カテゴリ:イタリア( 66 )

「楽園からの旅人」

「Il villaggio di cartone」…「The Cardboard Village」2011 イタリア
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老司祭に「そして、デブノーの森へ/2004」「ミュンヘン/2005」「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「神々と男たち/2010」のミッシェル・ロンズデール。
教会堂管理人に「ブレード・ランナー/1982」のルトガー・ハウアー。
保安委員に「題名のない子守唄/2006」のアレッサンドロ・アベル。
医者にマッシモ・デ・フランコヴィッチ。
監督、脚本は「木靴の樹/1978」「明日へのチケット/2005」「ポー川のひかり/2006」のエルマンノ・オルミ。

半世紀の間市民が集ってきた教会に取り壊し命令が下される。そして今その教会の老司祭は、キリスト像が撤去され、聖堂内部のあらゆる装飾が無惨にも取り払われる場面に直面し、すべて持ち去られた聖堂にたたずみ途方に暮れている。慣れ親しんだ教会を離れどこへ行こうというのか?自室のベッドに身を横たえ、この後の暮らしを模索する。そんな時、アフリカからの不法入国者の家族が助けを求めてやって来る。司祭は教会を提供し彼らを匿う。やがて不法入国者は次から次へとやって来て、その中には妊婦やけが人、そしてテロリストのグループまでいた。

ずいぶんと前に観てレビューを書くのを忘れていた一作。観た映画は記録しているがやはり抜けているものがある。
これぞ岩波ホール作品!
エルマンノ・オルミは宗教色が濃いが、本作はテロリストにも手を差し伸べる老いた司祭が主人公。主演のミッシェル・ロンズデールは「神々と男たち」の修道士を彷彿とさせ素晴らしい。

邦題はなんとも美しい“楽園からの旅人”となっているが、原タイトルは“段ボールの村”。教会で寝泊まりするようになった人々が、互いのプライバシーを保つため段ボールで囲いを作る。まるで村のように…段ボールには“見せかけだけの/名ばかりの...”という意味もある。

映画の全てのシーンは教会内部。外部は一切映らない。
不法入国者が潜伏していると知った警察は教会へ乗り込んで来る。しかし司祭は”教会は全ての人に開かれている”と言って追い返す。
ドラマは、けが人が回復し、妊婦が子供を産み落とすエピソードを織り交ぜながら淡々と進み、それぞれの不法入国者がそれぞれの目的地に旅立つところで終了する。87分と短いながら、なんと神々しい映画だろうと感嘆する。

映画のチラシに…
“むかしむかし 
世界はすばらしい庭のようだった。
樹々は果実を実らせ、花には密があふれ 
大地の豊かな恵みは、心を幸せに満たし 
見るものはすべて美しかった。
そして今、
私たちは何処にいるのか。
何処へゆこうと
しているのか。
イタリア世界的巨匠
エルマンノ・オルミ監督が
ある街の聖堂を舞台に描いた
危機の時代に贈る、現代の黙示録。”
とある。
地球温暖化を始めとして暮らしにくい世の中に警鐘を鳴らしているのかも知れない。

不法入国者を演じる人々はプロの俳優ではないそうだ。
オランダ出身のルトガー・ハウアーの出演に驚き。「コンフェッション/2002」や「バットマンビギンズ/2005」を思い出すが、何といってもこの俳優はリドリー・スコットが作ったSF大作の「ブレード・ランナー」のレプリカント役だろう。主演のハリソン・フォード同様深く印象に残っている。

神保町 岩波ホールにて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2013-10-22 23:41 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ニーナ ローマの夏休み」

「Nina」 2012 イタリア
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ローマ郊外の小さな学校で音楽教師をしているニーナは、北京留学に備えナポリ出身のデ・ルーカ教授に書を習っている。ある日、バカンスに出かける友人パオロ一家の愛犬オメロの世話を頼まれる…
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ニーナに「ただ、ひとりの父親/2008」「ミラノ、 愛に生きる/2009」のディアーヌ・フレリ。
ファブリツィオにルカ・マリネッリ。
デ・ルーカ教授に「よせよせ、ジョニー/2007」のエルネスト・マイウー。
エットレに「バッグにはクリプトナイト/2011」のルイジ・カターニ。
パオロに「人生、ここにあり!/2008」のアンドレア・ボスカ。
監督、脚本はエリザ・フクサス。

舞台は観光客が全く行かないであろうと思えるローマ郊外の“エウル/EUR ”地区。映画のオフィシャルによると…ここはかつてローマ万国博覧会(1942年開催予定)会場だったが、第二次世界大戦により中止となったスポットらしい。1930年代から建設された新都心地域ということで、ホントにここはローマ??と思えるほどの別世界。

石畳が残る旧市街のローマとは対照的な地域なので無味乾燥のイメージがつきまとう。でもそれがこのドラマにとてもマッチしているのだ。住人はバカンスに出かけたため、街を歩く人などいない。
ある時、ニーナはオメロの世話のため住み込んだアパートで小さな管理人エットレと出会う。やがて、犬や少年はOKだが同世代の男性との付き合いは苦手なニーナはハンサムなチェリスト、ファブリツィオに遭遇。

毎日オメロと散歩に出かけ、街のケーキ屋で丸ごと買ったケーキを、少しオメロにあげて、後は一人で食べる。そんなニーナは孤独を愛しているのかも知れない。でもある日、ファブリツィオと出会い次第に恋に落ちていく。

上にも書いたように無味乾燥に映る場所での恋の始まりがとてもユニークで新鮮。そして淡々と描かれる物語が斬新で興味深い。
しかしながら観るものに訴えるものは欠けているような気もした。だからかどうか上映期間も1ヶ月たらずだったな。

新宿シネマカリテにて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2013-09-11 22:29 | イタリア | Trackback | Comments(0)

Viva!イタリア...「ハートの問題」「最後のキス」「もう一つの世界」

「ハートの問題」
「Questione di cuore」...aka「A Matter of Heart」2009 イタリア
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アルベルトに「日々と雲行き/2007」のアントニオ・アルバネーゼ。
アンジェロに「家の鍵/2004」「気ままに生きて/2006」のキム・ロッシ・スチュワート。
アンジェロの妻ロッサーナにミカエラ・ラマゾッティ。
アルベルトの恋人カルラにフランチェスカ・イナウディ。
看護士ロレダーナにキアラ・ノスケーゼ。
監督、脚本は「いつか翔べるように/2006」のフランチェスカ・アルキブージ。
「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「わが人生最良の敵/2006」のカルロ・ヴェルドーネや、フランチェスカ・アントネッリ、ステファニア・サンドレッリが本人役で出演している。

ある夜、脚本家のアルベルトは心臓に違和感を感じ病院を訪ねる。手術の後、救急救命室に運ばれた彼の隣に心臓発作を起こした重傷患者アンジェロが運び込まれる。おしゃべりなアルベルトは、一命を取り留めて隣に横たわるアンジェロに話し始める。“同類相哀れむ”のノリで意気投合した二人は退院後に再会し交遊を深めて行く…

舞台はローマ。脚本家として成功したアルベルトの住まいはとても瀟洒なマンション。しかし人気脚本家ながら思うように脚本が書けないアルベルトは収入が激減、貯金もなくお金に困っている。おまけに退院後、恋人カルラはアルベルトに見切りをつけ出て行ってしまう。
一方で、アンジェロは3人目の子供を妊娠中の妻を持つファミリーマン。地道に自動車修理工場を営む彼はもちろん自宅も、湖の別荘も貯金もたっぷりある。
そんな全く違った二人が意気投合し友情が芽生える。アンジェロは自身の行く末を案じ、アルベルトに家族を託そうと考えるがそう簡単には行かない。

病気を通して描かれる男の友情物語。おしゃべりなアルベルトと寡黙なアンジェロのコンビが実に良い。病気がテーマながらこの二人がしばし笑わせてくれる。
それぞれを演じるアントニオ・アルバネーゼとキム・ロッシ・スチュワートもナイスなキャスティング。キムは「家の鍵」も「気ままに生きて」も父親役。イケメン・イタリアンの彼、意外や父親が似合うのだ。


「最後のキス」
「L'ultimo bacio」…aka「The Last Kiss」2001イタリア
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カルロに「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「対角に土星/2007」「娘と狼/2007」のステファノ・アルコシ。
ジュリアに「向かいの窓/2003」「心の中の獣/2005」「コレラの時代の愛/2007」「勝利を(愛の勝利を ムッソリーニを愛した女)/2009」のジョヴァンナ・メッゾジョルノ。
アンナに「ハモンハモン/1992」「魅せられて/1996」「裸のマハ/1999」のステファナ・サンドレッリ。
パオロに「赤い肌の大地/2008」のクラウディオ・サンタマリア。
アドリアーノに「トリノ、24時からの恋人たち/2004」のジョルジョ・パソッティ。
アルベルトにマルコ・コッチ。
マルコに「家の鍵/2004」「題名のない子守唄/2006」「対角に土星」「セントアンナの奇跡/2008」「天使と悪魔/2009」のピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
フランチェスカにマルティナ・ステラ。
監督、脚本はウイル・スミス主演の「幸せのちから/2006」「7つの贈り物/2008」のガブリエレ・ムッチーノ。

10年以上前の作品なので俳優陣が驚くばかりに若い!20代のジョヴァンナ・メッゾジョルノは輝くばかりに美しくて、美しくて目が釘付けになる。ステファノ・アルコシは高校生にモテモテのイケメン(字幕では確か...)を演じ、ハリウッド大作でもおなじみのピエルフランチェスコ・ファヴィーノはさわやかな青年ってイメージで目を見張る驚きであった。
10年後を描いた「もう一度キスを/2010」が未見なのがとても残念。
ガブリエレ・ムッチーノってハリウッド映画ではスゴくマジな作品の監督であるのに、イタリアでこんなドタバタ映画を作っていたとは知らなかった。

結婚などせずとも良い関係が築かれていた3年来の恋人ジュリアの妊娠宣言。突然の成り行きに動揺したカルロが取った行動はとんでもない。結婚して、子供が出来て…っていうならまだ分かるけど、恋人が妊娠した途端若い女の子に夢中になる男って?ちょっと信じられない。大人になれない自己中な男かと察する。
父親の重圧に耐えられなくなったアドリアーノもまたまた大人になれない男。子供に夢中で夫を顧みない妻も少々問題ありだけど…セックスレスっていうのも男にとってツライ試練?
ストーカーまがいの行動で元カノの家に押し掛けるパオロはかなりクレイジーだ。
快楽のみ優先して手当たり次第メイク・ラヴするアルベルトに心はないのか?

大人になれない男のオンパレードは多いに笑える。
カルロとジュリアを中心に、カルロの男友達とジュリアの母親アンナを上手く登場させ、そしてキュートなフランチェスカとカルロの秘密の逢い引きもさらっと描かれ、とても面白いラヴ・コメディだった。

しかしイタリア女性のクレイジーにヒステリックなサマには脱帽!カルロに詰め寄るジュリアの形相が凄まじいことこの上ない。娘ジュリアの妊娠で老いを感じた母親アンナもまた、ミドルエイジ・クライシスでもって夫婦間の不満を一気に爆発させる。いきなり一時期恋人(愛人)だった男を訪ね、“今でも愛している!”と訴えるが、彼はアンナとの情事が終わった後結婚し、父親になっていた。アンナは引き下がるしかなかった。“今更遅いのよアンナ!”と悪魔の声が聞こえそう。
そして高校生のフランチェスカは大人の魅力(ちっとも大人じゃないのに…)のカルロに一目惚れし彼を誘惑し始める。彼女もまたとっても情熱的なのだ。
まともなマルコが実に素敵に見えた。


「もう一つの世界」
「Fuori dal mondo」…aka「Not of This World」1998 イタリア
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カテリーナに「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006」 「対角に土星/2007」のマルゲリータ・ブイ。
エルネストに「カイマーノ」「ジョヴァンナのパパ/ボローニャの夕暮れ/2008」「元カノ/カレ/2009」のシルヴィオ・オルランド。
テレーザにカロリーナ・フレスキ。
監督、脚本に「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」のジュゼッペ・ピッチョーニ。

終生誓願を11ヶ月後に控えた修道女カテリーナは、ある日公園で新生児を拾う。小さなクリーニング店を経営するエルネストは口やかましい経営者ゆえ従業員から疎まれ、経営にも、自身の健康にも不安を抱かえている。そして家庭不和から家出した少女テレーザは警察官の恋人の元に身を寄せ新しい生活を始めようとしていた…

舞台はミラノ。なんの接点もないカテリーナ、エルネスト、テレーザの3人が、公園に捨てられた新生児によって交差して行く。
カテリーナが預かり、病院へ送った新生児が包まれていたセーターにはエルネストの店のタグがついていた。カテリーナはエルネストに接触し、二人はセーターから手掛かりを見つけ出す。
エルネストはひょっとして自分の子供かも知れないと思い始め、カテリーナは赤ん坊に会いに行くたびに母性愛が芽生え、このまま子供も持たないで生涯を送って良いものか自問する。カテリーナは赤ん坊を引き取り育てたい欲望に負けそうになるが、誓いを破ることはなかった。
家族のいないエルネストは次第に自分の子供であったらと願い、カテリーナと出会ったことにより彼の頑なな心も解けて行く。怒りっぽかったエルネストが終盤近くでは顔つきまで優しくなっていて、演じるシルヴィオ・オルランドは上手い。もちろんマルゲリータ・ブイも。
「映画のようには愛せない/私が望む人生/2004」はお気に入り映画。同じ監督だったとは...。

3作品はイタリア映画祭2010/2011にて鑑賞済み。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開中(7/19迄)
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by margot2005 | 2013-07-05 23:06 | イタリア | Trackback | Comments(2)

「孤独な天使たち」

「Io e te」…aka「Me and You」2012 イタリア
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ロレンツォにヤコポ・オルモ・アンティノーリ。
オリヴィアにテア・ファルコ。
アリアンナ(母親)に「輝ける青春/2003」のソニア・ベルガマスコ。
祖母に「ラスト・タンゴ・イン・パリ/1972」のヴェロニカ・ラザール。
精神科医に「ミラノ、 愛に生きる/2009」のピッポ・デルボーノ。
監督、脚本は「ドリーマーズ/2003」のベルナルド・ベルトリッチ。
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「ドリーマーズ」はシアターではなくwowowで観た。「ドリーマーズ」のレビューに、監督はあの「ラスト・タンゴ・イン・パリ」のベルナルド・ベルトリッチと書いている。
ベルトリッチ映画は、「ラストエンペラー/1987」「シェリタリング・スカイ/1990」「リトル・ブッダ/1993」「魅せられて/1996」「シャンドライの恋/1998」etc.と見て来た。先だって「暗殺の森/1970」がwowwoで放映されていたが、40年前の映画はどうも辛気くさくて途中で挫折。そしてベルナルド・ベルトリッチって監督は以外に色んなジャンルの映画を作る人。

本作は「ドリーマーズ」同様若い男女の物語だが雰囲気は全く違っている。孤独が好きな14歳のロレンツォと、彼の異母姉オリヴィアが、アパートの地下の一室で7日間暮すドラマ。

ドラマの中で父親はロレンツォの前に姿を現さない。そして母親には必死で反抗しているようだが(まぁ14歳だから当然のこと)、病院にいる祖母のことはとても愛している。学校では問題児扱いされ、スキー合宿をボイコットするくらいだからきっと友達などいないのだろう。孤独で一人が好きな少年ロレンツォは、大好きな音楽と本を抱え地下室に潜り込む。しかし孤独を楽しむロレンツォの元へ意外な闖入者が現れる。それは異母姉のオリヴィアだった。彼女はアヴァンギャルドな新進フォトグラファーで、美しく奔放で、おまけにドラッグ依存症。

ドラマの大半は地下の密室のシーン。最初はその存在に反撥していたロレンツォが、次第に禁断症状に苦しむオリヴィアを気遣い、優しさを示すようになる。一方で、オリヴィアは子供扱いしていたロレンツォに救いを求める。
ラスト、二人が地下室を出て夜明けの街を歩くシーンが素敵だった。ロレンツォはオリヴィアと過ごした7日間できっと成長したに違いない。

映画初出演というロレンツォ役のヤコポ・オルモ・アンティノーリのニキビだらけの顔がキュートだった。


シネスイッチ銀座にて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2013-06-03 23:30 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「海と大陸」

「Terraferma」2011 イタリア/フランス
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ある日、フィリッポと祖父エルネストはアフリカからやって来た不法移民のサラ親子を助ける。始めは匿うことに反対した母ジュリエッタも、サラが妊婦であることを知り哀れみから家に入れるのだった...
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フィリッポにフィリッポ・プチッロ。
母ジュリエッタに「シチリア!シチリア!2009」「昼下がり、ローマの恋/2011」のドナテッラ・フィノッキアーロ。
祖父エルネストにミンモ・クティッキオ。
伯父ニーノにジュゼッペ・フィオレッロ。
サラにティムニット・T。
マウラに「ミラノ、 愛に生きる/2009」のマルティーナ・コデカーザ。
財務警察官役に「最後のキス/2001」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「赤い肌の大地/2008」「ジョルダーニ家の人々/2010」のクラウディオ・サンタマリア。
監督、原案、脚本は「Nuovomondo(新世界)/2006」のエマヌエーレ・クリアレーゼ。

こちらも“イタリア映画祭2012”で上映された一作。昨年とても観たかったが、日にちと時間が合わずで断念した。しかしながら一般公開されて観ることができた。映画のテーマは昨今ヨーロッパ諸国を悩ませている難民問題。このテーマの作品は過去に「13才の夏に僕は生まれた/2005」「西のエデン/2008」「君を想って海をゆく/2009」「ル・アーヴルの靴みがき/2011」と観てきた。どれもこれも素晴らしい作品で、本作も感動のドラマであった。

原タイトルは“大陸”。ポスターのシーンは映画の中に登場する。舞台はイタリア、シチリア島のさらに南に位置する小さな島リノーサ。
20歳のフィリッポは2年前海の事故で父親を亡くし、今では70歳の祖父エルネストと船で漁に出ている。一方で伯父のニーノは衰退をたどる漁業から観光業に転じ成功していた。そんな折、エルネストが心臓発作で倒れてしまう。そこでニーノは父親に船を売って引退するよう進めるが、漁師に誇りを持つエルネストは聞く耳を持たない。
ジュリエッタはフィリッポと共に島を離れ新世界を見つけようと模索する日々。そんな中でフィリッポは自分の進む道が見えなくなっている…

ボートで楽しむ観光客と、筏に重なり合いすがりつく難民。そしてビーチではしゃぐ観光客と、力尽きビーチに打ち上げられる難民。その対比があまりにも惨い。
ドラマの主人公フィリッポは母親にべったりの頼りない青年だが、不法移民と出会ったことにより(人助け)成長して行く様子が素晴らしかった。ラストはフィリッポの選択に彼の成長ぶりが伺える素敵なエンディング。

観光客のマウラとフィリッポの出会いを描いたシーンが、このドラマにひと味添えてる感じで良かったな。
出番は少ないながら、財務警察官を演じるクラウディオ・サンタマリアの存在がキラリと光る。

神保町 岩波ホールにて(5/31迄上映)
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by margot2005 | 2013-05-23 00:55 | イタリア | Trackback(3) | Comments(2)

「ブルーノのしあわせガイド」

「Scialla!」…aka「Easy!」イタリア
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ローマに暮らすシングルの中年男ブルーノは元教師だが、今では売れないゴーストライターとなり気ままな一人暮らしを満喫している。そして生活費を稼ぐため補修塾も経営する日々。ある日、ブルーノの生徒の母親から自分の留守中息子のルカを同居させて欲しいと頼まれる…
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ブルーノに「まなざしの長さをはかって/2007」のファブリッイオ・ベンティヴォリオ。
ルカにフィリッポ・シッキターノ。
ティナに「見つめる女/2004」「気ままに生きて/2006」「ココ・シャネル/2008」のバルボラ・ボブローヴァ。
詩人にヴィニーチョ・マルキオーニ。
ルカの母親マリーナにアリアンナ・スコンメニャ。
教師ディ・ビアジョにラファエラ・レボローニ。
監督、脚本、原案は「ナポレオンの愛人/2006」「副王家の一族/2007」の脚本家フランチェスコ・ブルーニ。

“イタリア映画祭2013”の前に観たイタリア映画で、本作は“イタリア映画祭2012”で上映された。

気ままな一人暮らしをするところへいきなり同居人が出現したら困ることこの上ない。しかしその同居人が自分の息子だったら、まぁ受け入れるしかないだろうな?マリアンとのつかの間の恋の末生まれてきたルカ。でもブルーノはルカの存在を知らず、15年もたってからその存在を知る。この辺りの男の心境って如何ばかりだろう?ドラマが進むに従って、父性愛に目覚めて行くブルーノの姿がせつなくも可笑しくて最高だった。

生徒の母親から文句を言われるほど、補修塾でいい加減な授業をしているブルーノ。しかし自分の息子だと知ったルカには俄然力を入れた補修を行う。やはりこの次点でブルーノは父親を自覚している。マリアンは二人が一緒に暮らす時、ブルーノにルカの父親であることは内緒にして欲しいと言ったため、ルカは真実を知らない。そこで、ルカはブルーノの過剰な干渉に腹を立てるばかり。ブルーノとルカの戦いが面白い。

ブルーノは元ポルノ女優のティナの自伝を執筆中。ずっと女性には無縁だったかどうか定かではないが、たびたび訪れる彼女の家でティナに誘惑され怯むブルーノが可笑しくて…。
でもエンディングで二人が結ばれるのは素敵な成り行きだった。

ローマが舞台の映画だけにルカが友人と“ナヴォーナ広場で落ち合おう!”なんて台詞があって又イタリアに行きたくなる。
ブルーノを演じるファブリッイオ・ベンティヴォリオのひょうひょうとした雰囲気が役柄にぴったりで、実にナイスなキャスティング。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2013-05-12 23:35 | イタリア | Trackback(8) | Comments(0)

「塀の中のジュリアス・シーザー」

「Cesare deve morire」…aka「Caesar Must Die」 2012 イタリア
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監督、脚本は「グッドモーニング・バビロン!/1987」「ひばり農園/2007」のパオロ&ヴィットリオ・ダヴィアーニ。

映画は囚人たちが“ジュリアス・シーザー”を演じ終え、全キャストが舞台上に集合するところから始まる。そして観客からスタンディングオベージョンが起こる。演劇のシーンはカラーだが、刑務所内はモノクロで撮影されている。

舞台はローマ郊外のレビッビア刑務所。そこでは囚人たちによる演劇実習が定期的に行われている。そして毎年一般客を相手に彼らの劇を披露することが決まっている。
演出家ファビオ・カヴァッリにより今年の演目はシェイクスピアの“ジュリアス・シーザー”と決まった。やがて配役を選ぶオーディションが始まり囚人たちはパフォーマンスを熱演する。
オーディションで配役が選ばれ舞台に向けて本格的な稽古が始まる。選ばれた彼らは10年以上の長期刑や終身刑の重犯罪者ばかり。囚人たちは自身に与えられた役柄と、自身の過去が一体化しとてもリアルに見える。それは演技なのか?本当に相手を傷つけたいのか?と錯覚しそうな雰囲気まで漂ってくる。

パオロ&ヴィットリオ・ダヴィアーニは二人とも80歳を超えている。イタリア映画祭2008で観た「ひばり農園/2007」はトルコ軍によるアルメニア人(アルメニア共和国/旧ソ連邦)虐殺を描いた戦争ドラマでとても見応えがあった。本作はドキュメンタリーとは思えないほど演技者が素晴らしい。マジで?本物の囚人たちが演じているの?と確かめたくなるくらいだ。それも監督の技なのだろうか?上映時間(76分)の間スクリーンから目を離せなかったのは言うまでもない。

過去にイタリア映画祭2010で上映された「それもこれもユダのせい/2009」を思い出す。それは刑務所の中の20人の受刑者によって前衛劇をするという企画。出演者はやはり皆受刑者(トリノ刑務所)だった。
このような企画日本では考えられないだろうな?
本作も出演者は受刑者で、そしてドキュメンタリーである。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2013-02-24 22:00 | イタリア | Trackback(5) | Comments(0)

「恋するローマ 元カレ/元カノ」

「Ex」2009 イタリア/フランス

イタリア映画祭2010で上映された「元カノ/カレ/2009」の続か?と勘違いして観に行ったのだが、続ではなく映画祭で観たものと同じ作品だった。“恋するローマ〜”なんて頭についてるから別映画だとばっかり...。
レビューはかなり面白いイタリアン・コメディと絶賛している。
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以前にも映画祭で観た「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」の続か?と勘違いして観に行ってしまったことがある。またしても同じ間違いをするなんて…でもどうして忘れた頃に一般公開するのか?謎?
そして公開されてる新宿のミニシアターの、それも小さい方の劇場はガラガラだった。イタリアン・コメディって日本人に受けない??

本作はローマが舞台。イタリア人は南の方の人間がおしゃべりらしい。2012年のイタリア旅行の記事にも書いた気がする...ほんとマジでイタリア人てうるさいほど喋る。それも男が...。

大学教授セルジョに「人生、ここにあり!/2008」のクラウディオ・ビシオ。
裁判所の調停員ルカに「カイマーノ/2006」「ジョヴァンナのパパ(ボローニャの夕暮れ)/2008」のシルヴィオ・オルランド。
妻ロレダーナにカルラ・シニョーリス。
レストランを経営するコッラードにジャンマルコ・トニャッツィ。
恋人エリザに「題名のない子守唄/2006」のクラウディア・ジェリーニ。
パリの旅行者で働くマルクに「クララ・シューマンの愛/クララ・シューマン 愛の協奏曲/2008」「ミステリーズ 運命のリスボン/2012」のマリク・ジディ。
恋人ジュリアに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「バッグにはクリプトナイト/2011」のクリスティアーナ・カポトンディ。
医者のパオロにファビオ・デ・ルイージ。
恋人モニークに「我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜/2007」のセシル・カッセル。
刑事ダヴィデにアレッサンドロ・ガズマン。
ドン・ロレンツォにフラヴィオ・インシンナ。
離婚調停中のフィリッポにヴィンチェンツォ・サレンメ。
同じく妻カテリーナにナンシー・ブリッリ。
監督、原案、脚本にファウスト・ブリッツィ。

シネマート新宿にて
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by margot2005 | 2013-01-18 23:18 | イタリア | Trackback | Comments(2)

「ジョルダーニ家の人々」

「Le cose che restano」…aka「Longlasting Youth」 2010 イタリア/フランス
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長男アンドレアに「最後のキス/2001」「007/カジノ・ロワイヤル/2006」「赤い肌の大地/2008」のクラウディオ・サンタマリア。
長女ノラにパオラ・コルテレージ。
次男ニーノに「ストーン・カウンシル/2005」「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い/2009」のロレンツォ・バルドゥッチ。
三男ロレンツォに「ヘヴン/2002」のアレッサンドロ・スペルドゥティ。
父親ピエトロに「対角に土星/2007」「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」「あしたのパスタはアルデンテ/2010」のエンニオ・ファンタスティキーニ。
母親アニタにダニエラ・ジョルダーノ。
シャーバに「ダニエラという女/2005」のファリダ・ラウアジ。
シャーバの娘アリナに「パリ、ジュテーム/2006」のレイラ・ベクティ。
ノラの夫アルベルトにマウリーリオ・レト。
アンドレアのパートナー、ミシェルに「ヒア アフター/2010」のティエリー・ヌーヴイック。
ニコライ教授に「噂のモーガン夫妻/2009」のヴィンチェンツォ・アマート。
ニコライの妻フランチェスカにアントニア・リスコヴァ。
カタルド刑事に「シチリア!シチリア!/2009」のフランチェスコ・シャンナ。
監督はジャンルカ・マリア・タヴァレッリ。
脚本は「輝ける青春/2003」「家の鍵/2004」「13才の夏に僕は生まれた/2005」「湖のほとりで/2007」のサンドロ・ペトラリア&ステファノ・ルッリ。
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イタリア、ローマ。ある日、外務省で忙しく働く長男アンドレアが実家に戻って来る知らせが入る。家族は彼に会えることを楽しみにしていた。特に母親アニタは長男アンドレアに会うのが待ちきれずそわそわと落ち着かない。やがて父親ピエトロ、次男の大学生ニーノ、三男の高校生ロレンツォ、そして精神科医で身重の長女ノラと彼女の夫アルベルトも加わりアンドレアを向えるのだった。
そしてその日の午後、ニーノは父親の浮気現場を目撃する。ショックを受けた彼は母親に知らせねば、と彼女を探しだすが面と向かうと告げることが出来す口を閉ざしてしまう。
家族での宴もたけなわの頃三男ロレンツォが兄弟にからかわれながらガール・フレンドの家に泊まりに行く。そして次の日、ロレンツォは家に戻る途中車で事故を起こし帰らぬ人となる...

最愛の息子ロレンツォを亡くした母親アニタは葬儀にも出席せず家に閉じこもってしまう。おかしな行動を取り、人を避けるようになったアニタは“一人になりたい!”と言って施設に入ってしまう。
アンドレアは家族に自身がゲイであることを隠していたが、運命的に出会ったミシェルと共に暮らすようになる。
ニーノは父親の浮気に腹を立て“もう金はいらない!”と言い捨て家を出てしまう。卒業間近の彼はニコライ教授に教えを受けるようになるが、あろうことか彼の妻フランチェスカに恋をしてしまう。
ある時、アンドレアを訪ねたニーノは、兄から“なぜいつまでも結婚しないかわっかただろう!”といいながらゲイであることを聞かされる。その後不法移民のシャーバと出会ったニーノは、兄が外務省に務めているのを承知の上彼女を助けるべく奔走する。

3人の姉弟が主人公ながら、主軸はニーノ。彼は父親との確執、母親を愛してはいるが彼女に会いに施設に行くことが出来ない。ラスト近く姉の説得で再会を果たすが、施設にいる母親の姿を見るのは身を切られるように辛かったに違いない。
兄とはつかず離れずの親愛を示し、シャーバに対する親愛も半端ではない。そして、結ばれることのない恩師の妻フランチェスカへの恋慕が苦しくてならない。
演じるロレンツォ・バルドゥッチは役柄にぴったりだ。自分を犠牲にすることもいとわず、自らの感情も抑え、ネガティヴ系の男を好演している。

「輝ける青春/2003」に続く3部作の最終章と位置づけられた作品だそう。イタリアではTVミニシリーズで放送されたものを399分一挙上映。上映の13:40〜21:15の間に3回休憩があった。観たのは8月初めのウイークディ。観客はほぼ中高年で想像以上に入っていた。

長男役のクラウディオ・サンタマリアと次男のロレンツォ・バルドゥッチ、そして父親ピエトロを演じたエンニオ・ファンタスティキーニ以外は良く知らないイタリア人俳優、ロレンツォ・バルドゥッチは最初誰か思い出せず、途中で「ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い」のロレンツォ・ダ・ポンテ役だったことを思い出した。彼はマジでキュート。
昨今、移民問題を抱えているイタリア…本作でも中東からやって来た不法移民シャーバと、その娘アリナの姿がある。ふとしたことからニーノはシャーバに手を差し伸べ、カタルド刑事は助けたアリナに恋をしてしまう。ちょっとあり得ない展開だが映画だから許してしまった。

家族の崩壊は三男ロレンツォの死から始まる。
母親アニタは元医師で、次男が生まれた後職を辞している。その決断はきっと心残りだったに違いない。そして夫の浮気。口には出さないが彼女はそれに気づいていた。
ノラは精神科医として成功し、優しい夫と子供ににも恵まれ、何不自由ない生活を送っているように見えるが、ある日、夫を愛していないことに気づく。
アンドレアのパートナー、ミシェルは不治の病に冒され余命いくばくもない。ニーノはニーノで不倫の恋に悩む日々。皆問題を抱えていたのだ。

これは家族の再生物語ではない。“そしてふたたび 大きな愛につつまれる…”とあるように今まで家族だった一部の人が去り、新たに加わった人々との間で新しい愛につつまれるのだ。全体的にスゴく見応えのあるドラマで素晴らしかった。
映画解説に“大家族を描いた大河小説を読むように…”ともあった。次はどのような展開になるのか気が気でならない6時間39分はあっと言う間だった。
ローマが舞台なのでテヴェレ川やコロッセオ、フォロ・ロマーノや、遠方に見えるヴァティカンとサンタンジェロ城etc.それらの景色を見てまたまたローマに行きたくなった。

神保町 岩波ホールにて(9/14まで上映)
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by margot2005 | 2012-08-30 00:05 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「ローマ法王の休日 」

「Habemus Papam」…aka「We Have a Pope」2011 イタリア/フランス
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ローマ法王/メルヴィルに「昼顔/1967」「美しい諍い女/1991」「ランジェ公爵夫人/2007」のミシェル・ピッコリ。
ヴァティカン報道官に「カイマーノ/2006」のイエルジー・スチュエル。
グレゴリー枢機卿に「イル・ポスティーノ/1994」のレナート・スカルパ。
精神科医/女に「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006」 「対角に土星/2007」のマルゲリータ・ブイ。
監督、製作、原案、脚本、出演(精神科医/男)に「息子の部屋/2001」「カイマーノ/2006」のナンニ・モレッティ。
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新しい法王に選ばれた枢機卿メルヴィルはダークホースだった。まさか?で選ばれてしまった枢機卿メルヴィル。周りも含め本人もマジで驚く展開。で、彼は法王就任演説直前に逃げ出してしまう…

原タイトルはラテン語で、“法王が決まった”という意味らしい。“わたしたちには法王がいる”というInternationalタイトルはラストへのアイロニー?
邦題は映画のテーマと意味合いが違う。それは「ローマの休日/1953」を文字って付けられただろうが、この邦題は全くもっていただけない。

世界中から集まった枢機卿たちはコンクラーヴェの間システィーナ礼拝堂に閉じ込められる。中からは開かないようになっており、誰も入ることは出来ない。その密室で何人もの枢機卿がつぶやく言葉が以外なのだ。彼らは“神様!どうか私が選ばれませんように…”と祈っている。まぁ映画の中なので真実かどうか?分からないが...。

かつて前法王ヨハネ・パウロ2世が亡くなりヴァティカンでのコンクラーヴェの様子をTV中継で見た。「天使と悪魔/2009」ではユアン・マクレガー演じるカメルレンゴ(ローマ教皇の秘書長)が取り仕切るコンクラーベの様子が描かれていたし…。初めてヴァティカンに行った時、地下の墓所に眠るヨハネ・パウロ2世の墓にもお参りした。宗教には疎いが中々興味のあるドラマだった。
本作の予告はイタリア映画祭2012でも、シアターでもさんざん観ており、てっきり笑えるコメディかと想像していた。しかし監督が「息子の部屋/2001」のナンニ・モレッティ。大笑いするコメディを彼が作るはずはないと思った通りの風刺劇。でもホントあのラストには驚き。

ミシェル・ピッコリといえばカトリーヌ・ドヌーヴが思い浮かぶ。ドヌーヴとはフランソワーズ・サガンの小説を映画化した「別離/1968」が印象に残る。アルベルト・モラヴィアの小説を映画化した「軽蔑/1963」でブリジッド・バルドーの相手役を演じたミシェル・ピッコリも忘れられない。そして上に書いた「美しい諍い女」も…。
とにかく山ほどのフランス&イタリア製作の“愛憎劇”に出演してきたピッコリも既に80歳を超えていて、キュートなじいさんといった雰囲気。
自信がなくてちょっとおどおどするようなそぶりを見せるメルヴィル。演じるピッコリは素晴らしく適役だった。
本作でも精神科医として出演するナンニ・モレッティの映画は「息子の部屋」しか観ていない。機会があれば他の作品も観てみたいものだ。モレッティはそろそろ60歳になるというのに俳優としてでもOKなほど魅力的なイタリアン。
精神科医役で数シーン登場するマルゲリータ・ブイはお気に入りのイタリア女優。もうちょっと出番が欲しかったな。

そうそう、コンクラーヴェの間枢機卿たちがこもるのはシスティーナ礼拝堂。全面的に撮影禁止のシスティーナ礼拝堂でロケが行われたとは思えない。ミケランジェロの壁画なども映し出されたが、あれはやはり偽物だったのかな?
TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2012-08-12 01:01 | イタリア | Trackback(12) | Comments(4)