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「夏をゆく人々」

「Le meraviglie」…aka「The Wonders」2014 イタリア/スイス/ドイツ
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イタリア、トスカーナ州の山奥。養蜂業を営むヴォルフガングには妻アンジェリカとの間に4女がいる。長女ジェルソミーナはまだ12歳ながら養蜂の技術に優れ父を助ける日々。そんな夏のある日、家族はTV番組のロケ隊に遭遇する…

長女ジェルソミーナにマリア・アレクサンドラ・ルング。
父親ヴォルフガングに「闇を生きる男/2011」のサム・ルーウィック。
母親アンジェリカに「ボローニャの夕暮れ/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」のアルバ・ロルヴァケル。
候のココにザビーネ・ティモテオ。
次女マリネッラにアニェーゼ・グラツィアーニ。
三女カテリーナにエヴァ・レア・ペイス・モッロー。
四女ルーナにマリス・ステッラ・モッロー。
ドイツ人の少年マルティンにルイス・ウイルカ。
ヴォルフガングの友人アドリアンに「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々/2005」「コッポラの胡蝶の夢/2007」のアンドレ・ヘンニック。
少年更生プログラムのイルデにマルガレーテ・ティーゼル。
TV司会者ミリー・カテナに「灼熱の肌/2011」のモノカ・ベルッチ。
監督、脚本はアリーチェ・ロルヴァケル。

長女ジェルソミーナの視点で描かれるドラマの舞台は、まるで文明など存在しないような人里離れた山奥の農村。家族は自然と共存しながら自給自足の日々を送っている。父親ヴォルフガングはドイツ出身で、家族はジェルソミーナの母と3人の妹、そして居候のココと父親以外全て女性。ヴォルフガングは家族に対し圧倒的な態度を取る支配者。次女のマリネッラは“わたしたちはまるで奴隷のよう。”と言う。

父親の独断である日、青少年更正プログラムの監視下にあるドイツ人少年マルティンを引き取ることになる。それは少年を預かることによって得られる現金収入のためだった。子供は娘ばかりで、ヴォルフガングは少年の存在が嬉しい。しかし娘たちはいきなりやって来た少年の存在に違和感を感じ始める。

ジェルソミーナはTV番組司会者ミリー・カテナの妖しくも美しい姿に魅了され、父親に内緒でTV番組のオーディションに応募する。番組は伝統的な製法で農産物を作る家族を紹介すると言うもの。
ヴォルフガングは自然と共に生きる伝統的な養蜂家の暮らしをかたくなに守ってきた。しかしジェルソミーナは外の世界へ飛び出したくてたまらない。ミリー・カテナと出会い、少年マルティンとの出会いも彼女に変化を与えたのだ。

しかしながらヴォルフガングはなんと頑固な男であることか!ある時、妻のアンジェリカが“もう我慢できない!別れるわ!”と宣うシーンがある。自己中な男に振り回される女性たち。日々、支配されこき使われながらも父親が大好きなジェルソミーナでさえうんざりする時もある。
ジェルソミーナを喜ばすため、ラクダをプレゼントするヴォルフガング。しかし当然ながらペットには無理だとわかる。トスカーナにラクダが全くマッチせずに可笑しい。

ドラマの中に養蜂のシーンが何度もでてくる。ミツバチのたてる音や風、雨の音がバック・ミュージックのようにドラマに溶け込んでいて素敵だ。

2014年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品で、実に岩波にふさわしい映画だった。
イタリア映画祭2015で上映された作品で映画祭のポスターにもなっている。
最初ポスターに映る少女のあごの部分に付いている物は何?とあまり気にしてもいなかったが、本作を見てわかった。それは蜂...少女は蜂を操ることができるのだ。

神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2015-08-29 23:06 | イタリア | Trackback(3) | Comments(0)

「ブラック・シー」

「Black Sea」 2014 UK/USA/ロシア
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元海軍の英国人ロビンソンは潜水艦に30年近く乗船してきた男。サルベージ会社での過酷な仕事は家族をも犠牲に働き続けた。しかしある日突然”もう必要がない。”の一言で解雇される。やがてロビンソンの元に昔の仲間から一攫千金の仕事が舞い込む…

ロビンソンに「サイド・エフェクト/2013」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のジュード・ロウ。
ダニエルズに「アルゴ/2012」「それでも夜は明ける/2013」「フライト・ゲーム/2014」「FRANK -フランク-/2014」のスクート・マクネイリー。
フレーザーに「ニュー・ワールド/2005」「ノウイング/2009」「アニマル・キングダム/2010」「ダークナイト ライジング/2012」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命/2012」「美しい絵の崩壊/2013」のベン・メンデルソーン。
リアムにカール・デイヴィス。
ピータースに「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ/2009」のデヴィッド・スレルフォール。
レイノルズにマイケル・スマイリー。
トビンにボビー・スコフィールド。
ブラッキーに「ウォンテッド/2008」コンスタンチン・ハベンスキー。
ザイツェフにセルゲイ・プスケパリス。
モロゾフに「誰よりも狙われた男/2013」のグリゴリー・ドブリギン。
ババにセルゲイ・ヴェクセル。
レフチェンコにセルゲイ・コレスニコフ。
ロビンソンの元妻クリシーに「ヴィーナス/2006」「善き人/2008」のジョディ・ウィッテカー。
監督、製作は「ラストキング・オブ・スコットランド/2006」「消されたヘッドライン/2009」「第九軍団のワシ/2009」のケヴィン・マクドナルド。

金塊と共に黒海に沈んだUボート捜索のボス(艦長)となったロビンソンは、英国とロシアの12人の男を集め、ダニエルズが調達してきた、ロシア製の老朽化したディーゼル潜水艦に乗り込む。
ロビンソンは“獲物の分け前”は当分にすると発表するが、潜水のプロ、フレーザーらから“ロシア人と一緒とは許せない!”と反撥の声が上がり始める。やがて潜水艦の中で英国人とロシア人の一触即発の闘いが始まる。

殺し合いにも発展した闘いの後、彼らは果たして無事金塊を手にしたのだろうか?緊迫する密室、潜水艦の中で繰り広げられる、最高に男臭い海底サスペンス・ドラマのラストは??
殺し合いに発展するのはちょっと頂けなかったけど、男のロマンというのか?密室での男のドラマは中々面白かった。で、おじさん多数のシアターに納得。

タイトルの“ブラック・シー”とはヨーロッパとロシアの間にある内海“黒海”のこと。1941年ヒトラーがソ連のスターリンに融資(戦争には金がかかる...)を求め、金塊がボートで送られたという。しかしボートは黒海のジョージア(グルジア)寄りの所に沈んだらしい。
海の底から金塊を見つけ潜水艦に積み込むシーンは迫力あった。

wowowでジュード・ロウ主演の「ドム・ヘミングウェイ/2013」を見た。今年45歳になるジュードは、かつてモテる男の代名詞的存在だった。でも「アンナ・カレーニナ」辺りから、髪の薄さも相まっておじさん化し、「ドム・ヘミングウェイ」では完璧オヤジの風貌でかつての面影は何処に…。もうロマコメは無理??

新宿武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-08-25 23:44 | UK | Trackback | Comments(0)

「あの日のように抱きしめて」

「Phoenix」2014 ドイツ/ポーランド
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1945年、6月、ベルリン。アウシュヴィッツ強制収容所から奇跡的に生還したネリーは、同じくユダヤ人の親友レネと暮らし始める。レネはネリー共にパレスチナで新しい生活を夢見ていた...

ネリーに「イェラ/2007」「東ベルリンから来た女/2012」「誰よりも狙われた男/2013」のニーナ・ホス。
ジョニーに「東ベルリンから来た女」のロナルト・ツェアフェルト。
レネにニーナ・クンツェンドルフ。
監督、脚本に「イェラ」「東ベルリンから来た女」のクリスティアン・ペッツォルト。

アウシュヴィッツから奇跡的に生還したネリーは顔に銃の傷を受け酷いありさまだった。やがて整形手術を受けることになったネリーは自分の元の顔に固執する。それは愛する夫ジョニーの元へ戻りたかったから…手術に成功し、傷も癒えたネリーはレネの反対を押し切ってジョニー探しを始める。ある夜、“Phoenix”と言うバーでジョニーを見つけ出すが、彼はもはやピアニストではなくバーで働く労働者だった。思いきって声をかけるが容貌の変わったネリーに気づかない。再びバーを訪れたネリーはジョニーと対面する。すると彼は“君は亡くなった妻に似ている。”と言い、ある事を持ちかける。それは妻のフリをしてくれれば遺産が手に入るので、二人で山分けしようではないか…と言うものだった。今でも夫を心から愛するネリーは迷いながらもこの奇妙な提案を受けることにする。
夫は本当に裏切ったのだろうか?それとも執拗なSSの追求に屈して妻を差し出したのだろうか?

このドラマは少々切なさ過ぎる。
夫は妻の声がわからなかったのだろうか?容貌が変わったといえ声は変わらない。遺産手続きに必要な書類にサインする筆跡もネリーと同じなのに全く疑わない。
やはり彼はユダヤ人である妻をSSに引き渡し、愛情もなくし、遺産のことしか考えていなかったのだろうか?とどのつまりジョニーはネリーに対する良心の呵責から逃れたい一心だったのかも知れない。

「ふたつの名前を持つ少年」と同じくナチスから生き延びたユダヤ人が主人公。都内では2作品とも公開が同じ日。
衝撃で凍りついたジョニーの顔と、してやったり顔のネリーが対照的なラストは唖然だった。
二人で乗る自転車が「東ベルリンから来た女」と被る。
監督ロナルト・ツェアフェルトはニーナ・ホスが好きらしい。
ちょっと太めでブレンダン・フレーザーに似たロナルト・ツェアフェルトが素敵だ。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2015-08-24 22:57 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(0)

「ふたつの名前を持つ少年」

「Lauf Junge laugh」…aka「Run Boy Run」2013ドイツ/フランス/ポーランド
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1942年、ポーランドのワルシャワ。父親から“自分の名前を捨てて生きのびるんだ!”と言われたことを胸に、8歳の少年スルリックはたった一人でゲットーから逃げ出し森へと逃げ込む...

スルリック/ユレクにアンジェイ&カミル・トカチ。
マグダ・ヤンチック夫人にエリザベス・デューダ。
農園の女主人ヘルマン夫人に「愛を読むひと/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」のジャネット・ハイン。
SS将校に「白いリボン/2009」「東ベルリンから来た女/2012」「パッション/2012」のライナー・ボック。
モシェ・フレンケルにイタイ・ティラン。
監督はペペ・ダンカート。

森に逃げ込んだスルリックは疲れ果て一軒の家の前で倒れてしまう。その家の主はパルチザンでマグダと名のるヤンチック夫人が一人で住んでいた。彼女は少年を温かく迎え入れ衣服、食事、ベッドをを与える。ヤンチック夫人はスルリックにユダヤ人の名前を捨てポーランドの孤児に成りすまして生きた方が良いと説得する。そしてカトリックの祈りを教え、孤児にふさわしい身の上話も作り上げる。父親からユダヤ人であることを忘れてはならないと諭されていたスルリックながら、生きていくためにポーランド人孤児ユレクと名のる決心する。しばしの平和な日常も長くは続かず、いつSS(ナチス親衛隊)がやってくるとも知れず、スルリックはヤンチック夫人の家を出て行かざるを得なかった。その後過酷な逃亡生活の後終戦を迎える。

実話を基に描かれたドラマは前評判が良いのかシアターはかなり混雑していた。
映画のタイトルにあるように、少年は走って、走って生き延びることができた。戦争が集結し、少年を最後に保護した鍛冶屋の家に、ある日一人の男がやってくる。モシェ・フレンケルと名のる彼にはユダヤ人の孤児を家族のもとへ返す任務があった。少年は頑に自分はユダヤ人でないと主張するが、フレンケルの説得で折れ、かつて暮らしたゲットーへ足を運ぶ。しかしゲットーに家族は誰もいなかった。やがてフレンケルは少年に鍛冶屋の元へ戻るか新天地イスラエルへ旅立つか重大な決断を求める。

ホロコーストを生き延びたヨーロッパのユダヤ人が多数パレスチナに移民し、アラブ人やイギリス軍と戦ってイスラエル建国を迎える、監督、製作オットー・プレミンジャー、ポール・ニューマン主演のアメリカ映画「栄光への脱出(Exodus)/1960」を思い出した。

スルリックはなぜ自分は捕えられなければならないのか?と疑問に思うほどの余裕もなく、助けを求めるも、時には門前払いされたり、SSに突き出されたりしつつ、ヘルマン夫人の農園で片腕まで失ったが生き延びたのだ。しかしただユダヤ人と言うだけで手術を拒否された少年の辛さは如何ばかりだったろう?戦争の酷さをひしひしと感じるシーンだった。

映画のラストにイスラエルで妻子や孫に囲まれてサッカーに興じる本人(ヨラム・フリードマン)が映し出される。
主人公を演じるのはアンジェイ&カミル・トカチの双子の兄弟。オーディションで選ばれたという彼らが素晴らしい演技を見せてくれる。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-08-23 20:11 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)

「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」

「Love & Mercy」2014 USA
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60年代、マネージャーを勤める威圧的な父親との確執から始まり、過酷なツアーと、常にトップにいることにプレッシャーを覚えたブライアンはドラッグとアルコールに救いを求め引きこもりの上肥満化して行く…
80年代、すっかり過去の人となっていたブライアンは、ある日車を買いに自動車販売店を訪ねる。
乗ってみた青いキャデラックをいたく気に入った彼は、セールス・ウーマンのメリンダにも心惹かれデートに誘う…

80年代のブライアン・ウィルソンに「ペーパーボーイ 真夏の引力/2012」「大統領の執事の涙/2013」のジョン・キューザック。
60年代のブライアン・ウィルソンに「キング 罪の王/2005」「リトル・ミス・サンシャイン/2006」「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド/2007」「ルビー・スパークス/2012」「それでも夜は明ける/2013」のポール・ダノ。
メリンダ・レッドベターに「幸せのセラピー/2007」「ブッシュ/2008」「やさしい嘘と贈り物/2008」「スリーデイズ/2010」「崖っぷちの男/2011」のエリザベス・バンクス。
ユージン・ランディに「幻影師アイゼンハイム/2006」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~/2009」「終着駅 トルストイ最後の旅/2009」「それでも夜は明ける/2013」「ウォルト・ディズニーの約束/2013」のポール・ジアマッティ。
マイク・ラブに「ザ・ホスト 美しき侵略者/2013」のジェイク・アベル。
デニス・ウィルソン「フットルース 夢に向かって/2011」のケニー・ウォーマルド。
カール・ウィルソンにブレット・ダヴァーン。
監督、製作は「イントゥ・ザ・ワイルド/2007」「ツリー・オブ・ライフ/2011」「それでも夜は明ける/2013」の製作者ビル・ポーラッド。

ザ・ビーチ・ボーイズもブライアン・ウィルソンももちろん知っている。本作は“ザ・ビーチ・ボーイズ”の伝記ドラマではなく、ブライアン・ウィルソンの栄光と苦悩の半生を描いた人間ドラマ。

映画は見ようかどうしようか?と迷いながら見に行った。全く期待していなかったので見終わってちょっと感動。60年代のあのサウンドを作った天才ミュージシャン、ブライアン・ウィルソンにこのような悲惨な過去があり、彼を支えたメリンダという素晴らしい女性の存在も知った次第。二度と結婚はしないと言いながらメリンダと再婚したブライアンは幸せになれたようだ。

60年代のブライアンと80年代のブライアン...ジョン・キューザックとポール・ダノがブライアン・ウィルソンを演じているということは、二人は似ているのだろうか?そういえばどことなく似てる雰囲気はある。
ドラマの中でポール・ダノも歌っている。あの独特の高音も中々上手い。
カリフォルニアのビーチリゾート、マリブに建つ瀟洒な館にはもちろんプールがあり。リヴィングに置かれたピアノがビーチの砂の上に鎮座している。そして“僕らはサーフィンはやらない。”なんて言っていたのが可笑しかった。

お抱え精神科医ユージン・ランディの異常なる監視とも思える行動や、過剰なまでに処方する薬の数々。ブライアンの屋敷の家政婦が飲みすぎないよう薬を隠していたのには驚いた。やがて金目当てにブライアンに取り憑くユージンは後にメリンダの手によって訴えられ、ブライアンは正気を取り戻すのだった。

映画のタイトルになっているブライアン・ウィルソンの歌う「Love & Mercy」がラストに流れる。
上にも書いたようにメリンダという女性が素晴らしい。80年代のメリンダのファッションもスゴく素敵だし...。演じるエリザベス・バンクスもナイスキャスティング。もちろんブライアン役の二人、ジョン&ポールもナイスだし、ユージン役のポール・ジアマッティも、とにかく配役が素晴らしかった。

角川シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-08-21 22:52 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「彼は秘密の女ともだち」

「Une nouvelle amie」…aka「Je suis femme」「The New Girlfriend」2014 フランス
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少女の頃から大の親友だったクレールとローラ。互いに伴侶を得、幸せな日々が続くかに見えたが、ローラは病に倒れ夫と幼い娘を残して亡くなってしまう...

ダヴィッド/ヴィルジニアに「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)/2013」のロマン・デュリス。
クレールに「美しい人/2008」「キリマンジャロの雪/2011」「テレーズの罪/2011」「間奏曲はパリで/2013」のアナイス・ドゥムースティエ。
ジルに「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「アンナ・カレーニナ/2012」「黒いスーツを着た男/2012」「男と女 真夜中のパリ/2012」「恋のベビーカー大作戦/2012」のラファエル・ペルソナ。
ローラに「誘拐者/2004」のイジルド・ル・ベスコ。
ローラの母リズに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「マリー・アントワネット/2006」のオーロール・クレマン。
監督、脚本は「17歳/2013」のフランソワ・オゾン。

ローラの死から中々立ち直れないクレールは仕事にも打ち込めず休暇をとることに決める。そんなある日、夫のジルから一度ダヴィッド親子を訪ねてみたらと提案される。クレールはローラの娘のゴッドマザー。そしてダヴィッドと生まれてまもない娘を永遠に守ると約束したことを思い出す。やがてクレールはダヴィッドの家を訪ねる決心をする。しかしそこで目の当たりにしたのは女装したダヴィッドが娘をあやす姿だった。

生前、妻のローラはダヴィッドの女装に理解を示した。ダヴィッドはクレールにも理解して欲しいと訴える。かなり躊躇はしたものの、クレールはダヴィッドの願いを叶えるため、彼にヴィルジニアと命名する。
女装趣味の男に、自身の“女の美しさ”を開花させられてしまった地味な女性クレール。ちょっと複雑な二人の関係はまぁまぁだが、あのラストあまり好きじゃない。ジルはどこ?ジルとクレールの間に子供はできなかったのだろうか?

本作は英国のミステリー作家ルース・レンデルの傑作短編『女ともだち』の映画化。ルース・レンデルが書いた小説をクロード・シャブロルが映画化した「ロウフィールド館の惨劇/1995」と「石の微笑/2004」を見ている。本作はミステリーではない。ロマンのイメージから軽いコメディの雰囲気も漂う。
オゾンとロマン・デュリスに加え、ラファエル・ペルソナまで出演しているのでスゴく楽しみにし、期待していたが今ひとつのストーリーだった。
ラファエルは笑顔が似合う。本作では少々形無しで気の毒な役柄。
イジルド・ル・ベスコにお目にかかったのは2006年のフランス映画祭以来。クラシカルな独特の雰囲気持つ女優ながら、本作では前半で亡くなってしまって残念。

ダヴィッドやクレール&ジルが住む家の周辺の景色がスゴく美しくてパリ郊外なのかな?と思っていたらカナダ、ケベックでロケされた模様。
女装はロマンよりラファエルの方が似合うかな?と思ったりしたが...クラシカルなロマンの女装をコーディネートしたのはやはりオシャレなフランス人。そしてずっと女装を演じてみたかったというロマンは高いヒールで完璧に歩きさすがだ。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2015-08-18 23:20 | フランス | Trackback(4) | Comments(2)

「パリは燃えているか」

「Is Paris Burning?」…aka「Paris brûle-t-il?」1966 フランス/USA
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1944年、第二次世界大戦中、独軍占領下のパリ。ヒトラーの“パリ焦土化計画”を阻む闘いを展開するレジスタンスと、パリ解放を描いた米仏合作の戦争ドラマ。

“これはある美しい街が
いかにして苦難を乗り越え
栄光を勝ち取ったかという物語である
独軍のパリ占領から4年の歳月が流れた1944年
ナチス打倒の機は熟しつつあった
しかしいかにして自由の道を見いだすか
レジスタンスの内部では激しい議論がなされていた
時間はない...”
とオープニングに記される。

ナチス本部から“パリは燃えているか?”の連絡が入った時、ドイツ軍パリ防衛司令官ディートリヒ・フォン・コルティッツは既にル・ムーリスから退去した後だった。
ヒトラーの命によりパリ破壊に着手するコルティッツにストップをかけるスウェーデン総領事ラウル・ノルドリンクの力も大きかったが、特命を受けて単身連合軍に乗り込んだロジャー・ガロア少佐がジョージ・パットンに“是非援軍を!”と説得したことでパリを守ることができた。
ほぼ全シーンパリ中でロケされている。エッフェル、ノートルダム、アレクサンドル3世橋などに爆弾をしかけるシーンは実写でとてもリアル。
ドラマの舞台は1944年。ほぼ20年後の撮影時のパリの景色と変わりがない様子。ラストは実写でドゴール将軍を筆頭にコンコルド広場や凱旋門に集まるフランス国民の姿が映しだされ感動する。
全編白黒ながらエンドクレジットが始まるとパリの象徴エッフェルがカラーで映し出され、“パリの街は無事だよ。”と語っているようで素晴らしかった。

「パリよ、永遠に/201」を見て以来機会があればと思っていたらwowowでこの時期戦争映画のオンパレード。ナイス・タイミングでやっとこの名作を見ることができた。
ドラマはとても臨場感があって…いやこれって絶対名作だと思う。見終わってマジで感動してしまった。
何はともあれキャストがスゴい。仏米の著名なる俳優がどっさり出演している。
60年代のフランスの人気俳優ジャン・ポール・ベルモンド&アラン・ドロンがレジスタンスの闘士。
そして80歳を超えた今でもスクリーンで主演をはれるミシェル・ロンズデールが若い。ミシェル・ピッコリとジャン・ルイ・トラティニャンも然り。
ただフランスが舞台で、フランス人俳優が中心ながら皆英語で喋っているのに少々違和感ありだが、アメリカ資本(パラマウント)で作った映画だから致し方ない。

ドイツ軍パリ防衛司令官ディートリヒ・フォン・コルティッツに「007 ゴールドフィンガー/1964」のゲルト・フレーベ。
スウェーデン総領事ラウル・ノルドリンクに「第三の男/1949」のオーソン・ウェルズ。
レジスタンスのイヴォン・モランダに「勝手にしやがれ/1959:気狂いピエロ/1965」「パリの確率/1999」のジャン・ポール・ベルモンド。
ジャック・シャバン・デルマスに「太陽はひとりぼっち/1962」「太陽が知っている/1962」のアラン・ドロン。
ロジャー・ガロア少佐に「恋愛睡眠のすすめ/2005」のピエール・ヴァネック。
モノー博士に「凱旋門/1948」のシャルル・ボワイエ。
アンリ・ロル・タンギー大佐に「まぼろし/2001」のブリュノ・クレメール。
アンリ・カルチャー中尉に「潜水服は蝶の夢を見る/2007」のジャン・ピエール・カッセル。
エドガー・ピザーニに「昼顔/1967」「ランジェ公爵夫人/2007」「ローマ法王の休日/2011」「ホーリー・モーターズ/2012」のミシェル・ピッコリ。
レジスタンス運動主導者の妻フランソワーズ・ラベに「巴里のアメリカ人/1951」「ル・ディヴォース/パリに恋して/2003」のレスリー・キャロン。
フランス人兵士に「さよならをもう一度/1961」のイヴ・モンタン。
カフェの女主人に「嘆きのテレーズ/1953」のシモーヌ・シニョレ。
ジャック・ディビュ・ブライデルに「そして、デブノーの森へ/2004」「ミュンヘン/2005」「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「神々と男たち/2010」「楽園からの旅人/2011」「家族の灯り/2012」のミシェル・ロンズデール。
サージ大尉に「男と女/1966」「歌え!ジャニス・ジョプリンのように/2003」「愛、アムール/2012」のジャン・ルイ・トラティニャン。
ジョージ・パットンに「スパルタカス/1960」のカーク・ダグラス。
オマール・ブラッドレー将軍に「ギルダ/1946」のグレン・フォード。
ウィリアム・L・シーバート将軍に「アンタッチャブル/1959~1963」のロバート・スタック。
米軍のGIに「サイコ/1960」「さよならをもう一度」のアンソニー・パーキンス。
同じくGIに「ウエスト・サイド物語/1961」のジョージ・チャキリス。
監督は「太陽がいっぱい/1960」のルネ・クレマン。
脚本はゴア・ヴィダルと、「地獄の黙示録/1979」「ゴッドファーザー・シリーズ/1972~1974」「コッポラの胡蝶の夢/2007」のフランシス・フォード・コッポラ。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-08-16 20:35 | フランス | Trackback | Comments(0)

「ベルファスト71」

「'71」2014 UK
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“ストリートの先は「戦場」だった…”

ゲイリー・フックに「ヒットマン レクイエム/2012」「300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~/2014」のジャック・オコンネル。
MRFの軍曹レスリー・ルイスに「パッション/2012」「おみおくりの作法/2013」のポール・アンダーソン。
MRFの将校サンディ・ブラウニングに「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 シリーズ/2011~2013」「プロメテウス/2012」のショーン・ハリス。
アーミテージ中尉に「レイルウェイ 運命の旅路/2013」のサム・リード。
元軍医のエーモンにリチャード・ドーマー。
エーモンの娘ブリジッドに「あなたを抱きしめる日まで/2013」のチャーリー・マーフィー。
IRA暫定派メンバーのポール・ハガティに「シャドー・ダンサー/2012」のマーティン・マッキャン。
同じくクインにキリアン・スコット。
同じくショーンにバリー・キーガン。
IRAのベテラン兵士ボイルに「シャドー・ダンサー」「アンナ・カレーニナ/2012」のデヴィッド・ウィルモット
監督はヤン・ドマンジュ。

シアターで予告を見ていなかったら見過ごしていたかも知れないサバイバル・アクション映画で、架空の物語ながら途方もなくリアルなドラマでもある。
たった一人で戦場と化した適地に置き去りにされた若き英国軍二等兵ゲイリーは生きて故郷ダービシャーに帰れるのだろうか?

1971年、ゲイリーは幼い弟にしばしの別れを告げ、過酷な訓練を積んだ後、紛争が激化する北アイルランド・ベルファストに送り込まれる。
今その地はアイルランドの統一を目指すカトリック系住民と、英国との連合維持を望むプロテスタント系住民との間の緊張がピークに達する勢いとなっていた。やがて街の治安維持を目的にパトロールを開始したアーミテージ中尉の部隊はあっという間に暴動に巻き込まれてしまう。民衆と部隊の揉み合いでカオス(無秩序)となった街で、武器を盗まれたゲイリーは自分の銃を取り戻すため奔走する。しかしその間に部隊は退散してしまい、ゲイリーはたった一人敵陣の中に取り残されてしまう。

兵士の安否を気遣いもしない将校を始めとして、怪我を負ったゲイリーを助けるエーモン親子や、母親に内緒で過激なグループに身を投じる若者ショーン...弟思いの心優しい青年ゲイリーと彼らの人間模様も織り込まれている。
ゲイリーとブリジッドの間で“デヴィッド・ボウイは好き?”と言う会話が交わされ時代を感じる。
英国軍二等兵ゲイリーの苦悩に満ちたサバイバル・ドラマは中々見応えがあった。

IRA問題を描いた映画はたくさんある。記憶に残るのはニール・ジョーダンの「クライング・ゲーム/1992」、ジム・シェリダンの「父の祈りを/1993」、同じくジム・シェリダンの「マイケル・コリンズ/1996」、そして「麦の穂をゆらす風/2005」「シャドー・ダンサー/2012」。それぞれに見応えのある作品ばかり。そして本作はとてもリアルに描いてありかなり衝撃的。
主演のジャック・オコンネルは英国とアイルランドのハーフだそう。ちょっとキュートなジャックの今後に期待したい。

新宿 武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-08-14 22:29 | UK | Trackback(6) | Comments(0)

「 人生スイッチ」

「Relatos salvajes」…aka「Wild Tales」2014 アルゼンチン/スペイン
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音楽評論家サルガードに「トーク・トゥ・ハー/2002」のダリオ・グランディネッティ。
ウェイトレスにフリエタ・シルベルベルグ。
料理人にリタ・コルテセ。
新車に乗る男ディエゴに「サルバドールの朝/2006」のレオナルド・スバラーリャ。
ビル爆破解体職人シモンに「瞳の奥の秘密/2009」のリカルド・ダリン。
金持ちの父モーリシオにオスカル・マルティネス。
花嫁ロミーナにエリカ・リバス。
監督、脚本はダミアン・ジフロン。

“本国アルゼンチンで大ヒットし、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた…”らしい。ブラック・コメディは好きなジャンルながら、感性が異なるから日本で大ヒットはないかと思える。身体中で怒りを爆発させるアルゼンチン人の感性にはスゴいものがある。それもこれもやはりラテン民族のなせる技?

6編のオムニバスによるドラマ。どれもこれも強烈だったが、私的に面白かったのは“ヒーローになるために”と“HAPPY WEDDING”かな?
“ヒーローになるために”でシモンを演じたリカルド・ダリンがどこかで見たと思っていたら「瞳の奥の秘密」の主人公役だった。彼は温和な役柄も激しいキャラも似合うアルゼンチン俳優。

どれもこれも我慢出来なくてプチッとキレる人が主人公。
ビル爆破解体のプロ、シモンは娘のバースディ・ケーキを買うため駐車違反してレッカー車で移動されてしまう。陸運局の窓口で、駐車したのは違法ではない場所だと主張するが全く相手にされない。その後も負の連鎖が続き、とことんキレたシモンはレッカー移動された車と事務所をとんでもないことに…。

“HAPPY WEDDING”の花嫁のキレかたも半端じゃない。それというのも花婿がかつて関係のあった女性を招待したのだ。とことんキレまくる花嫁。双方の親まで参加して、華やかなセレモニーが血にまみれた修羅場と化していく…。

“エンスト”は少々やり過ぎの上ダーティ。
“おもてなし”と“おかえし”は意外とつまらなくて、“愚息”はタイトルが全くふさわしくなくて酷い。“強欲”なんて良いかと思える。
まさに負の連鎖で恐ろしい事態にさらされる人々が滑稽である。
TOMATOMETERの96%は驚異的。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-08-12 20:41 | 中・南米 | Trackback(10) | Comments(0)

「愛の犯罪者」

「L'amour est un crime parfait」…「Love Is the Perfect Crime」2013 フランス/スイス/ベルギー
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大学で文学を教えるマルクは女子学生が大好き。しかも運の良いことにいつも彼女たちの方から誘いをかけてくる。ある夜、キャンパスから一人の女子学生を雪に覆われた山荘へ連れ帰る。なんという名前だったか?とマルクは彼女の名前すら思い出せない。やがて一夜が明け、妹のマリアンヌに“昨夜何か物音がしたけど…”と問いつめられるが上手くかわしてしまう…

マルクに「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。
マリアンヌに「美しき運命の傷痕/2005」「PARIS(パリ)/2007」「しあわせの雨傘/2010」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊/2011」のカリン・ヴィアール。
アンナに「天使の接吻/1988」「フィフス・エレメント/1997」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊:監督、脚本、出演」のマイウェン。
アニーに「恋は足手まとい/2005」「ダニエラという女/2005」「風にそよぐ草/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「漆黒の闇で、パリに踊れ/2012」「ラブバトル/2013」のサラ・フォレスティエ。
リシャールに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」のドゥニ・ポダリデス。
監督、脚本はアルノー・ラリユー。

ある日、マルクを訪ねて刑事がやって来てバラバラの失踪について尋問する。適当に答えその場をしのぐマルク。そうこうするうち失踪したバラバラの継母アンナがマルクを訪ねてやって来る。やがて何度かアンナと会ううちに彼はアンナに恋をしてしまう。
とてもフランス映画らしい。そこここに“アムール”が漂う。マルクとアンナ。マリアンヌとリシャール。
夜中に行動するマルクに“あなたは夢遊病者なのよ。”とマリアンヌが言う。マルクの怪しい行動を彼女は知っていたのだろうか?いやそれはないとは思うけど…。

まずこのドラマの冬景色の美しさに圧倒される。ロケされたのはスイス、ローザンヌやフランスのローヌアルプス。ラストにスイスのヌーシャテル湖が映る。メイン舞台となったカレッジはスイス連邦工科大学ローザンヌ校。このカレッジが素晴らしく美しくて驚き。
映画を見終わって思い出したのはスペイン映画「カニバル/2013」。マルクはカニバリズム愛好家ではないけど、若い女性を車で連れ込む、雪に埋もれた山荘がどうしても「カニバル」を連想させる。
母親から虐待を受けて育ったマルク。歪んだマルクの性格はそのせい?未婚で妹と二人で暮らし互いの恋の相手に嫉妬する兄妹の関係がなんとなく怪しくも映る。
アニーに猛烈にアタックされる中年オヤジ役のマチュー。なぜか?モテまくる男を演じていて可笑しくてしかたなかった。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-08-05 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)