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「ぜんぶ、フィデルのせい」

a0051234_23501094.jpg「 La Faute à Fidel!」...aka「Blame It on Fidel! 」 2006 イタリア/フランス
ある日突然共産主義に目覚めた両親。彼らの姿を娘アンナの目から見つめたヒューマン・ドラマ。
アンナ役にニナ・ケルヴェル。
ママ マリーに「パリの確率」「恋は足手まとい/2005」のジュリー・ドパルデュー。
パパ フェルナンドに「息子の部屋/2001」のステファノ・アコルシ。
監督、脚本はジュリー・ガヴラス。
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1970年、パリ。スペイン貴族出身で弁護士のフェルナンド(アコルシ)と、マリー・クレールの記者マリー(ドパルデュー)は、娘アンナ(ケルヴェル)、息子フランソワ(バンジャマン・フイエ)と平和な日々を過ごしている。アンナはカトリック・スクールに通うお嬢様で、一家は庭付きの広い家に暮らしている。しかしスペインでフランコ独裁政権を相手に反政府運動を行っていたフェルナンドの伯父が亡くなる。その事をきっかけに、フェルナンドとマリーは共産主義に目覚め始める。それは=質素と、倹約で、広い家を捨て、家族は狭いアパルトマンへと引っ越すことになる。父フェルナンドの命により大好きな宗教の時間にも参加出来なくなってしまいふくれるアンナ。そして新しいアパルトマンにはヒゲヅラの男たちが夜な夜な集まりディスカッションの日々。余りにも変化した生活。アンナは両親に怒りをぶつけ始める...
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最初アンナに“ぜんぶ、フィデルのせい”と吹き込んだのはカストロ嫌いのギリシャ人家政婦。そして訳も解らずフィデルのせいにしてしまったアンナが可愛い。
アンナ役のニナ・ケルヴェルは終始膨れっ面で、笑顔は殆どなし。スゴイ勢いで喋りまくる姿には関心する。将来大物女優になりそう。
主演のニナちゃんあっての映画だと断言したい。
ある日突然、質素、倹約の生活に目覚め、同じ志を持つ人々と団結し始める両親。お嬢様として育った娘はカトリック・スクールでも変な?発言をし、友人も去っていってしまう。
それは9才の女の子にとって凄まじいショックな出来事だと感じるが、その姿を、ちょっとコメディ・タッチを入れながら上手く描いてあって面白い。
ママ役のジェラール・ドパルデューの娘ジュリーも素敵な女優で好きである。
パパ役のステファノ・アコルシはイタリア出身のイケメンでコレまたナイスな俳優。パパ役が実に似合っている。
一番下の写真はキューバの国家元首フィデル・カストロ。映画のチラシを手にしているが、この映画ご覧になったのだろうか?気になる...
東京は恵比寿のガーデン・シネマのみで上映。駅からひたすら歩くこの映画館は絶対観たい!と思う映画以外絶対観に行かない。年に1回行くか、行かないかのシアター。前回「マッチ・ポイント」を観た記憶がある。
寒空の最終回...昨年の秋から予告を観て観たい!と思っていた作品...やはり観に行って良かった。
最近、最終上映に映画を観る機会が圧倒的だが、最終回ってやはり空いていて狙い目かも?
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by margot2005 | 2008-01-31 00:11 | イタリア | Trackback(15) | Comments(9)

「マリア・カラス 最後の恋」

a0051234_20343110.jpg「Callas e Onassis」2005 イタリア/フランス
20世紀最高のディーヴァ マリア・カラスと、20世紀最大の海運王アリストテレス・オナシスの恋物語。
マリア・カラスにイタリアンのルイーザ・ラニエリ。アリストテレス・オナシス役はフランス人のジェラール・ダルモン。
ジョルジオ・カピターニが監督したTV映画。
台詞はイタリア語。

イタリア、ミラノで行われたオーディションに現れたマリア・カラス。審査員たちは、太った上、ステージでは見栄えしなさそうなカラスに最初は冷たい目を向けていたが、オーディションのステージで歌い終えたカラスに彼らは絶大なる拍手を送る。それほどカラスの歌は素晴らしかった。
後に夫となる実業家のバティスタ・メネギーニ(アウグスト・ズッキ)の目に留まり、カラスはディーヴァとなる。
ある日夫と共に、海運王アリストテレス・オナシスの豪華クルージングに招待され、互いに配偶者がありながら、やがて二人は恋に落ちて行く...
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映画を観終わって、ファニー・アルダンが晩年のマリア・カラスを演じた「永遠のマリア・カラス/2002」を思い出したが、アルダンの“マリア・カラス”の方が良かった気がする。
この作品を愛でるとしたら、あの時代(50〜60年代)、彼ら(セレヴ)のファッションやそれぞれの館、そして調度品...
マリア・カラス物語なのに、歌うシーンが余りにも少ない。彼女が拍手喝采を浴びる舞台が数回登場するだけ。もちろん中途半端なステージで、カラスのオペラ狙いで観に行った人は少々不満が残るかも知れない。
それにしてもオナシス所有のボート“クリスティーナ号”は、個人の船というより、客船といった方が似合う。それほどDekai!!
“クリスティーナ号”でモンテカルロを出発した後、ギリシャ、イスタンブールと巡る景色は美しい!!
ギリシャ移民でニューヨーク生まれのカラスと、やはりギリシャ移民のオナシスが急速に結ばれて行く過程や、後にJFKの未亡人ジャッキーと結婚する過程は、事実であるにも関わらず少々端折り過ぎで話に真実味がない。
オナシスとの結婚をあれほど熱望したカラスなのに愛人の域を出ず、一度もオナシス夫人と呼ばれる事はなかった。カラスを捨ててジャッキーとの結婚に至ったオナシスの心がとても理解出来ない。
上映シアターのシャンテ・シネは平日の最終回にも関わらず、ガラガラではなく席半分以上は埋まっており、マリア・カラス ファン集合??
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by margot2005 | 2008-01-29 20:45 | イタリア | Trackback(9) | Comments(6)

「そして、デブノーの森へ」

a0051234_2041686.jpg「Sotto falso nome 」...aka「Under a False Name」「Strange Crime」「Le Prix du désir」 2004 フランス/スイス/イタリア
主演の偉大なる作家ダニエルに「隠された記憶/2005」「N-私とナポレオン/2006」のダニエル・オートゥイユ。
彼と出会う謎の美女ミラにシャネルのモデル、アナ・ムグラリス。
ダニエルの妻ニコレッタに「フライト・プラン/2005」のグレタ・スカッキ。
ニコレッタの息子ファブリッツィオにジョルジョ・ルパーノ
ダニエルの友人ディヴィッドに「ミュンヘン/2005」のミシェル・ロンズデール。
監督、脚本はイタリア人のロベルト・アンド。

突然現れた謎の美女に人生を狂わされてしまう著名な作家の運命を描いた官能ドラマ。
昨年の夏に渋谷で公開された。観に行きたぃ!と思っていたが行けず...DVDで観る事が出来た。しかし早いなぁDVDになるの...と思いきや2004年作品で納得。
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ポーランド系ユダヤ人のダニエル(オートゥイユ)はセルジュ・ノヴァクというペンネームを持つ、世界的に著名なベストセラー作家。しかし彼の出生や生い立ちは謎に包まれていた。
ある日、ダニエルは義理の息子ファブリッツィオ(ルパーノ)の結婚式に向かうためイタリア、カプリへと向かう。フェリーに乗ったダニエルは、ミラ(ムグラリス)という謎の美女と出会う。
若い女が好きなダニエルはミラに心奪われ、ミラに誘惑されるがまま一夜を共にする。
そして妻ニコレッタ(スカッキ)が待つファブリッツィオの結婚式に現れたダニエルは、祭壇で結婚を誓うファブリッツィオに寄り添うブライドの顔を見て唖然とする。彼女は昨夜一夜を共にしたミラだった。
結婚式の後、ニコレッタ、ファブリッツィオ、ミラと揃った食卓でダニエルはミラがポーランド出身であることを知る。そこは彼の故郷でもあった。
ニコレッタより、ミラをアシスタントにしてはもらえないかと依頼される。断るダニエルだったが、結局ミラはダニエルの作業場に訪ねてくる。又してもミラの誘惑に負けてしまうダニエル。
同じユダヤ系ポーランド人で、イディッシュ語を話す事が出来るミラをもはや拒絶することは出来ないダニエルだった...
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ミステリアスな役を演じたアナ・ムグラリスは美しく、神秘的でぴったりの役だが、ダニエル・オートゥイユはこういった役よりコメディが似合う俳優。
ハリソン・フォードと共演した「推定無罪/1990」etc.ハリウッド映画に多々出演していたグレタ・スカッキはイタリア出身女優。彼女のヨーロッパ映画は初めて観た気がする。
ヨーロッパ出身でハリウッド女優と化した女優たちの多くは、出身国のヨーロッパ映画で素敵に見えるのだが、世界中に配給されるハリウッド映画に出演するってやはりメジャーになるためには必要不可欠なのかもしれない。
この映画の予告を観た時、中年の男と若くて美しい女のめくるめく官能の世界...のイメージがあった。単なるラヴ・ストーリーにダニエル・オートウィユが出演するなんて、と思っていたら、やはり単なるラヴ・ストーリーなんてものじゃない。
この映画を観て思い浮かべたのは、ジェレミー・アイアンズ&ジュリエット・ビノシュの「ダメージ/1992」かな?
中年男って若い女性に弱いのかな??のお決まりストーリー。
イタリア、カプリを始めとして、スイス、ジェネーヴ、レマン湖に建つ館や、ポーランド、クラコウで撮影された景色がBeautiful!
原タイトルはイタリア語で“偽名の下で”という意味。
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by margot2005 | 2008-01-26 23:33 | フランス | Trackback(3) | Comments(8)

「シルク」

a0051234_23401670.jpg「Silk」2007 カナダ/フランス/イタリア/UK/日本
19世紀、フランスから極東、日本へ渡った妻子ある男と、日本で出会った謎の美少女との運命的な純愛を描いたラヴ・ストーリー。
原作は「海の上のピアニスト/1999」のイタリア人小説家が書いた“Silk”。
主演のエルヴェに「ドリーマーズ/2003」のマイケル・ピット。エルヴェの妻エレーヌに「プライドと偏見/2005」のキーラ・ナイトレイ。
製糸工場のオーナー、バルダビューに「ダ・ヴィンチ・コード/2006」のアルフレッド・モリナ。繭の密売人、原十兵衛に「バベル/2006」の役所広司。少女に芦名星。マダム、ブランシェに中谷美紀。
監督、脚本はカナダ出身のフランソワ・ジラール。
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19世紀、フランス。戦争から帰って来たエルヴェ(ピット)はエレーヌ(ナイトレイ)と結婚する。愛し合う二人は幸せな新婚生活を送っていた。
その頃、彼らが住む村の製糸工場で蚕の疫病が発生する。
そこで製糸工場のオーナー、バルダビュー(モリナ)は、世界で一番美しい絹糸を吐く繭の卵を買い付けようとする。
そこは極東、日本であった。日本に行き、新鮮な繭を買い付ける使命を受けたのは他ならぬエルヴェだった。
フランスを出発し、ウイーンより列車でロシアに着いたエルヴェは、広大な雪原のシベリアから日本へとたどり着く。
そしてエルヴェは繭の密売人、原十兵衛(役所)に招かれた家で謎めいた美しい少女(芦名)に出会うのだった...
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仕事が忙しくなると(ストレス溜まるから...)映画が観たくなる現象が...他に観たい作品はあるのだが、ここのとこ寒いし...とりあえず最終上映時間がナイスだったのと、帰りが混まない沿線にあるシアターという理由でこの作品を期待しないで観に行った。
多分スローな、盛り上がりのない、退屈なドラマではなかろうか?と想像しながら...
しかしながら、以外や、映像の美しさと、坂本龍一musicに癒される作品だった。

新婚の美しい妻がいるにも関わらず、日本で出会った謎の美少女に一目惚れ(この表現がgoodだと思う)してしまう主人公エルヴェ。
純愛というのか、フィジカルな関係には至らないが...逆に純愛ほど怖いものはない。
男の身勝手な純愛で残された妻が哀し過ぎる...
再び日本に行こうとするエルヴェ...最後は自費でも行きたいと言うなんて、少女に逢いたいがためにである。男ってホント身勝手...
主演のマイケル・ピットはスゴくアメリカンのイメージだが、「ドリーマーズ」でもイタリア人監督に起用されており、彼ってヨーロッパ系に受けるのかな?
ただし、彼がフランス人というシチュエイションはちょっと違和感ありかな??
キーラ・ナイトレイは病弱で、ひたすら夫を待つ妻を演じているが全然似合わない。
繭の密売人Hara役の役所広司ってオーラある俳優で素晴らしい!
少女役の芦名星と、娼館のマダムを演じた中谷美紀はそれなりに良かった気がする。
ワーナー・マイカルにて...
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by margot2005 | 2008-01-25 01:10 | フランス | Trackback(24) | Comments(4)

「ゼロ時間の謎」

a0051234_1155758.jpg「L' Heure zéro」...aka「Towards Zero 」2007 フランス
「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵/2005」に続く、同じくクリスティの推理小説「ゼロ時間へ/Towards Zero」のフランス版。
主人公ギョームに「ぼくを葬る/2005」のメルヴィル・プポー。
ギョームの叔母カミーラに「8人の女たち/2002」のダニエル・ダリュー。
ギョームの元妻オードに「ラクダと針の穴/2003」のキアラ・マストロヤンニ。
そしてギョームの若き妻カロリーヌにローラ・スメット。
監督は「アガサ・クリスティーの奥様は名探偵」のパスカル・トマ。
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老女カミーラ(ダリュー)が使用人たちと暮らしている、ブルゴーニュの美しい海岸に建つ別荘“かもめ荘”。
ある日、カミーラの甥でテニス・プレーヤーのギョーム(プポー)が新しい、若い妻キャロリーヌ(スメット)を伴ってやって来る。これは毎夏の行事だった。
そして今年は元妻オード(マストロヤンニ)も来る事になっていた。
キャロリーヌはやって来たオードに対して不快感を表す。
キャロリーヌとオードの間で揺れ動くギョーム。そこへキャロリーヌの友人で、遊び人のフレッド(ザヴィエ・ティアム)が姿を現す。一方でカミーラの使用人マリー・アドリーヌ(アレサンドラ・マルティネス)はやはり招待客のトマ(クレマン・トマ)を迎えに車を走らす。かつてオードに恋したトマもカミーラの親戚だった。
やがてカミーラの惨殺死体をメイドが発見する...
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今年初のフランス映画。
「アガサ・クリスティーの奥さまは名探偵」のレビューにも書いたが、クリスティは大好きな推理小説家で、過去にかなりの作品を読んだ。これもおそらく読んだはず...しかし記憶は彼方へ飛んでいる。
謎解きドラマでフランス語っていうのはキツいかなぁ?と思いながら観た。なにせ字幕に没頭しなくてはストーリーは理解出来ないし...おまけにクリスティの描く推理小説って登場人物が結構多い。でもでもコレに関しては登場人物はそれほど多くはなく、ページが戻せない映画でも、フランス語でもなんとか付いて行く事が出来て面白かった。
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二人の女の間で、それぞれに愛情を表現してやまないメルヴィル・プポーは女性の扱い上手いなぁ(映画の中でだが...)。
キアラ・マストロヤンニは観るたびに素敵な女優になっていく。
母(カトリーヌ・ドヌーヴ)のような妖艶さはないけど、マザーよりしっとりとした雰囲気はナイス。しかしこの方父(マルチェロ・マストロヤンニ)にクリソツ。
ローラ・スメットは初めて観たが、彼女もやはり父ジョニー・アリディー似。
21世紀になってまだまだ頑張ってる往年の美人女優ダニエル・ダリューに拍手を送りたい!
この映画を観にBunkamuraに来るobsamaたちってダニエル・ダリュー・ファンかも??
フランスのほぼ最西端に位置するブルゴーニュ地方ブリタニーで撮影された景色が素晴らしく美しい!
obasama御用達(ここはホント観る人の年齢層高い=特に平日昼間...)渋谷Bunkamuraにて...
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by margot2005 | 2008-01-17 01:30 | フランス | Trackback(8) | Comments(6)

「ジェシー・ジェームズの暗殺」

a0051234_20274715.jpg「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford 」 2007 USA
19世紀、西部開拓時代に生きたアウトロー、ジェシー・ジェイムズと、彼を暗殺した若者ロバート・フォードの物語。
ジェシー・ジェイムズに「バベル/2006」のブラッド・ピット。
彼に憧れ、最後はジェシー暗殺犯人となるロバート・フォードに「オーシャンズ13/2007」のケーシー・アフレック。
ジェシーの兄フランクに「アメリカ,家族のいる風景/2005」のサム・シェパード。
「フライド・グリーン・トマト/1991」のメアリー・ルイーズ・パーカーがジェシーの妻ジーを演じている。
監督、脚本はアンドリュー・ドミニク。
長ったらしい原タイトル...ロバート・フォードの前に“臆病な(勇気のない)”と付いているのがニクい。
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1881年、アメリカ、ミズーリ州。
南北戦争から戻って以来、15年もの間、兄フランク(シェパード)を始めとした仲間と共に、銀行や、列車強盗を重ねてきたジェシー(ピット)は34才になっていた。
長い逃亡生活に疲れた彼はフランクと共に最後の列車強盗を計画していた。
ある日、フランクの元へロバート(アフレック)という青年が現れ仲間に入れて欲しいと懇願する。ロバートは19才。フランクに軽くあしらわれたロバートは、めげずにジェシーに仲間に入れて欲しいと頼んだところ、ジェシーの答えは”Yes!”だった。
ジェシーはロバートが幼い頃から憧れる、彼の中でのヒーロー...しかし、仲間になったロバートはその後思いもよらぬ運命に翻弄されていくのだった...
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アメリカ人にとっては伝説のヒーローで、ロビン・フッドのように例えられることもあるようだが、日本人=アジア人(ヨーロッパで彼は知られているのだろうか??)にとっては殆ど知らない人に属し...映画に描かれたジェシー・ジェイムズ...なぜに?ヒーローなの?と軽い疑問...
2001年にコリン・ファレルがジェシー・ジェイムズを演じた「アメリカン・アウトロー」という作品がある。これでのジェシーは農民たちのヒーローとして描かれていて中々かっこ良かった。
しかし、ブラッド・ピットが演じた本作は、15年もの間強盗を繰り返した後、34才になったジェシーが名前を変え、職業を偽って逃亡する日々を描いている。
なのでかっこ良いジェシーは登場しない。疲れ果てたジェシーだけ...
いつ仲間に裏切られるのか?いつ暗殺されるか?と心配の日々を送るジェシー晩年の姿を描いた世界なので、ストーリー展開ははっきり言ってつまらない...それとだが、2時間40分の上映時間は長過ぎる...
“描かれるのは英雄の偶像ではなく実像だ。”と某新聞の映画解説欄に書いてあったのも頷ける。
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ヴェネチア国際映画祭(2007)で主演男優賞をゲットしたブラッド・ピット。
罪も無い少年を羽交い締めにして脅したり、自分に嘘をついていると直感した相手に、背後から容赦なく銃を向け殺してしまう。
そんな情け容赦ない極悪人を演じるブラッド・ピットも中々good。
ブラッド・ピット狙いで観る映画ではない。連休中、レイトショーではあったが、女性客は殆どいなく、oyajiのみ...
ロバートを演じるケーシー・アフレックの苦悩する姿が真に迫る。
「フライド・グリーン・トマト」のイジー役もナイスだったが、メアリー・ルイーズ・パーカーって時代物似合う。
ブラッド・ピットはミズーリ州で育ったらしい...この映画の舞台となったミズーリは、彼にとって庭みたいなものかと想像したが、撮影場所はカナダ、アルバータ州。
池袋シネマ・サンシャインにて...
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by margot2005 | 2008-01-15 23:18 | USA | Trackback(22) | Comments(4)

「街のあかり」

「Laitakaupungin valot」...aka「Lights in the Dusk」 2006 フィンランド/ドイツ/フランス
監督、脚本はフィンランドを代表するアキ・カウリスマキ。
主人公コイスティネンにヤンネ・フーティアイネン。マフィアの女ミルヤにマリア・ヤンヴェンヘルミ。ソーセージ屋の女アイラにマリア・ヘイスカネン。
鬼才と呼ばれる監督のアキ・カウリスマキだが彼の映画は初めて観た。フィンランド映画も初観かもしれない?
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舞台はフィンランドの首都ヘルシンキ。
ショッピングセンターで夜警の仕事をするコイスティネン(フーティアイネン)には友人も恋人もいない。彼は同僚にも疎まれ寂しい人生を送っている。
パブで女に声をかけようとしても、回りの男にゴミのように扱われる始末。
仕事を終え、アイラ(ヘイスカネン)が店を構える海辺のソーセージ屋に立ち寄る事だけが心のよりどころ。
ある日コーヒー・ショップで謎の美人に声をかけられる。彼女はマフィアの女ミルヤ(ヤンヴェンヘルミ)。ミルヤに恋してしまったコイスティネンは彼女に利用されているとも知らず、夜警の仕事をするショッピング・センターの宝石店へ案内し、宝石泥棒の濡れ衣を着せられてしまうのだった...
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コイスティネン役のヤンネ・フーティアイネンは若き日のハリウッド俳優アレック・ボールドウイン似のハンサム・ガイ。
物語の中では殆ど喋らず淡々と演じているのが哀しくも笑える。
救いようの無い負け犬男の物語だが、ラストに少々希望が見えるのが救いかも知れない。
これって“アキ・カウリスマキの世界”なのだろうか?彼の作品を初めて観たのでちょっと戸惑った。何とも言えない独特の雰囲気。
北欧フィンランドの寒々とした景色に、寒々とした主人公の姿。コレが絶妙に、素敵にマッチしている。
マフィアの女ミルヤを演じたマリア・ヤンヴェンヘルミもクール・ビューテイで感情を表さず淡々と演じている。
渋谷ユーロスペース25周年記念、監督アキ・カウリスマキ生誕50周年記念作品として7月に一般公開された。
先週、池袋の文芸座で再び公開されていたようだがやはり行けなくて、最終的にDVDで観た作品。
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by margot2005 | 2008-01-13 21:32 | スペイン | Trackback(5) | Comments(8)

今年初の試写会にて...「ヒトラーの贋札」

a0051234_2318583.jpg「Die Fälscher」...aka「The Counterfeiters 」 2007 オーストリア/ドイツ
主演のサリー(サイモン・ゾロビッチ)にオーストリア出身のカール・マルコヴィクス。
原作者でもある印刷技師のアドルフ・ブルガーに「青い棘/2004」のアウグスト・ディール。
ナチスの“ベルンハルト作戦”隊長フリードリヒ・ヘルツォークに「厨房で逢いましょう/2006」「イェラ/2007」のデーヴィト・シュトリーゾフ。
監督、脚本はオーストリア出身のステファン・ルツォヴィツキー。
原作はアドルフ・ブルガーの「Die Fälscher/ヒトラーの贋札 悪魔の工房」。
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1945年、大金を携えたサリー(カール・マルコヴィクス)はモンテカルロのオテル・ド・パリにチェック・インする。
カジノに現れテーブルに付いたサリーは自らの過酷な過去に思いを巡らし始める...
1936年のある朝、ユダヤ人である贋札作りの名人サリーはナチスのフリードリヒ・ヘルツォーク(シュトリーゾフ)に連行される。
ザクセンハウゼン強制収容所送りとなったサリーはそこで“ベルンハルト作戦”に加わることになる。それは 第二次世界大戦中、イギリスの経済を混乱に陥れるため精巧な贋ポンド札の製造を計画するナチスの作戦だった。
贋札作りの名人サリーや印刷技師ブルガー(ディール)を始めとした技術に長けたものが集められ、収容所内に設けられた秘密の作業場へ連れて行かれる。そこで彼らは他の収容者とは破格の待遇を受ける事になる。しかしその代償は贋札作りであった。
贋のポンド札が大成功し、隊長のヘルツォークは、次に精巧なる贋のドル紙幣を作れとサリーたちに命じる.
しかしそれはナチスに加担することとなり、ブルガーは贋ドル札を作ってはならないとサリーに詰め寄るのだった...
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この映画は収容所で生き残ったアドルフ・ブルガーが書いた小説に少々味を付けて描いているらしい。
過去に数々の“ホロコーストもの”を観て来たが、それはあくまでも映画やTVで作られた世界であって、この作品も含めきっと現実はもっと、もっと過酷であったであろうかと感じざるを得ない。
この作品でも主人公のサリーがトイレ掃除をしている最中、いきなり入って来た隊員が“そのまま仕事を続けろ!”と言い放ち、“ユダのクソやろう!”というような意味の言葉を発し、彼に放尿するシーンがある。
ユダヤ人がキライで、キライでならなかったヒトラーにならって、ヒトラーの部下たちはユダヤ人を家畜、いやそれ以下、ゴミ同然に扱った事実は余りにも哀しい。
一方で、生き延びようと隊長にへつらうユダヤ人の様も惨めである。
私的にはもうちょっとドラマティックに描いて欲しかった気がするが、実話が元なのでドラマティックというのはいささか不謹慎かも知れない...
「青い棘」で破滅へと向かう多感な青年を演じたお洒落なアウグスト・ディールが、収容所の囚人服に身を包み汚い役もまた似合っている。
隊長フリードリヒ・ヘルツォークを演じたデーヴィト・シュトリーゾフは一度見たら忘れられないBabyfaceなのだが、こういったナチの悪者も似合うなぁ。
サリー役のカール・マルコヴィクスは初めてお目にかかったオーストリア俳優で、適役で存在感あり。
最初のシーンと、最後のシーンにしか女性は出て来ない。ラスト、モンテカルロのビーチでタンゴを踊るシーンはナイス!
邦題の「ヒトラーの〜」は余計な気がするが...原題は英語タイトルと同じく“偽造者”。
1/19より日比谷シャンテで公開される。
九段会館にて...
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by margot2005 | 2008-01-11 23:45 | ドイツ | Trackback(29) | Comments(12)

今年初映画...「迷子の警察音楽隊」

a0051234_022585.jpg「Bikur Ha-Tizmoret」...aka「The Band's Visit」 2007 イスラエル/フランス/USA
とても地味な作品ながら、ユーモア&ペーソスを織り込んだイスラエル発のヒューマン・コメディ。
監督、脚本はイスラエル出身のエラン・コリリン。
エジプト警察音楽隊、隊長トゥフィークにサッソン・ガーベイ。若き隊員カーレドにサーレフ・バクリ。イスラエルで食堂を経営するディナにロニ・エルカベッツ。出演者は皆イスラエル人(パレスチナ地区含む)。
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エジプトの警察音楽隊の隊員が平和交流のためイスラエルの地へ降り立つ。しかし空港に迎えはなく、団長トゥフィーク(ガーベイ)は自力で会場のアラブ文化センターへ向かうと隊員たちに告げる。
しかしバスから降りた場所は目的地と似た名前の別の場所であった。そこで見つけた一件の食堂。やがて彼らは食堂を経営するマダム、ディナ(エルカベッツ)に食事を依頼する。そして食事を終えホテルを探そうとするが、ここはホテルも無い田舎街。困っている音楽隊にさらに手を差し伸べ泊まる所を提供するのはマダム、ディナだった...
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国的にはとても仲が良いとは思えない、エジプトとイスラエルの人々の出会いをほのぼのと描くって素敵だなぁの作品。
そしてもう一つこの映画が素敵だったのは、意味不明(言語が理解出来ない)の言葉が流れるbackmusicの数々であろうか...
地味過ぎて万人が観る映画ではない事は確かだが、こういった他愛もない描き方がこの映画のテーマだったのかも知れない。
政治的な事をいっさい描かず、ただ迷子になったエジプト人に手を差し伸べるイスラエル人。厳格な雰囲気の隊長トゥフィークと出会う奔放なイスラエル女性ディナ。
チョウ真面目人間として描かれる隊長トゥフィークと、女好き脳天気男カーレドの対比が絶妙である。
ヘブライ語とアラビア語と英語が飛び交う映画は初めて観た気がする。
シネカノン有楽町2丁目にて...
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by margot2005 | 2008-01-07 00:38 | フランス | Trackback(31) | Comments(12)