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「17歳の肖像」

「An Education」 2009 UK
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ジェニーに「プライドと偏見/2005」のキャリー・マリガン。
ディヴィッドに「ニュースの天才/2003」「フライト・プラン/2005」「エレジー/2008」のピーター・サースガード。
ダニーに「ある公爵夫人の生涯/2008」「大暴落 サブプライムに潜む罠/2009」のドミニク・クーパー。
ヘレンに「プライドと偏見」「大暴落 サブプライムに潜む罠」のロザムンド・パイク。
ジェニーの父ジャックに「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「シルク/2007」のアルフレッド・モリーナ。
母マージョリーに「アダプテーション/2002」「ホテル・ルワンダ/2004」のカーラ・セイモア。
校長に「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「主人公は僕だった/2006」」新しい人生のはじめかた/2008」「パイレーツ・ロック/2009」のエマ・トンプソン。
ミス・スタッブスに「フラッシュバック/2008」のオリヴィア・ウイリアムズ。
監督に「幸せになるためのイタリア語講座/2000」のロネ・シェルフィグ。
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1961年、ロンドン郊外。16歳のジェニーはオックスフォードを目指す優等生。苦手なラテン語やチェロの練習にはうんざりだが、それも進学のためならとがんばる毎日。唯一の楽しみは大好きなシャンソンを聞きながら憧れのパリに想いを馳せること。そんなジェニーはある雨の日、ディヴィッドと名乗る紳士と出会い、恋に落ちる…

“あの頃に戻っても、私は私を止めたりしない。”…英国の女性ジャーナリスト、リン・バーバーの回顧録を基に描いた青春ドラマ。
ヒロインのキャリー・マリガンはオスカー主演女優賞にノミネートされた。20代のキャリー、17歳役は彼女のあどけない風貌により意外や違和感ない。
雨の日、ディヴィッドは車の中からがジェニーに声をかける。最高の笑みをたたえ、そしてもちろん紳士的に、彼はこう言う“怪しいものではないから安心して…”と、案の定ジェニーはディヴィッドの笑顔にコロッとだまされてしまう。少々ネタばれしてしまったけど、観ている途中でほぼ成り行きは分って来る。
同級生の男の子に物足りなさを感じるジェニーの前に突然現れた経験豊かな大人の男。16,7歳の女の子が夢中になるのも無理はない。
ジェニーは担任教師ミス・スタッブス救われたわけだが、とことん傷ついたにも関わらずまた勉強を始めるなんてとても良い子で感心する。
若い娘を食い物にしたディヴィッド役のピーター・サースガードは適役。ピーター・サースガードと言えば「ニュースの天才」ではクールな編集長役でお気に入り俳優に入れそうだったが、なぜか?その後の役柄はどうも冴えない役ばかり。クールな彼が今一度見てみたい。
日比谷 TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2010-05-27 22:23 | UK | Trackback(14) | Comments(2)

イタリア映画祭2010...「バール・マルゲリータに集う仲間たち」

「Gli amici del bar Margherita」…aka「The Friends at the Margherita Cafe」2009 イタリア
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アルにディエゴ・アバダントゥーノ。
マヌエーロに「輝ける青春/2003」「映画のようには愛せない/2004」「心の中の獣/2005」「セントアンナの奇跡/2008」のルイジ・ロ・カーショ。
ジャンに「元カノ/カレ/2009」のファビオ・デ・ルイージ。
ベップにネリ・マルコレ。
タッデオにピエルパオロ・ジッジ。
ニンニに「マリア・カラス 最後の恋/2005」のルイーザ・ラニエリ。
監督、脚本に「ジョヴァンナのパパ/ボローニャの夕暮れ/2008」のブービ・アヴァーディ。

1954年、ボローニャ。バー・マルゲリータに集う常連客の記念写真が今年も飾られた。近くに住む若者タッデオはメンバー最強のアルに近づき、彼の運転手となることに成功する...

アルを中心に、女たらしのマヌエーロ、恋人募集中のベップ、歌手を夢見るジャンetc.バール・マルゲリータに集う仲間たちの騒動を描く群像ドラマ。
いかさまやいたずらをヘッチャラでやってのける大人たち。
盗難車を売りさばく女たらしのマヌエーロは詐欺師ながら可愛くて憎めない男。それを演じるルイジ・ロ・カーショは今までに観たことのないキャラクターながら非常にハマっている。
歌手を夢見るジャンにサンレモ音楽祭からの偽の招待状を送ったり、純情なベップを食い物にしようとするデブの恋人をいじめたり…男たちは大きなお世話やいたずらを繰り返す。男たちによる、男たちのための映画といったところ。
タッデオの祖父とピアノ教師ニンニのおぞましくも面白い関係もイケてた。
大笑いするほどではなかったが、所々にちりばめられたユーモアが笑いを誘う。
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by margot2005 | 2010-05-25 00:01 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「もうひとつの世界」

「Fuori dal mondo」…aka「Not of This World」1998 イタリア
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カテリーナに「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006」 「対角に土星/2007」のマルゲリータ・ブイ。
エルネストに「カイマーノ」「ジョヴァンナのパパ/ボローニャの夕暮れ/2008」「元カノ/カレ/2009」のシルヴィオ・オルランド。
テレーザにカロリーナ・フレスキ。
監督、脚本に「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」のジュゼッペ・ピッチョーニ。

終生誓願を11ヶ月後に控えた修道女カテリーナは、ある日公園で新生児を拾う。小さなクリーニング店を経営するエルネストは口やかましい経営者ゆえ従業員から疎まれ、経営にも、自身の健康にも不安を抱かえている。そして家庭不和から家出した少女テレーザは警察官の恋人の元に身を寄せ新しい生活を始めようとしていた…

舞台はミラノ。なんの接点もないカテリーナ、エルネスト、テレーザの3人が、公園に捨てられた新生児によって交差して行く。
カテリーナが預かり、病院へ送った新生児が包まれていたセーターにはエルネストの店のタグがついていた。カテリーナはエルネストに接触し、二人はセーターから手掛かりを見つけ出す。
エルネストはひょっとして自分の子供かも知れないと思い始め、カテリーナは赤ん坊に会いに行くたびに母性愛が芽生え、このまま子供も持たないで生涯を送って良いものか自問する。カテリーナは赤ん坊を引き取り育てたい欲望に負けそうになるが、誓いを破ることはなかった。
家族のいないエルネストは次第に自分の子供であったらと願い、カテリーナと出会ったことにより彼の頑なな心も解けて行く。怒りっぽかったエルネストが終盤近くでは顔つきまで優しくなっていて、演じるシルヴィオ・オルランドは上手い。もちろんマルゲリータ・ブイも。
「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」はお気に入り映画。同じ監督だったとは...。

朝日ホールにて
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by margot2005 | 2010-05-24 23:19 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「それもこれもユダのせい」

「Tutta colpa di Giuda」2009 イタリア
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イレーナにカーシャ・ズムトニアク(カシア・スムートニアック)。
リベロに「トリノ、24時からの恋人たち/2004」「ただ、ひとりの父親/2009」のファビオ・トロイアーノ。
ドン・イリディオにジャンルカ・ゴッビ。
「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」のルチャーナ・リッティツェットが修道女ボナリアに扮している。
監督、脚本、製作に「トリノ、24時からの恋人たち」のダヴィデ・フェラーリオ。

イレーナは司祭ドン・イリディオの依頼で、刑務所の中で、20人の受刑者たちによるダンスと音楽を取り入れた前衛劇の演出を手がけることになる。始め刑務所長のリベロとは対立していたが、次第に惹かれ合って行く。しかし司祭が提案した“キリストの受難劇”での“ユダ役”を誰もやりたがらない。そこで彼らが自由に踊り、歌う姿を見たイレーナは司祭の反対を押し切り新しいタイプのキリストの物語を作ろうと思いつく…

舞台は刑務所。実際にトリノの刑務所の“塀の中の人々”が演技している。
エンディングで特赦のため出所するシーンを撮った後、刑務所に戻る彼らの姿が可笑しかった。特赦はあくまでも映画の世界だから...
フランス映画祭でも刑務所が舞台の映画を観たが、ヨーロッパの刑務所ってとても開放的で驚く。

イレーナの演出ではなく、受刑者たちが自ら音楽を奏で、ダンスをしている。それが素晴らしくて前衛演出家も驚きを隠せない。
司祭には反発した形で新しいキリスト劇を上演する予定だったが、対立していたリベロと恋に落ちてしまうイレーナ。しかし彼らの恋を許さない受刑者たち…“舞台を選ぶか?恋を選ぶか?”で窮地に立たされるイレーナ。やがて、いきなり特赦となった受刑者たちと共にドレスアップして“最後の晩餐”に挑む…あの“最後の晩餐”のシーンはとても良かった。
刑務所でミュージカルという発想は中々興味深い。
ポーランド出身のカーシャ・ズムトニアクはつい最近観た「パリより愛をこめて/2010」でヒロインを演じていた。
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by margot2005 | 2010-05-24 22:59 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「元カノ/カレ」

「Ex」 2009 イタリア/フランス
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監督、原案、脚本にファウスト・ブリッツィ。

裁判所に勤めるルカと妻ロレダーナ。中年夫婦の彼らはホームパーティで突然大喧嘩を始める。
フィリポとカテリーナは離婚調停中で、互いに子供を引き取りたくなくて争っている。
コッラードと結婚間近のエリザは挙式予定の教会の神父ロレンツォと再会し心乱れる。彼はエリザの元カレ。
同居中の若いカップル、マルクとジュリアはパリの旅行者で働いているが、突然ジュリアがニュージーランドへ転勤になる。
医者のパオロはコスプレ好きで、過激なモニークの恋人だが、彼女の元カレで、警官のダヴィデにストーカーされ別れるよう脅迫されている。
そしてある日、大学教授のプレイボーイ、セルジョの別れた妻が事故で亡くなる。二人の娘を引き取ったセルジョはかつて家族が暮らした家に戻り、夫婦が愛し合っていた頃に想いを馳せる…

ちょっと「ラヴ・アクチュアリー/2003」を彷彿とさせるイタリア版ラヴ・ストーリー。
ルカはフィリポとカテリーナの調停員であり、撃たれて病院に運ばれた警官ダヴィデの手術を担当したのは彼に脅かされているパオロ。元カレの神父に結婚式を執り行ってもらう予定のエリザetc.どこかでつながっている夫婦や親子や恋人たち。大笑い出来る素晴らしい!展開に、これぞイタリアのコメディ!と絶賛したい!

「カイマーノ/2006」「ジョヴァンナのパパ/2008」のシルヴィオ・オルランドが自虐ネタで笑わせてくれる。
「クララ・シューマンの愛/クララ・シューマン愛の協奏曲/2008」でブラームス役だったマリク・ジディが遠距離恋愛であたふたする青年を好演。
「我が至上の愛 ~アストレとセラドン~/2007」で妖精役だったセシル・カッセルの豹変ぶりには驚き!

ヨーロッパからは、南半球のニュージーランドまで飛行機で丸1日かかるらしい。マルクとジュリアのカップルがトランジットですれ違う香港の空港のシーンは中々素敵だった。
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by margot2005 | 2010-05-19 23:56 | 映画祭 | Trackback | Comments(2)

イタリア映画祭2010...「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/勝利を」

「Vincere」2009 イタリア/フランス
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イーダ・ダルセルに「向かいの窓/2003」「心の中の獣/2005」「コレラの時代の愛/2007」のジョヴァンナ・メッゾジョルノ。
ベニート・ムッソリーニに「重なりあう時/2009」のフィリッポ・ティーミ。
ラケーレ・グイディに「13才の夏に僕は生まれた/2005」のミケーラ・チェスコン。
監督、原案、脚本に「母の微笑/2002」「夜よこんにちは/2003」のマルコ・ベロッキオ。

1907年、トレント。イーダ・ダルセルは社会主義信奉者の青年ベニート・ムッソリーニと出会う。7年後ミラノで再会した二人は激しい恋に落ちる。彼を愛し、彼の思想に共鳴したイーダは、ファシスト党機関紙となる“ポポロ・ディタリア”創刊の資金に自身の持つ全ての財産を用意する。やがて、二人は結婚し息子が生まれベニートと名付けられる。しかしムッソリーニにはラケーレと言う愛人がおり、彼との間には子供までいた。イーダは正式な妻であり、彼の実子の母親であると主張するが、権力の階段を駆け上がるムッソリーニの足手まといとなる母子は警察の管理下におかれ、精神に異常を来たしたイーダは病院へ収容される。一方で、姉夫婦に預けられていた息子ベニートも寄宿学校に送られてしまう…

イタリア人でさえ知る人が少ないと言うイーダ・ダルセルの半生。ムッソリーニに隠し子がいて、その母親は彼のせいで壮絶な人生を送らざるを得なかった。母親は50代、息子は20代でそれぞれの人生を閉じている。
“英雄色を好む”じゃないけど、ムッソリーニは女好きだったに違いない。そんな彼をまるでストーカーのように追い回したイーダ。イーダを演じるジョヴァンナ・メッゾジョルノはスゴい形相で決して屈服しない狂気の女を熱演している。収容された精神病院の門を裸足で上るシーンは凄まじい。
フィリッポ・ティーミは「重なりあう時」とは別人で、成人したベニートも彼が演じている(ムッソリーニ親子はそっくりだったと言う)。
実写のムッソリーニと、ティーミ演じるムッソリーニの演説が交差する。もちろんイタリア人俳優フィリッポ・ティーミのほうがいい男だが、ムッソリーニとダブって見える彼の鬼気迫る演技にはメッゾジョルノにも負けず、劣らずスゴいの一言。
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by margot2005 | 2010-05-18 23:37 | 映画祭 | Trackback(10) | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「ただ、ひとりの父親」

「Solo un padre」...aka「Perfect Skin」2008 イタリア
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カルロに「私たちの家で/愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「対角に土星/2007」のルカ・アルジェンティーロ。
カミーユにディアーヌ・フレーリ。
ジョルジョにファビオ・トロイアーノ。
メリッサにクラウディア・パンドルフィ。
監督にルカ・ルチーニ。

10ヶ月の娘ソフィアの父親カルロは若くて優秀な皮膚科医でありシングル・ファーザーでもある。普段は両親がソフィアの面倒を見ているが、ある日、両親が留守の間娘の世話をしなくてはならなくなる。カルロは同僚である友人ジョルジョたちの助けを借り幼いソフィアの育児に奮闘する。一方で同僚の妹を紹介されデートが始まるがカルロは全く乗り気でない。そんな折、ジョギング中のカルロはフランスからやって来たカミーユと出会う。カルロは妻メリッサとは上手く行かなくて、別れる寸前に妊娠が発覚し子供が出来てしまった。しかし運命とはなんとも皮肉であり残酷なもので、子供を産み落としたメリッサは亡くなってしまったのだ。どうして良いか分らず、途方に暮れた彼は娘ソフィアを抱きしめ海に入って行こうかと考える。しかしソフィアの無邪気な笑顔を見て思いとどまるのだった。

生活がかかるシングル・マザーも辛いだろうけど、仕事を持つシングル・ファーザーはもっと大変か?と察する。カルロには助けてくれる両親がいるからOKだけど、助けてくれる身内がいない男ってどうするのだろう?なんて考えてしまった。
デートの相手は魅力的でゴージャスな女性ながらカルロは彼女に全く魅力を感じない。しかしジョギング中に出会ったフランス娘カミーユには惹かれて行く。それはソフィアが彼女に懐いているということもありで…。

妻を亡くし、娘をどうして育てようかと悩んだ優柔不断な男カルロと、天真爛漫で、若くても自立しているカミーユの組み合わせはミスマッチながら未来を感じさせる。
過去のイタリア映画祭で見た何作かの映画の中に登場していたルカ・アルジェンティーロ。ラティン男の魅力たっぷりな彼はマルチェロ・マストロヤンニ級のイケメンで母性本能をくすぐる。以前見た2作は脇役だったので、主演のこちらは彼の魅力を存分に味わえる。
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by margot2005 | 2010-05-17 20:23 | 映画祭 | Trackback(1) | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「重なりあう時」

「La doppia ora」…aka「The Double Hour」2009 イタリア
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ソニア(ソーニャ)に「題名のない子守唄/2006」のクセニア・ラバポルト。
グイドに「対角に土星/2007」のフィルッポ・ティーミ。
ソニアの友人マルゲリータにアントニア・トルッポ。
武装強盗団の首謀リッカルドにガエターノ・ブルーノ。
監督にジュゼッペ・カポトンディ。

スロベニアからやって来たソニア(ソーニャ)はトリノのホテルでハウスキーパーとして働いている。一方で元警官のグイドは郊外にあるリッチマンの別荘で警備員をしている。二人は“スピードデート”で知り合い互いに惹かれ合う。ある日、グイドは自身が働く別荘にソニアを連れて行く。静かな森に囲まれ至福の一時を過ごすグイドとソニア。しかし幸せもつかの間で、二人は敷地内に侵入した武装強盗団に襲われてしまう…

恋愛ドラマのようにストーリーは始まるが、ほどなくしてグイドとソニアは強盗団に襲われる。やがてグイドは銃弾に倒れ命を落とす。恋人グイドを失ったことから立ち直れないソニアは悪夢にうなされ、起こったことは全て現実なのか?妄想なのか?と精神的に追いつめられて行く。
観ている方も、あれって現実だったの?それともソニアの妄想?とワケが分からない状態であっと驚くエンディング。
ひねりを効かせた面白い展開のサスペンス・ドラマで見応えがあった。
始めからグイドを利用しようと彼に近づいたソニアのしたたかさ。ラスト、空港でソニアに声をかけなかったグイド。それは彼の愛情から来てるのだろうか?しかしながら、ソニアのしたたかで、残酷な心には唖然とした。やはり女は強い。
ソニアを演じたクセニア・ラバポルトは2009年ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞を受賞した。
「題名のない子守唄」でもそうだったが、影のある、暗い役が似合う彼女も、笑うととてもチャーミング。
原タイトルの“重なり合う時/The Double Hour”はぞろ目(ダブルの同じ数字)が並ぶ状態で、例えば時間で言えば“22:22”とか…グイドはそれを幸運と見なしていた。ソニアは彼が幸運と見なす時間を何度か時計で見ることになる。でもそれが二人にとって幸運なのか不運なのかは分らない。ソニアの行動が妄想なのか?現実なのかも分らないのだから…。
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by margot2005 | 2010-05-17 01:45 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「やがて来る者」

「L'uomo che verrà」…aka「The Man Who Will Come」2009 イタリア
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ベニャミーナに「私を撮って/2008」「ジョヴァンナのパパ/2008」のアルバ・ロルヴァケル。
レナに「輝ける青春/2003」「夜よこんにちは/2003」のマヤ・サンサ。
アルマンドにクラウディオ・カザディーオ。
マルティーナにグレタ・ズッケリ・モンタナーリ。
監督、原案、脚本、編集、製作にジョルジョ・ディリッティ。
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1934年冬、ボローニャに程近い山間の村モンテソーレ。8歳の少女マルティーナは生まれたばかりの弟が亡くなって以来言葉を失ってしまった。彼女の父親アルマンドは貧農で、母親レナは再び妊娠中、伯母ベニャミーナは厳格な母親に反抗的な態度を取っている。そんな中、この家族にも戦争の影が近づいていた...

イタリアでは“マルザボットの虐殺”として知られ、1944年ボローニャ近郊の山村でナチスの手により行われた大量殺戮。「セントアンナの奇跡/2008」でもナチスの大量殺戮が描かれていたのを思い出した。
この映画は8歳の少女マルティーナの目を通して描かれている。弟の死後話さなくなったマルティーナ。彼女の母親は再び妊娠し、出産する。しかし迫り来るナチスの手から逃れるため、生まれたばかりの赤ん坊を抱え右往左往するマルティーナの姿が哀れなことこの上ない。
スクリーンでは何度も、何度も観てきたように、ここでもまた痛烈なる戦争の悲劇が語られる。

マルティーナを演じたグレタ・ズッケリ・モンタナーリは10歳にも満たないのに既に男を惑わす風貌を匂わしている。さぞかし美人になるであろうのグレタ。10年後の彼女が見てみたい。

アルバ・ロルヴァケルの「ジョヴァンナのパパ/2008」は邦題が「ボローニャの夕暮れ」となり6月に渋谷で一般公開される。
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by margot2005 | 2010-05-16 00:48 | 映画祭 | Trackback(1) | Comments(0)

イタリア映画祭2010...「頭を上げて」

「Alza la testa」 ...aka「Keep Your Head Up」2009 イタリア
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メロにセルジョ・カステッリット。
ロレンツォにガブリエーレ・カンパネッリ。
ソニアにアニタ・クラヴォス。
デニーザにピア・ランチョッティ。
アナにラウラ・イリエ。
監督、原案、脚本に「潮風に吹かれて/2006」のアレッサンドロ・アンジェリーニ。
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造船所の技師メロにはアルバニア人との間に生まれた一人息子ロレンツォがいる。男手一つで育てた息子を、自身がなし得なかったボクシングのチャンピオンにするのが彼の夢。息子を捨てて出て行った妻デニーザを許せないメロは、ロレンツォを祖国に連れて行きたいと願う彼女に耳を貸さない。そんな折、有力ジムのトレーナーがロレンツォに目を付け、練習に励んだ末試合に出場する。リンクにはロレンツォを応援する少女がいた。彼女はルーマニア人で、二人は急速に恋に落ちる。しかし二人の恋を許すことが出来ないメロは口論の末息子を殴ってしまう。降りしきる雨の中バイク事故で病院に運ばれたロレンツォは脳死状態に陥っていた...

主演のセルジョ・カステッリットはペネロペ・クルスの「赤いアモーレ/2004」では監督、脚本、出演。そして、イザベル・アジャーニの「可愛いだけじゃダメかしら/1993」 ドイツ映画「マーサの幸せレシピ/2001」や「パリ、ジュテーム/2006」、「ナルニア物語/第2章:カスピアン王子の角笛/2008」etc.に出演する国際俳優。
エゴイスティックで偏見者の父親を演じた彼は2009年度のローマ国際映画祭最優秀男優賞を受賞している。

テーマは親子の葛藤と脳死で、とても残酷なストーリー。
息子の心臓の移植相手を捜す旅に出るメロ。やがて彼は相手を見つけ出す。しかし、亡くなった最愛の息子ロレンツォの心臓の新しい持ち主がゲイだったことに戸惑いを隠せない。
昨今のイタリアは、他のヨーロッパ諸国と同じく不法移民が多い。アルバニア人の妻との生活が破綻したことを息子に指摘され怒り狂うメロ。ロレンツォの初恋の少女アナはルーマニアからの移民。強引にもアナに会いに行ったメロは”イタリア語は話せるのか?”と軽蔑の言葉を放つ。
しかしラストでは、頑固者の彼もアジアからの不法移民女性を必死で助けることになる。その姿は美しく映りとても感動的。
息子を守ろうとした父親、それが仇となった哀しい物語。胸に迫る素晴らしい作品だった。
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by margot2005 | 2010-05-11 22:08 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)