはじまり/2012」のダイアン・クルーガー。
ウィリアムに「華麗なる恋の舞台で/2004」「カポーティ/2005」「デジャヴ/2006」「アイム・ノット・ゼア/2007」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命/2012」「デビルズ・ノット/2013」のブルース・グリーンウッド。
ルーシーに「それでも夜は明ける/2013」「ANNIE/アニー/2014」のクヮヴェンジャネ・ウォレス。
セオドラに「みんなで一緒に暮らしたら/2011」「大統領の執事の涙/2013」のジェーン・フォンダ。
ドクター・コールマンに「ヘルプ~心がつなぐストーリー~/2011」「フルートベール駅で/2013」のオクタヴィア・スペンサー。
ケイティのカウンセラー、キャロラインに「アルバート氏の人生/2011」「ハンナ・アーレント/2012」のジャネット・マクティア。
監督は「最後のキス/2001」「スマイル、アゲイン/2013」のガブリエレ・ムッチーノ。

ある日、亡妻の姉エリザベスにケイティを預け長期入院していたジェイクが退院してくる。ケイティを迎えに出向いた所、エリザベスは夫のウィリアムも賛成しているのでケイティを養女にしたいと言い出す。そのようなことを受け入ることなど考えられないジェイクは即座に拒否しケイティを連れ義姉の家を後にする。しかし病状は決して安定してはいなかった。

時がたち大学院で心理学を学ぶケイティは愛する人の死から立ち直ることができず、人を愛することができなくなっていた。恋はせず、知り合った男性とはその場限りのsexを楽しむのみ。しかしある日、ジェイク・デイヴィスのファンだと言う自称作家のキャメロンと出会う。

ラッセル・クロウと言えば馬にまたがって疾走するとか、剣を振り回すとかが似合う俳優で、社会派ドラマの彼も中々魅力的だ。で、ロマンスと家族ものはどうも不釣り合いの感がある。本作は一人娘を愛してやまないお父さん役。でも期待以上に良かったラッセル。
脇を固めるケイティの叔母役のダイアン・クルーガーや、ケイティの教授ドクター・コールマン役のオクタヴィア・スペンサーに、ジェイクの本の出版人セオドラ役のジェーン・フォンダ。そしてケイティのカウンセリングを受けて立ち直る少女ルーディーを演じるクヮヴェンジャネ・ウォレスなどなど豪華な顔ぶれでドラマを盛り上げている。
幼いケイティ役のカイリー・ロジャースがとても可愛い。

ガブリエレ・ムッチーノ映画はイタリア版は良いのだが、どうもアメリカが舞台になると今ひとつなので、見ようかどうか迷っていた。でも池袋で上映していたので出かけたついでにシアターへ…。
本作を見てウイル・スミス親子の「幸せのちから/2006」を思い起こした。ジェラルド・バトラー主演の「スマイル、アゲイン」も父と息子の深い愛情を描いている。この監督こういったドラマがお好きらしい。
父と娘の間で歌った曲♩Close To You♩が印象に残る。

シネ・リーブル池袋にて
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by margot2005 | 2015-10-21 00:52 | USA | Trackback | Comments(0)

「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」

「A Most Violent Year」2014 USA/アラブ首長国連邦
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1981年、ニューヨーク。移民のアベルはオイルカンパニーを経営する実直な男で、美しい妻アナと娘に囲まれ幸せな日々を送っている。ある日、アベルは事業を拡大するため全財産を一時金にして土地を購入するが、30日以内に残金を支払わなければ頭金は戻らない。そこで残金支払いのため銀行から融資を受ける。そんな折、アベルの会社のトラックが何ものかに襲われオイルと共に消えてしまう。トラック運転手のジュリアンは傷を負い入院。そしてトラックは再び襲われ、アベルの家にも脅しがかけられる…

アベル・モラレスに「マリア/2006」「ワールド・オブ・ライズ/2008」「ロビン・フッド/2010」「ウォリスとエドワード 王冠をかけた恋/2011」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」「ギリシャに消えた嘘/2014」のオスカー・アイザック。
妻のアナに「ツリー・オブ・ライフ/2011」「英雄の証明/2011」「ゼロ・ダーク・サーティ/2012」「ラブストーリーズ エリナーの愛情/2013」「ラブストーリーズ コナーの涙/2013」のジェシカ・チャステイン。
アベルの腹心アンドリューに「タクシードライバー/1976」「あなたの死後にご用心!/1991」「ドライヴ/2011」のアルバート・ブルックス。
ローレンス検事に「ペーパーボーイ 真夏の引力/2012」「大統領の執事の涙/2013」「グローリー/明日への行進/2014」のデヴィッド・オイェロウォ。
ピーター・フォレンテに「GOAL!/ゴール!/2005」「さよなら。いつかわかること/2007」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界/2012」「アメリカン・ハッスル/2013」「デビルズ・ノット/2013」「グローリー/明日への行進」のアレッサンドロ・ニヴォラ。
トラック運転手のジュリアンに「ビトレイヤー/2013」のエリス・ガベル。
監督、脚本、製作は「オール・イズ・ロスト 最期の手紙/2013」のJ・C・チャンダー。

オイルのタンクローリーが何度か盗まれる事件が起きた時、ひょっとしてアベルの狂言?なんてとんでもないことを想像したが、アベルは真面目一筋の人間だったようだ。ローレンス検事から脱税疑惑を受けたのも元はと言えばアナのせいだし…。

アナの父親はギャング。組合のメンバーであるピーター・フォレンテもギャングで、豪邸に住んでいる。南米からの移民であるアベルとフォレンテ。そして土地持ちのユダヤ人や、韓国人の金貸しが登場するニューヨークは間違いなく人種のるつぼである。
アベルに雇われるトラック運転手ジュリアンもやはり移民者。成功した者と、アメリカン・ドリームをつかむことができなかった者のラストが哀れに映る。
ギャングの娘で、しばし過激な行動に出る妻に対し冷静で暴力を好まない夫...相反する夫婦が興味深い。

アルバート・ブルックスの出演が懐かしい。
シアターで見逃しwowowで見た「インターステラー/2014」にも出演していたジェシカ・チャステインは今ハリウッドで一番売れる女優かも知れない。ドラマの中で彼女が纏う80年代のファッションはジョルジオ・アルマーニのデザインとエンドクレジットに記されていた。とにかくスゴくゴージャス!
しかしながら、アナはとてもオシャレなのにアベルがいつも同じキャメル色のコートを着ているのが不思議だった。夫は着るものに無頓着だったのか?それとも製作者の意図なのか?理由はわからない。アベルのコート目に焼き付いてしまっている。

1981年のアメリカは原タイトルにあるように“最も暴力的な年”で統計史上犯罪が最も多い年だったらしい。
映画のシーンほとんど冬。雪が舞い、積もる寒々しいニューヨークの街が物語を盛り上げている。
ちょっと気になる俳優オスカー・アイザックとアレッサンドロ・ニヴォラの出演に興味を注がれ、シアターで予告編も何度か見て期待は高まった。サスペンスフルなタッチで進行する社会派ドラマはとても見応えがあった。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2015-10-16 22:08 | MINI THEATER | Trackback(4) | Comments(2)

「顔のないヒトラーたち」

「Im Labyrinth des Schweigens」…aka「Labyrinth of Lies」2014 ドイツ
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1958年、西ドイツのフランクフルト。戦後から10数年が経過し、国民の間ではナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていた。そんな折、ジャーナリストのトーマス・グニルカは元SS隊員の男が小学校の教師をしている事実を突き止める。やがて彼は検察庁に談判に行くが誰も彼も黙りを決め込むばかり。そんな中で一人の駆け出し検事が興味を示し、共に調査を進めて行く…

ヨハン・ラドマンに「イングロリアス・バスターズ/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「陰謀のスプレマシー/2012」のアレクサンダー・フェーリング。
ジャーナリスト、トーマス・グニルカにアンドレ・シマンスキ。
マレーネに「愛を読むひと/2008」「ハンナ・アーレント/2012」のフリーデリーケ・ベヒト。
ユダヤ人シモンに「360/2011」のヨハネス・クリシュ。
秘書エリカ・シュミットに「嵐の中で輝いて/1992」のハンジ・ヨフマン。
検事オット・ハラーにヨハン・フォン・ビューロー。
検事総長フリッツ・バウアーにゲアト・フォス。
監督、脚本はジュリオ・リッチャレッリ。

シアターで何度も予告編を見て公開を待っていた一作。
映画を見終わって元ナチスの親衛隊アド ルフ・アイヒマンの裁判の様子を描いた「ハンナ・アーレント/2012」を思い出した。

本作は1963年に“アウシュヴィッツ裁判”が行われることになったいきさつを描いた、実話が基の社会派ドラマ。
ある時、ジャーナリストのトーマスが一人の若い女性に“アウシュヴィッツって知ってる?”と聞くと“知らない!”と言う答えが返ってくる。アウシュヴィッツを知らないドイツ人ているのだろうか?と少々疑問に思った。でもそれは敗戦国の宿命として皆忘れたがっていると言う。

原タイトルは“沈黙の迷宮”。膨大なる資料からアウシュヴィッツに関わったSS隊員(容疑者8000人)を探しだす様は見ていて気が遠くなりそうになった。
忘れ去られようとしている悲惨な過去をほじくりだすことに執念を燃やす新米検事のヨハン。しかし市民からの抵抗と妨害、そして上司から圧力をかけられ、恋人のマレーネにまで非難される。そんなヨハンも一度は断念するものの、やはり最後まで“消された罪”を暴くことをあきらめなかった。
ヨハンが探し当てた容疑者を一人、又一人と追いつめて行く様は見応えがある。
終戦後、アウシュヴィッツに関わった元ナチスのメンバーたちは権力で守られていたというから驚く。

マレーネに非難されたのは、彼女の親族が元ナチスだったという事実を知りそれを伝えたから...善良な市民がナチス党員になった事実に衝撃を受ける。
一時、無理なことだとあきらめ、検事局を去るヨハンにハラーとエリカが冷たい目を送る。あのシーン良かった。

ヨハンはポーランド南部にあるアウシュヴィッツ収容所を見るためシモンを誘う。しかしその地から生還したユダヤ人シモンにとっては二度と足を踏み入れたくない場所だった。
草木が茂るアウシュヴィッツに立つヨハンとトーマスの姿が胸を打つ。
ヨハンを演じるアレクサンダー・フェーリングがナイス・キャスティング。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-12 23:13 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(2)

「バード・ピープル」

「Bird People」2014 フランス
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“鳥になった。私が見えた。― 境界線なんて、やすやすと超えられる!”

ゲイリーに「いまを生きる/1989」「S.W.A.T./2003」「アフターライフ/2009」のジョシュ・チャールズ。
オドレーに「美しい人/2008」「キリマンジャロの雪/2011」「テレーズの罪/2011」「間奏曲はパリで/2013」「彼は秘密の女ともだち/2014」のアナイス・ドゥムースティエ。
ホテルのフロント係シモンに「チャップリンからの贈りもの/2014」のロシュディ・ゼム。
オドレーの友人レイラに「恋のベビーカー大作戦/2012」のカメリア・ジョルダナ。
画家アキラにタクリート・ウォンダラー。
フランスのクライアント、ヴァンジェに「パリ、ジュテーム/2006」「クリスマス・ストーリー/2008」「ユキとニナ/2009」「大統領の料理人/2012」「愛して飲んで歌って/2014」のイポリット・ジラルド。
顧問弁護士ドン・マッカランに「S.W.A.T.(監督)」のクラーク・ジョンソン。
ゲイリーの妻エリザベスに「フォーン・ブース/2002」「メリンダとメリンダ/2004」「エンド・オブ・ホワイトハウス/2013」のラダ・ミッチェル。
監督は「レディ・チャタレー/2006」のパスカル・フェラン。
ナレーションはマチュー・アマルリック。

オドレーは住まいのあるアパルトマンからバスとSNCF(フランス国鉄)のRERに乗り、片道1時間もかけてシャルル・ド・ゴール空港にある勤務先ヒルトン・ホテルに通っている。本来は大学生だが現在休学中で、父親や職場には内緒にしている。
オドレーの仕事はホテルの客室掃除。変わり映えしない日々にうんざりしながらも頼まれれば残業してやり過ごしている。

一方でアメリカからパリにやって来たゲイリーはシリコンバレーにあるIT企業のアイランド社で働く有能ビジネスマン。今日はパリ、明日はドバイとスケジュールはぎっしり。このような日々が毎日死ぬまで続くなんて耐えられないと感じている。
やがて彼は突如行動を起こす。電話で会社に辞職を伝え、妻にはスカイプで別れを告げたのだ。

ドラマの始めのRERで乗客が話す(愚痴とか色々...)シーン。そしてホテルの玄関でゲイリーと立ち話をするシモン。シモンも私生活に問題があったりして、人間誰しも生きていれば何らかの悩みや問題を抱えているものだ。

実はドラマの展開に盛り上がりがなく、途中で眠気に襲われそうになったが(少々鼻声ぎみのマチュー・アマルリックの優しいフランス語が耳に心地よくて...)、オドレーが自由に飛び回れるスズメに変身してからスクリーンから目が離せなくなり、見終わってなんだか心が洗われたような気がした。
全く接点のない二人が出会う大ラス。ゲイリーとオドレーが“Enchante!”“Nice to meet you!"と交わすシーンがTrès Bien!

デヴィッド・ボウイの歌う♩Space Oddity♩を始めとしてMusicも素敵だ。
飛行機好きなので一度空港の側のホテルに泊まってみたいと思いつつ叶わない。映画の舞台となるのはヒルトン・ホテル。ヒルトンの近くに、やはり一流ホテルのNovotelもあった。泊まりたい!

ユーロスペースにて
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by margot2005 | 2015-10-08 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)

「ぼくらの家路」

「Jack」 2014 ドイツ
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ベルリンの街。シングルマザーのザナはボーイフレンドのフィリップを自宅に連れ込み、子供たちのことなど忘れている様子。夜中にお腹がすいて目を覚ましたジャックは知らない男が家にいることに不満を募らせる。ジャックは10歳。6歳の弟マヌエルに朝ご飯を食べさせ学校へと急ぐ…

ジャックにイヴォ・ピッツカー。
マヌエルにゲオルク・アルムス。
ザナにルイーゼ・ハイヤー。
ベッキ(共同脚本)にネレ・ミュラー=シュテーフェン。
フィリップに「THE WAVE ウェイヴ/2008」のヤコブ・マッチェンツ。
監督、脚本はエドワード・ベルガー。

母親のボーイフレンドの衣類を窓から放り投げるジャック。それは彼の嫉妬に他ならない。
二人の息子がいるにも関わらず自分の欲求を満たすことしか頭にない母親。なんという残酷な母親だろうとあきれ果てる。ジャックとマヌエルはただただ一心に母の愛を求めているのに...。母親も息子たちを愛してはいるのだが、自身の欲求を優先してしまうのだ。

ある日、ザナには子供を育てる能力がないと判断され、まだ幼いマヌエルは母親のもとに残されるがジャックは施設に送られる。施設のベッキは優しく接してくれるが、馴染めず友達はできず虐めに合う始末。
やがて夏休みがやって来る。ジャックは母親に会えると驚喜するが彼女は迎えに来なかった。しかし母親に会いたい!家に帰りたい!一心で施設を抜け出し、夜通し歩き続けてアパートにたどり着く。でもドアには鍵がかかり誰もいない。途方に暮れるジャックは母親の友人を訪ねるが、マヌエルを置き去りにしてどこかへ行ってしまっていた。

ベルリンの夜の町。母親を捜して彷徨う2人の姿が切な過ぎる。
ラスト近く、ジャックとマヌエルがさんざん探し回っても見つからなかった母親が家に戻っていた。子供を放って遊び回っていた彼女ながら、全く悪びれもせず“会いたかったわ!お腹空いてる?”なんて問いかけるシーンにぞっとした。

ラストのジャックの判断…あの時彼は10歳にして大人になったのだろう。
主人公ジャックを演じるイヴォ・ピッツカーが素晴らしい。弟を守り面倒を見る健気な姿に胸打たれる。
映画はフィクションながら、こういった家族てきっといるんだろうと想像しますます悲しくなった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-07 22:22 | ドイツ | Trackback | Comments(2)