カテゴリ:アジア( 18 )

「汚れたミルク あるセールスマンの告発」

「Tigers」2014 インド/フランス

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1994年、パキスタン。新婚のアヤンは製薬会社のセールスマン。しかし国内で生産された薬は売れなくて収入も少ない。ある時、妻のザイナブが“世界的に名の知れた大手グローバル企業の面接を受けてみれば!”と提案してくる。アヤンのセールスマンとしての熱意を認めた企業は彼を採用する。日々病院巡りに励み会社の粉ミルクを精力的に売り込むアヤンは、気がつけばトップセールスマンになっていた。しかしある日、ドクター・ファイズから、病院に売り込んだ粉ミルクのせいで乳幼児が亡くなるという衝撃的な事実を聞かされる...


アヤンにイムラン・ハシュミ。

ザイナブにギータンジャリ。

アレックスに「ナイロビの蜂/2005」「ビッグ・アイズ/2014」ダニー・ヒューストン。

ナディームに「君のためなら千回でも/2007」「グリーン・ゾーン/2010」「われらが背きし者/2016」ハリド・アブダラ。

マギーに「007/リビング・デイライツ/1987」「美しき運命の傷痕/2005」のマリアム・ダボ。

フランクに「もうひとりのシェイクスピア/2011」「レイルウェイ 運命の旅路/2013」「ベル ~ある伯爵令嬢の恋~/2013」のサム・リード。

ビラルに「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/2012」「マダム・イン・ニューヨーク/2012」のアディル・フセイン。

ドクター・ファイズにサティエーディープ・ミシュラ。

監督、脚本は「ノー・マンズ・ランド/2001「美しき運命の傷痕/2005」ダニス・タノヴィッチ。


パキスタンで実際に起こった事件をモチーフにしたドラマは、アヤンの告発を取材してドキュメンタリー番組を作る映画作家アレックスのシーンから始まる。


水道環境が良くないパキスタンで粉ミルクを強引に販売した結果、汚染水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡する事件が多発する。苦しむ乳幼児を目の当たりにしたトップセールスマンのアヤンは会社の上司ビラルに訴えるが、話を聞くどころか逆に脅されてしまう。やがて正義感に燃えるアヤンは世界的巨大企業に孤高の闘いを挑むが、彼の告発の前には圧倒的な権力の壁が立ちはだかる。


巨大企業を相手にしたこの問題はまだ未解決のままで、アヤンはパキスタンを離れ妻子と共にカナダで暮らしている。

とても重いテーマで描かれた衝撃作は中々見応えがあった。


アヤンを演じるのはボリウッド映画の人気スター、イムラン・ハシュミ。ボリウッド映画を見ないのでイムラン・ハシュミを見たのはもちろん初めて。真面目で家族想いのアヤン役を好演している。ドキュメンタリーのようにも見えるリアルなドラマは、イムラン・ハシュミの演技が素晴らしいことに他ならない。

全く趣の異なるイムラン・ハシュミのボリウッド映画が見てみたくなった。


シネマカリテにて



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by margot2005 | 2017-03-29 00:07 | アジア | Trackback(2) | Comments(2)

「歌声にのった少年」

「Ya tayr el tayer」…aka「The Idol」2015 パレスチナ/オランダ/UK/カタール/アルゼンチン/エジプト/アラブ首長国連邦

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2005年、紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区。姉ヌールと2人の少年の5人組でバンド活動するムハンマドは歌うことが大好きで、“スター歌手になって世界を変える”ことを夢見ている。しかしヌールが重い腎臓病に冒されていることが発覚する。やがて手術費用を稼ぐためムハンマドはウエディング・シンガーとして歌い始め、人々は彼の歌声に魅了される。一方でカイロのオペラハウスに出場することがヌールの夢だったが病気が悪化し亡くなってしまう。

2012年、ガザ地区でタクシー・ドライバーをするムハンマドは、ヌールの叶わなかった夢を果たすためオーディション番組“アラブ・アイドル”への出場を決意する...


ムハンマド・アッサーフ(少年)にカイス・アタッラー。

ムハンマド・アッサーフ(青年)にタウフィーク・バルホーム。

ヌールにヒバ・アタッラー。

アマルにディーマ・アワウダ。

シャーディヤに「キャラメル/2007」「友よ、さらばと言おう/2014」「チャップリンからの贈りもの/2014」のナディーン・ラバキー。

監督、脚本、出演(サミール)は「オマールの壁/2013」のハニ・アブ・アサド。


ムハンマド・アッサーフの子供時代の展開は少々ダラダラと長く、早く大人になって!なんて思いながら見ていた。いつものように前知識なしで見たので、ムハンマドが“アメリカン・アイドル”ならぬ“アラブ・アイドル”で2013年に優勝した有名人だったとは知らずで驚きだった。もちろん本人の映像もあり。ムハンマド役の俳優より本人の方がハンサム。


パレスチナ・ガザ地区に住む青年がエジプトに行くには偽造パスポートを用意し検問をくぐり抜けなければならない。しかし友人の助けもありムハンマドはオーディション番組“アラブ・アイドル”出場を果たしたのだからスゴい!


「オマールの壁」が素晴らしかったので見に行った次第。World-wide (English title)公開タイトルはズバリ「The Idol」。ポップ・スターとして大成功を納めたムハンマド・アッサーフはパレスチナの国民的アイドルで、現在国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使を務め平和への活動を続けている。


オーディションで選ばれたガザ地区に暮らす少年少女たちの出演に、ドラマの中の子供時代がとてもナチュラルに映る。

ムハンマド・アッサーフはパレスチナのポップ・スターながら、殆ど耳にすることのない彼の歌声はイスラム教で唱えるコーランの雰囲気?


ヒューマントラストシネマ有楽町


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by margot2005 | 2016-10-25 20:55 | アジア | Trackback(1) | Comments(2)

「オマールの壁」

「Omar」2013 パレスチナ
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パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に住む青年オマールは誠実なパン職人。目の前にそびえる巨大な壁をよじ登り、今日も幼なじみのアムジャドとタレクに会いに行く。3人はイスラエル政府軍に対抗するため射撃訓練を行っていた。そしてオマールはタレクの妹ナディアに恋心を抱いており、やがては結婚を申しこもうと考えていた…

オマールにアダム・バクリ。
ナディアにリーム・リューバニ。
アムジャドにサメール・ビシャラット。
タレクにエヤド・ホーラーニ。
ラミ捜査官に「ヤギと男と男と壁と/2009」のワリード・ズエイター。
監督、脚本、製作は「パラダイス・ナウ/2005」のハニ・アブ・アサド。

映画の軸となっているのはオマールとナディアの恋。アムジャドの嘘で悲恋に終わる二人の恋があまりにも哀しい。
映画のテーマは重くてシリアスながら、時折ユーモアを交えた台詞があってほっとする。

ある日、イスラエル兵に侮辱を受けたオマールは、憤りを覚え、同志であり、幼なじみのアムジャドとタレクと共にイスラエル兵に攻撃を仕掛ける。しかしオマールが捕まって拷問にかけられた後捕虜となる。
ラミ捜査官に90年以上の懲役刑を宣告され、ナディアさえも罪に問われると脅されたオマールは、ラミ捜査官が差しだす提案を受けるしか方法がなかった。
釈放されスパイとなったが、アムジャドとタレクに決して知られてはならない。一方でオマールはナディアのことが気がかりで彼女が通う女学校を覗いたり、帰宅途中に待ち伏せしたりする。そんなある時、アムジャドとナディアが深刻な表情で話している現場を目撃する。オマールはアムジャドとナディアの仲を疑うが、彼女は否定するばかり。

メールではなく手紙でやりとりする恋人たちの姿がとても新鮮で心に残る。ナディアがオマールに最後に渡そうとした手紙…オマールは受け取りを拒否..それには何が書いてあったのだろう?とかなり気になった。オマールがあの手紙を読んでいたら二人の未来は変わっていたかも知れない。

捕虜となり、釈放されてから2年の月日が経過したある日、アムジャドに会うため壁に向かう。何度も何度も登った壁なのに、登ることができなくて泣きそうになるオマールに一人の老人が手助けする。あのシーンはオマールの心を現しているようで胸を打たれた。

とても衝撃的なドラマのラストは最高に衝撃的。見終わった観客に考える時間を与えるかのようにエンドクレジットは無音だった。映画が終わり久しぶりに席を立つのがツラかった。それほど衝撃を受けたということかも知れない。

本作はなんとなく見に行こうかどうかスゴく迷っていて、でもシアターを変えていつまでも上映しているのではやり見なきゃ!と思いシアターへ!
見て良かった。今年のMY BESTに入れたい一作。
オマール役のアダム・バクリは来日したそう。オフシャルサイト見てないので知らなかった。彼はとてもハンサムで笑顔が最高にキュート。

シネマート新宿にて(5/26迄)
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by margot2005 | 2016-05-24 00:12 | アジア | Trackback(2) | Comments(2)

「ボーダレス ぼくの船の国境線」

「Bedone März」…aka「Borderless」2014 イラン
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監督、脚本はアミルホセイン・アスガリ。

イランとイラクの国境沿いの立ち入り禁止区域に浮かぶ廃船。有刺鉄線の向こうには銃を携える米兵が巡回している。廃船に一人で暮らす少年は魚や貝を獲り、干物やアクセサリーに加工して売り日々の糧を稼いでいる。ある日、国境の反対側から突然一人の少年が現れる。言葉の通じない二人は互いに反撥し合うが、ある時を境に奇妙な同居生活が始まり、次第に連帯感が芽生え始める。やがてそこに一人の米兵が割り込んで来る。イラクの少年は米兵に銃を向け敵意をむき出しにするが、イランの少年はそれをいさめようとするのだ。

ドラマが始まる…一人の少年が廃船の中で生活している。彼の他誰もいないので当然台詞はなし。聞こえてくるのは少年がたてる音のみ。このサイレント状態はいつまで続くのか?と、少々眠気を催しそうだったが、廃船に侵入者がやって来たところからスクリーンから目が離せなくなる。

主要なる登場人物はイランの少年とイラクの少年(本当は少女)、そして米兵の3人。それぞれに違う国籍を持つ3人の言葉は通じない。
少年と少女に家族はいない。戦争で奪われてしまったのだ。一方で米兵には愛する妻と幼い子供たちの家族がいる。米兵は、言葉が通じないにも関わらずイランの少年に家族の写真を見せ、好きでここにいて戦争をしているのではないと訴える。
辛くて、辛くて感極まり泣き出す米兵に対し、とても冷静なイランの少年に心揺さぶられる。
とてもリアルで身につまされる反戦映画だった。
ラスト、イランの少年が廃船に戻った時、辺りは荒らされ誰もいなかった。あのラストはどう解釈すれば良いのだろう?しばし呆然となった。

新宿武蔵野館にて(11/13迄上映)
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by margot2005 | 2015-11-10 21:37 | アジア | Trackback | Comments(0)

「マダム・マロリーと魔法のスパイス」

「The Hundred-Foot Journey」2014 インド/アラブ首長国連邦/USA
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インド、ムンバイでレストランを営むカダム家。次男のハッサンは母親譲りの類いまれなる味覚感覚を持つ青年。しかしある日、暴動によりレストランは全焼しハッサンの母親も犠牲になる。やがて一家は新天地を求めフランスにやってくる...

マダム・マロリーに「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「クィーン/2006」「消されたヘッドライン/2009」「終着駅 トルストイ最後の旅/2009」「テンペスト/2010」「ヒッチコック/2012」のヘレン・ミレン。
パパに「チャーリー・ウイルソンズ・ウォー/2007」のオム・プリ。
ハッサンにマニシュ・ダヤル。
マルグリットに「恋のベビーカー大作戦/2012」「ムード・インディゴ うたかたの日々/2013」「イヴ・サンローラン/2014」のシャルロット・ルボン。
町長に「マルセイユの決着/2007」のミシェル・ブラン。
監督は「カサノバ/2005」「HACHI 約束の犬/2008」「親愛なるきみへ/2008」「砂漠でサーモン・フィッシング/2011」「ヒプノティスト-催眠-/2012」のラッセ・ハルストレム。

ある日突如、瀟洒な館のフレンチ・レストランの真正面にゴテゴテと飾りをつけたインド料理店が出現する。フレンチ・レストランのマダム・マロリーは、このようなのどかな村に派手派手なインド料理店などあり得ない!と反撥し、攻撃を開始し始める。まぁマダムの気持ちは手に取るように分る。確かにあの地(あの景色)でインド料理店は違和感ありまくりだろう。そしてマダム曰く…この辺りの人々はインド料理など食べない!と。それに受けてたったインド人のパパは道路に立ち自らの店を宣伝し始める。徐々に客が入りハッサンは腕によりをかけ料理を作るが、彼の望みはインド料理ではなくフランス料理を作ることだった。

インド人のハッサンが南フランスでミシュラン1つ星を誇るフレンチ・レストランを2つ星に格上げし、その後パリに渡り天才料理人になるサクセス・ストーリー。
最初は憎み合い不仲だったマダム・マロリーとパパ。互いを牽制しつつも気になる存在のハッサンとマルグリット。先にフランスのマダムとインドのパパが好意を持ち始め、ハッサンとマルグリットも互いの気持ちを隠せない...少々出来過ぎのドラマは夢のようで、なんとなく「ショコラ/2000」を思い出してしまった。

ラッセ・ハルストレム大好きなので楽しみにしていた一作。ヘレン・ミレンはお気に入り女優の一人。しかし彼女フランスのマダムに見えないで困った。
舞台は南フランスながら話される言葉は英語で、特にレストランのスタッフたちとの英語での会話は実に違和感あり。でも製作者はあのスピルバーグ&オペラ・ウインフリーだし、英語の台詞になったのも致し方ない。
レストランの舞台として、スペインに近い南フランスの カステルノ・ド・レヴィやサン・タントナン・ノブル・ヴァルで撮影された村がとても美しい。
ちょっとイケメンのハッサン役のマニシュ・ダヤルはサウスカロライナ生まれで両親は北インド出身。TVシリーズに出演するアメリカン人俳優。

シネリーブル池袋にて
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by margot2005 | 2014-12-01 22:49 | アジア | Trackback(6) | Comments(2)

「めぐり逢わせのお弁当」

「Dabba」…aka「The Lunchbox」2013 インド/フランス/ドイツ/USA
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インド、ムンバイに住むイラは夫と娘の三人暮らし。最近、仕事一筋の夫はイラに無関心で、なんとか彼の気を惹こうと美味しいお弁当を作り始める。しかし夫宛てのお弁当は違った人に配達されていたことが判明する…。

サージャンに「その名にちなんで/2006」「マイティ・ハート/愛と絆/2007」「ダージリン急行/2007」「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/2012」のイルファン・カーン。
イラにニムラト・カウル。
シャイクにナワーズッディーン・シッディーキー。
監督、脚本はリテーシュ・バトラ。

最近インド映画が目白押し。歌って踊るインド映画はあまり好きではないが、本作は「スタンリーのお弁当箱/2011」同様“歌と踊り”は一切排除。
テーマが同じ「スタンリーのお弁当箱」は学校に通う少年が主人公だったが、こちらは会社勤めの中年男性と子供を持つ主婦のヒューマン・ドラマ。

妻を亡くしたサージャンと、夫に相手にされないイラ。間違って届けられたお弁当によって心を通わせていく二人。互いに何処の誰かも解らない状態で手紙の交換が始まる。
まぁ当然そうなるだろうなと想像通り二人は逢う約束を取り付ける。夫の愛が冷めたと感じるイラは次第にサージャンを求めるようになる。イラはサージャンのことを夫と同じような世代の男性だと信じていたに違いない。まさか中年男性だとは想像もしていなかったことだろう。逢う約束のレストランで密かにイラを見つけたサージャンも自身の歳を思い知ることになる。
淡い恋心が芽生えそうな成り行きがとても素敵なドラマで大満足だった。

お弁当の誤配は”600万分の1”というのがスーパー級に驚きだ。列車と自転車によってそれぞれのオフィスに運ばれるお弁当。一つや二つ間違っても不思議ではない気がするが…弁当配達人はプロフェッショナルなのだなぁと感心しきりだった。

インドのお弁当って本当に美味しそうで、見終わるとインド・カレーのお店に直行したくなる。イラが狭いキッチンで、ガス・コンロで直火でナンを焼く様子を見て、そうか直火なんだと納得。過去にオーブンでナンを焼いたことがあるがあまり美味しくなかった記憶がよみがえる。
イラと彼女のおば(決して姿は見せない)のやり取りが微笑ましい。上階に住むおばが食材をカゴに詰めイラのキッチンの窓辺につり下げるシーンは最高にナイス。

二人のやり取りがe-mail やLineじゃなくて手紙といったところが実にニクい。これがPCやスマートフォンじゃ興ざめしてしまうだろうな?
そしてシャイクの存在が良かったな。
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シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2014-09-13 00:29 | アジア | Trackback(8) | Comments(4)

「マダム・イン・ニューヨーク」

「English Vinglish」…aka「Madame in New York」2012 インド
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シャシにシュリデヴィ。
夫サティシュに「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/2012」のアディル・フセイン。
フランス人ローランに「裏切りの闇で眠れ/2006」「ワールド・オブ・ライズ/2008」「スウィッチ/2011」のメーディ・ネブー。
シャシの姪ラーダにプリヤ・アーナンド。
監督、脚本はガウリ・シンデー。
「華麗なるギャツビー/2012」のアミターブ・バッチャンが飛行機でシャシの隣席の男性役で特別出演している。

インド人の主婦シャシは菓子作りが得意。家事しか脳がないと夫に思われることが実に辛い。英語が話せないことから娘にも軽蔑され憤懣やるかたない日々。しかしそんなある日、ニューヨークに住む姪の結婚式に招待される。シャシは手伝いのため一人ニューヨークに旅立つ。飛行機の中でも、入国審査でも不安だらけ。なんとか姪の家にたどり着きニューヨークの街に繰り出すが、言葉の壁にぶち当たり悲しい思いを体験することに。そんな矢先“4週間で英語が話せる!”という広告に惹かれシャシはスクールの門を叩く…

シアターで何度も予告を見て公開されたらすぐに観に行こうと思いつつ先々週末の金曜日にシアターへ駆け込んだ所、レディース・デイで満席だった。で、あきらめる他なくて、同じ銀座で上映中の、観る予定などなかった「マレフィセント」観るハメに...。そして数日後ようやっと本作を観る事が叶った。

最近wowowでインド映画特集している。実はインド映画(歌って踊るのがどうも…)って苦手。レビューは書かないながらも昨年観た「きっと、うまくいく/2007」は中々素敵なインド映画だった。その他、過去に観た中では「スタンリーのお弁当箱/2011」も良かったな。本作はそれ同様に素敵なインド映画となった。本作歌って踊るシーン少しあり。
シュリデヴィはインドの国民的大女優だそうで、彼女とても50歳には見えなくて美しくて若くて驚く。

夫はビジネスマンで当然ながら英語を話す。キリスト教の学校へ通う娘も英語が話せ、幼い息子も英語が理解出来る。同居する夫の母親とシャシだけが英語を理解すとことができない。シャシは一人取り残される気持ちが募るばかり。夫には家事さえできればOK…のように扱われているし…。しかし一人ニューヨークへ行き、誰にも(ラーダだけ知っていて協力を惜しまない)内緒で英語を学ぶシャシに拍手を贈りたくなる。姪の結婚式でのシャシのスピーチはとても素敵だった。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2014-08-05 23:04 | アジア | Trackback(10) | Comments(2)

「危険な関係」

「Wi-heom-han gyan-gye」…aka「Dangerous Liaisons」2012 中国/韓国/シンガポール
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ドゥ・フェンユーに「SAYURI/2005」のチャン・ツィイー。
シエ・イーファンにチャン・ドンゴン。
モー・ ジユにセシリア・チャン
監督は「八月のクリスマス/1998」のホ・ジノ。
原作はコデルロス・ド・ラクロ。

1931年、上海。富豪の女性実業家のジユとプレイボーイのイーファンは日々享楽的な生活を楽しんでいる。ジユは自分を捨てた男が年若い少女と婚約したと知り嫉妬し復讐を誓う。やがてある夜パーティで会ったイーファンに“彼女を誘惑して!”と持ちかける。しかしイーファンが誘惑したいと望んでいるのは、他でもない知的で清楚な未亡人フェンユー だった…

中国製作映画は「コネクテッド/2008」以来かれこれ4年半ぶり。「コネクテッド」はハリウッド映画のリメイクだった、こちらもリメイクもの。
過去に鑑賞した中でフランスものはジャンヌ・モロー&ジェラール・フィリップ版の「危険な関係/1959」と、シルヴィア・クリステルとジョン・フィンチ、ナタリー・ドロンの「危険な関係/1977」。
ハリウッドものはグレン・クローズ、ジョン・マルコヴィッチ、ミシェル・ファイファー版の「危険な関係/1988」と、コリン・ファースとアネット・ベニングの「恋の掟/1989」とか、現代のティーン・エイジャーが主人公の「クルーエル・インテンッションズ/1999」など。他に日本や韓国製のものもあり。カトリーヌ・ドヌーヴとルパート・エヴェレット版の「危険な関係/2003」が見てみたい。

でもやはり何といっても「危険な関係」映画は1988年版が一番面白い。原作と同じ18世紀舞台で、社交界に君臨するメルトイユ侯爵夫人役のグレン・クローズとドンファンであるバルモン子爵役のジョン・マルコヴィッチ二人が、テーマである“背徳”にぴったりで、絶妙の配役であり、ストーリーも素晴らしい。脇でキアヌー・リーヴスやユマ・サーマンも出演している。

本作観る予定はなかったが、観たい映画の上映時間が合わず断念してこちらに...(現在は 午前一回のみの上映)。観たのは確か初日だった。
しかしながら本作のチャン・ドンゴンも中々のもの。そしてセシリア・チャンもgood。チャン・ツィイーは好きじゃないので他の女優でお願いしたかったが…。
ドラマに登場する時代物の西洋館や、数々の調度品が美しい。
韓国映画は全く観ないので名前は知っていたがチャン・ドンゴンを初めて見た。香港女優のセシリア・チャンも初めてお目にかかった次第。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2014-02-05 23:51 | アジア | Trackback | Comments(0)

「スタンリーのお弁当箱」

「Stanley Ka Dabba」…aka「Stanley's Tiffin Box」2011 インド
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スタンリーにパルソー。
英語教師ロージーにディヴィヤ・ダッタ。
歴史教師ズーチーに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」のラジェンドラナート・ズーチー。
科学教師アイヤルにディヴィヤ・ジャグダレ。
校長にラフール・シン。
監督、製作、脚本、出演(国語教師ヴァルマー)はアモール・グプテ。
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ボリウッド映画って観た記憶がない。本作は歌もダンスもないながら本国インドで大ヒットを飛ばしたらしい。子供が主人公の映画はあまり観ないのだが、インド料理に興味を惹かれて…彼らが食べる実に美味しそうなインドの家庭料理の数々にレシピが欲しくなった。

顔に痣を作り、水道水を飲んで空腹を満たすスタンリー…あくまでも映画の中の話だが、ムンバイに住む貧困家庭の子供たちにとってそれは現実でもある。

主人公のスタンリーは母親も父親も亡くなりおじに引き取られた身の上。おじには厄介者扱いされているが、スタンリー少年は実に明るくてクラスの人気者。

スタンリーは級友に、母親が家にいなくて弁当を作ってもらうことが出来ない…なんて大嘘をつきながら水で空腹を満たしたり、弁当を持ってこれないので家に食べに帰るなんて嘘を適当に並べている。しかし家に帰って食べるという嘘はすぐにバレてしまい、級友は一緒に食べようと自分たちの弁当を差し出す。しかしその現場を目撃した国語教師ヴァルマーは“弁当を持ってこれない生徒は学校に来る資格がない!”と宣告する。このヴァルマーという男は強者で、自分も日々人の弁当を横取りするくせに、スタンリーをいじめるのだ。

ラスト、スタンリーがおじの家で、虐待にも等しい扱い受けつつ重労働に勤しむ姿に、児童就業率が極めて高いムンバイの子供たちの現実を改めて知り驚いたが、このドラマは監督アモール・グプテのメッセージなのだろう。

憎々しげにスタンリーをいじめる国語教師ヴァルマーを演じるアモール・グプテはスタンリー役のパルソーの実の父親だそう。そしてパルソーがとてもキュート。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2013-07-21 19:57 | アジア | Trackback(3) | Comments(0)

「バビロンの陽光」

「Son of Babylon」 2009 イラク/UK/フランス/オランダ/アラブ首長国連邦/エジプト/パレスチナ
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監督、脚本、撮影にモハメド・アルダラジー。
祖母にシャーザード・フセイン。
孫アーメッドにヤッセル・タリーブ。
ムサにバシール・アルマジド。
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ドキュメンタリーのようなストーリーながらイラクを舞台に描かれた映画である。
アメリカ映画でイラクは良く登場するが、イラクでイラク人が作った映画はこれが初めてかと思う。
イラクという国の(2003年、フセイン陥落後から3週間後の物語)映像を観ることなんてないので、改めてイラクは不毛の地、砂漠国だと知らされた。

祖母と、孫アーメッドは車をヒッチし、バスに乗り継ぎ、イラク北部から首都バグダッドを経て空中庭園の伝説が残る古都バビロンを目指す。戦地に行ったまま帰ってこない愛する息子イブラヒムがナシリヤの刑務所にいるはずだから…

しかし収監されてると思われた刑務所にイブラヒムはいなかった。集団墓地でひざまずき、人骨の中からイブラヒムを見つけようと骨を掘り起こす祖母が悲痛の叫びをあげる。哀しみに打ち砕かれた祖母にかけより、優しく抱きしめるアーメッド。過酷な状況でまだ12歳の少年が祖母を慰める姿は痛々し過ぎる。

イブラヒムに会えると信じ、汚い顔は見せられないと、互いが川の水で顔を洗ってやるシーンが素敵だった。それと、ヒッチした車の運転手と、旅の途中、二人が出会うムサ。最初は胡散臭そうに見えた二人の男たちが、実は良い人という展開にも救われる。

祖母役も、孫役も現地で発掘したクルド人。元々見ず知らずの他人であるこの二人。映画の中で本当の祖母と孫にように見えて、物語なのか、ドキュメンタリーなのか分からなくなってしまう。

ラスト、息子を見つけることが出来なかったクルド人の母親は、孫のアーメッドに何度も“イブラヒム!”と呼びかける。彼女は孫の中に息子の面影を見つけたのだろうか?泣きながら”一人にしないで!”と祖母にすがりつくアーメッドの姿が涙を誘う感動のエンディングだった。

ちょっと調べてみたら、二人が目指すナシリヤは大油田地帯。そしてそれらしきものが残るという“バビロンの空中庭園”は世界の七不思議(古代ギリシャ/ローマ時代)の一つだそう。

モハメド・アルダラジーが立ち上げたというイラク・ミッシング・キャンペーンの実写映像と映画がそっくりで驚く。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2011-06-19 01:19 | アジア | Trackback(6) | Comments(0)