2008年 12月 03日
「ブロークン」
鏡の中の世界はもう一人の見知らぬ(自分)を映し出す...シンメトリー・サスペンス。
ジーナに「フェイス/1997」「300/2007」のレナ・へディ。
ジーナの父に「スタンドアップ/2005」のリチャード・ジェンキンス。
ジーナの恋人ステファンに「ぼくを葬る/2005」「ゼロ時間の謎/2007」のメルヴィル・プポー。
ジーナの弟ダニエルにアシエル・ニューマン。
ダニエルの恋人ケイトに「つぐない/2007」のミシェル・ダンカン。
精神科医に「ある愛の風景/2004」のウルリク・トムセン。
監督、脚本は「フローズン・タイム/2006」のショーン・エリス。
ロンドンに暮らすX線技師ジーナ。ある夜、ジーナ、ジーナの弟ダニエル、そしてそれぞれの恋人ステファンとケイトがジーナの父親のバースディを祝っていた。食事の最中突然部屋の壁にかけてある大鏡が割れ落ちる。彼らは口々に“鏡が割れると7年間不幸が続く”と言う。その翌日、ジーナは職場からの帰り道自分と瓜二つの女(自分)が自分と同じ赤いチェロキーを運転する姿に遭遇する。反射的に後をつけた彼女は、自分のアパートと同じ部屋に辿り着く。もう一人の自分がいることに驚いたジーナは、帰り道自動車事故に遭い病院へ運ばれる...
監督のショーン・エリスは1970年イングランド生まれで世界的なファッション・フォトグラファー。ヒロイン、レナ・へディのミステリアスな美しさはもちろんの事、シーン、シーンの映像美が堪能出来る。
「フローズン・タイム」はDVDで観た。コメディながら何とも変な?作品で、私的には余りお勧めではない。しかし、こちらは打って変わってお洒落なミステリー・サスペンス。映画の中へしっかり引き込まれてしまったのは言うまでもない。
ヒロインのレナ・へディはお気に入りの女優だし、レナの恋人を演じたフランス人俳優メルヴィル・プポーも出演しているしで、楽しみにしていた作品だった。
西洋では“鏡が割れると7年間不幸が続く”と言い伝えられている。日本でも“鏡が割れると不吉な事が起きる”と言う迷信があるような気がする。
自動車事故が起き、それによりヒロインが記憶の一部をなくしてしまうと言うストーリー展開。
事故の衝撃により記憶を失った脳(全ての記憶ではない)は“カプクラ症候群”という病気に陥る事があるという。それは自分の家族や恋人を別人(替え玉)だと信じ込む病気。
もう一人のジーナが、家族や恋人を別人と信じ込み殺人に発展していく様はとてもミステリアスで、スリリングであった。
レナ・へディはヒロイン、ジーナ役にぴったり。
オープニングにエドガー・アラン・ポーの短編小説の一説が紹介される。この小説から発想を得たという作品だが、怖い、怖いポーの小説が読みたくなった。
新宿テアトルタイムズスクエア にて...