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「しあわせはどこにある」

「Hector and the Search for Happiness」2014 ドイツ/カナダ/UK/南アフリカ
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ロンドンに住む精神科医のヘクターは、自分自身の人生に疑問を抱き、ある日突然幸せ探しの旅に出る。中国、チベット、アフリカそしてアメリカへと旅は続く…

ヘクターに「M:i:III/2006」「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!/2007」「恋愛上手になるために/2007」「宇宙人ポール/2010」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」のサイモン・ペッグ。
クララに「プライドと偏見/2005」「17歳の肖像/2009」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」「ゴーン・ガール/2014」のロザムンド・パイク。
アグネスに「リトル・ミス・サンシャイン/2006」「いつか眠りにつく前に/2007」「ヒッチコック/2012」のトニ・コレット。
エドワードに「シンデレラ/2015」「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のステラン・スカルスガルド。
ディエゴに「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「バレッツ/2010」「黄色い星の子供たち/2010」「シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~/2012」のジャン・レノ。
コアマン教授に「トレビの泉で二度目の恋を/2014」のクリストファー・プラマー。
イン・リーにミン・チャオ。
ヘクターの患者アンジャリに「クリムト/2006」「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」のヴェロニカ・フェレ。
ヘクターの友人マイケルにバリー・アトスマ。
監督、脚本は「フォルテ/2001」「セレンディピティ/2001」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?/2004」のピーター・チェルソム。

精神科医のヘクターは美人で完璧な恋人クララとロンドンの瀟洒な家でリッチな生活を送っている。しかし来る日も来る日も患者の悩みを聞いているうちに、自分って本当に幸せなのか?と疑問に思い、幸せ探しの旅にでる。
ドラマはどのような展開になるのか?サイモン・ペッグ&ロザムンド・パイクのコンビと出演陣の豪華さに期待したが、ストーリーは少々とりとめなくてそれほどでもなかったかな?

上海で知り合ったイン・リーとのエピソードはかなりダラダラとしていてまさににとりとめない…無目的って感じ。ステラン・スカルスガルド演じるエドワードとの出会いは面白かったけど…。
アフリカの僻地の診療所で働くマイケルを訪ねたヘクターはギャングのディエゴと出会う。アフリカでのエピソードも拉致される辺りから少々ついていけなくなりそうだった。ジャン・レノは良かったのに…。
ラスト、L.A.で昔の恋人アグネスと再会した後、コアマン教授の実験に参加して自分を見つめ直すシーンはちょっと良かった。
観る人によって感じ方がかなり違う映画かも知れない。

完璧な女性が似合うロザムンド・パイクとアグネス役のトニ・コレットのキャスティングが良かった。もちろんヘクター役のサイモン・ペッグもナイスなのだけど、どうも物語の展開が今ひとつだった気がする。
全く主旨は違うがベン・スティラーの「LIFE!/2013」を思い出す。

シネマライズにて
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by margot2005 | 2015-06-29 23:58 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「約束の地」

「Jauja」…aka「Land of Plenty」2014 アルゼンチン/デンマーク/フランス/メキシコ/USA/ドイツ/ブラジル/オランダ
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製作、音楽、出演(ディネセン大尉)に「アラトリステ/2006」「ザ・ロード/2009」「危険なメソッド/2011」「偽りの人生/2012」「オン・ザ・ロード/2012」「ギリシャに消えた嘘/2014」のヴィゴ・モーテンセン。
インゲボルグにヴィールビョーク・マリン・アガー。
洞窟の女に「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」のギタ・ナービュ。
監督はリサンドロ・アロンソ。

19世紀末のパタゴニア。デンマーク人エンジニア、ディネセン大尉は一人娘インゲボルグを伴いアルゼンチン政府軍による先住民一掃計画に参加している。インゲボルグと二人海辺の野営地のテントで眠る父親は、ある夜隣のベッドに娘がいないことに気づく。テントから飛び出したディネセンは部下の助けも断り一人荒野に飛び出し馬を走らせるが、広い荒野には誰の姿も見えない。やがてディネセンは血を流し息絶え絶えの男を発見する。彼は兵士でインゲボルグに誘われ駆け落ちしたのだ。しかしインゲボルグの行方はわからない。そうこうするうちディネセンは自分の馬がいなくなったことに気づく。その後徒歩で荒野を彷徨う彼の前に痩せた犬が現れ、犬に導かれるように洞窟にたどり着くのだった…

オープニング、父親が娘に深い愛を伝えるシーンがある。
娘を探しに荒野を彷徨った男が未知なる摩訶不思議な世界へ足を踏み入れて行く。パタゴニアの荒野の洞窟にいる女がデンマーク語で話していたのがまたまた不思議で…ラスト、瀟洒な屋敷にいる美しいインゲボルグが痩せた犬を連れているシーンも恐ろしく不思議だし…でもあれが現実で、荒野にいるインゲボルグが幻想だった?
邦題の「約束の地」が意味深いのかも知れない。

年を重ねるごとに品格が伴ってきたヴィゴ・モーテンセンは素敵な俳優。馬に乗る姿は相変わらず颯爽としていてクールだ。
ヴィゴを初めて見たのはハリソン・フォード主演の「刑事ジョン・ブック/目撃者/1985」。その後何作か見たが、中でも印象に残ったのは「ダイヤルM/1998」でのグウィネス・パルトローの恋人役。その後「ロード・オブ・ザ・リング/2001~2003」でメジャーになり、「ヒストリー・オブ・バイオレンス/2005」「イースタン・プロミス/2007」と続き、個性的なオーラを放つヴィゴ・モーテンセンのファンになった。
残念ながら「善き人/2008」はシアターに行けなくて今だ見ていない。先月公開されていた「涙するまで、生きる/2014」は原作がアルベール・カミュということで見送った。
そして本作…ファンが多いヴィゴ映画ながらウイーク・ディの夕方、シアターはガラガラ。なぜに?と思いつつ観ていたが久方ぶりに途中で挫折しそうな映画だった。本作何がなんだか?と終盤近くまでわからずじまいで、エンディングが始まりなんと幻想的な映画だったんだろうと一息ついた。

幻想的かつ独創的なドラマのスクリーンは丸みを帯びた四角。
フランス映画「我が至上の愛 ~アストレとセラドン~/2007」も丸みを帯びた四角だったのを思い出す。本作同様やはり幻想的な作品だった。

ユーロスペースにて
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by margot2005 | 2015-06-28 22:36 | 中・南米 | Trackback | Comments(0)

「ただひとりの父親」

「Solo un padre」...aka「Just a Father」「Perfect Skin」2008 イタリア
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カルロに「私たちの家で/愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「対角に土星/2007」のルカ・アルジェンティーロ。
カミーユにディアーヌ・フレーリ。
ジョルジョにファビオ・トロイアーノ。
メリッサにクラウディア・パンドルフィ。
監督にルカ・ルチーニ。

10ヶ月の娘ソフィアの父親カルロは若くて優秀な皮膚科医でありシングル・ファーザーでもある。普段は両親がソフィアの面倒を見ているが、ある日、両親が留守の間娘の世話をしなくてはならなくなる。カルロは同僚である友人ジョルジョたちの助けを借り幼いソフィアの育児に奮闘する。
一方で同僚の妹を紹介されデートが始まるがカルロは全く乗り気でない。そんな折、ジョギング中のカルロはフランスからやって来たカミーユと出会う。カルロは妻メリッサとは上手く行かなくて、別れる寸前に妊娠が発覚し子供が出来てしまった。しかし運命とはなんとも皮肉であり残酷なもので、子供を産み落としたメリッサは亡くなってしまったのだ。どうして良いか分らず、途方に暮れた彼は娘ソフィアを抱きしめ海に入って行こうかと考える。しかしソフィアの無邪気な笑顔を見て思いとどまるのだった。

生活がかかるシングル・マザーも辛いだろうけど、仕事を持つシングル・ファーザーはもっと大変か?と察する。カルロには助けてくれる両親がいるからOKだけど、助けてくれる身内がいない男ってどうするのだろう?なんて考えてしまった。
デートの相手は魅力的でゴージャスな女性ながらカルロは彼女に全く魅力を感じない。しかしジョギング中に出会ったフランス娘カミーユには惹かれて行く。それはソフィアが彼女に懐いているということもありで…。

妻を亡くし、娘をどうして育てようかと悩みまくる優柔不断な男カルロと、天真爛漫で、若くても自立しているカミーユの組み合わせはミスマッチながら未来を感じさせる。
過去のイタリア映画祭で見た何作かの映画の中に登場していたルカ・アルジェンティーロ。ラティン男の魅力たっぷりな彼はマルチェロ・マストロヤンニ級のイケメンで母性本能をくすぐる。以前見た2作は脇役だったので、主演のこちらは彼の魅力を存分に味わえる。

イタリア映画祭2010で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って本日より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-28 00:52 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「夫婦の危機」

「Il Caimano」2006 イタリア/フランス
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B級映画プロデューサー、ブルーノにシルヴィオ・オルランド。
ブルーノの妻パオラに「恋愛マニュアル/2005」のマルゲリータ・ブイ。
映画監督志望のテレーザに「息子の部屋」「輝ける青春/2003」「恋愛マニュアル/2005」のジャスミン・トリンカ。
俳優マルコにミケーレ・プラチド。
監督は「息子の部屋/2001」のナンニ・モレッティ。

タイトルの“カイマーノ”とはカイマンワニ(南米や中米の河や沼に生息している)のことだそう。
ローマ在住のB級映画プロデューサー、ブルーノは破産寸前状態の上、妻パオラから離婚を言い渡されている。ある夜、彼の古い映画が上映されている劇場に、監督志望の若い女性テレーザが現れ、ブルーノに脚本を手渡す。“カイマーノ”というタイトルのその脚本は権力の階段を駆け上がって首相になった実業家ベルルスコーニが主人公であった。ブルーノは社会派ドラマとは無縁で、このような題材は乗り気ではなかった。しかし、知り合いのプロデューサーが資金を提供してくれ、有名俳優マルコが主人公役を引き受けてくれるとのこと。やがて映画製作が始まる。だが、主人公を演じるマルコは家庭サービスのため急に役を降りると言い出す。それによって資金提供も打ち切られ映画製作は暗礁に乗り上げてしまう。

ドラマは破産状態で売れない監督の苦悩と、実生活で妻に離婚を言い渡される夫の苦悩を描いていて、“プロデューサー、監督、首相という3人の主役を配し、さらに首相役を3人のカイマーノと1人のベルルスコーニが演じるという錯綜した構成になっている。”と映画祭の冊子にコメントしてあるように...少々錯綜した構成に少々疲れてしまったのは否めないが、軽いコメディ・タッチで、売れない監督ブルーノがなんとか仕事をゲットしようと焦る日々の中、離婚寸前の愛する妻(妻に捨てられそうな様子)と息子との団らんに生き甲斐を見いだす姿に、新しい映画制作を絡め、中々面白いストーリーともなっている。でも一つ...イタリアの前首相シルヴィオ・ベルルスコーニについては何も知らないので、イタリアでは相当流行ったらしいが、ピンと来ない場面も多々ありだった。政治的な事は考えないで観た方が良いかもしれない。ベルルスコーニはACミランの会長。そういや劇中サッカー場にヘリで登場するシーンあり。

パオラ役のマルゲリータ・ブイがナイス。「息子の部屋」でも父親を演じた監督モレッティが“カイマーノ(首相)”を演じている。

イタリア映画祭2007で鑑賞
ヒューマントラストシネマ有楽町にて“イタリア映画傑作選!”と銘打って来週より期間、時間限定特別上映
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by margot2005 | 2015-06-27 21:44 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「靴職人と魔法のミシン」

「The Cobbler」 2014 USA
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ニューヨークの下町。ユダヤ人街で育ったマックは恋人もいない冴えない中年男で今だ母親と同居している。彼の仕事は代々受け継がれてきた靴修理。日々繰り返されるつまらない仕事にうんざりしつつ今日も愛用のミシンを踏む…

マックに「ウェディング・シンガー/1998」「50回目のファースト・キス/2004」「ベッドタイム・ストーリー/2008」のアダム・サンドラー。
レオンにクリフ・“メソッド・マン”・スミス。
ジミーに「ファーゴ/1996」「パリ、ジュテーム/2006」のスティーヴ・ブシェミ。
エミリアーノに「誘拐の掟/2014」のダン・スティーヴンス。
エミリアーノの恋人タリンにキム・クルーチェ。
カーメンに「僕らのミライへ逆回転/2008」「フルートベール駅で /2013」のメロニー・ディアス。
エレーンに「シー・オブ・ラブ/1989」「オーシャンズ13/2007」のエレン・バーキン。
母親サラに「ミュンヘン/2005」「いとしい人/2007」「ハンガー・ゲーム2/2013」のリン・コーエン。
父親アブラハムに「主人公は僕だった/2006」「新しい人生のはじめかた/2006」「シェフ 三ツ星フードトラック始めました/2014」のダスティン・ホフマン。
監督は「扉をたたく人/2007:監督、脚本」「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~/2009:出演」のトーマス・マッカーシー。

ある時、マックが修理した客の10.5(The and Half)サイズの靴を履くと、靴の持ち主に変身してしまったのだ。慌てふためきつつ他の靴も試してみると、それは壊れた電動ミシンの代わりに使った、先祖代々の旧式ミシンのせいであることが判明する。つまりそれによって魔法がかけられたのだ。
他人の生活を疑似体験できることを知ったマックはイケメンのエミリアーノに変身してバーへ行った所、案の定の女性に誘われてしまう。ある時、レオンに変身してみたら、なんとまぁこの男がとんでもないワルでとんでもないトラブルに巻き込まれてしまうのだ。

シアターで何度も予告を観て少々気になっていた一作。TOHOシネマズのポイントがたまってたので観ることにした。wowowでたくさんの映画を見たが、おそらくアダム・サンドラーの映画はシアター初めてだと思う。サンドラー映画はかなりくだらないものが多いが、意外にもファンタジーっぽい作品が多いことに気づく。本作はちょっと素敵なファンタジー・ヒューマン・コメディ。
アダム・サンドラーってホント冴えない役が似合う俳優。
スティーヴ・ブシェミは「ファーゴ」以来の気になるハリウッド俳優で、たくさんの映画に出演する名脇役。本作でもひと味違ったブシェミの魅力が発揮されている。
エレン・バーキン、ダスティン・ホフマンも貫禄の出演。
少しのシーンしか登場しないがダン・スティーヴンスがゴージャス。マシューのイメージのブロンド・ヘアーに優しいまなざしが実に似合う。
ヒップホップ・アーティストのクリフ・“メソッド・マン”・スミスが、レオン本人とマックが変身するレオンで顔は同じながら(当たり前)内面が全く違う人を上手く演じていて関心する。
「扉をたたく人」とは全く異なった趣のファンタジー・ヒューマン・コメディを作ったトーマス・マッカーシーは中々素敵だ。
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TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2015-06-26 00:08 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(4)

「ハイネケン誘拐の代償」

「Kidnapping Mr. Heineken」2015 オランダ/UK/ベルギー
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“1983年に実際に起きた大富豪ハイネケン誘拐事件の顛末を映画化した実録犯罪サスペンス。”

コルに「鑑定士と顔のない依頼人/2013」のジム・スタージェス。
ヴィレムに「アバター/2009」「タイタンの戦い/2010」「恋と愛の測り方/2011」「崖っぷちの男/2011」のサム・ワーシントン。
カットにライアン・クワンテン。
スパイクスにマーク・ファン・エーウェン。
コルの妻ソーニャにジェマイマ・ウエスト。
フレディ・ハイネケンに「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「最終目的地/2009」「恋のロンドン狂騒曲/2010」「ヒッチコック/2012」「ノア 約束の舟/2014」のアンソニー・ホプキンス。
監督は「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/2009」のダニエル・アルフレッドソン。

オランダ、アムステルダム。コルは幼なじみの友人たちと経営する事業に行き詰まり、融資を受けに銀行へ行くが断られてしまう。とにかく金が必要だったコルはヴィレムたちを誘い、綿密な計画の末フレディ・ハイネケン誘拐に成功する。そして警察のポストにハイネケン誘拐告知の手紙を投函する。大富豪である人質の家族はすぐにでも身代金を支払うと信じていたが何も変化は起きない。おまけにハイネケンは拉致にも怯まず平然とし、好みの本や食べ物を差し入れろと要求してくる。

シアターで予告を見て面白そうと思った。アンソニー・ホプキンスVSジム・スタージェス&サム・ワーシントンにもとても惹かれた。
映画の宣伝にアンソニー・ホプキンス主演…なんて書いてある記事があったり、大きくアンソニー・ホプキンスの顔写真を掲げている新聞等もあるが、本作アンソニー・ホプキンス主演ではない。しかしながらナイトの称号を持つ“ハンニバル/レクター”ホプキンスの貫禄は揺るぎないもので、少ない出番ながらものすごい存在感を感じる。ジム・スタージェスとサム・ワーシントンも頑張ってるのに…。

今だ謎が残るという“大富豪ハイネケン誘拐事件”。自身の誘拐を教訓に、その後セキュリティを強化したというハイネケンは転んでもただでは起きそうにない人物。一攫千金を狙って身代金要求の誘拐はしたものの、犯人たちは大物を狙い過ぎてしまったように思える。
ドラマは実話なので犯人は必ず捕まるという結末もわかっている。誘拐をテーマにしたドラマってどれもスリリングかと思えるが、本作はそれほどでもなく、幼なじみの誘拐犯たちのうろたえぶりの方がスリリングかも知れない。
邦題についている“代償”...コルやヴィレムたちにとって誘拐事件の“代償”は余りにも大きかったということがちょっと哀しい。

丸の内TOEIにて
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by margot2005 | 2015-06-21 22:34 | ヨーロッパ | Trackback(6) | Comments(2)

「ムースの隠遁」

「Le refuge」…aka「The Refuge」「Hideaway」2009フランス 
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パリの高級アパルトマンで愛し合うムースとルイは若くて美しくてリッチなカップル。しかしながらドラッグに夢中でやめることができない。ある日、二人はドラッグの過剰摂取で病院に搬送される。やがてルイは急性ドラッグ中毒で死んでしまうがムースは生き残り、妊娠していると医師に告げられる…

ムースに「奇跡のひと マリーとマルグリット/2014」のイザベル・カレ。
ポールにルイ・ロナン・ショワジー。
セルジュにピエール・ルイス・カリクト。
ルイに「わたしはロランス/2012」のメルヴィル・プポー。
ルイとポールの母親にクレール・ヴェルネ。
ルイとポールの父親にジャン=ピエール・アンドレアーニ。
監督、脚本は「17歳/2013」のフランソワ・オゾン。

残念なことにお気に入りフランス人俳優メルヴィル・プポーはすぐに死んでしまう。それもオープニングで…。彼は「ぼくを葬る/2005」でもゲイを演じている。そして「わたしはロランス」ではトランスジェンダーの男。そういや優しい表情とかゲイっぽい?のかな?

ドラッグ依存症カップルのオープニングはとてもショッキング。そしてタイトル(邦題も原タイトルも…)からも、その後どのように展開されていくのだろうと興味津々となる。
ドラッグ中毒の女性の妊娠は危険であるゆえ、“生むきなの?わたしたちは死後の子供を望んでない。”と、退院したムースは亡くなったルイの母親に迫られる。しかし子供を産む決心をした彼女はルイの親族の田舎の別荘にこもることになる。

ルイの弟ポールはゲイ。田舎の村でポールが出会うセルジュももちろんゲイ…と、ムースの周りの男はゲイばかり。しかしムースはポールとの暮らしで日々癒されていく。
ある時、ポールは“本気で愛した人が死んでしまった。”と話し、“ルイとは血のつながらない兄弟だった。”とも告白する。その言葉でムースはポールとルイが愛し合っていたと気づくのだった。

ラスト、ムースの取った行動はちょっと切ないが、ポールとルイの深い愛を考えたのだろうか?ムースとルイの幼い娘を愛おしげに抱きしめるポールがとても素敵に映る。
本作はtrès très bien!(トレ、トレビアン)なオゾンの世界のラヴ・ドラマで、フランスの田舎の景色が美しい。
ポール役のルイ・ロナン・ショワジーがハンサム。
ロマン・デュリスとラファエル・ペルソナーズが出演するオゾンの次作「彼は秘密の女ともだち/2014」が楽しみ。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-06-20 19:51 | フランス | Trackback | Comments(0)

「奇跡のひと マリーとマルグリット」

「Marie Heurtin」…aka「Marie's Story」2014 フランス
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19世紀末のフランス、ポワティエ。ある日、耳の不自由な少女たちが暮すラルネイ聖母学院に、耳も目も不自由な少女マリーが父親に連れられやってくる。全く教育を受けないで育ったマリーは粗野で狂暴な上身体は汚れまるで浮浪児のよう。修道院長は目も見えない少女を預かることは無理だと判断するが、修道女マルグリットは自ら教育をすると修道院長を説得する…

マルグリットに「愛してる、愛してない.../2002」「チャーリーとパパの飛行機/2005」「きつねと私の12か月/2007」「ムースの隠遁/2009」のイザベル・カレ。
マリー・ウルタンにアリアナ・リヴォワール。
修道院長に「ムッシュ・カステラの恋/1999」「見つめる女/2004」「晴れ、ときどきリリー/2010」のブリジット・カティヨン。
マリーの父にジル・トレトン。
マリーの母にロール・デュティユル。
監督、脚本は「ベティの小さな秘密/2006」「ヴィクトル・ユゴー 笑う男/2012」のジャン・ピエール・アメリス。

結局マルグリットはマリーの扱いに四苦八苦することになる。それはまるでバトルのようで、自分の力でマリーを教育することはできるのか?と悩み始めるが彼女は決してあきらめない。ある時、マリーが大事にしているナイフを使って物には名前があることを知らせようとする。何度も、何度も“ナイフ”という言葉を触手話により教えこむ。やがてとうとうマリーがナイフという言葉を理解する。その後、積み木のアルファベットで言葉を習得して行く。
映画で見た「奇跡の人/1962」では、サリバンはヘレンに水に触れさせ言葉を教えていた。

マリーはマルグリットの死後も修道院に留まり、彼女と同じ境遇の少女とも出会い教えを授ける。ラスト近く、マルグリットの墓前で語るマリーの姿に感動する。ラルネイの生活にも慣れ、言葉を覚えたマリーが両親と再会する胸うたれるシーンも忘れてはならない。

マリーはヘレン・ケラーのように長生きすることはできず、マルグリット同様肺の病で36歳で亡くなっている。
ヘレン・ケラーと同時代を生きたマリー・ウルタン。ヘレン・ケラーは自宅で家庭教師によって学んでいるが、マリーは最初精神病院に入れられ、後にラルネイ聖母学院に引き取られている。両親の家から引き離された少女はどれほど辛かっただろう?想像すらできない(実際には10歳でラルネイに入所している)。
ヘレン・ケラーにはアン・サリバン、そしてマリー・ウルタンにはマルグリットという力強い支えあった。マルグリットは修道女ならではの深い愛でマリーを導いた。

マリーが生きた時代が19世紀の終わりから20世紀の初めということもあるが、宗教(キリスト教)の偉大なるパワーに圧倒される。肺を病んだ修道女マルグリットが決してあきらめずにマリーに教育するさまは神がかったようにも見える。
演じるイザベル・カレは40代となり、僧服に身を包んだ姿は少々obasan化している。上に書いたどの作品でもとてもチャーミングな彼女だったが…年月は語る。
マリーを演じるアリアナ・リヴォワールは耳が不自由。彼女の体当たり演技に驚かされる。

ずっと前にwowowでイザベル・カレ主演でフランソワ・オゾンの「ムースの隠遁」を見た。今一度見てみたい。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2015-06-16 23:11 | フランス | Trackback | Comments(0)

「誘拐の掟」

「A Walk Among the Tombstones」2014 USA
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1999年、ニューヨーク。スカダーはかつて起こったある事件で心を病み酒に溺れた上、刑事も辞めていた。今はしがない無免許の私立探偵。彼は酒と縁を切るためアルコール依存症のサークルに通っている、ある日、そこで知り合ったピーターに、困っている弟ケニーを助けてくれないかと持ちかけられる。ケニーは麻薬ディーラーで、妻が誘拐され身代金を支払ったにも関わらず残忍な形で殺害されていた...

マット・スカダーに「ラン・オールナイト/2015」のリーアム・ニーソン。
ケニー・クリストに「ダウントン・アビー/2010~2012」シリーズのダン・スティーヴンス。
ピーター・クリストに「ゴーン・ガール/2014」「ラン・オールナイト/2015」のボイド・ホルブルック。
レイに「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」「007/慰めの報酬/2008」「ウォリスとエドワード 王冠をかけた恋/2011」「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間/2013」のデヴィッド・ハーバー。
アルバートにアダム・デヴィッド・トンプソン。
TJにアストロ。
ルシアにダニエル・ローズ・ラッセル。
監督、脚本は「マイノリティ・リポート/2002」「ウルヴァリン:SAMURAI/2013」の脚本家スコット・フランク。

ピーターに頼まれ仕方なしに麻薬ディーラーのケニーの妻殺害の捜査を始めたスカダーは、麻薬密売人の家族ばかりを狙い、死体を切り刻むという猟奇的な凶行を繰り返す2人組レイとアルバートの存在を探りあてる。やがて別の麻薬リーダーの14歳の娘ルシアが誘拐され、探偵としてのプライドを持って悪に挑むスカダーの姿はフィルム・ノワールを見ているみたいな感覚になる。

家族もなく闇と孤独に生きるスカダーと、相棒になったアフリカン・アメリカンの少年TJの組み合わせが完璧にミスマッチで面白い。
思い起こせばこの時代にはPCが家庭にも浸透して来ている。そしてTJはPCオタク。一方でスカダーはPCになど頼らず直感だけを頼りに動くのだ。'60年代?と思わせるほどクラシックな探偵マット・スカダーが主人公のローレンス・ブロックの原作“獣たちの墓”は1992年に書かれている。
ちょっと調べてみたらローレンス・ブロック原作の「800万の死にざま/1986」という映画があり、ジェフ・ブリッジス主演で見たことを思い出した。

原作がハードボイルド小説だけあってドラマは実に暗い。暗過ぎて、見終わってどすんと落ち込む。原タイトルを知れば当然なのかもしれないが...。次作ありのラストだったが、もうあまり見たいとは思えない。探偵スカダー、シリーズは17作もあるらしいのできっとシリーズされるだろう。

いつも同じ暗い色のコートを着て街を歩く一匹狼のマット・スカダー。演じるリーアム・ニーソンはまさしく適役だ。
ダウントン・アビーのマシュー役でブレイクしたダン・スティーヴンス。マシューの時はヒゲ無しブロンド・ヘアーで甘いマスク。風貌的に優し過ぎてダンには麻薬ディーラーは似合わない気もするが…「ザ・ゲスト/2014」が見たくなった。

新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2015-06-13 00:38 | USA | Trackback(8) | Comments(0)

「追憶と、踊りながら」

「Lilting」2014 UK
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カンボジア系中国人のジュンは夫を亡くしロンドンの介護老人ホームで暮らしている。英語が話せないジュンの楽しみは一人息子カイが面会に来る時間だけだった...

リチャードに「パフューム ある人殺しの物語/2006」「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」「アイム・ノット・ゼア/2007」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」「ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~/2009」「テンペスト/2010」「007 スカイフォール/2012」のベン・ウィショー。
ジュンに「グリーン・デスティニー/2000」「ラベンダー/2000」のチェン・ペイペイ。
ジュンの息子カイにアンドリュー・レオン。
ホームの住人アランに「バンク・ジョブ/2008」のピーター・ボウルズ。
通訳のヴァンにナオミ・クリスティ。
ホームの職員マーガレットに「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」のモーヴェン・クリスティ。
監督、脚本はホン・カウ。

過去のベン・ウィショーの出演する映画のレビューに苦手とか、好みではないと書いているが「ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)」辺りから素敵な俳優になってきた。なぜか…?どこから見てもスゴく繊細なイメージのベン・ウィショーは限りなく優しい人物が似合う。本作のリチャードが正にそうなのだ。同性婚した相手がいるベン初めてのゲイ役?
スクリーンに映し出されるリチャードとカイのキスシーンが嫌悪感など全く感じないで、あえて言えば美しくて驚く。

「ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)」のジョン・キーツ役も良かったが、本作はありのままの魅力あふれるベン・ウィショーがドラマの中にいる。
ちょっと難を言えば、ベン・ウィショーは素敵だがドラマは少々辛気くさい。シーンの大半はジュンが暮す老人ホームが舞台ということもあるが…。通訳のヴァンが中国語から英語に翻訳する間字幕が出ないので待たなければならないのも少々もどかしい。

シーンは現在と過去を行ったり来たりする。
カイは母親にゲイだと明かすことができないまま事故で死んでしまう。リチャードとジュンはある日突然愛する人を失ってしまったのだ。リチャードはジュンを施設から連れだしカイと住んでいた家で面倒をみようと考えるが文化や世代の違いで中々上手くいかない。言葉が通じないのが最大の問題ではあるが...。

何はともあれジュンは息子が生き甲斐だった。ラスト近くでジュンはリチャードに嫉妬していたと告白する。彼女のこの気持ち…息子を取られたような気持ちは理解出来る。しかし息子とは永遠に暮らせないのだからとも思うのだ。中国人って日本人のように核家族ではなく大家族で暮らす人々が多いからだろうか?
でもラスト、リチャードとジュンが互いの言語で話しているのに、通じているように映る姿が心を打つ。原タイトル「Lilting/軽くはずむような」と、邦題「追憶と、踊りながら」はラストのシーンに由来するように思え味合い深い。

新宿武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-06-09 22:55 | UK | Trackback | Comments(0)