2006年 04月 12日
「美しき運命の傷痕」
主演の三姉妹にエマニュエル・べアール「恋は足手まとい/2005」、カリン・ヴィアール「年下の人/1999」、マリー・ジラン「さよならモンペール/1991」。
三姉妹の母親にキャロル・ブーケ「美しすぎて/1989」。
原案は「トリコロール」3部作のクシュシュトフ・キェシロフスキ。
監督は「ノーマンズ・ランド/2001」のダニス・タノヴィッチ。
「トリコロール」3部作は大好きな作品なので、この作品も期待していたが、女性たちの描き方が少々狂気じみていて参ってしまった。
やはり原題の“地獄”が物語っている。
男性陣には、三女が愛してやまない大学教授フレデリックにジャック・ペラン「コーラス/2004」。
長女ソフィーの夫ピエールにジャック・ガンブラン「マドモアゼル/2001」。そして次女セリーヌに近づく男セバスチャン役にギョーム・カネ「戦場のアリア/2005」
が出演している。
父親(ミキ・マノイロヴィッチ)と母親(ブーケ)が大げんかをし、あげく、父親が窓から身を投げ自殺をした。その現場を見てしまった三姉妹...22年の年月が経ち、長女ソフィー(べアール)は夫ピエール(ガンブラン)が浮気をしている事を疑っている。次女セリーヌ(ヴィアール)は、恋人もなく、施設にいる言葉が不自由で、車椅子の母親を見舞う毎日。三女アンヌ(ジラン)は親友の父親でもある、中年の大学教授フレデリック(ペラン)に夢中である。
ソフィーはピエールの浮気現場であるホテルを突き止め、ピーエルが去った後、残った女のベッドに忍び込む。セリーヌは郊外の施設にいる母を見舞うことだけが生き甲斐。アンヌは不倫相手の家の前に潜み、ストーカーまがいの行動をしている。どうにもならない日常が過ぎて行く、嫉妬や孤独と戦いながら...。
とにかくvery フランス映画である。フランス人にとって人生の中で“アムール”というのは相当重要な位置を占めているようで...ここまでのめり込む気持ちには理解できないものがある...やはり狂気としか思えない彼女たちの行動。
ジャック・ペラン、ギョーム・カネ、ジャック・ガンブランとお気に入り俳優総出演なのだが、どうも彼らの役柄が哀れで悲しすぎる。
母親役のキャロル・ブーケを始めとして、スクリーンで繰り広げられる、女性たちの凄まじい姿に、観終わって久しぶりに疲れた映画であった。フランス映画らしからぬ、ユーモア皆無というのも疲れる理由かも...。
“今、何か傷を負い、くじけそうになっている人には特におすすめの作品...”というチラシ案内はどうかと思う...?これを観て、あまりの凄まじさに、余計めげてしまう人もいるのではなかろうか??
邦題の“美しき運命の傷跡”は美しすぎる。原題の“地獄”は観て納得のタイトルである。
私もやっと見てきました。ちょっと男性像がかすんでしまいそうなくらい、女性が強かったですねえ~
次女セリーヌとセバスチャン、恋に落ちるのか!…とすごく期待しちゃいました。苦笑
ちょっとお母さんの台詞には後味が悪かったけど、安っぽくない美しい映像センスには納得しました。
TBお返しするのが遅くなってしまい申し訳ないです・・・。
>とにかくvery フランス映画
久しぶりに映画館でフランス映画の新作を観たのですが、何というか、この、ジメッとした感じの恋愛模様がフランス映画な雰囲気でしたね。
この作品、キェシロフスキは「天国」編、「煉獄」編とで3部作で考えていた、ということですが、3部作全部観たら(天国編は他の監督で公開済みなんですね・・・)また違った印象になるような気もします。
これぞフランス映画な世界でしたよね。濃厚でした。
キャストも豪華でわくわくしちゃいました。
女優の競演が見どころでしたが、ガンブラン、カネの存在感もよかったですー。
フランス映画ここにありの作品でありましたわ。
セバスチャン役のギョームは最近お気に入りとなりました。若い頃はそれほどでもなかったのですが...年を重ねると素敵になる俳優っていますよね。彼は正にそれであります。
キェシロフスキが考案していたという3部作は全部観てみたいものですが...。
ギョーム、ガンブランetc.素敵な俳優がかなり惨めな役で...これぞ女性映画!!ですから仕方ないのでしょうか???
王妃の感想読ませて頂いて・・ちょっとこれ後回しにしそうです(汗;)
>あまりの凄まじさに、余計めげてしま
いそうなので・・笑;
今は楽しいの観たい気分!なので「プロデューサーズ」は正解でした♪
と言いつつ昨日はジョニデを観ちゃったんですがね。まさかあんなとは・・感想後で書きます。
この映画には疲れました。でも良い作品でしたのでおすすめでございます。観た帰り道、渋谷で気分転換したくなりましたね。
「プロデューサー」観たいなと思っています。ジョニデも時代物ですわよね。来週は「ぼくを葬る」観る予定です。
で、よろしくお願いします。
沢山のヨーロッパ作品をご覧になっていますねっ。”マルゴ”さんという名前は、イザベル・アジャーニの「お妃マルゴ」からですか?この作品を見たことありますので・・・。
私も「トリコロール」三部作は好きな作品です。あと「二人のベロニカ」。
で、今回の作品ですが、正に愛の地獄。でも、愛は必要。でも男性を愛すると地獄に堕ちる。やはり人間って業が深い生き物ですよねっ。
正に愛についての映画表現では大人感覚のフランス映画だと思いました。でも本当に私も疲れて・・・。
で、この日は夜はイタリア映画祭に初参加。その上映作品がとても素晴らしかったけど、、こちらのイタリア作品はやはり、愛と傷を描いているけど、ユーモアがあって、見終わった後、疲れなかったんですよ!
マルゴさんの言うとおり・・・。
で、一日にフランス映画とイタリア映画を見た次第ですが、+-=0と言う感じですっかり調和されました。でも、両国の映画の底力を見せてもらった感じです。こういう作品などを見ていると、もう止められませんねぇ~。ヨーロッパ映画鑑賞を!!
紫の上さんも観てますよね!おフランスもの。「トリコロール」シリーズはお気に入りです。残念なことに「二人のベロニカ」未見なんです。今回リヴァイヴァル上映の際観に行きたかったのですが...上映終わりましたね。「美しき運命の傷痕」はホントに重いというか、男性が観ると、又感じ方が変わるのかとも思えますが、二度観たい映画では決してないですね。ここまで“愛”に執着するフランス人の気持ちは、日本人のわたしには到底理解できません。素晴らしい映画であった事は確かですがね。
いかなる時にもユーモアを描くのを忘れないイタリア映画と、暗い、重い作品には微塵も笑いを入れないで、とことん暗く描くフランス映画。わたしはどちらも大好きです!又お待ちしております!ヨーロッパ映画を語りましょう!
フランス映画の真髄を見せて貰いましたが、確かに少しのユーモアも入ってないので、観た後は精神的にキツイですよね。
でで、チラシには、そんなうたい文句が書いてあったですかー!!
そ、それは、ちと違うのでは・・・・・ですよね。汗
くじけた人は、さらにずぶずぶと沈んでしまい落ち込みそうです。
女性はそれぞれ強烈な印象がありましたが、男性は皆さん印象が薄いですね。
彼女たちを引き立てる為にそういう設定にしたのかな!?
そう壮絶でしたよね。フランス女性の凄さを痛感いたしました!
そのうたい文句ですが、bunkamura案内のチラシに書いてありましたの。レストラン街に設置してあるパンフのようなものに、この映画の事が書いてありました。
ちょっと違うんじゃないの??なんて思いますよね??
やはり男と女にとって“愛”に対する執着度が違うので、こういった描き方になったのでしょうか??女は“愛”に固執するものだと...監督男だけどな...。
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。
先日は拙宅へのTBをありがとうございました!
私もTBさせて頂きました。今日はすんなりと届いたみたいです。
この作品は重い後味でしたね。
豪華な出演陣と印象深い美しい映像の、濃~いフランスの味を堪能しました。
そうですね、そうですね、気分転換が必要になりますね(笑)
すいませんTB飛ばし逃げで...
コメントありがとうございます!
TB反映されたようで嬉しいです!
この作品ホント重くて、映画観た後どっと疲れた覚えがあります。
フランス映画は大好きなのですが、最近公開のフランスものは観に行けてないですね。疲れそうで...ためらっていたりもしますの。
エマニュエル・べアールは素敵な女優です。ママ役のキャロル・ブーケも好演してましたね。出番は少なかったですが、ギョーム・カネ良かったです!
フランス映画が大好きなので、フランスの俳優や監督には興味津々の私です。
フランス映画お好きなのですね?
ヨーロッパ映画は全て興味深いですが、中でもやはりフランス映画は大好きですね。