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「扉をたたく人」

「The Visitor」2007 USA
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ウォルター・ヴェイルに「ブロークン/2008」「バーン・アフター・リーディング/2008」のリチャード・ジェンキンス。
タレクにハーズ・スレイマン。
タレクの母モーナに「シリアの花嫁/2004」「マリア/2006」「画家と庭師とカンパーニュ/2007」のヒアム・アッバス。 
タレクのガールフレンド、ゼイナブにダナイ・グリラ。
監督、脚本に「ミート・ザ・ペアレンツ/2000」「デュプリシティ 〜スパイは、スパイに嘘をつく〜/2009」の俳優トーマス・マッカーシー。

コネティカット州の大学で教鞭をとる62歳のウオルターは、妻を亡くして以来心を閉ざして生きている。ある日、学会へ出席のためニューヨークに滞在する事になった彼は別宅である自身のアパートを訪ねる。しかしそこには若いカップルが住んでいて、ウオルターは泥棒扱いされるが、彼らこそが不法侵入者だった。シリアからやって来たタレクとセネガルからやって来たゼイナブのカップル。二人はウオルターのアパートを紹介された事が詐欺だったと認め出て行く。しかし行き場のない彼らを哀れに思ったウオルターは新しい家が見つかる迄二人を住まわせる事に決める。やがてウオルターはタレクの演奏するジャンベに魅せられ、少しずつ心を開いて行くのだった...
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移民青年と初老の大学教授。二人がジャンベを通じて心を通わせて行く過程が感動を呼ぶ。
モーナが息子のガールフレンドに初めて会った時に“So Black!”と何度も言ったのが印象的。
9.11以来アメリカの移民政策が厳しくなった事を背景に描かれ、ある日突然出会った不法移民青年との間に友情が生まれ、やがて青年の母親にもほのかな愛情を抱き始める過程が胸を打つ。ウオルターとモーナの空港での別れのシーンは哀しい。
ニューヨークの地下鉄構内で無心にジャンベをたたくウオルターのラストはとても感動的。
パレスチナ人のヒアム・アッバス、レバノン出身のハーズ・スレイマン、そしてジンバブエ人のダナイ・グリラとInternationalな俳優たち。
色んな映画に出演しているおなじみの名脇役リチャード・ジェンキンスは今回初めての主演。
妻を亡くした寂しさから、無気力になってしまった初老の大学教授役がぴったり決まっている。オスカー候補になったのも頷ける。
こちらも今年のマイベストに是非入れたい。
恵比寿ガーデン・シネマにて...
by margot2005 | 2009-07-07 01:10 | Comments(0)