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「チェ 39歳別れの手紙」

「Che: Part Two」 ...aka「Guerrilla」 2008 スペイン/フランス/USA

39歳で銃殺されたチェ・ゲバラのボリビアでのゲリラ作戦を描いたドラマで、「チェ 28歳の革命/2008」の後編。

エルネスト・チェ・ゲバラにベニチオ・デル・トロ。
モイセス・ゲバラにカルロス・バルデム。
フィデル・カストロにデミアン・ビチル。
ボリビアのバリエントス大統領に「エネミー・ライン/2001」のヨアキム・デ・アルメイダ。
他、”ボーン・シリーズ”や「プリンセス・アンド・ウォリアー/2000」のドイツ人女優フランカ・ポテンテ、フィリピン出身のハリウッド俳優ルー・ダイアモンド・フィリップス、そしてマット・デイモンがワン・シーンに出演。
監督はスティーヴン・ソダーバーグ。

1965年、3月。キューバ共産党中央委員会で、忽然と姿を消したチェ・ゲバラからの手紙をカストロが公表する。チェは禿げた髪の中年男に変装し、妻子とひと時を過ごした後南米ボリビアへ入国する。ボリビアはアメリカの支援を受けるバリエントス大統領の独裁政権下にあった。圧政と貧困に喘いでいた農民やインディオたちの中から、革命に燃える若者たちがゲバラの元へ集まって来る。しかしボリビア共産党の援助が絶たれ、食べる物も底をついた彼らには地元民の裏切りさえ待っていた。やがて、ゲリラ部隊は孤立していく...
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この手紙を読まねばならないとき、
お父さんはそばにいられないでしょう。
世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、
いたみを感じることができるようになりなさい。
これが革命家において、最も美しい資質です。
子供たちよ、いつまでもお前たちに会いたいと思っている。
だが今は、大きなキスを送り、抱きしめよう。
お父さんより
(チェ・ゲバラ 1965年 子供たちへの最後の手紙より)

こんなかっこいいお父さんきっと世界中探しても彼以外にはいない...

ゲリラ戦の合間、野営で休息をとるチェ。彼は常に本を読んでいるか、日記を書いている。フランスの哲学者ジャン・ポール・サルトルがチェを“20世紀で最も完璧な人間であった。”と評したということだが、サルトルに手紙を送るよう手配するシーンも登場する。
ボリビアでゲリラ部隊に入った若者たち。チェはラモンと異名を使っていたため、後に、本人である事が分った若者たちは感動する。
“カストロは今頃ハバナで優雅なランチを楽しんでいるというのに、貴方はなぜここにいるのか?”とボリビア軍の大佐が言う...
キューバで政治家となり、家族と共に愛に満ちた平和な暮らしを捨て、再びジャングルに戻ったチェ・ゲバラという人は、名誉、地位、権力など一切必要としない究極の理想主義者だったのだろう。
“かつて、本気で世界を変えようとした男がいた...。”と書かれた映画の宣伝文句を思い出す。
家族とも別れ、ボリビアの密林で、ひたすら人々の暮らしを良くしようと闘ったチェ・ゲバラの最期があまりにも悲惨で、観終わって言葉も出なかった。
チェ・ゲバラに関しては映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観ただけで、彼の本を読んだ事もないし、全く知らないに等しいかと思える。しかし今回“チェの2部作”を観て彼の素晴らしい軌跡を知る事が出来た。
殺伐とした静かなジャングルの中で孤立していくゲリラ部隊。ラスト、チェ・ゲバラが捕まり、殺される事は承知の事実なのだが、ぜんそくに苦しみながら、ゲリラ部隊の兵士が一人、一人亡くなって行く中、闘い続けるチェ・ゲバラの姿に感動する。
ジョン・レノンが“あの頃世界で一番かっこいい男だった”と語ったように、鳥肌が立つくらいかっこいい男チェ・ゲバラの姿を目に焼き付けた。
“カンヌが絶賛した”という演技のベニチオ・デル・トロと、監督したソダーバーグはやはりスゴイ!チェ・ゲバラを良く知らない人に迄感動を与えてくれる。
ワーナー・マイカルにて...
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Commented by Claudiacardinal at 2009-02-09 19:41 x
マルゴ嬢、第2部はよかったみたいですね。早速見に行ってきます。なんとなくチェって仏陀のようですね。イメージが重なってしまいました。でもサルトルと交遊が会ったという事は、相当のエゴイスト? まあ確かにエゴが強くなかったらここまで達しませんよね。2部楽しみです。
Commented by margot2005 at 2009-02-10 01:17
CCさん、こんばんは!
そちらでもまだ上映中なんですね?是非シアターへ!
全編、まるでモノクロで描かれたようなゲリラ部隊のシーンばかりでしたが、観終わって感動しました。
仏陀のチェですか?そういやその風貌に近いかもですね?
そうです、そうです。あこまでエゴイストでなきゃ、とても、とても信念は貫けないと思いますわ。
“そして信念は死なない。”とチラシに書かれていますもの。
Commented by Bianca at 2009-02-15 19:25 x
「チェ第1章」では眠ってしまった私ですが、「第2章」はさすがに面白く見ました。最初のシーン、議会でのカストロの手紙紹介のところで泣けてくるのですが、クライマックスが初めにあるという感じですね。あとは淡々と長いのです。まるで「そのとき歴史は動いた」のように。チェ・ゲバラは明治政府の高官を降りてしまった西郷隆盛みたいな感じもあるのでしょうか?
Commented by はくじ at 2009-02-16 00:44 x
こんばんは。
何故かまたexblog全般にTB送れなくなってしまったのでコメントで失礼します。
「チェ」の後半も良い内容でした。
淡々としながらも、訴えかけてくるものがありました。
個人的にはこの2部作の邦題がすごく気に入ってます。
Commented by margot2005 at 2009-02-18 00:09
Bianca さん、こんばんは!
お返事遅くなりました。
さて。1章は眠ってしまわれたのですか??1章もすっごく良かったですね。
冒頭の手紙のシーン良かったです!
その後は確かに淡々としてましたが、スクリーンのゲバラ(デル・トロ)に酔いました。
西郷隆盛もチェ・ゲバラも地位などはいらない人間だったのでしょうかしらね??
Commented by margot2005 at 2009-02-19 00:35
はくじさん、こんばんは!
最近exblogにTB送れないようですね?なぜだか?分りませんが...
でも無事届いたようですね。
“チェ・ゲバラ”前、後編はどちらも素晴らしく、カリスマと称されるゲバラの生き様を堪能しました。
by margot2005 | 2009-02-08 20:25 | Comments(6)