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「リメンバー・ミー」

「Remember Me」 2010 USA
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タイラーに「ニュームーン/トワイライト・サーガ/2009」のロバート・パティンソン。
タイラーの父親チャールズに「あぁ、結婚生活/2007」「ゴーストライター/2010」のピアース・ブロスナン。
母親ダイアンに「カサノバ/2005」「愛を読むひと/2008」のレナ・オリン。
妹キャロラインにルビー・ジェアリング。
アリーにエミリー・デ・レイヴィン。
刑事でアリーの父親クレイグに「テンペスト/2010」のクリス・クーパー。
タイラーの友人エイダンにテイト・エリントン。
監督は「ハリウッドランド/2006」のアレン・コールター。
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もうすぐ22歳になるタイラーはN.Y.の安アパートに友人エイダンと同居中で、6年前の兄の自殺が未だ心のしこりとなっている。仕事に忙しいリッチな弁護士の父親とは距離を置き、離婚した母親に引き取られ、新しい父親と暮らす妹キャロラインが気がかりでならない。ある日、街中で喧嘩が起こりタイラーが仲裁に入る。しかし駆けつけた警官クレイグに逮捕されてしまう。やがて、エイダンがタイラーの父親に連絡を取り彼らは保釈されるが、彼は父親に世話になったことが許せないのだった…

“22歳でガンジーは3人の子供を持ち
モーツアルトは交響曲を作り
バディ・ホリーは死んだ
兄さん、俺はもうすぐ22歳になる…”

この映画の予告編は何度か観た。主演がロバート・パティンソンということで興味があり、公開されたら観に行こうと思っていた。“ハリーポッター・シリーズ”に興味がないので、ロバート映画は“トワイライト・シリーズ”が初見。何となくシアターに観にってしまった「ニュームーン/トワイライト・サーガ」のレビューに“ロバート・パティンソンの大人な映画が観てみたい!”と書いた。それは“ハリーポッター&トワイライト・シリーズ”ではない彼が観たい、大人の鑑賞にたえる彼を観たいという意味で書いた。1986年生まれなのでまだ25歳の若さ。この方UK人ながらアメリカ映画にばかり出演している。英国が舞台でスタイリッシュな、大人なロバート映画が観てみたいものだ。

脚本が気に入り製作総指揮にまで参加したロバートの意気込みが感じられる佳作だった。
長男が自殺して以来タイラーに辛くあたるようになった父親。一方で、強盗に妻を殺された刑事クレイグも娘アリーとの間にわだかまりがある。愛するがゆえに反撥しあう二組の親子。

ある日、大学でアリーを見つけ、デートに誘ったタイラー。それはエイダンにそそのかされ、彼女が刑事クレイグの娘だと知っての行動だった。惹かれ合う二人。アリーはタイラーがいきなり誘いをかけて来たわけを知らなかった。しかしそれがバレてしまって...アパートを飛び出すアリー。でもその時すでにタイラーはアリーに夢中になっていたのだ。なんとかアリーの心を取り戻したいと奔走するタイラー。この辺は“悩める青春期の恋”の展開が素敵だ。

観る人によってはリッチな父親に反撥する世間を知らない(知ろうとしない)わがままな青年…としか映らない気もする。でもタイラーはアリーと出会い成長して行く。物語の時代設定がなぜ21世初頭なのか?と不思議だったが、ラストに続く展開でなるほどだった。

“リメンバー・ミー”というタイトルは意味深でgood。タイラーは兄を亡くし、アリーは母親を亡くしている。そしてタイラーの妹キャロランは母親が離婚し、父親の愛情を見失ってしまっている。
N.Y.ワールドトレードセンタービルの最上階のオフィス。父親を待つタイラーが一人たたずむ姿はスゴく印象的。で、少々出来過ぎかとも思えるエンディングだが、アメリカ映画らしくて微笑ましい。

シネマート新宿にて
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by margot2005 | 2011-09-18 22:21 | MINI THEATER | Trackback(3) | Comments(0)

「ツリー・オブ・ライフ」

「The Tree of Life」 2011 USA
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オブライエンに「イングロリアス・バスターズ/2009」のブラッド・ピット。
ミセス・オブライエンにジェシカ・チャスティン。
ジャック(中年)に「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」「ミルク/2008」のショーン・ペン。
祖母に「ブラック・ダリア/2006」のフィオナ・ショウ。
長男ジャックにハンター・マクラケン。
次男R.L.にララミー・エップラー。
三男スティーヴにタイ・シェリダン。
監督、脚本に「ニュー・ワールド/2005」のテレンス・マリック。
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かなり前に観た映画で、レビュー書くのはやめておこうと思っていた。しかし某新聞のデカイ映画宣伝のページに“早くもアカデミー賞の呼び声高く!”なんて記事発見。カンヌ映画祭パルムドール受賞作品(2011)だったし、なんて思いながら…。

“力こそ成功の道だ…”と信じる厳格な父親と、盲目的な愛で子供たちを包む母親。

“生き方には2つある…世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては…”と…父親と母親は全く違った生き方(考え方)の持ち主。そんな二人に育てられる子供ってとても困惑するのではないだろうか?“ぼくの中で二人が争っている。これからもずっと…。”と感じる長男ジャックは父親と、母親の間で常に葛藤を覚えていたに違いない。

マリック映画は過去に「天国の日々/1978」と「シン・レッド・ライン/1998」を観た。「ツリー・オブ・ライフ」は素晴らしい!映像美であったが、今から思えば「ニュー・ワールド」の映像も美しかったことを思い出す。「ニュー・ワールド」もテレンス・マリックの世界だったが、本作はスゴい!とにかく映像がめちゃめちゃ美しい!!のだ。そしてmusicも。

しかしながらあまりにも哲学的、あまりにも宗教的で、ビッグバン、マグマ、海藻、くらげ、そして川にダイナソーが出て来たあたりから、このような展開で大丈夫か?なんて思い始めた。そういや、前の席に座っていた男性は、席を立ったまま戻って来なかったな。
わたし自身はダイナソー出現の頃は寝そうだったが、その後オブライエン一家の物語が始まり、映画に集中した。

庭で長男と一緒の折、隣の家との境界線にやたらこだわる父親。そして息子に“隣の家は遺産相続で金持ちだ。”などと恨みがましい言葉を吐く。そうオブライエンは偏見を持つイヤミな男なのだ。ブラッド・ピットは小心者のくせに、やたら妻や子供たちに威厳を保つ怖い父親役を好演している。
ミセス・オブライエン役のジェシカ・チャスティンが素敵だ。
オーディションで選ばれた3兄弟役のボーイズも素晴らしかった。

映画を観る前ブラッド・ピットとショーン・ペンが親子??そんなの??と思っていたら、ペンは中年になったジャックを演じ、その頃父親は結構な年になっていただろうが、おじいさんの姿は見せず、終盤は若いままのオブライエン夫婦と、若きジャックと、亡くなった次男と末息子、そこに中年のジャックが溶け込んで…ラストのビーチのシーンは神秘的で素晴らしかった。

映像はとても美しく、オブライエン一家のストーリーも興味深かったが、テレンス・マリックの世界はあまり好みではない。
2時間18分と上映時間は長かったが、美しいマリックworldが全体の20%、いやもっとあったかな?

丸の内ルーブルにて
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by margot2005 | 2011-09-11 00:34 | USA | Trackback(10) | Comments(0)

「ゴーストライター」

「The Ghost Writer」 2010 フランス/ドイツ/UK
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ゴーストに「ブローン・アパート/2008」のユアン・マクレガー。
アダム・ラングに「あぁ、結婚生活/2007」のピアース・ブロスナン。
アメリア・ブライに「セックス・アンド・ザ・シティ/2008」のキム・キャトラル。
ルース・ラングに「17歳の肖像/2009」のオリヴィア・ウイリアムズ。
ポール・エメットに「理想の女/2004」「フィクサー/2007」「ウディ・アレンの夢と犯罪/2007」「ワルキューレ/2008」「ロックンローラ/2008」「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~/2009」のトム・ウィルキンソン。
監督、製作に「戦場のピアニスト/2002」のロマン・ポランスキー。
原作(ゴーストライター)、脚本はロバート・ハリス。
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元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼されたゴーストライターは、英国ロンドンよりアメリカ東海岸の孤島にやって来る。ラングが滞在する別荘で取材を始めたゴーストは、原稿に書き進めるうち彼のミステリアスな過去に不信感を抱くようになる...

某新聞の映画評に“職人技のサスペンス”と記されていたが…スタイリッシュでスリリングな展開は観る者を惹き付け、久方ぶりにベスト級のサスペンスを堪能した。8月のウイーク・デイの夜に観た。巷で評判になっているのか?ポランスキー・ファンが押し寄せたのか?このシアターがほぼ満員になったのは初めての体験。

私的にロマン・ポランスキー映画で印象的なのは、カトリーヌ・ドヌーヴの「反撥/1964」、ミア・ファーローの「ローズマリーの赤ちゃん/1968」、ジャック・ニコルソンの「チャイナタウン/1974」、ナターシャ・キンスキーの「テス/1979」、ハリソン・フォードの「フランティック/1988」、ピーター・コヨーテの「赤い航路/1992」、ジョニー・デップの「ナインスゲート/1999」そして、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞で主演のエイドリアン・ブロディにオスカーをもたらした「戦場のピアニスト」といったところか。ポーランド映画の「水の中のナイフ/1962」も忘れてはならない

“ゴーストライター”を演じたお気に入り俳優ユアン・マクレガーはばっちり適役だし、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリヴィア・ウイリアムズ、トム・ウイルキンソンらと火花を散らす競演も素晴らしい!
「セックス・アンド・ザ・シティ」のキム・キャトラルのこういった役柄は初めて観た(というより彼女の出演映画は殆ど観ていない)。キムはリヴァプール出身のUK人で、ユアンを筆頭にアダム・ラングを演じるピアース・ブロスナンを含め、彼に関わる人物がUK人で構成されているのもgoodだ。
“元007俳優”ピアース・ブロスナンは1作ごとに味わい深い俳優になって行く。
老人役のイーライ・ウオーラックと、ジョン・マドックス役のジェームズ・ベルーシが懐かしかった。

真冬、降りしきる雨、ビーチに不審な男の溺死体が打ち上げられる。アダム・ラングが滞在するアメリカ東海岸の孤島の寒々とした風景や、不仲の妻や秘書たち(アメリアはアダムの個人秘書)と住む別荘の無機質なインテリア…それらが登場人物の不審と不安、そして寂しさをより一層盛り上げている。

政治に関心がない物書きが元英国首相の自叙伝を書く事になった。莫大な報酬に惹かれて…。ストーリーの中でゴーストに向かってジョン・マドックスが“You are British.”という台詞があるように抜擢された最大の理由はアダム・ラングと同じ英国人だったこと。

前任のゴーストライターが寝泊まりしていた部屋からラングの怪しい写真を見つけた現ゴーストは、前任者が殺害されたのではないかと疑問を抱く。やがてゴーストは前任者が乗っていた車に乗り込み、カーナビに設定されていた場所へと向かう。運転するゴースト同様、怖いながらも行きつく場所はどこなのか?と、とても興味深くドキドキするのだ。そしてその場所に現れた人物がラストへとつながる。この大陰謀がスゴ過ぎる。

息もつかせぬ2時間8分の展開は文句なしに素晴らしかったが、ゴーストとルース・ラングのベッド・インは余計じゃなかったかな?
しかしながらあのラストにはマジで唖然だった。
ロバート・ハリスの同名ベストセラーを本屋で見つけた。是非読んでみたい。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2011-09-09 00:12 | UK | Trackback(25) | Comments(0)

「未来を生きる君たちへ」

「Hævnen」…aka「In a Better World」2010 デンマーク/スウェーデン
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監督、原案に「しあわせな孤独/2002」「ある愛の風景/2004」「アフター・ウエディング/2006」「悲しみが乾くまで/2008」のスザンネ・ビア。
アントンにミカエル・パーシュブラント。
妻マリアンにトリーヌ・ディルホム。
息子エリアスにマルクス・リゴード。
クラウスに「ある愛の風景/2004」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」のウルリク・トムセン。
息子クリスチャンにウイリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン。
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デンマークに暮す少年エリアスはアフリカの難民キャンプで医師としてボランティア活動をしている父親が誇りだった。しかし残念な事に両親は不仲で別居中。そして学校では執拗なイジメに合っていた。そんな折、転校して来たクリスチャンと出会う...

“殴られた。だから殴った。”
“戦争はそうやって始まるんだ。”とチラシにあるが…
徹底して非暴力を貫く父親…自身の怒りを完璧にコントロール出来る姿に感動を覚える。

スザンネ・ビア映画はどれもこれも“家族の愛”を描いた世界が素晴らしい!デンマーク/スエーデンではなくアメリカを舞台に描いた「悲しみが乾くまで」は今一だったが、こちらは是が非でもマイベストに入れたい作品。

クリスチャンは母の死後父親と共に祖母の家に移り住むが、仕事一筋の父親は家を空ける事が多く、言いようのない寂しさを抱えていた。そしてある日とうとう、ガンで亡くなった母の死は父のせいだと罵倒する。
クリスチャンは転校した学校で執拗なイジメに合うエリアスを助ける。やがて彼はエリアスをいじめる同級生にナイフをもって制裁する。
エリアスの家族と出かけたある日、エリアスの弟がイジメに合う。それを見た父親アントンは、いじめた子供の父親に注意をするが、その父親は子供の否を認めるどころかアントンを殴ってしまう。殴られてもただ耐え、殴り返さないエリアスの父親を見て呆然となったクリスチャンは“なぜ殴り返さないのか?”とアントンに詰め寄るが返って来たのは“バカな男は相手にしない方が良い。”と言う言葉だった。
アントンは“殴られた。だから殴った。”という制裁は決してしない。

やがてクリスチャンの溜まりに溜まっていた“怒り”が爆発する。エリアスの父親を殴った男に制裁を下すのだ。しかしそのため事故が起き、エリアスが怪我をしてしまう。

一方でエリアスは不仲の両親が気がかりだった。父親はアフリカより一時帰国の際エリアスが母親や弟と住む家には戻らず、湖に近い家を借りていた。そしてエリアスは弟と父を訪ね男だけで一時を過ごすのだった。

クリスチャンもエリアスも心に深い寂しさを抱えている。クリスチャンは攻撃的な性格だが、エリアスは穏やか。エリアスの父親は非暴力者で、クリスチャンの父親も、息子にののしられても冷静で穏やかな性格を崩さない。

医師のアントンが活動するアフリカ、ケニアでの暴力も描かれている。ある日、ビッグマンが負傷しアントンの難民キャンプに運ばれて来る。“ビッグマン”とは妊婦の腹を切り裂く極悪人のこと。医者の立場からビッグマンの手当をするが、キャンプに詰めかけ、口々に訴える難民たちの声を聞いたアントンはビッグマンをキャンプから追い出してしまう。

ぴったりではないが、邦題になっている“未来を生きる君たちへ”は非暴力を貫き、怒りをコントロールする医師アントンの祈りのようだ。Internationalタイトルの“In a Better World/より良い世界で”は中々良いなと感じる。原題のデンマーク語はそのものズバリ“復讐”。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2011-09-04 23:32 | ヨーロッパ | Trackback(19) | Comments(0)