カテゴリ:ヨーロッパ( 54 )

「ヒトラーに屈しなかった国王」

Kongens nei…akaThe King's Choice2016 ノルウェー

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194049日のノルウェー、オスロ。宮殿の庭で孫と雪遊びに興じるホーコン7世はナチスドイツが侵攻してきたことを皇太子のオラフ5世から知らされる。やがてノルウェー軍が参戦するが軍事力に乏しいノルウェーの主要都市は次々と陥落して行く。

一方で駐ノルウェー・ドイツ公使ブロイアーはヒトラーの命を受けホーコン7世に降伏を求める。ホーコン7世の兄でデンマーク王のクリスチャンは既にナチスドイツに降伏していた。しかしホーコン7世はブロイアーの要求に抵抗する…


ナチスドイツに降伏を迫られたノルウェー国王ホーコン7世が決断を下すまでの3日間を描いた歴史ドラマで、母親や兄弟とアメリカ合衆国に亡命していたハーラル(ハーラル5世現国王)とホーコン7世が再会を果たすシーンでラストを迎える。その時、幼い頃に別れた国王の可愛い孫は少年に成長していた。


公式サイトに”私は決断する...愛する国民のために。”とあるように国王の心意気が感じられる見応えのある歴史ドラマだった。

鑑賞したのは最終上映の週。で、また驚いたのはシアターがかなり混雑していたこと。前回見た「ルージュの手紙」もそうだったが、このシアターはなぜか?作品の上映期間が短い気がする。


かつてこの国はスウェーデン=ノルウェー連合王国だった。

ノルウェーいえばヴァイキング、フィヨルドと、スーパーの魚売り場に並ぶアトランティックサーモン。ノルウェーサバもよく見かける。

ノルウェーで思い出したのはベント・ハーメル監督。彼の作る映画「ホルテンさんのはじめての冒険/2007」「クリスマスのその夜に/2010」は独特の世界で、ハーメル監督以外のノルウェー映画も風変わりものが多い。一部のノルウェーの人の感性って独特(個性的)なのかも知れない。


主演のイェスパー・クリステンセンは「僕とカミンスキーの旅」の天才画家や「007シリーズ」のMr.ホワイトとは全く別人の顔を見せる稀有な俳優。ノルウェー語、ドイツ語、英語と作品によって異なった言語で話す彼は何ヶ国語話せるのだろう?なんて想像してしまう。本作のノルウェー国王役も似合っている。


ホーコン7世(ノルウェー国王)に「僕とカミンスキーの旅/2015」 のイェスパー・クリステンセン。

オラフ5世(ノルウェー皇太子)に「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のアンドレス・バースモ・クリスティアンセン。

マッタ(ノルウェー皇太子妃)に「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」のツヴァ・ノヴォトニー。

ブロイアー(駐ノルウェー・ドイツ公使)に「マーラー 君に捧げるアダージョ/2010」のカール・マルコヴィクス。

アンネリーゼ(ブロイアーの妻)に「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のカタリーナ・シュットラー。

ダイアナ(ドイツ公使館秘書)に「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」のユリアーネ・ケーラー。

監督は「おやすみなさいを言いたくて/2013」のエリック・ポッペ。


シネスイッチ銀座にて(既に上映終了)



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by margot2005 | 2018-01-27 21:42 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

The Zookeeper's Wife2017 チェコ/UKUSA

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1939年、ポーランド。ヤンとアントニーナ夫妻はワルシャワでヨーロッパ最大級の動物園を営んでいる。そんな中、ドイツがポーランドに侵攻し第二次世界対戦が勃発。そして次第に動物園の運営も危うくなってくるのだった…


ナチスの占領下となったポーランド。やがて夫妻が運営するワルシャワの動物園にはナチスがやってきて施設を占領してしまう。動物たちがいなくなった獣舎にユダヤ人たちを匿うアントニーナは、ヒトラー直属の動物学者ヘックの突然の訪問に怯える日々を送ることになる。


戦争のため銃殺された動物たち。動物をこよなく愛する夫妻の辛さは想像を絶する。ナチス占領下のポーランドで、動物園の園長夫妻が外交官の杉原千畝ばりに300人ものユダヤ人を助けた史実があったことを知って驚きつつも感動を覚えた。

ゲットーから連れだしたユダヤ人たちに、秘密裏にパスポートを与えナチスから彼らを救ったのだ。密告により二人の女性が銃殺されるが、他の人々は皆生き延びたとエンディングで紹介されていた。

そういえばドイツ人実業家オスカー・シンドラーもユダヤ人を多く救った人物で映画化されている。


アントニーナに”ユダヤ人を何人匿った?”と脅しをかけ動物の檻に閉じ込める。その後、ヘックの行動はアントニーナに好意を持っていたから?と思ったりもしたけど、とことん悪人にはなれなかったということ。でもアントニーナはヘックを軽蔑していたところが痛快だった

ヘックを演じるダニエル・ブリュールはInternationalなドイツ人俳優。彼は童顔ゆえあまり悪人に見えないで得しているかも?


ジェシカ・チャステインは前作「女神の見えざる手」でスーパー級に強い女性を演じていた。彼女を見た初めての映画はブラッド・ピットの「ツリー・オブ・ライフ/2011」で、本作を見てオブライエン夫人を思いだす。

昨年より物議を醸すハリウッド発端のセクハラ疑惑。インタビューに答えるジェシカの映像をニュースで見たが、素顔の彼女は穏やかな語り口で、本作のヒロインとかぶりとても素敵な女性に見てとれた。


アントニーナに「女神の見えざる手/2016」のジェシカ・チャスティン。

ヤンにヨハン・ヘルデンベルグ。

ヘックに「ヒトラーへの285枚の葉書/2016」のダニエル・ブリュール。

飼育員Jerzykに「ダブリン上等!/2003」「ゲーム・オブ・スローンズ シリーズ/20122016」のマイケル・マケルハットン。

監督は「クジラの島の少女/2002」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」のニキ・カーロ。


TOHOシネマズみゆき座にて


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by margot2005 | 2018-01-12 22:37 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(4)

「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」

Interlude in Prague」 2017 チェコ/UK

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1978年、プラハではモーツァルトのオペラフィガロの結婚」が大ヒットしていた。一方で三男を病気で亡くし深い悲しみに沈むモーツァルト。やがて彼は重苦しいウイーンから逃れるように地元名士の誘いを受けプラハへと赴く。友人ヨゼファの邸宅に滞在しながら「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラの作曲に励む日々。そんな折、フィガロの結婚」のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手スザンナと出会う…


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを演じたアナイリン・バーナードが「ダンケルク」のギブソンと全く別人で驚き!ウイッグの威力?

クラシック音楽には疎いがモーツァルトの楽曲はわかる。聞きなれた旋律が多々流れ、音楽ファンが多く見に来ていたような気もする。

フィガロの結婚」は以前wowowで放送していたメトロポリタン・オペラで全編見たが、新演出バージョンだそうで退屈せずに見られた記憶がある。


ドラマ的に盛り上がりはない。モーツァルトが好きじゃなければ寝てしまうかも?そして万人受けする映画ではないけれども、ロケされた美しい街プラハと全編に流れるモーツァルトの美しい音楽に魅了された。

フィガロの結婚」の場面がたびたび登場し、新作「ドン・ジョヴァンニ」でラストを迎える。


モーツァルト映画と言えば「アマデウス/1984」なしに語ることはできない。それはアントニオ・サリエリとヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの物語で素晴らしいドラマ。今一度見てみたいと思った。

「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路/2010」などモーツァルトが登場する映画も見ているのを思い出した。

ジェームズ・ピュアフォイはマジでふてぶてしいキャラが似合う俳優。


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに「ダンケルク/2017」のアナイリン・バーナード。

サロカ男爵に「ハイ・ライズ/2016」のジェームズ・ピュアフォイ。

ヨゼファに「レ・ミゼラブル/2012」のサマンサ・バークス。

スザンナにモーフィッド・クラー。

監督、脚本はジョン・スティーヴンソン


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-12-22 22:46 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」

Anthropoid2016 チェコ/UK/フランス

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1941年、ナチス占領下のチェコスロバキア。ある時、イギリス政府とチェコスロバキアの亡命政府が協力して極秘作戦を練り、パラシュートを使って二人の軍人ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュを現地へ送り込む。二人に与えられた使命はナチスNo.3と言われるラインハルト・ハイドリヒの暗殺だった…


ヨゼフ・ガブチークに「プルートで朝食を/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「フリー・ファイアー/2016」キリアン・マーフィ。

ヤン・クビシュに「マリー・アントワネット/2006」「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」「フィフティ・シェイズ・ダーカー/2017」ジェイミー・ドーナン。

マリー・コヴァルニコヴァーに「フレンチ・ラン/2013」「マダム・マロリーと魔法のスパイス/2014」シャルロット・ルボン。

レンカ・ファフコヴァーにアニャ・ガイスレロヴァ。

アドルフ・オパルカに「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」ハリー・ロイド。

ヤン・ゼレンカ=ハイスキー「奇蹟がくれた数式/2015」「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」トビー・ジョーンズ。

ミセス・モラヴェツにアレナ・ミフロヴァー。

アタ・モラヴェツに「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」ビル・ミルナー。

監督、脚本。製作、撮影は「ブロークン/2008」ショーン・エリス。


報復を恐れて暗殺に反対する者もいる中ヨゼフとヤンは作戦実行に向かって偵察し情報収集に奔走する。ヨゼフとヤンを匿うレジスタンスのミセス・モラヴェツと、二人をサポートするマリーとレンカの存在を忘れてはならない。

やがて密告者が現れ多数の罪もない市民が殺されてしまう。ハイドリヒの暗殺に関わった人物を躍起になって探しまわるナチス・ドイツの威力が凄まじい。


インハルト・ハイドリヒの暗殺計画を描いた「暁の7人/1975」というアメリカ映画がある。それは見たような気もするし、原作を読んだような気もする。でもインハルト・ハイドリヒのことは全く記憶に残っていない。そして本作を見て“暁の7人”の意味を理解した。

本作を見たのはキリアンとジェイミーが出演していたから…。

映画は16ミリフィルムで撮影された模様。セピアカラーで描かれた1940年代のチェコスロバキアがドラマに重厚さを与えている。そしてキリアンとジェイミーが熱く演じている。

ラストの銃撃戦はスゴい!の一言!ナチスの報復は余りにも恐ろしい。

又一つナチス・ドイツの起こした酷い史実を知った。


昨年の秋にリニューアルした新宿武蔵野館の最近のラインアップは私的に大満足の作品ばかり、以前よりヨーロッパ映画の上映が多いような気がする。最近ここで見る映画はどれもこれも混んでいて、本作は連日満員(お盆休みってこともある?)で驚くばかり。現在都内では新宿のみの上映(8/19から渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映あり)。

アメリカやヨーロッパではヒットした作品ながら、著名俳優が出演しない地味な作品は結局ミニシアターでしか上映されないのが寂しい。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-08-17 23:51 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(2)

「ハートストーン」

Hjartasteinn…akaHeartstone2016 アイスランド/デンマーク

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アイスランドの小さな漁村に暮すソールとクリスティアンは幼なじみの大親友。思春期真っただ中のソールは美少女ベータに惹かれている。それを知ったクリスティアンはソールを応援する。やがてベータの友達でクリスティアンに思いを寄せるハンナも加わり4人で行動するようになる...


ソールにバルドゥル・エイナルソン。

クリスティアンにブラーイル・ヒンリクソン。

ベータにディルヤゥ・ヴァルスドッティル。

ハンナにカトラ・ニャルスドッティル。

ラケルにヨーニナ・ソールディス・カルスドッティル。

ハフディスにラゥン・ラグナスドッティル。

ソールの母にニーナ・ドッグ・フィリップスドッティル。

クリスティアンの父にスヴェイン・オーラフル・グンナルソン。

クリスティアンの母にナンナ・クリスティン・マグヌスドッティル。

牧場主にソーレン・マリング。

店主に「好きにならずにいられない/2015」のグンナル・ヨンソン。

監督はグズムンドゥル・アルナル・グズムンドソン。


ソールとクリスティアンは常に行動を共にしている。小さな漁村は閉鎖的であり人間関係は濃密。やがて二人が友人以上の関係であるという噂が広がり、両親によってソールと引き離されたクリスティアンは自殺を図る。

原タイトルの“Hjartasteinn”はそれぞれが〝温かい感情/Heart”と〝厳しい環境/Stone”の意味を持つ造語だそう。二つの言葉がドラマの展開と共に意味深い。

スクリーンにソールとクリスティアンが牧場主の手伝いをするシーンや、大自然の中でキャンプをするシーンが映し出される。それは都会暮らしをする自分にとっては異次元の世界のようでとてつもなく新鮮に感じる。そしてアイスランドに羊はかかせない。

「馬々と人間たち/2013」「ひつじ村の兄弟/2015」「好きにならずにいられない/2015」と続くアイスランド映画。「好きにならずにいられない/2015」はあまり惹かれなかったので見ていない。

アイスランド映画って独特の雰囲気があって興味深い。上に書いた2作はコメディの要素が入っているが本作はシリアスなLGBTがテーマのドラマで、少年の恋と友情が語られる。見終わってやはりとんでもなく切ないドラマだと思った。アイスランドの雄大な自然の中に溶け込むように演じる少年たちが素晴らしい。


恵比寿ガーデンシネマにて


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by margot2005 | 2017-08-05 20:02 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「残像」

Powidokiaka…Afterimage2016 ポーランド

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1945年、ポーランドのウッチ。第二次世界大戦後スターリン政権の影響が深まる中、造形大学の教授を勤めるストゥシェミンスキは、創作活動の合間積極的に後進の指導にあたっていたが、芸術を政治に利用する政府の要求に反撥し大学を追われてしまう...


ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキにボグスワフ・リンダ。

美大生ハンナにゾフィア・ヴィフワチュ。

娘ニカにブロニスワヴァ・ザマホフスカ。

詩人ユリアンにクシシュトフ・ピチェンスキ。

監督、脚本は「カティンの森/2007」「菖蒲/2009」アンジェイ・ワイダ。


2016年10月に亡くなったポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作で、アヴァンギャルドなスタイルで有名な画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキを描いた伝記ドラマ。

残念なことに前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキのことは全く知らなくて今回初めて知った。ウッチ・ヴワディスワフ・スチシェミンスキ美術アカデミーは1945年に設立され現在に至っている。


ストゥシェミンスキは片方の足が不自由で松葉杖に頼る生活。美の創造に情熱を傾け信念を貫こうとするが、社会主義政権に抵抗し大学を追われる。追い打ちをかけるように美術館に飾られた作品は壁からはがされ、芸術家デザイナー協会の会員証も没収されて画材を買うこともできない。そして食料を買うのに必要な配給切符まで喪失してしまう。


ラスト近く、食べるために巨大な看板(ポスター)を描くストゥシェミンスキの姿が哀れだった。やがて追いつめられたストゥシェミンスキは病気が悪化し帰らぬ人となる。

ドラマの中でストゥシェミンスキが学生たちにオランダの画家モンドリアンを語っていたが、どことなく似た作風を感じる。タイトルの「残像」は、“ものを見たあと目に残る色だ”と解説するストゥシェミンスキの言葉からきている。

アンジェイ・ワイダの遺作に魂が揺さぶられる。


岩波ホールにて(7/28まで)



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by margot2005 | 2017-07-24 19:50 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「ストロングマン」

Chevalier2015 ギリシャ

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6人の中年男たちがエーゲ海でクルージングを楽しでいる。カード遊びにも飽きたある夜、誰が一番いい男か決めようじゃないか?という話になり、互いを評価して点数をつけ合うことになる...


ドクターにヨルゴス・ケンドロス。

ヨルゴスに「ビフォア・ミッドナイト/2013」パノス・コロニス。

ジョゼフにヴァンゲリス・ムリキス。

ディミトリスにマキス・パパディミトリウ。

ヤニスにヨルゴス・ピルパソプロス。

クリストスにサキス・ルヴァース。

監督、脚本は「ビフォア・ミッドナイト/2013」アティナ・ラヒル・ツァンガリ。


ものすごく迷ったが、邦題の「ストロングマン」に惹かれて見に行ってしまった。原タイトルは“ knight/騎士と言う意味。“ストロングマン”は“最高の男”という意味合い。

海が舞台のストロングマンだから、海で男の強さを競うドラマだとばかり想像していた。ところが全く違った展開で、料理の知識/寝相が良い/人の悲鳴を聞いたらすぐに駆けつける/細長い棚作りが得意/コレステロール値や血糖値が正常などを競うといった代物。それが意地とプライドを賭けた男の闘いだなんて余りにくだらなくて呆れた。


冗談半分で楽しむはずが、次第にエスカレートしムキになる男たちが可笑しいと言えば可笑しいのだけど、笑えるほどのモノでもないし...見終わって何この映画?状態で、ギリシャのコメディにはやはりついて行けない。

本作の共同脚本家は下2本を書いたエフティミス・フィリップ

「ロブスター/2015」はまだ許せたけど「籠の中の乙女/2009」に至っては到底理解出来ない世界。再びギリシャ映画ってかなり異様と思った次第。 

ドラマにはがっくりだったが、さすが海運王アリストテレス・オナシスを生んだ国だけあって、アテネのハーバーに停泊する数々のヨットがゴージャス!


本作はシアターで予告編も見ていなくて、貼ってあるポスターを見ただけ。これから見るのを迷った時は公式サイトを覗いて見ようと心に誓った。


シネマカリテにて






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by margot2005 | 2017-04-17 23:40 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「エリザのために」

Bacalaureat…akaGraduation 2016 ルーマニア/フランス/ベルギー

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ルーマニア郊外の町。医師のロメオの娘エリザは学業優秀で英国のケンブリッジ大学留学を目指している。そんなある朝、エリザが暴漢に襲われる。腕を負傷しただけで大事には至らなかったが激しいショックは隠せない。そして明日はエリザにとって大事な卒業試験の日。父親のロメオはエリザが暴漢に襲われたのは、学校の門の前まで送って行かなかった自分のせいだと思い込んでいる。エリザが試験を上手く切り抜けられるか心配になったロメオはコネを利用して裏工作しようと奔走する…


ロメオにアドリアン・ティティエニ。

エリザに「白いリボン/2009」のマリア・ドラグシ。

マグダにリア・バニャー。

マリウスにラレシュ・アンドリチ。

サンドラにマリナ・マノヴィッチ。

警察署長に「4ヶ月、3週と2日/2007」のヴラド・イヴァノフ。

監督、脚本、製作は「4ヶ月、3週と2日/2007」「汚(けが)れなき祈り/2012」のクリスティアン・ムンジウ。


医師のロメオは忙しい中、健康の優れない妻マグダの代わりに娘の世話をして学校へ送り、老いて病気がちな母親を訪ねる気遣いも忘れない。おまけにロメオには愛人サンドラがいる。この男性なんとまめなのかと感心してしまった。

サンドラは二人の将来を曖昧にしているロメオを責めるが、ロメオは娘のことで頭がいっぱい。

ロメオは娘にも妻にも、そして愛人にもはっきりとした態度を取らない。そして3人の女性からその態度を責めたてられている。この男性は優柔不断人間であるような気もする。


とにかく真面目な男ロメオは切羽詰まっていた。愛する娘エリザのために何とかしたい一心で行動を起こす。こういう時ってバレないのか?なんて考えている余裕などきっとないのだろう。ドラマを見ていてあれじゃきっとバレるに違いないと何度も思ったけど、当人は必死だから周りが見えていない。しかしついに検察官がやって来る。

警察署長、副市長、委員長を巻き込んだのだから...。


重苦しい展開のドラマだが、何となく未来が開けそうなラストに救いがあったかな?エリザはボーイフレンド、マリウスとルーマニアに残ったのだろうか?


(けが)れなき祈り」「4ヶ月、3週と2日」と見てきて、リアリズムを追求するこの監督の作品は疲れるなぁといつも思って…今回はやめにしようかと思いながらも、又見に行ってしまった。やはり疲れる。今回はロメオにイライラして余計疲れたかも知れない。しかしながら映画は絶賛されている。


シネマカリテにて



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by margot2005 | 2017-02-09 00:01 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「エゴン・シーレ 死と乙女」

Egon Schiele: Tod und MädchenEgon Schiele: Death and the Maiden2016 オーストリア/ルクセンブルグ

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20世紀前半のウイーンを舞台に描く天才画家エゴン・シーレの伝記ドラマ。


1910年:ウィーン美術アカデミーを退学したシーレは妹ゲルティをモデルにした裸体画を描き活躍し始める。ある時、友人からヌード・ダンサーのモアを紹介されたシーレは、彼女の褐色の肌に魅せられモデルに登用して裸体画を描き始める。一方でモデルの座を奪われたゲルティはモアに嫉妬を募らせる。

1911年:グスタフ・クリムトのアトリエを訪れたシーレは赤毛のモデル、ヴァリを紹介され同棲を始める。ヴァリはシーレの運命のミューズとなり二人はウイーン近郊の村にアトリエを構える。

1912年:シーレは14歳の少女誘拐の罪で逮捕されるが証拠不十分で釈放される。しかし絵画はわいせつなものと判断され大量の絵が押収される。

1914年:ウイーンに戻ったシーレは通りを挟んだ向いの家に住むアデーレ、エディット姉妹と知り合いになる。

1915年:シーレはヴァリを愛していたが、結婚相手には世間体の良い中産階級の娘エディットを選ぶ。

1918年:スペイン風邪に冒された妻エディットが亡くなった3日後、28歳の若さでシーレもこの世を去る。


エゴン・シーレにノア・ザーヴェトラ。

ゲルティ・シーレにマレジ・リークナー。

ヴァリ・ノイツェルにヴァレリー・パフナー。

モア・マンドゥにラリッサ・アイミー・ブライトバッフ。

エディット・ハルムスにマリー・ユンク。

アデーレ・ハルムスにエリザベト・ウムラウフト。

アントン・ペシュカにトーマス・シューベルト。

ドム・オーゼンにダニエル・シュトレーサー。

グスタフ・クリムトにコルネリオス・オボニャ。

監督、脚本はディーター・ベルナー。


エディットと結婚してもヴァリとは別れたくない。大人になれない、なりたくないエゴン・シーレはエゴイズムの固まりで、なんとスキャンダラスな人生を送った画家だったのだろう!と驚いた。


エゴン・シーレの絵画はBSの絵画番組で見たことがある。もちろん代表作死と乙女も。シーレの絵画はオーストリアのレオポルド国立美術館にたくさん収蔵されていて、番組はこの美術館を中心に紹介されていた。

クリムトの絵画は美しいがエゴン・シーレの絵画って美しいのだろうか?いやとても美しいとは思えない。見る者にスーパー級に強烈な印象を与えるのは確かだが...

シーレのアトリエには自身を描くために巨大な鏡が据えられている。ミューズだったヴァリとのツーショットの絵もこうして描いた様子。


極めて個性的なエゴン・シーレの伝記映画にも関わらずシアターが混んでいて少々びっくり。きっとスキャンダラスな描き方に興味を覚えた人が集まったに違いない。

エゴン・シーレを演じたノア・ザーヴェトラはモデル出身のイケメン。ドイツ系の俳優ってイケメンが少ない気がするが、彼は本当にハンサムだ。

ジェーン・バーキンがヴァリ・ノイツェルを演じた「Egon Schiele - Exzesse1981」という映画があるそうでちょっと見てみたいと思った。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-02-06 00:23 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(8)

「こころに剣士を」

Miekkailija…akaThe Fencer2015 フィンランド/エストニア/ドイツ

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1950年代始めのエストニア。田舎町ハープサルに体育教師としたやって来たエンデルは秘密警察から追われる身の上。エストニアは第二次世界大戦中ドイツとソ連の戦いの場となり、戦争終結後スターリン指揮下のソ連に併合されていた。そのため戦争時ドイツ軍にいたエンデルは秘密警察から身を隠さなければならなかった。彼を採用した学校長は大都会レニングラードから、田舎町ハープサルにやって来たエンデルに不信感を抱く…


エンデルにマルト・アヴァンディ。

カドリにウルスラ・ラタセップ。

ヤーンの祖父にレンビット・ウルフサク。

ヤーンにヨーナス・コッフ。

マルタにリーサ・コッペル。

監督は「ヤコブへの手紙/2009」クラウス・ハロ。


学校長はエンデルに反感を抱きキツく当たるようになる。彼が開いたフェンシング教室もつぶしてしまおうと考えるが、保護者の圧倒的な支持により免れることになる。やがて学校長はエンデルの素性を調べるよう部下に命じる。


同僚教師のカドリに“実は子供は苦手”と打ち明けるエンデル。そしてヤーンに“本当は僕たちが嫌いなんだろ”と言われショックを受ける。多くの生徒たちの親はスターリン政権に連行さており、エンデルを父親のように慕うものもいたのだ。

ある日、レニングラードで開催される”フェンシングの全国大会”の記事を見つけたマルタは“挑戦したい!”とエンデルに訴える。しかし親友のアレクセイからレニングラードに近づいては危ないと知らされていることもあり、”君たちにはまだ早い!”とレニングラード行きを却下してしまう。やがてマルタの懇願と、懸命に練習を続けるヤーンの姿を目の当たりにしたエンデルは、子供たちをレニングラードに連れて行く決心をする。


始めは”子供は苦手”と言っていたエンデル。しかしアレクセイが紹介してくれたシベリアでのコーチの仕事を断ってまでハープサルに残る決断をする。徐々に芽生えるエンデルと子供たちの絆が素敵だ。


スターリンの死後解放されたエンデルがカドリの元に戻って来る。そしてそこには子供たちの姿もあった。心温まるラストに感動する。

ドラマのモデルとなった元フェンシング選手が開いたフェンシング教室は現存するらしい。

エンデルを演じるマルト・アヴァンディはエストニアのスター俳優とのこと。よそ者エンデル役が似合っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-01-07 22:34 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(2)