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「故郷よ」

「La terre outragée」…aka「Land of Oblivion」2011フランス/ウクライナ/ポーランド/ドイツ
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水辺に船を漕ぎ出し戯れるアーニャとピョートル。そしてアレクセイとヴァレリー親子は川辺にリンゴの木を植える。やがてドラマはチェルノブイリ原発事故の日に…

アー ニャに「007/慰めの報酬/2008」「陰謀のスプレマシー/2012」のオルガ・キュリレンコ。
アレクセイに「カティンの森/2007」「ELLES/2011」のアンジェイ・ヒラ。
アレクセイの息子ヴァレリーにイリヤ・イオシフォフ。
アー ニャの夫ピョートルにニキータ・エムシャノフ。
アー ニャの友人ディミトリにセルゲイ・ストレルニコフ。
アー ニャの恋人パトリックにニコラ・ヴァンズィッキ。
アーニャの母にタチアナ・ラスカゾワ。
監督、脚本はミハル・ボガニム。

1986年4月26日、ウクライナの街プリピャチ。そこからわずか3kmの距離にチェルノブイリがある。この日はアーニャの結婚式。美しい花嫁アーニャは披露宴で“百万本のバラ”を歌い、花婿と共に幸せの中にいた。しかしながら事故が起こる。やがて“山火事を消しに行く!”と行ったままアーニャの夫ピョートルは二度と戻らなかった。
一方で原子力発電所の技師アレクセイは守秘義務からことの重大さを知りながら人に告げることが出きないでいた。とりあえず妻子を非難させ、雨に打たれる人々に傘を差し出す。“ここから逃げろ!”と言いたくとも言えず、誰も助けることが出来ないアレクセイは絶望を募らせて行く。
10年後、アーニャは故郷で廃墟と化したチェルノブイリを巡る観光ツアーガイドをし、アレクセイは放浪の旅を続けていた…

本作は観てから1ヶ月以上たってしまったが、なんとなく心に残るドラマだったので記録に残しておこうかと思った。
元パリコレのモデルで元ボンドガールのオルガ・キュリレンコ。ウクライナ出身のオルガは出演を切望したというだけあって“ヒューマン・ドラマのオルガ・キュリレンコここにあり!”の熱演だった。記憶に残るような役柄は今回初めて見た気がする。

立入制限区域に指定された廃墟の街プリピャチでロケされたというのだからスゴい。ドラマのほぼ全編が冬で、雪の降るシーンもあり、廃墟と化したプリピャチは寒々しい。
アレクセイは列車がプリピャチに停まらないと聞かされ呆然とする。原タイトルが示すようにそこは“忘却の地”だった。

何度も“パリで一緒に暮らそう!”と言うフランス人の恋人パトリックに別れをつげ故郷を選んだアーニャ。
母親から“父さんは死んだ。”と教えられながら、“どこかできっと生きている!”と希望にすがるヴァレリー。
放浪の旅の途中会った人々に名前を尋ね、いつか妻子に会えると希望を捨てないアレクセイの姿と共に迎えるラストがなんとも身につまされる。

シネスイッチ銀座にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2013-03-29 23:45 | フランス | Trackback(5) | Comments(0)

「ゼロ・ダーク・サーティ」

「Zero Dark Thirty/2012」 USA
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CIA分析官(イスラマバード支局ビンラディン追跡チーム)マヤに「ツリー・オブ・ライフ/2011」「英雄の証明/2011」のジェシカ・チャスティン。
マヤの上司ダ ニエル(チームリーダー)に「パブリック・エネミーズ/2009」のジェイソン・クラーク。
マヤの同僚ジェシカに「高慢と偏見/1995」「抱擁/2002」「英国王のスピーチ/2010」のジェニファー・イーリー。
ジョー ジ(テロ対策センター アフガニスタン、パキスタン部チーフ)に「ロックンローラ/2008」「ワールド・オブ・ライズ/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「シャーロック・ホームズ/2009」「ロビン・フッド/2010」「ウェイバック -脱出6500km-/2010」「裏切りのサーカス/2011」のマーク・ストロング。
CIA長官に「ロンリーハート/2006」「サブウェイ123 激突/2009」のジェームズ・ガンドルフィーニ。
ジョゼフ・ブラッドリー(イスラマバード支局長)に「アルゴ/2012」のカイル・チャンドラー。
ラリーに(イスラマバード支局、現地チームリーダー)「ボーン・アルティメイタム/2007」「バンテージ・ポイント/2008」のエドガー・ラミレス。
パトリック(シールズ隊員)に「キンキー・ブーツ/2005」「アニマル・キングダム/2010」のジョエル・エドガートン。
監督、製作は「ハート・ロッカー/2008」のキャスリン・ビグロー。
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「世界にひとつのプレイブック/2012」同様オスカーにノミネートされていた作品で観に行きたかった。監督がキャスリン・ビグローというのが一番の理由。この方女性とは思えない映画を作るパワフルで素晴らしい監督だ。叶うなら一度お会いしてみたいものだ。
ビグロー映画はキアヌー・リーヴスの「ハートブルー/1991」が一番好きだが本作も素晴らしかった。ヒロイン、マヤを演じるジェシカ・ジャスティンもオスカーは逃したけどかなり良かったな。

映画は158分もあるがストーリー展開に目が離せない。そして決して長いとは感じなかった。
オサマ・ビンラディンを執拗に追いつめるCIA女性分析官マヤ。殺害され死体袋に入ったビンラディンと対面するさまは、変な言い方かも知れないけど、ある意味感動的なシーンだった。仕事一筋で追いつめに、追いつめた男を捕らえたわけだから…。

ドラマは真っ暗闇の中、9.11 ツインタワーに閉じ込められた人々の悲壮なる叫びが響くオープニングから始まる。悲壮なる叫びを勝手に映画に使った…と非難された記事もあったが、この暗闇のシーン以降民間人は登場しない。

最初、CIA長官に“あんた誰?”と嘲笑されたマヤ。しかし“ビンラディンの居場所は100%確信が持てる!”と言い切った若き女性分析官は後に長官から全幅の信頼を寄せられる。
巨額の金をつぎ込みビンラディンの行方を探る分析官たち。ある時ある情報が入り情報提供者をイスラマバードの高級外車ショプに誘う。“どれでも好きな車を選んでくれ!”と言う辺りはアメリカ式?結局情報提供者はランボルギーニを選んだ(日本円で1000万以上?)。
時々エスプリを効かせたシーンを織り込みながら退屈させないストーリーはさすがキャスリン・ビグロー!ますます彼女のファンになる。

テロ対策センタ、チーフを演じるマーク・ストロングと、CIA長官役のジェームズ・ガンドルフィーニの存在がナイス。お気に入り俳優のマーク・ストロング、本作では髪の毛も存在している。

パキスタンのシーンの撮影地はインドとヨルダン。
CIA分析官役のジェシカ・チャスティンがモサドの工作員を演じた「ペイド・バック/2010」を思い出す。クールな役柄が似合う女優だ。「ヘルプ~心がつなぐストーリー~/2011」は見損なってしまったジェシカ映画。wowowで放映してくれないかな?

有楽座にて(すでに上映終了/TOHOシネマズ日比谷シャンテにて3/28まで上映/18:40~のみ)
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by margot2005 | 2013-03-27 01:13 | USA | Trackback(16) | Comments(2)

「世界にひとつのプレイブック」

「Silver Linings Playbook」2012 USA

最愛の人を失った男と女が再び愛に目覚める、少々シニカルなラヴ・ストーリー。
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パットに「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」のブラッドリー・クーパー。
ティ ファニーに「あの日、欲望の大地で/2008」「ウインターズ・ボーン/2010」のジェニファー・ローレンス。
パットの父親に「グッド・シェパード/2006」「昼下がり、ローマの恋/2011」「レッド・ライト/2012」のロバート・デ・ニーロ。
パットの母親ド ロレスに「アニマル・キングダム/2010」のジャッキー・ウィーヴァー。
ダニーに“ラッシュアワー・シリーズ”のクリス・タッカー。
ティファニーの姉ヴェロニカに「ボーン・アルティメイタム/2007」のジュリア・スタイルズ。
パットの妻ニッキにブレア・ビー。
監督、脚本は「スリー・キングス/1999」「ファイター/2010」デヴィッド・O・ラッセル。
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妻の浮気現場を目撃し情緒不安定になったあげく精神科に入院したパット。そしてある日、母親ドロレスはバットを退院させるべく車を走らせる。実家に戻ったパットは教師の職を失い、裁判所から愛する妻に対して接近禁止令も出されていた…
といった非常にツライ立場にある男。
入院中太ったパットは痩せるためジョギングを始める。そして妻の友人ヴェロニカの妹ティファニーと偶然知り合う(これは偶然ではなくパットの母親の演出)。ティファニーは愛する警察官の夫を亡くしたばかりだった。

真夜中、読書家のパットがヘミングウェイの“武器よさらば”の結末にキレる。この男すぐにキレるのだ。まぁでも愛する妻が自分の家のバスルームで同僚の教師とsexしていたのを目撃したのだから…こんな現場を見せつけられたら誰だったキレる。しかし妻の浮気相手を攻撃し問われたのはパット…なんて実にお気の毒。おまけに今だ妻への愛は冷めず普通に暮らすことを望んでいる...なんとロマンティックというのか、優しいというのか、未練たらしくて懲りない、どうしようもなく情けない男。
一方でティファニーは夫を亡くした傷心から職場の男たちとsexしまくり会社をクビになっている。
とにかくエキセントリックな二人が出会い、ダンスを通じて結ばれるといった展開はオシャレだが、二人が結ばれる過程がやや短絡的過ぎるのが今一だったな。でも全体的には中々洒落たヒューマン・コメディだった。

初日に観たのに今頃…ブラッドリー・クーパーの映画って色々と観ている。でもレビューを書いたのは「そんな彼なら捨てちゃえば?」以来。その前に書いた「ニューヨーク、アイラブユー」も「バレンタインデー」もブラッドリーは主演じゃなく群像ドラマの一出演者。そして彼の主演作「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い/2009」「特攻野郎Aチーム THE MOVIE/2010」「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える/2011」「リミットレス/2011」とシアターで観て来た。その中で「リミットレス」は中々素敵な映画だったがなぜか?レビューを書いていない。で、今回は是が非でも書かなきゃと思いながら、観てから2週間もたってしまった。

パットの友人ダニー役のクリス・タッカーが懐かしい!
ロバート・デ・ニーロの貫禄は相変わらずだが、「アニマル・キングダム」で大胆不敵な母親を演じたジャッキー・ウィーヴァーが本作では穏やかな妻ながら存在感あり。
主演のブラッドリー・クーパーは残念だったが、ヒロイン、ジェニファー・ローレンスはオスカー主演女優賞を受賞した。

TOHOシネマズ日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2013-03-17 23:01 | USA | Trackback(16) | Comments(2)

「レッド・ライト」

「Red Lights」 2012 スペイン/USA
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ある日、伝説の超能力者サイモン・シルバーが復活を遂げる。科学者のマーガレット・マシスンは助手のトムに“サイモン・シルバーに近づくのは危険過ぎる…”と警告するがトムは聞く耳を持たない。やがてトムはマーガレットの忠告を無視してサイモン・シルバーに近づいて行くのだった…
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トム・バックリーに「プルートで朝食を/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「ダークナイト/2008」「ダークナイト ライジング/2012」のキリアン・マーフィー。
マーガレット・マシスンに「バンテージ・ポイント/2008」「アバター/2009」「シャドー・チェイサー/2012」のシガニー・ウイーバー。
サイモン・シルバーに「グッド・シェパード/2006」「昼下がり、ローマの恋/2011」のロバート・デ・ニーロ。
ポール・シャクルトンに「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」のトビー・ジョーンズ。
サリー・オーウェンにエリザベス・オルセン。
モニカ・ハンセンに「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」のジョエリー・リチャードソン。
監督、製作、脚本は「リミット/2010」のロドリゴ・コルテス。

これはレビュー書くのをやめようかと思っていて...でも今年は観た映画のすべてをレビューに書きたいと念頭に誓ったし...でもいややはり全ては無理。既に誓いは破られている。それでとりあえずこちらは書いておこうかなと...。
公開前、みゆき座に本作のポスターがいっぱい貼ってあった。予告も何度か観てドラマティックな展開なのだろうか?と期待していた。そして超常現象ものは好きじゃないが本作を観に行ったのはひとえにキリアンのファンだから…。
ラスト…“えっつ!!トムが!!”とちょっと驚きつつあの展開にはついて行けなかった。

ロバート・デニーロは相変わらず貫禄たっぷり。そしてキリアンは案の定デニーロに押しつぶされそうな気配だった。
サイモン・シルバーのイカサマを暴くシーンもあまり説得力なかった気がする。しかしながら科学者があらゆる超常現象を科学的に解き明かす。それを大学の授業の一環にしているのは実に興味深かった。
トムとマーガレットの息子と母親のような優しい関係も素敵だった。
シガニー・ウイーバーも貫禄だったけどあっけなく死んでしまって残念。久方ぶりにキリアン・マーフィー主演映画に期待したけどホント残念。
サイモン・シルバーの秘書モニカ・ハンセンの存在が良い。演じるジョエリー・リチャードソンもナイス。
ロドリゴ・コルテスが作ったライアン・レイノルズ主演の「リミット/2010」はDVDで見たけど途中で挫折した。スペイン人ロドリゴ・コルテスの世界はどうもダメみたい。

TOHOシネマズみゆき座にて(既に上映終了:TOHOシネマズ・シャンテにてレイトショー上映中/3/21まで)
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by margot2005 | 2013-03-12 22:05 | スペイン | Trackback(9) | Comments(0)

「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀」

「Hindenburg」2011ドイツ
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マーテンはツェッペリン社の設計技師。ある日、自ら操縦する軽飛行機の事故により湖で溺れかけた彼は見知らぬ女性に助けられる。彼女はアメリカの石油会社社長エドワード・ヴァンザントの令嬢で、ド イツ貴族の息子フリッツと婚約していた。2人を軸にマーテンの友人でヒンデンブルグ号の乗員アルフレート、ジェニファーの母親ヘレン、ヒンデンブルグ号船長、ジェニファーのフィアンセであるフリッツ、ツェッペリン社会長エッケナー、プルス船長、エンタテーナーのブローカ、そしてユダヤ人ケルナー夫妻などなどの人物がドラマに加わり物語は進んで行く...

マーテン・クルーガーにマキシミリアン・ジモニシェック。
ジェニファー・ヴァンザントにローレン・リー・スミス。
アルフレートに「善き人のためのソナタ/2006」「イェラ/2007」「戦火の馬/2011」のヒンネルク・シェーネマン。
ヘレン・ヴァンザントに「Emma エマ/1996」「そして、デブノーの森へ/2004」「情愛と友情/2008」のグレタ・スカッキ。
フーゴ・エッケナーに「ドレスデン、運命の日/2006のハイナー・ラウターバッハ。
フリッツ・リッテンベルクにアンドレーアス・ピーチュマン。
ブローカにハンネス・イェーニッケ。
プルス船長にユルゲン・ショルナゲル。
ケルナーにピエール・ベッソン。
ケルナー夫人に「太陽に恋して/2000」「THE WAVE ウェイヴ/2008」のクリスティアーネ・パウル。
エドワード・ヴァンザントに「ブッシュ/2008」のステイシー・キーチ。

ジェニファーのフィアンセであるフリッツを殺害した疑いでゲシュタポに追われるマーテンは飛行船に爆弾が仕掛けてあることを知る。やがてジェニファーが乗船したことを知ったマーテンは彼女を助けるべく自らも乗船する。そして身を隠しながらマーテンは着陸ぎりぎりまで爆弾を探し続ける…と文字にするとスリリングなのだが、登場人物が多すぎるのか?展開が粗雑なのか?散漫なのか?物語に引込まれることはなかった。

ドイツ、フランクフルトから大西洋を越えアメリカに向かった“ヒンデンブルグ号”は着陸寸前に爆発炎上し36人が犠牲となる。
“タイタニック号の沈没(1912)やアメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発(1986)と共に20世紀に起きた世界的な大事故のひとつとして語り継がれている…”とウェブサイトに記されているが、1937年に起こったヒンデンブルグ号の惨事は日本人にとって以外に記憶が薄いのではないかと感じる。

昔、ロバート・ワイズ監督が作った「ヒンデンブルグ/1975」という映画をTVで見たことがある。中々見応えのある映画だった覚えが…で本作に興味を。「ヒンデンブルグ」はかつて流行ったパニック映画(ディザスター・ムービー)の一つ。記憶はアン・バンクロフト演じる貴族夫人他の乗船のシーンとラストの爆発シーンくらいしかない。で、本作とは登場人物も展開もかなり違った気がする。そして結論…殆ど記憶がないながら「ヒンデンブルグ」の方が断然面白かった。
本作はなんだか説得力のない描き方がつまらなかった感じ。「ヒンデンブルグ」が今一度見たくなる。
かつてハリソン・フォードの「推定無罪/1990」で初めてお目にかかった」グレタ・スカッキが懐かしい。
主人公マーテン役のマキシミリアン・ジモニシェックはTV俳優だそう。映画を観終わってデカい彼の顔だけが印象に残る。本作もTV映画。

丸の内TOEIにて
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by margot2005 | 2013-03-10 23:02 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「命をつなぐバイオリン」

「Wunderkinder」2011 ドイツ
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ユダヤ人の少年アブラーシャと少女ラリッサ、そしてドイツ人の少女ハンナの物語。三人の子供たちと、彼らの音楽の指導者であるユダヤ人女性イリーナがたどる悲惨な運命が哀しいヒューマン・ドラマ。

アブラーシャにエリン・コレフ。
ラリッサにイーモゲン・ブレル。
ハンナにマティルダ・アダミック。
イリーナにグルドン・ランドグレーベ。
ハンナの父親マックス・ライヒに「バック・ビート/1993」「ドレスデン、運命の日/2006」のガイ・ヴィージンガー。
母親ヘルガ・ライヒにカテリーナ・フレミング。
シュヴァルトウ親衛隊大佐にコンスタンティン・ヴェッカー。
監督、脚本はマルクス・O・ローゼンミューラー。

ヴァイオリニスト、ハンナがある人物の突然の訪問に驚きを覚えるオープニングは21世紀。やがて時は1940年代に戻る...

1941年春、ソ連の支配下にあったウクライナのポルタヴァ。少年アブラーシャはヴァイオリンで、少女ラリッサはピアノ演奏で人々を魅了していた。二人は神童と呼ばれどこへ行っても拍手喝采を浴びていた。やがて二人は指導者であるイリーナと共にモスクワとレニングラードへの演奏旅行に出かける。その後アメリカのカーネ ギー・ホールでの演奏も予定されていた。
一方で、当時父親の仕事の関係からポルタヴァに住むドイツ人少女ハンナにもヴァイオリンの才能があった。ハンナはアブラーシャ、ラリッサと共にイリーナの指導を受けたいと願い出る。ユダヤ人とドイツ人という垣根を越え三人は深い友情で結ばれていくのだった。しかしながらドイツ軍がポルタヴァに 侵攻を始めナチスのユダヤ人への迫害が始まる…

原タイトルは“神童”。エリン・コレフは自分で演奏しているというからスゴい。現実に神童=天才少年だ。
本作もいわゆるホロコースト映画。かつてのホロコーストものは悲惨過ぎて観るのが辛かったが、最近は悲惨極まるものは敬遠されているのか、この映画には残虐なシーンは一切出てこない。シュヴァルトウ親衛隊大佐の憎々しげな存在がインパクトあるだけ。
全編に流れるクラシック・ミュージックが心地よいヒューマン・ドラマといったところか。でも、それほど感銘を受けるドラマではなかった。このようなドラマってきっとドイツではいっぱい作られているのだろうな?

知らないドイツ人俳優の中で、唯一ガイ・ヴィージンガーがスティーヴン・ドーフ主演の「バック・ビート」でビートルズと交流があったドイツ人画家のクラウス・フォアマンを演じていたのを思い出す。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2013-03-03 22:06 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(0)