2009年 01月 30日
「我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜」
巨匠エリック・ロメールが描く、5世紀、ローマ時代の純愛物語。
製作、監督、脚本は「三重スパイ/2003」のエリック・ロメール。
セラドンにアンディ・ジレ。
アストレにステファニー・クレイヤンクール。
レオニードにセシル・カッセル。
ドルイド僧に「三重スパイ」のセルジュ・レンコ。
マダムにヴェロニク・レモン。
5世紀、ローマ時代のフランス。
羊飼いの少女アストレと青年セラドンは純粋な愛を育んでいた。互いの両親が不仲であるため、両親の手前二人は祭りの日に一緒に踊らなかった。ところが踊りの後セラドンとその相手が木陰でキスをしている様を目撃したアストレはセラドンの愛を疑う。セラドンは彼女とは本気ではないと釈明するが聞き入れないアストレ。アストレに拒絶されたセラドンは絶望し入水自殺を図る。
しかしニンフたちに助けられたセラドンは、彼女たちの住む城へ運ばれる。城のマダムはセラドンの美しさに目を奪われ彼を我がものにしようと城に閉じ込めるのだった。しかしニンフ、レオニードの助けを借りセラドンは城から脱出する...
究極の純愛物語。世界で一番sex好きなフランス人がコレを観てどう感じるのだろう?とても知りたい!
物語は5世紀で、羊飼い(アストレやセラドンたち)やニンフ(精霊)の世界。時に彼らは歌いだす。優雅な古典ミュージックの調べを...
耽美の世界。田園風景の映像が美しくて、美しくてうっとりする。
セラドン役のアンディ・ジレはモデル出身だけあって身体も顔も美しい。劇中女装するシーンがあるが、彼なら絶対有名なドラッグ・クイーンになれるだろう。
昨年のフランス映画祭上映作品。観に行こうと思っていながらチケットを取りそこなって観れなかった。一般公開を待っていた。
原作は17世紀にオノレ・デュルフェが書いた小説“Astrée(アストレ)”。
原作の舞台はロワール地方。
オープニングで、“原作の場所は土地開発が進み、残された自然が少ないため、そこでの撮影は断念し、別の場所で撮影した。”という案内が出る。
ロワールは長年の夢だった憧れの地で数年前にシャトーを見に行った。駐車場にはヨーロッパ中の観光バスや車がいっぱい並んでいた。あれだけ観光客が集まるスポットのため、ホテルやレストラン、そしてプチ・シャトー物件の写真を飾る不動産屋まであったりして、フランスが誇る世界遺産スポットの一つであるロワールに、5世紀の景色は望めなかったのだろう。実際に撮影された場所はフランス中南部にあるオーヴェルニュ地方。
昨年の秋、渋谷で、過去のエリック・ロメール作品を一般上映していた。観に行きたかったが叶わず...しかしwowowとBSでロメール作品の放映があり、「パリところどころ/1965」「飛行士の妻/1980」「海辺のポーリーヌ/1983」「友だちの恋人/1987」「グレースと公爵/2001」を見る事が出来た。
「海辺のポーリーヌ」は以前見たことがあったが、他は初めて見る作品ばかりで、放映された全てを見れなかったのが悔やまれる。
「友だちの恋人」は80年代の映画なので少々古いタッチだが、中々素敵なラヴ・ドラマ。「グレースと公爵」は後のフランス革命に繋がる1790年のパリを舞台に、崩壊し始める貴族の姿を描いたドラマで、CGを使って描いたパリの姿がとても斬新だった。
エリック・ロメールはこの作品が最後と公言している。
エロティシズムだの、官能だのとコメントされているが、それほどでもなく、究極の純愛物語。
耽美の世界を堪能したが、これって万人受けする映画じゃないなとしみじみ感じる。
銀座テアトル・シネマにて...
とか見ました。
ポーリーヌを見たときは、時おりしも夏で、これといった避暑の予定もないけれど、この映画を見てすっかりその気になった思い出深い作品です。
もう20年以上も前になるんですねえ
それからすっかりごぶさたですが、これは機会があればみてみたいですねえ。ロメールの年齢に敬意を表する意味でも。
いつもコメントありがとうございます!
エリック・ロメールって良く知らないフランスの監督で...昨年の秋に“フランス映画の秘宝”で公開された「三重スパイ」も素晴らしい作品でした。この方の映画は映像がとても美しいですね。
昨秋、渋谷でロメール作品の一挙上映は観に行けませんでしたが、またの機会に上映があれば観に行きたいと思います。
80歳を越えられた巨匠ロメールの最後の長編映画を観ることが出来て良かったです。
作品としては、悪くないです。如何に恋愛相手に誠実であるかを問う作品であり、また、“17世紀の人が描く5世紀ガリア”の再現なんだ、と客が理解し、現代人の基準を持ち込んではいけない作品だ、と思いました。
ゆったりした進行で、オペラ化したらよかったかもしれない、と思いました。でも、“17世紀の人が描く5世紀ガリア”を、オペラでどこまで表現できるか不明です。
途中のイラスとイシダスの恋愛談義は、ロメール印でした。イラスがツボにはまりました。いるいる、あんなお調子者なキャラ。
でも、勿論Andyが目当てです!! 本当にカッコいい。高貴な顔立ちが、作品の世界にはまります。一方で彼は、現代劇でも、画面から浮かないでしょう。モデルには戻らないのか、と寂しく思いますが、今後、Andyが良い作品を多くつかんで、羽ばたいてほしいです。ALLEZ,Andy!!!
コメントありがとうございます!
男性モデルのファンでいらっしゃるのですね?
Andy Gilletは日本でもモデル活動をしていたそうですね?典型的なフランスの美男って顔してますね彼は。
ヴァレンタインの日に東京でご覧になられたとはお洒落なことです。
時代物が好きなので、私的に満足しました。
ロメール映画って殆ど観てなかったのですが、彼の描く世界は素敵ですよね。何作かwowowで見ましたが、どの作品も“愛”をテーマに描かれた私好みの素晴らしい作品ばかりでした。彼の作品をもっと、もっと見てみたいですね。素晴らしい映画を作る素晴らしい監督だと思います。