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「馬々と人間たち」

「Hross í oss」…aka「Of Horses and Men」アイスランド/ドイツ/ノルウェー
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アイスランドの小さな村にもようやく春が訪れようとしている。
独身男コルベインはシングルマザーのソルヴェーイグに惹かれていて、ある時、馬に乗り彼女の家を訪ねたところお茶に招かれる。やがてソルヴェーイグの家を辞去し牝の愛馬に乗り家路へと進む道、あろうことか柵を超えたソルヴェーイグ自慢の種馬が近づきコルベインの愛馬をキズものにしてしまう。ショックから立ち直れないコルベインもようやく落ち着きを取り戻し愛馬に銃を向ける。一方でソルヴェーイグは彼女の愛する種馬を去勢するしかなかった...。

コルペインにイングヴァール・E・シーグルソン。
ソルヴェーイグにシャーロッテ・ボーヴィング。
ヨハンナにシグリーズル・マリア・エイルスドティール。
ヴェルンハルズルにステイン・アルマン・マグヌソン。
エーギットールにヘルギ・ビョルンソン。
グリームルにキャルタン・ラグナルソン。
フアン・カミーリョにフアン・カミーリョ・ロマン・エストラーダ。
監督、脚本はベネディクト・エルリングソン。

村人たちはコルベインとソルヴェーイグの行く末に興味津々。観光客を迎える準備に忙しい村人も二人が気になって仕方がないのだ。そして双眼鏡片手に二人の姿をウオッチングする姿あり。

飲んだくれのヴェルンハルズルは海上に停泊するロシア船に愛馬と共に乗り込みウオッカを手に入れる。強い酒ウオッカは飲み過ぎに注意…といわれたにも関わらず陸に戻る間もウオッカを飲みまくるヴェルンハルズル。案の定飲み過ぎた彼は草原で眠ってしまい命を落とす。
エーギットールとグリームルは馬を柵に入れることでもめ争いの追跡劇を始める。
スウェーデン出身の馬のトレーナー志願のヨハンナは見事な手綱さばきをするスーパーウーマン。そんな彼女に惚れる旅人フアン・カミーリョ。

コルペインとソルヴェーイグが惹かれ合うように、互いの愛馬も惹かれ合っている様子が実に可笑しい。アイスランド舞台の馬と人間のオムニバス群像コメディは馬が主人公で人間は脇役といった感じ。壮大なる草原を走り回る馬が美しい。
春とはいえ冷たい海を泳ぐ馬…馬って水泳得意なんだと感心しきり。まぁ人間以外全ての動物は泳げるようだが…。

BSの旅番組で何度も見たアイスランド。かの地に行くことは多分叶わないだろうけどとても興味深い国ではある。で、この映画の予告をシアターで観ていたため少々気になっていた。ハリウッド大作やその他の映画のロケーションにも登場している魅惑的なアイスランドは実に美しい国(島)。

大笑いするほどでもないけど、なんか可笑しいアイスランド映画は期待以上に楽しめる。
映画のラストで…“映画撮影において馬を決して傷つけてはいません。”という案内がでる。映画の中で馬を射殺したり、去勢したり、果ては馬の内蔵を取り出すシーン迄でてくるのだから…。

シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2014-11-27 23:58 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(2)

「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」

「 About Time」2013 UK
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コーンウオールに住むティムは21歳の誕生日に父親から先祖代々タイムトラベルの能力があると知らされる。驚きながらもそれを活用しようと心に誓い素晴らしい女性をゲットすべく奔走する...

ティムに「わたしを離さないで/2010」「シャドー・ダンサー/2011」「アンナ・カレーニナ/2012」のドーナル・グリーソン。
メアリーに「誰よりも狙われた男/2013」のレイチェル・マクアダムス。
ティムの父親に「マリーゴールド・ホテルで会いましょう/2011」のビル・ナイ。
ハリーに「プライドと偏見2005」「プロヴァンスの贈りもの/2006」「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2007」「ワルキューレ/2008」「路上のソリスト/2009」のトム・ホランダー。
シャー ロットにマーゴット・ロビー。
ティムの母親に「ウイークエンドはパリで/2013」のリンゼイ・ダンカン。
監督/脚本/製作総指揮に「ノッテイングヒルの恋人/1999」「ラブ・アクチュアリー/2003」「パイレーツ・ロック/2009」のリチャード・カーティス。

ビル・ナイ大好きなのと、リチャード・カーティス映画大好きなのと、UKの最西端に位置するコーンウオールが見たくて観に行った一作。
ドラマは“タイムトラベル・ロマンティック・コメディ”。と命名されている。このドラマの“タイムトラベル”は暗い部屋に身を置いて念じれば何度も、何度も繰り返し行えるというところがミソ。そしてうーんと古い過去には行けず、少し前の過去に行けるのだ(ラストで一度だけティムが子供時代にタイムトラベルする/できる)。
このようなことが可能であれば素晴らしい!ことこの上ない。人生思いのままに操れる…とも思えるが、一つ間違うと現在の状態が冒されてしまうというもの難点の一つ。でもそりゃそうだ。過去を変えれば現在が変わるのは当たり前のこと。
冴えない男ティムは自らに与えられた能力(ギフト)を上手く活用し素晴らしい人生をつかみ取る。ハートウオーミングなタイムトラベル・ロマンティック・コメディはリチャード・カーティスの世界でナイス。

最初にティムとメアリーが出会うあの真暗闇のレストランはTVで紹介され見たことがある。ブラインド・デートじゃなくて、真っ暗闇のデートって?明るいところで再度出会った相手が好みじゃなかったら最悪かも?

ヒロインを演じるレイチェル・マクアダムスはアメリカ人の役。この方ほんとどの作品で美味しい役を演じる女優だ。わたし的には好きでもないし、キライでもないといったところの女優。
ティム役のドーナル・グリーソン主演映画は初めて観たかも知れない。地味目ながら素敵なUK俳優。
ビル・ナイももちろん良かったな。

TOHOシネマズみゆき座にて
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by margot2005 | 2014-11-25 18:43 | UK | Trackback(9) | Comments(2)

「美女と野獣」

「La belle et la bête」…aka「Die Schöne und das Biest」「Beauty and the Beast」2014 フランス/ドイツ
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母親が二人の子供に物語を読み聞かせる手法でドラマは始まり、ラストでその母親がベルであることが明かされる。そしてベルの夫の姿も…。

野獣/王子に「オーシャンズ13/2007」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「ブラック・スワン/20101」「危険なメソッド/2011」「トランス/2013」のヴァンサン・カッセル。
ベルに「美しい人/2008」「ロビン・フッド/2010」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」「アデル、ブルーは熱い色/2013」のレア・セドゥ。
ベルの父親(商人)に「あるいは裏切りという名の犬/2004」「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵/2005」「ミックマック/2009」「風にそよぐ草/2009」のアンドレ・デュソリエ。
プリンセスにイボンヌ・カッターフェルト。
監督、脚本は「ジェヴォーダンの獣/2001」「サイレントヒル/2006」のクリストフ・ガンズ。

裕福な商人はある時、大嵐に積み全てを奪われ破産してしまう。彼には2人の息子と3人の娘がいて、都会での贅沢に慣れきった彼らは貧乏生活に不満を募らせるが、末娘のベルは、都会では味わえない素朴な田舎の生活を楽しんでいる様子。ある日、森で猛吹雪に遭遇した商人は偶然見つけた古城に逃げ込む。やがて屋敷を探索してみるが、贅沢な食べ物や飲み物が用意されているにも関わらず誰の姿もない。しばし暖を取り、空腹も満たした後庭園に咲いている美しいバラをベルの土産に一輪手折る。しかしその瞬間恐ろしげな野獣が姿を現しバラの代償に商人の命を要求するのだった。家に戻り1日猶予を与えられたことも含めいきさつを話したところベルが父親の身代わりに城に駆けつけると宣言する。

城に駆けつけるベル。彼女のために用意された部屋には美しいドレスがあり、城の主の野獣(王子)は彼女にディナーを共にするよう要求する。
“美女と野獣”といえばアニメ。ちょっと調べてみたら1946年フランス製作のジャン・コクトー版がある。
フランスのロワール地方を訪れた時、映画の中のシャトーにいたのとそっくりな狩猟犬が登場したのでてっきりロケ地はフランス?と思っていたら、なんとロケーションはドイツだった。
「ジェヴォーダンの獣」や「サイレントヒル」の監督らしい少々ダークな世界がアニメとは違った趣で中々洒落てる。でも50近いヴァンサン王子は少々無理があるかな?ベル役のレア・セドゥーはキュート。

TOHOシネマズ・スカラ座
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by margot2005 | 2014-11-18 23:22 | フランス | Trackback(7) | Comments(2)

「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」

「Grace de Monaco」2014 フランス/USA/ベルギー/イタリア/スイス
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グレース公妃に「オーストラリア/2008」「ペーパーボーイ 真夏の引力/2012」「イノセント・ガーデン/2013」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」のニコル・キッドマン。
レーニエ3世に「インクレディブル・ハルク/2008」「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け/2012」のティム・ロス。
タッカー神父に「スーパーマン・リターンズ/2006」「フロスト×ニクソン/2008」「運命のボタン/2009」「アンノウン/2011」「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー/2012」のフランク・ランジェラ。
マッジに「ブロークン・イングリッシュ/2007」のパーカー・ポージー。
マリア・カラスに「スパングリッシュ/2004」「ひばり農園/2007」のパス・ベガ。
オナシスにロバート・リンゼイ。
デリエール伯爵に「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「英国王のスピーチ/2010」「もうひとりのシェイクスピア/2011」のデレク・ジャコビ。
ルパート・アランにマイロ・ヴィンティミリア。
アントワネットに「ゴスフォード・パーク/2001」のジェラルディン・ソマーヴィル。
ジャン・シャルルに「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」のニコラス・ファレル。
バチョッキ伯爵夫人に「ランジェ公爵夫人/2007」「サガン−悲しみよこんにちは−/2007」のジャンヌ・バリバール。
ヒッチコックに「恋のロンドン狂騒曲/2010」のロジャー・アシュトン・グリフィス。
シャルル・ド・ゴールに「ヴィドック/2001」のアンドレ・ペンヴルン。
監督は「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」のオリヴィエ・ダアン。

本作のオープニングはハリウッドでのグレース・ケリーから始まる。撮影中の映画は「上流社会」のラスト・シーン。やがて舞台はモナコに移る。
モナコ公国は観光が主な産業でタックス・ヘイヴンの国でもある。ライフラインは全てフランスから供給されている。
ある時、フランス大統領シャルル・ド・ゴールがモナコに過酷な課税を要求する。
ヨーロッパ最古の王室を誇るモナコは過去にルイ14世やナポレオンの時代にも決してフランスからの課税要求に屈しなかったらしい。が、今、レーニエは大国フランスを相手に窮地に追い込まれ、国家存亡の危機に陥っている。そこで夫を支えようとグレースはある策を思いつく。

ドラマに登場するギリシャの海運王オナシスとその恋人マリア・カラス。レーニエは二人と親しかった様子。グレースの良き理解者であるアメリカ人のタッカー神父や、教育係のデリエール伯爵にヒッチコックやハリウッドのエージェント、ルパート・アランなど彼女にまつわる登場人物の多彩さが興味深い。レーニエの姉アントワネットや夫のジャン・シャルルの陰謀なども絡めるドラマは中々面白かった。

ニコル・キッドマン苦手なので観るかどうか迷ったが新聞等宣伝が激しくてシアターに行ってしまった。でもやはりキッドマンはグレース・ケリーとかぶらず困った。
グレース・ケリー映画は記憶にある限り「真昼の決闘/1952」「ダイヤルMを廻せ/1954」「裏窓/1954」「喝采/1954」「泥棒成金/1955」「上流社会/1956」とBSで見ている。でもでもグレース・ケリーと言えば“エルメス ケリー”が一番ピンと来る。そして本作の中でもスポーツカーをすっ飛ばすシーンが出てくるが、ご本人は自動車事故で亡くなっている。

TOHOシネマズ有楽座
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by margot2005 | 2014-11-12 23:55 | フランス | Trackback(12) | Comments(0)

「やさしい人」

「Tonnerre」2013 フランス
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マクシムにヴァンサン・マケーニュ。
メロディに「ルノワール 陽だまりの裸婦/2012」のソレーヌ・リゴ。
マクシムの父にベルナール・メネズ。
イヴァンにジョナ・ブロケ。
監督、脚本は「女っ気なし/2011」のギヨーム・ブラック。

ミュージシャンのマクシムはパリから生まれ故郷トネールに戻り、老いた父親の家に住み始める。彼は過去の出来事により父親にわだかまりを抱き、決して住み心地が良いとは言えない実家でひっそりと暮らし始める。
かつてインディーズでそこそこ売れたマクシムも今ではかげりが見え未来も暗い。そんなある日、地元紙の若い女性記者メロディがトネール出身の有名人マクシムの取材にやって来る。やがて自分よりうーんと若いメロディに惹かれ始めるのに時間はかからなかった。運良くメロディは恋人と別れたばかりでマクシムはメロディに強引にアプローチする。メロディに拒まれるかと思いきや彼女もまんざらではない様子。すっかり有頂天になったマクシムは彼女をスキー旅行へ連れ出す。

上手く行くと思っていたメロディとの関係。しかし彼女が元カレのサッカー選手イヴァンとヨリを戻したところから悲劇が始まる。嫉妬の鬼と化したマクシムはストーカーとなりメロディを悩ませ始める。30男が若い女に夢中になりやがて捨てられる。これはもうもうかなり悲惨。最後にはイヴァンを傷つけメロディを拉致して思い出のロッジに閉じ込める。しかしこのような事が許されるわけでもなく訴えられた末警察に捕まってしまう。
メロディを自分の恋人にすることは叶わなかったが、わだかまりを抱いていた父親と未来が見えるラストは爽やかだった。

“新たなジェラール・ドパルデュー”と評されフランスで今注目されるヴァンサン・マケーニュは風貌もドパルデューに似ている。実際年齢は30代半ばで頭は少々薄いが中々sexy。

しかしながら“やさしい人”という邦題が大雑把すぎてふさわしくないかなぁと感じる。
原タイトルは舞台となるフランス・ブルゴーニュ地方の小さな町“トネール”。雪景色が素晴らしく美しい。
昨年の秋に公開された中編「女っ気なし」は未見だが、現在渋谷ユーロスペースで3週間限定公開中。

ユーロスペースにて
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by margot2005 | 2014-11-11 00:30 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「誰よりも狙われた男」

「A Most Wanted Man」2013 UK/USA/ドイツ
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ドイツ、ハンブルグ。諜報機関でテロ対策チームを率いるギュンター・バッハマンは密入国した一人の青年に目を付ける。彼はイッサという名前のチェチェン人で、イスラム過激派として国際指名手配されている人物だった…

ギュンター・バッハマンに「カポーティ/2005」「M:i:III/2006」「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー/2007」「その土曜日、7時58分/2007」「ダウト ~あるカトリック学校で~/2008」「パイレーツ・ロック/2009」「ザ・マスター/2012」「25年目の弦楽四重奏/2012」のフィリップ・シーモア・ホフマン。
アナベル・リヒターに「幸せのポートレート/2005」「あぁ、結婚生活/2007」「消されたヘッドライン/2009」「きみがぼくを見つけた日/2009」「ミッドナイト・イン・パリ/2011「トゥ・ザ・ワンダー/2012」「パッション/2012」のレイチェル・マクアダムス。
トミー・ブルーに「インサイド・マン2006」「パリ、ジュテーム/2006」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「アンチクライスト/2009」「ミラル/2010」「ハンター/2011」「4:44 地球最後の日/2011」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のウィレム・デフォー。
マーサ・サリヴァンに「こわれゆく世界の中で/2006」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「消されたヘッドライン」「50歳の恋愛白書/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「声をかくす人/2011」「美しい絵の崩壊/2013」のロビン・ライト。
イッサ・カルポフにグリゴリー・ドブリギン。
イルナ・フライに「イェラ/2007」「東ベルリンから来た女/2012」のニーナ・ホス。
マキシミリアンに「ニューヨーク、恋人たちの2日間/2012」のダニエル・ブリュール。
ファイサル・アブドゥラ博士に「君のためなら千回でも/2007」「ゼロ・ダーク・サーティ/2012」のホマユン・エルシャディ。
ジャマールに「もうひとりの息子/2012のメディ・デビ。
監督は「ラスト・ターゲット/2010」のアントン・コルベイン。
原作は「裏切りのサーカス/2011」のジョン・ル・カレ。

イッサはハンブルグに住むトルコ人の友人により人権団体の女性弁護士アナベル・リヒターを紹介され彼女を介して銀行家のトミー・ブルーに接触する。それは彼の銀行にイッサが求める秘密口座が存在している可能性があったから…。
一方でバッハマンはCIAと共にイッサを逮捕しようともくろんでいた。そこでまずアナベルとトミー・ブルーに近づき、強引に協力させることに成功する。しかしイッサの境遇を知り親身になって行動するアナベルは窮地に追い込まれてしまう。

バッハマンの忠実な部下イルナとマキシミリアンの存在。イルナに全幅の信頼を寄せるバッハマン…二人の関係はイルナがバッハマンに愛情を抱いているにも関わらず彼は意外に無関心といったところか?二人の私的な関係はドラマの展開に意味がないので深く掘り下げないところも良いなと思った。
父親を裏切るジャマールの苦渋の選択や、ラストCIAにしてやられる展開には少々驚きだったが…やはりアメリカは“9・11”を決して忘れず、許せないのだろう。

「裏切りのサーカス」同様最高にシブい映画で素晴らしかった。ギュンター・バッハマンは多分独身かと思える。散らかった部屋でウイスキーを飲みひたすらタバコを吸っている。タバコは職場でも、移動の車の中でも決して離さない。孤独な男を演じるフィリップ・シーモア・ホフマンがナイスだ。
個性派俳優フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作は「ハンガー・ゲーム2/2013」で、少し前にwowowで見た。もう彼の映画が見られないのは実に寂しい。
お気に入り女優のロビン・ライトがCIAマーサ・サリヴァン役で出演。そして同じくお気に入り俳優のウィレム・デフォーはいつもクールでうっとりする。
ドイツ人女優ニーナ・ホスの出演にも大満足で、ドラマと共に出演陣も楽しむ事ができた。難をいえばレイチェル・マクアダムスがドイツ人に見えなくて困ったけど...。

「リスボンに誘われて/2013」はポルトガルが舞台でポルトガル人役の俳優たちが皆英語を話している。本作も舞台はドイツで、ドイツ人の設定ながら台詞は英語。ドイツ人ハーフのダニエル・ブリュールと、ドイツ人のニーナ・ホスまで英語で話しているのが妙なのだが、International公開するためには英語の台詞が不可欠なのだろう。主演はフィリップ・シーモア・ホフマンだし…。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2014-11-10 00:48 | UK | Trackback(9) | Comments(6)

「シャトーブリアンからの手紙」

「La mer à l'aube」…aka「Calm at Sea」2011 フランス/ドイツ
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“1人のドイツ人将校の報復として、ヒトラーは人質150名の命を要求した。”

ギィ・モケにレオ・ポール・サルマン
ジャン・ピエール・タンボーに「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜/2007」「ランジェ公爵夫人/2007」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路/2010」「最後のマイウエイ/2012」のマルク・バルベ。
クロード・ラレに「ミステリーズ 運命のリスボン/2010」のマルタン・ロワズィヨン。
モヨン神父に「ダニエラという女/2005」「サン・ジャックへの道/2005」「画家と庭師とカンパーニュ/2007」「バレッツ/2010」「キリマンジャロの雪/2011」のジャン・ピエール・ダルッサン。
オデット・ネリスにヴィクトワール・デュボワ。
ルシアン・トゥーヤ収容所長に「大統領の料理人/2012」のジャン・マルク・ルロ。
ベルナール・ルコルヌ副知事にセバスティアン・アカール。
カミーユに「宮廷料理人ヴァテール/2000」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」のアリエル・ドンバール。
エルンスト・ユンガーに「ヒトラー 〜最期の12日間〜/2004」のウルリッヒ・マテス。
ドイツ兵ハインリヒ・オットーに「ウェイヴ あるクラスの暴走/2008」のヤコブ・マッチェンツ。
シュテュルプナーゲル将軍にアンドレ・ユンク。
監督、脚本は「ブリキの太鼓/1979」「スワンの恋/1983」のフォルカー・シュレンドルフ。

1941年10月。ドイツ占領下のフランス、シャトーブリアンにあるショワゼル収容所 には占領に反対する政治犯が多数収容されていた。そこには占領を批判するビラを撒いただけで逮捕された17歳の少年ギィや新婚の青年クロードもいる。収容所の男たちに会いにくる女たち。その中にギィが恋心を抱くオデットやクロードの愛する妻も…。クロードは訪ねてきた妻に“明日出所できる!”と伝え、ギィはオデットとデートの約束を交わす。そんな折、ナントで1人のドイツ人将校が何ものかによって暗殺される事態が起きる。やがてパリのドイツ軍司令部に、ヒトラーからの命令が届く。それは”収容所にいるフランス人150名を処刑せよ!”という過酷なものだった。ドイツ軍司令本部にいるシュテュルプナーゲル将軍はこの命令に愕然とし回避するよう奔走する。しかし命令は回避されず、ルシアン・トゥーヤ収容所長はベルナール・ルコルヌ副知事に速やかに処刑者のリストを作るよう命じる。そしてここでも処刑リスト作成にベルナールが躊躇するが、彼は命令に背くことができない。やがて17歳のギィも含めたリストを作り上げるしか方法はなかった。

収容所のリーダー格であるジャン・ピエール・タンボーとモヨン神父の存在あってのドラマかとも思える。タンボーと神父役の二人がフランス映画界の著名俳優でもあるし、二人の存在感は圧倒的。
タンボー役のマルク・バルベは頑固でイヤミな役柄が多いが、本作ではギィに穏やかに接するgood person役だ。ちょっと意外だったが善き人役のマルク・バルベも中々goodである。
神父役のジャン・ピエール・ダルッサンには飄々としたという言葉がぴったり。本作では罪もない人々が死に行く様を穏やかな表情で見つめる姿がまたまたgoodである。

“シャトーブリアン”と聞けばステーキを思い浮かべるが、ロワール・アトランティック県にあるフランスの一都市であり、県庁所在地はナント。

フランス人捕虜の銃殺に反対だったシュテュルプナーゲル将軍やエルンスト・ユンガー。ドラマの中でユンガーはフランス人シンガー、カミーユと親しい間柄にあるよう描かれている。そして銃殺場面に駆り出されたドイツ兵ハインリヒ・オットーは、自らの行為に驚愕し悩み苦しむ。
ドイツ人はドイツ人で罪もないフランス人を殺すことに苦悩していた真実がひしひしと伝わってくる。
ヒトラーの命令を受けた幹部の一人が“わたしたちは人殺しではない。”と訴える言葉が胸に響く。

邦題を「シャトーブリアンからの手紙」としたのは処刑される前に、家族に宛てて書いた彼らの手紙から考えた様子。
91分と短いながら、フランス人とドイツ人の心境を凝縮してあるドラマはとても見応えがあった。平日の昼間シアターは人で埋まっていて驚き。

シアター・イメージフォーラム
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by margot2005 | 2014-11-06 00:28 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「トム・アット・ザ・ファーム」

「Tom à la firm」…aka「Tom at the Farm」2013 カナダ/フランス
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モントリオールの広告代理店で働くトムは交通事故で亡くなった恋人ギョームの葬儀に参列するため、ケベック州にある彼の実家の農場を訪ねる。そこにはギョームの母親アガットと農場を経営する兄フランシスが住んでいた。母親アガットは息子のギョームがゲイとは知らなかったがフランシスはそれを知っていた。トムはフランシスの存在すら知らずにいたため驚きを隠せない。やがてフランシスはギョームがゲイであったことを母親に隠すようトムを脅し始める…

監督/編集/脚本/製作/出演(トム)に「わたしはロランス/2012」のグザヴィエ・ドラン。
フランシスにピエール・イヴ・カルディナル。
アガットにリズ・ロワ。
サラに「クロエの祈り/2012」のエヴリーヌ・ブロシュ。
バーテンダーにエマニュエル・タドロス。

ギョームの母親アガットはトムを歓迎し息子のことを知りたがる。トムはたびたび真実を伝えようかと思うがフランシスが脅しをかけるため嘘を付き続けるしか方法はない。フランシスは執拗なまでにトムを虐める。そんなある日、ギョームの同僚であるサラをモントリオールから呼び寄せるよう促す。しかしギョームの嘘の恋人のフリするサラの演技もをアガットをいらだたせるだけ。そしてスキあらばサラと一緒に逃げようとするトムをフランシスが見逃すわけがない。やがてサラ一人が去り、もはや観念したトムは街のバーで酒を飲むことにする。しかしバーテンダーからフランシスにまつわる醜い話を知ることになる。そしてとうとう自分の身が危ういと感じたトムはフランシスから逃げ出すことを決意する。

フランシスの弟ギョームへの深い愛…フランシスもゲイだったに違いないとしか思えない(広い納屋でトムとダンスをする場面なぞ興味深い)。しかし彼が住む田舎ではゲイなど全くもって受け入れられないことを知っている。そして母親もきっと息子たちの性癖を知っていたのじゃないかと思う(ダンスの場面を母親も見ていたのだから...)。

映画のオフィシャル・サイトに“隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。ケベックの雄大な田園地帯を舞台に、一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描き切る、息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス。”…とある…正にこの“愛のサイコ・サスペンス”は面白い。

オープニング、カナダ、ケベックの広大なる田園地帯が映し出される。そしてミシェル・ルグランの“Les moulins de mon cœur/The Windmills of Your Mind (風のささやき)”が流れる。
「わたしはロランス」もそうだったが、Back Musicもまた素敵。
葬儀のシーンでトムが話す予定だった弔辞の代わりに流れるとても場違いな音楽もまた最高。
しかしながらグザヴィエ・ドランって若い頃のメグ・ライアンにそっくりなんだけど。

シネマカリテにて
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by margot2005 | 2014-11-03 00:09 | MINI THEATER | Trackback(8) | Comments(0)