カテゴリ:イタリア( 66 )

ルキノ・ヴイスコンティ...「夏の嵐」

a0051234_21562689.jpg「Senso」...aka「Livia」1954 イタリア
BSでルキノ・ヴィスコンティ生誕100年にあたっての特集放送をしている。BSはいつもナイスな企画をやってくれてありがたい。
この作品は、ただただひたすら破滅へと向かう、ラヴ・ストーリー。ラストでリヴェンジを果たす女は滅茶怖い...
原題は“官能”と言う意味。
ある映画サイトに、“恋人を追いかけるアリダ・ヴァリの激情は「アデルの恋の物語/1975」のイザベル・アジャーニの比ではない。”と書いてあるが、いやヴァリはスッゴイ形相である。アジャーニも真っ青のヴァリである。「イザベル・アジャーニの惑い(アドルフ)/2002」にかぶるストーリーでもあるが、こちらの方がスゴイ!
監督ルキノ・ヴィスコンティ。主演のイタリア人伯爵夫人にアリダ・ヴァリ。伯爵夫人を夢中にさせるオーストリア軍中尉フランツ・マーラーにファーリー・グレンジャー。アリダ・ヴァリは多々映画出演しているようで、彼女の出演するフランス映画は過去に何本も観ている。
7月にささっと回ったイタリア、ヴェネチアも舞台として使われている。
この時代のヴァネチアの運河に架かる橋は木の橋である。
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1860年代、オーストリア軍占領下のヴェネツィア。ある夜、オペラを鑑賞していた伯爵夫人リビア(ヴァリ)はハンサムなオーストリア軍中尉フランツ・マーラー(グレンジャー)と出会う。帰り支度を始めたリビアに、“夜の一人歩きは危険だ。”と言いながら後を追うフランツ。結局夜の明けるまで、二人きりで街を歩き回った。別れの際、“明日また逢いたい!待っている!”と言ってフランツは去って行く。リビアは翌日彼の待っている場所には行かなかったが、4日後理由を見つけてフランツの宿舎を訪ねる。その理由は流刑にさらされている従兄弟の公爵ロベルト(マッシモ・ジロッティ)を救ってもらおうと言う考えがあったからだ。
この後はお決まりの展開で、部屋を借り二人は“官能”の世界へとのめり込んで行く。
フランツを本気で愛してしまったリビアだったが、ある日二人の部屋にフランツは現れない。彼に会いたい衝動を押さえられないリビアは、フランツの宿舎に乗り込んで行く。しかし逢えず、愕然として屋敷に戻ると、夫のセリピエーリ伯爵は、戦争が再開されるのでヴェネチアから離れる準備をしていた。
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最初にも書いたが、年下の男とのめくるめく恋に身を任せて行くヴァリの形相がスゴイ!この時代男は既婚の女性か、娼婦としか“愛”を交わせなかったのであろう。映画の中でフランツも又こう言っている...“ぼくが愛したいと思う女性は、夫のいる女性か、恋人のいる女性しかいない...”
女は女で、若いうちに金持ちの男と結婚。恋/愛に身を震わせることもなく、年を重ねて行く。
しかしこのまま年老いていくのには耐えられず、若い男に誘われるとのめり込んでいくのであろうか...なんか気持ち解る。この時代に生きてなくて良かったなぁ...なんてマジで思ってしまう。
ラストのリヴェンジがちょっと怖い。アリダ・ヴァリ凄すぎ...
映画の中、愛する二人の熱情が盛り上がる時は思い切りミュージック(全篇に響き渡るブルックナーの第七番...は某サイトから抜粋)が流れ、ひしと抱き合う...少々kusaiかな?なんて思いながら、結構ハマってしまってラストまで一気に観た。ヴィスコンティの“官能”の世界も中々素晴らしい!
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by margot2005 | 2006-11-28 00:11 | イタリア | Trackback(2) | Comments(4)

「明日へのチケット」

a0051234_205896.jpg「Tickets 」イタリア/UK/イラン 2005
巷で評判のこの映画...エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ 3監督の合作。
ヨーロッパ大陸横断列車(インスブルッグ〜ローマ)内の人間模様を描いた素晴らしいドラマ。イタリア(フランス、ハーフ)人女優のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ「ぼくを葬る/2005」のみ有名人で、他は私的に知らない俳優総出演作品。
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仕事を終え、オーストリア、インスブルッグから家族の待つイタリア、ローマに戻ろうとしている大学教授。
わがままな将軍の未亡人と、その付き添いのフィリポ。
アルバニアからの難民家族と、スコットランドからサッカーの試合を観にローマへと向かう3人のサッカー青年。
この3グループを、上記監督が順番に描いて行く感じの、オムニバスとはちょっと違った趣の作品。
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大学教授(カルロ・デッレ・ピアーネ)は、帰りの飛行機がテロ対策のため飛ばなくなり、列車のチケットを手配してくれた、訪問先企業の秘書(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)に駅で見送られる。親切にしてくれた彼女に淡い気持ちを抱き、後ろ髪惹かれながら列車に乗る。
イタリアの小さな街から乗車して来た将軍の未亡人(シルヴァーナ・ドゥ・サンティス)は傲慢この上なく、まるで使用人のように連れ歩いてるフィリポ(フィリッポ・トロジャーノ) にわがまま言い放題。兵役義務として未亡人に仕えているフィリポは哀しいことに文句が言えない。
同じ駅から乗車したアルバニア人一家はローマ、テルミニ駅で父親が待っていると言う。しかし家族全員の切符を買えずに乗車していた。
最後に登場するサッカー青年3人組。隣の座席のイタリアの女の子たちにナンパを試みるが、彼女たちが降りた駅にはそれぞれのボーイ・フレンドが迎えに来ていた。
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それぞれが、それぞれの目的で乗り合わせた列車、そして“チケット”...“チケット”を題材にひと時の人間模様が巧く描かれた素晴らしい作品。これってロード・ムーヴィーとよんで良いのだろうか?
そういやこれに登場するサッカー青年たちは、中村俊輔が活躍するセルティックの熱心なサポーターだった。
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ヨーロッパの列車にはフランスとイギリスで乗ったことがあるが、国際列車ではない。
一度是非国際列車に乗ってヨーロッパを旅してみたいものだ。
冒頭でテロ対策のためか、警察犬が列車に乗り込んでクンクンやっていた。やはり国際列車なんだなぁ(当たり前...)と又また実感。
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by margot2005 | 2006-11-23 02:11 | イタリア | Trackback(17) | Comments(18)

「13才の夏に僕は生まれた」

a0051234_2333697.jpg「Quando sei nato non puoi più nasconderti」...aka「Once You're Born You Can No Longer Hide 」
イタリア/フランス/UK 2005
GWに有楽町で開催されたイタリア映画祭で上映された。
監督、脚本は「輝ける青春/2003」のマルコ·トゥリオ·ジョルダーナ。
主演はサンドロを演じたマッテオ·ガドラ。
サンドラの父親ブルーノ役はアレッシオ·ボーニ「心の中の獣/2005」
「家の鍵/2004」のキム·ロッシ·スチュアートも、この作品のアレッシオも共にとても若い父親を演じている。これが妙に素敵で、最近のイタリア映画ブレイクもこの辺が狙いなのかもしれない??
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イタリア北部のブレシャ(ミラノの東に位置する、ほぼヴェローナ(ロミオとジュリエットの舞台で有名)とミラノの中間にある小都市)に住むサンドロ(ガドラ)は工場を経営する裕福な父親ブルーノ(ロッシ)の一人息子。13才の夏、父ブルーノ(ボーニ)と彼の親友ポーピ(ロドルフォ・コルサト)に連れられ、サンドロは地中海ギリシャへヨット・クルージングに出かける。航海中のある夜、眠れないでデッキに出たサンドロは誤って海に転落する。助けを求めて息絶え絶えになったいたサンドロを助けたのは違法移民たちを乗せた船だった。そこに乗船していた、ルーマニアから逃げて来たラドゥ(ヴラド・アレキサンドラ・トーマ)とアリーナ(エステル・ハザン)兄妹に助けられながらなんとかイタリアへと帰り着く。
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いきなりのラスト・シーン...この後はどう理解すれば良いのだ??と悩んだが...「隠された記憶/2005」のようにそれぞれが解釈すれば良いのかと思う。
「13才の夏に僕は生まれた」というタイトルは中々goodだと思う。13才のサンドロは裕福な家庭で、両親の絶大なる愛を受けて育ってきた...なんの苦労もなしに...しかし海に落ちたことから、難民たちに救われ、彼らの惨めな人生を知る事となる。13才と言えば“魔の中学生”で、子供から、大人へと変わる狭間...この時期にとんでもない世界を見て、知ってしまったサンドロの心は乱れに、乱れたことだろう。
このサンドロ役のマッテオ·ガドラは、ぴったりの配役である。ラドゥとアリーナ役の二人も素晴らしい!
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移民問題がテーマである、この映画を観てイタリアもこういった問題を抱えていると言う事を知った。移民を望む人々はアフリカや東ヨーロッパから祖国を捨ててやって来たのである。彼らを乗せた船が巡視船に保護された時、船に乗り込んで来た係官は“誰か英語を話すものはいるか?フランス語は?スペイン語は?”と質問して行く、そこでサンドロが“イタリア人だ!”と手を挙げる。こういったシーンを観ると当たり前なのだが、ヨーロッパってホント多数の人種、多数の言語が混在しているのだと再納得してしまう。
冒頭のシーン、サンドロが駅でアフリカ人と出会う。彼が発した言葉を理解する事は出来なかったが、ラストでその言葉の意味を知ることになる...それは“生まれたからには逃げも隠れもできない”と...この言葉が映画のタイトルとなっている。
現在市庁舎に使われていると言う、ブレッシャの街のシンボルと呼ばれている建物“ロッジャ”が映画のシーンに登場していた。
アレッシオ・ボーニは相変わらずゴージャス!!
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by margot2005 | 2006-06-08 01:00 | イタリア | Trackback(13) | Comments(10)

「家の鍵」

a0051234_02403.jpg「Le Chiavi di Casa」...aka「The Keys to the House」2004 イタリア/フランス/ドイツ
ヴェネチア映画祭(2004)パジネッティ賞主演男優賞/キム・ロッシ・スチュアート
イタリア映画祭(2005)オープニング作品

監督、脚本はジャンニ・アメリオ。主演の父親ジャンニにキム・ロッシ・スチュアート、息子パオロにアンドレア・ロッシ。ニコルにシャーロット・ランプリング「スイミング・プール/2003」。
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15年前ジャンニ(スチュアート)の恋人ジュリアは、19歳で障害のある子供を産んだ後亡くなった。伯母夫婦に引き取られたその男の子パオロ(ロッシ)は15才に成長していた。ミュンヘンで15年ぶりに初めて息子と会ったジャンニ。彼はベルリンのリハビリ施設へパオロを連れて行くため列車に乗る。パオロの扱いにと惑うジャンニ。リハビリ施設で出会ったニコル(ランヴリング)はパオロより重度な障害を持った娘ナディン(アッラ・ファエロヴィック)の母親であった。ニコルと出会ってから、ジャンニに“息子を愛している”という気持ちが芽生え始める。
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観終わって何とコメントしてよいのやら??言葉が浮かばない...周りに健常者しかいない世界で生活している人々にとって、この映画の世界は人事でしかないが、やはり感動...とにかくジーンと来る。
パオロ役のアンドレアが名演技である。ニコル演じるシャーロット・ランプリング、押さえた静かな演技ながらも圧倒的な存在で、相変わらずブラヴォー!シャーロットである。ジャンニ役のスチュアートについての知識は皆無で、今回初めてお目にかかった。スーパー級に素敵なイタリア俳優が又一人増えた感じ...キム・ロッシ・スチュアート
映画のラストは感動ものである!
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イタリア映画祭の時もそうだったが、この映画を上映した岩波ホールを満員にした80%は中高年である。往年のイタリア映画が懐かしいのか??フランス映画だとこれほど、中高年は集まらない気がするが...なぜに??
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by margot2005 | 2006-05-14 00:14 | イタリア | Trackback(20) | Comments(14)

「輝ける青春」

a0051234_105217.jpg「La Meglio gioventù」...aka「The Best of Youth」2003 イタリア
昨年の夏に神保町の岩波ホールで上映の際、前売りチケットを購入したにもかかわらず、体調不良でチケットを無駄にした。その後都内随所で公開されていたが、観に行く事は叶わなかった。そして今回DVDになったので観る事が出来た...良かった。
イタリア映画祭で映画を観る前に、この作品を観る事が出来たのは実にラッキーだった。
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イタリアに住む中流階級の家族の模様を描いたヒューマン・ドラマ。
監督はマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。主演のニコラ&マッテォ兄弟にルイジ・ロ・カーショ&アレッシオ・ボーニ(心の中の獣/2005)。ジョルジアにジャスミン・トリンカ(恋愛マニュアル/2005)。トリンカは「息子の部屋/2001」に出演していたようだが、どうも記憶にない。
オープニングは、かの有名な60年代の大ヒット曲「朝日のあたる家」である。

1966年、イタリア、ローマに住むカラーティ家には大学生のニコラ(カーショ)とマッテォ(ボーニ)という仲の良い兄弟がいた。辛抱強く努力家のニコラに対し、マッテォは繊細な夢想家であった。ある日、精神を病んでいるジョルジア(トリンカ)を、不当な扱いを受けている施設から連れ出して来るマッティオ。ニコラは友人カルロ(ファヴリッツィオ・ジフーニ)とヴィターレ(クラウディオ・ジョエ)と共にノルウェー旅行に出る予定であったが、マッテォが連れて来たジョルジアを故郷に送り届けるはめになる。
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全編6時間でDVDモチ2枚だが、1本観たら止まらなくて...結局一気に観た。観終わったら朝であった。

ノルウェーを皮切りにトリノ、ミラノ、パレルモ、トスカーナとイタリア周遊旅行のように景色が楽しめる。しかしこの作品2003年作であるが、時代設定、最初は1960年代である。さすがイタリア...40年前と風景が変わらないというのもスゴイ!なと感じた。
対照的な性格のニコラ、マッティオ兄弟を中心に、彼らの両親、姉、妹..そして友人たち...後にニコラが出会い、互いに愛し合うジュリア(ソニア・ベルガマスコ)。マッテォが偶然知り逢うミレッラ(マヤ・サンサ)を登場させながら、素晴らしいストーリーが展開して行く。観終わってとにかく感動!!であった...いやマジで感涙してしまった。
難を言えば、主演の二人は現在かれこれ40才なのだが、大学生の役を演じていて少々違和感あり...でもこのドラマを観た人は皆許すでしょう!
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by margot2005 | 2006-05-08 01:26 | イタリア | Trackback(1) | Comments(2)

「ドリーマーズ」

a0051234_22162189.jpg「The Dreamers」...aka「Les Innocents」2003 イタリア/フランス/UK
 
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昨年か?今年に入ってからか?はっきり覚えがないが、都内のどこか?の映画館で数回予告を観た。セーヌ川、エッフェル塔、ルーヴルと観光案内っぽいシーンがあり、観たいなぁ!と思っていたが、結局映画館へは行かなかった。
今回wowowで放送があったので観た。監督はあの「ラスト・タンゴ・イン・パリ/1972」のベルナルド・ベルトリッチ。
主演の3人は、アメリカ人俳優のマイケル・ピット「小説家を見つけたら/2000」。
「ルパン/2004」のフランス女優エヴァ・グリーン、そしてフランス人俳優ルイ・ガレル。
リドリー・スコットの「キングダム・オブ・ヘヴン/2005」でハリウッド・メジャー・デビューしたエヴァ・グリーンの映画デビュー作である。
原作はギルバート・アデアの小説“The Holy Innocents”。

1968年5月革命の最中、アメリカ人留学生マシュー(ピット)は、パリのシネマテークで、映画フリークであるイザベル(グリーン)、テオ(ガレル)の双子の姉、弟と出会い意気投合した。マシューは二人に誘われるまま、両親が留守の間、彼らのアパルトマンで暮らし始める。3人は”映画ゲーム”に興じながら、マリファナを吸い、奔放なセックスへと発展する。映画の中の映画としてジャン・ポール・ベルモンドの「勝手にしやがれ/1960」、フレッド・アステアの「トップ・ハット」etc.のワンシーンがモノクロで登場する。

欧米でベルトルッチは“愛の巨匠”と呼ばれているらしく、この作品もラヴ・ストーリーではあるのだが、巨匠が描く“愛”は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」にしろこの作品にしろ、尋常ではない。イザベル役のエヴァ初め、nudeシーン満載であるが、あのぼかしだけはやめて欲しい!余計iyarashisaが増すのだが...。
冒頭でフランソワ・トリフォーの「大人は判ってくれない/1959」で主演のアントワーヌを演じた、ジャン・ピエール・レオーが本人役で出演している。
映画の舞台は1968年のパリだが、 21世紀に撮影されてもパリ、セーヌの景色が同じというのは古き都パリならであろうか...。
しかしさすがエッフェルだけは部分的にしか撮影されていない。ジミー・ヘンドリックスのギターで始まり、エディット・ピアフのシャンソンでエンディングを迎える音楽も素晴らしい!ルイ・ガレルは映画監督フリップ・ガレル「夜風の匂い/1999」の息子ということだが、彼の映画は初めてだ。ガレル滅茶キュート!
エヴァの母はフランス女優マルレーヌ・ジョベール。チャールズ・ブロンソンとの共演作「雨の訪問者/1969」が一番有名らしい。観たような気がするが、記憶にない。
フランス語タイトルの“無邪気”という題は「ドリーマーズ」より合ってると思うのだが...。この作品は2005年2月にDVD&ビデオで発売されている。
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by margot2005 | 2005-11-12 01:34 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)