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「アデル、ブルーは熱い色」

「La vie d'Adèle - Chapitres 1 et 2」…aka「Adèle's Life」「Blue Is the Warmest Color」2013 フランス/ベルギー/スペイン
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アデルにアデル・エグザルコプロス。
エマに「美しい人/2008」「ロビン・フッド/2010」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」のレア・セドゥ。
サミールにサリム・ケシュシュ。
リーズにモナ・ヴァルラヴェン。
アントワーヌにバンジャマン・シクスー。
トマにジェレミー・ラウールト。
監督、脚本はアブデラティフ・ケシシュ。
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高校生のアデルは文学と子供が大好きで将来は教師になりたいと思っている。上級生のトマと出会い恋人になるがなぜか満たされない。トマとのsexにも歓びを感じられず、アデルは彼と別れる決意をする…

アデルがトマと別れたのはエマのせい??トマとのデートに向かう途中、道で髪をブルーに染めた女性を見つけたから…それは一目惚れだったに違いない。その後アデルはレズビアン・クラブでエマとの再会を果たす。アデルはエマとの出会いは偶然だというが、エマは人生に偶然はないと言い放つ。確かにアデルはエマを探し求めてそのクラブに行ったのだから…。

“出てけ!売春婦!”となじるエマが凄まじい!!女が浮気をし、それを知った男が怒り狂う。それも良くあること。しかしこれほどまでに相手の女を罵るだろうか?同性だと嫉妬が勝るのかも知れないと思った。
エマは筋金入りのレズビアンだが、アデルはどうだろう?高校生の時、トマと愛し合ったが歓びを感じることはなかった。その後、学校で女の子とのキスの経験をし、運命的にエマと出会う。アデルにとってエマとの出会いは衝撃的だった。自分は同性が好きなのかも知れないと感じていた矢先だったから…。やがてアデルはエマに夢中になっていく。エマはレズビアンであることを母親にも隠そうとしないが、アデルはそうはいかない。エマと暮らしていることを両親や同僚に隠し続けるアデル。そしてある夜、エマがいない寂しさから同僚であるアントワーヌの誘惑にのってしまう。

映画を観て感じたのは、エマはブルジョアジーの人間で、アデルは決してそうではないということ。エマが何度も“書くのが好きなのだから本を書けば...”という。エマはアーティスト(画家)だから尚更そう思うのだろう。しかしアデルは働かなくては生活できない。二人の生き方は最初から違っていたのだ。
ラスト、エマに寄り添う新しい恋人リーズに少々嫉妬を覚えつつギャラリーを後にするアデル。エマと出会い大人になった彼女の後ろ姿が素敵で、最高のエンディングだった。

「美しい人」で高校生を演じたレア・セドゥーが貫禄で、ヘアーが短いせいかマダムっぽくて驚く。本作は初日に観た。ラスト上映の回、シアターはほぼ満員で驚いた。想像どおり女性が圧倒的。
女性二人のアムールのシーンがとても美しく、カンヌ映画祭パルムドールに輝いたドラマはとても見応えがある。当然ながらエマとアデルを演じる二人の女優が素晴らしい。
映画は179分とフランスのドラマにしてはとても長い。でも長さは全く感じなかった。

ヒューマントラストシネマズ有楽町にて
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by margot2005 | 2014-04-29 22:42 | フランス | Trackback(13) | Comments(2)

「フィッシュ・タンク」

「Fish Tank」2009 UK/オランダ
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ミアにケイティ・ジャーヴィス。
コナーに「HUNGER/ハンガー/2008」のマイケル・ファスベンダー。
ジョアンに「この自由な世界で/2007」のカーストン・ウェアリング。
ビリーにハリー・トレッダウェイ。
タイラーにレベッカ・グリフィス。
監督、脚本はアンドレア・アーノルド。
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英国。労働者階級のアパートに住む15歳の少女ミアはダンスが大好きで、シングル・マザーのジョアンと妹タイラーの3人家族。
ある朝、ミアはキッチンで母親のボーイ・フレンドのコナーと出くわす。昼間から酒を飲み、若い男を家に連れ込み、今日もミアに罵り言葉を発する母親。しかしミア自身もトラブル・メーカーで周囲との諍いが絶えない。やがてコナーは自然に一家に入り込んできて住み着いてしまう。ある日、母親とコナーに誘われ妹を伴いドライヴに出かける。当初コナーに反撥を抱いていたが、優しく接する彼にミアは次第に心を開いて行く…

コナーって男がとんでもないヤツ…妻子がいるのに独身のフリして母親、娘両方をもて遊んでいたのだから。しかしながらやられたミアがコナーにやり返すところが痛快。そして紆余曲折をへてちょっと大人になり、ボーイフ・レンド、ビリーとやり直すため一歩踏み出すミアがナイス。
母親もコナーも実にふがいない人間で、彼らに見切りを付けたミアに胸をなでおろす。
娘とコナーとの関係(自分の男を取られた...)を知った母親ジョアンのうろたえぶり...“なんというとんでもない母親なのか!”とあきれ果てた。

コナーを演じるマイケル・ファスベンダーが上手い。優柔不断というのか、はっきりしない男役が秀逸なのだ。
rottentomatoesの評価も素晴らしい。

「HUNGER/ハンガー/2008」を観たので思い出したFassyの一作。
2012年8月にシアターで限定公開の際観に行けなくてwowowでの放映で観る事ができた。本作はFassyが「300/2007」「イングロリアス・バスターズ/2009」でハリウッド・デビューした後の作品。
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wowowにて
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by margot2005 | 2014-04-27 23:47 | UK | Trackback(2) | Comments(2)

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」

「Nebraska」 2013 USA
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ウディ・グラントに「華麗なるギャツビー/1974」「庭から昇ったロケット雲/2007」のブルース・ダーン。
デイビッド・グラントに「ロック・オブ・エイジス/2012」のウィル・フォーテ。
ケイト・グラントに「アバウト・シュミット/2002」のジューン・スキップ。
ロス・グラントにボブ・オデンカーク。
エド・ピグラムに「ブッシュ/2008」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2011」のステイシー・キーチ。
監督は「サイドウェイ/2004」「パリ、ジュテーム/2006」「ファミリー・ツリー/2011」のアレクサンダー・ペイン。
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アメリカ北西部モン タナ州に暮らす老人ウディはある日、“100万$が当たりました。”という手紙を受け取る。それはインチキ商法だったがウディは全く疑いもせず賞金を取りに行くといって聞かない。妻のケイトはあきれ果て夫を罵るばかり。そこで困った息子デイビッドは父親を車に乗せネブラスカへ向けて走り出す...

受賞は叶わなかったもののオスカー主演男優にノミネートされたブルース・ダーンと、助演女優にノミネートされたジューン・スキップの老夫婦が絶妙。ブルース・ダーンはカンヌ国際映画祭2013で最優秀主演男優賞を受賞している。

ブルース・ダーンは上にも書いた「華麗なるギャツビー」でデイジーの夫トム・ブキャナンを演じた。ブルースは主演のロバート・レッドフォードと同年齢ながら21世紀のレッドフォードが若い!本作ではブルース少々老け役だったのか?

永遠に続くかと思える荒涼としたアメリカの大地をモノクロームで描いている。しかしながら、かの地の田舎ってとてつもなくド田舎なんだと再納得。直線コースのドライヴ・ウエイから見える景色は遠くに時々山が見える他は畑、畑、またまた畑ばかり。ウディの生まれ故郷であるネブラスカの田舎には小さな銀行とバーと新聞社しかなかった気がする(映らなかった)。

ネブラスカまで歩いて行くといった父親に車で連れて行くと宣言したデイビッド。兄ロスと母親ケイトも合流しネブラスカの親戚の家に滞在することになる。
ウディとケイト夫婦にとってネブラスカは思い出深い土地。
デイビッドがウディの悪友エドの言動に腹を立て殴り倒したり、ウディの元恋人と遭遇し過去を打ち明けられたりするエピソードを挟みながら、ドラマは特に盛り上がりも見せず淡々と進むが飽きることはない。
ネブラスカで親戚や昔の仲間と再会するウディ。ウディが100万$をゲットすると知るや、親戚や友人がハゲタカのごとく言いよってくる姿が凄まじい。
“あこが痛い。ここが痛い。”と訴える老人同士の会話もほのぼのとしていて良い雰囲気。中でも最高だったのは親戚の家でビールを飲みながらTV観戦するじいさんたちのシーン。あのシーンは実にナイスだった。
ハートウオーミングなドラマであるため当然とも思えるが、デイビッドの優しさには惚れ惚れする。

新宿武蔵館にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2014-04-22 23:45 | MINI THEATER | Trackback(10) | Comments(0)

「HUNGER/ハンガー」

「Hunger」2008 UK/アイルランド
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ボビー・サンズに「それでも夜は明ける/2013」のマイケル・ファスベンダー。
ゲリー・キャンベルに「Northanger Abbey/2007」のリーアム・マクマーン。
デイヴィー・ギレンにブライアン・ミリガン。
看守(レイモンド・ローハン)に「裏切りのサーカス/2011」「シャドー・ダンサー/2011」のスチュアート・グラハム。
モラン神父に「麦の穂をゆらす風/2006」のリーアム・カニンガム。
監督、脚本は「SHAME -シェイム-/2011」「それでも夜は明ける/2013」のスティーヴ・マックイーン。
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1981年、北アイルランド。サッチャー首相によって弾圧されたIRAのメンバーがメイズ刑務所に収監される。彼らは信念を貫くため抵抗に抵抗を重ねる日々。一方で看守はそれをくい止めるため執拗に暴行を繰り返していた。ある日、メンバーのリーダーであるボビーはモラン神父と面会し“ハンガー・ストライキ”を始めると告白する...

映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」でも描かれていたIRA問題。
投獄されたIRAのメンバーは政治犯としてのステータスを求めハンガー・ストライキを始めるが、サッチャー首相は“犯罪人は犯罪人、政治犯ではない。”と言い放ち一切妥協しなかった。ドラマの中で生のサッチャーの発言が挿入されている。
結果リーダーのボビーを始めとして10人がメイズ刑務所で餓死することになる。

映画はR15ながら、R18にしてもよいくらい壮絶たる、惨たらしいシーン満載。房の壁に自身の排泄物を塗り付けたりするのだ。実際問題、臭いなんてものじゃなかっただろうな?と観ていて吐きそうだった。看守の暴行もとてつもなく凄まじい!人間の尊厳など無視し、まるで動物のように扱っているのだから…。

ハンガー・ストライキを決行するボビー...日に日にやせ細り、最後は骨と皮になって死んで行く姿をカメラが追いかける。
マイケル・ファスベンダーは役作りのため、本当に骨と皮に痩せこけ(日本食を取り入れ痩せたらしい)、ほぼ全編半裸状態で熱演!凄まじい熱演に圧倒される。
「ダラス・バイヤーズ・クラブ/2013」の二人の俳優もスゴかったけど、本作のマイケルは尋常ではない痩せ方をしていて驚く。
「SHAME -シェイム-」のレビューに「HUNGER/ハンガー」が観たいと書いた。ようやく観る事ができたわけだが、二度と観たくない映画の一つとなった。終盤は目を背けたくなる。

監督スティーヴ・マックイーンの長編デビュー作で 2008年カンヌ国際映画祭でカメラドールを受賞。
そしてスティーヴ・マックイーンはFassyがお好きの様子。

シアター・イメージ・フォーラムにて(2週間限定公開/既に上映終了)
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by margot2005 | 2014-04-21 00:03 | UK | Trackback | Comments(0)

「LIFE!/ライフ」

「The Secret Life of Walter Mitty」2013 USA
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監督、製作、出演(ウォルター・ミティ)に「僕たちのアナ・バナナ/2000」「ペントハウス/2011」のベン・スティラー。
シェリル・メルホフに「ローラーガールズ・ダイアリー/2009」「宇宙人ポール/2010」のクリステン・ウィグ。
テッド・ヘンドリックスに「やさしい嘘と贈り物/2008」のアダム・スコット。
オデッサ・ミティに「ホリデイ/2006」のキャスリン・ハーン。
エドナ・ミティに「ココ・シャネル/2008」「バーニー/みんなが愛した殺人者/2011」のシャーリー・マクレーン。
ショーン・オコンネルに「ミルク/2008」「ツリー・オブ・ライフ/2011」のショーン・ペン。
トッドに「レミーのおいしいレストラン/2007」「ヤング≒アダルト/2011」のパットン・オズワルド。
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ある日、廃刊が決まったLIFE本社に新たなボス、テッド・ヘンドリックスが乗り込んでくる。彼は写真管理部のウォルターにラストを飾る写真を提示するよう求める。部下のトッドとネガを探すが見当たらない。ボスにリストラの脅しをかけられたウォルターは著名なるフォトグラファー、ショーン・オコンネルから直接ネガをゲットすべく奔走する...

過去に雑誌LIFEを飾った有名人の写真…J.F.K.とかマリリン・モンロー、宇宙飛行士アームストロングとか…2007年に廃刊が決まったLIFEの最後の表紙を飾る写真を求めて奔走する一人の男。それは長年LIFEの写真管理部で働いていたウォルター・ミティ。原タイトルに彼の名前が冠してある。

空想好きなウォルターは今日も電車を待つ間空想にふける。職場で一緒に働く女性シェリルに想いを伝えられないウォルターは出会い系サイトに登録しシェリルの気を惹こうとしているのが面白い。面と向かって言えなくともInternetの世界なら言える…こういった臆病で不器用な男はいっぱいいるだろうな。しかしウォルターが悩むまでもなくシェリルに近づくことが叶い仕事を依頼することになる。まぁ映画だから当然このような展開にはなるだろうなと思っていたが…。
でもあのラストは文句なしに素敵だった。それとバックに流れるMusicがゴキゲン!

シアターでの予告編は全く観ていないが、有楽町で上映していたので見かけた映画のデカいポスターが気になりなんとなく観に行ったところ、心癒される一作でスゴく良かった。ロケされたアイスランドの景色も素晴らしく美しかったし…。

ベン・スティラーって結構好きな俳優。彼の映画は「ケーブル・ガイ/1996」「メリーに首ったけ/1998」~“ナイトミュージアム”“ミート・ザ・ペアレンツ”シリーズまでたくさん観ているが、シアターで観たのはこれが初めてかも知れない。そして本作はベン・スティラー映画で「僕たちのアナ・バナナ」同様心に残る作品となった。

TOHOシネマズ日劇にて
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by margot2005 | 2014-04-20 19:02 | USA | Trackback(15) | Comments(2)

「ウォルト・ディズニーの約束」

「Saving Mr. Banks」USA/UK/オーストラリア
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P.L.トラヴァースに「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「主人公は僕だった/2006」「パイレーツ・ロック/2008」「新しい人生のはじめかた/2008」「17歳の肖像/2009」のエマ・トンプソン。
ウォルト・ディズニーに「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「天使と悪魔/2009」「キャプテン・フィリップス/2013」のトム・ハンクス。
ラルフに「幻影師アイゼンハイム/2006」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~/2009」「終着駅 トルストイ最後の旅/2009」「それでも夜は明ける/2013」のポール・ジアマッティ。
ドン・ダグラディに「キャビン/2011」のブラッドリー・ウィットフォード。
リチャード・シャーマンに「マリー・アントワネット/2006」「ダージリン急行/2007」のジェイソン・シュワルツマン。
ロバート・シャーマンに「イングロリアス・バスターズ/2009」のB.J.ノヴァク。
ドリーにメラニー・パクソン。
トミーに「ジェイン・オースティンの読書会/2007」「新しい人生のはじめかた」「マシンガン・プリーチャー/2011」のキャシー・ベイカー。
トラヴァース・ゴフに「トータル・リコール/2012」のコリン・ファレル。
マーガレット・ゴフに「アンナ・カレーニナ/2012」のルース・ウイルソン。
ギンティにアニー・ローズ・バックリー。
おばエリーに「ほんとうのジャックリーヌ・デュ・プレ/1998」のレイチェル・グリフィス。
監督は「しあわせの隠れ場所/2009」のジョン・リー・ハンコック。
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1961年、L.A.、ハリウッド。大物プロデューサーであるウォルト・ディズニーはP.L.トラヴァースの書いた児童小説”メリー・ポピンズ”の映画化に躍起になっていた。それは娘との約束でもあり、彼の悲願だった。
一方でロンドンに住むP.L.トラヴァースは気乗りしないながらL.A.行きの飛行機に乗る...

シアターで予行篇を何度も観、エマ・トンプソンとコリン・ファレルの出演に俄然観たくなりシアターへ…。映画メリー・ポピンズは観ているが、原作者パメラ・トラヴァース(P.L.トラヴァース)の本は多分読んだことはないと思う。パメラ・トラヴァースは英国では著名なる児童文学作家。

ハリウッドの大物映画プロデューサー、ウォルト・ディズニーとお固い英国女性のP.L.トラヴァースとの掛け合いが実に面白い。ファースト・ネームで呼ばれることをかたくなに拒否するミセス・トラヴァース…実際はシングルなのに…。

エマ・トンプソンとトム・ハンクスはもちろんのこと、脇を固める脚本家のドン、ミュージック担当のシャーマン兄弟、そしてディズニーの秘書のドリーとトミーの存在もナイスだが、何といってもショーファー(おかかえ運転手)のラルフが最高。
たまにこういった趣向の映画を観るのも素敵だ。ウォルト・ディズニーの過去や、パメラ・トラヴァースのそれも知る事となり少々感動する。

P.L.トラヴァースのオーストラリアの子供時代と、1960年代のハリウッドを交差させながら展開するドラマはナイスだった。
オーストラリア時代に登場するギンティと父親トラヴァースはとても仲の良い親子。父親は銀行に勤めるものの酒浸りの日々で、あげく命を落としてしまう。
原タイトル“Saving Mr. Banks”はここに由来する。メリー・ポピンズに登場する銀行家Mr. Banksとギンティの父親トラヴァース・ゴフが被る。“Savings (貯金)”と“Saving Mr. Banks”も掛け合わせている様子。

大好きなコリンは相変わらずゴージャス。エマ・トンプソンもお気に入り女優一人で、頑固な役柄は彼女にぴったり。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2014-04-19 20:14 | MINI THEATER | Trackback(11) | Comments(0)

「フルートベール駅で」

「Fruitvale Station」2013 USA
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オスカーに「陽だまりのグラウンド/2001」「クロニクル/2012」のマイケル・B・ジョーダン。
ソフィーナに「僕らのミライへ逆回転/2008」のメロニー・ディアス。
ワンダに「ヘルプ~心がつなぐストーリー~/2011」「フライペーパー! 史上最低の銀行強盗/2011」のオクタヴィア・スペンサー。
カルーソ警官に「ロビン・フッド/2010」のケヴィン・デュランド。
監督、脚本はライアン・クーグラー。
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カリフォルニア州オークランド。22歳のオスカーはドラッグの売買で服役した前科者。彼は無職ながらも心優しい青年で、恋人ソフィーナとの間に生まれたタチアナの父親でもある。今日は大晦日。ソフィーナを職場へ、タチアナを保育園へ送ったオスカーは母親ワンダに電話をかける。今日はワンダの誕生日で、親戚一同集まり彼女のバースディを祝う予定。ソフィーナ、愛娘タチアナ、そして母親に深い愛情を注ぐオスカーは新年に向けまともな人生を送りたいと願っていた…

最近実話を映画化したものを観る機会が多いが、本作も2009年に起こった人種差別的な殺人事件をリアルに描き、ドラマはオスカーの一日をたどる形で進んで行く。
オスカーは愛する人に囲まれ人生をやり直そうとしている。大晦日の夜ソフィーナや友人たちとニューイヤーズ・イヴのカウントダウンに出かけ、花火を楽しみ家路へと帰る地下鉄の中で喧嘩沙汰が起きる。そしてそれは激しい乱闘となり鉄道警察官が乗り込んでくる。まもなくオスカーは仲間と共に鉄道警察官に捕らえられ尋問を受けるハメになる。“何もしていない!”と必死に訴えるオスカーを罵倒する警察官。やがて一人の警察官がオスカーに向かって発砲する。

オスカーが黒人というだけで、彼の言い分は全て無視され白人警察官に射殺されてしまったのだ。しかしその一部始終を地下鉄の乗客が動画で撮影していた。生々しい動画は映画のオープニング、スクリーンに映し出される。

オスカーを射殺した警察官は過失致死罪で告訴されるが懲役はわずか2年。エンドロールで本物のオスカーを始めとして、無惨な死を余儀なくされたことを訴える娘のタチアナの姿も映し出される。今だ人種差別が横行するアメリカ社会の惨い現実を見ていたたまれない気持ちになる。
主演のマイケル・B・ジョーダンがgood。

ヒューマントラストシネマズ有楽町にて
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by margot2005 | 2014-04-08 23:03 | MINI THEATER | Trackback(7) | Comments(0)

「オール・イズ・ロスト 最期の手紙」

「All Is Lost」2013 USA
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我らの男(Our Man)に「大いなる陰謀/2007」「声をかくす人/2011」のロバート・レッドフォード。
監督、脚本はJ.C.チャンダー。

映画のジャンルはアクション/アドヴェンチャー/ドラマとなっている。Taglinesはズバリ“Never Give Up”。
本国で公開の際はサヴァイバル映画として公開されたそう。これってアドヴェンチャーかなぁ?と考えたりもするが、ジャンル的にはそうなのだろう。実際問題としてはとんでもないアドヴェンチャーになってしまったわけだが…。
出演者一人という映画を観たのは初めてかも知れない。オスカーにはノミネートすらされなかったという記事を読んだが、ロバート・レッドフォード滅茶頑張っている。

レッドフォード演じる“我らの男”と命名された彼の背景描写はゼロ。社会的にどういう人間で、家族はいるのか?とか全くわからないのだ。
オープニングからほどなく“すべて失った……すまない”という台詞が発せられる。彼は誰にすまないと言ったのだろう?と、とても想像力をかきたてられる。
ラスト近く、もうダメだと判断した彼は手紙を書くのだ。しかしそれが誰宛なのかもわからない。男にあえて名前を付けなかったのは彼の背景を全く描かなかったこと同様ミステリアスで素晴らしいと感じた。
我らの男は海のど真ん中でたった一人。で、当然ながら台詞は極端に少ない。口からでるのは独り言なのだから…。

スマトラ海峡から3150キロ沖...われらの男のヨットが、タンカーから落ち海を漂流するコンテナに当たり穴があいてしまう。懸命に穴を塞ぐが、嵐がやって来てヨットは水浸しになってしまう。SOS遭難信号も届かず、ゴムの救命ボートに乗り移った後我らの男のヨットは深い海に沈んで行く。やがて海図を取り出し大型船が運行する航路を見つけだしゴムボートで航路までたどり着く。しかし巨大なタンカーの乗組員はゴムボートを発見することもなく静かに通り過ぎて行く。発煙筒を焚いても気づかれず途方に暮れる我らの男は絶望しあきらめの境地に陥るのだった。
エンディングを迎え“Never Give Up”の精神で頑張り抜いた我らの男がビンにつめ海に放った手紙の行方がどこへ行ったか非常に気になった。

ハリウッドの名優の一人ロバート・レッドフォードは大好きな俳優…と「声をかくす人」のレビューに書いたが、久方ぶりでレッドフォード主演映画を観た。昨年の秋に公開された監督、主演のサスペンス・ドラマ「ランナウェイ/逃亡者/2012」は残念なことに見逃してしまっている。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2014-04-05 22:18 | MINI THEATER | Trackback(4) | Comments(0)