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「人生、ここにあり!」

「Si può fare」…aka「We Can Do That」2008 イタリア
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ネッロに「ニルヴァーナ/1996」のクラウディオ・ビシオ。
サラに「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」のアニタ・カプリオーリ。
フルラン医師に「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」のジュゼッペ・バッティストン。
デルベッキオ医師に「イル・ディーヴォ/2008」のジョルジュ・コランジェリ。
監督、脚本にジュリオ・マンフレドニア。
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1978年、イタリア。“バザーリア法”の制定により精神病院廃絶法が制定され、無制限に患者を収容することが禁じられ、次々に精神病院が閉鎖されていった。そして1983年、ミラノに住む労働組合員のネッロは革新的な考え方が災いし左遷の憂き目に合う。やがて彼は精神病院から出された元患者たちの共同組合運営をまかされる。偏見を持たないネッロは毎日無気力に過ごす彼らと新しい職場で出会い“仕事をして金を稼ごうではないか!”と持ちかける。が、超個性的な彼らは考え方がバラバラでまとまるわけがない。それでもなんとかしなければと諦めないネッロは、彼らの密かな才能を発見し、“床貼り”の仕事を選ぶ…

平日の昼下がり、シアターはほぼ満員で驚いた。周りを見渡せば夏休みとは全く関係のない中高年男女と、若い女性が殆ど、子供が観る映画でもないのにエラいにぎわいだった。

こういった映画を観ていつも感じるのは特殊な役柄を演じる俳優たちの成りきりぶり。それは常に驚かされる。
かつて日本でも“精神病院”と呼ばれていた名称、今日では“心療クリニック”とか“メンタル・クリニック”と表現されている。

イタリア映画祭2009年で公開された時は原題の“やればできるさ”というタイトルがついていた。あいにく映画祭では見逃したが、今回一般公開され観る事が出来た。原題の“やればできるさ”そのものズバリの展開。精神を病む人々が主人公…一度だけ悲しい出来事は起きるが、ユーモアを交えながらほのぼのとして、観ているものの心をも温かくする素敵な人間ドラマだった。

ネッロが“床貼り”の仕事を思いついたのは,彼らが内職で封筒に切手を貼る様を見たからだった。個性豊かな彼らは決して同じ位置に切手を貼らない。束ねて見ると貼られた切手がまるでモザイクのような状態になっているのだ。

恋人サラと同居中のネッロは彼女との生活よりも、元患者たちとの仕事を優先しサラに呆れられている。でもネッロにとって元患者の彼らはまるで自身の大事な子供たちのように大切な存在なのかも知れない。演じるクラウディオ・ビシオがスゴく良かった。元患者を演じる俳優陣は語るまでもなく最高!
シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2011-07-31 19:26 | イタリア | Trackback(12) | Comments(0)

「黄色い星の子供たち」

「La raffle」 …aka「The Round Up」2010 フランス/ドイツ/ハンガリー
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アネット・モノに「PARIS(パリ)/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」「オーケストラ/2009」のメラニー・ロラン。
ダヴィッド・シェインバウム医師に「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「バレッツ/2010」のジャン・レノ。
シュメル・ヴァイスマンに「プライスレス 素敵な恋の見つけ方/2006」のガド・エレマレ。
妻スラにラファエル・アゴゲ。
息子ジョーにユゴ・ルヴェルデ。
ヴァイスマン家の隣人ベラ・ジグレールに「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を/2009」のシルヴィー・テステュー。
息子シモンにオリヴィェ・シヴィー。
下の息子ノノにマチュー&ロマン・ディ・コンチェート。
同じく隣人ディナ・トローブに「親密すぎるうちあけ話/2004」のアンヌ・プロシェ。
監督、脚本に「1492・コロンブス/1992」の脚本家ローズ・ボッシュ。
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1942年、ナチス占領下のパリ。ユダヤ人たちは一目でそれだと分かるように胸に“黄色い星”の印を付けることが義務づけられていた。そしてユダヤ人迫害政策に躍起になっているヒトラーの求めに応じ、フランス政府はパリに住む外国籍のユダヤ人2万4千人の一斉検挙に踏み切る。やがて、7月16日早朝、フランス警察に連行された1万3千人ものユダヤ人はヴェル・ディヴに収容される。水も食べ物も与えられずに放置された彼らの面倒を見たのは、同じくユダヤ人である医師のディヴィッドと赤十字から派遣されてきた看護師のアネットだった…

最近はヨーロッパ映画とそれ以外の国のミニシアターで上映される映画しか観ていない。邦画は観ないし、ハリウッド大作も観ないしで、ますます“My World”にハマってしまっている。そんな事でここの所観る映画が全くなく、2週間近くシアターへ行かなかった。今月末から来月にかけて、また好みの映画がシアターにかかるので楽しみにしたい。

巷でも評判?のこの作品。初日の最終回に日比谷へ観に行った。まさか?満席ではないだろうな?と想像していたが、前の方の席は殆ど埋まっていなかった。もっと入っているかと思ったけど…。

映画のWebsiteに“泣ける映画!”と書いてあった。ナチスの迫害にあいながら、生き残った人々の証言も取り入れた実話。これが泣けないワケがない。案の定終盤近くになってそこかしこからすすり泣きが聞こえてきた。私的にも涙が頬を伝うという久方ぶりの映画であった。明るくなる前に席を立とうとしたが、余韻に浸ってしまって身体が言う事を聞かず、結局エンドクレジットが終わり、シアターに明かりが灯る頃ようやく席を立つことが出来た。

自分の死を予感した母親が息子に叫ぶ“お願い生きて!約束して!”と…そして母親から“わたしの大事なユダヤの坊や”と呼ばれていた彼はその約束を果たす。親と子が引き離されるほど哀しい事はない。

映画のヒロイン、アネットは赤十字で働く看護師。1万3千人ものユダヤ人がヴェル・ディヴから収容所に移った後も行動を共にし、劣悪な環境の中、自ら身体を張り、極度の疲労も顧みず、ユダヤ人たちを支えたアネットが聖女のように見える。

50年もの間公式に認められなかった事件だそうで、1995年、時の大統領ジャック・シラクが政府の責任を認めたという。フランス政府がナチスに荷担して行った事実は伏せられ、それまではナチス・ドイツの迫害の一つと捉えられていたようだ。
フランス警察の制服を着た警察官が、いくら外国籍とはいえ、パリに住み子供たちはフランス生まれで、その父親たちの中にはフランス軍の一員として戦った人間も含まれるという彼らを検挙するなんて馬鹿なことがあるだろうか?
しかし、一方でパリに住むフランス人は、一斉検挙に反発し、1万1千人ものユダヤ人をかくまったという。

「縞模様のパジャマの少年/2008」はドイツ人将校の家庭と“ホロコースト”を描いた辛い映画だった。いつも感じるのは“ホロコースト”ものを見たドイツ人てどんな感想をもつのだろう?知りたいものだ。

「PARIS(パリ)」で大学教授にストーカーされる美少女レティシアが新鮮だったメラニー・ロランが一作ごとに大人の、素敵な女優に変化している。彼女の次回作が楽しみだ。
ユダヤ人医師ディヴィッドを演じたジャン・レノもとても良かったな。
11歳のユダヤ人の息子ジョー役のユゴ・ルヴェルデは近い将来たくさんの女性を虜にしそうなハンサム・ボーイで印象に残る。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2011-07-24 22:33 | フランス | Trackback(12) | Comments(2)

「陰謀の代償」

「The Son of No One」 2011 USA
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ジョナサンに「ステップ・アップ/2006」「G.I.ジョー/2009」のチャニング・テイタム。
ヴィニーにトレーシー・モーガン。
ジョナサンの妻ケリーに「サンキュー・スモーキング/2006」のケイティ・ホームズ。
マサーズ警部に「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官/2009」のレイ・リオッタ。
スタンフォード警察委員長に「 ヴェニスの商人2004」「オーシャンズ13/2007」のアル・パチーノ。
クイーンズ・ガゼットの記者ローレンに「トスカーナの贋作/2010」のジュリエット・ビノシュ。
監督、脚本、製作にディート・モンティエル。
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2002年、ニューヨーク。ジョナサンは殉職した父親と同じニューヨーク市警の警察官。彼は愛する妻ケリーと持病を持つ幼い娘と共にスタテンアイランドに一軒家を構えている。しかしケリーは車で2時間もかかるクイーンズ警察署に転属された夫に対して不満を募らせていた。クイーンズ地区は失業者が多く治安が悪い街。どうして治安の悪い危険なクイーンズに、それも2時間もかけて通わなきゃならないのかと問いつめるケリー。しかしジョナサンはクイーンズ地区で少年期を過ごし、そこには妻にも秘密にしている衝撃の過去があった。

予告編で“アル・パチーノ 待望の最新作”と語ってるが主演は彼ではない。主演は目と眉が近いってわけでもないが、何げにまぶしそうな表情のチャニング・テイタム。あまり記憶にない俳優ながら彼の主演映画「ステップ・アップ」はDVDで見ている。wowowで放映されていた「G.I.ジョー」は途中で挫折したけど…。
アル・パチーノ、レイ・リオッタ、そしてジュリエット・ビノシュと出演陣は豪華だ。

席に座っていながら電車が通過するのが分かる(音が聞こえる、それもなんとなく天井から...)シアターってここ以外にあるのか??なんて…銀座シネパトスはそんなシアター。都内のミニシアターが閉館される中、今でも健在のこちらは場所が銀座ってことだろうなきっと(おじさんが集まるし…)。久方ぶりにこちらのシアターの予告を観たが、予告上映されたそれらは全てホラー&スプラッター。どうりでこのシアターには足が向かないわけだと理解した。
本作はアル・パチーノが出演していなかったらDVDスルーかも知れないと思ったし、首都圏(都内)では銀座のシネパトスでのみ上映中というのも納得が行く。

誰も真実を知らない過去の事件。ジョナサンはただ一人それを知っている友人ヴィニーを疑い始める...そして、ラストでジョナサンが起こした二つの殺人事件がなぜもみ消されてしまったかが解明される。しかし説明が不十分。N.Y.のローカル紙“クイーンズ・ガゼット”に2つの未解決事件を告発する手紙が送られて来たり、ジョナサンの家に謎の人物から電話がかかったりするが、かなり曖昧な展開なのだ。ラストのラストであの窓から見ていた人がいた…という事実も判明するが、マサーズ警部とスタンフォード警察委員長の介入がどこまであったのかもはっきりしなくて、エンディングを迎えてもすっきりしなかった。

上空から撮影したクイーンズの公営アパートがスゴい!東京の都営住宅のように高層ではなく、川沿いにある広大な敷地に全く同じ建物が点在するさまは、モザイクのようにも見える。

重くて、暗いストーリーなので、終始暗い表情を見せているが、まぶしい表情がキュートなチャニング・テイタムは好青年ってイメージで結構イケてる。ダンス映画「ステップ・アップ」の彼も魅力的だったし。彼の次作は9月公開予定の「親愛なるきみへ/2010」。日本では2011年に製作されたこちらの方が先に公開されたようだ。

「ゴッド・ファーザー/1972」以来第一線で活躍を続けるアル・パチーノの映画は「オーシャンズ13」以来のシアター。パチーノの貫禄は相変わらずだが、DVDで見たロバート・デ・ニーロと競演の「ボーダー/2008」同様お年を感じる。
フランスのInternational女優ジュリエット・ビノシュの出演には驚いた。少しの出番ながら、存在感のある女優。
レイ・リオッタがいつもながらの癖ある役柄でひと味添えている。
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by margot2005 | 2011-07-14 23:23 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「蜂蜜」

「Bal(Honey)」 2010 トルコ/ドイツ
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監督、脚本にセミフ・カプランオール。
少年ユスフにボラ・アルタシュ。
父親ヤクプにエルダル・ベシクチオール。
母親ゼーラにトゥリン・オゼン。
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オープニングからしばらくしてヤクプが愛馬を伴って森に入るシーンが現れる。ヤクプはハチ箱を据え付けるため木に登りを始める。これが想像以上に高い木なのだ。ハチ箱(養蜂)についての知識は全くないが、あのような高い木の枝にハチ箱を設置するなんて知らなかった。しかしそれが災いとなる。登るため木にかけた命綱のロープはヤクプの重みに耐えられなく、宙つり状態になってしまう。やがて、ヤクプは人がほとんど入り込まない深い森に一人取り残されてしまう。

ある日、父親が忽然と姿を消してしまい戸惑う母と息子。父親の不在から吃音を持つユスフは話さなくなってしまう。ヤクプが森で木に宙つり状態になったのは息子ユスフの夢なのか?それともやはり現実?観るものも夢か現実か分からなくなってしまう。

ユスフは父親が森へ行く時、“ぼくも一緒に行っていい?”と尋ねる。しかし父親は”家(母親)は誰が守る?”と答える。たった6歳の少年でも“家(母親)を守って!”と言い残した父親の言葉を理解し忘れなかった。食事の度テーブルに置かれたミルクを飲むのが嫌だったユスフ。いつも父親がユスフの代わりに飲んでくれたのだ。しかし父親がいなくなった今、テーブルに置かれたミルクを一気に飲みほす。父親の代わりに“ぼくが母を守らなきゃ…”と肝に命じたユスフの心が見えるようだった。

父親が事故にあった森に入ったユスフが大きな木の根元に身を置くところでエンディングで迎える。その木は父親が登った木だったかも知れない。大きく広がる木の根は、それに身を変えた父親が息子を優しく抱きしめるようにも見え、ユスフに対してどこまでも愛情深く、心優しいヤクプを思い浮かべた。

ヤクプを演じるエルダル・ベシクチオールが素晴らしい。でもそれ以上にユスフを演じるボラ・アルタシュがとんでもなく素晴らしいのだ。6歳の小学生役の彼は撮影時8歳だったそう。ユスフの学ぶ学校のシーンがたびたび登場し、まだあどけない表情のボラ・アルタシュは実にキュートだ。

映画の中に登場する美しい景色はトルコ共和国の黒海沿岸東端に位置し、隣国グルジアとの国境に近いリゼ県のcamlihemsin(チャムルヘムシン)。映画に現れる森は幻想的で、まるで絵はがきのように美しい。

「蜂蜜」はセミフ・カプランオールが同じ人物を主人公にして作った「卵/2007」「ミルク/2008」に続く3部作のラストの作品。「卵」「ミルク」も7月末に一般公開されるので是非観てみたい。

銀座テアトル・シネマにて
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by margot2005 | 2011-07-10 23:07 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(0)

「ラスト・ターゲット」

「The American」 2010 USA
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ジャック/エドワードに「ヤギと男と男と壁と/2009」のジョージ・クルーニー。
クララにヴィオランテ・プラシド。
マチルダに「アンナとロッテ/2002」「ヒットマンズ・レクイエム/2008」のテルラ・ルーテン。
ベネデット神父にパオロ・ボナッチェリ。
組織の連絡係パヴェルに「王は踊る/2000」「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」のヨハン・レイゼン。
車の修理工ファビオに「重なりあう時/2009」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のフィリッポ・ティーミ。
監督は「コントロール/2007」のアントン・コルベイン。
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スエーデン、ダラルナでヒットマンとして生きるジャックはある日、恋人と雪原を散策中何者かに狙撃されるが、危うく難を逃れた彼は狙撃手を殺した後、恋人をも射殺しイタリア、ローマへと逃亡する。ローマで組織仲間のパヴェルと会ったジャックは、彼に言われるままカステル・デル・モンテへと車を走らせる。やがて、アメリカ人フォトグラファー、エドワードに成り済ましたジャックは、小さな町の小さな部屋に落ち着くのだった…

一言で表現すればいぶし銀のようなシブい映画。今年ジャスト50歳。白髪混じりのジョージ・クルーニーは実にシブい。
舞台はイタリア中部にあるカステル・デル・モンテ。ジャックがローマ、テルミニ駅から車を走らせる、車で2時間くらいに位置するそこはイタリアの大田舎。でもロケされたカステル・デル・モンテの石畳は美しい。

ベネデット神父に“私はアメリカ人だ。”と答えるジャック。タイトルの“The American”はここに由来しているように思える。イタリアの小さな町カステル・デル・モンテには彼以外アメリカンなど存在しない。そして、ジャックは独り身の寂しさから娼婦の館を訪ねクララと出会う。一方で、パヴェルを介してマチルダという女とも出会う。
クララとメイク・ラヴの後、“誰か別の人を想っていた(抱いていた…)?”と言われたジャックはマチルダに想いを馳せていたのだろうか?
ある日、ジャックは娼館ではなく、町中でクララに出会う。その後、レストランで食事をしたり、ピクニックに行ったりして過すうち、彼は明るくて美しい彼女に惹かれて行く。
ラスト近く、娼婦であるクララに“今夜は仕事に行くな/客を取るな!”と宣言し、“ティ・アーモ!永遠に!”とクララを抱きしめるジャック。しかしクララはジャックの真の姿を知らない。クララの中で、ジャックは愛する“エドワード/エドゥアルド”なのだから…。
悲恋に終わるが素敵なラヴ・ストーリーでもある。

ジャックは二人の女性から“Mr.Butterfly”と呼ばれている。マーティン・ブースによる映画の原作邦訳は“暗闇の蝶/原題は『A Very Private Gentleman』”というタイトルがついている。映画の中でもジャックが蝶々に詳しい描写がある。小説は興味があるので是非読んでみたい。

フィリッポ・ティーミの出番が少なくて...もうちょっと出演していただきたかったな。

ジョージ・クルーニーは大好きなハリウッド俳優。今回かなり年齢を感じさせる風貌で驚いた。おしゃべりな役柄が多いジョージ。実際の彼もジョークを飛ばしながら話好きのように伺える。しかしながらこの作品では台詞が極端に少なく、寡黙で孤独な男を演じている。こんなジョージ・クルーニー初めて見たかも?

角川シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2011-07-05 21:38 | MINI THEATER | Trackback(16) | Comments(0)

「BIUTIFUL ビューティフル」

「Biutiful」 2010 メキシコ/スペイン
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ウスバルに「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「コレラの時代の愛/2007」「それでも恋するバルセロナ/2008」「食べて、祈って、恋をして/2010」のハビエル・バルデム。
マランブラにマリセル・アルバレス。
アナにハナ・ボウチャイブ。
マテオにギレルモ・エストレラ。
イヘにディアリァトゥ・ダフ。
監督、製作、原案、脚本に「バベル/2006」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
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ウスバルはバルセロナの裏社会で、中国やアフリカからやって来た移民の不法労働を手配する傍ら、時には警察に彼らを売ったり、麻薬取引も含め、非合法な仕事を一気に引き受けて生活費を稼いでいる。そして、一方では霊媒師でもあり、葬儀場で死者と対話し、家族から金を巻き上げていた。元妻マランブラは麻薬中毒の上、情緒不安定で、離婚後もウスバルを頼り、金を要求して来る。そんな彼にとって二人の子供アナとマテオは生き甲斐であった。しかしある日、自分が末期ガンに冒されている事を知る…。

スペインの世界的観光地バルセロナの底辺の街で暮す人々の物語。“サグラダ・ファミリア教会”がロング・ショットで一瞬映る。ここがバルセロナか?と思うくらいのロケーション。

末期ガンに冒されている事を知ったウスバルは、誰にも打ち明けられない苦しみと共に死の恐怖と闘い始める。子供たちを深く愛している彼は、自分がガンで死んで行く事よりも、子供たちを残して死んで行く事の方が辛かったに違いない。同じ親として彼の気持ちが強烈に理解でき辛いなんてものじゃない。自分の死後子供たちを託す人間が一人もなく、切羽詰まったウスバルは不法移民のアフリカン、イヘに頼ることを選ぶ。

女性移民たちへの気遣いなど見ているとウスバルは以外に心優しい男に映る。彼はただ生活のためにダーティな金を稼いでいるのだから...。社会の底辺に生きる人間の哀しみがひしひしと伝わって来て、彼の慟哭の叫びが聞こえそうだった。

オープニングと、エンディング近くで、会ったことがないウスバルの父親とのツーショットが登場する。父親はウスバルよりも若く、先に天国へ旅立ったことが伺える。雪に埋もれた木々の中にたたずむ二人の姿がとても印象的で心に残る。

「ノー・カントリー/2007」以降、世界的にメジャーになったハビエル・バルデム。彼の主演作品で素晴らしいのは「夜になるまえに/2000」と「海を飛ぶ夢/2004」であろうか。「BIUTIFUL ビューティフル」も素晴らしい作品だが、個人的にこういった展開のドラマはあまり好みではない。

ウスバルを演じるハビエル・バルデムはカンヌで主演男優賞、そしてオスカーにもノミネートされただけあって、死に行く男を熱演しているが、あまりにも辛いストーリで、上映時間も148分と長く、エンディングが始まってほっとした。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2011-07-03 18:38 | 中・南米 | Trackback(19) | Comments(0)