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「ゼア・ウイル・ビー・ブラッド」

a0051234_0395514.jpg「There Will Be Blood」2007 USA
石油発掘に成功し、富を得た男の欲望と裏切りを描いた壮絶な人間ドラマ。

主演の“オイルマン”ダニエルに「マイ・レフトフット/1989」でオスカーをゲットし、「ギャング・オブ・ニューヨーク/2001」でも強烈な印象が残るダニエル・デイ・ルイス。
カリスマ牧師イーライ(ポールと二役)に「リトル・ミス・サンシャイン/2006」のポール・ダノ。
ダニエルの息子H.Wにディロン・フレイジャー。
ダニエルの弟と名乗る男ヘンリーに「ハムナプトラ/失われた砂漠の都/1999」のケヴィン・J・オコナー。
ダニエルの仕事仲間フレッチャーに「マリア/2006」のキアラン・ハインズ。
監督、脚本は「ブギー・ナイツ/1997」のポール・トーマス・アンダーソン。
原作はアプトン・シンクレアの“Oil!”。
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19世紀の終わり、“金”で当てた男ダニエル(ルイス)は、20世紀になって石油を掘り出すことに成功する。
ある日、彼の元へポール(ダノ)という青年が現れ、石油が発掘できる土地を教えるから金を出せと訴える。
そこはポールと双子の兄弟イーライの家族が住む土地だった...
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マイケル・ウォールバーグの出世作となった「ブギー・ナイツ」と、アダム・サンドラー&エミリー・ワトソンの、ちょっと変わった趣のラヴ・ストーリー「パンチドランク・ラブ/2002」の監督P・T・アンダーソンって凄まじい映画を作るなぁの一言!
トム・クルーズが苦手なので「マグノリア/1999」は未見。しかしこの監督が作ったので“見てみよう!”リストに入れたいと思う。
P.T.アンダーソンの傑作と言う記事もあるが同感である。
2時間38分という長い映画だが、全編を通してスクリーンに釘付けにされてしまった。一時も息を抜けない...でも疲れるどころか観終わって大満足作品であったことよ!
久々でハリウッド映画万歳!の一作。
“There will be blood”は観て納得のタイトル。そのままの邦題で良かった。いつものように変な?邦題つけたら映画が台無しになってしまう。
“オイルマン” ダニエル役のD・D.ルイスはオスカーをゲットしただけあって、さすが!としか言いようがないカリスマっぽいバッド・ガイをすんばらしく演じている。
対するイーライ(ポール)役のポール・ダノも負けてはいない。この方変な?役似合うのだとても...
ダニエルの喋り(台詞)が多い。彼が喋っていない場面はバック・ミュージックががなり立てる。私的には少々うるさかったあの音楽...でもこの映画にはマッチしていたように思える。
ラスト近く、息子H.W.とダニエルのシーン...人間てあこまで残酷になれるのか?と...その冷酷なまでの侮蔑を含んだ台詞を放つD.D.ルイスって役者だなぁ!と絶賛してしまう。
D.D.ルイス以外に誰がこの役を演じられるかな?と想像しても誰も思い浮かばない。
彼を初めて知ったのは「眺めのいい部屋/1986」だったが、H.B.カーターと結ばれるジュリアン・サンズより出番がうーんと少なく余り印象に残らなかった。しかし次の「存在の耐えられない軽さ/1988」で彼のスゴイ存在を知る事になる。その後の活躍は語るまでもない。
この作品で又また彼のスゴさを知ってしまった。
日比谷シャンテ・シネにて...
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by margot2005 | 2008-04-29 01:08 | USA | Trackback(26) | Comments(6)

「さよなら。いつかわかること」

a0051234_23235620.jpg「Grace Is Gone」2007 USA
イラク戦争がもたらした悲劇に直面した家族のヒューマン・ドラマ。

主演のスタンレーに「グリフターズ/詐欺師たち/1999」「理想の恋人.com/2005」のジョン・キューザック。
スタンレーの娘ハイディにシェラン・オキーフ、ドーンにグレイシー・ベドナルジク。
スタンレーの弟ジョンに「GOAL!/ゴール!/2005」のアレッサンドロ・ニヴォラ。
「アルフィー/2004」のマリサ・トメイがプールの場面ワンシーンに出演している。
監督はジェームズ・C・ストラウス。
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シカゴのホーム・センターで働くスタンレー(キューザック)には愛する妻と二人の娘がいる。
彼女たちの母親グレースは陸軍軍曹でイラクに派遣されていた。
ある朝、スタンレーの元へ妻の戦死の知らせが届く。
母親が亡くなった事を娘ハイディ(オキーフ)、ドーン(ベドナルジク)に伝えられない彼は衝動的に三人で旅に出ようと言い出す。
スタンレーは母親の住む実家に立ち寄った後、ドーンが行きたいと言い出したフロリダの遊園地へと車を走らせるのだった...
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公開初日(最終回)にも関わらずシアターは十数人(数十人はいなかったと思う)...
某新聞の映画評には“妻の戦死 孤独を背負う夫”という見出しで“ことさら反戦を強調するわけではないが、不条理な死を前に、無言の祈りにも似た思いがじわじわと伝わってくる。”と書かれていた。
地味な、地味なインディペンデント系アメリカ映画である。日本でよくぞ公開されたなぁと思ってしまう。
主演のジョン・キューザックはお気に入り俳優の一人で、彼の父親役って初めて見たかもしれない。
多くの映画でナイス・ガイを演じて来た彼だが、ジョン・キューザックと言えば「グリフターズ」なので、この映画で彼はどんな父親を演じるのだろうかと興味深かった。
最初、この役にはちょっと違和感ありのキューザックかな?と思っていたけど、物語が進むに連れてキューザック パパの存在が確かになっていく。
ダブっとした作業パンツにジャンパーの、ダサイ格好がミスマッチのキューザックが頑張っているのだとっても...
生前のグレースも戦争の場面もいっさい出て来ない。
娘たちに母親の死を伝える事が出来ず、グレースの声で録音された留守番電話に訴えるスタンレーの姿にはジーンと来る。
ラスト近くの海のシーンは感動的。
最愛の妻を亡くした夫...娘たちに母親の死を告げられない気持ちは解るが、その喪失感を一人で我慢強く耐えるなんて中々出来る事ではない。でも、それは映画を観てスタンレーの立場を知れば理解出来るかと感じる。
この邦題相変わらずなんとかならないものだろうか?劇場でアンケートを配られ、その質問の中に“タイトルは如何でしたか?”なる質問があったが...“最悪”と書いてアンケート箱に入れた。ちょっとヒド過ぎこの邦題。
シネスイッチ銀座にて...
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by margot2005 | 2008-04-27 23:45 | MINI THEATER | Trackback(19) | Comments(6)

「ラフマニノフ ある愛の調べ」

「Lilacs」2007 ロシア
ラフマニノフと彼にまつわる三人の女性たちによる愛と憎悪のラヴ・ストーリー。

セルゲイ・ラフマニノフにエフゲニー・ツィガノフ。
後に彼の妻となる従姉のナターシャにビクトリア・トルガノヴァ。
セルゲイが出会う二人の女性アンナにヴィクトリヤ・イサコヴァ、マリアンナにミリアム・セホン。
監督はパーヴェル・ルンギン。

1918年ロシア革命によってアメリカに亡命したセルゲイ・ラフマニノフ(ツィガノフ)は、N.Y.カーネギーホールでのコンサートで絶賛を浴び、アメリカ国内を回るコンサート・ツアーの列車に乗る。
しかし新しい曲を一作も書けないセルゲイ。妻ナターシャ(トルガノヴァ)のサポートも空しく、彼は焦燥感をつのらせて行く...
1880年、日頃から争いの耐えなかった両親。後、一家は破産し、少年セルゲイはモスクワ音楽院のニコライ・ズヴェーレフ(アレクセイ・ペトレンコ)の家に寄宿しながらピアノを学び始める。
セルゲイは類いまれなるピアノ奏者であった。作曲を望む彼に、ピアノ演奏家でいればよいと諭すズヴェーレフ。やがて子弟関係にあるズヴェーレフとセルゲイは対立し始める...
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最近流行なのか?この作品でも時代は行き来し、子供時代、青年時代、そして現代...と移り変わって描かれている。まぁ疲れるほどめまぐるしい変化ではない。
タイトルである“ライラック”は映画の中で重要な役割を果たす綺麗な小道具。
ラフマニノフってとてつもなく凄い天才ピアニストだったらしい。
しかしただピアノを弾いているだけじゃ満足できないでしょうね?音楽家って?
セルゲイ・ラフマニノフを演じたエフゲニー・ツィガノフはロシア出身の俳優でまだ20代。
20代から40代を演じたがやはりちょっと若過ぎて、40代には見えなかったなどう見ても...
でも好み系の素敵な俳優。
史実に忠実に描くより芸術的に描いてあると言ったコメントがラストにあった。
セルゲイ・ラフマニノフの肖像画を探して見てみたが、中々ハンサム。
芸術的に描かれた本作は“もてる男ラフマニノフ”と言った所か...
さらっと(力まずに)観られて私的には良かったが、クラシック音楽ファンには少々物足りないかも知れない??
古典音楽には疎いのでラフマニノフがロシアの没落貴族出身で、ロシア革命の際、アメリカに亡命したことも知らず...彼ってL.A.で家族と暮らしていたんだと知った。
でもラフマニノフのプロフィールを知らなくとも彼のピアノ・コンチェルトのメロディーは知っている。余りにも有名だし...そういや持ち歩いているi Podにも入っているあのメロディー...
それは勿論映画のオープニングで流れる。
IMDbによると製作国はルクセンブルグとなっていてスペインでロケされた模様。
銀座テアトルシネマにて...
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by margot2005 | 2008-04-26 00:56 | スペイン | Trackback(11) | Comments(2)

「ジェイン・オースティンの読書会」

a0051234_0102113.jpg「The Jane Austen Book Club」2007 USA
アメリカの女性の間で流行っているという“読書会”。ジェイン・オースティンの6冊の本をテーマにした“読書会”で語り合う女性たちの素敵な群像劇。
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読書会の5人の女性に「コールド・マウンテン/2003」「美しい人/2005」のキャシー・ベイカー、「サンキュー・スモーキング/2006」のマリア・ベロ、「プラダを着た悪魔/2006」のエミリー・ブラント、「美しい人」のエイミー・ブレネマン、そしてマギー・グレイス。
読書会に参加する唯一の男性グリッグに「いつか眠りにつく前に/2007」のヒュー・ダーシー。
プルーディーのクレージーなママに「上海の伯爵夫人/2005」のリン・レッドグレイヴ。
「トランス・アメリカ/2005」のケヴィン・ゼガーズがプルーディーの教え子トレイを演じている。
監督、脚本はロビン・スウィコード。
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6回の結婚歴があるバーナデット(ベイカー)は、愛する犬を亡くしたばかりのブリーダーである親友ジョスリン(ベロ)を元気づけるため“ジェイン・オースティンの読書会”を開催しようと思い付く。オースティンの小説は彼女たちにとっての“人生の解毒剤”であった。
ジェイン・オースティンの書いた小説は“分別と多感”“高慢と偏見”“マンスフィールド・パーク”“エマ”“ノーサンガー僧院”“説得”の6冊。
離婚歴を誇るバーナデット。男より犬が好きな独身主義のジョスリン。夫と別居したばかりのシルヴィア(ブレネマン)。教師のプルーディー(アダムス)は趣味の合わない夫より、教え子トレイ(ゼガーズ)に心惹かれている。シルヴィアの娘アレグラ(グレイス)はレズビアン。
彼女たちはそれぞれに問題を抱かえていた...
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ジェイン・オースティンの本によって再生されていく女性たちを描く群像ドラマ。
オースティンを語る女性たち...彼女たちの人生はオースティンの小説のようには進まない。
彼女たちによって小説が語られる中、それらの登場人物が頻繁に出てくる。あぁ、もっと小説を読んでいれば、彼女たちの会話について行けるのにとちょっと後悔。過去に読んだのは“エマ”と“高慢と偏見”だけなので、この機会に俄然読みたくなったのは”説得”。
生真面目な女教師プルーディーが教え子トレイを語る際に、予告でも登場した“彼がスプーンで、私がアイスクリームのように感じるの。”という台詞スゴく理解出来るその気持ち。
最近ハリウッド(アメリカ)映画で見かけるようになったUK俳優のヒュー・ダーシーは爽やかな、爽やかな青年役が似合う。
5人の女性を演じた女優たち...皆さんとてもチャーミング。
「サンキュー・スモーキング」で主人公の友人役を演じたマリア・ベロ。彼女この作品では主役級で出演しており、とても素敵な女優である。
「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラントは、これでもぎすぎすしたイメージの役柄で、こういった役柄が定着してしまうのかな?と思ってしまう。
エンディングはやっぱりアメリカ映画で良い感じ。
日本では子供たち対象の“読書会”なら存在するけど、大人対象の読書会ってあるのだろうか?でもこの“読書会”って中々良いなぁ。
何度も、何度も予告を観ていたので公開されたら一番に観に行きたいと思っていたが...やっと観ることが出来た。
どこかに“ジェイン・オースティンの小説を知らなくとも楽しめる。”と書いてあったが、知らないより知っていた方がより楽しめるのは言うまでもない。
渋谷のBunkamura、今月より“火曜日割引”が出来、案の定スゴい人だった。それもほとんど女性...
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by margot2005 | 2008-04-25 00:53 | MINI THEATER | Trackback(17) | Comments(12)

「つぐない」

a0051234_19363183.jpg「Atonement」2007 UK/フランス
小説家を夢見る多感な少女のついた嘘により、運命に翻弄される若き恋人たちの姿を描く感動のヒューマン・ドラマ。
ロビーに「ラスト・キング・オブ・スコットランド/2006」のジェームズ・マカヴォイ。
セシーリアに「プライドと偏見/2005」「シルク/2007」のキーラ・ナイトレイ。
13才のブライオニーにシアーシャ・ローナン。
18才のブライオニーに「エンジェル/2007」のロモーラ・ガライ。
老年のブライオニーに「いつか眠りにつく前に/2007」のヴァネッサ・レッドグレイヴ。
ロビーの母親に「プライドと偏見」のブレンダン・ブレッシン。
監督も「プライドと偏見」のジョー・ライト。
脚本はクリストファー・ハンプトン。
原作はブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー小説“贖罪”。
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1935年、イングランド。広大な敷地に建つタリス家。次女のブライオニー(ローナン)は小説家になるのが夢で、一遍の戯曲を書き上げ帰省する兄と友人をその劇で歓迎しようと躍起になっている。一方で長女のセシーリア(ナイトレイ)は兄妹のように育った使用人の息子ロビー(マカヴォイ)を愛していると感じ始めていた。ブライオニーもまたロビーに淡い恋心を抱いていた。
しかしある出来事により嘘をついたブライオニーのせいでロビーは逮捕され、刑務所へ収監された後最前線へと送られてしまう...
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英国のブッカー賞を受賞したというベストセラー小説を読みたくなる。
映画でもストーリーは堪能出来るが小説には適うまい。
生キーラ・ナイトレイって気分屋のわがまま現代娘のイメージがあるのだが、一度スクリーンに姿を現すと時代物が似合う。端正な、以外にクラシックなイメージの顔のせいだろうか?
この作品はあれこれ語らずスクリーンに釘づけで大悲恋物語を堪能したい。
こういった映画を観ると、物語に入り込んでしまってラストを迎えても席を立つのが辛い...
物語を盛り上げているのはバックに流れる音楽の存在が大きい。おまけにあの屋敷、それを取り巻く庭...soooooooo beautiful!
オークションに賭けられたという記事もあったが、キーラの纏う緑のローブが素晴らしく美しい。
「ラスト・キング・オブ・スコットランド」でもアミン大統領に翻弄される青年医師役を素敵に演じていたが、ジェームス・マカヴォイって良い俳優だなぁ。
“ダンケルクの戦い”でも有名なフランスの港ダンケルクに集まった30数万人の英仏軍の兵士たち。ロビーが入ったバーで映画が上映されておりスクリーンに映し出される俳優(ジャン・ギャヴァン&ミシェル・モルガン)のキスシーンが画面一杯に広がる。そこにロビーの姿がかぶり...あの演出はニクいの一言。
18才のブライオニーを演じたロモーラ・ガライはキーラ演じるセシーリアよりもかなり若い設定なのだが、ロモーラ・ガライ(実年齢でも年上)が妹に見えなくてちょっぴりミスキャストかな?「エンジェル」のイメージが残っているからなおさらかも知れない。
この作品の出演者は英国人ばかり。ただ一人、少女ブライオニーに選ばれたアメリカンのシアーシャ・ローナン。空想の世界に生きる多感な少女役が似合っている。
日比谷シャンテにて...
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by margot2005 | 2008-04-22 21:06 | UK | Trackback(34) | Comments(2)

「大いなる陰謀」

a0051234_2311780.jpg「Lions for Lambs 」2007 USA
「スパイ・ゲーム/2001」「二重誘拐/2004」のロバート・レッドフォード。
「プラダを着た悪魔/2006」「いつか眠りにつく前に/2007」のメリル・ストリープ。
「M:i:III/2006」のトム・クルーズ。
三大ハリウッド俳優共演の戦争をテーマにしたヒューマン・ドラマ。
監督はロバート・レッドフォード。

「ザ・シューター/極大射程/2007」のマイケル・ペーニャ、と「輝く夜明けに向かって/2006」のデレク・ルークが志願兵を演じている。
大学生トッドにアンドリュー・ガーフィールド。
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ワシントンD.C.、次期大統領を狙うやり手の上院議員アーヴィング(クルーズ)はベテラン、ジャーナリストのジャニーン(ストリープ)を執務室に呼び自らの“対テロ戦争”の新作戦を主張する。
カリフォルニア大学の歴史学教授マレー(レッドフォード)は教え子トッド(ガーフィールド)を呼び出し、志願してアフガニスタンの戦場に行った二人の優秀な学生の話を語り始める。
アフガニスタンに送り込まれ、最前線で戦う志願兵アーネスト(ペーニャ)とアーリアン(ルーク)。二人はマレー教授の教え子であった。
同時刻に、ワシントンD.C.、カリフォルニア、アフガニスタンで行われ、語られる模様をシーンを変えながら進んで行く。
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マレー教授は、頭脳優秀なトッドに、講義にも出ずなぜ勉学に集中出来ないか詰問し、成績優秀で大学院にも入れるヒスパニック系のアーネストと、アフリカン・アメリカンのアーリアンが戦場行きを選んだ事実を語る。マレー教授は二人が志願兵となって最前線に行った事に苦悩していた。
上院議員とのインタビュー記事をオフィスに持ち帰ったジャニーンは、早く記事にしろと急かされるが、議員の話した事実が納得できず上司に抵抗する。
ジャニーンが家路(多分)へと急ぐ車の窓から眺める多くの戦没者が眠るアーリントン墓地。
彼女はどのような気持ちでこの風景を見ていたのだろうか?
何処までも続く白い墓標が映し出されるシーンは目に焼き付く。

マレー教授、ジャーナリストのジャニーン、大学生トッド。3人の心情は伝わって来るが、なにせ“戦争放棄”の国日本人にとってかなり他人事の話。さらにドキュメンタリーのように描かれ映画としてはちょっと面白くない。
ラスト、友人とTVニュースを見ているトッドの場面でいきなりエンディングを迎えるが、無気力、無関心を決め込んでいた彼は立ち上がる気持ちになったのだろうか?
このラストがこの映画の全てを語っているように思える。
スーパー級のハリウッド俳優を3人起用した作品ながら、アメリカ本国でもあまり支援されなかった模様TOMATOMETERは27%
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ロバート・レッドフォードは大好きな俳優であり、素晴らしい監督であるが、これはちょっと頂けなかった。彼の作る世界は「リバー・ランズ・スルー・イット/1992」を始めとして、とても映像が美しく、物語も素晴らしく引き込まれる作品ばかり。
これはちょっとばかしレッドフォードらしくない映画だなぁと私的に感じてしまう。
俳優人...タカ派の上院議員役トム・クルーズはぴったりの役柄。
要介護の母親を抱えた57才のジャニーン役ストリープもそのものズバリの適役。
レッドフォードはどんな役を演じても素晴らしい俳優。彼って現実でも説得力ありそう。
レッドフォードが出演した「大統領の陰謀/1976」を思い出したかのような邦題...映画の中で“ウオーターゲート事件”の話が登場する。原題“Lions for Lambs ”の意味合いはマレー教授がトッドに話して聞かせる場面で理解出来る。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2008-04-19 23:30 | USA | Trackback(34) | Comments(6)

「フィクサー」

a0051234_2337041.jpg「Michael Clayton」2007 USA
原題となっている主人公マイケル・クレイトンに「シリアナ/2005」「オーシャンズ13/2007」のジョージ・クルーニー。
マイケルの同僚である弁護士アーサーに「イン・ザ・ベッドルーム/2001」「理想の女/2004」のトム・ウイルキンソン。
相手方の弁護士カレンに「ビーチ/1999」「ブロークン・フラワーズ/2005」のティルダ・スウィントン。
マイケルの上司マーティに監督であり、プロデューサーであり俳優としても活躍しているシドニー・ポラック。彼の監督作品はハリソン・フォードの「ランダム/ハーツ/1999」がgood。
監督は”ジェイソン・ボーン シリーズ”の脚本家トニー・ギルロイ。

弁護士事務所に所属する“フィクサー(もみ消し屋)”が直面する苦悩を描く社会派サスペンス・ドラマ。

NYの大手法律事務所ケナー・バック&レディーンに所属するマイケル(クルーニー)は妻と離別した後も息子ヘンリー(オースティン・ウィリアムズ)とは会わずにいられない日々。おまけにワケありで8万ドルもの借金を抱かえている惨めな私生活...
15年働いた弁護士事務所で、未だパートナーにも登用されず、“もみ消し屋”ではなく元の弁護士に戻りたいと願うが、それも叶わない。
ある日、巨大農薬会社U・ノース社の弁護を担当していた同僚のアーサー(ウイルキンソン)が、原告と協議の最中精神に異常をきたし突然ストリップを始めクライアントを困惑させてしまう。アーサーの事態もみ消しに向かうマイケル。やがて彼はアーサーがU・ノース社を敗北させるであろう決定的な証拠を掴んでいた事を知る。
一方で、U・ノース社に雇われた敏腕女弁護士カレン(スウィントン)も又この緊急事態に対して行動を起こし始めるのだった...
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今年度のオスカーをゲットした作品たち...「ノー・カントリー/2007」は観たいなぁと思っていたが、著名な週刊誌の映画評欄に“同じコーエン作品としては「ファーゴ/1996」には適わない”の記事を読んでしまい観に行くのを躊躇してしまった。やはり「ファーゴ」なのね?「ファーゴ」は私的トップ10に入るヴァイオレンス・サスペンスであるもの...
「つぐない/2007」も観たいなぁと思いつつ、まずこの作品を観て来た。
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余りにも期待したせいなのか?予告が上手く作られていたのか?ジョージ・クルーニーとオスカーに輝いたティルダ・スウィントンの対決(絡み)が思ったより少なく消化不良気味で残念。
サスペンス・ストーリーなのだが、少々盛り上がりに欠ける。
俳優人はクルーニーもgoodだったが、UK出身のティルダ・スウィントンはオーラのある女優でファンになった。「バニラ・スカイ/2001」「アダプテーション/2002」「ブロークン・フラワーズ」「コンスタンティン/2005」と観て来たが、この中で印象に残る彼女の作品って??一見地味な雰囲気の女優なので、どの作品の彼女も印象が薄い。でもこの作品で女優ティルダ・スウィントンは脳裏に刻まれた気がする。
脇役ながらいつもきらりと光る(oyajiなのだが)トム・ウイルキンソンもナイスである。
しかし、しかし出番が少ないにも関わらずティルダ・スウィントンの存在は確かで素晴らしい女優である。この後の彼女の出演作品が楽しみとなって来た。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2008-04-18 23:55 | USA | Trackback(16) | Comments(4)

日本の春...

ちょっと新潟へ...そしてそこは桜が満開だった。
上2ショットは長岡市の悠久山公園、下ショット全ては高田市、高田公園の桜。
高田公園は4000本植栽されている桜が満開!
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by margot2005 | 2008-04-17 23:29 | TRIP | Trackback | Comments(4)

「プリンセス・アンド・ウォリアー」

a0051234_21231954.jpg「Der Krieger und die Kaiserin」...aka「The Warrior and the Empress」 2000 ドイツ
交通事故により出会った二人が、後に起こる銀行強盗事件で又も遭遇するサスペンス風ラヴ・ストーリー。
ヒロイン シシーにマット・デイモンの“ジェイソン・ボーン”シリーズ2作で、マットの恋人を演じたドイツ女優「ラン・ローラ・ラン/1998」のフランカ・ポテンテ。
ヒロインと出会う男ボドに「美しき家、わたしのイタリア/2003」「戦場のアリア/2006」のベンノ・フユルマン。
監督、脚本、音楽は「ラン・ローラ・ラン」「パリ、ジュテーム/2006」「パフューム ある人殺しの物語/2006」のトム・ティクヴァ。
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ある日、精神病院の看護師シシー(ポテンテ)は自動車事故にあい車の下敷きとなる。彼女に救命措置を施し病院へ運んだのはボド(フユルマン )という男だった。
“奇跡的な回復だ!”と医者にも言われたシシーは退院後住まいのある精神病院へと帰って行く。
しかし自分を助けた男を夢にまで見るシシーは、その男を探し求めついに彼を見つけ出す。
彼の家へ押し掛け”又逢いたかったの!”と言うシシーに“何の用があって来た?帰れ!”と言う男。仕方なしに帰るシシーだったが、大雨の夜、再び男の家へと向かう。
出迎えてくれたのは男の兄ウオルター(ヨアヒム・クロール)。
やがてウオルターは弟ボドの過去をシシーに語り始めるのだった...
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この映画タイトルは知っていたが未見で、今回やっと観る事が出来た。
ファンタジーではないのだが、何となく見ていてファンタジックな気分になる素敵なドイツ映画。
フランカ・ポテンテ&ベンノ・フユルマンの21世紀作品を先に見ているので、どちらも若い(ほんの数年前だけれど...)。
オープニングとエンディングに登場する海を望む素晴らしい景色はUKのコーンウォール地方で撮影されたスポットかと思える。
トム・ティクヴァはケイト・ブランシェット&ジョヴァンニ・リビシの「ヘヴン/2002」の監督でもある。「ヘヴン」もそれの世界に引き込まれた記憶があるが、これはそれ以上の世界に引き込まれる作品で私的にはスッゴく好みである。
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精神病院で生まれたヒロインのシシーは、その病院の看護師となり病院で暮らしている。
事故にあった時救命措置をしてくれた男ボド。彼は後にシシーの命の恩人となる。
病院を退院したシシーは住まいである精神病院に戻るが、ここは自分の住まいではないと気づく。“戦士と女帝(プリンセス)という原題...この映画でのプリンセス シシーにとってボドは現状から救い出してくれる戦士だったのかも知れない。
エンディングがマジでBeautiful!
日本未公開作品だがDVDになっている。
WOWOWにて...
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by margot2005 | 2008-04-09 23:00 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「ランジェ公爵夫人」

a0051234_21361327.jpg「Ne touchez pas la hache」...aka「Don't Touch the Axe」2007 フランス/イタリア

フランス映画お得意の大人の“恋の駆け引き”物語。

アントワネット・ド・ランジェ公爵夫人にジャンヌ・バリバール。
アルマン・モンリヴォー将軍に「ポーラX/1999」「天使の肌/2002」のギョーム・ドパルデュー。
ランジェ公爵夫人の相談相手となるヴィダム・ド・パミエにフランスの名優ミッシェル・ピコリ。
監督はエマニュエル・べアール主演の「美しき諍い女/1991」「Mの物語/2003」のジャック・リヴェット。
原作はフランスの文豪オノレ・ド・バルザック。
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19世紀初頭、パリ。ランジェ公爵夫人(バリバール)はとある舞踏会で出会ったナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍(ドパルデュー)に興味を持つ。
“明日私の家を訪ねて来て!”と言い放ち去って行く公爵夫人。次の夜、公爵夫人を訪ねたモンリヴォーは彼女に魅了され“恋人にしてみせる!”と誓うのだった...
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この変な?“斧には触れないで”という原題はモンリヴォーが公爵夫人に語るシーンに登場する。
映画もTVもネットもなかったあの時代、彼らは本を読むか、舞踏会で踊るか...後は恋をする以外する事がなかったのかも知れない。
コレを観てイザベル・アジャーニの「アドルフ(イザベル・アジャーニの 惑い)/2002」を思い出した。描かれた時代も同じである。
恋を仕掛けてきたアドルフに夢中になるエレオノールもやはり暇な伯爵夫人(正確には愛人)だった。
こちらは女ランジェ公爵夫人が、男モンリヴォー将軍に恋を仕掛けて行く。
モンリヴォーは公爵夫人を恋人にすると自ら誓うが適わない。公爵夫人にじらされ続け、やがて仕返しをするモンリヴォーだったが、とんでもない方向に発展してしまう。
時代が、時代なのでかなり辛気くさい物語だが、モンリヴォーが夜な夜な訪れる公爵夫人の家のサロン、彼女の私室、舞踏会が催される貴族の館etc.舞台劇のようにシーンが変わり、殆ど二人の会話で進んで行くストーリー展開は、まるでバルザックの本を1ページ、1ページ読んでいるかのような錯覚に陥ってしまった。
ランジェ公爵夫人役のジャンヌ・バリバールは凛とした雰囲気の持ち主でぴったりの役。彼女はサマンサ・モートン主演のハリウッド映画「CODE46/2003」に出演しているらしい。
若き日の父ジェラールに似てるなぁ!のギューム・ドパルデューも観る度に素晴らしい俳優になっていく。彼の涙...「天使の肌」でも泣いていたが、泣く演技好きなのかな??
“amour”の国フランスならではの恋のドラマ。ラストのモンリヴォーの行動にはあぜんとする...恋のためにはあこまでやるのか?スゴ過ぎである。
神保町 岩波ホールにて...
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by margot2005 | 2008-04-07 22:00 | フランス | Trackback(6) | Comments(6)