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カテゴリ:ヨーロッパ( 46 )

「エリザのために」

Bacalaureat…akaGraduation 2016 ルーマニア/フランス/ベルギー

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ルーマニア郊外の町。医師のロメオの娘エリザは学業優秀で英国のケンブリッジ大学留学を目指している。そんなある朝、エリザが暴漢に襲われる。腕を負傷しただけで大事には至らなかったが激しいショックは隠せない。そして明日はエリザにとって大事な卒業試験の日。父親のロメオはエリザが暴漢に襲われたのは、学校の門の前まで送って行かなかった自分のせいだと思い込んでいる。エリザが試験を上手く切り抜けられるか心配になったロメオはコネを利用して裏工作しようと奔走する…


ロメオにアドリアン・ティティエニ。

エリザに「白いリボン/2009」のマリア・ドラグシ。

マグダにリア・バニャー。

マリウスにラレシュ・アンドリチ。

サンドラにマリナ・マノヴィッチ。

警察署長に「4ヶ月、3週と2日/2007」のヴラド・イヴァノフ。

監督、脚本、製作は「4ヶ月、3週と2日/2007」「汚(けが)れなき祈り/2012」のクリスティアン・ムンジウ。


医師のロメオは忙しい中、健康の優れない妻マグダの代わりに娘の世話をして学校へ送り、老いて病気がちな母親を訪ねる気遣いも忘れない。おまけにロメオには愛人サンドラがいる。この男性なんとまめなのかと感心してしまった。

サンドラは二人の将来を曖昧にしているロメオを責めるが、ロメオは娘のことで頭がいっぱい。

ロメオは娘にも妻にも、そして愛人にもはっきりとした態度を取らない。そして3人の女性からその態度を責めたてられている。この男性は優柔不断人間であるような気もする。


とにかく真面目な男ロメオは切羽詰まっていた。愛する娘エリザのために何とかしたい一心で行動を起こす。こういう時ってバレないのか?なんて考えている余裕などきっとないのだろう。ドラマを見ていてあれじゃきっとバレるに違いないと何度も思ったけど、当人は必死だから周りが見えていない。しかしついに検察官がやって来る。

警察署長、副市長、委員長を巻き込んだのだから...。


重苦しい展開のドラマだが、何となく未来が開けそうなラストに救いがあったかな?エリザはボーイフレンド、マリウスとルーマニアに残ったのだろうか?


(けが)れなき祈り」「4ヶ月、3週と2日」と見てきて、リアリズムを追求するこの監督の作品は疲れるなぁといつも思って…今回はやめにしようかと思いながらも、又見に行ってしまった。やはり疲れる。今回はロメオにイライラして余計疲れたかも知れない。しかしながら映画は絶賛されている。


シネマカリテにて



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by margot2005 | 2017-02-09 00:01 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「エゴン・シーレ 死と乙女」

Egon Schiele: Tod und MädchenEgon Schiele: Death and the Maiden2016 オーストリア/ルクセンブルグ

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20世紀前半のウイーンを舞台に描く天才画家エゴン・シーレの伝記ドラマ。


1910年:ウィーン美術アカデミーを退学したシーレは妹ゲルティをモデルにした裸体画を描き活躍し始める。ある時、友人からヌード・ダンサーのモアを紹介されたシーレは、彼女の褐色の肌に魅せられモデルに登用して裸体画を描き始める。一方でモデルの座を奪われたゲルティはモアに嫉妬を募らせる。

1911年:グスタフ・クリムトのアトリエを訪れたシーレは赤毛のモデル、ヴァリを紹介され同棲を始める。ヴァリはシーレの運命のミューズとなり二人はウイーン近郊の村にアトリエを構える。

1912年:シーレは14歳の少女誘拐の罪で逮捕されるが証拠不十分で釈放される。しかし絵画はわいせつなものと判断され大量の絵が押収される。

1914年:ウイーンに戻ったシーレは通りを挟んだ向いの家に住むアデーレ、エディット姉妹と知り合いになる。

1915年:シーレはヴァリを愛していたが、結婚相手には世間体の良い中産階級の娘エディットを選ぶ。

1918年:スペイン風邪に冒された妻エディットが亡くなった3日後、28歳の若さでシーレもこの世を去る。


エゴン・シーレにノア・ザーヴェトラ。

ゲルティ・シーレにマレジ・リークナー。

ヴァリ・ノイツェルにヴァレリー・パフナー。

モア・マンドゥにラリッサ・アイミー・ブライトバッフ。

エディット・ハルムスにマリー・ユンク。

アデーレ・ハルムスにエリザベト・ウムラウフト。

アントン・ペシュカにトーマス・シューベルト。

ドム・オーゼンにダニエル・シュトレーサー。

グスタフ・クリムトにコルネリオス・オボニャ。

監督、脚本はディーター・ベルナー。


エディットと結婚してもヴァリとは別れたくない。大人になれない、なりたくないエゴン・シーレはエゴイズムの固まりで、なんとスキャンダラスな人生を送った画家だったのだろう!と驚いた。


エゴン・シーレの絵画はBSの絵画番組で見たことがある。もちろん代表作死と乙女も。シーレの絵画はオーストリアのレオポルド国立美術館にたくさん収蔵されていて、番組はこの美術館を中心に紹介されていた。

クリムトの絵画は美しいがエゴン・シーレの絵画って美しいのだろうか?いやとても美しいとは思えない。見る者にスーパー級に強烈な印象を与えるのは確かだが...

シーレのアトリエには自身を描くために巨大な鏡が据えられている。ミューズだったヴァリとのツーショットの絵もこうして描いた様子。


極めて個性的なエゴン・シーレの伝記映画にも関わらずシアターが混んでいて少々びっくり。きっとスキャンダラスな描き方に興味を覚えた人が集まったに違いない。

エゴン・シーレを演じたノア・ザーヴェトラはモデル出身のイケメン。ドイツ系の俳優ってイケメンが少ない気がするが、彼は本当にハンサムだ。

ジェーン・バーキンがヴァリ・ノイツェルを演じた「Egon Schiele - Exzesse1981」という映画があるそうでちょっと見てみたいと思った。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-02-06 00:23 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(4)

「こころに剣士を」

Miekkailija…akaThe Fencer2015 フィンランド/エストニア/ドイツ

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1950年代始めのエストニア。田舎町ハープサルに体育教師としたやって来たエンデルは秘密警察から追われる身の上。エストニアは第二次世界大戦中ドイツとソ連の戦いの場となり、戦争終結後スターリン指揮下のソ連に併合されていた。そのため戦争時ドイツ軍にいたエンデルは秘密警察から身を隠さなければならなかった。彼を採用した学校長は大都会レニングラードから、田舎町ハープサルにやって来たエンデルに不信感を抱く…


エンデルにマルト・アヴァンディ。

カドリにウルスラ・ラタセップ。

ヤーンの祖父にレンビット・ウルフサク。

ヤーンにヨーナス・コッフ。

マルタにリーサ・コッペル。

監督は「ヤコブへの手紙/2009」クラウス・ハロ。


学校長はエンデルに反感を抱きキツく当たるようになる。彼が開いたフェンシング教室もつぶしてしまおうと考えるが、保護者の圧倒的な支持により免れることになる。やがて学校長はエンデルの素性を調べるよう部下に命じる。


同僚教師のカドリに“実は子供は苦手”と打ち明けるエンデル。そしてヤーンに“本当は僕たちが嫌いなんだろ”と言われショックを受ける。多くの生徒たちの親はスターリン政権に連行さており、エンデルを父親のように慕うものもいたのだ。

ある日、レニングラードで開催される”フェンシングの全国大会”の記事を見つけたマルタは“挑戦したい!”とエンデルに訴える。しかし親友のアレクセイからレニングラードに近づいては危ないと知らされていることもあり、”君たちにはまだ早い!”とレニングラード行きを却下してしまう。やがてマルタの懇願と、懸命に練習を続けるヤーンの姿を目の当たりにしたエンデルは、子供たちをレニングラードに連れて行く決心をする。


始めは”子供は苦手”と言っていたエンデル。しかしアレクセイが紹介してくれたシベリアでのコーチの仕事を断ってまでハープサルに残る決断をする。徐々に芽生えるエンデルと子供たちの絆が素敵だ。


スターリンの死後解放されたエンデルがカドリの元に戻って来る。そしてそこには子供たちの姿もあった。心温まるラストに感動する。

ドラマのモデルとなった元フェンシング選手が開いたフェンシング教室は現存するらしい。

エンデルを演じるマルト・アヴァンディはエストニアのスター俳優とのこと。よそ者エンデル役が似合っている。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-01-07 22:34 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(2)

「ヒトラーの忘れもの」

Under sandet…akaLand of Mine2015 デンマーク/ドイツ

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19455月、ナチス・ドイツによる5年間の占領から解放されたデンマークの美しい浜辺。ある日、ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、ドイツ兵捕虜の11名が集められる。そして彼らには地雷を扱った経験がほとんどなかった。作業を監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は集められたのがあどけない少年であることに驚くが、ナチス・ドイツへの憎悪をむき出しに暴言と暴力を繰り返すのだった...


ラスムスン軍曹に「真夜中のゆりかご/2014」ローランド・ムーラー。

エベ大尉に「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」ミケル・ボー・フォルスゴー。

セバスチャン・シューマンにルイス・ホフマン。

ヘルムート・モアバッハにジョエル・バズマン。

ヴィルヘルム・ハーンにレオン・サイデル。

エルンスト・レスナーにエミール・ベルトン。

ヴェルナー・レスナーにオスカー・ベルトン。

監督、脚本はマーチン・サントフリート。


オープニング以降、地雷の除去作業だけが延々と続きスクリーンからも緊張感が漂う。少年たちは食事も与えられず日々作業を続けている。ある日、一人の少年が地雷の爆発で両手をもぎ取られキャンプの病院へ運ばれる。後日キャンプへ行ったラスムスンは彼が死んだ事実を知らされるが、残された少年たちが動揺しないよう、傷が癒えたので国へ帰したと伝える。そんな折、空腹に耐えられず農家から盗んできた食べ物にあたり腹を壊してしまう少年たち。見るに見かねたラスムスンはキャンプから自分の食べ物と一緒に少年たちに与える野菜やパンを調達してくる。それを知ったエベ大尉は“ドイツ兵は餓死してもかまわない!”と宣いラスムスンを攻め立てる。あまりにも残酷な答えに呆然となるラスムスン。


仲間たちが一人、また一人と命を落として行く様はとてもリアルで見ていてぞっとする。”作業が終われば国に帰れる。”というラスムスンの言葉にすがりつくかのように耐える少年たち。そして日々彼らの姿を目の当たりにするラスムスンに次第に情が芽生え始める。


デンマーク軍のエベ大尉が強烈に無情。慈悲も何も持ち合わせていない。ナチス、ドイツに怒るのは良くわかるが、少年たちに責任はないのだ。

邦題の「ヒトラーの忘れもの」はちょっと低俗過ぎてドラマに不適当かと思った。

ドイツとデンマークは国が隣り合っている。ラスト、ここから500メートルのところに国境があると説明したラスムスン軍曹は少年たちを解放する。あのシーンには救われたが、史実では多くのドイツ兵が亡くなったと記され胸を打たれる。


シネスイッチ銀座にて


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by margot2005 | 2016-12-26 00:04 | ヨーロッパ | Trackback(7) | Comments(4)

「幸せなひとりぼっち」

En man som heter Ove…aka A Man Called Ove2015 スウェーデン

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孤独で頑固な老人が近隣の陽気なイラン人女性によって徐々に心を開いていく過程を描いたハートフル・ヒューマン・コメディ。


オーヴェに「アフター・ウエディング/2006」ロルフ・ラスゴード。

オーヴェ(青年)にフィリップ・バーグ。

ソーニャにイーダ・エングヴォル。

パルヴァネにバハー・パール。

近所の住人アニタにカタリナ・ラッソン。

監督、脚本はハンネス・ホルム。


原作はフレドリック・バックマンが書いたベストセラー小説とのこと。

59歳の孤独な男オーヴェは超頑固人間。頑固な人って年取ったらますます頑固になるもの。

花屋で難癖つけたり、近隣の住民に文句ばかり並べているが、この男の主張は間違ってはいない。ただ頑なで一途な性格が年月を経てますます頑固になっていった様子。最愛の妻を亡くして孤独とも闘っているし…。

妻を亡くしたオーヴェには子供がいなくて本人には兄弟もいない。母親は少年時代に亡くなり、青年になってから父親も亡くしていた。正に天涯孤独人間。


43年勤めた会社からはクビを言い渡され、生きる希望も失ったオーヴェは、日々自殺することばかり考えている。

そんなある日、イラン人のパルヴァネが夫と子供と共に引っ越してくる。陽気な妊婦のパルヴァネはオーヴェを頼りにするようになり、車の運転を教えて欲しいと願い出る。オーヴェはうっとうしいと思いながらも次第にパルヴァネや彼女の子供の世話を焼くようになる。


この男が本当に頑固ものだという証拠...Saab/サーブ以外の車には決して乗らない。VOLVO/ボルボに乗っている友人と絶交したくらいだからかなりなもの。

頑固オヤジも孤独には打ち勝てなかった?かどうかは定かではないが、やはり人間一人では生きてはいけない。

オーヴェは何度も自殺を試みたが一度も成功しなかったのは不運だったのか?幸運だったのか?

自殺を試みる度オーヴェの妄想が始まる。そして観客は彼の過去を知ることになる。オーヴェの過去はなんと波瀾万丈であったことか!

オーヴェの心を開く手助けをするパルヴァネの存在がナイス。

大笑いするほどのコメディではないが、ほのぼのとした温かい気持ちにはなる。巷で評判なのかウイーク・デイの夕方シアターは混んでいた。


新宿シネマカリテにて


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by margot2005 | 2016-12-20 21:08 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)

「灼熱」

「Zvizdan」…aka「The High Sun」2015 クロアチア/セルビア/スロベニア

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1991年:セルビア人のイェレナとクロアチア人のイヴァンは深く愛し合う恋人同士。クロアチア国内で民族の対立が激化する中二人はザグレブへの移住を決断するがイェレナ兄サーシャに猛反対され仲を引き裂かれてしまう。

2001年:紛争終結後ナタシャは母親と共に故郷へ戻るが、激戦により家は荒れ果てていた。母親は家の修繕のため修理人アンテを雇い入れる。紛争で兄を殺されたナタシャは、クロアチア人であるアンテを拒絶する。

2011年:紛争の面影も消えたザグレブで大学に通うルカは久しぶりに故郷へ帰って来る。そしてかつて母親の反対に合い結ばれなかったセルビア人の恋人マリアの住む家を訪ねる。


イェレナ/ナタシャ/マリヤにティハナ・ラゾヴィッチ。

イヴァン/アンテ/ルカにゴーラン・マルコヴィッチ。

イェレナ/ナタシャの母親にニベス・イバンコビッチ。

イェレナの兄サーシャにダド・チョーシッチ。

監督、脚本はダリボル・マタニッチ。


“クロアチア版ロミオとジュリエット”….これに惹かれて見に行くことにした。

一番最初の1991年の物語があっと言う間に終わってしまって、この後どうなるの?とかなり心配した。いつもどうり詳しい情報を得ないで見たので…。

しかし第二話が始まり、なるほど!こうなって行くのか!とドラマにぐいぐいと引き込めれて行った。


拒絶しながらもクロアチア人に惹かれて行くセルビア人女性。2001年の物語が一番緊張感があって見応えがあった。そしてセルビア人の母親の寛大さに胸打たれる。


セルビア人とクロアチア人の若者を主人公に3つの時代の物語が展開され、3つの物語の主人公を同じ俳優が演じている。このような手法は初めて見たかも知れなくてとても斬新。

3つの物語は全く別人を描いているものの、大ラスにつながる様が見事。

兄や母親によって引き裂かれたセルビア人女性とクロアチア人男性が最後に歩み寄るラストは感動を呼び素晴らしかった。


旧ユーゴ映画ではボスニア・ヘルツェゴビナ製作のサラエボを舞台にした「サラエボの花/2006」「サラエボ、希望の街角/2010」を見たことを思い出した。サラエボのロミオとジュリエットもたくさんいたと言う。

旧ユーゴの人って名前に皆“何とかっチて付くのが面白い。


シアター・イメージフォーラムにて


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by margot2005 | 2016-12-02 00:22 | ヨーロッパ | Trackback(2) | Comments(0)

「トレジャー オトナタチの贈り物」

「Comoara」…aka「The Treasure」2015 ルーマニア/フランス
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ルーマニア、ブカレスト。コスティは妻と息子の三人で慎ましやかに暮らしている。ある日、近所に住む男アドリアンが、“失業中で家のローンの支払に困っている。800ユーロ貸してくれないか?”と訪ねてくる。“家も余裕がなく貸す金などない。”と断るコスティに“800ユーロあれば曾祖父が共産党台頭前に庭に埋めた宝探しをすることができる。”と言い、“宝発見の折には分け前を折半する!”と怪しいながらも美味しい話を持ちかけてくる。半信半疑ながらアドリアンの話にのってしまったコスティは妻にも相談してなんとか800ユーロをかき集めるのだった…

コスティにクジン・トマ。
アドリアンにアドリアン・プルカレスク。
コルネルにコルネリュ・コズメイ。
監督、脚本はコルネリュ・ポルンボイュ。

ある日突然近隣の住民が訪ねて来て金を貸せと言う。胡散臭いなぁと思いつつも金を用意する主人公に驚くが、ドラマは実際に体験した人から聞いた話にもとづいて映画にしたと言う。あのゴージャスな宝を発見した二人はなんとラッキーなんだろうと羨ましくなる。

少々ファンタジーっぽい雰囲気は良いのだが、コメディ・ドラマとは思えないほど終始ペーソスが漂う。
金属探知機で地面をこする様と、穴掘り作業が延々と続き、スロー、ペースで盛り上がりも何もないシンプルなドラマは少々退屈だったかな?

当然宝は出てくる...発見した宝の入った箱を抱えアドリアン所有の空き家から出てきた二人は巡回していたパトカーの警察官に怪しまれ尋問される。警察に連行されモノによっては国に没収される可能性もあると告げられた二人は手放しで喜べない。あのシーンは気の毒ながら可笑しかった。
そしてあのラストにはびっくり!子供を喜ばせるお父さんは偉いが、フリーズしてしまった。あのお父さんはただただ息子を喜ばせたくて、息子のヒーローになりたかったに違いない。

コスティの妻と息子を演じるのはコスティ役のクジン・トマの実際の妻子で、怪しい業者のコルネルを演じるコルネリュ・コズメイは元兵士で金属探知を職業としているとのこと。
主演二人はプロの俳優ながら、なんとなく俳優ぽくなくて、近所のおじさんの雰囲気でナイス。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-10-05 23:28 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)

「イレブン・ミニッツ」

「11 minut」...aka「11 Minutes」2015 ポーランド/アイルランド
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ポーランド、ワルシャワを舞台にP.M.5時からP.M.5時11分の日常を描いた群像サスペンス・ドラマ。

映画監督リチャード・マーティンに「ベルファスト71/2014」のリチャード・ドーマー。
アンナ・ヘルマンにパウリナ・ハプコ。
アンナの夫にヴォイチェフ・メツファルドフスキ。
ホットドッグ屋の主人に「カティンの森/2007」「故郷よ/2011」「ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー/2011」のアンジェイ・ヒラ。
バイク便の男に「イーダ/2013」のダヴィッド・オグロドニック。
登山家(女)に「ハミングバード/2012」のアガタ・ブゼク。
登山家(男)にピョートル・グロヴァツキ。
画家にヤン・ノヴィツキ。
救命隊のドクターにアンナ・マリア・ブチェク。
犬を連れた女にイフィ・ウデ。
元ボーイフレンドにマテウシュ・コシチュキェヴィチ。
少年にウカシュ・シコラ。
監督、製作、脚本は「アンナと過ごした4日間/2010」「エッセンシャル・キリング/2010」のイエジー・スコリモフスキ。

教会の鐘がP.M.5時を告げるポーランド、ワルシャワの街。
一人の男が家を飛び出し妻がいるホテルへと向かう。彼の妻アニャは女優で映画監督と会う予定だった。アニャの夫は嫉妬深く、映画監督は女好き。ホテルの前ではホットドッグ屋の主人が店を開いている。ホットドッグ屋の息子であるバイク便の男は配達に行った家の人妻と情事に耽るが夫が帰宅したため慌てて家を飛び出す。
その他、公園で元ボーイフレンドに預けていた愛犬を引き取る女、ホテルでポルノを見ながらセックスをする登山家のカップル、質屋に強盗に入るが失敗に終わる少年、河原でスケッチをする画家、急病患者の家に急行する救命隊のドクターなどなど、全く接点のない人々の日常が次々とスクリーンに映しだされる。

ドラマは5時から5時11分の間を描いている。それぞれの人物の日常は11分毎に描かれ、5時から11分後に全ての人物が集結してラストを迎える。あのラストには呆然となる。
もちろんドラマに台詞はあるけど、スタイリッシュな映像が物語る作品。ラストのスローモーションは圧巻。

ビルの谷間を低空で飛行する飛行機はアメリカの同時多発テロ(9:11)を連想してしまうし、何人かの人物が空を見上げ、”何かを見た!と主張する場面も…。彼らは低空飛行する飛行機のことを言っていたのだろうか?それとも他に何かを見た?

河原で写生をする画家のキャンパスにいきなりできた黒いシミや、登山家のカップルがいるホテルの部屋に突然飛び込んできた鳩など、不気味なシーンを絡めて描くのはあのラストにつなげるため?と頭の中に疑問がよぎる。
「エッセンシャル・キリング」や「アンナと過ごした4日間」のイメージが強烈なイエジー・スコリモフスキ。本作は全く趣の違う作品でびっくさせられた。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-09-08 23:53 | ヨーロッパ | Trackback(3) | Comments(0)

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」

「De Surprise」…aka「The Surprise」2015 オランダ/ベルギー/ドイツ/アイルランド
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ある日、大富豪ヤーコブの母親が亡くなる。彼は悲しみを覚えることもなく淡々と葬儀を執り行い身辺整理を始める。ヤーコブは過去のある出来事から感情をあらわにすることができなくなっていた...

ヤーコブに「LOFT -完全なる嘘(トリック)-/2010」のイェロン・ファン・コーニンスブルッヘ。
アンネに「人生はマラソンだ!/2012」のジョルジナ・フェルバーン。
ムラーに「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」のヤン・デクレール。
Mr. ジョーンズに「ノッティングヒルの恋人/1999」のヘンリー・グッドマン。
監督/脚本/製作/原案は「キャラクター/孤独な人の肖像/1996」のマイク・ファン・ディム。

天涯孤独となったヤーコブは。莫大な資産を寄付した上、広大なる土地に建つ豪邸も売りにだす手配をし、使用人たち全員に暇をだしてしまう。しかし長年仕えてきた執事のムラーはヤーコブが気がかりでならない。そんなムラーの心配もよそにヤーコブは自らの命をたつことしか頭にない。何度か自殺を図るがなぜか成功しない。そんなある時、海岸で妙な場面に出くわした後“エリュシオン”と書かれたマッチを見つける。興味を持ったヤーコブは早速ブリュッセルにある“エリュシオン”を訪ねるが、そこは“あの世への旅立ち”を請け負う奇妙な代理店だった。そして店のオーナーMr. ジョーンズに薦められた“サプライズ・コース”を契約する。
しかしヤーコブは契約後、代理店で運命的に出会ったアンネに惹かれ、望みのない人生がだんだんと明るくなって行くことに気づくのだった。

コメディなんだけどとてもダークな世界。ラストはどうなるのか?とハラハラしながら見ていたが、想像通りで一安心。
主人公ヤーコブを演じるイェロン・ファン・コーニンスブルッヘはマルチタレントでコメディアンでもあるそう。ちょっと太めで(映画のために増量)愛嬌のある彼の風貌が妙にドラマにマッチしている。

ヤーコブの城(豪邸ではモノ足りない)や、コレクションのクラシック・カーは目を見張るばかりのゴージャスさ。ビーチでのダンスも素敵だし、ブラック・コメディにロマンスがプラスされていて素敵な映画となっている。
ドラマの中ではドイツ語、英語、フランス語に加えヒンズー語の会話まで出てくる。で、字幕スーパーに釘付けだった。

尊厳死を描いた「君がくれたグッドライフ/2014」を引き合いに出してはマズいのだけど、本作の“あの世への旅立ち”を請け負うのもベルギー。ベルギーは進んだ考え方の国だと感心する。

ヒューマントラストシネマズ有楽町
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by margot2005 | 2016-06-13 22:29 | ヨーロッパ | Trackback(1) | Comments(0)

「獣は月夜に夢を見る」

「Når dyrene drømmer」…aka「When Animals Dream」2014 デンマーク/フランス
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デンマークの海岸沿いの小さな村で両親と暮すマリーは19歳の少女。車いす生活の母親は病気だが父親は何も教えてくれない。村の住人は車いすの母親を恐れ、マリーには疑いのまなざしを向けてくる。なぜ彼らはそのように振る舞うのだろう?とマリーは不思議でならない。そんな折マリーは魚工場で青年ダニエルと出会い、互いに孤独を抱える二人は惹かれ合い恋に落ちる…

マリーにソニア・スール。
マリーの父親に「SHERLOCK(シャーロック)3/2014」のラース・ミケルセン。
マリーの母に「しあわせな孤独/2002」のソニア・リクター。
ダニエルに「コン・ティキ/2012」「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のヤーコブ・オフテブロ。
監督はヨナス・アレクサンダー・アーンビー。

父親の深い愛には感銘する。世間の嫌がらせから妻を守り娘も守ろうとするが、彼女は反撥して家を飛び出す。そしてマリーはダニエルの愛を確認する。そうこれは究極のラブ・ストーリーかも知れない。

ロケ地はデンマークのユトランド半島(デンマーク本土とドイツの北端部がくっ付いた所)。
スウェーデン製作の「ぼくのエリ 200歳の少女/2008」というヴァンパイア映画があったが、北欧の暗い、寒々としたたたずまいが“ノルディック・ノワール”と呼ばれる妖しいドラマにマッチする。

シアターで予告編を何度も見ていて少々気にはなっていたが、ヴァンパイア映画にはあまり惹かれないのでなんだかぐずぐずしていて、見たのは上映最終日。4/16に公開されているのでこの北欧発のミステリー・ホラーは結構長く上映されていた様子。ラスト上映の日も席半分近くは埋まっていた(小さい方のシアター)。
ラース・ミケルセンはマッツ・ミケルセンの兄で、何処かで見たことあると思っていたら「SHERLOCK(シャーロック)3」に出演していたデンマーク人俳優。

ちょっとネタバレ…
ヒロインと母親は「トワイライト・シリーズ」のジェイコブのような狼人間。いきなり身体に毛がはえてくるって女性だとツライだろうなぁ、と切に思った。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2016-05-25 00:35 | ヨーロッパ | Trackback | Comments(0)