<   2012年 03月 ( 6 )   > この月の画像一覧

「SHAME -シェイム-」

「Shame」2011 UK
a0051234_0173523.jpg

ブランドンに「300<スリーハンドレッド>/2007」「エンジェル/2007」「イングロリアス・バスターズ/2009」のマイケル・ファスベンダー。
シシーに「プライドと偏見/2005」「17歳の肖像/2009」「わたしを離さないで/2010」のキャリー・マリガン。
ブランドンの上司デイヴィッドに「ディパーテッド/2006」のジェームズ・バッジ・デール。
ブランドンの同僚マリアンヌにニコール・ベハーリー。
地下鉄の女にルーシー・ウォルターズ。
監督、脚本は「Hunger/2008」のスティーヴ・マックイーン。
a0051234_0175997.jpg

a0051234_2047521.jpg
a0051234_20473929.jpg
a0051234_0175034.jpg

ニューヨークの高級アパートに暮らすブランドンは30代のハンサムな独身男性。仕事も順調で会社の評判も良く、ハタから見れば好印象な男そのもの。しかしブランドンは誰にも言えないセックス依存症という秘密の病気を抱えていた。そんなある日、恋人にふられた妹のシシーがいきなり転がり込んで来る…

舞台はニューヨークながら英国が舞台のように見える。ヴェネチア国際映画祭男優賞に輝いた主演のマイケル・ファスベンダーの表情(特に目)はスーパー級に孤独な男の雰囲気を醸し出していて素晴らしく上手い。
キャリー・マリガンは顔のせいかアンニュイな雰囲気のシシー役は似合わない気がした。フル・ヌードで頑張ってたけど…。

昨今ハリウッドで引っ張りだこ状態らしいマイケル・ファスベンダーは「エンジェル」の時少々気になっていた。その後、「イングロリアル・バスターズ」でナチス・ドイツのユニフォームが限りなく似合っていて、ドイツ人だとばかり思っていたがアイリッシュとのハーフ。ドラマの役柄もニューヨークにやって来たアイルランド人となっている。

孤独を抱える男がセックスにのめり込む姿をかなりストレートに描いている。ストレートではあるが以外に嫌悪感はない。
ブランドンが地下鉄で向かいに座る女を見るめる場面…執拗なまでに女を見つめるブランドン。ハンサムな男性に見つめられて嬉しくない女性はこの世にいない(ゲイは別だが…)。彼女は“わたしは既婚者よ!”とマリッジ・リングを見せつけるのだが(カメラが指輪を執拗に追う)、ブランドンの視線に目をそらすことは出来ない。ブランドンの目と、見つめられるままため息をつかんばかりに足を組みかえる女の仕草…あのシーンは限りなくエロティックだった。

ある夜、ブランドンは職場の同僚マリアンヌとレストランでデートをする。ただ食事をするだけなのになぜかそわそわと落ち着かない。友人も恋人もいないブランドンはセックスを通じてしか女性と交われないから、レストランで食事をするという行為がスゴくuncomfortableだったに違いない。異性と二人きりの初めての食事って確かに少々緊張するものだ。ディナー・デートの帰り、二人は地下鉄の駅で別れるが、彼はマリアンヌにキスもしなかった。
数日後、ブランドンは彼女をホテルに誘うが結局その気にはなれないで終わってしまう。彼にとっては love=sexではない。何かに取り憑かれたようにsexせずにはいられない。それも何の感情も芽生えない相手と…。
深い哀しみと悩みを抱え常に眉間にシワを寄せ考え込む表情のブランドン。ドラマの中で彼が唯一楽しそうに微笑んでみせたのはマリアンヌとのデートの時だけだった。でもマリアンヌとの未来はきっとないだろうなと想像した。

兄ブランドンはセックス依存症で、仕事以外の時間は全てセックスに費やしている。なんと惨めな人生だろう。まさに“SHAME”な男なのだ。妹シシーは手首を切っては自殺を繰り返している。この兄妹には絶対に悲惨な過去があったはず。しかしながらドラマの中で彼らの過去は全く語られない。
ブランドンは人との間に距離を置いて、心から愛情を持って交わることが出来ない人間。反対にシシーは相手に強烈に愛を求める人。真逆にある彼らはたった二人きりの家族。シシーがブランドンに“家族は助け合わなくてはいけないのよ。”と言うが、あの二人が助けあえるとは思えない。
ブランドンがシシーの病院を抜け出し、雨の降りしきる埠頭にたたずみ慟哭の叫びをあげる場面はヒドく気の毒だった。でもその後に続くラスト・シーン…地下鉄で再び遭遇した女性を執拗に見つめるブランドンの目は以前と同じ。彼はきっと彼女の後を追いかけたに違いない。

水曜割引に観に行ったらシアターは90%女性(最終回)だった。「Hunger」が観たい!!

渋谷シネクイントにて
a0051234_18305746.jpg
a0051234_18304646.jpg

a0051234_018910.jpg

[PR]
by margot2005 | 2012-03-22 00:26 | UK | Trackback(10) | Comments(0)

「汽車はふたたび故郷へ」

「Chantrapas」2010 フランス/グルジア

ニコラスにダト・タリエラシュヴィリ。
カトリーヌに「夜顔/2006」「ランジェ公爵夫人/2007」のビュル・オジエ。
フランスのプロデューサーにピエール・エテックス。
監督、脚本はオタール・イオセリアーニ。
a0051234_021814.jpg

フィルム・メーカーのニコラスは自国の思想や検閲にうんざりしフランスへ渡る。しかし希望を胸にやって来たフランスでも商業性を重視するプロデューサーと衝突してしまうハメに...

“フランス映画祭2011”で上映された、グルジアの巨匠オタール・イオセリアーニの半自伝的コメディ・ドラマ。舞台は旧ソ連時代のグルジア(1991年に独立)。
岩波で上映していたので、オタール・イオセリアーニも知らずに観に行ってしまった(1979年にフランスに亡命)。オタール・イオセリアーニを知らない人間にとっては映画に入り込めなかった。
シアターは岩波ファンのおじさま、おばさまが結構入っていて驚き。コメディってほどの展開でもないけど、所々笑わせてくれる場面もある。

某新聞評に“にじみ出る反骨と自我”…とある。その二つは映画を観ている観客に文句なしに訴えかけて来る。
この監督は俳優を重視しないらしくて何れの作品でも素人を使うらしい。ニコラス役のダト・タリエラシュヴィリはイオセリアーニの孫だそう。ニコラスの子供時代の出演者も皆俳優ではない。彼が自由なる映画を撮るためフランスに渡り、出会うプロデューサーやニコラスに部屋を貸すカトリーヌは俳優である。カトリーヌ役のビュル・オジエは上に書いた映画で記憶に残っていた。

グルジアは黒海に面し、隣国はトルコで西アジアの北端に位置する。伝書鳩を使ってフランス、パリから故郷のグルジアの祖母の元へ手紙を送るシーンはまさかあり得ない?状態だ。パリの街で作る映画も、犬連れの毛皮をまとった女性をただ歩かせて…何を意味してるのか?全く理解出来なくて実に奇想天外であった。

川の中からいきなり現れる人魚(それもアフリカ系の女性)もワケが分からない世界で少々ファンタスティックでもある。
故郷に戻り、川で釣り糸を垂れるニコラスの元へ再び人魚が現れ、水中に彼を連れ込むシーンでエンディングを迎える。グルジアでは自分の思うように映画が作れない。そこで自由を求めフランスに渡ったが、やはりパリでもダメだった。ニコラスは、故郷の川で人魚と自由に泳ぎ回ることに幸せを見つけたに違いない。

いつもやりたいことをやってきたというオタール・イオセリアーニのアイデンティティー炸裂!映画?
ヴェネチア舞台の「月曜日に乾杯!/2002」は見てみたいな。

神保町 岩波ホールにて(4/13迄上映)
[PR]
by margot2005 | 2012-03-21 00:04 | フランス | Trackback | Comments(0)

「恋人たちのパレード」

「Water for Elephants」 2011 USA
a0051234_22105234.jpg

マーリーナに「ウオーク・ザ・ライン/君につつく道/2005」のリース・ウイザースプーン。
ジェイコブに「ニュームーン/トワイライト・サーガ/2009」「リメンバー・ミー/2010」のロバート・パティンソン。
オーガストに「イングロリアス・バスターズ/2009」「おとなのけんか/2011」のクリストフ・ヴァルツ。
老年のジェイコブに「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」のハル・ホルブルック。
監督は「コンスタンティン/2005」「アイ・アム・レジェンド/2007」のフランシス・ローレンス。
原作小説はサラ・グルーエンの“サーカス象に水を”。

1930年代、大恐慌時代のアメリカ。ポーランド移民のジェイコブは医学生。卒業試験の真っ最中に両親が自動車事故で亡くなる。両親と共に、住む家も失ったジェイコブは途方に暮れながらあてもなく歩き続ける。やがて偶然通りかかった列車に無我夢中で飛び乗るが、列車はサーカス団の一座だった…

“キューティ・ブロンド”シリーズのリース・ウイザースプーン映画はシアターでは初めて。好きな女優じゃないけど、wowowで放映されていた“キューティ・ブロンド”は何作か見たことがある。先だってリース主演の「恋の始まりは/2010」もwowowで観たけど…リースはオスカーをもらっても“キューティ・ブロンド”女優のイメージが残る。

ロバート・パティンソンが出演しているということで観に行った次第。彼の映画は「リメンバー」以来のシアター。上映シアターは「リメンバー」と同じシネマート新宿。スーパー級にミニシアターのシネマート新宿はロバート・パティンソンがお好きらしい。大きな方のシアターで上映されており、ロバート、ファン数人(リース、ファンもいたかも?)の入りだった(ウイークディ最終回)。
少し前、スペインの画家サルバトーレ・ダリと、詩人のフェデリコ・ガルシア・ロルカの友情を描いた「Little Ashes/2008」をwowowで観た。ロバート・パティンソンがダリ役…あのダリの独特のひげは似合ってなかったな。
クリストフ・ヴァルツの放つオーラが強烈過ぎてロバートはかすんでしまっている。ロバート主演の“これ!!”という映画が観たいものだ。

原作は世界的ベストセラーとのこと。映画の舞台は1930年代のサーカス。非日常的な世界がドラマを盛り上げている。Especiallyでタイトルにも入っている“Elephants”の演技がスゴい!

シネマート新宿にて(現在はa.m.1回のみの上映)
[PR]
by margot2005 | 2012-03-20 22:14 | MINI THEATER | Trackback(2) | Comments(0)

「おとなのけんか」

「Carnage」 2011 フランス/ドイツ/ポーランド/スペイン
a0051234_1931351.jpg

ペネロペに「インサイド・マン/2006」「ブレイブ・ワン/2007」「幸せの1ページ/2008」のジョディ・フォスター。
ナンシーに「ホリデイ/2006」「リトル・チルドレン/2006」「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」「愛を読むひと/2008」のケイト・ウインスレット。
アランに「イングロリアス・バスターズ/2009」のクリストフ・ヴァルツ。
マイケルに「今宵、フィッツジェラルド劇場で/2006」のジョン・C・ライリー。
監督、脚本は「ゴーストライター/2010」のロマン・ポランスキー。
a0051234_1935184.jpg
a0051234_193432.jpg
a0051234_193317.jpg

舞台はニューヨーク、ブルックリン。
映画の撮影地はパリだそう。。交わされる言葉はもちろん英語。そして原作は舞台劇。物語の進行がリアルタイムというのはかなり珍しい展開だ。
オープニングと、エンディングにブルックリンの景色が映し出される以外全てロングストリート家のリヴィングルーム(一部キッチン&バスルームとエレベーター前の廊下)。
映画の製作費の大半はオスカー俳優たちのギャラ?それとも高いギャラは受け取らなかったのか?その辺が知りたいものだ。

青筋たてて怒りまくるジョディ・フォスターとケイト・ウインスレットがスゴい!もうもう強烈。子供の喧嘩に大人が参入してきてとんでもない事態に陥る。子供を持つ親として彼らの気持ちは手に取るように理解出来る。喧嘩で可愛い息子が前歯を折られた…そりゃ起こるでしょ親なら。わたしだったら“ウチの息子になんてことしてくれたの!!”と詰め寄ること間違いない。
最初は冷静だった親たちがちょっとしたきっかけで怒り心頭してしまう。その辺りからドラマが盛り上がり面白い。

本屋で働きながらアフリカ問題に関する本を執筆し、芸術の分野にも長けるペネロペは子供に情操教育を与える教育熱心な母親。夫のマイケルは金物商を営み、妻の尻に敷かれながらも日々平穏に暮らすことがモットー。一方でナンシーは投資ブローカーの仕事が忙しく子供との時間はないに等しい。おまけに夫のアランは製薬会社の顧問弁護士で携帯を手放すことが出来ない仕事人間。
全く違う人種の親たち。最初から戦いになること間違いなしの二つのカップルだ。

思い切り笑えるコメディではない。少々ブラックが入ったコメディ。
怒りまくった後、夫アランの携帯を花瓶に放り込むナンシー。そして花瓶に生けられた黄色いチューリップまでウザくて怒りの対象と化してしまう。ラスト花瓶の底から携帯の着信音が響く場面は痛快だった。
しかしながらアランの携帯依存には飽きれる。あの人種は周りの人間のことなど考えてないのだろう。絶対に…。

原タイトルは“大虐殺”。ペネロペがこだわる、アフリカ問題から来ているという。でも、邦題のなんと陳腐なことか!原タイトルの由来を知ってあきれ返った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
[PR]
by margot2005 | 2012-03-13 19:09 | フランス | Trackback(13) | Comments(0)

「英雄の証明」

「Coriolanus」2011 UK
a0051234_0172454.jpg

ケイアス・マーシアス・コリオレイナス(監督、製作も)に「ナイロビの蜂/2005」のレイフ・ファインズ。
ヴォルサイの将軍タラス・オーフィディアスに「マシンガン・プリーチャー/2011」のジェラルド・バトラー。
コリオレイナスの母ヴォルムニアに「いつか眠りにつく前に/2007」「つぐない/2007」「ジュリエットからの手紙/2010」「ミラル/2010」のヴァネッサ・レッドグレーヴ。
コリオレイナスの妻ヴァージリアに「ツリー・オブ・ライフ/2011」のジェシカ・チャステイン。
コリオレイナスの友人で貴族のメニーニアスに「マッチポイント/2005」「ゾディアック/2006」のブライアン・コックス。
市民タモラに「愛より湯良い旅/2004」のルブナ・アザバル。
同じく市民カシアスに「シリアの花嫁/2004」のアシュラフ・バルフム。
a0051234_0182419.jpg
a0051234_0174489.jpg
a0051234_0173589.jpg

ローマでは貧困に喘ぐ市民により暴動が起ころうとしていた。それは市民が食べ物の支給に反対したケイアス・マーシアスに怒りを募らせているからだ。市民はマーシアスに詰め寄るが聞く耳を持たない。マーシアスの友人で貴族のメニーニアスが騒ぎを沈めようとするが、戦う能力がない市民に食べ物は与えられないと突っぱねる。
一方で、マーシアスと幾度か戦って来たヴォルサイの将軍タラス・オーフィディアスはローマ侵略を狙っていた。ある時、マーシアスはヴォルサイ人の街コリオライを包囲し、後にオーフィディアスと一騎打ちになるが決着がつかずに終わってしまう。やがてマーシアスにはコリオライにちなんだ“コリオレイナス”という名が与えられローマの将軍となる。
コリオレイナスは数々の武勲により圧倒的なパワーを手に入れるが、彼の独裁に政治家たちは危機感を募らせる。そして政治家たちの策略により市民が暴徒化し、ついに独裁者コリオレイナスは国を追われてしまう。
国外追放となったコリオレイナスが身を寄せたのは適地ヴォルサイだった...

ウイリアム・シェクスピアの悲劇“コリオレイナス”は知らない。映画の予告を観て…古典っぽい台詞なのにミリタリー風の衣装って??おまけに舞台はローマ??“コリオレイナス”を知らないため最初は戸惑ってしまった。そしてようやく映画はローマ時代を現代に置き換えていることが分かった。仰々しい台詞が飛び交い、妻が夫のことを“My Lord!”と、君主に向かって呼ぶような台詞も時代めいていて面白い。
撮影地はセルビアとモンテネグロ。
初監督作だけあって、レイフのレイフによるレイフのための映画といった趣。

“母なる都市ローマを滅ぼさないで!”と息子コリオレイナスに嘆願する場面の母ヴォルムニア…演じるヴァネッサ・レッドグレーヴが舞台に立っているような錯覚を覚え、とても迫力のあるシーンで印象に残る。

コリオレイナスはローマの独裁者ながらローマの英雄でもある。原タイトル”コリオレイナス”のままじゃますます観客集められなかっただろう。「英雄の証明」というタイトルは捨てたものじゃない。

レイフ・ファインズは「嵐が丘/1992」以来のファンで、“ハリー・ポッター、シリーズ”をのぞいてほぼ全て見ていると記憶する。独裁者役は「シンドラーのリスト/1993」「レッド・ドラゴン/2002」以来のモンスターではないだろうか?

レイフもジェラルドも大好きなUK俳優で、二人が出演するってことで観に行ってしまった。最近ジェラルドには裏切られてばかりだが、気骨のある闘士を演じると素晴らしい。彼にロマコメは似合わない。しかしレイフ・ファインズはどちらかというと「オネーギンの恋文/1999」や「ことの終わり/1999」といった、ヤワな男が繰り広げる不倫ものが実に似合う俳優。骨太人間はどうもレイフにそぐわない気がするのだが…それは彼の顔の優しさから来るのかも知れない。

母ヴォルムニアを演じるヴァネッサ・レッドグレーヴが圧巻だ。妻ヴァージリア役のジェシカ・チャステインは「ツリー・オブ・ライフ」同様、穏やかな妻(母)役がハマっている。
次作「ヘルプ/〜心がつなぐストーリー〜2011」は予告を観る限り全く違った雰囲気で楽しみだ。

確かに観る人限られる映画ではある。期間限定のように上映はたった2週間。鑑賞した週始めの最終回のシアターはガラガラだった。都内は現在シネマート六本木で上映中。

丸の内ルーブルにて(既に上映終了)
[PR]
by margot2005 | 2012-03-11 00:24 | UK | Trackback(3) | Comments(0)

「メランコリア」

「Melancholia」2011 デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ
a0051234_2262968.jpg

ジャスティンに「マリー・アントワネット/2006」のキルステン・ダンスト。
クレアに「アンチクライスト/2009」のシャルロット・ゲンズブール。
マイケルに「ロシアン・ルーレット/2010」のアレキサンダー・スカルスガルド。
ジョンに「フォーン・ブース/2002」のキーファー・サザーランド。
姉妹の母親ギャビーに「家の鍵/2004」「エンジェル/2007」「彼が二度愛したS/2008」「ある公爵夫人の生涯/2008」「わたしを離さないで/2010」のシャーロット・ランプリング。
父親デクスターに「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国/2008」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のジョン・ハート。
リトル・ファーザー(執事)に「007/カジノ・ロワイヤル/2006」 「007/慰めの報酬/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」のイェスパー・クリステンセン。
ジャスティンのボス、ジャックに「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「天使と悪魔/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」のステラン・スカルスガルド。
新人ティムに「ファニーゲームU.S.A./2007」のブラディ・コーベット。
クレアとジョンの息子レオにキャメロン・スパー。
ウェディング・プランナーに「ソウル・キッチン/2009」のウド・キア。
監督、脚本は「ダンサー・イン・ザ・ダーク/2000」「ドッグヴィル/2003」「アンチクライスト/2009」のラース・フォン・トリア。
a0051234_227887.jpg
a0051234_227024.jpg
a0051234_2265143.jpg
a0051234_224117100.jpg
a0051234_2241791.jpg
a0051234_22405443.jpg

ラース・フォン・トリアが描く世界はどうもダメだがこれは素敵な作品だった。なんといっても映像が素晴らしく美しい。オープニングのスローモーション映像は何度も予告で観ていて、絶対に観たい!と思っていた。こんな素敵な映画なのに上映期間が短くて驚く(上映最終日の最終回は半分くらいの入りだった)。

巨大惑星メランコリアと地球が衝突し世界が終わりを迎える…がテーマ。これがハリウッド映画なら大スペクタクルで描かれることだろう。しかしラース・フォン・トリアの手にかかると幻想的で、この上なく美しく描かれていてファンタスティック!!

映画は“第1部ジャスティン”“第2部クレア”とそれぞれのヒロインを中心に描いている。第1部では情緒不安定なジャスティンが起こすトラブルの数々が描かれ、第2部ではクレアの心境を丁寧に描いている。
第1部では不安定極まりなかったジャスティンが、第2部の終盤では落ち着きを取り戻し、逆にクレアが動揺しまくっている。この姉妹の対比が面白い。


映画の撮影に使われたTjolöholm Castleはチューダー様式のスエーデンの城。映像ではなく実際に訪れたらもっと、もっと素敵に映るスポットであるに違いない。

映画のポスターはジャスティンが“ハムレット”のオフィーリアのように見える。映画の中にジョン・エヴァレット・ミレイの“オフィーリア”の絵や、カラヴァッジョ、そしてオープニングにも登場する雪景色を描いたブリューゲル“雪中の狩人”など、などアートの世界も楽しめる。

“メランコリア”とは直訳すると“鬱病”。盛大なる結婚披露宴の最中、会場を抜け出し、ウエディング・ドレスのままバスタブに身を沈めるジャスティンは情緒不安定な女性。やがてパーティも終盤を迎え夫マイケルとベッドを共にするはずが…“ちょっと待って!”と言い残し部屋を出て行く。あげく、ジャックから紹介されたばかりの新人ティムと庭でsexする始末。あんなに素敵なマイケルと結婚したばかりでこの女性いったいどうなってるの?と疑いまくりで...でも情緒不安定な人間の取る行動は計り知れない。案の定二人は結婚式当日に別離を迎える。
ジョンがクレアに”君の家族はみな異常だ!”というようにギャビーとジャスティンはマジでクレージーな母娘だ。

巨大惑星メランコリアが地球に接近して来る。不安と恐怖で落ち着かないクレアを必死になだめるジョン。しかし結果ジョンの取る行動は男らしくなかった実に。やはり最後に開き直るのは女性かも知れない。

ギャビー役のシャーロット・ランプリングがいつものように怪しい魅力を振りまいている。別れた夫デクスターを演じるジョン・ハートも良いな。でも地味な存在でありながら密かに存在感を示すリトル・ファーザー役のイェスパー・クリステンセンが記憶に残る。
「インタビュー・ウイズ・ヴァンパイアー/1994」でブラッド・ピットと共演した時は人形のようにキュートだったキルステンも来月30歳になるという。キルステンは「マリー・アントワネット」も素敵だったが、ジャスティンが素晴らしい!カンヌ映画祭で女優賞に輝いたのも頷ける。
アレキサンダー・スカルスガルドがステラン・スカルスガルドの息子だとは初めて知った。似てなくもないが、息子の方がハンサム。わたし的にちょっと好みかな。
「ソウル・キッチン」で懐かしかったウド・キアがまたまた登場していて嬉しい限り。この方若い!

日比谷 みゆき座にて(既に上映終了)
[PR]
by margot2005 | 2012-03-07 22:19 | ヨーロッパ | Trackback(6) | Comments(0)