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東京国際映画祭2009 WORLD CINEMA...「エリックを探して」

「Looking for Eric」2009 UK/フランス/イタリア/ベルギー/スペイン
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エリック・ビショップにスティーヴ・エヴェッツ。
リリーにステファニー・ビショップ。
「マルセイユの決着/2007」のエリック·カントナが本人役。
監督は「やさしくキスをして/2004」「明日へのチケット/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「この自由な世界で/2007」のケン・ローチ。
脚本に多くのケン・ローチ映画を書いているポール・ラヴァティ。

UKサッカー、ファン必見の痛快ファンタジー・コメディ・ドラマ。
是非一般公開していただきたい。
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マンチェスターの郵便局員エリック・ビショップは狂信的なサッカー・ファン。
自動車事故を起こし病院に収容されていたエリックは退院し自宅へ戻って来る。彼の家には息子や養子、それに彼らの友人たちが常に集まり、足の踏み場もないほど散らかった部屋でTV及びTVゲームに興じている。仕事を再開したが落ち込むばかりでやる気がまるでないエリック。そんな彼を心配した仲間は元気づけようと試みるが上手く行かない。やがて仲間のお告げでエリック・ビショップのアイドル(崇拝者)エリック·カントナが現れる...
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子供たちには日々バカにされ、妻リリーにも去られた郵便局員エリック・ビショップ。
ある日突然エリックの部屋に現れたエリック·カントナは人生のやり直しを手伝うため語り始める。
その語りは詩的で、哲学的でおまけにフランス語...エリックがフランス語じゃ理解出来ないと言うとおもむろに英語で語り始める。風貌もプラスされこの方哲学者みたい。
時折キャリアの最盛期であるマンチェスターU.の試合シーンが映し出される。それを見て感嘆するエリック・ビショップ。
英国のサッカー・ファンおやじって筋金入り。パブでも話題はサッカーの事ばかり。女房や宗教は変えられるが、ひいきのサッカー·チームだけは変えられない...なんて台詞もあった。
マンチェスターU.のサポーターたちがバスを連ねてやくざの家に乗り込む。全員かぶっているのはエリック·カントナのマスク。
ケン・ローチってこんなファンタジー・コメディも作るんだと驚いたが、ケン・ローチの描くコメディは中々素敵なテイストで観る事が出来て良かった。
この映画はとにかく観たくて前売りチケットをゲットし、休みを取ってシアターに行った。
サッカー、ファンなのでエリック·カントナは勿論知っている。しかし「マルセイユの決着」を観る迄彼がフランス、マルセイユ生まれとは知らなかった。濃いところがジェラルド·バトラーに似てるのだ。

前日に観た「二つのロザリオ」は空席が目立ったが、こちらはケン·ローチ映画だけあって平日ながら満席(完売)だった。
TOHOシネマ六本木ヒルズにて
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by margot2005 | 2009-10-30 21:45 | UK | Trackback(12) | Comments(4)

東京国際映画祭2009 WORLD CINEMA...「二つのロザリオ」

「Uzak ihtimal」...aka「Wrong Rosary」 2009 トルコ
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ムサにナーディル·サルバジャク。
クララにギョルケム·イェルタン。
古書研究家のヤクプにエルサン·ウイサル。
監督はマフムト·ファズル·ジョシュクン。
ギョルケム·イェルタンは脚本にも参加している。
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ムサとクララ、二人の台詞は極端に少ない。とても静かにストーリーは流れて行く。
ムサはイスラム教会モスクでコーランを読む(唱える)人。
クララは義母の介護の傍ら教会で働く敬虔なるクリスチャン。
全く異なった宗教に身を置く二人の住まいは同じアパートの隣同士。そしてクララに恋をしてしまうムサ。
ムサの従兄弟はクララに改宗させろと言うが簡単な事ではない。
クララの通う教会で偶然出会ったムサとヤクプ。ヤクプに請われて翻訳を手伝い始める。
そして二人はまるで父と息子のように仲を深めて行く。
ある日、ムサはヤクプが撮ったクララの写真を発見する。
問いつめると、クララはやっと探し当てた実の娘だと告白する。
しかしその事実をクララに打ち明ける事は出来ない。
ムサも又クララに恋心を打ち明ける事が出来ない。
そしてある日突然、クララは二人にローマで修道女になると静かに宣言する。
ラスト、ローマへ旅立つクララを見送るムサ、やはり告白することは出来なかった。

と、激しくネタバレしてしまってsorry。
ロッテルダム国際映画祭最高賞受賞作品。
ムサとクララは同じ言語(トルコ語)を持っているにも関わらず、信じられないくらい会話しない。二人は言葉を表情に変え感情(気持ち)を表している。静かに、静かに展開して行く様は中々素敵だ。
しかしながら、二人を見ていて少々イライラした。宗教重しと感じた1作。
Internationalタイトルの“間違った(不適切な)ロザリオ”は絶妙。
クララが落としたロザリオを拾いポケットにしまったムサはコーランを唱えながらそれを握る。あのシーンはスゴく良かった。

平日の昼下がり。シアターは空席がかなり目立った。ゲストとして現れる予定の監督はドタキャンした模様。
“淡いユーモア満載の聖職者の恋物語。”と書かれた一言映画解説はその通り。

映画はトルコ、イスタンブールでロケされた。トルコには憧れがあるので観てみたかった1作。トルコ+ドイツ映画や、他の映画でイスタンブールは良く登場するが、全編イスタンブール撮影映画は初めて。西洋と東洋の文化が融合した美しい街イスタンブール。ますます行ってみたい!トルコ!
ボスポラス海峡...闇夜に浮かぶモスク...とても神秘的な景色にうっとりする。
TOHOシネマ六本木ヒルズにて
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by margot2005 | 2009-10-29 23:48 | スペイン | Trackback | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「冬の贈りもの」

「Im Winter ein Jahr」...aka「A Year Ago in Winter」 2008 ドイツ/USA
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リリー·リヒターにカロリーネ·ヘアフルト。
マックス·ホランダーにヨーゼフ·ビアビヒラー。
エリアーネ·リヒターにコリンナ·ハーフォウヒ。
トーマス·リヒターに「ヒルデ ー ある女優の光と影/2009」のハンス·ツイッシュラー。
アレクサンダー·リヒターにシリル·シェーストレーム。
アルドにミシェル·マティチェヴィッチ。
トビアス·ホランダーに「ウェイヴ あるクラスの暴走/2008」のヤーコプ·マツェンツ。
監督、脚本は「名もなきアフリカの地で/2001」のカロリーネ·リンク。
「みえない雲/2006」「クラバート - 謎の黒魔術/2008」のパウラ·カレンベルクがトビアスのガールフレンド、ステラ役でワン·シーンに出演している。
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ある日、画家マックス·ホランダーのアトリエに一人の女性が訪ねて来る。その人は娘リリーと息子アレクサンダーの肖像画を描いて欲しいと依頼する。リリーは大学で音楽とダンスを学んでいるが、アレクサンダーは猟銃自殺で亡くなったと言う。
そして絵のモデルになるためリリーがマックスのアトリエにやって来る。絵の製作に乗り気でないリリーは、亡くなった人間をインテリアとして飾りたくないとマックスに訴える。おまけにアレクサンダーは事故ではなく自殺したと告白するのだった...
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オープニング、雪の舞う中、i Pod(多分)で音楽を聴きながらダンスをするかのように身体を動かすハンサムな少年。その彼を執拗なまでにビデオ撮影するエレガントな女性。女性は彼の母親で、二人は終始楽しく笑いながら雪の中で戯れる...
エンディング、クリスマス·シーズンのミュンヘンの街。リリーは雪がハラハラと落ちて来る空を見上げ、天国にいるアレクサンダーに向かい語りかける...
雪が舞うシーンで始まり、そして終わる、心に響くヒューマン·ドラマ。

ミュンヘン郊外の瀟洒な家に住むリヒター家。父親トーマスは大学教授で、母親エリアーネは室内装飾家。亡くなった息子アレクサンダーはスキーの英才教育を受けるため山の上の寄宿舎で学んでいた。娘リリーは大学で音楽とダンスに打ち込む日々。
リリーは両親の多大なる期待がプレッシャーであり、弟の死も乗り越えられず、ダンスに集中出来ない。とうとう主役から降ろされたリリーはバーで知り合った画家アルドに夢中になる。しかし常に束縛するリリーに耐えられなくなったアルドは別れを宣言する。
両親からのプレッシャーに反撥を抱くリリーは自虐的な行動を起こそうとしていたように見える。
マックスに対しても始めは反抗的な態度を取っていたリリーだが、時間を共有する事によって心を開き、終盤では信頼を寄せるようになる。リリーの哀しい心を理解し優しく包んだのはマックスかも知れない。完成した絵のリリーはマックスによってとても優しく、美しく描かれていた。
リリーの両親は社会的な体裁を気にする仮面夫婦。妻は夫の浮気を知っているが無関心を装っている。有能で完璧主義者の両親。あのような両親の子供って息抜く暇もなく辛いだろうなとお察しする。

マックスにも息子との間に確執があった。大学のプールで飛び板飛び込みの練習をする息子を遠くから密かに見守る父親。
マックスは亡くなった人の写真とビデオ映像から絵を描く画家。彼のアトリエに飾ってある人物画を見て、リリーは“死んだ人の絵に囲まれて奇妙な気がしない?”と問いかける。この人物は生きているとマックスが示した絵。プールの中で微笑む青年はとても印象的。完成したそれはラスト近く、マックスが大学の寮を訪ねるシーンで息子トビアス自身の絵だと分る。寮の前でトビアスのガールフレンド、ステラと会ったマックスはステラに“絵を大事にして”と告げ去って行く。マックスとトビアスの未来が開けそうなあのシーンはナイスだった。

「SOUL KITCHEN」「ヒルデ ー ある女優の光と影」「ブッデンブローク家の人々」と観て来た今年のドイツ映画祭。それぞれに全く違ったテイストの映画4本。ラストに観たこれは映画祭の大ラス作品にふさわしい見応えのあるヒューマン・ドラマだった。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-27 00:07 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「ブッデンブローク家の人々」

「Buddenbrooks」...「Buddenbrooks: The Decline of a Family 」2008 ドイツ
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ブッデンブローク家当主ヨハン(ジャン)に「ザ·バンク 堕ちた巨像/2009」「天使と悪魔/2009」のアルミン・ミュラー・シュタール。
妻エリザベス(ベッツィ)にイーリス・ベルベン。
長男トーマスにマルク・ヴァシュケ。
次男クリスティアンに「青い棘/2004」「ヒトラーの贋札/2007」のアウグスト・ディール。
長女アントーニエ(トーニ)にジェシカ・シュヴァルツ。
トーマスの妻ゲルダにレア・ボスコ。
トーマスの息子ハンノにラバン・ビーリング。
監督はハインリヒ・ブレレーア。
原作は文豪トーマス・マンの“ブッデンブローク家の人々”。
「厨房で逢いましょう/2006」のヨーゼフ・オステンドルフが議院役で出演している。
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19世紀、北ドイツ、リューベック。この交易都市では利益を求める多くの商家がより多くの利益を求めるべく互いにしのぎを削っていた。穀物取引で富と名声を得たブッデンブローク家の二代目ヨハンは一家の繁栄のため娘トーニをハンブルグの商人に嫁がす。しかし商人は破産しトーニは実家へ戻って来る。不確かな社会情勢の下、大きな損失を被ったヨハンは長男トーマスに商社主を譲るが失意の内彼は急死する。
外遊していた次男のクリスティアンが帰国し兄を支えるよう期待されるが、彼には商売に対する意欲がなくトーマスと対立するばかり。トーマスは一家を今一度繁栄させ、守ろうと奔走するが一族が待ち受ける運命から逃れる事は出来なかった...
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ヨハン、トーマス、そしてハンノとブッデンブローク家は繁栄し引き継がれて行くはずだった。ところが、Internationalタイトルにあるように、トーマス、そしてその息子ハンノの死によってブッデンブローク家は終末を迎える。
トーニは二度結婚するが、二度とも彼女の持参金が狙いの夫たちだった。政略結婚のような形でハンブルグの商人に嫁いだトーニは結局夫の破産によって離婚する。親の決めた相手との結婚に逆らえないトーニは渋々承諾するが、鳥肌が立つくらい生理的にイヤな男との生活は計り知れないほどの辛さがあったことだろう。今じゃ考えられないが、あの時代の女性ってホントお気の毒。
長男トーマスはとても美しいゲルダと知り合い妻にするが、彼女は商売に興味がなく音楽を愛する女性だった。息子ハンノにピアノを弾かせ、自ら奏でるヴァイオリン演奏で家族を魅了したが、息子を商人にすべく指名を与えられたトーマスは二人を理解することが出来ない。
次男クリスティアンは外遊し商売の勉強をしたが酒、女や観劇に溺れ堕落して行く。
トーマスが亡くなり一番悲しんだのは妹のトーニ。トーニも又ブッデンブローク家繁栄のため犠牲になった一人で、彼女にとって兄の死はブッデンブローク家の死そのものだったに違いない。

撮影監督ゲルノート・ロルも語っているように、映画の中での19世紀の景色がPC処理で上手く作られていて美しい。
当主ヨハン役のアルミン・ミュラー・シュタールは「イースタン・プロミス/2007」や「ザ·バンク 堕ちた巨像」「天使と悪魔」などWorld Wide公開の作品でもいぶし銀の味わいある名優。前半でお亡くなりになってしまうが彼の存在感は大きい。
「青い棘」で繊細で傷つきやすい若者を演じたアウグスト・ディールも堕落していく様が上手くて迫真の演技が光る。

長い映画の上(152分)、上映前にゲルノート・ロルの挨拶もあり見終えて疲れた。最近混んだシアターで長い間椅子に座っているのがスゴく辛くて...特に両サイドに人がいると益々疲れる(閉所恐怖症気味)。
トーマス・マンの小説は読んでいないが、映画は重厚で秀逸なドラマとなっている。ノーベル賞受賞作家の著名なこの小説は2度映画化され、TVドラマにもなっていると言う。今回映画祭で観る事が出来たのはラッキーだった。読書の秋にトーマス・マンの小説読んでみたい。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-26 00:07 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「ヒルデ ー ある女優の光と影」

「Hilde」 2009 ドイツ
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ヒルデガルド·クネフに「ラブ·アクチュアリー/2003」のハイケ·マカチュ。
英国の俳優で二度目の夫デヴィッド·キャメロンにダン·スティーヴンス。
ユダヤ人の米軍士官で最初の夫クルト·ヒルシュにトリスタン·ピュッター。
ヒルデのエージェント、エルゼ·ボンガースに「4分間のピアニスト/2006」「SOUL KITCHEN/2009」のモニカ·ブライブトロイ。
有名プロデューサー、エーリッヒ·ポマーに「ミュンヘン/2005」のハンス·ツィッシュラー。
ナチ映画界の大物アニアン·ツォルナーにエーヴァルト·フォン·デマンドフスキ。
ヒルデの母フリーダ·クネフに「白バラの祈り ゾフィー·ショル、最期の日々/2005」のヨハンナ·ガストドルフ。
監督はガイ・ヴェッセル。
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1966年、ヒルデガルド·クネフは西ベルリンに戻って来る。それはベルリン·フィルハーモニーのホールでコンサートを開くためだった。ホールの控え室で出番を待つヒルデの脳裏に過去の様々な出来事が蘇る...
1943年、ヒルデは女優としての一歩を踏み出す。そして第二次世界大戦後再び女優としての活動を望むが、その道は前途多難だった。やがて亡命していたプロデューサー、エーリッヒ·ポマーがドイツの映画産業を支えるためアメリカ占領軍から派遣されて来る。ポマーの計らいで女優として花開き始めるが、キャリアは順調とは言えなかった。その後、ドイツ映画界に見切りをつけたヒルデは結婚したばかりの夫クルトと共にアメリカへ渡る。ハリウッドに居を構え、出演のオファーを待つが、ここでもまともな役はもらえずドイツへと舞い戻る。そして再びハリウッドに渡ったヒルデはそこで国際的映画スターの地位を獲得するのだった...
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日本では全く知られていないドイツ人女優ヒルデガルド·クネフ。彼女はシンガーソング・ライターであり、本も書いたマルチタレント。第二次世界大戦をも生き延びたヒルデの波瀾万丈の女優人生はとてもドラマチックで見応えのある展開となっている。
元恋人アニアン·ツォルナーがナチ党員だった過去。ユダヤ人の米軍士官クルト·ヒルシュとの結婚。ドイツで初めてnudeになった女優であり、共演した英国人俳優デヴィッド·キャメロンから妻を奪った事でもマスコミの餌食となり、とてもスキャンダラスな女優だった。
そのヒルデを演じるハイケ·マカチュは「ラブ·アクチュアリー」でアラン·リックマン演じる上司ハリーを誘惑するミア役が印象的だった。黒髪の「ラブ·アクチュアリー」とは全く別人の彼女はブロンド·ヘアー。気性の激しいヒルデにぴったりで、なぜか?ビヨンセにそっくり!
ハイケ·マカチュ自身もシンガーであり、作家として本も書いている才女。映画の中で勿論歌うシーンあり。ドイツ語の歌って滅多に聞く機会がないけど、思ったより素敵に聞こえる。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-25 00:37 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

ドイツ映画祭2009...「SOUL KITCHEN」

「Soul Kitchen」 2009 ドイツ
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監督、脚本に「太陽に恋して/2000」「愛より強く/2004」「そして、私たちは愛に帰る/2007」のファティ・アキン。
ジノス・カザンツァキスにアダム・ボウスドウコス(アキンと共同脚本)。
イリアス・カザンツァキスに「太陽に恋して」「暗闇の女たち/2007」「ひばり農園/2007」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」のモーリッツ・ブライブトロイ。
シェフのジェインに「愛より強く」「太陽に恋して」のビロル・ユーネル。
ジノスの恋人ナディーンにフェリーヌ・ロッガン。
“Soul Kitchen”で働くルチアにアンナ・ベデルケ。
ナディーンの祖母に「4分間のピアニスト/2006」のモニカ・ブライブトロイ。
ノイマンにヴォーダン・ヴィルケ・メーリング。
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ジノスはハンブルグの冴えないレストラン“Soul Kitchen”のオーナー。ある日、弟のイリアスが服役中の刑務所から仮釈放され突然やって来る。一方で、上海に行った恋人ナディーンが恋しいジノスはレストラン経営に身が入らない。それを知った不動産仲買人ノイマンはジノスの店を乗っ取ろうと画策する...
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もう最高!!ファティ・アキン!!
配給が決まってないというこの映画は是が非でも観たかった。今年の始めにファティ・アキンの「そして、私たちは愛に帰る」を観た。それ以前の彼の映画はDVD。今年は2本もシアターでアキン映画が観られるなんてラッキーな事この上ない。
主人公のアダム・ボウスドウコスはアキン映画に多々出演しているそうだが記憶になく、今回は主演なので彼の顔は脳裏に焼き付いた。イタリアンかなと思っていたが、アダムはギリシャ移民。
どこまでも、ひたすら良い人の兄ジノス。弟イリアスには勿論、“Soul Kitchen”の敷地に住む家賃滞納の老人にも親切だし、腰痛なのに飲みつぶれたルチアを背負ってアパートの階段上がるとか...正反対のイリアスと、問題は色々あるけど兄弟二人の揺るがぬ愛情が泣ける。母親に刑務所に入ってる事をも内緒にして、イリアスは油田で働いているなんて、とんでもないウソも母親思いの二人ならでは...?
ナディーンはこんなに善良なジノスに冷たかったけど、ラスト彼女の大金の援助はハッピー・エンディングで良かった。
イリアスを演じたモーリッツ・ブライブトロイ。彼はWorld Wideで活躍しているドイツ人俳優。彼も又ハンブルグ育ちとか。
モーリッツ「バーダー・マインホフ〜」ではスーパー過激な役にハマっていたが、これでは過激+コメディ・タッチのムサい男がマジで似合っている。
怪しいシェフ役ビロル・ユーネルの存在の素晴らしさは言う事無し。
モーリッツのママ、モニカもワンシーンに出演。「ヒルデ ー ある女優の光と影/2009」にも出演している彼女はおそらく本国ドイツでは国民的女優ではないかと想像するが、惜しい事に今年の5月に亡くなった。
街のワル役で懐かしのウド・ギアが出演している。21世紀になってから単独ドイツ映画でウド・ギアを観たのは初めて。70年代〜のホラー映画で有名になったウド・ギアはヨーロッパ&ハリウッド映画にたくさん出演する名脇役。最近では「モディリアーニ 真実の愛/2004」でお目にかかったが、60代でも若くてビックリ。
今年も昨年に続きドイツ映画祭で4本の未公開作品を堪能した。
新宿バルト9にて
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by margot2005 | 2009-10-21 00:36 | ドイツ | Trackback(15) | Comments(6)

「アニエスの浜辺」

「Les plages d'Agnès」...aka「The Beaches of Agnès 」2008 フランス

監督/脚本/出演に「5時から7時までのクレオ/1961」「幸福(しあわせ)/1964」のアニエス·ヴァルダ。

自分の人生を振り返るアニエス·ヴァルダが、映画の中に映画人と彼女の家族を登場させ、追想シーン(過去に撮影された映像)を織り込みながら描くドキュメンタリー·ドラマ。
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夫は「シェルブールの雨傘/1964」「ロシュフォールの恋人たち/1966」「ロバと王女/1970(2007)の監督ジャック·ドゥミ。彼はエイズで既に亡くなっている。
息子は「恋は足手まとい/2005」の俳優マチュー·ドゥミ。
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若い頃のアニエスがたびたび出て来る。現在81歳のおばあさんアニエスは好奇心旺盛でとてもチャーミングに映る。若い頃と顔(丸ぽちゃ)が変わってなくて、年月を経てそのままおばあさんになった感じ。ヘアー・スタイルがほぼ同じには驚く。
オープニング、彼女が生まれたベルギーの浜辺...砂浜にたくさんの鏡が並ぶ。鏡をキャンバスのように仕立てアニエスの世界が作られて行く。
後に描かれるシーンでパリの街中の路地に人口の浜辺を作りあげる。砂を敷き、椅子や机を並べ、机の上には電話やパソコンを置いてスタッフ共々仕事をするアニエス。浜辺の鏡もそうだが、彼女の発想は奇想天外で面白い。
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ベルギーの浜辺からヨットに乗ったアニエスはパリを目指す。セーヌを走り辿り着いたパリ。彼女の目の前にはエッフェルがそびえる。やがてジャック·ドゥミと出会い、二人の子供をもうける。
子育てをしながら自身の家で映画の撮影をするアニエス。その後アメリカに渡りサンタモニカの浜辺で友人たちと再会。やはりここにも浜辺は登場する。
こんなにも美しい映像満載のドキュメンタリーって初めて観た気がする。写真家から映画監督になったアニエス·ヴァルダならではの作品。

アーカイブ映像で若い頃のカトリーヌ·ドヌーヴを始めとして、ジェーン·バーキン、セルジュ·ゲンズブール、シャルロット·ゲンズブールに、ミッシェル・ピコリ、ジム·モリソンやジャン·リュック·ゴダール。そしてスゴく若い頃のジェラール·ドパルデュー、ハリソン·フォードやサンドリー·ボネールなどの映像もあり。

有名人を撮影していたアニエス·ヴァルダ。かれこれ10年位前、パリでジェラール·フィリップの写真展が公開される記事を読んでパリに見に行きたい!なんて思ったりした事があった。あの写真ってアニエス·ヴァルダが撮ったものだったのかな?この映画の中でも何度か映し出されるジェラール·フィリップの写真。ジェラール(かなり前にお亡くなりになっている)も亡くなったのね?と言うアニエスが寂しそう。
カトリーヌ·ドヌーヴとミッシェル·ピコリ コンビで作った売れなかった映画のネガをブラインドにしているなんてお洒落過ぎ。
アニエス映画「冬の旅 /1985」と「落穂拾い/200」が観たい!
神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2009-10-18 23:29 | フランス | Trackback(6) | Comments(0)

「ボヴァリー夫人」

「Save And Protect」...aka「Madame Bovary」1989/2009 旧ソ連/ロシア

エマ・ボヴァリーにセシル・ゼルヴダキ。
監督は「太陽/2005」「チェチェンへ アレクサンドラの旅/2007」のアレクサンドル・ソクーロフ。
原作はギュスターヴ・フローベール。
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年上で凡庸な夫シャルルとの田舎での単調な生活にふさぎ込むエマ。やがて夫の勧めもあり、近隣のロドルフと乗馬に出かけたエマは彼との情事にのめり込んで行く。しかしロドルフはエマを捨て外国へ行ってしまう。その後再会した若いレオンとの肉欲に溺れ、エマの浪費癖はますますエスカレートして行く...
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マダム・ボヴァリーと言えば、浪費(借金)、不倫(愛欲)、そしてヒ素自殺。
「太陽」や「チェチェンへ アレクサンドラの旅」の監督作ゆえ観に行った次第。
かつて“芸術か?わいせつか?”と議論された事があった。ロシアの巨匠と呼ばれるアレクサンドル・ソクーロフの描く世界は芸術以外の何ものでもないだろうがエロス・シーンは少々クドい。
スクリーンは終始エマの表情を捕らえ台詞も少ない。他の登場人物の台詞も同様。
原作に登場する人物は忠実に出て来るが、原作を知らないと映画を観ていてもストーリーが良く分らないかも知れない。3部作からなる原作。映画は相当端折ってある。オープニングで既に夫婦は田舎にあり、子供も生まれていると言う設定。
日の入るベッドルームの鏡の前で全裸で“私は恋をしている!”と喜びを表現するエマ...ロドルフとの逢い引きのシーン...それはまるで絵画のようにも映る。
買い物中毒で若い男に夢中の妻を全く疑わないシャルルって、映画で観ると凡庸というよりバカっぽく見える。
本を読む限りマダム・ボヴァリーは若くて美しい女性のイメージ。でも、女優でもなく、美しくもない普通のobasanをあえて選んだソクーロフって分らない。
結婚後、理想と現実の狭間で苦悩する様を“ボヴァリズム”と言う。この言葉最近耳にしないが、悩む前に別れてしまう今時の女性にはピンと来ないと感じる。
19世紀半ばが舞台ながらBackMusicにジャズが流れる。それが全然違和感ないのも不思議。エマの着るクリスチャン・ディオールのドレスは素敵だがセシル・ゼルヴダキは決して美しくはない。
ハエと羽(枕の中身)が舞うシーンは退廃的なストーリーにマッチしている。
D.H.ローレンスの“チャタレー夫人の恋人”と並ぶヨーロッパ文学の大不倫小説“ボヴァリー夫人”。
「チャタレー夫人の恋人」は何作か映画(TV版含む)で観ているが「ボヴァリー夫人」は初めて。イザベル・ユペールがエマを演じたフランス版(1991)が見てみたい。
渋谷 シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2009-10-17 23:45 | スペイン | Trackback(2) | Comments(2)

「リミッツ・オブ・コントロール」

「The Limits of Control」 2009 USA/スペイン/日本
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主人公の殺し屋コードネーム/孤独な男に「潜水服は蝶の夢を見る/2007」のイザック・ド・バンコレ。
以下仲間に...
「フィクサー/2007」「ベンジャミン・バトン 数奇な人生/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」のティルダ・スウィントン。
「ルワンダの涙 /2005」「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国/2008」のジョン・ハート。
「彼が二度愛したS/2008」のパス・デ・ラ・ウエルタ。
「列車に乗った男 /2002」のジャン・フランソワ・ステヴナン。
「不完全なふたり/2005」のアレックス・デスカス。
「マイアミ・バイス/2006」のルイス・トサル。
「失われた肌/2007」のガエル・ガルシア・ベルナル。
「シリアの花嫁/2004」「扉をたたく人/2007」のヒアム・アッバス。
「SAYURI/2005」の工藤夕貴。
そして「ブロークン・フラワーズ/2005」「ダージリン急行/2007」「ゲットスマート/2008」のビル・マーレイ。
監督、脚本に「ナイト・オン・ザ・プラネット/1991」「ブロークン・フラワーズ /2005」のジム・ジャームッシュ。
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コードネーム/クレオール人とコードネーム/フランス人の指令を受けスペインにやって来たコードネーム/孤独な男。次から次へと現れる仲間たちの指令により、任務遂行のためスペイン中を駆け巡る。孤独な男はターゲットを見つける事ができるのか...

思い切りネタバレしているが...ビル・マーレイ演じるコードネーム/アメリカ人を殺すためスペインを列車で移動するコードネーム/孤独な男。スペインのそれぞれの街で待つ仲間たち。仲間の指令により次に何処へ行くかが決まる。それに従って行動するコードネーム/孤独な男。指令はなぜかマッチ箱に入っている。中に入った小さなメモに場所(アドレス?)が書かれている。証拠隠滅のためか?読んだらすぐメモを呑み込む孤独な男。いつも注文するエスプレッソで...あのエスプレッソの注文方は中々粋。試してみたい。
工藤夕貴が演じたコードネーム/モレキュール(分子)。モレキュール(分子)について色々と語るが一番訳が分らなかった。
とにかく出演陣は素晴らしくInternational!
俳優たち数分の出番ながら、コードネーム/ブロンド役のティルダ・スウィントンと、コードネーム/メキシコ人のガエル・ガルシア・ベルナル。二人の圧倒的な存在感はさすが。
ジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ/2003」は観てないが、懐かしきウィノナ・ライダーの「ナイト・オン・ザ・プラネット」も次から、次へとお客を乗せるタクシー・ドライバーの物語だし、「ブロークン・フラワーズ 」も昔の恋人を訪ねて回るストーリーだった。かなりワンパターンだが、それってジャームッシュの世界なのかも知れない。
予告を何度も観ていたのと、ポスターに惹かれて観に行った。池袋(TOBUメトロポリタン)で上映していたのが最大の要因かも?
とにかくこの手の映画は良くわからない。あまりにも淡々としていて、もの静かで、一本調子で、眠りに誘われそうで困った。とりあえず寝るまでには至らなかったが、同じ列にいたojisamaは相当寝ていた雰囲気。
ラスト、空港のゴミ箱に捨てたマッチ...あのラストには何か含みがあるのだろうか?
かなり地味な映画ながら都内でも数カ所で公開しているのは日本もお金を出したからに違いない。
シネ・リーヴル池袋にて
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by margot2005 | 2009-10-11 21:31 | MINI THEATER | Trackback(6) | Comments(0)

「あの日、欲望の大地で」

「The Burning Plain」 2008 USA/アルゼンチン
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シルヴィアに「告発のとき/2007」「ハンコック/2008」のシャーリーズ・セロン。
ジーナに「ドア・イン・ザ・フロア/2004」「セルラー/2004」のキム・ベイシンガー。
ジーナの娘マリアーナにジェニファー・ローレンス。
サンティアゴの友人カルロスにホセ・マリア・ヤスピク。
サンティアゴにダニー・ピノ。
サンティアゴの娘マリアにテッサ・イア。
少年時代のサンティアゴにJ・D・パルド。
サンティアゴの父親ニックに「チェ 39歳別れの手紙/2008」のヨアキム・デ・アルメイダ。
レストランのコック ジョンに「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング/2002」 「フェイク シティ ある男のルール/2008」のジョン・コーベット。
マリアーナの父親ロバートにブレット・カレン。
監督は「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 /2005」「「バベル/2006」の脚本家ギジェルモ・アリアガ。
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アメリカ、ポートランド。海辺の街の高級レストランで働くシルヴィアは有能なマネージャー。しかし私生活では心に大きな傷を抱かえ、行きずりのセックスに身を任せる日々。そんな折、カルロスと名乗るメキシコ人男性が12歳の少女マリアと共に現れる。そしてマリアはシルヴィアの娘だと告白するのだった...

「バベル」もそうだけど、時系列で描かれないこの作品。最初は少々戸惑ったが、キム演じるジーナの娘マリアーナがシルヴィアの少女時代だと分ったあたりから、物語に引き込まれて行った。
少女マリアーナが犯した罪はラスト、シルヴィアによって語られる。決して許される事ではないが、その罪を償うかのようなラスト・シーンにはジーンと来る。
ジーナ、シルヴィア/マリアーナ、マリア...と三世代の女性たちの運命を描いた愛憎ドラマ。それぞれに演じる女優たちが皆素晴らしい!
母ジーナの浮気現場を見つけたマリアーナには想像に絶する怒りと哀しみが芽生えたに違いない。やがてマリアーナは母の不倫相手だったニックの息子サンティアゴと許されぬ恋に落ちる。この展開は非情に驚いた。そのマリアーナを演じたジェニファー・ローレンスがヴェネチア国際映画祭新人賞に輝いたのは大納得。
シャーリーズ・セロンは「ディアボロス/悪魔の扉/1997」でブレークして以来ハリウッド ヒット作品に多々出演し、「モンスター/2003」ではオスカーもゲットした演技派美人女優。「ディアボロス/悪魔の扉」もスゴかったけど、この方の脱ぎっぷりには脱帽。
50代(1953年生まれ)のキム・ベイシンガー。何歳になっても“恋”が似合う女優て彼女の他にいるだろうか?思い浮かばない。
銀座で観たため会社帰りの男性が多くて、多くて...きっと皆シャーリーズ・セロン狙いだったに違いない。
美しい3世代の女性を中心に、壮大な景色もとても美しく、ギジェルモ・アリアガの世界を堪能した。
邦題の「あの日、欲望の大地で」はストレート過ぎて好きじゃない。
銀座テアトル・シネマにて
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by margot2005 | 2009-10-09 00:20 | MINI THEATER | Trackback(10) | Comments(0)