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「クィーン」

「クィーン」_a0051234_1913390.jpg「The Queen」2006 UK/フランス/イタリア
パリでパパラッチに追いかけられた末、自動車事故で亡くなったプリンセス・オブ・ウエールズ。彼女の突然の死に苦悩す女王一家と、就任したばかりのトニー・ブレア首相の姿を描いたヒューマン・ドラマ。
エリザベス二世を演じるのは英国女優ヘレン・ミレン「カレンダー・ガールズ/2003」「二重誘拐/2004」。英国首相トニー・ブレアにマイケル・シーン「ブラッド・ダイヤモンド/2006」
エジンバラ公フイリップにジェームズ・クロムウェル「ベイブ/1995」「L.A.コンフィデンシャル/1997」。
監督はスティーヴン・フリアーズ「ヘンダーソン夫人の贈り物/2005」。
とにかく観たい!観たい!と思っていた作品。初日に日比谷のシャンテで観た。最終回シアターはほぼ満員で、オスカーに輝いたヘレン・ミレンの存在も大きいが、ダイアナって日本でも人気あるんだと感じないではいられない。
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1997年8月31日、ダイアナと恋人ドディはパリのリッツ・ホテルが用意したメルセデスに乗り込んだが、執拗に追いかけるパパラッチとのカーチェイスの末、事故に合い亡くなる。
その頃、スコットランドのバルモラル城にいたエリザベス女王(ミレン)一家にも知らせが入る。元夫チャールズ(アレックス・ジェニングス)は王室のチャーター機でパリへ飛び、ダイアナの遺体を引き取りに行きたいと願う。しかし、母エリザベスは、チャーター機など使うと、税金の無駄使いだと国民に非難されると、息子チャールズに告げる。
エリザベスにとってダイアナはいつも頭痛のタネであった。離婚して民間人となったダイアナに、王室として出来る事は何もないとエリザベスは断言する。しかし、亡くなったのは未来のキング、ウイリアムとヘンリーの母親でもあると力説するチャールズ。皇太后(シルヴィア・シムズ)の計らいでチャールズはパリへ飛びダイアナの棺をロンドンに連れ帰る。
ダイアナの葬儀に関しても、国葬ではなく、ダイアナの実家スペンサー家が取り仕切るべきだと主張するクィーン。
ダイアナの事故死の後、英国民に対してエリザベスは何のコメントも発しなかったが、彼らは黙っていなかった。バッキンガム宮殿前には献花があふれ、バルモラル城から戻って来ない女王一家を非難し始める。
やがて、首相に就任したばかりのトニー・ブレア(シーン)は、国民と女王の間に立って行動を起こし始める。
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エジンバラ公と皇太后がスゴイ勢いでダイアナを非難して語る姿には驚いた。
生きていても、死んでもダイアナは厄介だとか...
ウエストミンスター寺院で取り行われる事になった葬儀に、セレヴ(ハリウッド俳優)やホモ(エルトン・ジョンのこと)が来るなんて...
と言った台詞が発せられる。まぁロイヤル・ファミリーにとっちゃセレヴなんてゴミみたいなものであろうが...
あんなにまで中傷して良いのか??
しかしエリザベスについては好意的に描かれている。
トニー・ブレアの妻シェリー(ヘレン・マックリー)が“彼らは税金で生きている!”と非難するが、夫トニーは、クィーンは望んだわけでもなく、仕方なく、若くに即位し、自分自身というものはなく、ただ国民のため、英国のために生涯を捧げた女性と、クィーンをかばうように発言するシーンは中々素敵。
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映画はダイアナの映像だけ実写である。
数年前にパリのアルマ橋の事故現場にある記念碑を訪れたことがある。夜だったが人が集まっており、献花やキャンドルもあった。ダイアナってホントに皆に愛された人なんだなぁと実感した。
英国旅行の際に訪問した、ダイアナが離婚後、二人の王子たちと離れて住んだケンジントン・パレスの広大な邸宅を思い出した。その時、ちょうどダイアナの回顧展のようなものが開催されていて、ダイアナが着たドレスの数々を見る事が出来たが、ダイアナが着てこそ素晴らしいドレスであって、並んだボディに着せられたドレスはなんとなく、寂しく、哀愁を感じたのを記憶している。
ヘレン・ミレンはオスカーに輝いただけあって苦悩するエリザベス二世を素敵に演じている。
エジンバラ公やチャールズ役はなんかピント来なくて困った。
首相トニー・ブレアを演じたマイケル・シーンは本物よりニタニタ笑い過ぎで(何もしないでも顔が既に笑っている)かなり笑える。
スコットランド、アバディーンにあるバルモラル城周辺の景色が素晴らしい!
しかしエリザベスのバルモラル(もちろんクィーンの本物のお城ではなく、別のお城で撮影されていて部屋はセットでしょう)のお部屋はなんか質素で、エリザベスのベッドも、彼女が着るガウンなんかも年期が入ったいつも同じもので...
鹿狩りに行く際に乗るエリザベスの四輪駆動車もかなり古く(映画の中で、チャールズが新しいのに買い替えたら?なんてシーンもあり)質素な生活を送っているんだなと想像する。
ブレア首相がダイアナの死に哀悼を評した際に“People’s Princess”と語ったのを思い出す。
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そういやヘレン・ミレンの夫って、なんか見た顔だとずっと思っていたが、ヒット作を何本も監督しているテーラー・ハックフォードで「愛と青春の旅立ち/1982」〜始まって「レイ/2004」まで彼の映画はお気に入りが多い。お二人熟年結婚らしい。
Commented by claudiacardinal at 2007-04-16 02:49 x
margotさん、精力的に色々観てらっしゃいますねぇ。わたしもブレアー役のマイケル・シーンには笑えました。どうもこの人どの役をやらせても笑えてしまいます。「ブラッド・ダイアモンド」もしかり。それにしてもヘレン・ミレンって素敵ですよね。オスカーの時の姿、若い女優を蹴散らす程のオーラを発してました。嗚呼私も彼女のように歳をとりたい!!秘訣はなになんでしょうね???
Commented by margot2005 at 2007-04-17 20:30
CCさん、こんばんは!
なんとなく話題作が繋がった感じで、ホントはもっと地味なヨーロッパ系や、単館系観に行きたいのですが、時間と場所が合わなくて...
ブレア役の彼はホント笑えます。トニー・ブレアも苦笑したことでしょう!
「ブラッド〜」の時もそうですが、あの顔が災いしてるんでしょうね?歯が見えすぎちゃって...
「クィーン」エリザベスについては好意的に描いてありホットしました。
ヘレン・ミレンって確かにオーラありますね。若い女優蹴散らしてましたか?
あのように年を重ねたい!同感でございますわ。
Commented by 八ちゃん at 2007-04-17 20:30 x
こんばんは。TBありがとうございます。自分もはじめから初日を狙っていましたが、初回自由席ながらいいポジション座れてラッキーでした。というより出口調査来てないじゃん!せっかく豪語しようと捕まるつもりでいたのに!笑
Commented by Bianca at 2007-04-18 01:56 x
マルゴさま、「クイーン」きましたね。犬と歩いている写真、どこかで見たような・・・ご本人も、美人というのでもなく自然な感じで、素敵な女王ですね。こちらは来週末、ぜひ見たいものですわ。
Commented by margot2005 at 2007-04-18 22:03
八ちゃんさん、こんばんは!
こちらこそありがとうございます!
初日ラストの回もほぼ満員でしたね。今の所シャンテでしか上映してないのですね?映画はラストの回に観る事が多いので出口調査にあんまり遭遇しないのですが...シネスィッチ銀座の出口調査は何度か...いつも帰りは急ぐので回答した事ありませんが...
Commented by margot2005 at 2007-04-18 22:12
Biancaさん、こんばんは!
そう観て来ましたわ初日に...この映画は昨年から観たいモードでありましたの。
Biancaさん、観ていらしたら感想聞かせてくださいね。
ダイアナってエリザベスにとってやはり厄介な嫁だったみたいですね?
世間ではダイアナが美化され過ぎですが...事実はどうなんでしょう??
犬と歩いているシーンはエリザベス本人のようでしたわ。
ヘレン・ミレンはクィーンになりきってましたね。素晴らしい女優です!
Commented by MACHI at 2007-04-19 18:56 x
エリザベス女王が来日した時とか、チャールズ皇太子とダイアナ妃が来日した時のことなどを思い出しておりました。
皇太后は、若い頃はダイアナ妃並みに国民に人気があったそうですね。
Commented by margot2005 at 2007-04-21 20:40
MACHIさん、こんばんは!
エリザベスの来日は記憶に薄いですが、チャールズとダイアナが来日して、京都で着物を着て愛嬌を振りまいてるダイアナを思い出しました。
そうそう皇太后って人気あったみたいですね。100才過ぎ迄生きたスゴイ女帝だったようです。
Commented by シャーロット at 2007-04-23 13:51 x
こんにちは~
margoさんってイギリスも訪問されてるんですね。
行ってみたい。バルモラル城の景色はすばらしく良いですね~
お庭で鹿狩りが出来ちゃうなんて、大きすぎ;
そうそう、ジープを運転するんだ~とちょっと感心。それに車の事には詳しい様子まできちんと描いてましたよね。
本当は質素で、でも気品があってつつましくて。でも頑固で(苦笑)
凄く親しみも感じることが出来ました。
Commented by margot2005 at 2007-04-24 00:56
シャーロットさん、こんばんは!
イギリスはロンドン以外にコッツウオルズ、湖水地方、リヴァプールと回ったので、英国の田舎は素晴らしい!の記憶ありです。
コレに出て来たスコットランドの景色はもうマジで素晴らしかったですね!
クィーンは自分で車を運転して出かけるんですよね。日本の皇室じゃあり得ませんが...まぁあのような田舎だから車運転するのかも知れませんが...
皇太后が“我々には1000年の歴史があるのだから誇りを持ちなさい!”と諭すシーンはさすがロイヤル・ファミリーだと感じましたわ。
質素で、頑固で、気品があって...そういやバッキンガム宮殿の衛兵交替を見に行った時、世界中の人々が門の前に(もうスッゴイ人、人、人)集まって、エリザベスって人気あるんだと関心しました。
Commented by 紫の上 at 2007-04-27 16:10 x
マルゴさんはイギリスにも行かれているので、この映画は思い入れが深く鑑賞されたのではないでしょうか?
イギリスの田舎って素敵ですかぁ~!
スコットランドも良かったですかっ!
広い敷地なので、エリザベスもご自分で運転されるのですねっ。
表の顔と違って、実生活は質素で、結構普通の家庭と同じような・・・などとも思いました。
あのピクニックの時に、ご自分で、料理を並べているときは、普通のおばさんのように見えました。
この映画を見て、見る前と以後ではエリザベスに対するイメージが違ってしまいました。
あのクレアと共に、いつしか彼女に共感し、親近感を覚えている自分がいましたよっ!
ヘレン・ミレンって、やっぱり素晴らしい女優さんですねっ!
あの「カレンダー・ガールズ」の時とはすっかり違う。
Commented by margot2005 at 2007-04-30 01:24
紫の上さん、こちらにもお越しを...
英国は前から憧れの地だったので訪れることが出来て幸せでしたわ。
エリザベス女王の人気の高さはロンドン、バッキンガムに行けば一目瞭然ですね。世界中の人々が門の前に集まっていましたから。イスラム系が多くてびっくりしましたが...
回った英国の田舎は湖水地方とコッツウオルズ、リヴァプールのみでございます。英国は緑豊かな田舎が素晴らしゅうございます。
スコットランド行きたいですね!バルモラル周辺の景色は素晴らしかったですものね映画の中でも...
エリザベスが車を運転して買い物にも行くというのは、うーんと前に映像で観た事がありますね。ただしそれはスコットランドのバルモラルに居る時だけでしょうね。ロンドンでは運転はしないと思いますが。
そうそうピクニックの時のお皿を用意するエリザベスは、その辺のおばさんでしたよね?
でもこの映画はオスカーをゲットしたヘレン・ミレンの素晴らしい演技が観ものでしょうか?素敵な女優ですよね。
「カレンダー・ガール」のヘレン・ミレンはお茶目な感じで素敵でしたよね。
Commented by chocolate at 2007-05-05 11:45 x
イギリス好きとしては見ないわけにはいきません。
王室の生活も含め色んな意味でとても興味深かったです。
っていうかこういう映画を作ってOKなイギリスという国はやっぱり素敵!
(日本じゃまず無理でしょ~~笑)

威厳タップリのヘレン・ミレンの演技はオスカーもんだと思います。
いい女優さんですよね~本当に。
「カレンダー・ガール」そういえば出てましたね。
Commented by margot2005 at 2007-05-06 23:19
chocolate さん、こんばんは!
イギリス好き必見映画ですね。
前に行ったバッキンガムやケンジントンを思い浮かべましたわ。
日本と違ってオープンな王室って良いですね。
こういう映画を作るのはやはりウイットにとんだ会話ができる民族であるからだなぁとしみじみ感じます。
「カレンダー・ガール」のヘレン・ミレンはチャーミングでしたわ。
コレでのエリザベス役はホント適役でした。
Commented by J.T. at 2007-05-12 21:26 x
おなじ映画館でみていたんですね。私もシネシャンテでこの映画を見ました。最初に行った時は満席で、急遽近くのスカラ座でバベルをみて、翌週やっと鑑賞できた感じです。
ダイアナを巡っての苦悩のドラマといえども、UKの映画らしくウィットにとんだ会話もあって、あちこちで笑い声があがっていました。日本でも露出度合いの多いチャールズは余り似てなかったので違和感がありましたが・・けっこう満足しました~
UKはロンドンしか訪れたことがありませんので英国の郊外の景色は知らないのですが、お話を伺ってると良いところのようですね。
Commented by margot2005 at 2007-05-13 23:36
J.T. さん、こんばんは!
この映画は観たくて初日に行きました。日比谷は便利なんです。バベルはスカラ座でやはり初日にすっ飛んで行きました。
J.T.さんも都内にお住まいなんですね?
そうそう笑い声が絶えないシアターでしたわ。まだシャンテで上映してますね、人気あるんだやはり。
チャールズ似てなくて笑いましたわ。
UKは田舎が素晴らしいですね。あの大自然(緑の大地)は圧倒されます。
UK旅行の際、最初スコットランドのエジンバラに飛んでなんて企画したんですが叶いませんでした。機会があればスコットランドは一度行ってみたいですね。
Commented by カツミアオイ at 2007-05-19 19:49 x
 こんにちは、TBありがとうございます。

 そっくり度は主役以外はそれほどではありませんが、チャールズのヘタレっぷりや、フィリップの失言っぷりをここまで見せてしまって!ということににやにやしっぱなしでした。
 ヘレン・ミレンは、「コックと泥棒、その妻とその愛人」以来、ぱらぱら見ている女優さんで、古い作品から見ているだけに個人的にうれしいです。
Commented by margot2005 at 2007-05-20 20:01
カツミアオイさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
そちらにもコメント書きにお伺いしたのですが、投稿出来なくて...なにか制約あるのでしょうか??
さてチャールズはいつまでたってもキングになれないですね?
ヘレン・ミレンは大好きな女優で「グリーン・フィンガーズ」や「ゴスフォード・パーク」でも存在感ありましたね。「コックと〜」は観てないような気が...
レッドフォードと共演の「二重誘拐」のミレンも素晴らしかったです。
Commented by Bianca at 2007-05-24 07:40 x
margot2005さん、お早うございます。「クイーン」遅ればせながら見て参りました。ヘレン・ミレン「カレンダー・ガール」でも品がありましたが、女王役はもっと似合いますね。
Commented by margot2005 at 2007-05-26 20:26
Biancaさん、こんばんは!
ヘレン・ミレンってジュディ・デンチもそうですが“Dame”の称号持ってるんですね。さすがぴったりの役でしたわ。
「カレンダー・ガール」ではobasan nudeも披露したりして...いやスゴイ女優ですわ。

by margot2005 | 2007-04-15 19:15 | Comments(20)