2008年 05月 05日
イタリア映画祭2008...「まなざしの長さをはかって」
イタリア北部を流れるポー川河口の小さな村に代理教師としてやって来た美しい女性。彼女に思いを寄せるアルジェリア移民の中年男と、ジャーナリスト志望の青年の三角関係にも見えるサスペンス・ドラマ。
ヒロインの代理教師マーラに「私たちの家で/2006(愛と欲望 ミラノの霧の中で)」のヴァレンティーナ・ロドヴィーニ。
ジョヴァンニにジョヴァンニ・カボヴィッラ
ハッサンにアメット・ヘフィアン。
監督はカルロ・マッツァクラーティ。
アドリア海に注ぐポー川河口の小さな村。
ジャーナリスト志望のジョヴァンニは地方新聞に記事を書くパソコンおたく。
村の自動車修理工ハッサンはチュニジアから移民して来た独身のアラヴ人。
ある日、この小さな静かな村の小学校に代理教師のマーラがやって来る。
マーラは美しい独身女性。
マーラが一人で住む家に夜盗み見する二人の男がいた。それはジョヴァンニとハッサン。
ある夜、ハッサンがマーラの部屋を覗く姿が見つかり、“もう来ないで!”とマーラに追い返されてしまう。しかし実直なハッサンはマーラに謝罪に行く。
その後二人は急速に結ばれていくのだった...
いやいや、マーラのような無防備で、奔放な女性を愛してしまった、スーパー級に真面目なハッサンが哀れ過ぎる。
メールで女友だちに“ハッサンと寝たわよ!”というマーラ。
マーラとsexした後“結婚しよう!”というハッサンだが、マーラは返事もしない。
厳格なイスラム教徒のハッサンと自由奔放なマーラの姿が余りにも対照的で、マーラに弄ばれた感のハッサンはやがて破滅の道を辿る事になるなんて気の毒過ぎ。
これもやはり人種問題(差別)から来ているのだろうか?
パドヴァ出身の監督が少年期を過ごしたというポー川河口のデルタ地帯。
身に詰まされる辛いストーリーだが、ポー川沿いのどこまでも続く田園風景が、素晴らしく美しくストーリーを和ませてくれるような気がした。
マーラ役のヴァレンティーナ・ロドヴィーニが美しい。
上映された全作品が掲載された“イタリア映画祭2008”の冊子に、この作品と「日々と雲行き」がもっとも優れた作品とコメントされている。
有楽町朝日ホールにて...