2006年 06月 08日
「13才の夏に僕は生まれた」
イタリア/フランス/UK 2005
GWに有楽町で開催されたイタリア映画祭で上映された。
監督、脚本は「輝ける青春/2003」のマルコ·トゥリオ·ジョルダーナ。
主演はサンドロを演じたマッテオ·ガドラ。
サンドラの父親ブルーノ役はアレッシオ·ボーニ「心の中の獣/2005」。
「家の鍵/2004」のキム·ロッシ·スチュアートも、この作品のアレッシオも共にとても若い父親を演じている。これが妙に素敵で、最近のイタリア映画ブレイクもこの辺が狙いなのかもしれない??
イタリア北部のブレシャ(ミラノの東に位置する、ほぼヴェローナ(ロミオとジュリエットの舞台で有名)とミラノの中間にある小都市)に住むサンドロ(ガドラ)は工場を経営する裕福な父親ブルーノ(ロッシ)の一人息子。13才の夏、父ブルーノ(ボーニ)と彼の親友ポーピ(ロドルフォ・コルサト)に連れられ、サンドロは地中海ギリシャへヨット・クルージングに出かける。航海中のある夜、眠れないでデッキに出たサンドロは誤って海に転落する。助けを求めて息絶え絶えになったいたサンドロを助けたのは違法移民たちを乗せた船だった。そこに乗船していた、ルーマニアから逃げて来たラドゥ(ヴラド・アレキサンドラ・トーマ)とアリーナ(エステル・ハザン)兄妹に助けられながらなんとかイタリアへと帰り着く。
いきなりのラスト・シーン...この後はどう理解すれば良いのだ??と悩んだが...「隠された記憶/2005」のようにそれぞれが解釈すれば良いのかと思う。
「13才の夏に僕は生まれた」というタイトルは中々goodだと思う。13才のサンドロは裕福な家庭で、両親の絶大なる愛を受けて育ってきた...なんの苦労もなしに...しかし海に落ちたことから、難民たちに救われ、彼らの惨めな人生を知る事となる。13才と言えば“魔の中学生”で、子供から、大人へと変わる狭間...この時期にとんでもない世界を見て、知ってしまったサンドロの心は乱れに、乱れたことだろう。
このサンドロ役のマッテオ·ガドラは、ぴったりの配役である。ラドゥとアリーナ役の二人も素晴らしい!
移民問題がテーマである、この映画を観てイタリアもこういった問題を抱えていると言う事を知った。移民を望む人々はアフリカや東ヨーロッパから祖国を捨ててやって来たのである。彼らを乗せた船が巡視船に保護された時、船に乗り込んで来た係官は“誰か英語を話すものはいるか?フランス語は?スペイン語は?”と質問して行く、そこでサンドロが“イタリア人だ!”と手を挙げる。こういったシーンを観ると当たり前なのだが、ヨーロッパってホント多数の人種、多数の言語が混在しているのだと再納得してしまう。
冒頭のシーン、サンドロが駅でアフリカ人と出会う。彼が発した言葉を理解する事は出来なかったが、ラストでその言葉の意味を知ることになる...それは“生まれたからには逃げも隠れもできない”と...この言葉が映画のタイトルとなっている。
現在市庁舎に使われていると言う、ブレッシャの街のシンボルと呼ばれている建物“ロッジャ”が映画のシーンに登場していた。
アレッシオ・ボーニは相変わらずゴージャス!!
あんな歳でこんなことをと、悲しくなりますね・・
ボーニは良かったでしょう? もう若くないんだけどね(^^;)
ちゃんとオフィシャル・サイトもあるのですよ~ん♪
http://www.infonauta.it/boni/homepage.asp
よくヨーロッパの作品を見て思うのは、感情表現が実に豊だなというところです。泣きたいときは思い切り嘆き、笑う時はがははと笑い・・・。(^^ゞ
そして何より思うのは、「潔い幕引き」・・・決して見る側には優しくないんですが、あらゆる解釈をする機会を与えてくれるというか。
私には明るい輝くような陽の光が、子役達の輝く未来にリンクさせました。これからも楽しみな人材ですね~
おお、ボーニのサイト、私も行ってこよっと!笑
ボーニはコレからですわよ!
マダム紹介のウエブから私も画像拝借しておりますわよ。
私はいつも生まれ変われるならヨーロッパ人と切に願っております。
この作品の子供達はとっても良かったです!
ジョルダーナ監督の映画はテーマは深いのだけれど、そればかりではない登場人物の描写も深いですよね。悪い奴は悪い、いい人はいい人みたいな短絡的な描き方はされないので味わいがあって好きです。「輝ける青春」とキャストが何人かかぶっているのも何となくうれしかったですね。
ジョルダーナの他の作品観てみたいのですが、中々時間がなくて...
ジョルダーナの描く世界は素晴らしいです!
7月にイタリア旅行に行く事になったので、イタリアンの素敵な男性にお目にかかれるにが滅茶楽しみであります。
きゃー、 margotさんは今頃、ステキなイタリア人男性と・・・。
私は映画でこんなイタリアを味わってきました。
ジョルダーナ作品3作目ですが本当にすばらしいです!
ジョルダーナ映画これからも観ていきたいですね!
確かにサンドロのお父さん、日本のお父さんと違って色気あるわ~。
ラスト近くサンドロと再会したアリーナの全てをあきらめたような無表情と
部屋でかかっている曲が印象的でした。
おっしゃる通り「13歳の夏に僕は生まれた」というタイトルはなかなかいいですね。
邦題タイトル良かったですよね。原題のまま邦題にするのは少々無理があると思いましたし...
サンドロとアリーナの再会のシーン素晴らしかったです!
カプリにサンドロが乗ったようなヨットがいっぱい浮かんでいて、この映画思い出しましたわ。