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「ブーリン家の姉妹」

「The Other Boleyn Girl」2008 UK/USA
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イングランド王ヘンリーに愛されたブーリン家の二人の姉妹による愛と葛藤の歴史ドラマ。

アン・ブーリンに「宮廷画家ゴヤは見た/2006」のナタリー・ポートマン。
メアリー・ブーリンに「私がクマにキレた理由(わけ)/2007」のスカーレット・ヨハンソン。
ヘンリー・チューダー(8世)に「ミュンヘン/2005」「ラッキー・ユー/2007」のエリック・バナ。
ジョージ・ブーリンに「アクロス・ザ・ユニバース/2007」
「ラスベガスをぶっつぶせ/2008」のジム・スタージェス。
レディ・エリザベス・ブーリンに「イングリッシュ・ペイシェント/1996」「ルパン/2004」のクリスティン・スコット・トーマス。
トーマス・ブーリン卿にマーク・ライランス。
兄妹の叔父トーマス・ハワード(ノーフォーク公爵)に「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ/1998」「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」のデヴィッド・モリッシー。
メアリーの最初の夫ウイリアム・ケアリーに「つぐない/2007」のベネディクト・カンバーバッチ。
王妃キャサリン・オブ・アラゴンに「血と砂/1989」のアナ・トレント。
メアリーの二番目の夫ウイリアム・スタフォードに「グッド・シェパード/2007」「美しすぎる母/2007」のエディ・レッドメイン。
監督はジャスティン・チャドウィック。
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16世紀のイングランド。王妃キャサリンとの間に男の子が生まれず焦り始めていた国王ヘンリー。新興貴族のトーマス・ブーリンは妻の兄トーマス・ハワードと手を組んで長女アンを王の愛人に仕立て上げようと考える。しかしヘンリーの目に留まったのは心優しい妹のメアリーだった。ブーリン一家を宮中に住まわせたヘンリーはメアリーを愛人にする。ヘンリーの寵愛を受けたメアリーは念願の男の子を産むが、その頃ヘンリーの心は既にアンに移っていた...
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自称ヨーロッパ宮廷オタクなので、映画を観る前にフィリッパ・グレゴリーの書いた翻訳本を読んだ。メロ・ドラマ風のストーリーで大変読みやすく一気(文庫本上下2冊)に読み上げた。
エリザベス1世の生母アン・ブーリンは有名だが、彼女の1才年下のメアリーのことは知られていない。「1000日のアン/1969」ではもちろんメアリーも登場している。しかし相当前に観た映画なのでほとんど記憶がない。主演のジュヌヴィエーヴ・ビジョルドが颯爽と馬を走らせるシーンと、リチャード・バートン演じるヘンリーとアンが抱き合うシーンくらいしか記憶に...是非観たい今一度「1000日のアン」!!
映画の冒頭でアンが自分のことを“The Other Boleyn Girl”という台詞があるが、原作の“The Other Boleyn Girl”はメアリーのこと。
本はメアリーを一人称にして語られ、ブーリン家の3兄妹を軸にヘンリーを始めとした宮廷生活が描かれているが、映画では兄ジョージの出番が少ない。
監督のジャスティン・チャドウィックは“映画は史実にフィクションを絡めて描いた。”といっているように所々映画だなぁと思えるシーンが登場する。上下2冊の本を2時間弱の映画にしたのだからかなり端折ってあるが、それほど違和感はなく素晴らしい宮廷愛憎劇。
アンを演じたポートマン...どうも好きになれない女優だが、アン役は素晴らしかったと思う。メアリー役のスカーレットも本から出て来たようにぴったりの役柄で、アンとメアリーにそれぞれの女優を選んだのは大正解。
世継ぎが出来ない事に苦悩するヘンリー役のエリック・バナ...彼は笑顔がチャーミングな大好きな俳優だが、メアリーを捨てて以来苦虫をかみつぶした顔ばかりで残念。
ハリウッド俳優のナタリー、スカーレット、エリック、そしてスペイン女優のアナ・トレント。彼ら以外は皆UK俳優。それぞれの役柄は、それぞれにとてもマッチしていたが、ただ一人ミス・キャストはジム・スタージェス。彼に古典は似合わない。
18才で5才年上のキャサリンと結婚以来、56年の生涯で6人の妻がいたヘンリー8世って今でいうセックス依存症だったのか?3番目の妻ジェーン・シーモアと結婚式をあげたのはアンの処刑後10日後だったという。
例によってこの手の映画は登場人物の衣装や、撮影に使われた建物や景色が素晴らしく美しい!英国のお城はヘンリーお気に入りの居城ハンプトン・コートを訪れた事があるのだが、買ったばかりのデジカメをハンプトン・コート・フラワー・フェスティバルでなくしてまった。この時すっごいショックで、フェスティバルの開催者に“カメラはあきらめるからメモリー・カードだけ返して!”なんておバカなお願いをした記憶あり。あのデジカメにはリヴァプールの写真も一杯入っていたのに...
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気になるアンの娘エリザベスのその後だが、ヘンリーの6番目の心優しい妻キャサリンが宮廷に呼びよせ、エリザベスに最高の教育を受けさせたとのこと。
ロッチフォードで戯れるメアリーの娘と息子、そしてアンの娘エリザベス。3人が無邪気に遊ぶ姿を夫ウイリアムと見守るメアリーのシーンでエンディングを迎える。
メアリーはエリザベスが王位に就く(1558年)前に30代(1543年)で亡くなっている。メアリーの国王ヘンリーとの間に出来た息子ヘンリー・ケアリーは、後のエリザベス1世に仕え、娘のキャサリンも貴族と結婚の後エリザベス王朝の基礎を築いたという。
都内はシネコンを始めたくさんのシアターで公開している。初日、シネコンの席は以外に空席が目立っていた。コレ系の映画って好み別れるのかな?
ワーナー・マイカルにて...
Commented by なな at 2008-11-02 22:56 x
こんばんは
原作も読破されてるmargotさんの記事は,詳しくってとってもおもしろいわ~
メロドラマ風という原作も読みたくなっちゃった~
ね,ね,ジム・スタージェスは時代劇は似合ってないよね~
あれ,彼ってUK俳優だったの?
顔の雰囲気からてっきりアメリカンかと思ってた・・・
スカ子さんと,クリスティン・スコット・トーマスは
まるで中世の絵画から抜け出たように,
あの衣裳や被りものが似合ってました。
これ,DVDも買いたいな~~~
Commented by margot2005 at 2008-11-03 21:53
ななさん、こちらにもコメントありがとう!
原作の翻訳本は面白かったですよ!ヨーロッパ時代物メロドラマですね。3兄妹の姿が事細かく描かれていて、次はどうなるの?どう?なんて展開がとても楽しめました。
ジム・スタージェスって私も最初はアメリカンだと思ってましたの。「ラスベガス〜」の大学生役ぴったりでしたもの。
女優さんたちは皆さん素晴らしかったです!
DVD私も欲しい!
by margot2005 | 2008-10-27 00:09 | Comments(2)