2007年 12月 11日
「ある愛の風景」
デンマーク人監督スザンネ・ビアが「しあわせな孤独/2002」と「アフター・ウエディング/2006」の間に作った、家族愛、人間ドラマ。
ヒロイン、サラを演じるのは「ディアボロス/悪魔の扉/1997」以来、「グラディエーター/2000」「ミッション・トゥ・マーズ/2000」「閉ざされた森/2003」etc.ハリウッド大作に出演している“Danish beauty”ことコニー・ニールセン。
ニールセンはこの作品で始めて出身国であるデンマーク映画に出演したという。
サラの夫ミカエルに「マーサの幸せレシピ/2001」「アドルフの画集/2002」のウルリク・トムセン。ミカエルの弟ヤニックに「しあわせな孤独」のニコライ・リー・コス。
監督スザンネ・ビアの作り出す世界...人間の悲しみ、辛さ、哀れさ...これが見事に描かれていて観るものの心を揺さぶる...いや上手い!上手すぎ!
デンマーク、コペンハーゲンに住むエリート軍人ミカエル(トムセン)には美しい妻サラ(ニールセン)と、二人の娘がいる。
一方で、ミカエルには、刑務所から出て来たばかりの遊び人ヤニック(リー・コス)という弟がいる。二人の両親にとってもミカエルだけが自慢の息子で、ヤニックは厄介者以外の何ものでもなかった。
ヤニックが刑務所から出所し、両親、ミカエル、サラ、そして娘二人で食卓を囲む一家。その夜はミカエルがしばし家族と別れる時でもあった。軍人であるミカエルは戦渦のアフガニスタンに3ヶ月あまり派遣されることになっていた。
アフガニスタンに行くことに反対するサラに別れを告げミカエルは機上の人となる。
そしてある日、サラの元へ訃報が届く。それはミカエルが乗ったヘリコプターが撃沈されたという知らせだった。
ミカエルの突然の死を受け入れられないサラは呆然とし、立ち直る事が出来ない。そんなサラの支えになったのはミカエルの弟ヤニックだった。
しかしミカエルは事故から奇跡的に助かり、捕虜となって生き延び家族の元へ戻って来る。
サラの元へ戻ったミカエル。それは以前の彼とは別人の男の姿だった...
戦争に行った夫が別人となって帰ってくるというストーリーは、リチャード・ギアとジョディー・フォスターの「ジャック・サマースビー/1993」を思い出すが、このストーリーはミカエルが戦地で体験した現実が余りにも過酷だったため、彼を別人に変えてしまったという事実。
観客はミカエルの体験を知っているが、映画の登場人物、サラを始めとした彼の家族は知らない。ミカエルはいつ事実をサラたちに打ち明けるのか?興味深い。
「アフター・ウエディング」でもそうだったが、語りかける目のアップがしばしば登場する。これは監督の好みなのかな?
この作品も何度か予告を観た。予告ではサラ、ミカエル、ヤニックが三角関係のように見え、まさか陳腐なストーリー展開に??と思ったが本編は素晴らしく、素晴らしい!
サラ役のニールセンはクールな女優で以前から好きだったが、こういった作品にもっと、もっと出演して欲しいなぁと思う。
ヤニック役のニコライ・リー・コス。彼は実に味のある俳優で好きである。
ニコライ・リー・コス主演の「恋に落ちる確率/2003」が又見たくなって来た。
「サラエボの花/2006」に続く戦争悲話物語で、平和(ボケ)日本実感の日々。
シネカノン有楽町2丁目にて...
そうそう、この映画もシネカノンで予告編を観て面白そうだと思いました(きっと映画の中盤は荒れるだろうな~と思いましたが 笑)。だけど、とっても上手につくられていたみたいですね♪
またシネカノンに行かなくてはー
今度は食事もしたいけど、イトシアのレストランはまだ混んでるでしょうね。
「アフター・ウエディング」も素晴らしかったですがコレも素晴らしかったです。
監督、原案のスザンネ・ビアはスゴイ才能の持ち主だと実感します。
やはりこれもシネカノンの小さい方63席のシアターで公開でした。
日曜日の昼下がりに観たのですが満席でしたね。
イトシア・プラザはスゴイ人で(ちょうどボーナスが出た週末なのかな?)ここでの食事はあきらめて、ライトアップを見に六本木に移動したのですが、やはりでした。
どこもここも都心のスポットは人だらけでしたわ。
私もこれで2丁目劇場の小さい方のシアターを体験しましたー。
小さい方でも、旧作を配給してくれるところが嬉しいです。
スザンネ・ビア監督素晴らしいですよねー。
コニー・ニールセンって、『デーモンラヴァー』の強い女役が印象的だったんですが、等身大のデンマークの主婦役も素敵でした。
ニコライもよかったですね。『恋に落ちる確率』は大好きで、DVD所有。
この監督の映画って、主要人物にまったくの悪人というのは出てこないんですよね。そしてみな愛情深いところが好きです。
二丁目体験されましたのね。シアター2つあって、席数に差がありますね?同じサイズのシアターを二つ作れば良かったのにと思いますが...
コニー・ニールセンはクールで強いイメージがありますが、待つ、保護されたい弱い女性がしっとりと似合って益々好きになりました。
ニコライは味な俳優で素敵ですね。おぉ!DVDお持ちとは羨ましい!
あの予告は頂けなかったですよね?
スザンネ・ビアの作品そういや悪者は出て来ないでしょうかしら?
素晴らしい映画をコレからも作って頂きたい監督です。
ほんと,この監督さんって,人間を深く描くのが上手いですね!
どの作品も,鑑賞後は,
切なさといとおしさで,胸がしめつけられるような気持ちになります。
善人ばかり出てくること,自分にも起こりそうなリアルさというのが
この監督さんの特徴でもありますね。
「アフター・ウェディング」も観ましたよ!
こちらは途中でなぜか大泣きしてしまいました。
スザンネ・ビアは人間ドラマ上手いですね。
どアップで撮る顔(目)のシーンとか独特なスタンスも彼女の持つ味かと感じます。
そうそう出て来る人間は皆善人なんですよね?それもスザンネ・ビアの世界ですね。
「アフター・ウェディング」は私も泣けました。
マッツ・ミケルセンまた観たくなりました!