カテゴリ:イタリア( 60 )

「Viva!公務員/オレはどこへ行く?」

Quo vado? 2016 イタリア

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終身雇用の公務員にしがみつく男ケッコを描いた痛快コメディ。


ケッコにケッコ・ザローネ。

ヴァレリアにエレオノーラ・ジョヴァナルディ。

シローニ女史に「輝ける青春/2003」「孤独な天使たち/2012」のソニア・ベルガマスコ。

ケッコの父親ペッピーノにマウリツィオ・ミケーリ。

ケッコの母親カテリーナにルドヴィカ・モドゥーニョ。

マーニョ大臣にニンニ・ブルスケッタ。

ビネット上院議員にリーノ・バンフィ。

ケッコのフィアンセにアッズラ・マルティーノ。

観測隊員に「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のパオロ・ピエロボン。

監督、原案、脚本はジェンナーロ・ヌンツィアンテ。

原案、脚本、音楽はルカ・メディチ(ケッコ・ザローネ)。


地方都市で公務員の職にあるケッコは38歳のシングルで両親と同居している。フィアンセに結婚をせがまれているが、心から愛するのはマンマだけ。そんなある時、政府が公務員の人員削除に乗り出し早期退職者を募ることになり、ケッコは退職か勤務地変更か?の選択に迫られる。マーニョ大臣の命によりシローニ女史は次々と早期退職に追い込むことに成功するが、ケッコはだけは絶対に首を縦に振らない。で、彼女はケッコを退職させるべく、嫌がらせでイタリアのあらゆる所に左遷するが全く動じない有様。頭にきたシローニ女史は彼を北極圏にあるノルウェーの離島の観測所に送り込む。やがてケッコはあまりの寒さにイタリアに戻りたい!気持ちが芽生え始めるが、観測所で働くヴァレリアに一目惚れし、彼女の3人の連れ子と共に暮らし始める。


ケッコは一時ヴァレリアとノルウェーで幸せな日々を送っていたが、やはりノルウェーは寒い!ヴァレリアを説き伏せイタリアに戻りプーリアに赴任することになる。とにかくどこまでも公務員なのだ。しかしそんな公務員魂がいやになったヴァレリアはケッコと別れる決断をする。オープニングとエンディングはアフリカ。予想どうり二人のヨリは戻ったわけ。


そもそもイタリア映画の公開が少ない上コメディは数少ない。本作を見て久しぶりに大笑いした。

主演のケッコ・ザローネはイタリアでは有名なコメディ俳優とのこと。でもケッコ・ザローネの映画は今回初めて見た。日本のお笑い芸人にいそうなタイプで、その中の誰かに顔似ている?なんて思ったりもした。

この方多彩な人で主題歌も歌っている。

氷のようなシローニ女史を演じるソニア・ベルガマスコはシリアスなドラマの「輝ける青春」や「孤独な天使たち」より本作のようなコメディがとても似会う女優。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて上映中(イタリア映画祭2016で鑑賞済)



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by margot2005 | 2017-05-28 19:28 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「おとなの事情」

Perfetti sconosciuti…akaPerfect Strangers2016 イタリア

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ある月食の夜、幼なじみの男性4人がそれぞれのパートナー同伴で食事会を開くことになる。ロッコとエヴァ夫婦の家にやって来たのはレレとカルロッタ夫婦にコジモとビアンカ夫婦。そして後はペッペを待つばかり。離婚歴があるペッペは新しい恋人と参加するはずだったが、恋人の都合がつかずペッペは一人参加となる。食事が始まり会話も弾む中、エヴァがゲームをしようと提案する。それはそれぞれの携帯に届いたメールや電話を見せ合うこと。やがて一人のスマートフォンにメールが届く…


ペッペに「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」「司令官とコウノトリ/2012」「幸せの椅子/2013」ジュゼッペ・バッティストン。

レレに「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」「天使が消えた街/2014」ヴァレリオ・マスタンドレア。

カルロッタに「ローマ、恋のビフォーアフター/2011」のアンナ・フォリエッタ。

コジモに「いつだってやめられる/2014」エドアルド・レオ。

ビアンカに「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」「ハングリー・ハーツ/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ロッコに「神様の思し召し/2015」マルコ・ジャリーニ。

エヴァに「それもこれもユダのせい/2009」「パリより愛をこめて/2010」「カプチーノはお熱いうちに/2013」カシア・スムートニアック。

監督、脚本、原案はパオロ・ジェノヴェーゼ。


イタリア映画は大好きだし、出演陣も豪華だしで楽しみにしていた一作。でもこのブラック・コメディはあまり好きじゃない。イタリアで流行ったらしいが日本人の感性に合うかどうかは疑問?あれだけごちゃごちゃになった夫婦&友人関係がラストでは….。してやられたラストに唖然!

そして食事会を月食の夜に設定して、不思議な現象が起きても可笑しくない?なんて考えたのかも?

映画はほぼ密室劇。原タイトルの“完全なる他人”はどう理解すれば良いのやら?邦題の”大人の事情”って?


携帯というのはとてもパーソナルなもので、たとえ夫婦であっても互いに見せ合うなんて考えられない。だからそれをテーマにしたら面白いと思ったのだろうか?このドラマを考えた人は?まぁテーマとしては面白いかも知れないけれど、映画としては今ひとつだった。


シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-04-03 23:17 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「家族の肖像」

Gruppo di famiglia in un interno…akaConversation Piece1974 イタリア/フランス

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イタリア、ローマ。教授は高級アパルトマンに家政婦と管理人と共に静かに暮らしている。日々の仕事は絵画の収集と研究。そこへある日突然ブルモンティ伯爵夫人が娘のリエッタを連れてやって来る。そしてリエッタの友人ステファノと伯爵夫人の愛人コンラッドまで加わり、教授に空いている上階を貸してくれるよう頼み込んでくる。静けさを乱されることを懸念する教授は了承できないと繰り返すが、あの手この手で説得され、とうとうコンラッドが住むことを了承してしまうのだった...


教授に「地上(ここ)より永遠に/1953「山猫/1963「カサンドラ・クロス/1976」「フィールド・オブ・ドリームス/1989」のバート・ランカスター。

コンラッド・ヒューベルに「地獄に堕ちた勇者ども/1969」「ルードウィヒ/神々の黄昏/1972「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」「サンローラン/2014」のヘルムート・バーガー。

ビアンカ・ブルモンティ伯爵夫人に「ベニスに死す/1971」「ルードウィヒ/神々の黄昏」のシルヴァーナ・マンガーノ。

リエッタ・ブルモンティにクラウディア・マルサーニ。

ステファノにステファノ・パトリッツィ。

教授の母(回想)に「暗殺の森/1970」「マッキントッシュの男/1972」「クリムゾン・リバー/2000」のドミニク・サンダ。

教授の妻(回想)に「鞄を持った女/1961」「家族の灯り/2012」「ローマ発、しあわせ行き/2015」クラウディア・カルディナーレ。

監督は「夏の嵐/1954」「マリア・カラスの真実/2007(出演)」ルキノ・ヴィスコンティ。


教授は若者たちに日々の静けさを乱され落ち着かないが、芸術に理解を示すコンラッドに興味を覚える。やがて徐々にコンラッドの存在が教授の心のよりどころになって行く。

ドラマの中、時折織り込まれる回想シーン…教授の母と妻が登場するが、どちらも若くて美しい姿。かつて家族を持っていた教授は幸せな過去を思い出していたのだろうか?

映画のラスト近くで教授はコンラッドたちと食卓を囲む。しかしあらぬ方へ向かった会話のせいで諍いが始まり、コンラッドとステファノは取っ組み合いの喧嘩を始める。彼らと家族のように仲睦まじく食事をしようと考えていた教授の想いは露と消えてしまう。


コンラッドとブルモンティ伯爵夫人の関係や、リエッタとステファノ、コンラッドの三角関係がデカダンスな雰囲気を漂わせている。

今はもう存在しないが、かつて巨大スクリーンがスゴかった新宿テアトルタイムズスクエアのシアターで「山猫/1963」を見たことがある。

記憶をたどってみたらルキノ・ヴィスコンティ映画をシアターで見たのは「山猫」と本作だけ。BSで見たヴィスコンティ映画は「郵便配達は二度ベルを鳴らす/1942」「夏の嵐/1954」「若者のすべて/1960」「ベニスに死す/1971」の4本。昨年の5月に恵比寿の映画館で「ルートヴィヒ 完全復元版/1972」を上映していたが期間が短くて見に行けなくて残念だった。


岩波ホールにて



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by margot2005 | 2017-03-20 00:06 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「五日物語 3つの王国と3人の女」

Il racconto dei racconti - Tale of Tales2015 イタリア/フランス/UK

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17世紀にナポリ王国で生まれた民話集「ペンタメローネ(五日物語)」の中から「女の性」をテーマに3話を選んで映画化したダークな大人のファンタジー・ドラマ。


ロングトレリス国の女王に「フリーダ/2002「アクロス・ザ・ユニバース/2007」「野蛮なやつら/SAVAGES/2012」「おとなのワケあり恋愛講座/2014」のサルマ・ハエック。

ストロングクリフ国の王に「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」「ジェイソン・ボーン/2016」ヴァンサン・カッセル。

ハイヒルズ国の王に「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」「奇蹟がくれた数式/2015」トビー・ジョーンズ。

インマに「ダブリン上等!/2003「マリー・アントワネット/2006」「いとしきエブリデイ/2012「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期/2016」のシャーリー・ヘンダーソン。

ドーラにヘイレー・カーマイケル。

ヴァイオレットにビビー・ケイヴ。

若きドーラに「ハイ・ライズ/2015」「シークレット・オブ・モンスター/2015」ステイシー・マーティン。

エリアスにクリスチャン・リース。

ジョナにジョナ・リース。

ジョナの母親にローラ・ピッツィラーニ。

ロングトレリス国の王に「おとなのけんか/2011」「少年は残酷な弓を射る/2011」「ロブスター/2015」ジョン・C・ライリー。

サーカス団の母親に「ハングリー・ハーツ/2014」アルバ・ロルヴァケル。

監督、脚本、製作は「ゴモラ/2008」のマッテオ・ガローネ。


第1話:ロングトレリス国の女王は不妊に悩まされている。女王が気がかりな王は、魔法使いの教えに従い自らの命と引き換えに怪物の心臓を手に入れる。それを食べた女王は妊娠し男の子を授かる。しかし年頃になった息子エリアスは母親から離れて行く。

第2話:ストロングクリフ国の国王は究極の女好き。ある日、美しい歌声に魅せられ心奪われるが、歌っていたのは老姉妹の姉インマだった。若さと美しさを求めてやまない老姉妹。姉のインマは好色な王を首尾よく騙し、不思議な力によって若さを取り戻して王妃の座につくが、妹ドーラの嫉妬に悩まされる。

第3話:ハイヒルズ国の王はペットに夢中。プリンセスのヴァイオレットは結婚して城の外に出たいと願っている。娘の気持ちを知った王は城に男を集め、自分の出したクイズに正解すれば娘との結婚を許すと宣言する。やがて醜い巨漢の男が正解を出し、娘は男と結婚することになる。


夫の命と引き換えに怪物の心臓を食べ美しい男の子の母親になった女王。しかし成長した息子エリアスは、自分と同じ怪物の心臓から生まれた召使い女の息子ジョナと兄弟の様に深い友情で結ばれていた。王妃はそれが我慢ならないが、ある時二人が入れ替わった事実を知らない。

老姉妹の姉は魔法により若さを取り戻して王妃の身となるが、妹に嫉妬された上つきまとわれ困惑するばかり。

プリンセスは大人の世界に固執したためとんでもない結婚をさせられてしまう。

3人の女の願いは叶ったが全て上手く行くことはなかった。でも大ラス、一部の人がハッピー・エンディングで救われる。


ダークな大人のファンタジーはロケされたイタリアの景色が美しいのはもちろんのこと物語にも引き込まれた。

映像はまるで絵画のよう。赤、白、黒と明瞭な色彩の描写が多くてスクリーンに吸い込まれそうになる。真っ白なテーブルの上で黒服を着て赤い怪物の心臓を食べる王妃のシーンは圧巻。

ターセム・シンの世界遺産を舞台に繰り広げられる愛の冒険ファンタジー「落下の王国/2006」を思い起こした。本作同様景色も然ることながら色彩がとても美しかったから…。


インマを演じたシャーリー・ヘンダーソンは誰かに似ている、似ているとずっと思っていたら「ブリジット・ジョーンズ シリーズ」のブリジットの友人ジュードだった。かなりのおばあさん役で気の毒なほど。

ヴァンサン・カッセルは好色な男が実に似合う。

サルマ・ハエックには原色がマッチする。


TOHOシネマズ日本橋にて



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by margot2005 | 2016-12-09 00:00 | イタリア | Trackback(2) | Comments(2)

「胸騒ぎのシチリア」

A Bigger Splash2015 イタリア/フランス

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世界的なロックスター、マリアンヌは声帯の手術を受けた後、年下の恋人ポールを伴いシチリアのパンテッレリーア島へバカンスにやって来る。しかし穏やかな時間を楽しむ二人を訪ねて招かれざる客が突然現れる。マリアンヌの元カレで音楽プロデューサーのハリーが娘のペンと一緒に押し掛けて来たのだ。騒々しいハリーは静養中のマリアンヌのことなどお構いなしに勝手にバカンスを楽しんでいる。そうハリーはマリアンヌとの復縁を狙っていた。一方で娘のペンもポールに接近し始める


マリアンヌに「ミラノ、 愛に生きる/2009」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ/2013」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「ヘイル、シーザー/2016」ティルダ・スウィントン。

ポールに「フランス組曲/2014」「リリーのすべて/2015」マティアス・スーナールツ。

ハリーに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「007 スペクター/2015」レイフ・ファインズ。

ペネロペ(ペン)に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/2015」「ブラック・スキャンダル/2015」ダコタ・ジョンソン。

警察署長にCorrado Guzzanti

ハリーの友人ミレーユに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「マリー・アントワネット/2006」「彼は秘密の女ともだち/2014」オーロール・クレマン。

監督、製作は「ミラノ、 愛に生きる/2009」ルカ・グァダニーノ。


「太陽が知っている/1969」のリメイクで出演者の名前は同じながらマリアンヌの恋人ポールを年下の男に変えている。「太陽が知っている」はアラン・ドロン演じるジャン・ポールが主人公だが、本作はティルダ・スウィントン演じるマリアンヌが主人公っぽい。


映画は「白い帽子の女/2015」と同じく、俳優と景色とヒロインのファッションはゴージャスだが中身のない駄作だった。元映画はロマンティックなサスペンスでとても見応えがあったのに

しかしながら今時ロマンティック・サスペンスなど受けないのでこういった過激な描き方にしたに違いない。マリアンヌもロック・シンガーのキャラクターだし。喉を痛め静養中の身ゆえ残念ながら歌うシーンはなし。ただし過去シーンのスタ録で少しだけ歌っている。

マリアンヌに深い愛を捧げるポール。演じるマティアスは相変わらず素敵。


元映画も本作もポールは逮捕されない。元映画のラストは忘れてしまったけど、本作のラストは不法移民のせいにしたりして今風の展開になっている。

ともかく出演者がヌードになり過ぎ!「グランド・ブタペスト・ホテル」や「ヘイル、シーザー」でかつてのイメージを覆したレイフが、恥も外聞もかなぐり捨てるフルヌードで大いにはしゃいでいて可笑しいやら呆れるやらで感心した。彼は俳優だから恥も外聞も承知の上で演じているのだろうだけどかなりの驚きだった。

警察署長が犯人を不法移民のせいにしてマリアンヌを安心させ、サインをねだるラストはイタリア人の感覚?


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2016-11-28 23:55 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ハングリー・ハーツ」

「Hungry Hearts」2014 イタリア

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エンジニアのアダムと大使館勤務のイタリア人のミナはニューヨークに暮らしている。ある日、二人はドアの故障で中華料理店のトイレに閉じ込められる。運命的に出会った二人は同居を始めミナが妊娠し二人は結婚する…


ジュードに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」「ヤング・アダルト・ニューヨーク/2014」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒/2015」アダム・ドライヴァー。

ミナに「ボローニャの夕暮れ(ジョヴァンナのパパ)/2008」「私を撮って/2008」「やがて来る者/2009」「ミラノ、 愛に生きる/2009」「司令官とコウノトリ/2012」「夏をゆく人々/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ジュードの母親アンに「ポストマン/1997」のロバータ・マクスウェル。

監督、脚本はサヴェリオ・コスタンツォ。


ミナは妊娠中からなぜか食事を取ることを拒否し生まれた男の子は未熟児だった。

アパートの屋上で家庭菜園をするミナは完璧なるベジタリアン。口に入れるのは自然食品と水だけで、ゼロ歳児の息子も同様。体重が増えないことを心配したジュードは医者に相談に行く。案の定“もっと肉を食べさせなさい。”と言われ、肉系のベビーフードを与え始める。しかしそれを知ったミナはジュードを攻め立てるのだった。

困った夫はなんとかしようと躍起になるが、自分一人ではなんともできず、息子を母親アンに預けるしか方法がなかった。


女性が子供を産んだ後、鬱になることは良くあるらしい。しかしながらこの女性は子育てに異常に神経質になり鬱なんてものではない。何かに取り憑かれて精神がおかしくなったに違いない。


友人との接触を拒み、孤立無縁で子育てする夫婦の姿が異常で不気味。"愛かそれとも狂気か?”と思わせる展開にぞっとする。

ヒューマンドラマなのだけど、なぜかオカルトホラーの雰囲気が漂う。「ローズマリーの赤ちゃん/1968」の世界になって行くのか?なんてことも脳裏をかすめた。


とても個性的なキャラであるアダム&アルバはナイス・キャスティング。二人が第71回ベネチア国際映画祭主演男優賞&主演女優賞を受賞したのも納得だ。

ラストはかなり衝撃的だが、私がアンの立場だったら、孫を守るために同じことをするかも知れない。


ヒューマントラストシネマ渋谷にて(期間、時間限定公開/10/28迄)



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by margot2005 | 2016-10-28 22:43 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「人間の値打ち」

「Il capitale umano」…aka「Human Capital」2013 イタリア/フランス

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イタリア・ミラノ郊外。町で小さな不動産屋を経営するディーノは、後妻で診療内科医のロベルタと娘のセレーナの三人暮らし。ある日、ディーノはセレーナのボーイフレンド、マッシミリアーノの家に娘を車で送ることになる。マッシミリアーノの父親ジョヴァンニは投資ファンドで大もうけした大富豪。やがてディーノは豪邸の庭でテニスに興じるジョヴァンニに自らを紹介し、強引にテニスの相手に加わる。ジョヴァンニの妻カルラは元舞台女優で、今では何不自由ない暮らしながら、夫からはトロフィーワイフ扱いされ自身の居場所が見いだせない空虚な日々。そしてセレーナはリッチな生活を送るボーイフレンド、マッシミリアーノに別れを告げようとしている...


カルラ・ベルナスキに「アスファルト/2015」ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。

ディーノ・オッソラに「まなざしの長さをはかって/2007」「ブルーノのしあわせガイド/2011」ファブリッイオ・ベンティヴォリオ。

ロベルタに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「私たちの家で(愛と欲望 ミラノの霧の中で)/2006」「湖のほとりで/2007」「バッグにはクリプトナイト/2011」「あなたたちのために/2015」ヴァレリア・ゴリノ。

ジョヴァンニ・ベルナスキに「輝ける青春/2003」「湖のほとりで」「バッグにはクリプトナイト」のファヴリッツィオ・ジフーニ。

ドナート・ルッソマンノに「われらの子供たち/2014」ルイジ・ロ・カーショ。

セレーナ・オッソラにマティルデ・ジョリ。

マッシミリアーノ・ベルナスキにグリエルモ・ピネッリ。

ルカ・アンブロジーニにジョヴァンニ・アンサルド。

監督、脚本は「ナポレオンの愛人/2006」パオロ・ヴィルズィ。


自分の居場所が見いだせない富豪の妻カルラ、投資ファンドで一攫千金を狙う男ディーノ、愛に疑念を抱く高校生のセレーナ…3人を軸にドラマは進んで行く。


カルラは町にある唯一の劇場が老朽化で取り壊しになることを知り、夫に資金提供を申し出る。自ら運営委員会を立ち上げ、屋敷に評論家や劇作家のドナートを呼び寄せ議論を交わす。そして次第にカルラとドナートの関係は深まって行く。

一攫千金を狙うディーノは銀行から70万€を借り入れジョヴァンニの投資ファンドに参加する。

リッチなボーイフレンドがつまらなくなったセレーナは、診療内科医ロベルタの勤務先で出会った一風変わった少年ルカに恋をする。

彼らには家族が知らない思惑や秘密がぎっしり。


ドラマのオープニングはクリスマス・イブのひき逃げ事故。

車を運転していたのは誰?真実を知るのは誰?と、じわじわ真実が暴かれて行く過程が興味深くて面白い。

金持ちに取り入ろうとする父親と、金持ちの息子を捨てる娘の行動が真逆で滑稽だ。


本作はイタリア・アカデミー賞で7冠に輝いたシリアス・ドラマ。ある夜、突然起こった一つの事故から、金持ち、中間層、低所得者の3つの家庭の隠された秘密と欲望が浮かび上がる。

邦題の「人間の値打ち」とは事故で亡くなった人に支払われる慰謝料のこと。

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキは富豪の妻より、「アスファルト」の生活に疲れた中年女性の方が断然似合う。


Bunkamura ル・シネマにて



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by margot2005 | 2016-10-26 00:10 | イタリア | Trackback(2) | Comments(0)

「ある天文学者の恋文」

「La corrispondenza」…aka「Correspondence」2016 イタリア

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ホテルで逢瀬を重ねるエドワードとエイミー。“またしばらく会えない。手紙を書くよ。”と言って去って行くエドワード。エイミーはスタントマンのアルバイトをしながら大学に通っている。そんなある日、大学で担当教授からエドワード・フィーラム教授が亡くなったと告げられる。ショックを受けたエイミーがエドワードの携帯に電話をかけると留守番メッセージが流れてきた...

エドワード・フィーラム教授に「栄光のランナー/1936ベルリン/2016」ジェレミー・アイアンズ。

エイミー・ライアンに「パリ、ジュテーム/2006」「007/慰めの報酬/2008」「故郷よ/2011」「陰謀のスプレマシー/2012」「トゥ・ザ・ワンダー/2012」のオルガ・キュリレンコ。

エドワードの娘ヴィクトリアに「フィルス/2013」のショーナ・マクドナルド。

島の船乗りオッタヴィオに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「いつだってやめられる/2014」パオロ・カラブレージ。

島の女アンジェラにアンナ・サヴァ。

エイミーの母親にイリーナ・カラ。

監督、脚本は「題名のない子守唄/2006」 「シチリア!シチリア!/2009」「鑑定士と顔のない依頼人/2013」のジュゼッペ・トルナトーレ。

亡くなったはずの人間からメールや手紙やプレゼントが送られて来る。なぜ?ドラマの中盤で謎が解き明かされる。

著名な天文学者の大学教授とその教え子が恋愛関係にある。物語が進むにつれ教授の妻は亡くなっている様子で、これは不倫ではないと分ったり、教え子エイミーと、教授エドワードの娘は同じ年齢と言うことが判明する。スゴい年齢差ながら大学教授とその教え子が恋に落ちるって良くあることなのだろうか?

エドワードが亡くなった事実を受け入れられないエイミーは、なんとか彼にコンタクトを取ろうとするが、電話からは常に留守番のメッセージが返ってくるばかり。エイミーは思案の末エドワードの住まいのあるスコットランド、エジンバラへと赴く。彼の家の前にやっては来たが訪ねることに躊躇し、道路にたたずみ家の様子を見ることしかできない。

エドワードは亡くなっているのにエイミーの元に手紙や小包が届くのだ。その中にはPCから語りかけるエドワードの映像も含まれていて、ある時届いた小包の中には鍵が...それは二人が共に過ごしたオルタ・サン・ジューリオの屋敷の鍵だった。

ミステリーってわけでもないけど、何となくミステリーっぽい雰囲気が漂うこのような展開のドラマは初めて見たかも?エドワードが天文学者という設定がドラマにマッチしているし、エイミーがスタントマンのアルバイトをしている設定も面白い。時折、映画の撮影でスタントマンを演じるエイミーのシーンが挿まれる。

ジェレミー・アイアンズは60代後半ながら男としての魅力があふれる俳優で本作の役柄にはぴったり。

ドラマにはそれほど惹かれなかったけど、舞台となるイタリア、ピエモンテ州のオルタ・サン・ジューリオや、スコットランド、エジンバラでロケされた景色が美しい。特にオルタ・サン・ジューリオは美しく神秘的でドラマを盛り上げている。

TOHOシネマズ・シャンテにて



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by margot2005 | 2016-10-07 23:36 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「神様の思し召し」

「Se Dio vuole」…aka 「God Willing」2015 イタリア
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天才心臓外科医トンマーゾは腕は良いが傲慢な性格のせいで病院のスタッフに煙たがられている。ある日、医大生の息子アンドレアから“神父になる!”と告白され呆然となる。やがてあることをきっかけに、アンドレアがその気になったのはカリスマ神父ピエトロのせいと確信する。そして神父の身辺を調査した結果、刑務所帰りの前科者であることが判明。トンマーゾはピエトロの正体を暴くため心臓外科医の身分を偽って神父に接近する...

トンマーゾに「赤いアモーレ/2004」のマルコ・ジャリーニ。
ピエトロに「トランスポーター2/2005」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「われらの子供たち/2014」のアレッサンドロ・ガスマン。
カルラに「息子の部屋/2001」「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」のラウラ・モランテ。
ビアンカにイラリア・スパダ。
ジャンニにエドアルド・ペッシェ。
アンドレアにエンリコ・オティケル。
監督、脚本はエドアルド・ファルコーネ。

暇を持て余しボランティア活動に励むアル中の妻カルラ。娘のビアンカはお気楽で夫のジャンニは冴えない不動産屋。トンマーゾの唯一の希望は医大生の息子アンドレアの将来。しかしそのアンドレアが突然神父になると宣言する。医者を継いでくれるとばかり思っていたのに…。
子供は決して親の思いどうりにはならないことを、自己中で傲慢な男が身を持って体験することになる。

カトリックの本山があるローマは歩いていても普通に神父や修道女の姿を見かける。バチカン周辺では尚更のこと。“神などいない!”と豪語するトンマーゾや、ビアンカが弟アンドレアの聖書に無中になる様を見て可笑しかった。

“神などいない!人々を救うのは医者だ!”と力説する心臓外科医がひょんなことからカリスマ神父と出会う。しかし医者も病気は治せても人生を修復することはできない。方法は異なるが医者も神父もそれぞれ人を救う立場にある。その二人が互いに歩み寄り、認め合うコメディ・ドラマは痛快で見応えがあった。
しかしながらあの梨が落ちるシーンのラストが非常に気になる。

トンマーゾが住むマンションのバルコニーの真後ろにサンタンジェロ城が見え、その後ろにライトアップされたサンピエトロ寺院が姿を見せる。あのロケーションは美し過ぎてスゴい。きっと超高級マンションに違いない。以前見たフランス映画で、バルコニーから凱旋門が見えるアパルトマンが登場していた。歴史のあるヨーロッパの街中にそびえるスーパー級に有名な建物の側に建つマンションってやはりセレヴの家?
アレッサンドロ・ガスマンが神父なんて?と思ったけど、意外にハマっている。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-09-07 22:59 | イタリア | Trackback(4) | Comments(0)

「ローマ発、しあわせ行き」

「All Roads Lead to Rome」イタリア/USA 2015
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バツイチのマギーはニューヨークに住むジャーナリスト。ある日、反抗期の娘サマーを連れてイタリアに旅立つ。マギーにとってイタリアは初恋の相手ルカと出会った思い出の場所だった...

マギーに「幸せのポートレート/2005」「噂のモーガン夫妻/2009」「セックス・アンド・ザ・シティ/2008」「ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)/2011」のサラ・ジェシカ・パーカー。
サマーにロージー・デイ。
ルカに「トスカーナの休日/2003」「向かいの窓/2003」「シチリア!シチリア!/2009」「我らの生活/2010」「これが私の人生設計(生きていてすみません!)/2014」のラウル・ボヴァ。
カルメンに「鞄を持った女/1961」「山猫/1963」「ブーベの恋人/1963」「家族の灯り/2012」のクラウディア・カルディナーレ。
ジュリアに「スパングリッシュ/2004」「ひばり農園/2007」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のパス・ベガ。
ヴァレンティーナにナディール・カゼッリルカ。
モラヴィア警部補にマルコ・ボニーニ。
監督はエラ・レムハーゲン。

異国の地で初恋の相手と20年ぶりに奇跡的に出会うなんて...おまけに彼はシングル...あまりにも出来過ぎだけど映画なので許してしまった。

18:30の回に鑑賞したところシアターは満席。イタリアが好きでロマンティック・コメディが好きな人が集まったって感じ。
隣にとても若い男の子がいて(大学生?)イタリアが好きなのかな?なんて思った。そういえばすぐ近くにおじいさんがいたけど、サラのファンか?ロマコメ、ファンかも?それともクラウディア・カルディナーレのファン?
私自身はロマコメとラウル・ボヴァが見たかったから…。
ロマンティック・コメディって今の時代に合わないのだろうか?公開される作品が極端に少ない気がする。でもシアター満員ということは愛好家もいるわけで、もっとたくさん公開して欲しいな。

結末は見え見えながら、イタリアの美しい田舎の景色とローマの街、そしてラウル・ボヴァの出演を楽しんだが、ラウルがおじさん化していて少々悲しい。
サラもちょっと好きなハリウッド女優。クラウディア・カルディナーレがラウルのマンマ役で、ラウルの元ガールフレンド役のパス・ベガが相変わらず妖艶な魅力を振りまいている。
今やおばあさんとなったカルディナーレはハスキーボイス(つぶれた声の方がぴったりかも?)で、なぜか?可愛い。

新宿シネマカリテ/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016にて
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by margot2005 | 2016-08-10 00:11 | イタリア | Trackback | Comments(0)