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フランス映画祭2010...「テルマ、ルイーズとシャンタル」

「Thelma, Louise et Chantal」2010 フランス
ガブリエルに「太陽が知っている/1968」「美しき諍い女(いさかいめ)/1991」「アニエスの浜辺/2008」のジェーン·バーキン。
ネリーにキャロリーヌ·セリエ。
シャンタルにキャトリーヌ·ジャコブ。
フィリップに「メルシィ!人生/2000」「赤ちゃんの逆襲/2003」のティエリー・レルミット。
監督、脚本にブノワ·ベトレ。
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ガブリエルとネリーとシャンタルは友人同士。ある日、3人はフィリップの結婚式に出席するため車でラ・ロシェルに向かう。フィリップはネリーの元恋人で二人の間には娘もいる。やがてガブリエル、ネリー、シャンタルの3人はフィリップの結婚式に現れる...
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アムールの国フランスの女性は元気!50代になっても恋にチャレンジする彼女たちのパワーに圧倒される。50代を演じる3人のうちジャコブは実際に50代だが、バーキンとセリエのお二人は60代。特にセリエの若さにはもう驚きというより唖然。映画の中でも、スタイルを維持するため努力しているという台詞があるが、現実でもきっと涙が出るほどの努力をしているだろうのキャロリーヌ·セリエ。
タイトルはハリウッド映画「テルマ&ルイーズ/1991」から来ている。洒落っ気たっぷりに車の修理工場でブラッド·ピットの名前が出て来たりする。
息子と暮らす家庭に30代の男を同居させたり、ラ・ロシェルに向かう途中車がパンクし修理工場へ...そこで修理代を身体で払ったネリーは生涯アムールに挑むフランス女性の典型のよう。
かつてモテモテだったフィリップがラストで笑いものにされ、3人の女性たちが前向きに人生を考えるエンディングは痛快。ネリーは勿論過去の男より以上に若い男をゲットし、ただ今同居中。

フランス西部ラ·ロシェルの断崖に車を止めた3人は車ごと海の中へダイヴしようと思案するが“テルマ&ルイーズ”のように追って来る刑事もいなくてスゴスゴと引き上げる所はやはりコメディ。
フレンチ・ポップ満載のサウンドはトレヴィアン!シルヴィー・バルタンの大ヒット曲「アイドルを探せ」しか知らなかったけど...あれはカバー曲?
とにかくおばさんを元気にしてくれる素晴らしいコメディだった。
映画終了後、現れた壇上の生ジェーン・バーキンはチャーミングなおばさんで、ミネラル・ウオーターがぶ飲みしていたのが可笑しかった。
TOHOシネマズ六本木にて
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by margot2005 | 2010-03-30 21:49 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

フランス映画祭2010...「スフィンクス」

「Les gardiens de l'ordre」2010 フランス
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ジュリーに「ロシアン·ドールズ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2005」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のセシル·ドゥ·フランス。
シモンにフレッド·テスト。
マルクに「暗闇の女たち/2007」のジュリアン·ボワッスリエ。
監督、脚本にニコラ·ブークリエフ。

ある夜、とあるアパルトマンからの凄まじい騒音苦情により、パトロール警官のシモンとジュリーは同僚を伴い現場に駆け付ける。そして部屋のドアが開いた途端、いきなり理由もなく若い男が彼らの同僚を銃で殺してしまう。すかさずジュリーは男に発砲し、彼は重傷を負う。やがてジュリーが重傷を負わせた男はエリート議員の息子だった事が判明する。しかし権力により偽の告発を受けてしまった二人は、自分たちの無実を晴らすため事件の真相解明に乗り出す...
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“スフィンクス”とは最高級ドラッグの名称。
同僚が理由もなく殺されたというのに、逆に告発され頭に来たジュリー。彼女はシモンと共にエリート議員の息子を狂気に導いたドラッグ“スフィンクス”の捜査を開始する。シモンが街中でジャンキーを装い売人からドラッグを買う。そして二人はクラブで売買される“スフィンクス”にたどりつく。
秘密裏に、ジャンキーのカップルに化けたジュリーとシモン。彼らはドラッグが売買されているクラブに出入りし、この上なく危険な状態で売人の首謀者マルクに近づいて行く。ジャンキーを装う二人の一か八かの駆け引き、手に汗握る、息つまる展開にスクリーンから目が離せない。
いつも思うのはフランスの刑事ものってとてもスタイリッシュで、展開が大胆で観ているものを飽きさせない事。スゴく観ごたえのあるフリック·ストーリーだったがこちらも公開は未定。
刑事を演じるセシル·ドゥ·フランスとフレッド·テストがクールでカッコいい。
フレッド·テストはフランス人!って顔つきでかなり好み。

セシル·ドゥ·フランスは「ジャック・メスリーヌ〜」に引き続き映画の中ではブルネット。本当はブルネットなのかな?と想像していたら登場したご本人はブロンドだった。生セシルは笑顔がとてもチャーミングな素敵なフランス女性。
フランス映画祭は年々地味になって行く。今年はとうとう六本木の改札出て、ヒルズに向かう地下道にそれぞれの映画ポスターは貼られてなかった。集合ポスター1枚のみ。そしてヒルズに向かう長いエスカレーターを上がった先にある”蜘蛛”のオブジェ側の植え込みにフランスの国旗もなかった。不景気なので致し方ないが、そのうちフランス映画祭は東京(日本)からなくなってしまう??
TOHOシネマズ六本木ヒルズにて
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by margot2005 | 2010-03-26 20:14 | 映画祭 | Trackback | Comments(0)

フランス映画祭2010...「アンプロフェット/予言者」

「Un prophète」...aka「A Prophet」2009 フランス/イタリア
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マリックにタハール・ラヒム。
セザールに「ミーティング・ヴィーナス/1991」「真夜中のピアニスト/2005」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」のニエル・アレストリュプ。
監督、脚本に「真夜中のピアニスト」のジャック・オディアール。

アラヴ人青年マリックは6年の刑に処せられ刑務所に収監される。彼は19歳で読み書きも出来ず、アラヴ人とコルシカ人が対立する中、コルシカ人グループのボス、セザールの言いなりで彼の使い走りに甘んじていた。しかし与えられた“仕事”をこなし、その中での生き方を覚え、やがて仲間たちの信頼を勝ち取ることに成功する...
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カンヌ映画祭グランプリ受賞(2009)作品で、受賞には至らなかったがアカデミー外国語映画賞(2009)にもノミネートされた。
ドラッグ、殺人、そして娼婦連れ込み...これらが刑務所内で起る日常なのだからフランスの刑務所に驚きまくり。
アラヴ人とコルシカ人が対立する刑務所の中。味方のいない年若いアラヴ人のマリックはコルシカン・マフィア、セザールに取り入り、次第に権力を手にして行く。
始め、サディスティックなコルシカン・マフィア、セザールの奴隷状態だったマリック。しかし読み書きも出来なかった彼が刑務所で勉学し、生き残り(サバイバル)術も身に付け晴れて出所する姿は輝いていた。
マリックを演じるタハール・ラヒムはアルジェリア系フランス人。
収監されたマリックは無知な19歳の青年。しかし知識も権力も得た男となって出所する時、彼の顔付きは自信を得た男のそれに変わっていた。タハール・ラヒムの熱演は素晴らしい!
セザール役のニエル・アレストリュプは実際より老け役を演じている。コルシカン・マフィアの凄みを身をもって演じていて迫力ある。
時折、一時出所したマリックが行動する外の世界が描かれるが、上映時間2時間30分の大半は刑務所内でのシーン。刑務所の中で必死に生きて行こうとするマリックの姿に釘付けで、上映時間の長さはさほど感じなった。欧米で絶賛されたというこのサスペンス残念ながら日本では未公開。

今年も張り切って観に行く予定だったフランス映画祭。しかしながら忙しくて、六本木にチケットを買いに行く時間もなく、ようやく買いに行った時には既に「クリスマス・ストーリー」は売り切れ。未公開作品で夕方〜夜に上映のものを選んだ所、結局今年は3本しか観なかった。
「リグレット」や「旅立ち」がスゴく観たかった。一般公開は未定だが公開されるのを待ちたい。

TOHOシネマズ六本木ヒルズにて
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by margot2005 | 2010-03-23 23:58 | 映画祭 | Trackback(1) | Comments(2)

「しあわせの隠れ場所」

「The Blind Side」2009 USA
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リー・アンに「クラッシュ/2004」「イルマーレ/2006」「あなたは私の婿になる/2009」のサンドラ・ブロック。
ショーンにカントリー・シンガーのティム・マッグロウ。
マイケルに「僕らのミライへ逆回転/2008」のクィントン・アーロン。
ミズ、スーに「P.S.アイラヴユー/2007」「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」「バレンタインデー/2010」のキャシー・ベイツ。
娘コリンズにリリー・コリンズ。
息子S.J.に「ハンコック/2008」のジェイ・ヘッド。
監督、脚本に「真夜中のサバナ/1997」「オールド・ルーキー/2002」の脚本家 ジョン・リー・ハンコック。
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ある夜、裕福な白人女性リー・アンは家族と共に車での帰り道、冷たい雨に濡れ薄着で歩く黒人少年に声をかけ車に乗せる。マイケルと名乗る少年は父親の顔も知らず、母親と引き離され、寝る場所もないホームレス同様の生活を送っていた。始めは哀れみからマイケルを家に招き入れたが、正直で優しい彼に惹かれ、やがてリー・アンはマイケルの後見人になろうと考え始める...

サンドラ・ブロックが2009年度のアカデミー主演女優賞を得た記念すべき作品。“人を笑わすのが好き”という彼女のシリアス・ドラマ。私的にサンドラはお気に入り女優の一人。リー・アン役はアカデミー賞ってほどでもなかったかな?とも思ったがサンドラの熱演は光る。
舞台は黒人区と白人区とが隔絶した南部メンフィスの街。展開が余りに美談過ぎてホントに実話なのか?と驚くシンデレラ(ボーイ)・ストーリー。
サンドラ・ブロックがブロンドに髪を染めているのは、エンディングに登場する本人リー・アンの映像を観て成る程と思った。
麻薬と酒に溺れる母親に育てられ、父親の顔は知らないマイケル。過酷な運命の下に生まれ、育ったマイケルはなんと優しい人間に成長したことかと感動する。母親の家の周辺にはドラッグに溺れる若者たちがたむろしている。そんな“悪”には惑わされず清く、正しく生きたからこそ今の彼(プロのアメリカン・フットボール選手)があるのだろう。
リー・アンも又、人種差別的発言をする友人たちに囲まれながらも、マイケルの将来を見据え正しい道へのレールを引いてあげた素晴らしい女性。
映画を観る限り、完全にリー・アンが主導権を握っている。マイケルの後見人になろうと決心し夫ショーンに相談するが、それはもう彼女が決定を下した後。妻が先に決め、それに快く賛同するとても穏やかで優しい夫ショーン。演じるカントリー・シンガー、ティム・マッグロウ。彼が俳優やっていたなんて知らなかった。もの静かな夫役が似合う。
少々出来過ぎのドラマだが、ポスターにも“驚くべき実話がベース”とあり、ラストにご本人たちの映像が映し出されて...あぁ実話なんだと納得した。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて
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by margot2005 | 2010-03-17 23:51 | USA | Trackback(5) | Comments(2)

「モリエール 恋こそ喜劇」

「Molière」 2007 フランス
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モリエール/ジャン・バティストに「ルパン/2004」 「ロシアン・ドールズ/2005」「PARIS(パリ)/2008」 のロマン・デュリス。
ムッシュ・ジュルダンに「親密すぎるうちあけ話/2004」「PARIS(パリ)」のファブリス・ルキーニ。
マダム・ジュルダン/エルミールに「息子の部屋/2001」「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」のラウラ・モランテ。
セリメーヌに「情痴アヴァンチュール/2005」「パリ、ジュテーム/2006」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のリュディヴィーヌ・サニエ。
ドラント伯爵に「ダニエラという女/2005」のエドゥアール・ベール。
監督、脚本にローラン・ティラール。
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1644年、フランス。22歳のモリエールは意気込んで仲間たちと劇団を旗揚げするが、借金がかさみ、返す手だてもなく、やがて債権者に訴えられ投獄されてしまう。そんな折リッチな商人ムッシュ・ジュルダンがモリエールに手を差し伸べる。しかしながら条件があった。それは借金を肩代わりする変わりに美しい公爵夫人セリメーヌの気を引く自作の芝居作りを手伝うと言うものだった。ある日、モリエールは司祭と偽ってジュルダンの屋敷にやって来る...
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久方ぶりで観たフランス・コメディ。「PARIS(パリ)」のロマン・デュリスは素晴らしかったけれど、やはり彼はコメディが似合う。
この映画はモリエールの伝記ではなくあくまでもフィクション。モリエールと言う名前は勿論知っているが、彼が過去に書いたコメディを読んだ事もないし、観た事もない。なものでなんとも分らないが、観ていてロマンとモリエールが重なってしまった。それと、モリエールを知らなくとも映画は楽しめる。

リッチな商人ムッシュ・ジュルダンには聡明で美しい妻がいるにも関わらず、若い公爵夫人セリメーヌを射止めようと躍起になっている。17世紀、アムールの国フランス。国王にだって愛人がいる時代だから、リッチな商人が愛人を欲しがるのも無理はない。そしてそのリッチな男につけ込むドラント伯爵。貧乏貴族とリッチな商人の組み合わせ。彼は人の良い(良過ぎる)ムッシュ・ジュルダンから金を借りまくっているが返そうとは思っていない。言葉巧みに公爵夫人セリメーヌとの仲を取り持つと持ちかけ、ムッシュ・ジュルダンが用意した彼女へのプレゼントのダイヤモンド・リングを自分からの贈り物にしてしまうしたたかな貧乏貴族。あげくはムッシュ・ジュルダンの資産目当てに彼の娘を自分の息子の嫁に迎えようと企む。
一方、モリエールはマダム・ジュルダンに夢中になり恋いこがれる。二人はムッシュ・ジュルダンの目を盗んで日々愛しあう。その間にはムッシュ・ジュルダンの芝居作りを指導し、伯爵の息子と彼の娘の結婚話にも絡んで来たりして...とにかく話の展開が可笑しくて、楽しめること請け合い。
そして結末は...
これらの出来事をモリエールの劇団が演じてみせるエンディングは実に面白かった。
ファブリス・ルキーニとエドゥアール・ベールの掛け合いコメディは楽しめるし、ロマンも実に良かった。イタリア人女優ラウラ・モランテも“マダム”役を好演していたけど、公爵夫人役のリュディヴィーヌ・サニエはちょっと頂けなかった。彼女に古典は似合わないかも?

モリエールは太陽王ルイ14世の時代(1680年)に国立劇団コメディ・フランセーズの初代名誉座長となった偉大な劇作家。
ヴェルサイユ宮殿や、パリ郊外にあるChâteauDeCourances(クウランス城)で撮影された景色が美しい!!ChâteauDeCourancesは16世紀に造られ、綺麗に手入れされたお庭が有名だそうで一度行ってみたい!スポットとなった。
平日最終回のシアター、以外なことにガラガラだった。
渋谷 Bunkamuraル・シネマにて
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by margot2005 | 2010-03-15 23:29 | フランス | Trackback(7) | Comments(8)

「バッド・ルーテナント」

「The Bad Lieutenant: Port of Call - New Orleans」2009 USA
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テレンス・マクドノーに「ワールド・トレード・センター/2006」「ノウイング/2009」のニコラス・ケイジ。
フランキーに「ザ・クリーナー 消された殺人/2007」「アンダーカヴァー/2007」のエヴァ・メンデス。
スティーヴィー・プルイトに「ドアーズ/1991」「アレキサンダー/2004」「デジャヴ/2006」のヴァル・キルマー。
ビッグ・フェイトに「X-ファイル:真実を求めて/2008」のアルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー。
監督は「ミスター・ロンリー/2007」の俳優ヴェルナー・ヘルツォーク。
オリジナル脚本は「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」のアベル・フェラーラ。
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2005年、ハリケーン・カトリーナの直撃で刑務所まで浸水してしまったニューオリンズの街。浸水のため逃げ遅れ水につかった囚人を助け出したテレンスは、英雄的行為で表彰される。それにより彼は警部補(ルーテナント)に昇格する。しかし救出の際に痛めた腰痛のせいでドラッグが手放せない身となってしまう。高級娼婦の恋人フランキーと共にドラッグに溺れ、大好きなギャンブルでは借金地獄にも陥っている。職務質問のふりして銃で脅したあげくドラッグをくすね、押収品のそれにまで手を出してしまう。そんなある日、テレンスはセネガルからの不法移民殺害事件の捜査をまかされることになる...

何度も予告を観ていて気になっていた作品。観て大満足のそれは...「リービング・ラスベガス/1995」でアル中を演じてアカデミー賞に輝いたニコラス・ケイジがジャンキーを演じている。幻覚によりわめいたり、いきなり笑ったりする狂気の悪徳警官役が素晴らしい!こういった役を演じると精彩を放つニコラス・ケイジはやはり演技派俳優である。
最近つまらないアクション映画にばかり出ているニコラス・ケイジの映画はもう観たくないと「ノウイング」のレビューにも書いたが、これは絶対ニコラス、ファンを満足させる。ちなみに「ノウイング」以前の作品。彼はシリアス・ドラマがハマる。それも少々狂気を帯びた役柄が似合うのである。

コカイン、ヘロインなんでもOK!真夜中、銃で脅してドラッグを奪い、警察が押収したそれにまで手を出す“バッド・ルーテナント”。
ドラッグのせいで頭痛に悩まされ、幻覚症状が起きると、“机の上にイグアナがいる!”なんて言ったり、生き返った死者がダンスをしたりのブラック・ユーモアも入っている。ニューオリンズが舞台だけにハイウェイ・パトロールの車の側にデカいアリゲーターがのそのそと歩いていた。あれは幻覚それとも現実だったのだろうか?
おまけにこんなとんでもない刑事がキャプテンに昇格する。それはひょっとして腐敗したアメリカの警察の実像なのかとも思えてくる。
刑事スティーヴィー・プルイト役のヴァル・キルマーはまたまた太ってしまった。この方はホント悲しいほど昔のイメージが壊れて行く。
ハーヴェイ・カイテル主演の問題作「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト/1992」のリメイク映画だそうだが、知らないし、観ていない。ハーヴェイ・カイテル版是非見てみたい!
かつてドイツ映画の“ニュー・ジャーマン・シネマ”の一翼を担ったというドイツ人ヴェルナー・ヘルツォークの監督作品は残念ながら観た事がない。それも機会があれば見てみたい。
恵比寿ガーデン・シネマにて
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by margot2005 | 2010-03-14 23:48 | MINI THEATER | Trackback(6) | Comments(0)

「ルドandクルシ」

「Rudo y Cursi」...aka「Rough and Vulgar」2008 メキシコ/USA
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タト“クルシ”に「リミッツ・オブ・コントロール/2009」のガエル・ガルシア・ベルナル。
ベトに「ミスター・ロンリー/2007」「ミルク/2008」のディエゴ・ルナ。
スカウト、ダリオにギレルモ・フランチェラ。
兄弟の母親エルヴィラにドロレス・エレディア。
妹トーニャにアドリアーナ・パス。
タトの恋人マヤにジェシカ・マス。
監督、脚本に「天国の口、終りの楽園。/2001」の脚本家カルロス・キュアロン。
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メキシコの片田舎のバナナ農園で働く兄弟ベトとタト。地元の草サッカーで、兄はゴールキーパー、そして弟はストライカーのコンビ。ある日、兄弟はスカウトの目にとまり、始めにタトがメキシコシティのプロチームに入団する。その後空きの出たゴールキーパーのポジションを得たベトも別のチームに入団が決まりメキシコシティへと向かう。やがてそれぞれにチームで活躍し始めた二人はスター選手への階段を駆け上がって行く...

兄弟役の二人、実際はディエゴの方が1歳年下。ガエルはベビー・フェイスなので弟役でも違和感ない。似てない二人が兄弟役??と思っていたら異父兄弟だった。
メキシコの片田舎の兄ちゃん(青年)役がとってもマッチしちゃう二人って元々田舎っぽいのか?
二人の父親はそれぞれにいるはずだがストーリーには登場しない。育ててくれた母親の存在は大きく、“成功して家をプレゼントする!”と誓う、母親に対する彼らの愛情深さには関心する。ラティン系って愛情深いイメージがある。
結局、一人はギャンブルで、もう一人は女で失敗し、スター・プレーヤーにはなれず田舎に戻って来る。世の中それほど甘くはないという教訓をユーモアと少々皮肉も絡ませ描いている。それと、人生お金だけじゃないよ!とも。

日本でもファンが多いのか?ガエル・ガルシア・ベルナルの映画は一般公開されることが多い。背は小さいが彼の独特の存在感は大きい。人を惹き付けて離さないオーラを持ち合わせた俳優。シアターもかなりの入りだった。
ディエゴ・ルナは「クリミナル/2004」「ダンシング・ハバナ/2004」「ターミナル/2004」等で、イメージが固まって気の毒なくらい貧困層の青年役ばかり。でも、この作品も入れて全て似合っているのだから致し方ない。

映画は本国で大ヒットしたという。貧困層である二人の青年がスカウトされ、都会へ出て一躍セレヴになるというサクセス・ストーリーに、家族の深い愛情を織り込んだ辺りは観るものの心をつかむ。
渋谷 シネマ・ライズにて
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by margot2005 | 2010-03-13 23:56 | 中・南米 | Trackback(6) | Comments(2)

「海の沈黙」

「Le silence de la Mer」1947 フランス (2010年デジタル・リマスター版)
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監督、製作、脚本にジャン・ピエール・メルビル。
ドイツ人将校 ヴェルナー・フォン・イーブルナックにハワード・ヴァーノン。
叔父にジャン・マリー・ロバン。
姪にニコール・ステファーヌ。

1941年、ドイツ占領下のフランスの地方都市。ある日、叔父と姪が静かに暮らす屋敷にドイツ人将校ヴェルナーが同居する事になる。音楽家でもあるヴェルナーはフランス文化を愛し、尊敬していた。彼は毎日夜になると叔父と姪のいるリヴィング・ルームに現れ、文学や音楽について語り始める。しかし二人はヴェルナーの会話に加わる事なくひたすら沈黙を守るのだった...
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2008年9月に有楽町の朝日ホールで開催された“フランス映画の秘宝”で初めて日本公開された作品だが、その際には観ていない。
今回岩波ホールで期間限定一般公開中(3/19迄)。
ジャン・ピエール・メルビルの処女監督作品でもちろん白黒映画。
後のフランス、ヌーヴェル・バーグに多大な影響を与えたと言われる作品。沈黙で抵抗を示す叔父と姪の姿が素晴らしい。
ジャン・ピエール・メルビルの監督、脚本映画はリノ・ヴァンチュラの「ギャング/1966」、アラン・ドロンの「サムライ/1967」、「仁義/1970/」と「リスボン特急/1972」を過去に観ている。
ジャン・リュック・ゴダール監督、ジャン・ポール・ベルモンド主演の「勝手にしやがれ/1959」では俳優として出演している。
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フランスとの融和と結合を望んでいたヴェルナー。しかしパリ滞在中に強制収容所での大虐殺の話を聞かされ、おまけにドイツはフランスを叩き潰すと言う旧友の言葉に愕然とする。やがてヴェルナーは前線への転属願いを受理され旅立って行く...
老人(叔父)のナレーションでストーリーは進む。時折ささやきのような形で叔父と姪の会話が交わされる。しかしヴェルナーとの会話はゼロ。
毎晩9時過ぎになるとヴェルナーは二人のいるリヴィング・ルームに姿を現す。
暖炉の前で紅茶を飲みながら、叔父はゆったりとパイプをくゆらせ、姪は編み物か縫い物をしている。
ヴェルナーは淡々と語り“おやすみなさい”と挨拶し去って行く。しかし彼らはそれに決して返事はしない。
やがてヴェルナーが旅立つ朝、二階に住む彼の部屋のドアにノックの音が響く。一瞬驚くヴェルナー...あの時彼は姪が現れるのを期待していたのではないか?と思った。それはヴェルナーも姪も互いに密かな思いを抱いているかのように見え、スクリーンから二人の気持ちがひしひしと伝わっていたから...。
叔父もまた、ヴェルナーが現れ、毎日話を聞くのを待っていた様子がうかがえる。
屋敷を去る日、6ヶ月間毎晩語りかけた彼らに挨拶に来たヴェルナー。彼は最後に“アデユー!”と姪に別れを告げる。その時初めて姪もヴェルナーに対して最初で、最後の言葉“アデユー!”と返す。あのシーンはトレヴィアン!だった。
神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2010-03-09 23:44 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

ハリウッド発恋愛ドラマ...「恋するベーカリー」&「バレンタインデー」

「It's Complicated」2009 USA
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ジェーンに「プラダを着た悪魔/2006」「いつか眠りにつく前に/2007」「大いなる陰謀/2007」「ダウト 〜あるカトリック学校で〜/2008」「ジュリー&ジュリア/2009」のメリル・ストリープ。
建築家アダムに「愛しのロクサーヌ/1987」「バックマン家の人々/1989」「ピンクパンサー /2006」のスティーヴ・マーティン。
ジェーンの元夫ジェイクに「グッド・シェパード/2006」「ディパーテッド/2006」「私の中のあなた/2009」のアレック・ボールドウィン。
ジェーンの長女ローレンにケイトリン・フィッツジェラルド。
次女ギャビーに「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」「50歳の恋愛白書/2009」のゾーイ・カザン。
長男ルークに「フリーダム・ライダーズ/2007」のハンター・パリッシュ。
ローレンのフィアンセ ハーレーに「かけひきは、恋のはじまり/2008」のジョン・クラシンスキー。
ジェイクの妻アグネスに「べガスの恋に勝つルール/2008」のレイク・ベル。
ジェーンの3人の友人役で「めぐり逢えたら/1993」「プリティ・ブライド/1999」のリタ・ウィルソン、
「さよなら。いつかわかること/2007」のメアリー・ケイ・プレイスとアレクサンドラ・ウェントワースが出演している。
監督、脚本、製作に「ハート・オブ・ウーマン/2000」「恋愛適齢期/2003」「ホリデイ/2006」のナンシー・マイヤーズ。

ジェーンは高い評価を得るベーカリーのオーナーで三人の子供をりっぱに育てたあげたバツイチ女性。敏腕弁護士のジェイクは浮気が原因でジェーンと離婚後、若妻アグネスと彼女の連れ子の三人暮らし。長男ルークの卒業式に出席するためニューヨークのホテルでばったり鉢合わせしたジェーンとジェイク。酒の勢いもあってか盛んに言寄るジェイクにまんざらでもないジェーン。
一方でジェーンの自宅増設工事を担当した建築家アダムもやはりバツイチ男。二人の間で揺れ動くジェーンの運命は...
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この映画の邦題も勘弁して!欲しい。ベーカリーのシーンて数回出て来ただけ。“それって複雑なの”という原タイトルの台詞の方が頻繁に交わされていた気がする。
男は皆ジェイクのようではないと願うが、観ていて、男ってなんてわがままな生き物だと改めて思った。浮気後若い妻と結婚し、古女房と再会した途端惚れ直したなんて、身勝手にもほどがある。子育てが終了し、一人身がいくら寂しいからといったってそれになびく元妻にも呆れる。ジェーンが二人の男の何れを選ぶかは含みを持たせて、はっきりしないエンディングにしたのは救いだった。
別れた恋人と偶然再会しそのままホテルへ...それはかなりあり得るが、別れた夫婦がばったり出会ってホテルの部屋へ直行!ってのもありなんだ?
離婚した夫婦が再婚するって話は聞いた事がある。しかしながら親たちの勝手でくっついたり、離れたりする両親に振り回される子供たちって大変だなと心から同情する。
「レッド・オクトーバーを追え/1990」の頃と比べ、使用前、使用後のアレックのデブぶりには驚嘆!キム・ベイシンガーと別れてから離婚太りなのかな??記憶をたどると「パール・ハーバー/2001」の時に既に太っていた感じ。かつてはアレックのファンだったけど今や見るも無惨。アレックはコレからはコメディ路線がいいかも?
逆に常にコメディ路線のスティーヴ・マーティンはアレックより10歳以上年上にも関わらず、スリムなバディでいつまでもお若くて魅力的なojisama。
この二人が司会を務めるアカデミー賞授賞式も楽しみとなってきた。
ハリウッドに君臨し、映画に出まくっているメリルobasanはいつまでもゴージャスな女優で尊敬する。
出演者は豪華ながら映画はDVDで十分。
ビートルズの“We Can Work It Out/恋を抱きしめよう”のカバーなど、バック・ミュージックはお洒落だった。
有楽町 TOHOシネマズ日劇にて   

「Valentine's Day」2010 USA
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監督は「プリティ・ウーマン/1990」「恋のためらい/フランキーとジョニー/1991」「プリティ・ブライド/1999」のゲイリー・マーシャル
出演者は多数なのでポスターの写真で。

バレンタインデー以来3週間経過。公開後すぐに観に行ったがレビュー書くのはやめておこうと思っていて...でもなんとなくついでにアップすることに...。
とにもかくにも、キリスト教国アメリカのバレンタインデーの凄まじさを思い知らされた。そして一番に思ったのはこの時期さぞかし花屋が儲かるだろうなという事。
ジェニファー・ガーナーが先生役の小学校の授業でも“St.Valentine's Day“の由来を教えていた。
この映画を観た人はUK映画「ラヴ・アクチュアリー/2003」を思い浮かべること間違いない。でもやはり「ラヴ・アクチュアリー」は素晴らし過ぎたので比較はしたくない。
映画の中心となる花屋のオーナー役のアシュトン・カッチャーは全く持ってドタバタ・コメディのイメージしかないが、この映画を観て初めて彼に魅力を感じた。中々ソフトで素敵な俳優である。
ジェニファー・ガーナーとパトリック・デンプシーの恋愛(男は不倫)ストーリーを始めとして、ジュリア・ロバーツとブラッドリー・クーパーの飛行機内での出会いストーリー、アン・ハサウェイとトファー・グレイスのバレンタイン・デートetc.はそれなりに。
学校教師ジェニファーに恋する男の子が花屋でプレゼントを注文、おまけに値切っちゃうなんて、しっかりし過ぎのアメリカン・ボーイ。
シャーリー・マクレーンとヘクター・エリゾンドのハリウッド墓地での愛情あふれるシーンにはびっくり。バレンタインデーの夜に墓地で映画上映するなんて...東京ならさしずめ青山墓地か?横浜なら山手の墓地か?青山墓地で花見はあるが映画の上映は聞いた事がない。あの辺は宗教的感覚が違うなと痛切に思う。
で、ジェシカ&ジェニファーが開いた女性だけのバレンタインデー・パーティは参加したいほどナイスだった。
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて
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by margot2005 | 2010-03-07 00:23 | USA | Trackback(12) | Comments(0)

「すべて彼女のために」

「Pour elle」 ...aka「Anything for Her」2008 フランス
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ジュリアンに「ガスパール/君と過ごした季節(とき)/1990」「女はみんな生きている/2001」「チャーリーとパパの飛行機/2005」のヴァンサン·ランドン。
リザに「戦場のアリア/2005」「敬愛なるベートーヴェン/2006」「マンデラの名もなき看守/2007」「ハンティング·パーティ/2009」「イングロリアス·バスターズ/2009」のダイアン·クルーガー。
オスカルにランスロ·ロッシュ。
作家アンリ·パスケに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「裏切りの闇で眠れ/2006」のオリヴィエ·マルシャル。
ジュリアンの父親に「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」のオリヴィエ·ペリエ。
監督、脚本にフレッド·カヴァイエ。
原案、共同脚本にギョーム·ルマン。
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高校教師のジュリアンと編集者のリザは一人息子オスカルと共に平和で愛のある幸せな日々を過ごしていた。そんなある朝突然刑事がやって来てリザを逮捕する。それは上司殺害容疑だった。冤罪を訴えるリザとジュリアンだが、確固たる証拠は崩せずリザは20年の刑を言い渡され刑務所に収監される。やがて絶望から自殺を図ったリザ。彼女を見舞ったジュリアンはある決意をする...
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予告編は観てないがサラッと映画解説を見ていてとても興味があった。公開されたら一番に観に行こうと初日に有楽町へ...
96分間手に汗握るハラハラドキドキで、二個隣の席のojisamaは終始前椅子を抱え込むように鑑賞されてたのが可笑しかった。マイベスト決まりの大満足フランス·サスペンス。
フランスのサスペンスってとっても大胆でスタイリッシュ。ポール·ハギスのハリウッド·リメイクにも期待したい。
妻がレンヌに移送されると知ったジュリアンは行動を起こし始める。金を得るため銀行を襲撃しようとするが、躊躇するあたりはやはり学校教師?しかしその後の彼の行動は凄まじい。
毎週刑務所を訪問するジュリアン親子。しかしオスカルは母親リザに口も聞かず触れられるのも拒絶する。ある日、彼女は夫に“オスカルはここが嫌なのよ。もう連れて来ないで!”と言い渡す。愛する幼い息子に無視されるリザは自身が置かれた立場より辛かったかも知れない。その時ジュリアンも又、オスカルを母親のいない子供にしたくないと誓う。
“すべて彼女のために“...自身の危険を顧みないであこまでする夫っているだろうか?ある意味リザって幸せな女性。
幾度かの脱獄に成功し今や作家となっているアンリ·パスケに脱獄の方法を教わるなんて良く思い付くと関心する。
終盤近く、父親との過去の確執も消えてしまったかのようなジュリアン親子の抱擁シーン。両親にはとてもじゃないが今生の別れとは言えない...しかし父親はそれを知り理解していた。あの場面には少々感動。
映画の主人公はジュリアン。演じるヴァンサン·ランドンは「ガスパール〜」や「チャーリー〜」での心優しい人物がマッチする俳優。この作品では彼女のために奔走する愛する夫を熱演。素敵なフランス俳優である。
「ホワイト・ライズ/2004」や「トロイ/2004」で始めてお目にかかったダイアン・クルーガーは顔が整い過ぎて魅力に欠ける女優だが、「イングロリアス·バスターズ」ではブラック・コメディが中々イケてた。こちらのリザ役も今までの美しいだけの女性ではない、冤罪に苦しむ母親役を好演している。
ストーリーにちょっと突っ込みを入れるとしたら、海外逃亡の後長期滞在ビザどうするんだろう?なんて単純な疑問が芽生えたが、インスリン問題もあるし...でも展開がとてもアグレッシブで見応えがあり許してしまった。フランス本国で大ヒットしたのも大いに頷ける。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2010-03-03 23:43 | フランス | Trackback(14) | Comments(4)