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「美しすぎる母」

a0051234_19585380.jpg「Savage Grace」2007 スペイン/USA/フランス

実際に起こった事件を元にした禁断のクライム・ストーリー。

大富豪ブルックスの妻バーバラに「ブギー・ナイツ/1997」「シッピング・ニュース/2001」「アイム・ノット・ゼア/2007」のジュリアン・ムーア。
夫ブルックスに「GOAL!/ゴール!/2004」「ヘイヴン/堕ちた楽園/2005」のスティーヴン・ディレイン。
息子トニーに「グッド・シェパード/2006」「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2007」のエディ・レッドメイン。
スペイン人女性ブランカにエレナ・アナヤ。
「ジェイン・オースティンの読書会/2007」「いつか眠りにつく前に/2007」のヒュー・ダーシーがバーバラのゲイの友人役で出演している。
監督はトム・ケイリン。
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一代で財をなしたアメリカ人実業家のブルックス・ベークランド。
彼の妻となったバーバラは貧困の出であったが、美貌と持ち合わせた社交的な性格で上流階級を謳歌していた。
やがて一人息子トニーが生まれ、家族はその後パリに移住する。
そしてスペイン、バルセロナに移った頃トニーはハンサムな青年に成長していた。
ある日、トニーがビーチでスペイン女性のブランカと出会う。
母バーバラはトニーとブランカが結ばれるよう図るが、ブランカを愛したのは父親ブルックスだった..
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実の息子が母を殺すというとんでもない題材で、きっとドロドロした凄まじいストーリーかな?と観るのをためらっていたが、渋谷に行った際に観てきてしまった。
想像よりはドロドロしていなくて良かった。
“息子にとって母は最初の恋人。母にとって息子は最後の愛人。”と表現した女流作家(名前は出て来ない)がいたが素晴らしい表現だと感じる。まさにその通りだから...
映画のエンディングでトニーの末路が語られるがいやはやそうなって当然だろうの結末。

20代になっても母親を“マミー”と呼ぶ息子が“バーバラ”と呼んだその時、どのような感情を抱いていたのだろうか?
夫に捨てられた惨めなバーバラと、怠惰な生活をおくるゲイの息子トニーの組み合わせが、このような展開になってしまったのかも知れない。
上流志向の母親に嫌悪感を抱きながら、夫に捨てられた惨めな彼女を父親のように捨てる事が出来ないトニーが可哀相に思える。彼も父親に捨てられて傷ついていたのに...
夫は妻を簡単に捨てる事が出来るが、息子はそうはいかない哀れさを痛切に感じる。
10代前半頃のトニーにバーバラが“お金があると働かなくとも良いのよ。”と語るシーンにはぞっとする。
余りにも非現実的な出来事で、なんとも言いようがないが、仕事もしないで生活できるリッチな人も幸せはお金で買えないのだとしみじみ思う。
ジュリアン・ムーアってあまり好きな女優ではないが(しかし観ているこの方の映画...)、こういった情緒不安定な過激な女役はとても似合う。
パリ、バルセロナ(マヨルカ島)、パリ、そしてロンドンと住まいを変え、この夫婦の20代から40代の人生を描いたストーリー。
ブルックス役のスティーヴン・ディレインはきっちりと年月を物語る風貌に変化しているが、バーバラ役のジュリアン・ムーアは何年経っても全く同じでチョイ違和感。
ロンドン出身のUK俳優エディ・レッドメインはトニー役がとても似合う。
相変わらずの邦題で...“野蛮(残忍)な優美さ”という原タイトルはそのものズバリでgood。
Bunkamura ル・シネマにて...
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by margot2005 | 2008-07-21 20:38 | スペイン | Trackback(3) | Comments(2)

「近距離恋愛」

a0051234_0273294.jpg「Made of Honor」2008 USA/UK
適当にsexを楽しみながら独身生活を謳歌している男が、ある日突然女友だちにフィアンセを紹介され慌てふためくロマンティック・コメディ。

独身貴族のトムに「魔法にかけられて/2007」のパトリック・デンプシー。
大学以来のトムの友人ハンナに「M:i:III/2006」のミシェル・モナハン。
ハンナと出会う富豪のスコットランド人貴族コリンに「トレインスポッティング/1996」のケヴィン・マクキッド。
トムの父親に「フィクサー/2007」のシドニー・ポラック。
監督は「シティ・スリッカーズ2/黄金伝説を追え/1994」のポール・ウェイランド。

大学以来10年の友人関係にあるトムとハンナは互いに独身。
仕事でスコットランドへ行ったハンナは、そこで出会ったスコティッシュのコリンをニューヨークへ連れ帰りトムに紹介する。
しかし紹介されたコリンはハンナのフィアンセだった...
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「ロザンナのために/1996」を作った監督とはとても思えないし、ロマンティックというよりドタバタ・コメディの方が似合うかも?
解説などいらない。とにかく観て!観て!と言いたい。
フランス版コメディ「パリ、恋人たちの2日間/2007」とこの作品は今年度最高のコメディ映画としたい。
でもTOMATOMETERは12%なんて...
ストーリーは見え見えだが、文句なしに楽しめるハリウッド発ロマンティック・コメディ。
ストレスたまりまくりの昨今。パトリック・デンプシーに癒されたかも...
スコットランドの景色は絵葉書のように美しかったが、アメリカンとスコティッシュのバトルが大いに盛り上がり、久しぶりにシアターで大笑いした。
「パリ、恋人たちの2日間」のようにsexネタ満載ではないが、大人の会話が楽しめる。
撮影時41才のデンプシーはとても30才(設定)には見えないが頑張っている。
1998年は当時の大統領ビル・クリントンとモニカが“不適切な関係”だった事件があり、オープニングと、エンディングにビル&モニカのパロディが登場して最高に笑える。
日比谷みゆき座にて...
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by margot2005 | 2008-07-17 00:43 | USA | Trackback(13) | Comments(4)

「庭から昇ったロケット雲」

a0051234_21242863.jpg「The Astronaut Farmer 」2007 USA
亡くなった父親の意志を継ぎ、自作のロケットで宇宙を目指す男と、その家族が織りなすヒューマン・ドラマ。

チャーリーに「チョコレート/2001」のビリー・ボブ・ソーントン。
チャーリーの妻オーディに「サイドウェイ/2004」のヴァージニア・マドセン。
オーディの父ハルに「モンスター/2003」のブルース・ダーン。
息子シェパードにマックス・シエリオット。
監督、脚本はマイケル・ポーリッシュ。
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テキサスに住む農夫チャーリー。彼はNASAの宇宙飛行士訓練プログラムにも参加していたが、父親の急死によって農場を継ぐ事になる。
しかし宇宙へ行く夢を捨てられない彼は、農場でロケットを作り宇宙へ飛び立とうと考えるのだった...
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奇想天外なストーリーこの上ないが、アメリカ人ならではの発想で、打ち上げられるロケットが“THE DREAMER”という名前もアメリカらしい。
夢に生きる変な?夫、父親をサポートする妻&子供たちの存在。やはりこの映画、語りたかったのは“家族の愛”であろうか?
エンディングに流れるエルトン・ジョンのヒット曲“ロケット・マン”がとても似合う。
B.B.ソーントンと何作か共演しているブルース・ウイリスがノー・クレジットで出演。ブルース貫禄たっぷり!
癖のある役を演じればぴたりとハマるソーントンはさすが!
B.B.ソーントン作も多々あるが、印象に残るのは、監督、脚本、主演の「スリング・ブレイド/1996」を始めとして「シンプル・プラン/1998」「狂っちゃいないぜ/1999」や「バーバー/2001」「バンディッツ/2001」かな?
恐らく?とは思っていたが、シアター余りにもガラガラで驚いた。
しかし、この作品よくぞ公開されたなぁの一言。DVDスルーになりそうな映画だがB.B.ソーントンは日本でもお客を呼べる俳優なのかも知れない。
映画の宣伝に“感動のドラマ”と書かれているが、あまりにもあり得ない話で個人的には感動には至らなかった。
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毎週、毎週たくさんの映画が公開されるが、邦画の公開が圧倒的。邦画を観ないので、観る映画が限られて来る。
ユーロが高いからかどうか解らないが?どうもヨーロッパ映画の公開が少ない気がする。
3月にフランス映画際で上映された作品で一般公開されたのは「譜めくりの女/2006」
「屋敷女/2006」「バグズ・ワールド/2006」「水の中のつぼみ/2007」のみ。
公開された映画は「譜めくりの女」以外、どれもこれも出演陣がメジャーじゃない作品ばかし...やはりユーロのせいかも知れない。
映画祭のオープニング作品であった「ドーヴィルに消えた女/2006」は一般公開なしでDVDになるという記事を見た気がする。
もっと、もっとヨーロッパ映画を公開して欲しい!

日比谷シャンテ・シネにて...
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by margot2005 | 2008-07-10 21:41 | MINI THEATER | Trackback(6) | Comments(2)

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」

a0051234_22261516.jpg「Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull」2008 USA
19年ぶりに復活したインディアナ・ジョーンズのアクション・アドベンチャー。

インディアナ・ジョーンズにハリソン・フォード。
マリオンの息子マットに「ボビー/2006」のシャイア・ラブーフ。
ロシアの女諜報員イリアナに「エリザベス:ゴールデン・エイジ/2006」「アイム・ノット・ゼア/2006」のケイト・ブランシェット。
オクスリー教授に「エレファント・マン/1980」「ルワンダの涙/2005」のジョン・ハート。
インディの友人ジョージに「こわれゆく世界の中で2006/」「ディパーテッド/2006」レイ・ウィンストン。
インディの元恋人マリオンに「スターマン/愛・宇宙はるかに/1984」「イン・ザ・ベッドルーム/2001」のカレン・アレン。
監督は「E.T./1982」「SAYURI/2005」「ミュンヘン/2005」のスティーヴン・スピルバーグ。
製作総指揮、原案は「アメリカン・グラフティ/1973」のジョージ・ルーカス。
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1957年、考古学者のインディアナ・ジョーンズは、突然現れたマットと名乗る若者と“クリスタル・スカル”を求める旅に出る...
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思えば「スター・ウォーズ・帝国の逆襲/1980」以来ハリソン映画は全てシアターで観ている。シアターへ行かないでDVDで観た「ハリウッド的殺人事件/2003」と「ファイアー・ウオール/2006」はどちらもつまらない作品だった。
ハリソン・フォードと言えば“スター・ウオーズ・シリーズ”&“インディ・ジョーンズ・シリーズ”だが、「ブレード・ランナー/1982」や「刑事ジョン・ブック・目撃者/1985」「ワーキング・ガール/1988」「推定無罪/1990」「ランダム・ハーツ/1999」の彼も中々魅力的。
今回久方ぶりシアターでお目にかかったハリソン・フォードはちょっとお年を召して、もうこういった冒険物は無理なんじゃないかなぁと痛切に感じた。
インディと言えば振り回すムチがトレード・マークだが、以前のように振り回す体力はなかったかと思える。
“インディ・ジョーンズ”プラス“007”“ハムナプトラ”のノリで、ラスト近くは「未知との遭遇」や「ET」かと思えるシーン続出で...次作は作らないで!と3人にお願いしたい!
怪しいロシア人を演じたカメレオン女優ケイト・ブランシェットやオクスリー教授役の名優ジョン・ハートの存在がなければつまらない映画になっていたかと感じる。
オープニングに登場する“アメリカン・グラフティ”ばりのシーンはジョージ・ルーカスのアイデアかな?
アルゼンチン&ブラジルにまたがるイグアスの滝は迫力あったけど、あのシーンはあり得なさ過ぎ..まぁ娯楽映画として許しましょうか?
全体的にお子様向きで、アメリカやカナダの子供たちは“テーマ・パーク”の雰囲気で楽しめるのかも知れない。
池袋シネマ・サンシャインにて...
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by margot2005 | 2008-07-08 23:01 | USA | Trackback(8) | Comments(4)

「告発のとき」

a0051234_032392.jpg「In the Valley of Elah」2007 USA
イラク戦争から帰還した兵士が行方不明になり、彼を探すため奔走する父親の姿を描いたサスペンス・ドラマ。

元軍人の父親ハンクに「歌え!ロレッタ愛のために/1980」「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬/2005」のトミー・リー・ジョーンズ。
母親ジョアンに「魔法にかけられて/2007」のスーザン・サランドン。
刑事エミリーに「「ディアボロス・悪魔の扉/1997」「スタンドアップ/2005」のシャーリーズ・セロン。
息子マイクにジョナサン・タッカー。
カークランダー警部補に「スリーパーズ/1996」「迷宮のレンブラント/1997」のジェイソン・パトリック。
カーネリー軍曹に「トリスタンとイゾルデ/2006」のジェームス・フランコ。
チーフ ブシュワルドに「アメリカン・ギャングスター/2007」のジョッシュ・ブローリン。
監督、脚本は「クラッシュ/2004」のポール・ハギス。

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2004年11月、元軍人ハンクの元へ、息子マイクが行方不明だという知らせが入る。父親も、兄も軍人という家で育ったマイク。そんな息子マイクがイラクから帰還後、無断離隊なんてあり得ないと思った父親ハンクは、基地のあるニューメキシコ フォート・ラッドへ車を走らす。しかし、マイクと同じ隊にいた仲間に話を聞いても何もわからない。地元警察に駆け込んだが、話も聞いてもらえない始末。
やがて、地元モーテルに宿泊しているハンクは、マイクが焼死体で発見された事実を知らされる。
その後地元警察のエミリーがハンクに協力し、真相究明に立ち上がるのだった...
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原タイトルは旧約聖書のダビデとゴリアテが戦ったイスラエルの“エラの谷”。
ハンクがエミリーの息子デイビッドに語って聞かせるシーンに登場する。
映画の中に登場するアメリカ合衆国の星条旗が意味ありげで印象的。
監督が「クラッシュ」のポール・ハギスというのが興味深かったのと、出演者がとても豪華。
イラクへ派遣された兵士が帰還後に不幸に見舞われる。戦争によって精神がおかしくなってしまった若者の姿を描いているが、事実を元に映画化したという真実に衝撃を受ける。
余りにも、余りにも哀しい映画で観ていて辛くなる。
息子の死を解明しようと奔走する父親の姿が哀れ過ぎて...おまけにあの結末は哀し過ぎる。
戦場に行った息子を二人とも亡くした母親が“どちらか一人でも生きていて欲しかった!”と泣き崩れる姿は、息子を持つ同じ母親として胸に迫る。
父親を演じるトミー・リー・ジョーンズと、出番は少ないながらも母親を演じるスーザン・サランドンの演技が光る。
サランドンは「アルフィー/2004」の華やかなマダムや「魔法にかけられて」の魔女とは全く違った田舎の主婦役。この方もカメレオン女優かも知れない。
T.L.ジョーンズは終始顔をこわばらせながら、取り憑かれたように事件に関わっていく姿を熱演していてナイス!
シャーリーズ・セロンが演じる役って「スタンドアップ」もそうだったが、やはりあの美しさは男が放っておかないのか、これでも然りである。
彼女の一番素敵な作品は「ディアボロス・悪魔の扉」かな?
有楽座にて...
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by margot2005 | 2008-07-05 00:48 | MINI THEATER | Trackback(15) | Comments(4)