カテゴリ:イタリア( 67 )

「はじまりの街」

La vita possibile2016 イタリア/フランス

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アンナに「私と彼女/2015」マルゲリータ・ブイ。

カルラに「あなたたちのために/2015」ヴァレリア・ゴリノ。

ヴァレリオにアンドレア・ピットリーノ。

ラリッサにカテリーナ・シュルハ。

マチューに「情痴アヴァンチュール/2005」「スウィッチ/2011」ブリュノ・トデスキーニ。

監督、脚本は「われらの子供たち/2014」イヴァーノ・デ・マッテオ。


ローマで一人息子ヴァレリオと暮らすアンナは夫の暴力に耐えきれず家を飛び出す。そして親友のカルラを頼りトリノに向かうのだった…


カルラはシングルの売れない女優で、叔母が残した小さな家に住んでいる。アンナとヴァレリオは暖かく迎えてくれたカルラの家にしばし居候することになる。やがてアンナは仕事を探し始めるが、ヴァレリオは知らない土地で孤独に苛まれて行く。ローマには友人がいたが、トリノにはいない。“自分の部屋もないなんて耐えられない!”と怒りを爆発させるヴァレリオが可哀想でならなかった。彼は思春期真っただ中。この頃の男の子ってかなり難しい時期。その時期に父親が母親に暴力を振るう所を目の当たりにした上、知らない土地に連れて来られたのだから精神的にとても辛かったに違いない。


ドラマはアンナの息子ヴァレリオを中心に描かれ、彼が偶然出会った娼婦ラリッサに恋をしたり、カルラのアパートの下の階に店を構えるマチューとの交流を挟みながら進んで行く。

原題は“人生は可能”という意味。邦題の「はじまりの街」もラストの展開にマッチしていて素敵だ。


舞台となったトリノの街が美しい。イタリアってどこの街も絵になる様子。

ラリッサを演じるカテリーナ・シュルハはベラルーシ生まれのチャーミングな女性。

テーマ曲となるシャーリー・バッシーの名曲"This Is My Life"がヒロインにぴったり。


少々期待して見に行ったけど...残念ながらそれほどでもなかったかな?と思ったけど、ヴァレリオ役のアンドレア・ピットリーノの青い瞳が吸い込まれそうに美しいし、ハンサム・ボーイの彼が頑張っているので許してしまった。

上映館の岩波ホールは中高年が多いシアターで、本作を見た時もそうだった。

何はともあれシアターは思ったより入っていて、いつものことながらイタリア映画をもっと公開して欲しいなと切に願った。


岩波ホールにて



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by margot2005 | 2017-11-13 20:43 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「歓びのトスカーナ」

La pazza gioia…akaLike Crazy2016 イタリア/フランス

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イタリア、トスカーナ州にある診療施設ヴィラ・ビオンディでは、心に問題を抱えた女性たちが社会復帰のために治療を受け、寝食を共にしている。ベアトリーチェは極度の虚言癖を持つ自称、伯爵夫人で、施設では女王のように振る舞いつつ常にハイテンションで喋りまくっている。ある日、タトゥだらけで極端に痩せたドナテッラがやって来る。ドナテッラに目を付けたベアトリーチェは彼女に付きまとい世話を焼く内、最愛の息子と引き離されていたことを知る…


ベアトリーチェに「人間の値打ち/2013」ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。

ドナテッラに「ハートの問題/2009」ミカエラ・ラマツォッティ。

ドクター・ザッパにヴァレンティーナ・カルネルッティ。

ドクター・ロレンツィーニに「孤独な天使たち/2012」トンマーゾ・ラーニョ。

監督は「ナポレオンの愛人/2006」「人間の値打ち/2013」パオロ・ヴィルズィ。


おしゃべりな中年女と自分の殻に閉じこもる若い女。対照的な二人が施設を脱走しつかの間の自由を謳歌するロード・ムービー。

何はともあれ虚言癖のある自称、伯爵夫人ベアトリーチェの行動が破天荒!車を盗んだかと思えば、超高級レストランで”わたしは伯爵夫人だけど今は持ち合わせがないの。”と言いつつ逃げ出して無銭飲食。押し掛けた銀行でも”わたしは伯爵夫人だけどお金を用立ててくれる!”なんて宣う。銀行が用立てるなんてあり得ない!のに…。


離婚、子供を連れての自殺未遂と別れ。心に傷を抱える女性たちは立ち直れるのだろうか?

イタリア映画祭2017で上映された時見るかどうか迷ったが配給がついていたので見送った。映画祭ではチケット完売。今回の上映ではかなり期待して見に行ったが、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキが喋りまくり少々うるさかったのは否めない。イタリア旅行で何度も感じたようにイタリア語って耳にうるさい言語かも?

でもヴァレリア・ブルーニ・テデスキとミカエラ・ラマツォッティの成りきりぶりはさすが!

テーマは全く違うがアメリカ映画「テルマ&ルーズ」を思い出す。


シネスイッチ銀座にて


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by margot2005 | 2017-07-19 21:59 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「甘き人生」

Fai bei sogni…akaSweet Dreams2016 イタリア/フランス

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母を失った男の魂の喪失と再生の物語。


マッシモに「おとなの事情/2016」ヴァレリオ・マスタンドレア。

マッシモ(幼少期)にニコロ・カブラス。

マッシモ(青春期)にダリオ・ダル・ペーロ。

エリーザに「シークレット・オブ・モンスター/2015」ベレニス・ベジョ。

マッシモの父にグイド・カプリーノ。

マッシモの母にバルバラ・ロンキ。

マッシモ(青春期)の友人エンリコにディラン・フェッラリオ。

エンリコの母に「ヴィオレット-ある作家の肖像-/2013」エマニュエル・ドゥヴォス。

大富豪アトスに「人間の値打ち/2013」ファブリツィオ・ジフーニ。

監督は「母の微笑/2002」「夜よこんにちは/2003「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」「眠れる美女/2012のマルコ・ベロッキオ。


トリノに住む9歳のマッシモは地元のサッカーチーム、トリノの大ファン。ある夜、大好きな母がお休みのキスをした後、帰らぬ人となる。やがて父親に連れられて教会へ行き、神父から母の死を告げられるがマッシモは彼女の死を受け入れることができない。そして母の死因を知らないまま大人に成長する。


母の死はマッシモの人生にずっと影を落とし続けていた。ある時、マッシモは呼吸が苦しくなって病院で診察を受け、担当した女性医師のエリーザに惹かれてしまう。母は心筋梗塞で亡くなったとエリーザに告げるが、彼女の返答から母の死因に疑問を抱くようになる。

終盤で母の死因が明かされる。逝かせてあげなさい。というエリーザの言葉が胸に染みる。


原作はトリノ生まれのジャーナリスト、マッシモ・グラメッリーニの書いたベストセラー小説。

ドラマは60年代から90年代にかけて描かれる。

ジャーナリストであるマッシモが政治記者時代に取材した政界の構造汚職と検察による汚職捜査や、サラエヴォで取材したボスニア・ヘルツェゴビナの紛争などが描かれることでマッシモの新聞記者としての経歴をたどることができる。そしてスクリーンにサッカーの試合中継がたびたび流れるのはマッシモが一時期スポーツ記者だったから...60年代に流行ったMusic&ツイストが懐かしい。

ある時、母を愛せないと悩む中年男の人生相談投稿に答えるマッシモ。彼は母を亡くした男で、自身の経験を綴った投稿が大評判を呼ぶエピソードはとっても素敵だった。


大人のマッシモを演じるヴァレリオ・マスタンドレアがスゴく良かった。彼のこのようなキャラは初めて見たかも知れない。

出番は少ないながらフランス人女優エマニュエル・ドゥヴォスの存在感は圧倒的。

マッシモに癒しを与えるエリーザ役のベレニス・ベジョも良かったな。


イタリア映画祭2017で鑑賞/有楽町スバル座、ユーロスペースにて上映中



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by margot2005 | 2017-07-17 18:56 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「ローマ法王になる日まで」

「Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente」…aka「Call Me Francesco」2015 イタリア

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1936年にアルゼンチン、ブエノスアイレスでイタリア移民の子として生まれたホルヘ・ベルゴリオが2013年3月に第266代ローマ法王に就任し、フランチェスコと名乗るまでを描いたヒューマン・ドラマ。


ホルヘ・ベルゴリオ(1961-2005)に「モーターサイクル・ダイアリーズ/2003」のロドリゴ・デ・ラ・セルナ。

ホルヘ・ベルゴリオ(2005-2013)に「グロリアの青春/2013」のセルヒオ・エルナンデス。

エステル・バッレストリーノに「モーターサイクル・ダイアリーズ」「今夜、列車は走る/2004」のメルセデス・モラーン。

オリベイラ判事にムリエル・サンタ・アナ。

監督、脚本は「我らの生活/2010」のダニエーレ・ルケッティ。


20133月のローマ。コンクラーベのためヴァティカンを訪れたホルヘ・ベルゴリオ枢機卿は運命の日を前に波乱に飛んだ自らの半生を振り返る。


1958年イエズス会に入信したベルゴリオが宣教師として日本へ行くことを熱望するエピソードが語られる。しかし日本へ行くことは叶わなかった。

70年代にアルゼンチン管区長を務め、80年代の終わりにブエノスアイレス大司教、そして2001年に枢機卿に選ばれている。

ベルゴリオがアルゼンチン管区長を務めていた時期はアルゼンチンの軍事独裁政権真っただ中。軍の圧力から教会と神学校を守るため奔走し、又仲間が虐殺された悲惨な過去も体験している。

エステル・バッレストリーノを始めとした反体制派の捕虜が飛行機から突き落とされる光景は衝撃的だった。


常に弱い立場の民衆に手を差し伸べ、勇気ある行動を取るベルゴリオは法王になるべき器を持っていた人物なんだと改めて思った。

ドイツに留学していた時に教会で会った女性に教えられた”結び目を解くマリア”の教えに助けられたエピソードが素敵。

ベルゴリオ役のロドリゴ・デ・ラ・セルナが熱演!


ローマ法王の住むサン・ピエトロ寺院へは観光で二度訪れたことがある。ドラマの中でベルゴリオ枢機卿が屋上に洗濯物を干すシーンがある。サン・ピエトロ広場からは見えないところに上手く干していると想像すると微笑ましくなる。


新宿シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-06-22 23:18 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「日々と雲行き」

Giorni e nuvole…akaDays and Clouds2007 イタリア/スイス/フランス

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一人娘のアリーチェが成人して家を出て以来、ミケーレとエルサは広々とした家で何不自由なく暮らしている。ある日、修復家のエルサが大学を優秀な成績で卒業し、盛大なるパーティが開かれる。幸せな夜を過ごしたエルサが朝目覚めるとミケーレがとんでもない話を始めるのだった...


エルサに「私と彼女/2015」マルゲリータ・ブイ。

ミケーレに「ハートの問題/2009」「ローマでアモーレ/2012」アントニオ・アルバネーゼ。

アリーチェに「ハングリー・ハーツ/2014」「おとなの事情/2016」アルバ・ロルヴァケル。

ヴィートに「幸せの椅子/2013」「おとなの事情/2016」ジュゼッペ・バッティストン。

ナディアに「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「カプチーノはお熱いうちに/2014」カルラ・シニョーリス。

リキに「それもこれもユダのせい/2009」ファビオ・トロイアーノ。

サルヴィアーティにパオロ・サッサネッリ。

ミケーレの父にアルナルド・ニンキ。

監督は「司令官とコウノトリ/2012」シルヴィオ・ソルディーニ。


ミケーレは会社を乗っとられて失職したのだ。エルサの卒業記念にカンボジア旅行を計画していた二人。しかしカンボジアどころか家を売らねばならないくらい経済状態は悪化していた。


映画の舞台はリグリア海(地中海の一部)に面した港湾都市ジェノヴァ。

ミケーレの失業にエルサは茫然自失。広々とした家で優雅に暮らす生活に終止符をうつ時が来たのだ。旅好きの夫婦には思い出の品がいっぱい。次に住む家に全て収まるのだろうか?そして友人のナディアに現状を話せなくて電話にでることも出来ない。そんなエルサは生活のため、カタログ販売のコールセンターでアルバイトを始める。

一方で会社を経営していたミケーレはプライドを捨てられずシュウカツに難航。新しい住まいで内装工事をする知人のヴィートを手伝ううち、シュウカツそっちのけで作業にどっぷりハマってしまう。


ミケーレにうんざりしているエルサは時給の良い新しい仕事に就く。そしてボスのサルヴィアーティとトキメキの時間を共にしたりして

エルサと大げんかしたミケーレは娘のアリーチェの家に転がり込む。彼女と一緒にレストランを経営するボーイフレンドのリキに親切にされ温かい気持ちになるミケーレ。

自分のことで精一杯なのに施設にいる痴呆症の父が気がかりでならない優しい息子ミケーレ。

これらのエピソードはとても良かった。


イタリアらしくヒロインはフレスコ画の修復家。

エルサが情熱を注いだ修復が終了し、そこにはマリアに受胎を告げにきた大天使ガブリエルの姿があった。天井画を見上げるエルサの元に現れたミケーレ。二人は互いがいないと生きて行けないことを知る。なんとも素敵なエンディングだった。


映画だからあの展開になったと思う。現実的に考えると離婚という形を取る夫婦が多いに決まっている。でもイタリアの男って妻に対して意外にも強気??

イタリア映画祭2008で上映された時見たかった一本ながら見れなくてやっと公開され見ることができた。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて(Viva!イタリア Vol.3で期間、時間限定で公開中)



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by margot2005 | 2017-06-13 23:06 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」

Lo chiamavano Jeeg Robot…akaThey Call Me Jeeg Robot2015 イタリア

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荒廃するローマ郊外で育ったエンツォは盗品を売りながら孤独な日々を過ごしている。ある日、警察に追われたエンツォはテヴェレ川に飛び込みドラム缶の中身を浴びてしまう。翌日同じアパートに住むセルジョと盗品売買のトラブルに巻き込まれ唯一の友セルジョが殺されてしまう...


エンツォに「緑はよみがえる/2014」クラウディオ・サンタマリア。

ジンガロに「ニーナ ローマの夏休み/2012」「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」ルカ・マリネッリ。

アレッシアにイレニア・パストレッリ。

セルジョにステファノ・アンブロジ。

ヌンツィアに「重なりあう時/時の重なる女/2009」アントニア・トゥルッポ。

監督、製作、音楽はガブリエーレ・マイネッティ。


ドラム缶の中身を浴びたせいで鋼の肉体と超人的なパワーを手に入れたエンツォは、セルジョを殺したギャングのボス、ジンガロに復讐を誓うが、同時にセルジョの娘アレッシアを守るハメに陥る。

アレッシアは日本のアニメ“鋼鉄ジーク”の大ファン。鋼鉄のアパートのドアを素手で破るエンツォを見て、“鋼鉄ジーク”の主人公司馬宙(シバヒロシ)だと思い込み、”ヒーローは人を救うべき!”と訴える。そう、アレッシアは空想の世界に生きる女だったのだ。


一方で地元ギャングのボス、ジンガロはシンガーとして芽がでず犯罪者として大成したいと願い、ヌンツィアをボスとするナポリ出身の犯罪組織と張り合っている。

そんなある日、突然超人的なパワーを身につけたエンツォが最初にしたことはATM強盗。街中に設置してあるATM現金自動預け払い機を壁から外して持ち帰る。やがて防犯カメラが捕らえたその映像はネット動画に配信され、それを見たジンガロはエンツォに興味を抱き始める。


不器用で冴えない男と現実と空想の世界がごっちゃになっているかわいそうな女。孤独な二人は次第に互いを求め合うようになる。いわゆるヒーローとヒロインとは全くかけ離れたダサいエンツォと普通じゃないアレッシアの組合わせがユニーク。ポルノ・ビデオとヨーグルトが大好きなエンツォもヒーローらしくない?


エンツォを演じるクラウディオ・サンタマリアのこのようなキャラはもちろん初めてで、クールでないヒーローが似合っている。

「ニーナ ローマの夏休み」ではイケメンのチェリスト役だったルカ・マリネッリが、ものスゴいキャラで怪演している。

ラスト、アレッシアが編んだニットのマスクをつけて夜の闇に現れたエンツォ…続あり?


イタリア映画祭2017(イタリア映画祭2016で上映された)で盛んに宣伝していた本作は日本のアニメをモチーフにしたヒーローもの。あまり興味はそそられなかったがクラウディオ・サンタマリアがヒーローを演じるというので見に行った。イタリアで大ヒットしたらしいが、東京でもヒットしている様子。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-06-09 22:09 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「マフィアは夏にしか殺らない」

La mafia uccide solo d'estate…aka The Mafia Only Kills in Summer2013 イタリア

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監督、出演(アルトゥーロ)にピエルフランチェスコ・ディリベルト/Pif

フローラに「副王家の血筋/副王家の一族/2007」「恋するローマ 元カレ/元カノ/2009」「バッグにはクリプトナイト/2011」 のクリスティーナ・カポトンディ。

子供時代のアルトゥーロにアレックス・ビスコンティ。

子供時代のフローラにジネヴラ・アントーニ。

新聞記者フランチェスコに「輝ける青春/2003」のクラウディオ・ジョエー。


イタリア映画祭2009で観た「運命に逆らったシチリアの少女/2008」はパレルモ舞台のシリアスなマフィアものだったが、こちらはコメディ。

「イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-/20008」の主人公ジュリオ·アンドレオッティがアルトゥーロの憧れの人というのも笑える。

恋をしたらマフィアに殺される…”なんて信じていたアルトゥーロが同級生フローラに一目惚れする。アンドレオッティの言葉に感化され恋心を伝えるのは墓地で…”と決めていたアルトゥーロはそれが叶う。しかしフローラは銀行家の父親と共にマフィアの手が届かないスイスに引っ越すことになる。時がたち青年となったアルトゥーロはスイスからパレルモに戻りキリスト教民主党の代議士リーマの秘書となったフローラと再会する。やがて彼女の推薦で代議士の広報担当記者の職を得るが、リーマに対する見解の相違でフローラに見限られる。そして1992年。アルトゥーロは反マフィアの治安判事ファルコーネとボルセッリーノが暗殺され、判事の死を嘆く市民たちのデモの中にフローラを見つける。とうとう結婚した二人に息子が生まれ、アルトゥーロは息子を伴いマフィアの凶弾に倒れた記念碑を訪ねる。


パレルモ出身のPifの初監督作品。ドラマは1969年に生まれ、多感な少年時代を送った後フローラと結婚し、息子の父親となったアルトゥーロの人生を描いている。

マフィアにまつわる史実は実写が使われていて興味深い。日本人にとっては馴染みが薄いマフィアの世界だが、アルトゥーロのフローラ一筋のラヴストーリーを絡めながら、それもコメディとして描かれているので、かなり面白かった。

ポスターは憧れのアンドレオッティに扮したアルトゥーロが学校で仮装大賞をゲットした際の姿。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて上映中(イタリア映画祭2014鑑賞済)



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by margot2005 | 2017-06-03 19:29 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「Viva!公務員/オレはどこへ行く?」

Quo vado? 2016 イタリア

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終身雇用の公務員にしがみつく男ケッコを描いた痛快コメディ。


ケッコにケッコ・ザローネ。

ヴァレリアにエレオノーラ・ジョヴァナルディ。

シローニ女史に「輝ける青春/2003」「孤独な天使たち/2012」のソニア・ベルガマスコ。

ケッコの父親ペッピーノにマウリツィオ・ミケーリ。

ケッコの母親カテリーナにルドヴィカ・モドゥーニョ。

マーニョ大臣にニンニ・ブルスケッタ。

ビネット上院議員にリーノ・バンフィ。

ケッコのフィアンセにアッズラ・マルティーノ。

観測隊員に「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女/2009」のパオロ・ピエロボン。

監督、原案、脚本はジェンナーロ・ヌンツィアンテ。

原案、脚本、音楽はルカ・メディチ(ケッコ・ザローネ)。


地方都市で公務員の職にあるケッコは38歳のシングルで両親と同居している。フィアンセに結婚をせがまれているが、心から愛するのはマンマだけ。そんなある時、政府が公務員の人員削除に乗り出し早期退職者を募ることになり、ケッコは退職か勤務地変更か?の選択に迫られる。マーニョ大臣の命によりシローニ女史は次々と早期退職に追い込むことに成功するが、ケッコはだけは絶対に首を縦に振らない。で、彼女はケッコを退職させるべく、嫌がらせでイタリアのあらゆる所に左遷するが全く動じない有様。頭にきたシローニ女史は彼を北極圏にあるノルウェーの離島の観測所に送り込む。やがてケッコはあまりの寒さにイタリアに戻りたい!気持ちが芽生え始めるが、観測所で働くヴァレリアに一目惚れし、彼女の3人の連れ子と共に暮らし始める。


ケッコは一時ヴァレリアとノルウェーで幸せな日々を送っていたが、やはりノルウェーは寒い!ヴァレリアを説き伏せイタリアに戻りプーリアに赴任することになる。とにかくどこまでも公務員なのだ。しかしそんな公務員魂がいやになったヴァレリアはケッコと別れる決断をする。オープニングとエンディングはアフリカ。予想どうり二人のヨリは戻ったわけ。


そもそもイタリア映画の公開が少ない上コメディは数少ない。本作を見て久しぶりに大笑いした。

主演のケッコ・ザローネはイタリアでは有名なコメディ俳優とのこと。でもケッコ・ザローネの映画は今回初めて見た。日本のお笑い芸人にいそうなタイプで、その中の誰かに顔似ている?なんて思ったりもした。

この方多彩な人で主題歌も歌っている。

氷のようなシローニ女史を演じるソニア・ベルガマスコはシリアスなドラマの「輝ける青春」や「孤独な天使たち」より本作のようなコメディがとても似会う女優。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて上映中(イタリア映画祭2016で鑑賞済)



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by margot2005 | 2017-05-28 19:28 | イタリア | Trackback | Comments(0)

「おとなの事情」

Perfetti sconosciuti…akaPerfect Strangers2016 イタリア

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ある月食の夜、幼なじみの男性4人がそれぞれのパートナー同伴で食事会を開くことになる。ロッコとエヴァ夫婦の家にやって来たのはレレとカルロッタ夫婦にコジモとビアンカ夫婦。そして後はペッペを待つばかり。離婚歴があるペッペは新しい恋人と参加するはずだったが、恋人の都合がつかずペッペは一人参加となる。食事が始まり会話も弾む中、エヴァがゲームをしようと提案する。それはそれぞれの携帯に届いたメールや電話を見せ合うこと。やがて一人のスマートフォンにメールが届く…


ペッペに「愛と欲望 ミラノの霧の中で/2006」「まなざしの長さをはかって/2007」「人生、ここにあり!/2008」「司令官とコウノトリ/2012」「幸せの椅子/2013」ジュゼッペ・バッティストン。

レレに「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」「天使が消えた街/2014」ヴァレリオ・マスタンドレア。

カルロッタに「ローマ、恋のビフォーアフター/2011」のアンナ・フォリエッタ。

コジモに「いつだってやめられる/2014」エドアルド・レオ。

ビアンカに「五日物語 3つの王国と3人の女/2015」「ハングリー・ハーツ/2014」アルバ・ロルヴァケル。

ロッコに「神様の思し召し/2015」マルコ・ジャリーニ。

エヴァに「それもこれもユダのせい/2009」「パリより愛をこめて/2010」「カプチーノはお熱いうちに/2013」カシア・スムートニアック。

監督、脚本、原案はパオロ・ジェノヴェーゼ。


イタリア映画は大好きだし、出演陣も豪華だしで楽しみにしていた一作。でもこのブラック・コメディはあまり好きじゃない。イタリアで流行ったらしいが日本人の感性に合うかどうかは疑問?あれだけごちゃごちゃになった夫婦&友人関係がラストでは….。してやられたラストに唖然!

そして食事会を月食の夜に設定して、不思議な現象が起きても可笑しくない?なんて考えたのかも?

映画はほぼ密室劇。原タイトルの“完全なる他人”はどう理解すれば良いのやら?邦題の”大人の事情”って?


携帯というのはとてもパーソナルなもので、たとえ夫婦であっても互いに見せ合うなんて考えられない。だからそれをテーマにしたら面白いと思ったのだろうか?このドラマを考えた人は?まぁテーマとしては面白いかも知れないけれど、映画としては今ひとつだった。


シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-04-03 23:17 | イタリア | Trackback(1) | Comments(0)

「家族の肖像」

Gruppo di famiglia in un interno…akaConversation Piece1974 イタリア/フランス

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イタリア、ローマ。教授は高級アパルトマンに家政婦と管理人と共に静かに暮らしている。日々の仕事は絵画の収集と研究。そこへある日突然ブルモンティ伯爵夫人が娘のリエッタを連れてやって来る。そしてリエッタの友人ステファノと伯爵夫人の愛人コンラッドまで加わり、教授に空いている上階を貸してくれるよう頼み込んでくる。静けさを乱されることを懸念する教授は了承できないと繰り返すが、あの手この手で説得され、とうとうコンラッドが住むことを了承してしまうのだった...


教授に「地上(ここ)より永遠に/1953「山猫/1963「カサンドラ・クロス/1976」「フィールド・オブ・ドリームス/1989」のバート・ランカスター。

コンラッド・ヒューベルに「地獄に堕ちた勇者ども/1969」「ルードウィヒ/神々の黄昏/1972「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」「サンローラン/2014」のヘルムート・バーガー。

ビアンカ・ブルモンティ伯爵夫人に「ベニスに死す/1971」「ルードウィヒ/神々の黄昏」のシルヴァーナ・マンガーノ。

リエッタ・ブルモンティにクラウディア・マルサーニ。

ステファノにステファノ・パトリッツィ。

教授の母(回想)に「暗殺の森/1970」「マッキントッシュの男/1972」「クリムゾン・リバー/2000」のドミニク・サンダ。

教授の妻(回想)に「鞄を持った女/1961」「家族の灯り/2012」「ローマ発、しあわせ行き/2015」クラウディア・カルディナーレ。

監督は「夏の嵐/1954」「マリア・カラスの真実/2007(出演)」ルキノ・ヴィスコンティ。


教授は若者たちに日々の静けさを乱され落ち着かないが、芸術に理解を示すコンラッドに興味を覚える。やがて徐々にコンラッドの存在が教授の心のよりどころになって行く。

ドラマの中、時折織り込まれる回想シーン…教授の母と妻が登場するが、どちらも若くて美しい姿。かつて家族を持っていた教授は幸せな過去を思い出していたのだろうか?

映画のラスト近くで教授はコンラッドたちと食卓を囲む。しかしあらぬ方へ向かった会話のせいで諍いが始まり、コンラッドとステファノは取っ組み合いの喧嘩を始める。彼らと家族のように仲睦まじく食事をしようと考えていた教授の想いは露と消えてしまう。


コンラッドとブルモンティ伯爵夫人の関係や、リエッタとステファノ、コンラッドの三角関係がデカダンスな雰囲気を漂わせている。

今はもう存在しないが、かつて巨大スクリーンがスゴかった新宿テアトルタイムズスクエアのシアターで「山猫/1963」を見たことがある。

記憶をたどってみたらルキノ・ヴィスコンティ映画をシアターで見たのは「山猫」と本作だけ。BSで見たヴィスコンティ映画は「郵便配達は二度ベルを鳴らす/1942」「夏の嵐/1954」「若者のすべて/1960」「ベニスに死す/1971」の4本。昨年の5月に恵比寿の映画館で「ルートヴィヒ 完全復元版/1972」を上映していたが期間が短くて見に行けなくて残念だった。


岩波ホールにて



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by margot2005 | 2017-03-20 00:06 | イタリア | Trackback | Comments(0)