「ほっ」と。キャンペーン

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「真夜中のゆりかご」

「En chance til」…aka「A Second Chance」2014 デンマーク
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刑事のアンドレアスは美しい妻アナと生まれたばかりの息子アレキサンダーとともに平和な日々を過ごしていた。そんなある日、本部より通報を受け相棒のシモンと駆けつけたアパートでドラッグ中毒のカップル、トリスタンとサネに育児放棄され、トイレの床に汚物まみれで放置されている乳児を見つけ呆然とする...

アンドレアスに「ブラウン夫人のひめごと/2002」「ヘッドハンター/2011」「おやすみなさいを言いたくて/2013」のニコライ・コスター・ワルドー。
シモンに「ある愛の風景/2004」「未来を生きる君たちへ/2010」のウルリク・トムセン。
アナに「ヴェラの祈り/2007」のマリア・ボネヴィー。
トリスタンに「しあわせな孤独/2002」「ある愛の風景」「天使と悪魔/2009」のニコライ・リー・コス。
サネにリッケ・マイ・アナスン。
原案、監督に「愛さえあれば/2012」のスザンネ・ビア。

幼い息子が息をしなくなり狂乱する妻。落ち着かせようとする夫に、自殺するとほのめかす妻。焦った夫は育児放棄にさらされる乳児と自分の子供を交換するが、母親にとってその子供が代わりになるはずもない。
こういった時男ってどうして良いかわからなくなるのだろう。で、妻の暗示に動揺し咄嗟に思いついたことを実行に移す。やがてそれが悲劇につながって行くのだ。
見ていてアンドレアスが刑事とは思えない衝動的な行動を取るので少々困ったが、希望が見えるラストにつながりほっとした。
原タイトル「セカンド・チャンス」はドラマにぴったり。

北欧舞台の映画は景色が美しい。そしてアンドレアスとアナが住む湖畔の家はため息がでるほど素敵で、家具調度品など全てが美しい。
ニコライ主演映画を初めて観た。「おやすみなさいを言いたくて」も、wowwoで見たホラーの「MAMA/2013」でも父親役。「エニグマ/2001」「ウィンブルドン/2004」で気になる俳優だったニコライ・コスター・ワルドーも40代半ばとなり、この方優しい父親役がとても似合う。「ブラウン夫人のひめごと」は2006年にDVDで見ている。本作は「ヘッドハンター」以来の北欧が舞台となった作品。

トリスタン役のニコライ・リー・コスは実にワルが似合う俳優だ。アル中刑事を演じるウルリク・トムセンは欠かせない脇役といったところ。何はともあれ主演のニコライ・コスター・ワルドーの苦悩する姿が目に焼き付くが、ラストの笑顔とても素敵だった。
スザンネ・ビアの前作「愛さえあれば」はつまらなかったけど本作は又本領発揮!といった趣。スザンネ・ビアが作り出す世界は哀しみと辛さが不可欠なのかも知れない。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2015-05-29 22:49 | ヨーロッパ | Trackback(3) | Comments(2)

「Mommy/マミー」

「Mommy」2014 カナダ
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2015年、カナダのとある町(仮想の国でもある)。ある日、シングルマザーのダイアンは矯正施設から15歳の息子スティーヴを連れ出す。多動性障害であるスティーヴは情緒不安定なため、自分をコントロールできず怒りを覚えると暴れまくり、施設に放火していたのだ。まもなく二人のぎこちない生活が始まるが、母親は失業中の上、息子は問題を起こしてばかり。そんな折、二人は真向かいの家に住む女性カイラと出会う。元教師のカイラは神経を病み吃音に苦しんでいた。やがてカイラの存在が二人に良い影響を与え平和な日常が始まろうとしていた…

ダイアン・デュプレに「マイ・マザー/2009」のアンヌ・ドルヴァル。
カイラに「わたしはロランス/2012」のスザンヌ・クレマン。
スティーヴ・デュプレにアントワーヌ・オリヴィエ・ピロン。
弁護士のポールに「人生、ブラボー!/2011」のパトリック・ユアール。
監督、脚本、製作、編集、衣装デザイン、出演(クレジットなし)に「マイ・マザー/2009」「わたしはロランス/2012」「トム・アット・ザ・ファーム/2013」のグザヴィエ・ドラン。

残念なことに3人で築く平和な日々も長くは続かなかった。車の中でのダイアンの白昼夢が哀れでいたたまれない気持ちになる。
やっかいな自分をマミーはいつかきっと愛さないと思いこむ息子に“母親の愛は永遠よ!”と答えるダイアン。そして“母親の愛は永遠だけど、あなた(息子)は別の愛を見つけるのよ!”とも言う台詞に“図星だな。”とうなった。そう何れ息子は新しい愛を見つけるのだから...。

グザヴィエ・ドラン映画は非常に顔アップが多いように思える。本作のスクリーンは真四角。一部、フルスクリーンにもなるが、全編を通してほぼ全て真四角のスクリーン。なのでアップがますます強調され、ダイアンとスティーヴの緊張が猛烈に伝わってくる。神経を患っているカイラの表情もアップにされて緊張感が増す。
そしてもう一つ彼の映画は毎回Musicが多彩。本作もカナダの歌姫セリーヌ・ディオン、BECK、サラ・マクラクラン、オアシス、そしてヴィヴァルディのクラシックも…。
ポールと母親の3人でいったKARAOKEでスティーヴがマミーに捧げるアンドレ・ボチェッリの“Viv Per Lei/彼女のために生きる”がナイス!場違いな曲でひんしゅく買ったけど…。

グザヴィエ・ドランは衣装デザインも担当している。「わたしはロランス」でやはり衣装を担当していて、ロランスの纏う衣装…特に色がスゴく印象的だった。本作では衣装デザインも担当しているので、ダイアンの歳に似合わないド派手な衣服とチープなアクセサリーが目にも鮮やか。

独特の世界観を持つグザヴィエ・ドランの作品はとても興味深くて、突飛ながら惹き付けられる。いや突飛だから惹き付けられるのかも知れない。
見終わって母親と息子の深い愛に心揺さぶられた。

新宿武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-05-24 00:22 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(0)

「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」

「Kraftidioten」…aka「In Order of Disappearance」2014 ノルウェー/スウェーデン
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雪に覆われたノルウェーの田舎町。ある日、除雪車の運転手であるニルスは息子が亡くなったことを知らされる。死因はコカインの過剰摂取だった。“息子がコカイン中毒とは考えられない!”と警察に調査を依頼するが刑事は聞く耳を持たない。おまけに妻は息子の死に耐えられなくて家を出てしまう。やがてニルスは復讐を誓い銃を手に立ち上がる...

製作総指揮、出演(ニルス)に「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「天使と悪魔/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「メランコリア/2011」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」「シンデレラ/2015」のステラン・スカルスガルド。
パパに「愛を読むひと/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「アンノウン/2011」「悪の法則/2013」「リスボンに誘われて/2013」のブルーノ・ガンツ。
ギャングのボス、伯爵に「コン・ティキ/2012」のポール・スヴェーレ・ハーゲン。
ウイングマン(ニルスの兄)に「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女/2009」「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「エージェント・ハミルトン ~祖国を愛した男~/2012」のペーター・アンデション。
伯爵の部下ゲイルにアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。
伯爵の別れた妻マリットにビアギッテ・ヨート・スレンセン。
監督、製作総指揮にハンス・ペテル・モランド。

オスロで大学に通っているはずの息子が死体となって戻って来る。息子の死因となるコカイン、コネクションを探し当てたニルスは次々とギャングを殺害し、とうとうトップにたどり着くが、彼は地元の大物ギャングだった。困ったニルスは数年ぶりに兄ウイングマンを訪ね助けを求める。ウイングマンは元ギャングで、ニルスが復讐を誓う地元大物ギャングの伯爵を知っており、彼を殺すにはヒットマンを雇うようニルスを諭す。
一方で地元ギャングと対立するセルビア系ギャングのボスであるパパは息子を殺され怒り狂っていた。

ロケされたノルウェーのベイトストーレンという山に囲まれた田舎町が雪だらけ。とにかく周りは雪!雪!雪!主人公が除雪車の運転手というのも最高に頷ける。
人を殺すことしか能がない菜食主義者の“伯爵”に、それぞれの息子を殺されたニルスとセルビア系ギャングのボス..復讐を果たすステラン・スカルスガルド&ブルーノ・ガンツが最高!

ノルウェーの田舎町ならではの除雪車を使ったアクションは大迫力!真っ白な雪と真っ赤な血の対比がサスペンスを盛り上げる。
実直な田舎の運転手が、ある日突然殺戮マシーンに変身しギャングと戦う姿は痛快そのもの。
人参ジュースと息子が大好きなギャングの伯爵...実像は気の小さい情けない男というのが笑えるし、セルビア系ギャング、パパの部下が雪深いノルウェーにうんざりして文句たらたらだったり、彼らの会話はほぼコメディ。なにはともあれ登場人物全員が真面目な顔してるんだけど可笑しくてもう完璧。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-05-20 00:27 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「青の寝室」

「La chambre bleue」…aka「The Blue Room」 2014 フランス
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フランスの田舎町。農機の販売をするジュリアンには愛する妻デルフィーヌと幼い娘がいる。ある時、偶然再会した女性エステーと関係を持ってしまう。元々ジュリアンとエステーは幼なじみで、再会以来二人の関係は11ヶ月にも及んでいる。一方で、薬屋を経営するエステーの夫は病を抱えていた…

監督、脚本、出演(ジュリアン)に「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のマチュー・アマルリック。
脚本、出演(エステー)にステファニー・クレオ。
デルフィーヌに「パリの確率/1999」「女はみんな生きている/2001」「ナルコ/2004」のレア・ドリュッケール。
判事にロラン・ポワトルノー。
原作はジュルジュ・シムノンの“青の寝室”。

ドラマのオープニングはジュリアンとエステーが愛し合うホテルにエステーの夫がやって来るところから始まる。窓からエステーの夫を見つけたジュリアンは慌てて身支度を整えホテルを後にする。
やがてシーンは変わり逮捕されたジュリアンを尋問する判事の部屋…尋問されるジュリアン、そして妻デルフィーヌと幼い娘のいる平和な家...シーンは過去、現在と行ったり来たりする。

エステーがジュリアンに“あなたの奥さんは私たちのことに気づいていないの?”と聞く。“妻は全く気づいていない。”と答えるジュリアン。しかし彼は後ろめたさから家族サービスに努めたりしている。
夫の浮気を妻は本当に知らなかったのだろうか?その辺りも曖昧にしか描かれない。ジュリアンとエステーはそれぞれの配偶者を本当に殺したのだろうか?結末は全く知らされない、あのあまりにも唐突のラストに唖然とする。
妻とは決して上手くはいってなかったが、妖艶なる女性に溺れ破滅へと向かった哀れな男が至ってお気の毒。マチュー・アマルリックがジャストな演技で素晴らしい。

マチュー・アマルリックと共同で脚本を書いているのは現在の彼のパートナーであるステファニー・クレオ。
マチューの大ファンなのでwowowで放映され、見る事ができて実に嬉しい。エロティックでまさにフランス映画といった展開のサスペンスは臨場感にあふれとても見応えがある。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-05-18 00:40 | フランス | Trackback | Comments(0)

「イタリアは呼んでいる」

「The Trip to Italy」2014 UK
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スティーヴ&ロブのコンビがミニクーパーで回るイタリア縦断グルメトリップ。

スティーヴに「メイジーの瞳/2012」「あなたを抱きしめる日まで/2013」「Mr.スキャンダル/2013」のスティーヴ・クーガン。
ロブに「スティーヴとロブのグルメトリップ/2010」のロブ・ブライドン。
監督は「日蔭のふたり/1996」「マイティ・ハート/愛と絆/2007」「いとしきエブリデイ/2012」「Mr.スキャンダル」のマイケル・ウィンターボトム。

本作、舞台は違うがこのドラマなんか見たことある…と思っていたら、それもそのはず以前wowowで見た「スティーヴとロブのグルメトリップ」に続く第二弾だった。
第一弾は英国の湖水地方の一流レストランを回るグルメレポート旅行。第二弾は美しきイタリアのグルメレポート旅行。

英国本国では有名なコメディアンの二人のようだが、スティーヴ・クーガンがコメディアンだとは知らなかったし、ロブに関しては「スティーヴとロブのグルメトリップ」で初めて知った英国人俳優。
お笑い系ドキュメンタリー・ドラマの雰囲気の本作…“007ジェームズ・ボンド”を始めとしたUK人俳優のモノマネが終始続く。中でもロブのヒュー・グラントはスゴく似ていて驚き。スティーヴのマイケル・ケインも中々のもの。
舞台がイタリアなのかどうか分らないが“ゴッドファーザー、シリーズ”のアル・パチーノとマーロン・ブランドのモノマネもあり。ロブが“ゴッドファーザー”大好きで盛んにシチリアに生きたがっていたが、それは残念ながらボツとなった。
二人がモノマネするUK人俳優は知っている人ばかり。そして二人は絶妙なトークなんだけど、なぜか?今ひとつノレなかった。

イタリアの景色と、彼らが宿泊する星付きホテルと料理は素晴らしい!の一言。特に過去に著名人(グレタ・ガルボの間とか...)が宿泊したというカプリのホテルはスゴかった。
でもドラマは思ったよりつまらなくて…しかしシアター満員で驚き!(公開1週めGW後のウイークディ)。
2006年に行ったイタリア、カプリ旅行を思い出した。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2015-05-17 20:35 | UK | Trackback | Comments(2)

「あの日の声を探して」

「The Search」2014 フランス/グルジア
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1999年、チェチェン。ハジはチェチェンに暮らす9歳の少年。ある時、ロシア兵に両親を殺されてしまう。ハジは姉のライッサも殺されたと思い幼い弟を連れて家を出る。しかし赤ん坊を連れて逃げることには無理があり民家に弟を置き去りにする。やがてハジは悲しみと孤独、そして弟を捨てた自責の念にかられ言葉を失ってしまう…

キャロルに「ブラウン夫人のひめごと/2002」「アーティスト/2011」「タイピスト!/2012」「ある過去の行方/2013」「ラスト・ダイヤモンド 華麗なる罠/2014」のベレニス・ベジョ。
ヘレンに「華麗なる恋の舞台で/2004」「愛する人/2009」「キッズ・オールライト/2010」「ジンジャーの朝 さよなら、わたしが愛した世界/2012」「フェイス・オブ・ラブ/2013」のアネット・ベニング。
コーリャにマクシム・エメリヤノフ。
ハジにアブドゥル・カリム・マムツィエフ。
ハジの姉ライッサにズフラ・ドゥイシュヴィリ。
監督、製作、脚本、編集に「アーティスト/2011」「プレイヤー/2012」のミシェル・アザナヴィシウス。

ハジは放浪の末施設に収容されるが、やりきれなくて施設を飛び出してしまう。やがてEU職員のキャロルと出会い、二人の共同生活が始まる。ハジを守りたいと一生懸命のキャロルながら何も話さない少年相手になす術がない。自分の無力さを知ったキャロルは赤十字の責任者ヘレンに相談するが、相手にしてもらえない。

一方で、ドラッグ所持で警察に逮捕された青年コーリャはロシア軍に強制的に入隊させられ、軍隊で虐めにあった後、兵士として戦場へ赴く。普通の青年だったコーリャは次第に人間性を失い、狂気を帯びていく。敵軍兵士から奪い取ったビデオカメラで、笑いながら惨たらしい殺戮現場となった戦場を撮影するコーリャの姿にぞっとする。

最初ヘレンがスゴく冷たい女性に映ったが、公平な立場で迷える子供たちを守る姿に彼女の信念を感じた。キャロルが一人でハジを守ろうと思っても無理があったのだから…。
そしてラストに安堵する。安堵するラストながら手放しで感動というほどのものではないけれど、子供が犠牲になる戦争の醜さ...コーリャも犠牲者の一人...を描いたドラマは心に響く。

主演のベレニス・ベジョ…やはり暗いテーマの「ある過去の行方」の時もそうだったが、この方は断然明るいコメディが似合う。
アブドゥル・カリム・マムツィエフが上手い。話さないからハジの目が語る。そしてなんともやるせない表情を見せるのだ。
アネット・ベニングが貫禄。

チェチェン共和国を舞台に描く反戦映画「チェチェンへ アレクサンドラの旅/2007」を思い起こした。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2015-05-16 00:08 | フランス | Trackback(4) | Comments(0)

「イマジン」

「Imagine」2012 ポーランド/ポルトガル/フランス/UK
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リスボンの港町にある視覚障害者のための診療所に、ある日一人の男が教師としてやって来る。イアンと名のる彼は全盲にも関わらず杖を使わないで健常者のように歩くことができる。それは音の反響を受け止めることによって周囲の状況を知る“反響定位”というもの。イアンは子供たちに“反響定位”を教えるインストラクターとしてやって来たのだ。しかし危険も伴うこの方法に診療所のドクターは懸念を募らせて行く…

イアンに「もうひとりのシェイクスピア/2011」のエドワード・ホッグ。
エヴァに「愛を読むひと/2008」「セントアンナの奇跡/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「最終目的地/2009」のアレクサンドラ・マリア・ララ。
セラーノに「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」「パリ、ジュテーム/2006」のメルキオール・ドルエ。
ドクターにフランシス・フラパ。
監督、脚本、製作はアンジェイ・ヤキモフスキ。

授業を受けるのは様々な人種の子供たちや10代の若者たち。イアンの型破りな授業に戸惑いながらも夢中になっていく生徒たち。一方で外国からやって来た女性エヴァは、杖をついて歩くことが嫌で自室にこもりきり。しかしイアンに興味を抱いた彼女は自室から出るようになり授業にも参加し始める。やがてエヴァはイアンのように杖なしで歩いてみたいと思い始める。診療所からイアンと共に外に出たエヴァは、路面電車やバイクが行き交う音、そして人々の足音、木々のざわめきに聞き耳をたてながら街の空気を満喫する。
そばに寄り添うイアンは目が不自由なのにまるで見えるかのように“近くには港があり大型客船が出入りしているはず。”とエヴァに語る。
イアンとエヴァのほのかな恋は成就するのだろうか?スクリーンいっぱいに映る大型客船と路面電車のラストがとても美しく晴れ晴れしい。

リスボンの街で撮影された本作は目の不自由な人に勇気を与える素晴らしいドラマで、イアンがセラーノに海を見せる(感じさせる)シーンは感動を覚える。

イアン役のエドワード・ホッグは見えないようにして特訓を重ねたそうだが、スクリーンの中でホントに目の不自由な人のように見えて驚きつつ感心した。
監督はポーランド人で、主演のエドワード・ホッグは英国人。アレクサンドラ・マリア・ララはルーマニア出身のドイツ人で、子供たちの中にフランス人や、英国人も混ざるとってもInternationalな映画のロケ地はポルトガルのリスボン。

シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2015-05-15 00:23 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「シンデレラ」

「Cinderella」2015 USA/UK
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シャルル・ペローの童話“シンデレラ”を美しい映像で描いたラヴ・ファンタジー。

継母トレメイン夫人に「ブルージャスミン/2013」のケイト・ブランシェット。
エラ/シンデレラに「タイタンの逆襲/2012」「ダウントン・アビー シリーズ/2012~2013」のリリー・ジェームズ。
王子/キットに「暮れ逢い/2013」のリチャード・マッデン。
ドリゼラに「ダウントン・アビー シリーズ/201~2013」のソフィー・マクシェラ。
アナスタシアに「ジェーン・エア/2011」「ベラミ 愛を弄ぶ男/2012」「ボルジア家3 愛と欲望の教皇一族/2011~2013」「アンナ・カレーニナ/2012」のホリデイ・グレインジャー。
フェアリー・ゴッドマザーに「カンバセーションズ/2005」「英国王のスピーチ/2010」「レ・ミゼラブル/2012」「天才スピヴェット/2013」のヘレナ・ボナム・カーター。
大公に「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「天使と悪魔/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「メランコリア/2011」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」のステラン・スカルスガルド。
王に「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「英国王のスピーチ/2010」「もうひとりのシェイクスピア/2011」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のデレク・ジャコビ。
大尉に「つぐない/2007」「ロックンローラ/2008」のノンソー・アノジー。
エラの父に「ウォーター・ホース/2007」「ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-/2010」「僕と彼女とオーソン・ウェルズ/2008」のベン・チャップリン。
エラの母に「ある公爵夫人の生涯/2008」「ダークエイジ・ロマン 大聖堂/2010」「ロンドン・ヒート/2012」のヘイリー・アトウェル。
監督は「魔笛/2006」「スルース/2007」「ワルキューレ/2008:出演」「パイレーツ・ロック/2009:出演」のケネス・ブラナー。

優しい母を亡くしたシンデレラは父をも亡くしてしまう。やがて意地悪な継母と義姉にこき使われるが健気にめげずに働き続ける。よくまぁ我慢出来るものだと見ていて歯がゆい思いもするが、どんな時でも勇気と優しさを忘れない…それは母から教わったシンデレラのポリシー。継母から王子を守ると宣言するシンデレラが少々現代的でほっとする。

森での乗馬や舞踏会のダンスなど二人の息はぴったりで、シンデレラ&プリンス・チャーミング演じる二人が素晴らしい。とにかく舞踏会のシーンは絢爛豪華でため息がでるほど。“秘密の花園”のシーンはあり得ないほど美しいし、二人のダンスは華麗!の一言で衣装も素晴らしい。そして忘れてはならないケイト・ブランシェットが、超意地悪な継母役ぴったりなのだ。彼女の高笑いが最高!
シンデレラ、プリンス・チャーミング、継母を始めとしてドリゼラとアナスタシアにフェアリー・ゴッドマザーと、皆物語から抜け出してきたように見える。ケネス・ブラナーがこんなに華麗なディズニー映画を作るなんて!嬉しい驚き。
「暮れ逢い」で年上の人妻に恋いこがれる青年を演じ、ほとんど笑顔を見せないながらも素敵だったリチャード・マッデン。本作では輝く笑顔が実にチャーミング。リリー・ジェーイムズの笑顔もキュート。

アニメの“シンデレラ”は見た事があるが、こんなに綺麗でゴージャスな実写版のシンデレラってきっと初めてだと思う。
お城の舞踏会のシーンはもちろんのこと、CGを駆使したフェアリー・ゴッドマザーの魔法のシーンなど見所たっぷり。
アニメが又見たくなった。ふと思い出したのは、ドリュー・バリモアの「エバー・アフター/1998」。“シンデレラ”がベースのロマンティックな映画。

TOHOシネマズに日劇にて
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by margot2005 | 2015-05-09 22:32 | USA | Trackback(7) | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「僕たちの大地」

「La nostra terra」2014 イタリア
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反マフィア団体で働くフィリッポは、獄中のマフィアのボス、ニコラ・サンソーネから国が押収した農地で、有機農業の共同組合を立ち上げようとする。農地はニコラの父親が農民から奪い取った土地だった。その地でフィリッポは元地主の息子コジモと出会う。コジモはサンソーネ家の小作人として働いていたが、押収後も無許可で野菜や果物を作り続けていた。やがてフィリッポは紆余曲折を経て共同組合の立ち上げに成功する。メンバーは農夫のコジモ意外、教師、エコロジスト、デザイナーと皆農業未経験者ばかり。その中にはゲイのカップルと車椅子の障害者も含まれていた…

フィルッポに「最後のキス/2001」「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「対角に土星/2007」「娘と狼/2007」「気楽な人生/2011」「錆び/2011」「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のステファノ・アルコッシ。
コジモに「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「無用のエルネスト/2013」のセルジオ・ルビーニ。
ロッサーナにマリア・ロザリア・ルッソ。
アッズーラに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のイアイア・フォルテ。
ニコラ・サンソーネに「孤独な天使たち/2012」のトンマーゾ・ラーニョ。
監督は「人生、ここにあり!/2008」のジュリオ・マンフレドニア。

悪戦苦闘の末有機トマトの栽培にこぎつけ収穫の時がくる。しかし買い手がつかない上、自宅軟禁の判決を受けたニコラが自宅へ戻ってくる。ニコラはフィリッポたちを追い出すため妨害作戦を開始し、とうとう農場に火を放つのだった。しかし全て灰となってしまった農場を再建するため再びフィリッポは立ち上がる。

フィリップはとても神経質な人間。上司の命令でいやいややって来たこの地で、やや戸惑いながらも必死で“僕たちの大地”を守ろうと、マフィアと戦うメンバーたちをサポートする姿が清々しい。演じるステファノ・アルコッシも適役。
大笑いするほどってこともないけど、あらゆる所にイタリアン・ジョークを交えて進行するドラマは見応えがある。
ステファノ・アルコッシはお気に入りイタリア人俳優。本作を観る気になったのはアルコッシ主演作に他ならない。

少女の頃からこの地に住むロッサーナとフィリッポのちょっと気になる関係や、盆栽作りが趣味のアッズーラがトマト栽培に生き甲斐を見つける...といったエピソードも微笑ましい。

マフィア(犯罪組織)から押収した膨大な土地がイタリア中にあり、これらを社会的目的のため再利用されるよう定める法案が1996年に制定されたとエンディングで説明される。

今年は6作品鑑賞。どの作品も良くて大満足なイタリア映画祭2015だった。
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by margot2005 | 2015-05-08 00:06 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2015...「レオパルディ」

「Il giovane favoloso」…aka「Leopardi」2014 イタリア
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1789年、レオパルディ伯爵の長男としてイタリア中部の小さな町レカナーティに生まれたジャコモは膨大なる蔵書に囲まれた屋敷で、弟カルロ、妹パオリーナとともに育てられる。やがて厳格な父親に古典教育を叩き込まれ詩の才能を開花させる。文学者ピエトロ・ジョルダーニに手紙を送り自由への憧れを抱いていたが病弱なジャコモは家を離れることができない。10年後ようやく故郷を離れたジャコモはフィレンツェで、ナポリ出身の政治亡命者で生涯の友となるアントニオ・ラニエリと出会い共同生活を始める…

ジャコモ・レオパルディに「ナポレオンの愛人/2006」「NINE/2009」「我らの生活/2010」「家の主たち/2012」「無用のエルネスト/2013」のエリオ・ジェルマーノ。
アントニオ・ラニエリに「眠れる美女/2011」のミケーレ・リオンディーノ。
レオパルディ伯爵に「イル・ディーヴォ -魔王と呼ばれた男-/2008」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」のマッシモ・ポポリツィオ。
ファニー・タルジョーニ・トッツェッティに「そして、デブノーの森へ/2004」「シャネル&ストラヴィンスキー/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「ジェラシー/2013」のアナ・ムグラリス。
ピエトロ・ジョルダーニに「心の中の獣/2005」のヴァレリオ・ビナスコ。
パオリーナ・ラニエリに「新世界:Golden Door/2006」のフェデリカ・デ・コーラ。
レオパルディ伯爵夫人アデライデにラファエッラ・ジョルダーノ。
カルロ・レオパルディにエドアルド・ナトリ。
パオリーナ・レオパルディに「見わたすかぎり人生/2008」「初任地にて/2010」「我らの生活/2010」「幸せの椅子/2014」のイザベラ・ラゴネーゼ。
監督は「われわれは信じていた/2010」のマリオ・マルトーネ。

アントニオは脊椎の病と弱視に苦しめられた上、文壇からも孤立したジャコモを終始支え続けた。アントニオの妹パオリーナもジャコモの面倒をみたという。
ジャコモはフィレンツェで美しい年上の貴族夫人ファニーに恋をしたが、彼女の心はアントニオにあり、生涯を通じて成就する恋はなかった。
ナポリで48歳で亡くなったジャコモ・レオパルディはイタリア、ロマン主義を代表する詩人であり思想家だそう。
とても重厚なドラマの主人公レオパルディを全く知らないのでドラマに入っていくのは少々難しかった気がする。

ロケされたレカナーティの町が19世紀始めに戻ったようで素晴らしい。他に美しいトスカーナ地方の田園地帯やフィレンツェ、そしてナポリの景色もドラマを盛り上げている。
アントニオが病に苦しむジャコモのため転地療養を勧めヴェズーヴィオ山を見上げる村に引っ越す。そして1822年に噴煙を上げたヴェズーヴィオ山の姿もスクリーンに映し出される。
ジャコモ・レオパルディを演じるエリオ・ジェルマーノが大熱演。UK映画「博士と彼女のセオリー/2014」のスティーヴン・ホーキング役のエディ・レッドメインを思い起こした。
アントニオ・ラニエリ役のミケーレ・リオンディーノは「眠れる美女」では眼鏡だったが、本作ではヒゲがとても似合うイケメン俳優。

有楽町朝日ホールにて
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by margot2005 | 2015-05-07 00:43 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)