カテゴリ:MINI THEATER( 220 )

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

「Demolition」2015 USA

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デイヴィスは妻ジュリアの父親が経営する金融会社のエリート社員。いつものように妻の運転する車で会社に向かう折、突然の自動車事故で自分は無事ながらジュリアが亡くなってしまう。やがて葬儀が執り行われるが涙がでない。妻が亡くなったというのに悲しくないのか?と自問するデイヴィス。彼はジュリアと出会いあっという間に結婚したことを思い出し、彼女を本当に愛していたのかどうか疑問を抱く…


デイヴィスに「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「ゾディアック/2006」「マイ・ブラザー/2009」「複製された男/2013」 「ナイトクローラー/2014」ジェイク・ギレンホール。

カレンに「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「追憶の森/2015」のナオミ・ワッツ。

フィルに「8月の家族たち/2013」クリス・クーパー。

クリスにジュダ・ルイス。

ジュリアにヘザー・リンド。

監督、製作は「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「カフェ・ド・フロール/2011」「ダラス・バイヤーズ・クラブ/2013」「わたしに会うまでの1600キロ/2014」ジャン=マルク・ヴァレ。


ジュリアが亡くなる前、冷蔵庫の調子が悪いと言っていたこと思い出したデイヴィスは修理を試みる。しかし修理するはずが壊してしまっていた。それは義父に心の修理も車の修理も同じだ、まず分解して隅々まで点検し、再び組み立て直せと言われたことが頭にあったから…。モノを破壊するってちょっと快感だが、デイヴィスはかなり異常。


一方で自動販売機から商品が出てこなかったため苦情の手紙を会社に送るデイヴィス。手紙を読んだ苦情処理係のシングルマザー、カレンは彼に興味を持つ。それには病院で亡くなった妻のことも記されていた。ひょんなことから出会ったデイヴィスとカレンは親交を深めて行く。


原タイトルは破壊なのに邦題はとてもロマンティック。しかしジェイクの映画だからロマンティックなわけがない、と思っていたら案の定だった。

邦題の意味は映画のラスト近くで主人公が語ってくれる。


デイヴィスは妻と暮らした家を壊しに壊しブルトーザーまで出動させる。でもブルトーザーには唖然!気持ちは良くわかるけどあの行動にはあきれ返る。周りは住宅地なのに全く配慮などしていないのだから…。

ジェイク・ギレンホールは「ナイトクローラー」のルイスと似たような表情を見せて不気味。元々この俳優は苦手なので余計にそう感じるのかも知れない。


人生再生ドラマの本作はエンディングに少々救われる。

娘婿を見捨てない義父フィルの存在が映画を最後迄見る気にさせてくれた。演じるクリス・クーパーがgood

カレンの息子クリスが小生意気で可愛い。


シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-03-04 23:09 | MINI THEATER | Trackback(3) | Comments(0)

「たかが世界の終わり」

Juste la fin du mooned…akaIt's Only the End of the World2016 カナダ/フランス

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ルイは人気の劇作家。不治の病に冒され死期が迫っている彼は12年ぶりに帰郷する


マルティーヌに「悪の華/2003」「わたしはロランス/2012」「シリアルキラーNo.12015」のナタリー・バイ。

アントワーヌに「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」「ジェイソン・ボーン/2016」のヴァンサン・カッセル。

カトリーヌに「マリアンヌ/2016」のマリオン・コティヤール。

シュザンヌに「ロブスター/2015」のレア・セドゥ。

ルイに「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「サンローラン/2014」のギャスパー・ウリエル。

監督、脚本、製作、編集は「わたしはロランス/2012」「トム・アット・ザ・ファーム/2013」「Mommy/マミー/2014」のグザヴィエ・ドラン。


結局大事な話も出来ずに去るしかなかったルイ。あれは家族の最後の集まりだったのに

取り留めもないことをひたすら喋りまくる母、兄、妹。話さなければならないのに話せないルイ。でもあのシチュエイションで不治の病に冒され死期が迫っている…”なんて話せる状態じゃない。 


ルイは病気なのだから生気がなくても不思議はない。ドラマを見ている誰もが元気のないルイに気づくはずだが、母親マルティーヌは息子が元気で良かったと言い、彼の変化に気がつかない。12年ぶりに再会したとはいえ母親と息子なのだから、何か変化を感じるはず。


マルティーヌ、アントワーヌ、シュザンヌは弾丸のごとく喋るのに対して、カトリーヌとルイは穏やかに話している。二人は初対面ということもあり会話もぎこちない。でもルイの秘密を知ったのは初対面のカトリーヌだった。


グザヴィエ・ドランの映画ってなぜこんなに話題になるのだろう?映画サービスデーの夕方の回は満席だった。

グザヴィエ・ドラン映画の特徴登場人物の顔は殆どアップ、うるさいくらいのBack Music、そして舞台は世界の何処かで特定はしない。本作が今迄と違っているのはヴァンサン、マリオン、レア、ギャスパー+ナタリー・バイのフランスの著名俳優総出演のキャストがとてもゴージャスなこと。


フランソワ・オゾンが監督したメルヴィル・プポー主演の「ぼくを葬る/2005」を思い起こした。

両親に自らの死を告白できない主人公は祖母に打ち明ける。それは互いにそろそろ死ぬから…”と言うのが理由だった。「ぼくを葬る」は見応えのあるドラマだったが、本作はどうかな?グザヴィエ・ドランが絶賛されるのが良くわからない。

俳優陣が豪華過ぎて、逆にドラマがつまらなくなった?

「わたしはロランス」や「 Mommy/マミー」は良かったのに...。


ギャスパー・ウリエルは20代の頃より30代になった今の方が素敵。本作では実年齢より少し年上の役柄だが、不治の病に冒され死期が迫っている男を好演している。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-02-20 23:01 | MINI THEATER | Trackback | Comments(0)

「天使にショパンの歌声を」

La passion d'Augustine2015 カナダ

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カナダ、ケベックにある修道院が経営する小さな寄宿学校の校長オーギュスティーヌは音楽教育に熱心で、前回のピアノコンクールでは念願の銀メダルを獲得していた。しかしそんな名門私立学校も、今や公立学校の増加で経営が苦しくなってきている。修道院の総長は出費のかさむ音楽教育をやめて、良妻賢母になるための教育の実施を校長に促す。しかし校長はこれを断固拒否し、シスターたちに諦めないで闘いましょう!と宣言する。そんな折、校長の姪であるアリスが転校してくる


マザー・オーギュスティーヌ(校長)に「アサインメント/1997」のセリーヌ・ボニエ。

アリス・シャンパーニュにリザンドル・メナール。

シスター・リーズにディアヌ・ラヴァレ。

シスター・クロードにヴァレリー・ブレ。

シスター・オネジムにピエレット・ロビタイユ。

スザンヌ・ゴーティエにエリザベート・トランブレ=ガニョン。

監督、脚本は「翼をください/2001」「天国の青い蝶/2004」のレア・プール。


シアターで予告編も見ていなくて鑑賞対象に入っていなかったが、有楽町で上映していたので見に行った。ところがこれが意外にも素敵なドラマでちょっと感動してしまった。そう、静かな感動を呼ぶ素敵なドラマである。


アリス役のリザンドル・メナールのピアノ演奏が圧倒的!と思っていたら、高い評価を得るピアニストだそうで納得!

カナダ、ケベックの深い雪に埋もれた村に建つ修道院。1960年代が舞台らしいが、とても古く感じる。

映画の知識が全くなかったので、最初ドラマで描かれる時代がいつかわからなかった。修道服を見ている限りいつの時代かはわからない。しかし少女たちの服装を見てこれはさほど古い時代ではない、と理解した。修道服の代わりにユニフォームとなったシスターたちのあの服..あれはきっと60年代に流行ったスタイルだと思う。


神は救ってくださる!と宣言する修道院の総長に神は耳が遠いのです!と切り返すマザー・オーギュスティーヌ。二人のバトルが可笑しい。

過去に苦い経験を持つマザー・オーギュスティーヌ。姪のアリスは天才的なピアノ演奏の技術を持つ少女ながら問題児で、母親の病気のせいで修道院に預けられる。互いに反撥を感じる叔母と姪が歩み寄り深い親愛を取り戻すラストは短絡的ながら小さな感動を呼ぶ。

何はともあれ雪に埋もれた修道院と、バックに流れるMusicがドラマを盛り上げている。


角川シネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-02-05 22:20 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(2)

「聖杯たちの騎士」

Knight of Cups2015 USA

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ハリウッドで脚本家として成功したリックは快楽を求め日々女性たちと戯れている。しかし崩壊寸前の家族を目の当たりにして自らの人生を見つめ直そうと考える…


リックに「マネー・ショート 華麗なる大逆転/2015」クリスチャン・ベール。

ナンシーに「ニュースの真相/2015」ケイト・ブランシェット。

エリザベスに「ブラック・スワン/2010」ナタリー・ポートマン。

ヘレンに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「ミラル/2010」「恋のロンドン狂騒曲/2010」「トリシュナ/2011」のフリーダ・ピント。

イザベルに「インモータルズ -神々の戦い-2011」のイザベル・ルーカス。

カレンに「殺し屋チャーリーと6人の悪党/2014「きみがくれた物語/2016」のテリーサ・パーマー。

デラに「ジェーン・エア/2011」「25年目の弦楽四重奏/2012」 「ジェーン・エア/2011」イモージェン・プーツ。

ジョセフに「コクーン/1985「スリーデイズ/2010」のブライアン・デネヒー。

バリーに「アメリカン・ビューティー/1999」「パーフェクト・メモリー/2015」のウェス・ベントリー。

トニオに「ボーダータウン/報道されない殺人者/2006」「私が、生きる肌/2011」「エージェント・マロリー/2011」アントニオ・バンデラス。

監督、脚本は「ニュー・ワールド/2005」「ツリー・オブ・ライフ/2011」「トゥ・ザ・ワンダー/2012」テレンス・マリック。


リックの家族は崩壊寸前。そして心にはいつも虚しさを抱えている。やがてリックにかつて巡り会った6人の美しい女性の記憶が蘇る。

ナンシーは元妻で一時期互いに愛し合っていたが既に別れていた。人妻のエリザベス、モデルのイザベルやヘレン、そしてダンサーのカレンと、風変わりなデラ。ハリウッドのセレブリティならではの派手な女性関係が続く。リックが運転するコンバーティブルの助手席に乗るそれぞれの女性たち...あのシーンで6人の美しい女性たちは過去の人と理解できる。


ストーリーは殆どないに等しく、当然台詞も少ない。圧倒的な映像美がドラマの主人公のよう。クリスチャン・ベールの相手に、二人のオスカー女優ケイト・ブランシェット&ナタリー・ポートマンを出演させるなんてなんとも贅沢なキャスティング!

やはりテレンス・マリックは水が好き。サンタモニカの海岸が何度も登場する。そしてテレンス・マリックの世界には宗教/キリスト教も欠かせない。

意図不明というのか?ワケの分からない映画が多いテレンス・マリックの世界。前作の「トゥ・ザ・ワンダー」の方が見やすかったかも知れない。本作は少々眠気に襲われて困った。


本作の上映前に来年3月公開予定のテレンス・マリックのドキュメンタリー「ボヤージュ・オブ・タイム/2016」の予告編があった。スクリーンから素晴らしい映像が映し出され、テレンス・マリック映画は映像のみが良いのかも知れない。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2016-12-30 20:19 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(2)

「手紙は憶えている」

「Remember」2015 カナダ/ドイツ

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ホームで暮らす90歳のゼヴは認知症で最愛の妻ルースが亡くなったことすら忘れている。ある日、友人のマックスから1通の手紙を手渡される。ゼヴとマックスはアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前共にナチスの兵士に家族を殺されていた。犯人の名前は”ルディ・コランダー”で身分を偽りまだ生きているという。マックスはターゲットとして4人のルディ・コランダー”を選んでいた。身体が不自由で車椅子に頼らざるをえないマックスはゼヴに復讐を依頼する…


ゼヴ・グットマンに「トレビの泉で二度目の恋を/2014」「Dearダニー君へのうた/2015」クリストファー・プラマー。

マックス・ザッカーに「ウディ・アレンの重罪と軽罪/1989」「やさしい嘘と贈り物/2008」マーティン・ランドー。

ルディ・コランダー#1「愛を読むひと/2008」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「アンノウン/2011」「悪の法則/2013」「リスボンに誘われて/2013」「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」ブルーノ・ガンツ。

ルディ・コランダー#2に「きっと ここが帰る場所/2011」のハインツ・リーフェン。

ルディ・コランダー#4に「U・ボート/1981」「イングリッシュ・ペイシェント/1996」「ダ・ヴィンチ・コード/2006」ユルゲン・プロフノウ。

ジョン・コランダーに「シークレット・アイズ/2015」ディーン・ノリス。

チャールズ・グットマンに「今そこにある危機/1994」「ミッション:インポッシブル/1996」のヘンリー・ツェーニー。

監督は「秘密のかけら/2005」「クロエ/2009」「デビルズ・ノット/2013」「白い沈黙/2014」アトム・エゴヤン。


ある日突然老人がホームから抜け出し列車やバスを乗り継ぎ目的地に赴く。見ていてこれはただのロードムービー?なんて思ったりもしたがラストは壮絶だった。

4人のルディ・コランダーの中の一人が犯人本人である。ルディ・コランダー#3がいないのは既に亡くなっていたから。ゼヴはコランダーの息子で警察官のジョンと会うことになる。ジョンは究極のネオナチで部屋にハーケンクロイツ(鉤十字)の旗を飾り、ナチスのユニフォームまで所蔵していた。

ゼヴとジョンが争いを始め、結局ゼヴがジョンを撃ち殺してしまう。このシーンが実に不可解だったが、ラストに繋がって行くようでなるほどなとも思った。


いつもどうり前知識なしで見た。見た後オフィシャル・サイトを覗いてみたら...

“ラスト5分の衝撃ーーーすべての謎が解き明かされるとき、あなたの見ていた世界は一転する。”と書いてあった。


いやいや衝撃のラストシーンの時“あっ!”と声あげていたかも知れない。見たのは公開2週目の金曜日の夕方の回で、両隣にも人がいてちょっと焦った。この映画評判なのかシアターが混んでいて驚いた。


ユルゲン・プロフノウは老け役(ゼヴ・グットマと同世代)をしているがどうも変に?加工したシワが気になった。ユルゲン・プロフノウはスゴく見たことのある俳優ながら思い出せずで、調べてみたら「U・ボート」のドイツ人俳優だった。


劇中ゼヴがピアノを弾くシーンがある。エンドクレジットで演奏者の中にクリストファー・プラマーの名前があったが、この方ピアニストになりたかったそうで、ピアノ演奏が上手いのも納得。


TOHOシネマズ・シャンテにて


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by margot2005 | 2016-11-12 21:26 | MINI THEATER | Trackback(6) | Comments(0)

「セルフレス/覚醒した記憶」

「Self/less」2015 USA
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科学者のオルブライトは、ガンで余命半年と宣告された大富豪ダミアンに、最先端クローン技術で作った肉体に頭脳を転送することができると持ちかける。やがて68歳の余命いくばくもないダミアンが30代の若い男の肉体を手に入れるが、新たなそれはクローンではなく前の持ち主の記憶が残っており、その持ち主はマークという特殊部隊の兵士で、彼には妻子がいた...

マークに「あなたは私の婿になる/2009」「ハッピー・ボイス・キラー/2014」「白い沈黙/2014」「黄金のアデーレ 名画の帰還/2015」のライアン・レイノルズ。
オルブライトに「マッチポイント/2005」「敬愛なるベートーヴェン/2006」「ウォッチメン/2009」「シングルマン/2009」「イノセント・ガーデン/2013」「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」のマシュー・グード。
ダミアンに「エレジー/2008」「エクソダス:神と王/2014」のベン・キングズレー。
マデリーンに「ブロークンシティ/2012」のナタリー・マルティネス。
ダミアンの友人マーティンに「アルゴ/2012」「ボーダーライン/2015」のヴィクター・ガーバー。
アントンに「きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー/2002」「大いなる陰謀/2007」「セントアンナの奇跡/2008」のデレク・ルーク。
ダミアンの娘クレアに「ダウントン・アビー シリーズ/2010~2015」「フライト・ゲーム/2014」のミシェル・ドッカリー。
監督は「ザ・セル/2000」「落下の王国/2006」「インモータルズ -神々の戦い-/2011」「白雪姫と鏡の女王/2012」のターセム・シン。

新しい肉体を得たダミアンは新しい人生を歩み始める。オルブライトが用意した家に移り住み、近隣に暮らすアントンと仲良くなる。数十年ぶりで若者の遊びに興じるダミアンは幸せを謳歌していた。しかしそんなある日、ダミアンはとてもリアルな夢を見る。夢にでてきた場所が脳裏を離れず、ネットで調べた末現地へ車を走らせる。
やがて自分が誰かと知ったダミアンは、本当の自分であるマイクの妻マデリーンと幼い一人娘を守るため闘い始める。秘密組織相手にたった一人で…。

強くて愛情深いマークを演じるライアン・レイノルズと、繊細で怪しげな科学者オルブライトを演じるマシュー・グードの二人…彼らは全く個性が違う俳優でそれぞれの役柄がぴったりのナイス・キャスティング。
マシューはもちろんライアンもお気に入り俳優なので二人の共演が楽しみだった一作。ターセム・シンの世界は映像が美しい。本作は映像美を見せる映画ではないがちょっと驚くテーマのSFアクションは中々興味深かった。

“不老不死”をテーマにした映画ではメリル・ストリープ&ゴールディ・ホーンの「永遠に美しく/1992」というのがある。秘薬を飲めば永遠に美しく生きられるが、どんなに身体が傷ついても決して死ねないという代償があり、結末は肉体がバラバラに壊れてもまだ生き続けるという悲惨なもの。その映画は当然ブラック・コメディだった。
ライアン・レイノルズの妻ブレイク・ライブリー主演の「アデライン、100年目の恋/2015」は“不老不死”のためにヒロインが身を隠し、偽って生きなければならない試練があり、老いの印を見つけた時彼女は喜びに浸っていたのを思い出す。

とにかく人間いつまでも若くはいられないし、その時がくれば人生にさよならしなくてはならないのが現実。その現実に逆らいたい人っているのだろうか?なんてふと考えた。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-09-21 23:23 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「きみがくれた物語」

「The Choice」2016 USA
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ノースカロライナ州の海沿いにある小さな町で暮らすトラヴィスは今だシングルで、父親が経営する動物病院を手伝いながら家庭を持った友人たちと気ままに過ごしている。そんなある日、彼の家の隣に若い女性ギャビーが引っ越してくる...

トラヴィスに「リンカーン/秘密の書/2012」「白鯨との闘い/2015」のベンジャミン・ウォーカー。
ギャビーに「殺し屋チャーリーと6人の悪党/2014」のテリーサ・パーマー。
シェップに「グローリー/明日への行進/2014」のトム・ウイルキンソン。
ステフに「96時間/2008」「96時間/リベンジ/2012」「96時間/レクイエム/2014」のマギー・グレイス。
モニカに「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海/2013」のアレクサンドラ・ダダリオ。
ライアンに「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間/2013」のトム・ウェリング。
監督は「TAKING CHANCE/戦場のおくりびと/2009」のロス・カッツ。
原作は「きみに読む物語/2004」「最後の初恋/2008」「親愛なるきみへ/2010」「一枚のめぐり逢い/2012」のニコラス・スパークス。

出会いは最悪だった二人が恋に落ちて結婚し二人の子供が生まれる。しかしながらある夜、幸せいっぱいの夫婦に突然不幸が訪れる。ギャビーが自動車事故に遭い意識不明の重体になったのだ。やがて悲しみに暮れるトラヴィスに課せられた選択は、生命維持装置からギャビーを解放するかどうかというものだった。
ギャビーは3ヵ月を超えての延命措置を拒否する書類にサインしていた。しかしトラヴィスはギャビーが逝ってしまうことに耐えられなかった。

結末はわかりながらもドラマに惹き付けられた。ニコラス・スパークス映画は登場する景色が素晴らしく美しくてドラマを盛り上げる。今回舞台となった海沿いのノースカロライナの景色はやはり美しい!の一言。海辺、ヨット、恋人たち、そして愛犬。この愛犬が実に可愛くて犬好きにはたまらないかも知れない。

公開されたニコラス・スパークス映画は「メッセージ・イン・ア・ボトル/1999」以来全て見ている。「きみに読む物語/2004」が最高傑作かも知れないが、私的には「「親愛なるきみへ」のレビューにも書いたように「メッセージ・イン・ア・ボトル」が好き。

都内では8月13日の公開で1ヶ月たった今でも上映していて、やはり評判良いのかな?とかなり迷いながらも見に行ってしまった(渋谷のミニシアターのみで公開)。
今回久しぶりにシアターで見たスパークス映画は中々素敵だった。

ベンジャミン・ウォーカーって「リンカーン/秘密の書」のイメージがとても強くてラヴ・ロマンス映画は想像できなかったが、はからずも恋する男が似合っていてナイス・キャスティング。
テリーサ・パーマーはクリステン・スチュワートにそっくりと思ったが、やはりそうらしい。

渋谷シネパレスにて
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by margot2005 | 2016-09-13 23:20 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「栄光のランナー/1936ベルリン」

「Race」2016 カナダ/ドイツ
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1934年のアメリカ合衆国。貧しい家庭に生まれたジェシー・オーエンスは高校時代に陸上で驚異的な記録をだしオハイオ州立大学に進学する。そして名コーチ、ラリー・スナイダーと出会い、彼の指導の下さらなる記録を打ち出して行く。
一方でアメリカオリンピック委員会の委員長エレミア・マホニーと、メンバーであるアベリー・ブランデージ(後のIOC/国際オリンピック委員会の会長)が議論を闘わせベルリン・オリンピックに参加するか否かの投票を行う。そして投票の結果は参加に決まる。
しかしアメリカ国内では、人種差別を打ち出しているナチスに反対してオリンピックをボイコットすべきだという世論が高まっていた..

ジェシー・オーエンスに「グローリー/明日への行進/2014」のステファン・ジェームズ。
ラリー・スナイダーに「幸せのセラピー/2007」「モンスター上司/2014」のジェイソン・サダイキス。
ルース・ソロモンにシャニース・バントン。
アベリー・ブランデージに「ハイ・ライズ/2015」ジェレミー・アイアンズ。
エレミア・マホニーに「ニューヨーク 冬物語/2014」のウィリアム・ハート。
レニ・リーフェンシュタールに「ブラックブック/2006」「ワルキューレ/2008」のカリス・ファン・ハウテン。
カール・ロングに「クラバート - 謎の黒魔術/2008」「愛を読むひと/2008」「戦火の馬/2011」のデヴィッド・クロス。
ヨーゼフ・ゲッベルスにバーナビー・メッチェラート。
監督、製作は「ゴースト&ダークネス/1996」「リーピング/2007」のスティーヴン・ホプキンス。

ジェシーには恋人ルースと二人の間に生まれた女の子がいる上、両親にも仕送りをしなければならず、大学生活は困難極まるものだった。そんなジェシーの境遇を知ったコーチは、さらに記録を伸ばすなら援助をしようと持ちかける。
ジェシーとコーチ、ラリー、そしてジェシーとドイツ人陸上選手カール・ロングの人種を超えた友情が素晴らしい。ナチスの宣伝大臣ゲッベルスとドイツ人TVプロデューサー、リーフェンシュタールの密かなる闘いも痛快だった。

ジェシー・オーエンスのコーチを演じるジェイソン・サダイキスの映画はコメディしか見たことがないが、シリアスな役柄も中々似合っている。
ジェレミー・アイアンズのアベリー・ブランデージも貫禄たっぷりでナイス・キャスティング。

ジェシー・オーエンスという名前はなんとなく聞いたことがある。でも本作を見て、偉大なる記録を持つ陸上選手であり、さらにベルリン・オリンピックで地元ドイツ人選手に打ち勝ち、あのヒトラーを怒らせた人でもあることを知った。
ジェシー・オーエンスはベルリン・オリンピックで4個の金メダルを獲得したが、帰国しても賞賛されることはなく、長い間彼の業績は認められなかったと言う。
原タイトルの“RACE/競争と人種二つの意味がある”が意味深い。

ドイツでもベルリン・オリンピック開催の年にはナチスによる人種差別が始まっていたため、出場予定だったアメリカ代表のユダヤ人リレー選手は走れなくなる。そこでリレー選手の代わりにジェシー・オーエンスが走り優勝したというからスゴい。
このような史実があったなんて全く知らなかったのでとても興味深く見ることができた。
オリンピック・イヤーにタイムリーに公開されたジェシー・オーエンスの実話ドラマは感動を呼ぶ。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-09-05 23:41 | MINI THEATER | Trackback(1) | Comments(0)

「ハートビート」

「High Strung」2016 USA/ルーマニア
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プロのバレエダンサーを目指しニューヨークへやって来たルビー。ルームメートのジャジーとも意気投合しレッスンに励む日々。そんなある日、地下鉄の駅でヴァイオリンを演奏する青年ジョニーと出会う。英国人の彼はグリーンカードを得るため必死で頑張っていたが、男に絡まれたルビーを助けるうち大事なヴァイオリンを盗まれてしまう...

ルビーにキーナン・カンパ。
ジョニーにニコラス・ガリツィン。
ジャジーに「エクス・マキナ/2015」のソノヤ・ミズノ。
カイルにリチャード・サウスゲート。
ダンス教師オクサナに「ある日どこかで/1980」のジェーン・シーモア。
ダンス教師クラムロフスキーに「レイダース/失われたアーク《聖櫃》/1981」「プロヴァンスの恋/1995」のポール・フリーマン。
校長マルコヴァに「パッション/2004」のマヤ・モルゲンステルン。
監督、脚本、製作は「マーリー2 世界一おバカな犬のはじまりの物語/2011」のマイケル・ダミアン。

クラシック・バレエは得意ながらコンテポラリー・ダンスがだめなルビー。一方でルームメートのジャジーは夜遊びの影響で遅刻ばかり。ある時、校長マルコヴァに呼ばれ、“このままじゃ二人とも奨学金がでなくなります!”と脅される。そしてジョニーは祖父から貰ったヴァイオンを盗まれた上、グリーンカード詐欺にあっていた。

いきなり歌い出すミュージカルのように、これはいきなり踊り出すダンス映画。キーナン・カンパを始めとした、ダンサーたちが素晴らしい!の一言!
「エクス・マキナ」では一言も喋らなかったソノヤ・ミズノ。本作では全く違った印象で最初誰だかわからなかった。でも出演していることは知っていたので、エンドクレジットで確認した次第。もう一人エンドクレジットで知ったのはジェーン・シーモア。彼女の姿を見るのは「ある日どこかで」以来。やはり全く印象が違っていてこちらは35年の年月を感じる。
英国出身のニコラス・ガリツィンがスゴくキュート。
“音楽とバレエ、ヒップホップダンスがジャンルを超えて融合する青春ラブストーリー”はとっても素敵だった。今一度見たい!

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-08-29 23:32 | MINI THEATER | Trackback(2) | Comments(2)

「ニュースの真相」

「Truth」 2015 オーストラリア/USA
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2004年9月のニューヨーク。CBSニュースのベテラン・プロデューサー、メアリー・メイプスは看板番組“60ミニッツII”で、再選を目指すジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑という一大スクープを特集することに決める。マイク、ルーシー、ロジャーからなる取材チームの助けを借り、メアリーはとうとう疑惑の決定的な証拠を入手する。やがて“60ミニッツII”のアンカーマン、ダン・ラザーがスクープを語り、番組は大反響を呼ぶが“証拠は偽造ではないか?”という疑いを持たれてしまう...

メアリー・メイプスに「キャロル/2015」のケイト・ブランシェット。
ダン・ラザーに「大いなる陰謀/2007」「声をかくす人/2011:製作、監督」「オール・イズ・ロスト 最期の手紙/2013」のロバート・レッドフォード。
マイク・スミスに「バレンタインデー/2010」「顔のないスパイ/2011」「グリフィン家のウエディングノート/2013」のトファー・グレイス。
ルーシー・スコットに「噂のモーガン夫妻/2009」「オン・ザ・ロード/2012」のエリザベス・モス。
ロジャー・チャールズ中佐に「ザ・ワーズ 盗まれた人生/2012」「スマイル、アゲイン/2013」のデニス・クエイド。
CBS社長アンドリュー・ヘイワードに「華麗なる恋の舞台で/2004」「カポーティ/2005」「デジャヴ/2006」「アイム・ノット・ゼア/2007」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命/2012」「デビルズ・ノット/2013」「パパが遺した物語/2015」のブルース・グリーンウッド。
CBSのジョッシュ・ハワードに「セイフ ヘイヴン/2013」のデヴィッド・ライオンズ。
同じくベッツィ・ウエストに「サマー~あの夏の記憶/2008」のレイチェル・ブレイク。
情報を提供するビル・バーケット中佐に「ブッシュ/2008」「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅/2013」のステイシー・キーチ。
内部調査委員会のローレンス・ランファーに「理想の恋人.com/2005」「幸せのポートレート/2005」「ゾディアック/2005」「イノセント・ガーデン/2013」「8月の家族たち/2013」のダーモット・マローニー。
メアリーの夫ロバートにコナー・バーク。
監督、脚本、製作は「ゾディアック/2006」「ホワイトハウス・ダウン/2013」の脚本家ジェームズ・ヴァンダービルト。

メアリーのスクープに対して“証拠は偽造だ!”と、保守派ブロガーが指摘してくる。他のTV局からも批判報道が相次ぎCBSは激しく非難され、メアリーは窮地に追い込まれる。やがてCBSの上層部が設置した内部調査委員会でメアリーは弁明を求められることになる。毅然とした態度のメアリーながら、メンバーの中にはブッシュ寄りの有力者も含まれており敗北を認めるしかなかった。

取材に対するメアリーの執念がスゴい。相手に何度断られても引き下がらず決して諦めない。スゴい女性だ。演じるケイト・ブランシェットはぴったりの役柄。女王を演じても、レズビアンを演じても、ジャーナリスト役でも様になるケイトは本当に素晴らしい女優。
伝説のアンカーマン役のレッドフォードもちょっとお年だけど貫禄たっぷり。

社会派ドラマが大好きなのと、ケイト・ブランシェットがお気に入り女優なのとで楽しみにしていた一作。ロバート・レッドフォードも出演しているし…。
“21世紀最大のメディア不祥事”って日本でも報道されて何となく聞いたことのある事件のような気もするが、深くは知らない。しかしドラマが進むにつれぐいぐいと引き込まれていった。ドラマは予想どうり見応えがあった。
「スポットライト 世紀のスクープ/2015」のジャーナリスト魂を思い起こす。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-08-19 00:27 | MINI THEATER | Trackback(3) | Comments(4)