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「サラエボ、希望の街角」

「Na putu」…aka「On the Path」「Le choix de Luna」 「Zwischen uns das Paradies」2010 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア
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監督、脚本に「サラエボの花/2006」のヤスミラ・ジュバニッチ。
ルナにズリンカ・ツヴィテシッチ。
アマルに「サラエボの花」のレオン・ルチェフ。
ナジャに「サラエボの花」のミリャナ・カラノヴィッチ。
アマルの旧友バブリヤにエルミン・ブラヴォ。
ルナの友人シェイラにニナ・ヴィオリッチ。
ルナの祖母にマリヤ・ケーン。
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ボスニア紛争から15年、サラエボに住むルナはキャビン・アテンダント。ルナと同居中の恋人アマルは空港の管制塔で働いている、ある日、職場に酒を持ち込んだアマルは停職処分になる。そんな折、ルナと友人を伴いドライヴに出かけたアマルは偶然旧友のバブリヤと再会する。停職中だったアマルに子供たちにPCを教える仕事があると誘うバブリヤ。アマルと離れるのが辛いルナは、街から遠く離れた仕事場に行くアマルに反対するが彼は行ってしまう...

ヒロイン、ルナを演じるズリンカ・ツヴィテシッチと、その恋人アマル役レオン・ルチェフはクロアチア出身。
ルナをキャンプに連れて行くナジャ役に「サラエボの花」のヒロイン、ミリャナ・カラノヴィッチが扮している。

異なる民族と異なる宗教(イスラムとカトリック)が共存しているサラエボ。現在の宗教はイスラム教が大半を占めているそう。旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴヴィナはカトリックのイメージなので、ここにもイスラムが台頭して来ていることを改めて知った。
人里離れた湖のほとりで共同生活するイスラム原理主義者たち。男と女は別のテントで生活し、女はもちろんチャドルに身を包んでいる。真っ黒のチャドルに身を隠したナジャが、テントに入るなり頭の部分を脱ぎ捨てる。その時に現れた彼女の長い赤毛にはスゴく違和感を感じた。そしてそこにいるルナはとても、とても場違いな雰囲気だった。

アマルもルナもイスラム教徒。ある日、アマルはイスラム原理主義を信じる旧友バブリヤと再会する。やがてアルコール依存症で、停職中のアマルがそれに傾倒して行くのに時間はかからなかった。そしてルナはそんなアマルが理解できなくついて行けなくなってしまう。
アマルは肌を露出したドレスを着て夜遊びするルナを連れ帰ろうとする。子供が欲しいのに出来なくて悩むルナに“ぼくたちは結婚していないから(彼らは恋人で同居中)子供が出来ないのだ。”とsexをも拒む。
結婚しないでsexするのも、肌を露出し、クラブで酒を飲むのも、今のアマルにとっては邪悪以外の何物でもないのだ。
ある日、礼拝堂で一夫多妻OKのイスラム教徒の結婚式、(妻は年若い女の子)を見てしまったルナは耐えきれなくなり礼拝堂を飛び出して行く。

“サラエボ戦争”により目の前で両親を殺されたルナ。戦場で過酷な体験をし、その後アルコール依存症となったアマル。二人が引きずっている哀しみは底深い。しかしそれを乗り越え、ルナは西洋的で、前向きな生き方をして来た。なのにアマルはイスラム原理主義に傾倒し、古くさい生き方に戻ろうとしている。愛するアマルのそんな姿を見るに忍びないルナは自身の中で葛藤を繰り返す。そしてとうとう念願の妊娠に至ったルナの決断は…
深く愛し合っている二人のラスト...“家に戻ってくれ!”と言うアマルに、“あなたが戻って来て!”というルナの言葉…それは家に戻って一緒に生活するのではなく、“前のあなたに戻って!”と言う気持ちがこもっていて素晴らしかった。
哀しみを乗り越え、前向きに生きようとするヒロイン役のズリンカ・ツヴィテシッチは美しく、魅力的な女優だ。
神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2011-02-26 20:45 | ヨーロッパ | Trackback(5) | Comments(0)

「トスカーナの贋作」

「Certified Copy」2010 フランス/イタリア
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彼女(Elle)に「イン・マイ・カントリー/2004」「綴り字のシーズン/2005」「隠された記憶/2005」「パリ、ジュテーム/2006」「こわれゆく世界の中で/2006」「夏時間の庭/2008」「PARIS/パリ/2008」のジュリエット・ビノシュ。
ジェームズにウイリアム・シメル。
監督、脚本は「明日へのチケット/2005」のアッバス・キアロスタミ。
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イタリア、南トスカーナ地方。ある日、この小さな村で英国の作家ジェームズの“芸術におけるオリジナルと贋作の問題”についての講演が行われた。講演を聞きに来ていたフランス人女性は村でギャラリーを経営している。彼女は通訳にメモを渡しジェームズに訪ねて来るよう依頼し席を立つ。講演の後ギャラリーに姿を現したジェームズは彼女に村を案内して欲しいと願い出る…

台詞はフランス語と英語とイタリア語。彼女はイタリア在住のフランス人。彼、ジェームズはロンドンからやって来た英国人。

映画のチラシに“一見、男と女の出会いをきわめてロマンティックに描いたラヴ・ストーリー。”と表現してあるが、そうだろうか?観ているものはあまりロマンティックな気分になれない気がする。それというのも彼女の口から飛び出す言葉は夫への愚痴ばかり。夫役のジェームズも謝るどころか開きなおっているようにも見える。

オープニング、ジェームズの講演会場に姿を現した彼女。そして彼女を追って一人息子が会場にやって来る。中座を余儀なくされた彼女はジェームズの通訳にメモを渡し会場を後にする。そして、”ママはあの作家(ジェームズ)が好きだから会いたいって手紙を渡したんでしょ?”と突っ込まれる。
ストーリーが展開されて行く中で、息子が彼女に言ったことを思い出した。彼女は始めからジェームズに惹かれていたに違いない。一方で、ジェームズの個人情報はいっさい語られないので、彼がシングルなのか?妻子がいるか全く分からない。彼も彼女に好意を抱いていたのだろうか?

カフェの女主人に夫婦と間違われてしまった彼女とジェームズ。彼女は女主人に弁解することもなく夫婦のフリをしてしまう。最初彼女とジェームズの会話は英語で語られる。カフェを出て歩き始めた二人。彼女の携帯に息子から電話がかかり、もちろんフランス語で話す。出会った当初二人は互いの共通語である英語で話していた。しかしこの辺りから彼女はフランス語、ジェームズは英語というやり取りになって行く。そしてラストに近づくとジェームズもフランス語で会話し始める。15年間連れ添った夫婦のフリする二人の会話がフランス語で交わされるのはとても自然だった。
しかし、ラストの、ラストまでこの二人はどこまで“PRETEND/フリして”いるのか分からない。ホテルのバスルームにこもったジェームズは教会の鐘の音を聞く。鐘は確か8回鳴った。彼女と車で出かける前、ジェームズは“9時には戻らなくてはならない。”と言っている。鐘を聞いたあの後二人はどうしたのだろう??9時の鐘の音を二人で聞いたかどうかは想像するしかない。

15年では長年連れ添った夫婦とは呼べない気がするが、離婚組が多い昨今なら15年は長い部類に入るのだろう。夫婦だからこそ理解出来る他愛ない会話で成り立つドラマ。私的にロマンティックなラヴ・ストーリーではなかったが、素晴らしく、素敵な映画で、もうトレヴィアン!だった。
2010年のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したジュリエット・ビノシュがとても魅力的。
ジュリエット・ビノシュは「存在の耐えられない軽さ/1988」で初めてお目にかかって以来、たくさん観て来た。お気に入りビノシュ映画は「トリコロール/青の愛/1993」とか、「サンピエールの生命/1999」とか、「シェフと素顔と、美味しい時間/2002」も良かったし、「夏時間の庭」のビノシュは相変わらずキュートだった。
ジェームズ役のウイリアム・シメルはなんとオペラシンガーだそう。
渋谷 ユーロスペースにて
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by margot2005 | 2011-02-23 00:29 | フランス | Trackback(14) | Comments(2)

「ザ・タウン」

「The Town」 2010 USA
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監督、共同脚本、出演(ダグ)に「ハリウッドランド/2006」「消されたヘッドライン/2009」「そんな彼なら捨てちゃえば?/2009」のベン・アフレック。
フローリーに「地球が静止する日/2008」のジョン・ハム。
クレアに「フロスト×ニクソン/2008」「それでも恋するバルセロナ/2008」のレベッカ・ホール。
ジェムに「ジェシー・ジェームズの暗殺/2007」「ハート・ロッカー/2008」のジェレミー・レナー。
クリスタに「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「50歳の恋愛白書/2009」のブレイク・ライヴリー。
ビッグマックに「カポーティ/2005」「あぁ、結婚生活/2007」「アメリカを売った男/2007」「ニューヨーク、アイラヴユー」のクリス・クーパー。
ファーギーに「ナイロビの蜂/2005」「あの日の指輪を待つきみへ/2007」 「タイタンの戦い/2010」のピート・ポスルスウェイト。
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ボストン、チャールズタウンで生まれ育ったダグは、刑務所にいる父親の後を継ぎ、強盗を“ファミリー・ビジネス”としている。
ある日、ダグと仲間たちはいつものように用意周到の後銀行を襲撃する。しかし逃走の際やむなく支店長のクレアを人質に取ってしまう。やがて解放したクレアはダグたちと同じ街の住人であることが分かる。自分たちの正体を知られたかも知れないと不安にかられたダグは探りを入れるためクレアに近づいて行く...

「そんな彼なら捨てちゃえば?」のレビューに“ベン・アフレックは年々素敵な俳優になって行く…”と書いた。今回も素敵な俳優と共に素晴らしい監督のアフレックに出会った。監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン/2007」はwowowで放映の際観たがあまり面白くなくて途中で挫折してしまった。今一度見てみるかな?
単なる銀行強盗の物語ではなく、銀行を襲撃した際出会った支店長のクレアが好きになってしまうというあり得ない展開が面白い。もちろん彼女は彼が襲撃犯人とは知らないが…。アクションと人間ドラマを上手く融合させ観るものを夢中にさせる。強盗を繰り返すダグとその仲間。執拗に彼らを追いかけるFBI捜査官フローリー。描き方がとてもリアル。

某新聞の映画評でも“アフレックの多彩凝縮”と大絶賛している。上にも書いたように引き込まれる展開は素晴らしいが、少々突っ込みを入れると...映画のオープニングにも登場する“全米屈指の強盗多発地区、ボストンのチャールズタウン。”という解説。ボストンてハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、そしてラドクリフカレッジと優秀な大学が存在する学園都市。そこが全米屈指の強盗多発地区といわれても想像すら出来ない。映画は一昔前の出来事なのかな?とも思った。
ダグがクレアに近づき、誘いに簡単にノってしまう展開は少々疑問だった。トラウマを抱えたばかりの女性が見ず知らずの男の誘いにあんな簡単にノってしまうとは考えられない...それもコインランドリーでなんて。そして人質にされた時目隠しをされていたクレアはダグの声を覚えていても不思議ではない。ラストのダグもあまりにも上手く行き過ぎで、あり得ない展開だったが、全体的なストーリーはとても見応えがあったと思う。あのお面とシスターの衣装はよく考えたものだ。

出番は少ないながら塀の中のビッグマック役のクリス・クーパーと、花屋の黒幕ファーギー役のピート・ポスルスウェイトは言わずもがなの存在感。
ジェレミー・レナーは「ハート・ロッカー」も素晴らしかったが、強盗役にもいたくハマっている。

共に労働者のダグとジェム。どちらもなくてはならない存在の親友ながら、二人は別の人生(一人は死んでしまうが…)を歩き始める。観た後、「グッドウィル・ハンティング/旅立ち/1997」で、マット演じる天才青年ウィルとベン演じる無学な労働者チャッキーのコンビを思い出した。どちらも舞台はボストンである。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて
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by margot2005 | 2011-02-22 20:27 | USA | Trackback(13) | Comments(0)

「愛する人」

「Mother and Child」2009 USA/スペイン
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エリザベスに「夫以外の選択肢/2004」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」のナオミ・ワッツ。
カレンに「アメリカン・ビューティ/1999」「華麗なる恋の舞台で/2004」のアネット・ベニング。
ルーシーに「Mr.&Mrs.スミス/2005」「セントアンナの奇跡/2008」のケリー・ワシントン。
ポールに「ザ・クリーナー 消された殺人/2007」「1408号室/2007」のサミュエル・L・ジャクソン。
パコに「ジェイン・オースティンの読書会/2007」ジミー・スミッツ。
トムに「ハート・ロッカー/20-08」「パッセンジャーズ」のデヴィッド・モース。
シスター・ジョアンナに「アメリア 永遠の翼/2009」のチェリー・ジョーンズ。
ソフィアにエルピディア・カリーロ。
ドクター・ストーンに「ジェイン・オースティンの読書会/2007」のエイミー・ブレネマン。
監督、脚本は「彼女を見ればわかること/1999」「美しい人/2005」「パッセンジャーズ/2008」のロドリゴ・ガルシア。
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14歳で妊娠したカレンは母親により我が子を養子に出されてしまう。毎回娘の誕生日が来る度想いを馳せ、今年で37歳になったことを知る。一方で敏腕弁護士のエリザベスは他人に心を許すことが出来ず会社のボスであるポールとセックスしても深入りするつもりはない。そしてある日、カレンの母親が亡くなり、エリザベスは妊娠していることを知る…

映画の予告は繰り返し観るけれど、この映画の予告はホントに何度も、何度も観た。多分昨年の10月か?11月くらいから予告していたように記憶する。公開日は1月15日で2、3ヶ月予告していたことになるのか?

ナオミ・ワッツはとても可憐な顔立ちの女優だと思う。しかし演じるのは官能的で大胆な役柄が多い。そのアンバランスがより一層sexyさを醸し出しているように思える。それは「ブローン・アパート/2008」のミッシェル・ウイリアムスとも重なる。
シアターはナオミ・ワッツ、ファンのojisamaが多かった気がする。

こちらのナオミ・ワッツの役所は気の毒なくらい不運な女性。ラストもそうだし…まぁロドリゴ・ガルシアが描く世界なのでハッピー・エンディングは期待してなかったけど。
生まれるなり養子に出され、その後引き取られた先からも逃げ出す。ずっと一人で生きて来たエリザベスはとてつもなく強い意志を持った女性に違いない。人を愛することも、愛されることも知らず、人すらも避けて生きて来たエリザベス。男との関係はセックスのみ。
人の良さそうな隣人夫婦。妻が妊娠中にも関わらず夫を誘惑するエリザベス。一方で目の不自由な少女との出会いは大切にする。それは人との結びつきを避ける彼女ならではのふるまいだ。少々歪んだ精神の彼女の行動(心)は誰にも愛されずに育った人間だからかも知れない。

エリザベスの生みの母カレンも人を避けて人生を送って来た。同僚の男性に誘われ出かけたのに憮然とした態度を取る、本当に可愛くない女なのだ。アネット・ベニングはぴったりの適役。しかしそれも悲惨な過去を引きずっているからだろう。14歳で母親となったが無理矢理引き離されてしまった我が子。家で老いた母親の介護をしながら自らも介護士として働く日々。しかし母親が亡くなるその日までカレンとの間の確執は続いた。
結局、母親は娘から生まれたばかりの子供を取り上げて後悔しているという気持ちを明かさないまま死んでしまう。母と仲が良かった家政婦のソフィアから彼女の気持ちを聞かされ、カレンが“母はなぜわたしに言ってくれなかったの?”と嘆くシーンは気の毒過ぎ。
14歳で妊娠してしまった娘。他に方法はなかったのだろうか?わたしだったら孫にあたるその子を自分の子供として育てたと思う。絶対に!この母親は世間体を重んじ、少々冷たい気がするな。

原題の“Mother and Child”は素晴らしいタイトル!エリザベスとカレン、カレンとその母親。そしてルーシーと養子、ルーシーとその母親。もう一カップル、ソフィア母子もいた。これらの“Mother and Child”が織りなす人間ドラマは見応えがあった。でもラスト、泣けるってほどではなかったが、流れるエンディングはなんとも印象的で耳に残る。
TOHOシネマズ・日比谷・シャンテにて
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by margot2005 | 2011-02-17 23:32 | MINI THEATER | Trackback(7) | Comments(0)

「ソーシャル・ネットワーク」

「The Social Network」2010 USA
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マーク・ザッカーバーグに「イカとクジラ/2005」「ハンティング・パーティ/2007」のジェシー・アイゼンバーグ。
エドゥアルド・サベリンに「BOY A/2007」「大いなる陰謀/2007」「ブーリン家の姉妹/2008」「Dr.パルナサスの鏡/2009」のアンドリュー・ガーフィールド。
ショーン・パーカーにジャスティン・ティンバーレイク。
キャメロン&タイラー・ウインクルボスにアーミー・ハマー。
エリカにルーニー・マーラ。
監督は「ファイト・クラブ/1999」「ゾディアック/2006」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」のデヴィッド・フィンチャー。
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2003年秋。マーク・ザッカーバーグはハーバード大学に在学中の天才プログラマー。彼はある日親友のエドゥアルドと共に学内交流のサイトを立ち上げる。それは瞬く間に学生たちの間に広まり登録者が増加して行くのだった...

個人情報は語りたくないので“Facebook”も“Twitter”もやったことない。でもあらゆるWebsiteを開く度に目にする“Facebook”。その創設者マーク・ザッカーバーグのクレバーさに唖然!そして演じるジェシー・アイゼンバーグが上手い!膨大な台詞(それも長い)喋りまくっているのにただただ関心する。

マークは親友エドゥアルドと、キャメロン&タイラー兄弟に訴えられ、弁護士と共に話し合いに挑む。時系列ではなく、過去と現在が入り交じって少々ややこしいが、ユダヤ系の冴えなくて、モテない青年のサクセス・ストーリーはとても引き込まれる展開で面白かった。

冒頭に登場するマークのデイト・シーン。とてもデイトとは思えない内容のマークのマシンガン・トーク。それはかなり脚色してあるのか?それともマークって人はデイトでもあんなつまらない会話しかしなかった人なのかとても興味深い。
マーク・ザッカーバーグは全く知らない人なので映画の中のその人とマーク・ザッカーバーグをダブらせるしかないが、気の毒なほど冴えなくてモテない男のイメージが伝わって来る。リッチな父親を持ち、とてつもなくハンサムでエリート学生の双子兄弟キャメロン&タイラーの実像はあのようにイケメンなのかな?マークとの対比が可笑しいくらいだ。

シンガー、ジャスティン・ティンバーレイクの映画は初めて観た。キャメロン・ディアスの元恋人として有名な彼、1981年生まれながらojisanでびっくり。そして「BOY A」が印象的だったアンドリュー・ガーフィールドは良かったな。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて

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by margot2005 | 2011-02-15 23:12 | USA | Trackback(22) | Comments(0)

「ブローン・アパート」

「Incendiary」 2008 UK
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若い母親に「アイム・ノット・ゼア/2007」「彼が二度愛したS/2008」「シャッター・アイランド/2009」のミシェル・ウイリアムス。
ジャスパー・ブラックに「アメリア 永遠の翼/2009」のユアン・マクレガー。
テレンス・ブッチャーに「プライドと偏見/2005」「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式/2007」「フロスト×ニクソン/2008」「ロビン・フッド/2010」のマシュー・マクファディン。
レニーにニコラス・グリーブス。
男の子にシドニー・ジョンストン。
監督、脚本は「ブリジット・ジョーンズの日記/2001」のシャロン・マグアイア。
原作はクリス・クリーブの”Incendiary/息子を奪ったあなたへ”。
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若い母親はロンドン、イーストエンドに、警察で爆弾処理の仕事をする夫レニーと、4歳の息子と共に暮らしている。夫は過酷な仕事による緊張が続き妻との時間を過ごす余裕もない日々。そんな彼女の人生は息子と二人きりの世界だった。ある夜、ふと出かけたパブで新聞記者ジャスパーと出会い、寂しさから彼との情事に身を委ねる。そしてある日、アーセナルの応援にスタジアムに向かった夫と息子を見送った帰り、偶然にジャスパーと出くわす。誘われるがままに、またしても彼とのメイク・ラヴを楽しむため家に招き入れる。しかしTV中継中のスタジアムで自爆テロが起こり夫と息子がその犠牲者となる。突然の出来事に茫然自失してしまう母親。やがてジャスパーは事件の解明に乗り出すのだった...

英国のサッカー・スタジアムがテロリズムに襲撃され、市民の多数が犠牲者となる。若い母親はある日突然最愛の息子と夫レニーを亡くしてしまう。そしてその事故は彼女が他の男とメイク・ラヴの最中に起きたという事実。
最愛の、それもたった4歳の息子を亡くした母親。彼女は罪悪感と喪失感で精神がおかしくなって行く。母親にとって子供は自分の分身のような存在だから、それにまだ4歳の息子を亡くした母親が狂ってしまってもなんら不思議ではない。
原作は欧米で評判を呼んだ小説ということ。時間があれば是非読んでみたい。小説ならあの若い母親の心をもっともっと覗けるかも知れない。

「ブロークバック・マウンテン/2005」や「シャッター・アイランド」でも悲しみを秘めた母親役を演じていたミシェル・ウイリアムス。こちらの作品では、“息子はわたしの人生のすべて”とまで表現した幼い彼を亡くすという究極の悲しみに打ちひしがれる母親を体当たりで演じていて素晴らしい。ミッシェルのどこか哀れで地味な風貌が悲しみを背負った母親の辛さと相まってなお素晴らしく見える。

原作邦題の“息子を奪ったあなたへ”のあなたは国際的テロリスト、オサマ・ビンラディンのこと。母親がオサマ・ビンラディンに手紙を書く。映画を観る前、原作邦題のことを知らなかったので、オサマに手紙を書く展開がスゴい!と思いながら観ていた。これは世界平和へのメッセージだろうか?ラストの出産シーンも合わせて...。

ユアンとミッシェルの共演作「彼が二度愛したS」よりも前の作品。
お気に入り俳優ユアンが出演していて、ロンドンが舞台で、その上、家から一番近いシアターである池袋のシネ・リーブルで上映していたため初日に観に行った。その際は夕方と夜の二回上映で、シアター結構入っていてユアン&ミッシェル、ファン?なんて思った。現在は残念ながら夜一回のみの上映。
CGを使ったシーンも数シーン登場するが、全体的には地味な人間ドラマ。今まで公開されなかったのもうなずける。
夫レニーや新聞記者のジャスパー・ブラック、レニーの同僚テレンス・ブッチャーには名前がつけられているが、母親と息子はネーミングされていない。それがこの物語で描かれる“母親と息子”の深い結びつきを強調しているようにも思える。
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by margot2005 | 2011-02-13 20:02 | UK | Trackback(5) | Comments(0)

「ヤコブへの手紙」

「Postia pappi Jaakobille」…aka「Letters to Father Jacob」 2009 フィンランド
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レイラにカリーナ・ハザード。
ヤコブ牧師にヘイッキ・ノウシアイネン。
郵便配達人にユッカ・ケノイネン。
監督はクラウス・ハロ。
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1970年代、フィンランドの片田舎。殺人事件を起こした後、12年間刑務所に収監されていたレイラは模範囚として恩赦を受け出所を許される。そしてある日、住み込みで働く牧師館にやって来る。深い森の中に建つ古い牧師館に暮すヤコブは盲目の牧師だった。ヤコブ牧師はレイラを温かく向かい入れるが、一人暮らしを望んでいた彼女はヤコブ牧師に対しひたすら冷たい態度を取るのだった。彼女に与えられたのは手紙を読んで、返事を書くという仕事だったが、それも面倒くさい。やがてレイラは毎日郵便を届けに来る配達人をもうっとうしく感じ追い払ってしまう...

フィンランド映画をシアターで観たのはおそらく初めてだと思う。アキ・カウリスマキの「街のあかり/2006」はDVDだった。「街のあかり」は鬼才と呼ばれるアキ・カウリスマキの独特の世界で暗いイメージ。こちらの作品はテーマが、テーマだけに、なお暗い地味な、地味な作品ながら秀作であった。

レイラ役のカリーナ・ハザードは多彩な才能を持つ才女らしいが、殺人罪で終身刑の身となり、荒削で無愛想で、感情のかけらも持ち合わせていなそうに見える孤独な女を演じていて上手い。そしてもう一人、孤独だが、温かく慈悲深いヤコブ牧師を演じるヘイッキ・ノウシアイネンも役になりきっている。

上映時間はきわめて短い(75分)。登場人物はレイラ、ヤコブ牧師、そして郵便配達人の3人。舞台は牧師の家と庭(一度だけ村の教会のシーンが入る)のみ。この限られた空間の中で展開される物語はまるで舞台劇を観ているようだった。

身よりもなく、人との接触を避け、世捨人のように生きるレイラに”隣人を自分のように愛しなさい”と諭すヤコブ牧師。長い間、誰にも愛されず、愛想を尽かされたと感じていた彼女が真実を知り、一筋の涙を流すラストは観ているものに限りない感動を与える。私的にはピンと来ない宗教映画ではあるが心動かされる。

舞台となったフィンランドの片田舎。古くて崩れ落ちそうな牧師館や荒れた庭、そして教会…それらが森の中にしっとりと溶け込み、バックに流れるショパンやベートーベンの旋律もよりいっそうストーリーに感動を与えている。
銀座テアトル・シネマにて
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by margot2005 | 2011-02-12 21:57 | スペイン | Trackback(12) | Comments(2)

「しあわせの雨傘」

「Potiche」2010 フランス
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スザンヌ・ピュジョルに「キングス&クイーン/2004」「ストーン・カウンシル/2005」「輝ける女たち/2006」「アニエスの浜辺/2008」「クリスマス・ストーリー/2008」「隠された日記 母たち、娘たち/2009」のカトリーヌ・ドヌーヴ。
モリス・ババンに「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のジェラール・ドパルデュー。
ロベール・ピュジョルに「親密すぎるうちあけ話/2004」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「PARIS (パリ)/2008」のファブリス・ルキーニ。
秘書ナデージュに「美しき運命の傷痕/2005」「PARIS (パリ)」のカリン・ヴィアール。
ジョエルに「仮面の男/1998」「スパニッシュ・アパートメント/2002」のジュディット・ゴドレーシュ。
ローランに「ある子供/2005」「夏時間の庭/2008」「ロルナの祈り/2008」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」のジェレミー・レニエ。
監督、脚本に「ぼくを葬る/2009」「エンジェル/2007」「Ricky リッキー/2009」のフランソワ・オゾン。
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1977年、フランスの地方都市。雨傘工場を経営するロベールの妻スザンヌは、優雅な日々を過ごしながらも、ただ着飾って貞淑な“お飾り妻”にどこか満たされないものを感じていた。ある日、雨傘会社の工場で労働者たちがストライキを始め、ロベールは心労から倒れてしまう。かつての恋人で、今では市長であるババンに相談に行ったスザンヌは、彼に説得され会社の経営を任されるハメになる...

フランソワ・オゾンが70年代を舞台に描いたユーモラスな人間ドラマは中々面白かったが、オゾンらしからぬあのエンディングには少々あきれた感じ。専業主婦だった女性が会社のCEOとなり、あげく、政界へ進出なんてめちゃくちゃ過ぎる。まぁ映画だから良しとしよう。コメディだし。
秘書と浮気している夫を寛大なる心で優しく見守っているスザンヌ。しかし彼女は、彼女でしっかりと浮気していて、息子ローランは誰の子供か?も分からないなんて、やるなぁ!スザンヌ!と感嘆してしまった。
スザンヌがヒッチするトラックのドライバーを「Ricky リッキー」のセルジ・ロペスが演じている。あの二人の意味深な見つめ合うさまは極めてホット。
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェラール・ドパルデュー、そしてファブリス・ルキーニ、カリン・ヴィアール、と豪華な出演者たち。中でも「モリエール 恋こそ喜劇」でも素晴らしかったが、ルキーニの存在はひときわ光る。
映画のスザンヌと本人とは真逆のイメージのカトリーヌ・ドヌーヴ。こんな可愛い女性役のドヌーヴを観たのは初めて。
ローランを演じたジェレミー・レニエは「夏時間の庭」あたりから俄然素敵な俳優になって来た。この作品でもさわやかな青年を好演している。ラスト、ローランってカミングアウト?

主演のカトリーヌ・ドヌーヴとジェラール・ドパルデューは数本の作品で共演している。中で一番印象に残るのは「終電車/1980」。30年前の二人はもちろん年上(5歳)のドヌーヴの方が貫禄ありだったが、21世紀の今では年下のドパルデューが巨大な身体で貫禄勝ちしている。ドパルデューは観るたびに巨大化しているが、あんなに太って身体大丈夫なの?と思わずにはいられない。
朝、スザンヌが住む瀟洒な家から散歩に向かう先は美しい森…舞台はフランスのとある地方都市となっていて、どこなのか?と気になっていたら、ロケはベルギーでされたそうだ。
TOHOシネマズ日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2011-02-11 21:34 | フランス | Trackback(12) | Comments(0)

「シチリア!シチリア!」

「Baarìa」 2009 イタリア/フランス
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監督、脚本に「ニュー・シネマ・パラダイス/1991」「マレーナ/2000」「題名のない子守唄/2006」のジュゼッペ・トルナトーレ。
ペッピーノにフランチェスコ・シャンナ。
マンニーナにマーガレット・マデ。
マンニーナの母サリナに「靴に恋して/2002」「題名のない子守唄」「抱擁のかけら/2009」のアンヘラ・モリーナ。
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イタリア、シチリアの田舎町バーリア。貧しい羊飼いの次男坊ペッピーノは幼い頃から大人たちと共に一生懸命働き逞しい青年に成長する。第二次世界大戦が終結、共和国となった頃、彼は美しいマンニーナと出会い恋に落ちる。しかし貧しい男との結婚に彼女の家族は大反対。そこで二人は駆け落ちし、屋根から雨水が漏るようなあばら屋に住み愛を育んで行く...

この映画は2009年の東京国際映画祭で上映された。その時とっても観たかったが日にちが合わず、チケットも取れずで断念。ようやく公開され、期待して観に行ったけれど、シチリアのバーリアがどこかも知らない日本人のわたし…おまけに背景は戦争と政治の世界…
“ジュゼッペ・トルナトーレ監督が故郷シチリアの小さな町を舞台に、激動の時代を生き抜いた一人の 男の波瀾万丈の一代記を綴る…”とあるが、残念なことに心を揺さぶられることはなかった。それに少々長過ぎ(151分)。
「ニュー・シネマ・パラダイス」には激しく心揺さぶられたが、こちらは感情移入出来るテーマではなくとても残念。
しかしエンニオ・モリコーネの音楽とロケ(シチリア&チュニジア)された雄大な景色は素晴らしく、子供時代のペッピーノが学校の教室に立たされるシーンから、彼の未来に入って行く展開は絶妙だった。
サリナ役のスペイン人女優アンヘラ・モリーナの存在感が光る。
スクリーン・デビューとなったマーガレット・マデがトップ・モデルというのはこの上なくうなずける。
フランチェスコ・シャンナは1982年生まれなので、撮影時は20代だったろうが、この方貫禄あって老け役ばっちり。ちょっとリチャード・ギアに似てるかな?
「バール・マルゲリータに集う仲間たち/2009」のルイジ・ロ・カーショが数シーンに、「ダニエラという女/2005」「マルセイユの決着/2008」のモニカ・ベルッチがワンシーンに出演している。
銀座で観たのでモニカ狙いのojisamaが多かったが、モニカのシーンは数秒ってとこかな?
シネスイッチ銀座にて(2/4で終了)
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by margot2005 | 2011-02-05 00:12 | イタリア | Trackback(8) | Comments(0)

「人生万歳!」

「Whatever Works」2009 USA/フランス
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ボリスにラリー・デヴィッド。
メロディに「アクロス・ザ・ユニバース/2007」「レスラー/2008」のエヴァン・レイチェル・ウッド。
マリエッタに「あぁ、結婚生活/2007」「ラースと、その彼女/2007」「幸せのレシピ/2007」「エレジー/2008」「それでも恋するバルセロナ/2008」のパトリシア・クラークソン。
ランディに「モンテ・クリスト伯/2002」「トリスタンとイゾルデ/2006」のヘンリー・カヴィル。
ジョンに「スモーキング・ハイ/2008」のエド・ベグリー・Jr.。
監督、脚本に「ウディ・アレンの夢と犯罪/2007」のウディ・アレン。
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かつてはノーベル賞候補にまでなった経歴を持つ物理学者ボリスも今では落ちぶれ果て、安アパートに寂しい一人暮らし。ある日、彼のアパートに田舎から家出して来たメロディが転がり込んで来る...

ウディ・アレンが「メリンダとメリンダ/2004」以来ニューヨークを舞台に描いたロマンティック・コメディ…とある。アレンの映画はロマンティックといえるだろうか?かな~り疑問。
変なオヤジと若くてチャーミングな女の子が恋愛に発展するというより、いきなり結婚に発展してしまう物語。
新婚カップルのアパートにいきなりメロディの母親マリエッタがやって来る。“夫が浮気した。わたしは捨てられた”...といいながら...。しかしその後、敬虔なクリスチャンであり、夫一筋の地味な主婦マリエッタが、浮気して裏切った夫を捨て恋人(相手は二人)とのめくるめく愛欲の日々を送りながら、プロのカメラマンとして自立する。
続いてメロディの元へやって来た父親のジョン。妻にヨリを戻して欲しいと懇願するが、既に妻は他の男たちとカメラに夢中。ほどなくして彼も、あろうことか?カミングアウトしてしまう。
一方でボリスと結婚はしたもののLOVEがない彼に欲求不満気味のメロディ。そこへ売れない俳優で、若くてハンサムな青年ランディが現れる。二人の間で揺れ動くメロディの心…なんて、めちゃくちゃな展開で多いに笑わせてくれる。

皮肉と、ブラック・ユーモアな台詞で構成されているアレン映画は大好き。過去にたくさんのアレン映画を観て来たが、どれも以外にオシャレなのだ。
この作品は70年代に脚本が書かれたもののオクラ入りになっていたそう。70年後半の「アニー・ホール/1977」「インテリア/1978」「マンハッタン/1979」のヒロイン、ダイアン・キートンのファッションが、田舎から出て来たマリエッタのファッションとかぶり懐かしい。

主人公を演じるラリー・デヴィッド。どこかで見た顔?かとは思うのだが、コメディアンの彼の映画は初めて観た。エド・ベグリー・Jr.もよく見る顔ながら、彼、シアターでは初めて。
「アクロス・ザ・ユニバース」で美声を披露したエヴァン・レイチェル・ウッドがスゴくチャーミング。
恵比寿ガーデン・シネマにて(1/29にて閉館)
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by margot2005 | 2011-02-03 22:49 | MINI THEATER | Trackback(10) | Comments(2)