<   2012年 10月 ( 11 )   > この月の画像一覧

「推理作家ポー 最期の5日間」

「The Raven」 2012 USA/ハンガリー/スペイン
a0051234_2352476.jpg

世界初の推理小説家とも言われる、かの有名なる、偉大なるエドガー・アラン・ポーが極貧に喘いでいたという事実を知り驚いた。著名なるアメリカの作家としてしか知りようがないが、画家のゴッホみたいに生きてる間は世間から認められなくて貧乏だったみたい...
映画は貧苦の中で妻を結核で失い、その2年後40歳で謎の死をとげたポーの姿を描いている。
a0051234_23522344.jpg

エドガー・アラン・ポーに「理想の恋人.com/2005」「さよなら。いつかわかること/2007」「1408号室/2007」のジョン・キューザック。
エメット・フィールズ刑事に「タイタンの戦い/2010」「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船/2011」「インモータルズ -神々の闘い-/2011」のルーク・エヴァンス。
エミリー・ハミルトンに「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官/2009」のアリス・イヴ。
アリスの父親ハミルトン大尉に「イン・マイ・カントリー/2004」「プルートで朝食を/2005」「グリーン・ゾーン/2010」のブレンダン・グリーソン。
マドックス編集長に「タロット・カード殺人事件/2006」「ワルキューレ/2008」のケヴィン・マクナリー。
監督は「Vフォー・ヴェンデッタ/2005」のジェームズ・マクティーグ。

1849年、アメリカ合衆国、ボルティモア。凄惨な殺人事件が発生しエメット・フィールズ刑事が現場に急行する。やがて彼が目にしたのは血にまみれた母と娘の死体だった。二人の死は完全密室殺人かと思えたが、その殺人トリックはある高名な作家の著作に酷似していた…

暗くて怪しい展開は「Vフォー・ヴェンデッタ」の監督らしい。
ちょっと驚いたのはルーク・エヴァンスの老けぐあい…キューザックとは13歳も年下にも関わらず同世代に見える。ヘンリー・カヴィルの「インモータルズ -神々の闘い-」のゼウスも少々Oldな役柄だった気がする。

ジョン・キューザックを知ったのは「グリフターズ/詐欺師たち/1990」で、20代の彼は眩しいくらいキュートだった。その後アル・パチーノ主演の「決別の街/1996」そしてニコラス・ケイジの「コン・エアー/1997」。クリント・イースロウッドが監督した「真夜中のハバナ/1997」は素晴らしい作品だった。そして「狂っちゃいないぜ/1999」とか「マルコヴィッチの穴/1999」「アドルフの画集/2002」に主演するキューザック、ファンとなった。あまりロマンス映画には出演しないが「セレンディピティ/2001」の彼は素敵だったな。
今まで羅列したキューザック映画は多分(記憶は定かでない…)「コン・エアー」意外はレンタル・ビデオ(90年代から21世紀初頭はビデオの時代だった)もしくはwowowで見ている。「セイ・エニイシング/1989」ももちろんwowowで観た。
「ニューオリンズ・トライアル/2003」からキューザック映画をシアターで観るようになった。7年前ブログを初めた当初「理想の恋人.com/2005」が初めて描いたキューザック映画のレビュー。
「セイ・エニイシング」から20年以上の歳月が流れたが、今でも素敵なジョン・キューザックはお気に入り俳優の一人。
この映画を観たのは主演がジョン・キューザックでもあるが、ぞれよりエドガー・アラン・ポーに興味があったから…。初めてポーの小説を読んだのは中学生だったと思う。印象に残っているのは代表作”アッシャー家の崩壊”“黒猫”“モルグ街の殺人”。小説はどれも描写がリアルで、読んでいてコワくなって途中で本を閉じた記憶がある。

さてさて残念なことではあるが映画にはそれほど惹き付けられなかった。

丸の内ルーブルにて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-23 23:57 | USA | Trackback(9) | Comments(0)

「4:44 地球最後の日」

「4:44 Last Day on Earth」2011 USA/スイス/フランス
a0051234_1833205.jpg

本作の予告も観ていない。上映館は韓国映画が主流のシネマート六本木で、映画案内websiteで見つけた。主演はお気に入り俳優のウィレム・デフォーと知り観に行った一作。
a0051234_183458.jpg

シスコに「インサイド・マン2006」「パリ、ジュテーム/2006」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」「アンチクライスト/2009」「ミラル/2010」「ハンター/2011」のウィレム・デフォー。
スカイにシャニン・リー。
監督、脚本は「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」「バッド・ルーテナント/2009」のオリジナル脚本を書いたアベル・フェラーラ。

2012年12月22日。N.Y.の高級アパートメントに暮らすシスコとスカイ。大気汚染により世界は終わりを迎えようとしている。前衛芸術家のスカイはひたすら絵を描いている。一方で恋人のシスコはひげを剃ったり、TVを見たりと落ち着かない。“いつまでもつまらないTVなんて見ないで!”というスカイ。やがてシスコは離れて住む娘にスカイプで話すことを思いつく。娘との会話も終わり、元妻がPCの画面に現れる。これから死んで行く人間は後悔を残したくないのか、シスコはこの期に及んで別れた妻に“愛している!”と言っている。しかしそれを耳にしたスカイが飛んで来る。それも嫉妬心をあらわにし、狂ったように泣き叫びながら...“別れた妻に愛しているなんて!なんて人!”と言語道断とばかりに恋人シスコを責めまくる。
スカイという女性はなんと心の狭い女性なのだろうと飽きれる。世界が終わるのだから、元妻に“愛している!”なんて言ったって良いじゃない?結局自分は愛するシスコに抱かれながら死ぬのだから…。

”地球最後の日”と言えば「メランコリア/2011」を思い出す。本作も「メランコリア」同様心理ドラマでディザスターものではない。
「メランコリア」もそうだったけど、危機が迫ると男て情けないくらい狼狽えるのだ。上に書いたように嫉妬心に狂ったスカイも、終わりを迎える時はシスコを限りなく強く包み入れる。
しかしながらスカイ役のシャニン・リーという初めてお目にかかった女優が全く魅力がなくて(ごく普通の女の子ってイメージ…)がっくり。ラスト・シーン(ポスター)のみ良かったかな?

「メランコリア」は巨大惑星が地球と衝突し、最後の日を迎えるといった展開だが、こちらは大気汚染の末、地球は滅びるといった話。映画の中で、TVキャスターは最後の時間を家族と過ごしたいと帰ってしまい、残されたTV画面には、世界に向けて“地球温暖化問題”を発信したアル・ゴアやチベット仏教のダライ・ラマが語る映像が繰り返し映し出される。現実に世界が終わりを迎える日、TVキャスターって家族と過ごすため家に帰ってしまうのだろうか?少々気になる疑問だが、そんなことわかるワケがない。

前衛芸術家のスカイは一心に絵を描いている。シスコの職業は解らない…ひょっとしてライターだろうか?悪態をつきながら自ら書いたノートを窓から投げ捨てる。窓から見えるニューヨークの街はまだ夜でもないのに暗くて不気味だ。
オープニング…シタールの音色と共に仏像やろうそくが映し出される。主人公のシスコとスカイが座禅を組んで瞑想にふけるシーンもあり、人間は死を迎えるにあたって宗教に救いを求めるのだろう。
ラスト、スカイが“二人で神の元へ行きましょう!”と言い放ち、映画は終結する。

ちょっと調べてみたらパラマウント映画で「”地球最後の日/1951(When Worlds Collide)」というのがある。初めて知ったが…。
ウイレム・デフォーは素晴らしい俳優。「ハンター」の彼はスゴく良かった。そして本作ではただ一人軟弱な男を圧倒的な存在感で示している。

シネマート六本木にて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-21 20:51 | MINI THEATER | Trackback(3) | Comments(2)

「虚空の鎮魂歌(レクイエム)」

「Mains armées」…aka「Armed Hands」 2012 フランス
a0051234_21443436.jpg

二ヶ月続けてロシュディ・ゼムの映画が公開されるなんて嬉しい驚きだが、どちらも期間限定のレートショーのみ。前作「漆黒の闇で、パリに踊れ/2012」同様刑事もの。主人公スカリ警視が長年放っておいた娘マヤと出会い、麻薬捜査の女性捜査官に成長した娘は父親と対立しながらも彼を受け入れる...と言った展開...そのラストには少々感動する。
a0051234_2146464.jpg
a0051234_21463636.jpg
a0051234_21462740.jpg
a0051234_21461734.jpg
a0051234_2146961.jpg
a0051234_2146147.jpg
a0051234_21455277.jpg

ルーカス・スカリ警視に「あるいは裏切りという名の犬/2004」「約束の旅路/2005」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「この愛のために撃て/2010」のロシュディ・ゼム。
女性捜査官マヤに「パリ、ジュテーム/2006」「ジョルダーニ家の人々/2010」のレイラ・ベクティ。
ジュリアン・バスに「愛の地獄/1994」「この世のすべての美しいもの/2005」のマルク・ラヴォワーヌ。
スカリ警視の部下役で「灯台守の恋/2004」のニコラ・ブリデや、「キリマンジャロの雪/2011」のアドリアン・ジョリヴェが出演している。
監督、脚本はクリストファー・ランバート&イザベル・アジャーニの「サブウェイ/1984」の脚本家ピエール・ジョリヴェ。

スカリ警視はマルセイユで武器密輸の取締に当たる捜査班のリーダー。ある日、彼らが追いつめた武器密輸業者が麻薬にも関わっていることが判明する。スカリはパリで麻薬捜査班の若き女性捜査官マヤにアプローチする。マヤはスカリの実の娘でもあった...

スカリ警視は寝ることも惜しまず働き続ける日々。一方で麻薬捜査をしながら不正に金銭を得、私腹を肥やすチームのボス、ジュリアン・バス。対照的な二人ながら、スカリの娘マヤはバスの部下である。
スカリが妻と娘に距離を置いたのは、彼の若さ故の失態。娘との関係を取り戻そうと懸命になるスカリに対し、マヤは彼を無視し、機会があれば父親の不義を責め立てる。
刑事である父と娘のそれぞれの生き方を描いた本作は本国フランスで大ヒットしたらしい。
映画の中でスカリが娘マヤの写真を手に鏡にかざすシーンがある...「ジョルダーニ家の人々」で中東からの難民アリナを演じていたレイラ・ベクティはアルジェリアの家系。ロシュディ・ゼムはモロッコの家系のようで…でも二人似てるなぁと思った(アルジェリアはモロッコの隣国)。

3人の子持ち中年男のジュリアンは若いマヤと関係がありそう。演じるマルク・ラヴォワーヌはシンガーでもある。本作で強面の彼がとても印象深く、絶対どこかで観ていると思っていたらフランス映画祭2006で上映された「この世のすべての美しいもの」の主演俳優だった。バリ島を舞台にしたとても美しい映画だったが今だ未公開の様子。

フランス人の女性って(他のヨーロッパ人もアメリカンも…)瀕死の重傷を負っている時でも“わたしって綺麗?”なんて質問をするのだ。これは日本人の感覚にはないものだと感じる。アメリカ映画を観ていても、会った途端とか、言葉の合間に“君は美しい!”と言いまくる。それは多分心から言っているのではなく、自然と口から出てくる社交辞令的な言葉なのだろう。
だから♩You're Beautiful!♩と連発するジェームズ・ブラントの“You're Beautiful”とか、ジョー・コッカーの“You are so beautiful”がバカ売れするのかも知れない。
話はそれてしまったけど、この後父親はもちろん“君は美しいよ!”と宣言する。マヤ役のレイラ・ベクティはアラヴ特有の美しさだ。

本日(10/20)より、本作上映の銀座テアトルシネマにて「ヘッドハンター/2011」アンコール上映中(1週間限定レートショーのみ)。
[PR]
by margot2005 | 2012-10-20 23:06 | フランス | Trackback | Comments(0)

「最終目的地」

「The City of Your Final Destination」 2009 USA
a0051234_22123294.jpg

オマーはアメリカ、コロラド州の大学で文学を教える大学院生。ある日、ある作家の伝記を執筆する ため単身南米ウルグアイへと向かう。人里離れた広大なる土地に建つ古い屋敷は朽ち果てかけ、遺族たちは時が止まったかのように静かに暮らしていた。オマーを迎えてくれたのは作家の愛人アーデンとその娘。そしてそこには作家の妻キャロラインと、作家の兄アダムとそのパートナー、ピートが共に暮らしていた…
a0051234_22131774.jpg
a0051234_22131029.jpg
a0051234_22125699.jpg
a0051234_22124797.jpg
a0051234_22123832.jpg
a0051234_22132529.jpg

オマー・ラザギ(若き伝記作家)に「ミラル/2010」のオマー・メトワリー。
アダム(作家の兄)に「羊たちの沈黙/1990」」「日の名残り/1993」「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「ウルフマン/2010」のアンソニー・ホプキンス。
キャロライン(作家の妻)に「アメリカを売った男/2007」「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」のローラ・リニー。
アーデン(作家の愛人)に「メランコリア/2011」のシャルロット・ゲンズブール。
ピート(アダムのパートナー)に「上海の伯爵夫人/2005」の真田広之。
オマーの恋人ディアドリに「愛を読むひと/2008」「セントアンナの奇跡/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」のアレクサンドラ・マリア・ララ。
監督は「日の名残り」「上海の伯爵夫人」のジェームズ・アイヴォリー。
原作はピーター・キャメロンの“最終目的地”。

舞台は南米ウルグアイながらロケ地はアルゼンチンのブエノスアイレスとカナダのモントリオール。
人里離れた広大なる地に建つ邸宅は朽ち果てるほど古いが、それぞれの部屋にある家具や調度品はかなりオシャレ。キャロラインの着るワードローブもスゴくセンスが良い。
凛とした雰囲気で美しいキャロラインはもう決して若くない。若くてハンサムな青年オマーに対するアーデンの振る舞いはキャロラインから見れば媚びているように映る。そしてアーデンを非難するキャロライン。それは女の嫉妬意外の何ものでもない。やがてさりげく火花を飛ばす二人の女。二人の女と共に暮らす二人の男…アダムは作家の兄で、ピートは彼の25年来のパートナー。妻と愛人、ゲイのカップルと幼い娘が暮す屋敷にある日、突然やって来たオマー。見知らぬオマーの出現により住人の日常が少しずつ変化して行くさまが素晴らしかった。
ラストは読めたが、とても、とても素敵で美しいラストだった。あのような素敵なラストって中々お目にかかれない。

ジェームズ・アイヴォリーは大好きな監督なので、今までにたくさんの作品を観て来た。アイヴォリーと言えば、上に書いた他今月リヴァイバル上映される「眺めの良い部屋/1986」、ヒュー・グラントの出世作「モーリス/1987」、既にお亡くなりになったポール・ニューマンの「ミスター&ミセス・ブリッジ/1990」、アンソニー・ホプキンスの「ハワーズ・エンド/1992」、ユマ・サーマンの「金色の嘘/2000」などが印象に残る。

映画の出演陣がナイスだ。ローラ・リニー、シャルロット・ゲンズブール、そしてオマー・メトワリー。アンソニー・ホプキンスはどうも顔が苦手なのだが、良い俳優だと思う。邦画は観ないが、こういったところでお目にかかれる日本人俳優真田広之も好演している。
シャルロットは美人ではないが何か惹き付ける魅力を持った素晴らしい女優。本作ではう〜んと若い役(聞き違いでなければ、20代とか言っていた…)を演じているので、若い女の子が着るようなファッションに身を包んでいる。ひらひらのワンピースにブーツ(いわゆるゴム長)の組み合わせは少々変だが、彼女が着ると様になるのだ。さすがファッションの国フランスの女優。オマーと一緒にゴンドラに乗るアーデンはとてもキュートだった。「アンチクライスト/2009」での大胆極まるシャルロットと同じ人だとは、この方スゴい!女優。
ローラ・リニーはお気に入り女優の一人。彼女を知ったのはリチャード・ギア主演の「真実の行方/1996」。知的な美しさを醸し出すローラは役柄にぴったりだったと記憶する。その後、「トゥルーマン・ショー/1998」「「ライフ・オブ・デビッドゲイル/2003」「ルイーズに訪れた恋は/2004」「イカとクジラ/2005」などなど。どの作品も素晴らしかった。
本作でのアンニュイな雰囲気のアル中の孤独な女性役はパーフェクト。
ドイツとエジプトの血を引くオマー・ラザギをお気に入り俳優に入れたいのと、新潮社刊の原作翻訳小説を読んでみたくなった。

“匂い立つような映画のエレガンス”とコメントしたニューヨーク・オヴザーヴァー紙。いや正にその通り。
映画全体がそうなのだが、ローラ&シャルロット二人の女優に“匂い立つエレガンス”を感じた。

シネマート新宿にて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-17 22:46 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(0)

「アイアン・スカイ」

「Iron Sky」2012フィンランド/ドイツ/オーストラリア
a0051234_23451370.jpg

この映画にアメリカ人俳優は出演していないと思うし、その地で撮影もしていないと思う。これほどアメリカ合衆国をバカにした映画は私的に初めて観た。世界の中心で、世界のリーダーはアメリカ合衆国の大統領…なんて…。
映画でのアメリカ合衆国大統領役のステファニー・ポールが、アラスカ州の知事で元副大統領候補だったサラ・ペイリンを彷彿とさせ多いに笑える。
監督はフィンランド人で、出演者はドイツとオーストラリアの俳優陣。ウド・キアも頑張ってる。
a0051234_23463491.jpg
a0051234_23462256.jpg
a0051234_23461325.jpg
a0051234_2346445.jpg
a0051234_23455584.jpg
a0051234_23454672.jpg
a0051234_23453877.jpg
a0051234_23452569.jpg

2018年、再選を目指すアメリカ合衆国大統領は、人気取り対策のため、黒人モデルのワシントンを月に送る。仲間と共に月に到着したワシントンがそこで目にしたものは、第二次世界大戦後月へと逃亡したナチスの残党だった。彼らは第四帝国の秘密基地を作り、地球侵略を虎視眈々と狙っていた...

レナーテ・リヒターに「青い棘/2004」のユリア・ディーツェ。
クラウス・アドラーに「007/トゥモロー・ネバー・ダイ/1997」「ヒトラー ~最後の12日間~/2004」のゲッツ・オットー。
ジェームズ・ワシントンにクリストファー・カービイ。
ヴィヴィアン・ワグナーにペータ・サージェント。
アメリカ合衆国大統領(マダム・プレジデント)にステファニー・ポール
リヒター博士に「ヒトラーの贋札/2007」のティロ・プリュックナー。
ウォルフガング・コーツフライシュ総統に「SOUL KITCHEN/ソウル・キッチン/2009」「メランコリア/2011」のウド・キア。
監督、脚本はティモ・ヴオレンソラ。

おばか映画って基本的に好きじゃないし、観ないけど、本作は単なるおばか映画と決めつけたくない。かなりイケてる展開だったから…。
ナチスの残党が月から地球に攻めて来るなんて突拍子もないこと考える監督の頭の中を覗いてみたいものだ。
地球侵略のシーンは“Star Wars”ばりの闘いで中々見応えあった。

割引デーの最終回、上映館は満員御礼。
本作の予告は見ていない。たまたま何か観ようと検索したところこれを見つけ、シアターも新宿だったしで観に行った。

映画のエンド・クレジットにフィンランド、ドイツ、オーストラリアの文字ばかり…映画が終了し、シアターの壁に貼ってある映画紹介記事を見、監督がフィンランド人であることを知った。元来SFファンってほどでもないし、「スター・トレック」のパロディ作品「スターレック 皇帝の侵略」なんて知る由もない。しかしそのパロディ作品が、今ではフィンランドの奇才と言われるティモ・ヴオレンソラの名を世界中のSFファンに知らしめたらしい。

広報担当のヴィヴィアンとマダム・プレジデント、女二人のスゴさにはあきれ返るばかりながら楽しませてもらった。
かの有名なチャーリー・チャプリンの「独裁者/1940」の続編(全く違った展開の…)がN.Y.で公開されている…なんてパロディもありだった。
ワシントンと手を組み地球侵略を阻止するべく奔走するレナーテ。レナーテのフィアンセで、権力しか信じないとんでもない男のクラウス。二人の俳優が素晴らしい。

新宿 武蔵野館にて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-16 23:57 | スペイン | Trackback(11) | Comments(0)

「漆黒の闇で、パリに踊れ」

「Une nuit」 2012 フランス
a0051234_014973.jpg

原タイトル“ある夜”を“漆黒の闇で、パリに踊れ”とネーミングしてしまう配給会社に脱帽。真夜中のパリの街が神秘的だ。早朝、そぼ降る雨…シモンがシテ島のパリ警視庁前を静かに去るラストは秀逸の出来だった。そしてローレンスが若くて新米の警察官だけではなく、ラストにある人物として登場する展開がドラマを盛り上げる。

警察官シモン・ワイスに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「約束の旅路/2005」「ゴー・ファースト 潜入捜査官/2008」「この愛のために撃て/2010」のロシュディ・ゼム。
警察官ローレンス・ディレイに「恋は足手まとい/2005」「ダニエラという女/2005」「風にそよぐ草/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」のサラ・フォレスティエ。
シモンの友人でクラブの経営者トニー・ガルシアに「DISCO ディスコ/2008」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のサミュエル・ル・ビアン。
トニーの息子ポールにグレゴリー・フィトゥーシ。
クラブの経営者ジョーに「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」のジャン・ピエール・マルタンス。
監督、脚本にフィリップ・ルフェーブル。
a0051234_0155326.jpg
a0051234_0154434.jpg
a0051234_0153457.jpg
a0051234_0152543.jpg
a0051234_0151872.jpg
a0051234_015982.jpg

犯罪取締役班のリーダー、シモン・ワイズは毎晩パリのクラブ、ディスコやバーを巡回している。今夜のシモンのパートナーである運転手は若い警察官ローレンス。ローレンスと共に怪しいクラブや、バーを巡りに巡る。シモンはパリの歓楽街の顔的存在で、彼の脅しにヤクザも怯む。一方で友人でもあり、今や成功し数々のクラブのオーナーでもあるトニーに接近する…

深夜のパリ…ドラッグ、売春、暴力そして裏切りの中に身を置く二人。彼らの車が”キャバレー号”というのも上手い。
セーヌ沿いに走る”キャバレー号”…夜の闇に浮かぶルーブルやエッフェル、そしてエトワール凱旋門の姿が美しい!。ラストにパリ警視庁も。
美しい観光スポットしか知らない私たち外国人にとって、パリの街がどんなに危険で怪しいか知らせてくれたような気もする。
しかしいつも思うのはフランス人てマジでタバコが好きだ。統計学上、世界一sexが好きな国民らしいが、タバコも好きらしい。それとかなり気になったのは、勤務中にも関わらずシモンがお酒を飲みまくり(シャンペンやブランディー等々)なのだ。映画の中だから…と切に願う。

ロシュディ・ゼムを初めて観たのは「あるいは裏切りという名の犬」。その後岩波ホールで公開された「約束の旅路」で主人公シュロモの心優しい義父ヨラム役のロシュディ・ゼムが思い浮かぶ。そして「ゴー・ファースト 潜入捜査官」の彼は素晴らしく良かった。
顔から来るのか刑事役がぴたりとハマる。この後公開されたやはり刑事ものの「虚空の鎮魂歌(レクイエム)/2010」も初日に観て来た。アラブ系(モロッコの家系)のクールな魅力を放つロシュディ・ゼムは本国フランスできっと人気の俳優に違いない。
オドレイ・トトゥと共演の「愛してる、愛してない.../2002」のハンサムなロイックはどこへ行ったの?と...、かなり老けてしまったサミュエルが哀しい。10年の歳月は物語るか...。

最近続いて公開されているフランス版フィルム・ノワール。どの作品も銀座テアトルシネマで公開されている。本作も、土曜日公開のやはりロシュディ・ゼム主演の「虚空の鎮魂歌(レクイエム)/2012」もどちらも期間限定のレイトショーのみ。もう少々公開期間と、時間を広げて欲しいものだ。

銀座テアトルシネマにて(10/12で上映終了)
[PR]
by margot2005 | 2012-10-15 00:37 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「エージェント・マロリー」

「Haywire」 2011USA/アイルランド
a0051234_21561932.jpg

マイケル・ファスベンダー、ユアン・マクレガー、チャニング・テイタム、アントニオ・バンデラス、マイケル・ダグラス、そしてビル・パクストン…と主役級の俳優たち総出演でジーナ・カラーノを盛り上げている。そう、これはジーナによる、ジーナのための映画。
監督がスティーヴン・ソダーバーグということで少々期待していたが、展開はそれほどでもなかったかな?強いジーナはとてもかっこ良かったけど…。

マロリー・ケインにジーナ・カラーノ。
ポールに「プロメテウス/2012」のマイケル・ファスベンダー。
ケネスに「人生はビギナーズ/2010」のユアン・マクレガー。
アーロンに「パブリック・エネミーズ/2009」「陰謀の代償/2010」「親愛なるきみへ/2010」のチャニング・テイタム。
ロドリゴに「ボーダータウン/報道されない殺人者/2006」「私が、生きる肌/2011」のアントニオ・バンデラス。
コブレンツに「危険な情事/1987」「ソリタリー・マン/2009」のマイケル・ダグラス。
ジョン・ケインに「ツイスター/1996」「U571/2000」「ヘイヴン/堕ちた楽園/2004」のビル・パクストン。
監督は「オーシャンズ13/2007」「チェ 28歳の革命/2008」「チェ 39歳別れの手紙/2008」「インフォーマント!/2009」のスティーヴン・ソダーバーグ。
a0051234_2156182.jpg

フリーランスの女スパイ、マロリー・ケインは民間軍事企業の経営者ケネスから依頼を受けバルセロナへと向かう。そこで同業者のアーロンと共に人質救出というミッションを成功させる。次に来たのはフリーランスのスパイ、ポールと偽装夫婦を装った、イギリス諜報機関MI-6から来た仕事だった。なんなくすませる簡単なミッションと思っていたが、そこにはマロリーを陥れるワナが潜んでいた...

ソダーバーグと言えば…ジェームズ・スペイダー&アンディ・マクダウエルの「セックスと嘘とテープ/1989」とかジュリア・ロバーツがオスカーをゲットし「エリン・ブロコヴィッチ/2000」、そしてマイケル・ダグラスやベニチオ・デル・トロが出演した「トラフィック/2000」が懐かしい!
少し前にwowowで「コンティジョン/2011」を見た。マット・デイモン他豪華な俳優陣が出演しているにも関わらず今イチだった。
過去のソダーバーグの映画をチェックしてみるとどうやらジョージ・クルーニーとマット・デイモンがお好きなようだ。

ジャン・レノの「リリムゾン・リバー/2000」を監督、脚本した「アメリ/2001」や「ミュンヘン/2005」のフランス人俳優マシュー・カソヴィッツの出演が嬉しい。
お気に入り俳優のマイケル・ファスベンダー&ユアン・マクレガーがスーパー級に無惨な姿でジーナにやられてしまう姿が実に可笑しかった。チャニング・テイタムも然り…。

BSで放映された旅番組で何度も、何度も見た美しいアイルランドの首都ダブリンで撮影されている。
でもビル・パクストンはホント懐かしい。こういったアメリカ資本の映画を観ると、とても懐かしい俳優にお目にかかれる。
マイケル・ダグラス映画もいっぱい観ているが、驚くなかれ彼のレビューは初めて。「ウオール・ストリート/2010」もシアターで観たがレビューは書かなかった。しかしながらマイケル・ダグラスは貫禄勝ち。
まだ40歳過ぎたばかりなのにユアンも最近お年を感じる。ユアン映画は「人生はビギナーズ」以来、観たかった「パーフェクト・センス/2011」を見逃してしまってとても残念だったのだ。でも先だってwowowで放映があり観ることが出来た。ユアンは相変わら素敵。そういやwowowでユアン映画をまとめて放映していたので今一度見てみたのはピーター・ボイルの「シャロウ・グレイブ/1994」と「トレイン・スポッティング/1996」。今でもキュートだけど、若き日のユアンは本当にキュート。「普通じゃない/1997」や「ベルベット・ゴールドマイン/1998」のユアンが見たくなって来た。

マイケル・ファスベンダーはとてもsexyな俳優で今一番のお気に入り。ファスベンダーのありとあらゆるファン・サイトを覗いた結果FASSINATING FASSBENDERが一番スゴい!更新もスゴい勢いだし。FASSYってスクリーンを通さない素顔は笑顔の連発で…だからシワ多いんじゃないと思うくらい笑ってるフォトばかり。笑う顔満載ながら、なぜか?FASSYのコメディって??想像出来ない。
今月公開されるFASSYの「危険なメソッド/2011」に期待したい。ディヴィッド・クローネンバーグだし、ヴィゴも出てるしで…。

ヒューマン・トラスト・シネマ有楽町にて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-14 23:39 | USA | Trackback(10) | Comments(2)

「ソハの地下水道」

「In Darkness」2011 ポーランド/ドイツ/カナダ
a0051234_074635.jpg

知らないポーランド人とドイツ人俳優の中で「アイガー北壁/2008」のベンノ・フュルマンが出演している。
そしてもう一人…多分彼女だろうな??でも随分と太ったものだと思いながら見ていたソハの妻ヴァンダ役の女優。で、やはりイエジー·スコリモフスキの「アンナと過ごした4日間/2008」のキンガ・プレイスだった。
a0051234_083812.jpg

レオポルド・ソハにロベルト・ヴィエツキーヴィッチ。
ムンデク・マルグリエスに「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フュルマン。
ヴァンダ・ソハにキンガ・プレイス。
クララ・ケラーにアグニェシュカ・グロホウスカ。
パウリナ・ヒゲルにマリア・シュラーダー。
イグナツィ・ヒゲルに「ラン・ローラ・ラン/1998」のヘルバート・クナウプ。
監督は「秘密の花園/1993」「太陽と月に背いて/1995」「敬愛なるベートーヴェン/2006」のアグニェシュカ・ホランド。
原作はロバート・マーシャルの“ソハの地下水道”。

1943年、ナチス占領下のポーランド。ソハは下水修理の仕事の合間空き巣をして日々の糧を稼いでいる。ある日、収容所行きを逃れようと、家の床から地下水道に繋がる穴を作っているユダヤ人たちを発見する。ナチスに彼らを売り渡せば報奨金をもらえることは解っている。しかし狡猾なソハは金をせしめようと考え、地下に匿ってやると持ちかける…

実際に起きた出来事をベースに描かれているそう。エンド・クレジットの前に“終戦後ソハは連合軍の車に轢かれそうになった娘を助けたことにより亡くなった。”と説明される。そして近隣者は“ユダヤ人を匿ったため罰が当たった。”と言ったという。

うだつの上がらない中年男のソハは最初は金が目的でユダヤ人を助けたのだ。ユダヤ人を匿うことは罪だから“そのうち捕まるよ!”と妻に呆れられ、罪なき若き同僚も処刑される。知人であるウクライナ人将校はユダヤ人狩りに夢中であったが、ソハの怪しい行動を不審に思い一緒に地下水道へと入って行く。しかしソハはユダヤ人を守り抜くのだった。
始めは金目当てだった行動がだんだん人道的になって行く。ソハは“ユダヤ人だって生きる権利がある。”と感じたのだろう。狡猾で卑しいソハが善人に変わって行く姿が良い。
ラスト、地下水道からから出て来るユダヤ人たちにケーキや飲み物を振るまい、妻ヴァンダを紹介しするソハは最高にご機嫌だった。今思い出してもあのシーンはとても良かったな。
ソハを演じるロベルト・ヴィエツキーヴィッチはポーランドでは有名な俳優とか。

正確には覚えてないがユダヤ人は確か1年以上地下水道で生活をしていたという。原タイトルが示すように“暗闇の中”で子供も含め生き残った彼らの気骨にスゴいものがあると感嘆、ただ感嘆あるのみ。

昨今、ナチスによるホロコーストものが多いような気がする。
少し前wowowで、もちろん未公開作品で、ハンガリーのユダヤ人を描いた「フェイトレス 〜運命ではなく/2005」という映画を観た。ラストに“007”のダニエル・クレイグが連合軍の兵士役で2シーンほど出演していた。まぁダニエルはともかく、主人公は10代のユダヤの少年で、過酷な運命に耐えぬいた健気な姿がとてもとても印象的だった。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-08 00:19 | スペイン | Trackback(6) | Comments(0)

「わたしたちの宣戦布告」

「La guerre est déclarée」…aka「Declaration of War」2011フランス
a0051234_21235216.jpg

「最強のふたり/2011」もそうだったけど、難病ものをどこまでも明るく描くフランス人の陽気さに感服する。ましてやこちらは幼い一人息子が難病になるというシチュエイション。
映画を作ったのはヴァレリー・ドンゼッリ&ジェレミー・エルカイム。彼らは元パートナーで、二人の息子が脳腫瘍に冒された実体験をドラマにしている。映画のバックに流れるMusicがとてもポップで、たまにヴィヴァルディを挟んだりしてトレ、トレヴィアン!
a0051234_21252321.jpg
a0051234_21251175.jpg
a0051234_21245689.jpg

ある日、ジュリエットはロメオという名の男性と出会い運命的な恋に落ちる。そしてまだ若い夫婦に息子が誕生し幸せいっぱいのはずだったが…

監督、脚本、出演(ジュリエット)に「待つ女/2006」「彼女は愛を我慢出来ない/2009」のヴァレリー・ドンゼッリ。
脚本、出演(ロメオ)に「彼女は愛を我慢出来ない」のジェレミー・エルカイム。
ロメオの母親に「ヴェルサイユの子/2008」のブリジット・シィ。
アダムの担当医たちに「最強のふたり/2011」のアンヌ・ル・ニと、「ずっとあなたを愛してる/2008」「サラの鍵/2010」のフレデリック・ピエロ。
8歳のアダムにガブリエル・エルカイム。

ヴァレリーとジェレミーの愛息がラストに登場する。
スクリーンを観ていてジェレミーとアダム役のガブリエルがスゴく自然に父と息子っぽいのは当たり前のことだった。というのもいつものように前知識なしで観たので、二人が実際の父と子と知ってより以上に感動を覚えたわけ。
ヴァレリー・ドンゼッリって才能あるなぁ!と感嘆する。映画は実際の病院を使って撮影されたそう。だからとてもリアルに感じるのかも知れない。そしてドラマは得てして暗くなりがちな展開なのにバックに流れるポップなMusicに救われる。時々どうにもならない怒りを爆発させるジュリエットだが、それをロメオが上手くなだめるのだ。
仕事を休み、友人たちとの付き合いも全て断ち、ただただ息子の病気治癒に専念した彼らはスゴい!なぁと思う。
ロメオはめげてるジュリエットに向かって“君なら出来る!”と励まし、息子の病魔と戦うことを使命と感じ、それに立ち向かって行く二人の姿が素晴らしかった。
邦題の“宣戦布告”は原タイトル道り。この“宣戦布告”は絶妙のタイトルだ。

ドラマの中でロメオがジュリエットと出会う。ロメオが名前を名乗った時、ジュリエットやはり驚きを隠せなかった。シェイクスピアの“ロミオ(フランス、イタリアではロメオ)とジュリエット”がカップルになるなんて映画でしかあり得ないかも?そして一人息子の名前がアダムというのがまた素敵。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-07 21:48 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「そして友よ、静かに死ね」

「Les Lyonnais」2011 フランス/ベルギー
a0051234_2312586.jpg

還暦を迎えたモモンを演じるジェラール・ランヴァンは1950年生まれ。実際に還暦なのだがスゴくsexy。
フランス映画祭2009で観た「シークレット・ディフェンス(WEAPONS)/2007」のジェラール・ランヴァンが最高にクールだったのを思い出す。
本作を監督、脚本したオリヴィエ・マルシャルの「あるいは裏切りという名の犬/2004」は中々インパクトのある映画だった。その後はちょっと…といった案配…こちらは「あるいは裏切りという名の犬」に続くマルシャルの代表作となるであろう。多分…。
a0051234_2321652.jpg
a0051234_232744.jpg
a0051234_2315939.jpg
a0051234_2315164.jpg
a0051234_2314423.jpg

エドモン・ヴィダル/モモンに「輝ける女たち/2006」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「この愛のために撃て/2010」のジェラール・ランヴァン。
セルジュ・ステルに「三銃士 妖婦ミレディの陰謀/2005」「星の旅人たち/2010」のチェッキー・カリョ。
クリストに「あるいは裏切りという名の犬」「ぼくを葬る/2005」「隠された記憶/2005」「マルセイユの決着/2007」「食料品屋の息子/2007」のダニエル・デュヴァル。
ジャヌーに「引き裂かれた女/2007」のヴァレリア・カヴァッリ。
青年時代のモモンにディミトリ・ストロージュ。
青年時代のセルジュにオリヴィエ・シャントロー。
監督、脚本は「裏切りの闇で眠れ/2006」「すべて彼女のために/2008」のオリヴィエ・マルシャル。

フランス、リヨン。モモンは教会で孫の洗礼式に出席している。還暦を迎える彼は元ギャングながらとうの昔に足を洗い、愛する妻と穏やかで満ち足りた余生を送っている。そんなある日、幼なじみで、かつての相棒セルジュが13年の逃亡の末逮捕されたことを知る...

リヨンはフランス第二の都市で絹織物の産地として知られ、食通の街としても有名。一度行きたい!行きたい!と願いながらもこの街を訪れたことはない。で、リヨンが舞台なのでとても楽しみにしていた一作。しかしながら70年代と現代が行ったり来たりするリヨンの街を堪能することは叶わなかった。

エドモン・ヴィダルの自叙伝“さくらんぼ、ひとつかみで”をベースにフィクションも取り入れた重厚な犯罪サスペンス映画である。本に“さくらんぼ、ひとつかみで”と命名されたのは、モモンが“さくらんぼ、ひとつかみ”盗んだため半年の禁固刑になったことからきている。
ロマ族(ジプシー)の出であるモモンがイジメに合った時助けてくれたのはセルジュだった。半年の禁固刑になった時も一緒だった。そんなセルジュを見捨てることなどできようか?
セルジュが刑務所に送られれば、そこを出る時は死んだ時だ。モモンは妻ジャヌーに“セルジュに関わるのは危険だからやめて!”と懇願され、知らんぷりしたいとこだが、やはりそれは無理だった。セルジュとの友情を断ち切ることなどできないモモンは奪還計画に手を貸してしまう。これが男の“義理&人情”?
シアターで邦画は見ないが、過去にTVで、高倉健のヤクザ映画を何本も見たことがある。そこには必ず男の“義理&人情”が登場する。フィルム・ノワールと呼ばれるこの映画はとても懐かしい匂いがした。

フランスのギャングものと言えばジャン・ギャバンとかアラン・ドロンの映画が思い浮かぶ。もうあげたらキリがないが、二人の共演作で印象深いのは「地下室のメロディ/1963」「シシリアン/1969」「暗黒街の二人/1973」等など。
アラン・ドロン映画だと「サムライ/1967」とか「リスボン特急/1972」とか…チャールズ・ブロンソンと共演した「さらば友よ/1968」なんか好きだけど、それは犯罪映画ではあるがギャング映画ではない。

そしていつものことながら...日本の配給会社よ!もうちょっと邦題考えて!Internationalタイトルの”A Gang Story”のように単純に考えられないのか?調べてみたところアラン・ドロン映画に「友よ静かに死ね/1976」というのがあり、原タイトルは“Le gang/ギャング”だった。
それと邦題についてもう一言...「そして友よ、静かに死ね」じゃ結末バレバレなんだけど...。

銀座テアトルシネマにて
[PR]
by margot2005 | 2012-10-03 23:19 | フランス | Trackback(3) | Comments(2)