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「我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜」

「Les Amours d'Astrée et de Céladon」...aka「Romance of Astree and Celadon」 2007 フランス/イタリア/スペイン

巨匠エリック・ロメールが描く、5世紀、ローマ時代の純愛物語。
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製作、監督、脚本は「三重スパイ/2003」のエリック・ロメール。
セラドンにアンディ・ジレ。
アストレにステファニー・クレイヤンクール。
レオニードにセシル・カッセル。
ドルイド僧に「三重スパイ」のセルジュ・レンコ。
マダムにヴェロニク・レモン。

5世紀、ローマ時代のフランス。
羊飼いの少女アストレと青年セラドンは純粋な愛を育んでいた。互いの両親が不仲であるため、両親の手前二人は祭りの日に一緒に踊らなかった。ところが踊りの後セラドンとその相手が木陰でキスをしている様を目撃したアストレはセラドンの愛を疑う。セラドンは彼女とは本気ではないと釈明するが聞き入れないアストレ。アストレに拒絶されたセラドンは絶望し入水自殺を図る。
しかしニンフたちに助けられたセラドンは、彼女たちの住む城へ運ばれる。城のマダムはセラドンの美しさに目を奪われ彼を我がものにしようと城に閉じ込めるのだった。しかしニンフ、レオニードの助けを借りセラドンは城から脱出する...
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究極の純愛物語。世界で一番sex好きなフランス人がコレを観てどう感じるのだろう?とても知りたい!
物語は5世紀で、羊飼い(アストレやセラドンたち)やニンフ(精霊)の世界。時に彼らは歌いだす。優雅な古典ミュージックの調べを...
耽美の世界。田園風景の映像が美しくて、美しくてうっとりする。
セラドン役のアンディ・ジレはモデル出身だけあって身体も顔も美しい。劇中女装するシーンがあるが、彼なら絶対有名なドラッグ・クイーンになれるだろう。
昨年のフランス映画祭上映作品。観に行こうと思っていながらチケットを取りそこなって観れなかった。一般公開を待っていた。
原作は17世紀にオノレ・デュルフェが書いた小説“Astrée(アストレ)”。
原作の舞台はロワール地方。
オープニングで、“原作の場所は土地開発が進み、残された自然が少ないため、そこでの撮影は断念し、別の場所で撮影した。”という案内が出る。
ロワールは長年の夢だった憧れの地で数年前にシャトーを見に行った。駐車場にはヨーロッパ中の観光バスや車がいっぱい並んでいた。あれだけ観光客が集まるスポットのため、ホテルやレストラン、そしてプチ・シャトー物件の写真を飾る不動産屋まであったりして、フランスが誇る世界遺産スポットの一つであるロワールに、5世紀の景色は望めなかったのだろう。実際に撮影された場所はフランス中南部にあるオーヴェルニュ地方。

昨年の秋、渋谷で、過去のエリック・ロメール作品を一般上映していた。観に行きたかったが叶わず...しかしwowowとBSでロメール作品の放映があり、「パリところどころ/1965」「飛行士の妻/1980」「海辺のポーリーヌ/1983」「友だちの恋人/1987」「グレースと公爵/2001」を見る事が出来た。
「海辺のポーリーヌ」は以前見たことがあったが、他は初めて見る作品ばかりで、放映された全てを見れなかったのが悔やまれる。
「友だちの恋人」は80年代の映画なので少々古いタッチだが、中々素敵なラヴ・ドラマ。「グレースと公爵」は後のフランス革命に繋がる1790年のパリを舞台に、崩壊し始める貴族の姿を描いたドラマで、CGを使って描いたパリの姿がとても斬新だった。
エリック・ロメールはこの作品が最後と公言している。
エロティシズムだの、官能だのとコメントされているが、それほどでもなく、究極の純愛物語。
耽美の世界を堪能したが、これって万人受けする映画じゃないなとしみじみ感じる。
銀座テアトル・シネマにて...
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by margot2005 | 2009-01-30 00:28 | フランス | Trackback(3) | Comments(4)

「エレジー」

「Elegy」2008 USA

イザベル・コイシェが奏でる、ベン・キングズレー&ペネロペ・クルスによる“男と女の愛の物語”。
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コンスエラ・カスティーリョに「ノエル/2004」「ボルベール/帰郷/2006」「恋愛上手になるために/2007」のペネロペ・クルス。
デヴィッド・ケペシュに「ガンジー/1982」「シンドラーのリスト/1993」「砂と霧の家/2003」のベン・キングズレー。
キャロラインに「あぁ、結婚生活/2007」「幸せのレシピ/2007」のパトリシア・クラークソン。
ジョージに「イージー・ライダー/1969」「ハートに火をつけて/1989」のデニス・ホッパー。
デヴィッドの息子ケニーに「ニュースの天才/2003」「フライト・プラン/2005」のピーター・サースガード。
監督は「死ぬまでにしたい10のこと/2003」「パリ、ジュテーム/2006」のイザベル・コイシェ。
原作はフィリップ・ロスの“The Dying Animal”。

デヴィッド・ケペシュはTVやラジオに出演する名の知れた大学教授。老人の域に達する彼だが、かつての教え子キャロラインを愛人に持ちsexを謳歌する日々。ある日、彼の授業に現れたラティン美人に目を奪われるデヴィッド。彼女はスペイン系キューバ移民である富豪の娘コンスエラ・カスティーリョ。言葉巧みに30歳も年下のコンスエラを誘い出すデヴィッド。やがてデヴィッドは完璧に美しい肉体を持つコンスエラに夢中になって行く...
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シンプル、かつ下品に表現すれば、30才も若い、美しい娘の肉欲に溺れたエロ大学教授の恋物語。
しかし原作はアンソニー・ホプキンス主演の「ヒューマン・ステイン(白いカラス)/2003」を書いたピュリッツァー賞作家フィリップ・ロス。陳腐なストーリーであるワケがない。
劇中、デヴィッドの親友で詩人のジョージを、ピュリッツァー賞作家という設定で登場させているのは原作者の意図なのだろうか?
女性監督が描いたラヴ・ストーリーならではのメイク・ラヴのシーン...ベートーヴェンやバッハのピアノ曲が流れ、オペラもバックに使われている。ひたすら美しく、美しく描いている。
そして、何度か登場する恋人たちの海のシーンが哀しくも美しくて印象に残る。
「ガンジー」でオスカーをゲットしたベン・キングズレーって苦手な俳優だけど、名作に多々出演しているので、彼の映画はいっぱい観ている。例によって予告を何度も、何度も観て、なんとなく観たいなぁと思いシアターに行ってしまった。やはりシアターにはペネロペ映画には欠かせないojisamaたちがいた。
デヴィッドが“着衣のマハ”の絵をコンスエラに見せ“君に似ている”と言うシーンがある。ペネロペは映画「裸のマハ/1999」でも絵のモデルではなかったかな?
“裸のマハ”ポーズのトップレスのペネロペは同性から見てもとても、とても美しい!
恋愛=sexを信条に生きて来たデヴィッドはsex相手の女に嫉妬することなどなかった。しかし若いコンスエラに嫉妬心を燃やし、若い男と会ってないかと妄想する。それには老いた男の哀れさがにじみ出ていて悲しい。
パトリシア・クラークソン演じる、愛人のキャロライン。互いに干渉しないでsexだけで繋がっている間柄。しかしキャロラインも又、部屋に自分以外の女がいた証拠を見つけデヴィッドに詰め寄る。仕事に成功し、自由に生きている中年女性のキャロラインも又デヴィッドの影の女の存在に嫉妬している。
人間って“老い”を感じると、現在進行形のものが“最後の恋”と思い嫉妬深くなるのかも知れない。
シアターで観るのは、キアヌーの「スピード/1994」の爆弾男以来か?デニス・ホッパーが懐かしかった。
“老いて朽ちていく男と、病に冒されていく女...”予告で何度も語られたこのフレーズ。感情は肉欲に勝るラストが素敵。
日比谷シャンテ・シネにて...
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by margot2005 | 2009-01-27 22:44 | MINI THEATER | Trackback(14) | Comments(2)

「チェ 28歳の革命」

「Che: Part One」...aka「The Argentine」 2008 スペイン/フランス/USA

“かつて、本気で世界を変えようとした男がいた...。”
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エルネスト・チェ・ゲバラに「トラフィック/2000」「スナッチ/2000」「悲しみが乾くまで/2008」のベニチオ・デル・トロ。
フィデル・カストロに「ウェルカム!ヘヴン/2001」のデミアン・ビチル。
フィデルの弟ラウルに「300/2001」のロドリゴ・サントロ。
後にチェの妻となるアレイダ・マルチに「パリ、ジュテーム/2006」「コレラの時代の愛/2007」のカタリーナ・サンディノ・モレノ。
革命家カミロ・シエンフエゴスにサンティアゴ・カブレラ。
後にフィデル・カストロの個人秘書となるセリア・サンチェスにエルビラ・ミンゲス。
インタビューアー、リサ・ハワードに「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い/1994」のジュリア・オーモンド。
監督は「トラフィック」「オーシャンズ13/2007」のスティーヴン・ソダーバーグ。

1955年、メリシコ。アルゼンチン人の青年医師エルネスト・チェ・ゲバラは貧しいラティン・アメリカの人々救いたいという志を持っていた。彼はメキシコを放浪中、フィデル・カストロと運命的な出会いをする。キューバ革命を画策するカストロと意気投合したチェは武器を取りゲリラ作戦のリーダーとして立ち上がる...
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エルネスト・チェ・ゲバラは1964年キューバの代表として国連で演説を行った。そのシーンを絡めながら物語は進行する。
チェ・ゲバラと言えば帽子と、彼の顔がプリントされたTシャツが有名。ジャングルでゲリラ活動する彼はやはりあの帽子をかぶっている。
ベニチオ・デル・トロはお気に入り俳優の一人。チェ・ゲバラ役はとてもナイスだが、難をいえば40才の彼が28才を演じるには少々無理がある。
1/31から公開の「チェ 39歳 別れの手紙/2008」の彼は役とぴったりかと想像し俄然楽しみとなって来た。
ロバート・レッドフォードが製作総指揮し、ガエル・ガルシア・ベルナルが若きチェ・ゲバラを演じた「モーターサイクル・ダイアリーズ/2003」を思い浮かべた。ガエルよりベニチオの方がチェ・ゲバラ役は似合っているように思えるが、実際のチェ・ゲバラは以外に甘いマスクで、ベニチオ+ガエル÷2って感じかも?
革命家チェ・ゲバラ...ジョン・レノンが“あの頃、世界で一番かっこいい男だった”と語ったように、男が惚れる20世紀最大のカリスマ。
農民たちを傷つけてはならないと言う指揮官のチェ。チェに賛同しゲリラ活動に参加した男が女性をレイプした事実を知り、許しを請う間もなく射殺命令を下すチェ。ほんとかっこいい男だなぁと切に感じた。
チラシの解説に“医者であり、旅人であり、詩人であり、夫であり、父であり、そして人を愛する才能を持つ革命家。”と書かれている。
幼い頃からの持病であるぜんそくと闘いながら、ジャングルで農民のため医療活動を行ったチェ。字が読めない彼らに読み書きを教え、そして彼らを愛し救おうとした。
舞台はほぼ全編ゲリラ作戦のシーン。ちょっと飽きるかなぁと思いつつ観ていたが、かっこいいチェ(ベニチオ)の姿に酔ってしまった。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2009-01-25 01:01 | スペイン | Trackback(9) | Comments(4)

先行ロードショーで...「007/慰めの報酬」

「Quantum of Solace」2008 UK/USA
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ジェームズ・ボンドに「Jの悲劇/2004」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」のダニエル・クレイグ。
ドミニク・グリーンに「キングス&クイーン/2004」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」のマチュー・アマルリック。
カミーユに「パリ、ジュテーム/2006」のオルガ・キュリレンコ。
Mに「ヘンダーソン夫人の贈り物/2005」「あるスキャンダルの覚え書き/2006」「007/カジノ・ロワイヤル」のジュディ・デンチ。
CIAのフィリックス・レイターに「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「インベージョン/2007」のジェフリー・ライト。
ミスター・ホワイトに「007/カジノ・ロワイヤル」のイェスパー・クリステンセン。
フィールズにジェマ・アータートン。
監督は「主人公は僕だった/2006」「君のためなら千回でも/2007」のマーク・フォースター。
脚本には「クラッシュ/2004」「告発のとき/2007」のポール・ハギスも参加している。

何ものかの陰謀により愛する女性ヴェスパーを失ったジェームズ・ボンド。彼はヴェスパーを操っていたミスター・ホワイトを捕らえ尋問するうち、彼の背後には新たな悪の組織がある事を知る。早速、南米ハイチに向かったボンドはそこで謎の女性カミーユと出会う。そして彼女を通じて組織の幹部ドミニク・グリーンを知る事となる。彼は天然資源を手にして世界を支配しようとしていた...
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待ちきれなくて先行ロードショーを観にシネコンへ走った。
一番大きなシアターで上映だと思っていたが、2番目くらいに大きなシアター。で、入ってました007ファン。
一昨年の12月以来ほぼ一年ぶりに公開されたこのシリーズ。
物語的には少々盛り上がりにかけるが、でもでもなんてったってダニエル、ボンドがゴージャス!
彼のスーパー・アクションは堪能出来る。
かつてのボンド映画にはなくてはならない女&お酒。時代の流れなのだろうか?この作品ではお酒を飲む場面も少ないし、かつてのボンドは葉巻をくゆらしていたが、それももはや登場しない。女性との絡みのシーンは極端に減っている。以前のボンドは出会う女性とは必ずベッド・インをしていたものだが...
とにかくひたすら健全なジェームス・ボンド。しかし殺しにかけてはMに嫌みを言われるくらい殺しまくっている。まぁでも彼は“殺しのライセンス”を持つ男だから致し方ない。
ダニエル、ボンドになってからMとボンドの関係。しっかり者の母が無茶ばかりする息子を叱るように見えて...実際は互いになくてはならない人という二人の関係がスゴくいい。
今回も、身体を鍛えまくり、お酒も断ってスーパー・アクションに挑んだダニエルに拍手を送りたい!
前作ではコモ湖が美しかったが、本作は北イタリアのガルダ湖が素晴らしく美しく、一度行ってみたいスポットとなったことは間違いない...行ける、行けないは別として。
オープニングに以前イタリア大周遊旅行で訪れたシエナのカンポ広場が出て来て懐かしい限り。
マット・デイモンの“ボーン・シリーズ”同様、登場する舞台が楽しみな007シリーズ。
このシリーズ、ダニエル、ボンドも良いけどM役のジュディ・デンチがナイス!あんなカッコいいおばあちゃん世界中探してもいないだろうな?
マチュー・アマルリックはふてぶてしい笑い顔のワルが似合う、似合う。
007シリーズを観ていつも感心するのはワル役のキャスティング。どのシリーズのワル役も皆イケてるのだ。
ラストでヴェスパーの形見のペンダントを雪道に捨てるボンド。これは意味深だった。
日比谷シャンテで来月公開予定のダニエル・クレイグ作品「ディファイアンス」が楽しみとなった。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2009-01-22 01:08 | UK | Trackback(23) | Comments(10)

「アンダーカヴァー」

「We Own the Night 」2007 USA

ニューヨークを舞台に、ロシアン・マフィアと、警察官の闘いを描く犯罪サスペンス。
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ボビーに「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道/2005」「帰らない日々/2007」のホアキン・フェニックス。
ボビーの兄ジョゼフに「ディパーテッド/2006」「ザ・シューター/極大射程/2007」のマーク・ウォールバーグ。
ボビーの恋人アマダに「最後の恋のはじめ方/2005」のエバ・メンデス。
兄弟の父親バートに「サンキュー・スモーキング/2006」「ラッキー・ユー/2007」のロバート・デュヴァル。
監督、脚本は「リトル・オデッサ/1994」「裏切り者/2000」のジェームズ・グレイ。

1988年、ニューヨーク。
ロシアン・マフィアが経営するナイトクラブのマネージャー、ボビー。彼の父親はニューヨーク市警の警視で、兄もエリート警察官。しかしボビーはそんな二人には背を向けて生きていた。
ある夜、父親と兄は、仲間を裏切り、ナイトクラブに潜入捜査をするようボビーに持ちかける。やがてナイトクラブに乗り込んだジョゼフはボビーも含め従業員を一斉検挙するのだった...
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賢くてまともな兄に、やくざな弟。結末は読める展開で、よくあるハリウッド発の犯罪ドラマ。
ちょっとネタバレするが、絶対ボビーは最後に警察官になるだろうな?と思っていたら案の定だった。
アメリカ人にとって警察官は“ファミリー・ビジネス(世襲制)”となることが多いのだろうか?映画で観る限り、父親と息子が警察官という設定がやたら多い。
「帰らない日々」や「ザ・シューター/極大射程」「ラッキー・ユー」以前に製作された作品。少々地味目の犯罪ドラマなので今迄公開されなかったのかも知れない。
今年初めてDVDでもよかったかな?と思った1作。
ホアキン・フェニックスはやはり「グラディエーター/2000」のコモデゥスが最高だし、マーク・ウォールバーグも似たような役しかしなくて、出世作となった「ブギーナイツ/1997」や「パーフェクト・ストーム/2000」が懐かしい。
ロバート・デュヴァルはそろそろ80才というお年ながらいつまでも魅力的な俳優。
新宿ミラノ3にて...
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by margot2005 | 2009-01-19 22:41 | MINI THEATER | Trackback(5) | Comments(2)

「チェチェンへ アレクサンドラの旅」

「Aleksandra」 2007 ロシア/フランス 

“孫へのまなざし 平和への祈り”、アレクサンドラが見たチェチェン紛争とは...
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アレクサンドラにガリーナ・ヴィシネフスカヤ。
アレクサンドラの孫デニスにヴァシリー・シェフツォフ。
市場の女性マリカにライサ・ギチャエワ。
監督、脚本は「太陽/2005」のアレクサンドル・ソクーロフ。
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ある日、80才になるロシア人女性アレクサンドラは、チェチェン共和国、グロズヌイのロシア軍駐屯地に将校である孫のデニスを訪ねる。彼に会うのは7年ぶりのこと。デニスの案内で土埃の舞う荒野にある駐屯地を回ったアレクサンドラは、テントが並んだ個室で寝起きをする彼らの生活を知り、まるで少年のように見える兵士が大勢いることに驚くのだった。彼らのために買い物に出かけた市場で、アレクサンドラはロシア語を話すチェチェン人女性マリカと出会う...
まるでドキュメンタリーのような反戦映画。
著名なオペラ・シンガーで映画初出演のガリーナ・ヴィシネフスカヤが上手い!
いつもの事ながら前知識ゼロで観たので、アレクサンドラ役はてっきりロシアの女優だと思っていた。いやはや彼女の素晴らしい!演技に驚いてしまった。
“一人暮らしは淋しい!”と訴える祖母を孫が優しく抱きしめ、髪を結ってあげる姿にジーンと来る。デニスが駐屯地を何日も留守にするため、とうとう家に帰る事に決めたアレクサンドラ。寂しい表情でとぼとぼと歩く彼女が儚げだ。
“人を殺す”ことを仕事にする職業軍人デニスを心配するアレクサンドラ。どうする事も出来ない彼女が、なんとも言えないやるせない表情を見せる。演じるガリーナ・ヴィシネフスカヤがほんとに上手い。
少年に見えるほど若い兵士たちが銃を持ち、最前線を守る姿。アレクサンドラが市場で出会ったマリカに誘われ訪ねたのは戦火で崩れかけたアパート。長引く戦争に翻弄される人々の姿が哀し過ぎる。
アレクサンドラがデニスに促され一緒にタンク(戦車)に乗るシーン。それは映画ならではのシーンだけど、どう見ても本当の事のように、ドキュメンタリーに見えてしまう作品だった。
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連休中は映画三昧の日々で、これもその1本。上映時間ぎりぎりに飛び来んで、「反恋愛主義/2005」上映のシアターに行ってしまったりして...入った時には既に始まっていた。そういや「反恋愛主義」も走ったけど“既に本編上映中です。”って言われたっけ。
シアターは連休中ってこともあるのか?最終回かなりの入りだった。
渋谷ユーロスペースにて...
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by margot2005 | 2009-01-18 00:39 | スペイン | Trackback(1) | Comments(2)

「マルセイユの決着」

「Le Deuxième souffle」...aka「The Second Wind」2007 フランス
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ギュ(ギュスターヴ)に「ぼくの大切なともだち/2006」「画家と庭師とカンパーニュ/2007」のダニエル・オートゥイユ。
マヌーシュに「ダニエラという女/2005」「N-私とナポレオン(ナポレオンの愛人)/2006」のモニカ・ベルッチ。
ブロ警視に「仕立て屋の恋/1989」のミッシェル・ブラン。
ヴァンチュールに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「隠された記憶/2005」「ぼくを葬る/2005」のダニエル・デュヴァル。
オルロフに「ヴァンドーム広場/1998」のジャック・デュトロン。
アルバンに「クリクリのいた夏/1999」のエリック・カントナ。
アントワーヌに「情痴アヴァンチュール/」のニコラ・デュヴォシェル。
監督、脚本は「フォート・サガン/1984」のアラン・コルノー。
原作、台詞は「冒険者/1967」「ル・ジタン/1975」のジョゼ・ジョヴァンニ。

1960年代のパリ。大物ギャング、ギュが脱獄に成功しパリへ戻って来る。彼はかつての相棒の未亡人マヌーシュの元へと向かう。ギュはマヌーシュに説得され、彼女と共にマルセイユからイタリアへ国外逃亡を計画する。やがてマルセイユに現れた彼は、今後の資金作りのためヴァンチュールが仕切る金塊強奪に加わるのだった。そんな折、パリ市警のブロ警視もギュを執拗に追いかけていた...
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クラシックなドラマをクラシックなまま描いているのでとても古くさい。いつも映画を観てどの時代かとすぐ分るのは車...ギャングたちはバカでかいキャディラックやベントレーに乗っている。男はトレンチコートに帽子。女は毛皮のコートに、身体にぴったりのドレス(ボディコン?)。
マヌーシュの家や、ギャングたちの隠れ家の室内装飾。どれもこれもアジアンチック(とても安っぽそう)で、あの頃流行していたらしいアジアもの。
台詞はジョゼ・ジョヴァンニ版を使っているため、“マダム”と言うところを“女将”と言ったり、“ドンパチ”とか“はじき(ピストル)”等古い表現(字幕)になっている。邦題も“マルセイユのおとしまえ”と読ませている。
公開された渋谷のミニシアターは満員とまでは行かないが、連休中ってこともあり半分強くらいの入りだった。観に来ているのは中高年のカップルと若い男性がほとんど。若い女性は見かけなかった。映画はまるで深作欣二の“仁義無き戦い”を思わせる(深作映画観た事ないにも関わらず言わせていただいているが...)やくざ映画の世界。若い男性には“カッコいい!”世界に見えただろうか?
この作品は2004年4月に亡くなったジョゼ・ジョヴァンニに捧げられている。
「サムライ/1967」「仁義/1970」「リスボン特急/1972」のジャン・ピエール・メルヴィルが監督した「ギャング/1966」のリメイクで、66年度版のギャング、ギュ役はリノ・ヴァンチュラ。
チラシによると、ギャング、ギュを演じたダニエル・オートュイユは、原作者であるジョゼ・ジョヴァンニから“原作のイメージに近い”と称賛されたと書かれている。
でもやはりリノ・ヴァンチュラには適わないオートゥイユ。ヴァンチュラのクールさはオートゥイユにはない。
リノ・ヴァンチュラ版は過去に観た事があるが、かなり前なのでまた観てみたい!どこかで放映して欲しいものだ。
モニカ・ベルッチはギャングの情婦似合い過ぎ。
“ドンパチ”のシーンは少なく、長い台詞が多いドラマ。“仁義無き男の闘い”である“マルセイユの決着”。
原タイトル、直訳すれば”第二の風(傾向/動向)”が表しているように、解説に“時代から取り残されて行くギャングたちの生きざまが、美しくも哀しい”と書かれている。ギュの目がそれを物語っている。ギュのラストに目が離せない。
シアターN渋谷にて...
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by margot2005 | 2009-01-16 00:37 | フランス | Trackback(3) | Comments(2)

「ワールド・オブ・ライズ」

「Body of Lies 」 2008 USA

“誰も信用しない。誰も彼も欺く。”というTaglineのサスペンス・アクション。

CIAのスパイ、ロジャー・フェリスに「ブラッド・ダイヤモンド/2006」「ディパーテッド/2006」のレオナルド・ディカプリオ。
ロジャー・フェリスの上司エド・ホフマンに「プロヴァンスの贈りもの/2006」「アメリカン・ギャングスター/2007」のラッセル・クロウ。
ヨルダン情報局のハニ・サラームに「トリスタンとイゾルデ/2006」のマーク・ストロング。
看護師アイシャにイラン出身のゴルシフテ・ファラハニ。
監督は「グラディエーター/2000」のリドリー・スコット。
原作はデヴィッド・イグネイシャスの小説“ワールド・オブ・ライズ”。
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国際的テロ組織のリーダーを捕獲するためヨルダンに潜入したフェリス。ワシントンから電話で彼に指令を送る上司のホフマン。ホフマンの身勝手な指令に悪態をつきながら奔走するフェリス。そして彼はヨルダン情報局のハニ・サラームに会いに行く...

ハイテクを駆使するCIAに対して、アナログで立ち向かうテロリストたち。砂漠のど真ん中で4台の四輪駆動車を砂煙で巻いてしまう彼らの技は上手過ぎ。
ワシントンから中東にいるフェリスに指令を送るホフマン。時に子供を寝かしつけながら、または子供のサッカー試合を応援しながらとか、現実にCIAってあんなの?と思ってしまったけど...
テーマとしては又か?のハリウッド映画。でもフェリスとホフマンの掛け合いは面白いかも知れない。

2008年大晦日に観た昨年の〆映画のレビューを今頃...
大晦日の最終回だったのでシネコンのシアターはガラガラ。きっと観に来ている人皆暇人なのだろう?と思いつつ、私自身暇人ではなかったのだが足がついシアターに向いてしまった。
L・ディカプリオって「ディパーテッド」も「ブラッド・ダイアモンド」もコレも同じ顔...雰囲気というのかな?「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン/2002」のレオ君とってもナイスだったのに、最近のレオ君はダーティ言葉炸裂で顔が怖い。ケイト・ウインスレットがゴールデン・グローブをゲットした今月公開の「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで/2008」に期待したい!
相手役のラッセルはすっかり太っちゃって驚き!「グラディエーター」の彼は何処へ??
現地(危険な地域)で行動するCIA工作員&安全な地元ワシントンで指図するその上司。この二人、これが逆だったら又面白そう。まぁでもそれはあり得ないかな?
アラヴ人ハニ・サラームを演じたスーパー、ゴージャスUK俳優マーク・ストロング。しかし、髪があるとないとで違い過ぎ。カツラだったのかマーク・ストロング?
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2009-01-14 00:56 | USA | Trackback(11) | Comments(2)

「ラースと、その彼女」

「Lars and the Real Girl」 2007 USA

リアルドールにマジで恋をした青年と、彼を取り巻く人々の姿を描いたヒューマン・ドラマ。
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ラースに「きみに読む物語/2004」のライアン・ゴズリング。
ラースの兄ガスに「幸せのポートレート/2005」「ジェシー・ジェームズの暗殺/2007」の ポール・シュナイダー。
ガスの妻カリンに「マッチポイント/2005」のエミリー・モーティマー。
ダグマー・バーマン医師に「あぁ、結婚生活/2007」「幸せのレシピ/2007」のパトリシア・クラークソン。
監督はクレイグ・ギレスピー。

雪に埋もれた小さな田舎町。そこに暮らすラースは真面目で純粋で病的にシャイ。女の子に声をかけることすら出来ないそんなラースがとても気がかりな兄夫婦。
しかし、ある日彼は兄夫婦の家を訪ね、ガールフレンドを紹介したいと言い出す。やがて、喜ぶ兄夫婦の前に現れたのはビアンカと言う名のリアルドールだった...
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舞台となった田舎町の住人が全員善人という、最近のアメリカ(ハリウッド)映画では考えられない設定。この舞台が例えばN.Y.とかL.A.だったら、ラースは絶対“Freak(フリーク)!”とか言われちゃって変人扱いされそうだけど、そうではなくって...
予告を観た際、リアルドールのビアンカとどのような展開になるのだろうと?興味深かった。
池袋で観たせいもあるけど、シアター男性が多く、リアルドールに変に?期待した方が多かったのかも知れない。
「きみに読む物語」でとても素敵だったライアン・ゴズリング。彼が出演している、サンドラ・ブロックの「完全犯罪クラブ/2002」や、ユアン・マクレガーの「ステイ/2005」も観ているが、どうも彼の記憶が薄い。この作品でこれから彼の記憶は決して飛ばないだろうと思う。マジでリアルドールに恋する青年役を嫌み抜きで演じている。この役って演じる人によって随分と印象が変わるだろうなと思わずにいられない。
ダグマー・バーマン医師を演じたパトリシア・クラークソン。彼女はどんな役でも、いつもながらの素晴らしい存在感。この方ハリウッドの名脇役女優で大好きである。
相反してUK女優のエミリー・モーティマー。「Dear フランキー/2004」も「マッチ・ポイント」でも同じ彼女。違う役を演じても全く同じに見える。
心温まる一作と言いたいところだけど、私的にはそれほどでもなかったかな?
シネリーブル池袋にて...
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by margot2005 | 2009-01-12 01:06 | MINI THEATER | Trackback(7) | Comments(0)

「そして、私たちは愛に帰る」

「Auf der anderen Seite」...aka「On the Other Side /The Edge of Heaven」 2007 ドイツ/トルコ/イタリア

トルコとドイツを舞台に“愛と死”をテーマに、三組の親子が織りなすヒューマン・ドラマ。
カンヌ映画祭最優秀脚本賞/全キリスト教会賞受賞作品。
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ネジャットにバーキ・ダヴラク。
ネジャットの父親アリにトゥンジェル・クルティズ。
アイテンにヌルギュル・イェシルチャイ。
アイテンの母親イェテルにヌルセル・キョセ。
スザンヌに「愛と死の間(あいだ)で/1991」のハンナ・シグラ。
スザンヌの娘ロッテにパトリシア・ジオクロースカ。
監督、脚本に「愛より強く/2004」「太陽に恋して/2000」のファティ・アキン。


ドイツ、ブレーメンに住むアリは、ある日出会った娼婦イェテルを気に入り、一緒に住まないか?と持ちかける。ハンブルグの大学で講師をしている息子ネジャットは娼婦を家に連れ込んだ父親に嫌悪感を抱くが、稼いだお金をトルコに住む娘アイテンに送金しているイェテルに好感を抱く。やがて酔ったアリがイェテルに手をかけ死なせてしまう。
一方で政治活動に身を投じたアイテンはドイツに不法入国し母親探しを始める。お金がなく途方に暮れるアイテンに援助の手を差し伸べたのはドイツ人学生ロッテだった...
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ファティ・アキン映画は「太陽に恋して」「愛より強く」共に素晴らしいユーモアが楽しめる。しかしこの作品は全く違う。一組の父親と息子、二組の母親と娘の愛情をひたすら真面目に描いている。
三組の親子には密接な繋がりがあるが、それぞれが全くもってすれ違ってばかりで哀しい。
ネジャットがトルコに向かったのは、亡きイェテルの娘アイテンを探し学費の援助をしようとする事から始まる。しかしラストの、ラスト迄ネジャットはアイテンに逢えないまま。母親イェテルは娘に高等教育を受けさせるべく、娼婦にまで身を落として稼いだお金を送金していた。彼女は娘の現実の姿を知らないまま亡くなったので、逢えなかったネジャットもアイテンの実際の姿を知る事はなかった。映画を観ていて、ネジャットとアイテンが中々逢えない事にイライラする。が、しかし、観終わってこのドラマの中で二人は逢えないで良かったと思った。
トルコ、イスタンブールの空港で、ドイツからトルコに戻って来た一つの棺と、トルコからドイツに戻って行く一つの棺のシーン、そして、レストランで食事をするネジャットとスザンヌが“死”に乾杯するシーンはとても印象的。
トルコ移民が多いドイツ。ドイツ人学生ロッテは食べるものを買うお金もないアイテンに出会い彼女を助ける。やがて不法入国で本国に送還されたアイテンを追って自らトルコへと旅立つ。その娘の行動を母親スザンヌは理解出来ず批判するばかり。しかしラストでは全てを許し受け入れる彼女の姿に感動する。ちょっとウルウル来た。
父親を軽蔑していた息子ネジャットもラストでは彼を訪ねるべく車を走らす。それはスザンヌとの出会いにより、亡き母親の代わりに男手一人で育ててくれた父親の愛情を再認識したからに他ならない。
エンディング、ビーチにたたずみ、父親を待つ息子の背中に希望が見えるように思えた。
全キリスト協会賞を受賞しただけあって、“隣人愛”というのだろうか?人種を越え、宗教を越えた“愛”が描かれ素晴らしい!作品となっている。
俳優たちも皆素晴らしい!
例によって何度も、何度も予告を観て来たが、予告以上に素晴らしく、またまたマイベスト入りしそう。
シネスイッチ銀座にて...
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by margot2005 | 2009-01-10 20:47 | ドイツ | Trackback(14) | Comments(8)