カテゴリ:フランス( 268 )

「ザ・ダンサー」

La danseuse…aka「The Dancer2016 フランス/ベルギー/チェコ

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19世紀末のフランス。パリが繁栄した華やかなベル・エポック(良き時代)を舞台に、“モダン・ダンスの祖”と呼ばれ一世を風靡した伝説的ダンサー、ロイ・フラーの実話を元にしたヒューマン・ドラマ。


マリー・ルイーズ・フラー/ロイ・フラーに「博士と私の危険な関係/2012」「嫉妬/2012」のソコ。

ルイ・ドルセー伯爵に「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「サンローラン/2014」「たかが世界の終わり/2016」ギャスパー・ウリエル。

ガブリエルに「海の上のピアニスト/1999」「ラルゴ・ウィンチ/2008」のメラニー・ティエリー。

イサドラ・ダンカンにリリー=ローズ・デップ。

フォリー・ベルジェールの支配人に「プチ・ニコラ/2009」「ハートブレイカー/2010」「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」「エール!/2014」「神様メール/2015」フランソワ・ダミアン。

オペラ座の支配人に「あの夏の子供たち/2009」「めぐりあう日/2015」「フランコフォニア ルーヴルの記憶/2015」ルイ=ド・ドゥ・ランクザン

監督、脚本はステファニー・ディ・ジュースト。


フランス人の父とアメリカ人の母の間に生まれたマリー・ルイーズは、愛する父が亡くなり母の住むニューヨークの修道院に身を寄せる。そして女優志望の彼女は舞台デビューするがほんの端役だった。そんな折、幕間に披露したマリー・ルイーズの独創的なダンスが拍手喝采を浴びる。その中には彼女のダンスに魅せられ拍手を贈るルイ・ドルセー伯爵がいた。


ルイ・ドルセー伯爵はアメリカ人の富豪女性と結婚したフランス人貴族。マリー・ルイーズはルイ・ドルセー伯爵の支援を得てフランスに渡り、パリのミュージック・ホール、フォリー・ベルジェールの門をたたく。支配人は今まで見たこともないダンスに興味を持たなかったが、ダンサーたちの世話をするガブリエルはマリー・ルイーズの才能を認めフォローすることを決意する。やがてロイ・フラーと名のる様になったマリー・ルイーズのダンスは観客を虜にするのだった。そしてとうとうオペラ座の支配人がやって来て出演が決まる。


ロイ・フラーと同じくアメリカ人のイサドラ・ダンカンはモダン・ダンサーとしてとても有名。彼女も又“モダン・ダンスの祖”と呼ばれている。ドラマには共演者として選ばれた若くて美しいダンサー、イサドラ・ダンカンに嫉妬するロイ・フラーのエピソードも織り込まれている。


ヒロインを演じるソコは独特の魅力を放つフランス人の女優でシンガーソング・ライターでもある。上に書いた2本の映画はどちらもwowowで見たが、男子のようにも見える風貌ながらとてもエロティックな雰囲気を醸し出す希有な女優。本作ではダンスパフォーマンスのシーンを熱演している。

そしてイサドラ・ダンカンを演じるリリー=ローズ・デップがとても蟲惑的で美しい。ヴァネッサ&ジョニーの良い所取りしたリリーがマジでチャーミング。

ギャスパー・ウリエルにはデカダンスな世界が似合う。


シネスイッチ銀座にて



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by margot2005 | 2017-06-25 20:48 | フランス | Trackback | Comments(0)

「おとなの恋の測り方」

Un homme à la hauteur…akaUp for Love2016 フランス

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フランス、マルセイユ。敏腕弁護士のディアーヌはブルーノと離婚して3年になるが仕事のパートナーゆえ職場は同じで、顔を合わせるたび喧嘩する毎日にうんざりしている。そんなある夜、レストランに忘れた携帯を拾ったという男性アレクサンドルから連絡が入る...


アレクサンドルに「アーティスト/2011」「プレイヤー/2012」「ミケランジェロ・プロジェクト/2013」「メビウス/2013」「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)/2015」ジャン・デュジャルダン。

ディアーヌに「ターニング・タイド 希望の海/2013」ヴィルジニー・エフィラ。

ブルーノに「チャーリーとパパの飛行機/2005:監督」「よりよき人生/2011:監督」のセドリック・カーン。

弁護士事務所の秘書コラリーにステファニー・パパニヤン。

アレクサンドルの息子ベンジーにセザール・ドンボワ。

監督、脚本は「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「プチ・ニコラ/2009」ローラン・ティラール。


アレクサンドルの知的な話ぶりに好意を抱いたディアーヌは携帯を受け取るため会う約束をする。少々期待を込めて出かけたディアーヌが翌日約束したカフェで目にした男性は子供か?と疑うくらい身長の低い人物だった。

女性にとって男性の声ってかなり重要な魅力の一つ。アレクサンドルのユーモアがあって知的な声が気に入ったディアーヌは本人と会ってがっくり来てしまう。そう、そして女性にとって自分より背が低い男性はダメ?

アレクサンドルはジェントルマンで優秀な建築家でおまけにリッチ。ディアーヌは仕事ができて美人。アレクサンドルの身長が並だったらパーフェクト・カップルなのに…。


1メートル36センチって小学生の身長。街を歩けば皆が振り向き、レストランで食事をしていても露骨に見つめてくる人がいる。

本作は身長差ありのカップルが織りなすラヴ・コメディ。ドラマの結末がハッピー・エンディングになることを誰しもわかっている。しかしアレクサンドルとの恋に悩むディアーヌが彼の肉体的欠陥をどのように受け入れるのか?と、見ている間とても気になっていた。

ラスト、ディアーヌがアレクサンドルに、“あなたは首が痛くなり、私は背中が痛くなるけど、愛しているわ”と言う台詞がtrès bien!だった。

原タイトルはずばり“男性の背丈”。でも男性の価値は背丈ではないということを知った女性の物語でもある。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて



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by margot2005 | 2017-06-23 23:18 | フランス | Trackback | Comments(2)

「世界にひとつの金メダル」

Jappeloup2013 フランス/カナダ

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1980年代始めのフランス、ドルドーニュ地方。少年の頃から父セルジュの指導のもと、馬術の障害飛越競技に打ち込んできたピエールは大学卒業後馬術から離れ弁護士になる。仕事にも恵まれ充実した日々だったが、何か物足りなさを感じていた。やがてピエールは再び障害飛越競技を始める決心をする…


出演(ピエール・デュラン)、脚本に「ターニング・タイド 希望の海/2013」「疑惑のチャンピオン/2015」のギョーム・カネ

ナディアに「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「隠された日記 母たち、娘たち/2009」マリナ・ハンズ。

セルジュ・デュランに「マルセイユの決着/2007」「殺意は薔薇の香り/2013」のダニエル・オートゥイユ。

アルレット・デュランに「コーラス/2004」「ルパン/2004」「サン・ジャックへの道/2005」「引き裂かれた女/2007」「刑事ベラミー/2009」マリー・ビュネル。

ラファエルにルー・ドゥ・ラージュ。

コーチのマルセルに「三銃士 妖婦ミレディの陰謀/2005」「星の旅人たち/2010」「そして友よ、静かに死ね/2011」「ベル&セバスチャン/2013」チェッキー・カリョ。

アメリカ人の馬主ジョンに「プライドと偏見/2005」「鑑定士と顔のない依頼人/2013」ドナルド・サザーランド。

監督は「ココ・シャネル/2008」「ベル&セバスチャン 新たな旅立ち/2015」のクリスチャン・デュゲイ。


弁護士のキャリアを捨て馬術を選んだピエールは若くて気性が激しい馬ジャップルーを手に入れ、オリンピック目指して過酷なトレーニングを始める。

ピエールはライダー(選手)として優秀ではないが、彼の馬ジャップルーは素晴らしい才能を持っていた。

ヨーロッパ選手権で活躍したピエールは1984年のロサンゼルスオリンピックに出場するが敗北。その後ジャップルーを乗りこなすことに成功したピエールは1988年ソウル・オリンピックで念願の金メダルを獲得する。


一度は気性が激しいジャップルーに乗ることを諦め、アメリカ人の馬主ジョンに馬を売ることまで考えたピエール。しかし馬術を理解している父と妻ナディア、ジャップルーのトレーナー、ラファエルの大きな支えに励まされオリンピックで金メダルを取ることができた。

ワイン作りをやめ農地で馬術学校を開いていたセルジュ。一方でナディアも馬術が大好きな女性。このような環境があったからこそピエールは偉業を成し遂げることができたのだなと思った。


原タイトルの“Jappeloupジャップルーは馬の名前。馬は小さな体ながら1991年迄活躍したそう。

ギョーム・カネは1973年生まれなので撮影時はぎりぎり30代。20代始めの役はちょっと無理があるが、この方童顔なのか若いキャラに意外にも違和感はない。

フランスの田園地帯がとても美しいと思いながら見ていたがロケーションはスペイン。ドルドーニュ地方はワインで有名なボルドーの東隣にあり、ピエール・デュランの弁護士時代の職場はボルドー。

とにもかくにも乗馬のシーンはギョーム・カネ自身が演じたというからスゴい!そして実話なのでラストに感動する。

邦題が悲しいくらい陳腐。


シネマート新宿にて


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by margot2005 | 2017-06-21 20:14 | フランス | Trackback | Comments(0)

「若き人妻の秘密」

Le roman de ma femmeMy Wife's Romance2011フランス

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ある日、弁護士の夫ポールが多額の借金を残して失踪してしまう。警察に届けを出し家に戻ると借金取り立て人が待ち構えていた。結婚6年目の美しい妻エーヴは途方にくれ倒れてしまう。そんなエーヴの前にかつてポールの恩師だった弁護士ショレーが現れ援助したいと申し出る


エーヴに「たかが世界の終わり/2016」レア・セドゥ

ショレーに「午後8時の訪問者/2016」オリヴィエ・グルメ。

インスペクターに「92歳のパリジェンヌ/2015」ジル・コーエン。

アレクサンドルにティボー・ヴァンソン。

ショレーが弁護するロシア人の妻に「題名のない子守唄/2006」「重なりあう時/2009」クセニア・ラパポルト。

監督、脚本は「あの夏の子供たち:出演/2009」ジャムシェド・ウスマノフ。


ショレーは若くて美しいエーヴに夢中になるが、自分は心臓が悪いから長生きはできないと確信している。やがて自分が亡くなった時エーヴに財産を譲れるよう遺言をしたためる。


ショレーはポールが贅沢好きで借金を抱えていることを知っていた。ある日、インスペクターがエーヴに警告する。ショレーはあなたを手に入れるためポールを始末したのかも知れない。しかしショレーを疑うインスペクターにエーヴは怒りを募らせる。


ドラマの中でポールは一切姿を見せない。これはエーヴの狂言か?などと思ったりもする。夫のポールは出てこないがエーヴの若い頃の恋人アレクサンドルが姿を見せる。サスペンス仕立てのドラマにアレクサンドルも関わってくるのだろうか?と想像したがラストのどんでん返しは斬新。


普通のドラマながらヒロインがレア・セドゥなのでドラマ/エロスという紹介記事もあって、宣伝するために書いたなと思った。実際のドラマにエロスは殆どない。

レアは不機嫌な顔が実に似合う。笑うと可愛いのに…”とショレーに言われ一瞬笑顔を見せるが、又不機嫌な顔に戻ってしまう。レアの不機嫌な顔がドラマの内容にマッチして、大ラスの川のシーン不機嫌極まりない彼女は最高。ミステリアスなフランス映画は中々素敵だった。

ロシア出身女優のクセニア・ラパポルトが懐かしい。

原タイトル“私の妻のロマンス”はどう解釈すれば良いのやら??邦題の方がしっくりくるかも知れない。


wowowにて(7月にDVD発売予定)



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by margot2005 | 2017-06-08 00:02 | フランス | Trackback | Comments(0)

「アムール、愛の法廷」

L'hermine…akaCourted2015 フランス

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フランス北部のサントメール。妻と別居中のミシェル・ラシーヌは堅物の裁判長。ある日、幼い娘を殺した罪に問われた若い父親の裁判が行われようとしている。ほどなくしてミシェルは陪審員の中に6年前に想いを寄せたディットがいることに気づく…


ミシェル・ラシーヌに「ボヴァリー夫人とパン屋/2014」ファブリス・ルキーニ。

ディット・ロランサン=コトレに「アフター・ウエディング/2006」「インフェルノ/2016」「王様のためのホログラム/2016」シセ・バベット・クヌッセン。

ディットの娘アンにエヴァ・ラリエ。

陪審員マリー・ジャンヌに「君と歩く世界/2012」コリンヌ・マシエロ。

被告にビクター・ポンテコーボ。

弁護人にマイケル・アビテブール。

監督、脚本は「大統領の料理人/2012」のクリスチャン・ヴァンサン。


ディットはミシェルが入院中優しく世話をしてくれた麻酔医で、彼女との思いがけない出会いに心弾む。重罪裁判所に務めるミシェルは厳格で人間味に乏しく、彼の手にかかれば被告人はいつも10年以上の刑を受けると評判の裁判長。しかし冷徹なミシェルもディットに再会したことで気持ちの変化が生じ始める。


とっても地味で盛り上がりに欠け、眠気を誘うドラマはシアター・イメージフォーラムにふさわしい。DVDスルーじゃなくて良く公開されたものだ。

コメディが似合うファブリス・ルキーニが、厳格で人間味に乏しい判決を下す裁判長役で終始真面目な顔をしていて可笑しかった。

デンマーク出身のシセ・バベット・クヌッセンがフランス映画にも出演していたとは!本作はハリウッド大作「インフェルノ」でWHOのトップ、エリザベス・シンスキー役を演じる前の作品。そういえば「王様のためのホログラム」でもトム・ハンクスと共演していたのを思い出す。


日本と少々違うなと思ったのは、裁判長の両隣に裁判官が座り、その隣に陪審員が座っている。陪審員と裁判官が同じ列に並ぶのは初めて見る光景だった。

裁判が行われている間、陪審員は外で他の陪審員と裁判について話してはならない決まりがある。ましてや陪審員と裁判長がお茶を飲みながら話すなんてあり得ないこと。その二人が人目を盗んでカフェで会う姿は違反ながら微笑ましい。


ラスト、ディットは次の裁判の陪審員には選ばれなかったが、約束どうりミシェルのいる法廷に留まる。未来を感じさせるラストが素敵な大人のラヴ・ストーリー。


シアター・イメージフォーラムにて



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by margot2005 | 2017-05-29 00:01 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「パーソナル・ショッパー」

Shopper2016 フランス・ドイツ

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パリの街でパーソナル・ショッパーとして働くモウリーンは双子の兄を3ヶ月前に亡くしていた。兄同様霊媒師としての能力を持つ彼女は生前約束した兄からのサインを待っている。兄の恋人だったララに案内されて彼らが住んでいた屋敷で一夜を明かすが現れたのは兄のゴーストではなかった。一方で世界中を飛びまわる女優キーラに雇われるモウリーンは、ある日アパルトマンでキーラの愛人インゴと出会う...


モウリーンに「イン・トゥ・ザ・ワイルド/2007」「ニュームーン/トワイライト・サーガ/2009」「オン・ザ・ロード/2012」「アリスのままで/2014」「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」「カフェ・ソサエティ/2016」クリステン・スチュワート。

インゴに「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」ラース・アイディンガー。

ララにシグリッド・ブアジズ。

アーウィンにアンデルシュ・ダニエルセン・リー。

キーラにノラ・フォン・ヴァルトシュテッテン。

監督、脚本は「クリーン/2004」「パリ、ジュテーム/2006」「夏時間の庭/2008」「アクトレス ~女たちの舞台~/2015」オリヴィエ・アサイヤス。


主人公が霊媒師なのでオカルトものなのか?と、見るかどうかとても迷った。でもフランス映画で監督はオリヴィエ・アサイヤス…やはり見てみたい!と思う一心で見に行ってしまった。

オリヴィエ・アサイヤスの描くサスペンス・スリラーはとてもミステリアスで、ヒロインのモウリーンを演じるクリステン・スチュワートは「アクトレス ~女たちの舞台~」に続いてナイス・キャスティング。


ドラマは心霊現象などを織り込んでなんとも不可思議な世界だが、コワいシーンは殆どない地味な霊媒師と華やかなファッションは全くもってミスマッチと思っていたら、監督は“物質的な世界とこの世ではない別の世界”を描きたかったらしい。

過去にBSでニューヨークで働く“パーソナル・ショッパー”のドキュメンタリー番組を放送をしていて、初めて“パーソナル・ショッパー”という仕事を知った。

本作でも描いているように、クライアントのために選んだ商品を身につけてはならないというルールがあるらしい。しかし謎のメールを送ってくる男にそそのかされモウリーンは禁を破ってしまう。ベッドでキーラのドレスを着て恍惚とした表情を浮かべるモウリーン。禁欲に屈してしまった姿が官能的でとても美しい。


フランス映画はラストを迎えても結末が良くわからなくてちょっとイラつくドラマがある。これはその最たるもの。

モウリーンは双子の兄と交信できたのか?も定かではないし、殺人事件の犯人は判明したが、具体的な説明は一切なし。モウリーンの携帯に執拗にメッセージを送るのは誰?それも最後まで明かされなかった。

でもあの人物はインゴ以外に考えられない。インゴならキーラを通じてモウリーンの携帯電話番号を知り得ることが可能だし…。キーラの家で鉢合わせた時におそらくインゴはモウリーンに興味を持ったのだ。


オカルトって元々の意味は“隠されたもの”を語源とするらしい。

バイクに乗ってパリの街を疾走するモウリーンはダサいセーターに皮ジャンとスニーカー。普段のモウリーンのファッションはあえてあのようにダサイものにしたのだろう。謎の男に誘われ指定されたホテルに行く時はキーラのドレスとパンプスで着飾るモウリーンがいたりして、謎のメッセージによってモウリーンの“隠されたもの”が徐々に現れて行く様が、ドラマと相まってとてもミステリアス。

“隠されたもの”がテーマのようなのでストーリーは曖昧に描いたのかも知れない。


余談…

モウリーンがキーラのシャネルのすけすけのドレスを着るシーン…ドレスの下につけるハーネスなるものにびっくり。ハーネスって動物の体を固定するための道具と思っていた。盲導犬なんかにつけるアレ。人間ではウインドサーフィンやSMプレイの際にも使用する。しかしハーネスはファッションの一つでもあると知って驚いた。昔、ヨーロッパの女性がつけたコルセット(鉄のワイアor鯨骨)を思い出す。美しく見せるためにはなんでもアリ?

AppleのMacとiPhoneが頻繁にでてくるのは監督が好きだから?私もApple大好きだけど。


TOHOシネマズ六本木にて



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by margot2005 | 2017-05-26 23:06 | フランス | Trackback(1) | Comments(2)

「午後8時の訪問者」

La fille inconnue…akaThe Unknown Girl2016 ベルギー/フランス

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ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ兄弟が描くヒューマン・サスペンス。


ジェニーに「水の中のつぼみ/2007」「メゾン ある娼館の記憶/2011」「黒いスーツを着た男/2012」のアデル・エネル。

ジュリアンにオリヴィエ・ボノー。

ブリアンにルカ・ミネラ。

ブリアンの父に「サンローラン/2014」ジェレミー・レニエ。

ランバートに「ダゲレオタイプの女/2016」オリヴィエ・グルメ。

監督、脚本、製作は「ロゼッタ/1999:息子のまなざし/2002」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「少年と自転車/2011」「サンドラの週末/2014」ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。


ベルギーのとある街。小さな診療所に勤めるジェニーは有能な女性医師で、間もなく大きな病院に迎えられる予定。そんなある夜、診察時間外に呼び鈴が鳴り研修医のジュリアンがドアを開けようとするがジェニーはそれを引き止める。翌日刑事がやって来て、近くで身元不明の少女の遺体が見つかったことを知らされる。そして刑事が調べたところ診療所の監視カメラにその少女の姿が映っていた…


ダルデンヌ兄弟の描く世界はいつも社会の底辺に住む人々が主人公。ジェニーは抱える患者から携帯に電話がかかると車で駆けつける。このようなドクターがいる街の住人て幸せだなぁ!と感心した。

ジェニーはとても人間味のあるドクターで、移民の患者にも手厚い治療を施している。そして彼女は優しい人間であるがゆえ、自分のせいで身元不明の少女が殺されてしまったかも知れないという欺瞞に苛まれ、事件に深入りしてしまう。そのせいで自身が危険にさらされることになるとは知らずに…。


身元不明の少女はアフリカからやって来た移民で、昨今のヨーロッパの世情を反映していて興味深い。

熱血漢のジェニーは研修医のジュリアンを思ってこそキツく当たったのだが、一時彼は自身をなくして医者をやめるという。しかしジェニーの説得で自信を取り戻すジェリアンが爽やかでラストには胸を撫で下ろした。


ヒロインのアデル・エネルが好演している。そしてダルデンヌ兄弟常連のオリヴィエ・グルメ&ジェレミー・レニエも脇を固めてナイス・キャスティング。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-04-29 22:59 | フランス | Trackback(2) | Comments(4)

「サラエヴォの銃声」

Smrt u Sarajevu…akaDeath in Sarajevo2016 フランス/ボスニア・ヘルツェゴビナ

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第一次世界大戦のきっかけとなったサラエヴォ事件から100年。ホテル・ヨーロッパでは記念式典を行うための準備が行われている。仕事熱心なフロント主任ラミヤは客を迎える準備に忙しい。そして支配人のオメルは記念式典に出席するVIPのジャックをホテルに迎える。部屋に入ったジャックは早速式典の演説の練習を始める。屋上ではジャーナリストのヴェドラナが、サラエヴォ事件の皇太子暗殺者と同じ名前を持つ男ガヴリロ・プリンツィプに、戦争と結果についてのインタビューの真っ最中。そんな中、オメルはホテルの従業員の間で企てられているストライキを阻止しようと躍起になっていた


ジャックに「シラノ・ド・ベルジュラック/2990「地上5センチの恋心/2007」(ほとんど)チャーミングな王子/2013」のジャック・ウェベール。

ラミヤにスネジャナ・ヴィドヴィッチ。

オメルに「サラエボ、希望の街角/2010」イズディン・バイロヴィッチ。

ヴェドラナにヴェドラナ・セクサン。

ガヴリロ・プリンツィプにムハメド・ハジョヴィッチ。

監督、脚本は「美しき運命の傷痕/2005」「戦場カメラマン 真実の証明/2009「汚れたミルク あるセールスマンの告発/2014」のダニス・タノヴィッチ。


先だって「汚れたミルク あるセールスマンの告発」を見たばかり。1週間の間にダニス・タノヴィッチの映画を2本見るとは異例なこと。

ホテル・ヨーロッパの屋上、ロビー、リネン室、キッチン、VIPゲストルーム、地下駐車場...それぞれの場所にいる人々を同時進行でリアルに描くスリリングな群像ドラマ。


大昔、社会の時間に習った”サラエヴォ事件”はボスニア・ヘルツェゴビナの人々にとって忘れられない歴史的事件。このような記念式典があったなんてことも全く知らないけれど、ダニス・タノヴィッチ独特のドキュメンタリーのような雰囲気を感じさせる群像ドラマは見応えがあった。

100年前サラエヴォで皇太子が暗殺された事件と、ドラマの中の銃撃事件とは全く関係がないながら、ラストの銃撃はとても衝撃的。


シネマカリテにて


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by margot2005 | 2017-04-05 22:18 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「未来よ こんにちは」

L'avenir…akaThings to Come2016 フランス/ドイツ

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ナタリーはパリの高校で哲学を教える50代後半の女性教師。夫ハインツも哲学教師で結婚生活は25年になる。そんなある日、夫から”好きな人ができたので別れて欲しい。”と告白される。そして認知症が進む母親イヴェットが施設に入った末亡くなってしまい、仕事上では長い付き合いだった出版社から時代に合わないと契約を打ち切られてしまう。娘クロエと息子ヨアンは既に独立しており、ふと気つけばナタリーは一人きりになっていた…


ナタリーに「アスファルト/2015」イザベル・ユペール。

ハインツに「ラブ・トライアングル 秘密/2014」「偉大なるマルグリット/2015」アンドレ・マルコン。

ファビアンに「EDEN/エデン/2014」のロマン・コリンカ。

イヴェットに「ボン・ヴォヤージュ/2003」「夏時間の庭/2008」「ホーリー・モーターズ/2012」「ボヴァリー夫人とパン屋/2014」エディット・スコブ。

ヨアンにソラル・フォルト。

脚本、出演(クロエ)にサラ・ル・ピカール。

監督、脚本は「あの夏の子供たち/2009」EDEN/エデン/2014」のミア・ハンセン=ラヴ。


子供が独立した後夫に愛人が出来て離婚を要求される。おまけに母親が亡くなり孤独で時折泣きたくもなるが、ナタリーは何といっても自由である。思い返せば認知症だった母親に手を焼いた時期もあった。


映画はナタリーの歩くシーンを頻繁に映し出す。それは前向きに生きようとするナタリーを表現しているようにも見えて素敵だ。

ナタリーは再会したかつての教え子ファビアンの住まいがあるローヌ・アルプスを訪ねて彼の仲間たちと交流するが、若者ばかりのコミュニティに身を置いて、自分はもう若くはないと痛感する。しかし辛いながらも日々の現実を受け入れ、未来に向かって生きている。いつも凛として…。

演じるイザベル・ユペールは60代ながらとてもチャーミングでナタリーにぴったり。

ファビアンに新しい出会いはある?と聞かれ“孫が出来たわ!”と答えるナタリーが愛おしい。


ミア・ハンセン=ラヴの作った大人の女性のためのドラマは素晴らしかった。中高年女性に今年一番のおすすめ映画。

渋谷で見るか、有楽町で見るか迷った末、夕方の時間が合う有楽町にしたところシアターは満席(平日/小さい方)。窓口では“昨日も満席だった!”なんて声も…。本作巷で話題になっているなんて知らなかった。


ヒューマントラストシネマ有楽町にて


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by margot2005 | 2017-04-01 22:20 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「パリ、恋人たちの影」

L'ombre des femmes2015 フランス/スイス

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マノンに「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」クロチルド・クロ。

ピエールに「イザベル・アジャーニの惑い(アドルフ)/2002」「恋は足手まとい/2005」スタニスラス・メラール。

エリザベットに レナ・ポーガム。

友人リサにヴィマーラ・ポンス。

マノンの母にアントワネット・モヤ。

マノンの恋人にムニール・マルグム。

監督、脚本は「愛の残像/2008」「灼熱の肌/2011」「ジェラシー/2013」のフィリップ・ガレル。

ナレーションは「ジェラシー/2013」「サンローラン/2014」のルイ・ガレル。


ピエールはドキュメンタリー映画を製作している。彼の作品を世間に認めさせたい一心で、自らの夢も捨てパートタイムで働きながら献身的に尽くす妻マノン。しかし映画製作は中々軌道に乗らず二人の気持ちは徐々にすれ違って行く。ある日、ピエールはフィルムを保存する倉庫でバイトをする研修生エリザベットと出会う。やがてピエールは若いエリザベットとの情事に溺れて行く


僕には妻がいると告白してエリザベットとの情事にのめり込むピエール。ピエールの妻が気になるエリザベットは彼らのアパルトマンを密かに偵察。そして美しいピエールの妻に嫉妬を覚えるエリザベット。そんな折、モンマルトルのカフェでピエールの妻が男と密会している現場を目撃する。

さあどうしよう?ピエールに伝えるべきか、やめるべきか?とエリザベットは悩み始める。結局エリザベットはピエールに真実を打ち明ける。この辺りから少々ドロドロしてくる。

しかしフィリップ・ガレルはそれをさらっと描いている。おなじみのモノクロで...


夫は浮気をしてもよいが妻はだめ!なんてピエールは何と自分本意の男なのだろうと呆れる。浮気をした妻を家から追い出したにも関わらず、ラストではどうして出て行った?””君なしではだめなんだ!なんて言う始末。ホント男って身勝手で浅はかな生き物だ。


ピエールはマノンを夫婦のベッドに誘いこんな風にその男と愛し合ったのか?と聞いている。ピエールに夢中のエリザベットに対してもあまりにも素っ気ない。ともかくピエールは自分勝手でイヤミな男なのだけどスタニスラス・メラールが演じるとなぜか憎めなくて


上映館のシアター・イメージフォーラムはスーパー級のミニシアターで、観客が3.4人なんて時もあるが、本作上映時は10人以上の人がいて、フィリップ・ガレル、ファンが集まったのかな?なんて思ったりした。私的にはスタニスラス・メラールが懐かしくて見たかった一作。

フランス映画祭2006で来日した際にお目にかかった彼も40代に突入しおじさん化している。


シアター・イメージフォーラムにて(2/17迄)



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by margot2005 | 2017-02-16 23:01 | フランス | Trackback | Comments(0)