「バーダー・マインホフ 理想の果てに」

「Der Baader Meinhof Komplex」...aka「The Baader Meinhof Complex 」2008 ドイツ/フランス/チェコリパブリック
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ウルリケ・マインホフに「善き人のためのソナタ/2006」「クララ・シューマンの愛/2008(クララ・シューマン 愛の協奏曲)」のマルティナ・ゲデック。
アンドレアス・バーダーに「太陽に恋して/2000」「ストーン・カウンシル/2005」「ミュンヘン/2005」「ひばり農園/2007」「暗闇の女たち/2007」のモーリッツ・ブライブトロイ。
グドルン・エンスリンに「ノース・フェイス アイガー北壁/2008」のヨハンナ・ヴォカレク。
ドイツ連邦警察長官ホルスト・ヘロルドに「愛を読むひと/2008」のブルーノ・ガンツ。
監督はウーリー(ウルリッヒ)・エデル。
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1967年、西ベルリン。アメリカ合衆国と密接な関係にあるイランのパーレビ国王夫妻訪問の抗議デモで、デモ隊と警官たちの衝突の挙げ句一人の学生が警官に撃たれ亡くなる。
夫の浮気から二人の娘を連れて家を出たウルリケ・マインホフは左翼系雑誌に投稿するジャーナリスト。デモ以来彼女は反権力、反資本主義運動を掲げる学生たちに関心を募らせていく。
1968年、アンドレアス・バーダーと恋人のグドルン・エンスリンはベトナム戦争に抗議しフランクフルトのデパートに火炎瓶を投げる。
放火事件により逮捕されたバーダーとエンスリンに共鳴したマインホフは二人の脱走を手引きし、成功の後彼らと共に暴力による抵抗運動に身を投じる事を誓う。やがてバーダー、マインホフ、エンスリンをリーダーにドイツ赤軍(RAF)が誕生するのだった...
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“ドレスデン、ヒロシマ、ベトナム!!”と叫ぶ学生たち。
車を盗み銀行を襲撃して金を得、RAFは政府の公共施設を破壊し、政府、政界、法曹関係者を次々に襲い、更に駐留アメリカ軍のドイツ人を殺害して行く。
1977年のルフトハンザ航空181便ハイジャック事件は記憶にあるが、バーダーたちの釈放が目的だったまでは記憶になかった。
マインホフがバーダーに“デパートに放火してベトナム戦争をやめさせようとしたのか?”と問いかけるシーンは邦題にもなっている“理想の果てに”だろう?
マインホフは二人の少女の母親であったことが描かれているが、バーダーにも子供がいたという。バーダーの恋人エンスリンにも男の子がいた。
日本赤軍のメンバーにも夫や、妻、子供がいたが、どちらのメンバーも家族をも犠牲にして戦う価値があったのか知る由もない。
映画の中で1970年代の西ドイツが再現されているのがスゴくて興味深い。
タイトルの“バーダー・マインホフ”はアンドレアス・バーダー&ウルリケ・マインホフ二人の名前の合体。
「セントアンナの奇跡/2008」「愛を読むひと」のアレクサンドラ・マリア・ララや「4分間のピアニスト/2006」のハンナー・ヘルツシュプルングも仲間の一員役として出演している。
温和な雰囲気を持つ(感じる)モーリッツ・ブライブトロイがスーパー級に過激なテロリストを演じていて似合っている。
“Dizzy Miss Lizzy/ディジー・ミス・リージー”で始まり、エンディングにボブ・ディランの“Blowin' in the Wind/風に吹かれて”が流れるのも彼らの時代にマッチしてナイス。
ドイツ映画祭2008で観たマルティナ・ゲデックの「クララ・シューマンの愛(クララ・シューマン 愛の協奏曲)」は現在渋谷Bunkamuraル・シネマで公開中。
渋谷シネマライズにて...
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by margot2005 | 2009-08-02 22:06 | ドイツ | Trackback(4) | Comments(4)
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Tracked from Mani_Mani at 2009-08-04 23:41
タイトル : 「バーダー・マインホフ 理想の果てに」ウリ・エデル
バーダー・マインホフ公式サイト バーダー・マインホフ 理想の果てに DER BAADER MEINHOF KOMPLEX 2008ドイツ/フランス/チェコ 監督:ウリ・エデル 製作・脚本:ベルント・アイヒンガー、ウリ・エデル 原作:シュテファン・アウスト 出演:マルティナ・ゲデック(ウルリケ・マインホフ)、モーリッツ・ブライブトロイ(アンドレアス・バーダー)、ヨハンナ・ヴォカレク(グドルン・エンスリン)、ナディヤ・ウール(ブリギッテ・モーンハウプト)、アレクサンドラ・マリア・ララ(ペトラ・シェルム...... more
Tracked from かえるぴょこぴょこ CI.. at 2009-08-06 00:23
タイトル : 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』 Der Baad..
青春暴走ものとしても魅力的。社会派視点で考察しがいもあり。この手の映画が私はとても好きらしい。 そして、今までありがとう、ムービーアイ! 1970年代にヨーロッパを震撼させた、10年に及ぶドイツ赤軍(RAF)による数々の事件の全貌を明らかにしたシュテファン・アウストによる原作の映画化。『愛を読むひと』がドイツ語映画でなかったことが残念でたまらなかったのだけど、こちらのブルーノ・ガンツとアレクサンドラ・マリア・ララは久しぶりにドイツ語なのが嬉しい。アンドレアス・バーダー役のモーリッツ・ブライブト...... more
Tracked from 聖なるブログ 闘いうどん.. at 2009-08-09 07:03
タイトル : バーダー・マインホフ 理想の果てに
 『ムー』最新号、南山宏の「ちょっと不思議な話」によると、戦争で空中衝突し、一体化された二つの銃弾がウクライナで発見されたという。南山は、空中で弾丸が衝突する可能性は無限にゼロに近く、前例のない未曾有の珍事だと書いている。... more
Tracked from 気ままな映画レビュー[シ.. at 2009-08-28 23:36
タイトル : 『バーダー・マインホフ 理想の果てに』血がタギルヨ
プアーです。友人の指令により映画評論をしろとの事。正直映画は全然見ていないので、不本意であるが、友人の頼みならしょうがない。若干の感想を述べてみたい。 さて本作、『バーダー・マインホフ 理想の果てに』。表題は二人のドイツ人の名前の組み合わせ。映画の内容はドイツ赤軍の話である。要するにまっかっかな世界である。 (C) 2008 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH NOUVELLES DITIONS DE FILMS S.A. G.T. FILM PRODUCTION S.R...... more
Commented by CaeRu_noix at 2009-08-06 00:36
margot さん、こんばんは。
いつも情けない系の役の多いモーリッツなのに、今回の激情タイプの組織リーダーもバッチリはまっていましたねー。
ドイツ映画的に豪華キャストで見ごたえありましたー
Commented by margot2005 at 2009-08-08 23:24
かえるさん、こんばんは!
過激なモーリッツも中々でしたね。
豪華ドイツ人俳優出演ってことでも見応えありましたわ。
今年も秋のドイツ映画祭が楽しみとなりました。
Commented by maolin at 2009-09-07 11:11 x
検索してここにきました。「以来彼女は反社会主義運動を掲げる学生たちに関心を募らせていく」→ 「反帝国主義」では?
Commented by margot2005 at 2009-09-13 01:38
maolinさん、ご指摘ありがとうございました。反資本主義でしたね。
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