2006年 02月 05日
ダルデンヌ兄弟...「ロゼッタ」「息子のまなざし」
「ROSETTA」1999 フランス/ベルギー
1999年度カンヌ国際映画祭パルムドール賞/リュック&ジャン・ピエール・ダルデンヌ
主演女優賞/エミリー・ドゥケンヌ
主演は「灯台守の恋/2004」でブリジットを演じたエミリー・ドゥケンヌ 。
「灯台守の恋」の5年前の作品なので、1981年生まれのエミリーは、この作品の時は10代であった。映画の中のエミリーはとてつもなく幼く見える。「ある子供」でチンピラを演じていたファブリッツィオ・ロンギーヌがロゼッタと出会う若い男リケを演じている。「息子のまなざし」のオリヴィエ・グルメはリケが働くワッフル屋のボス役。
アルコール依存症の母親(アンヌ・イェルノー)とキャンプ場に設置されたトレーラー・ハウスに暮らすロゼッタ(ドゥケンヌ )は、ある日いきなり職場で解雇を言い渡される。不本意だがどうにもならない。職探しに翻弄するロゼッタだが仕事は簡単に見つからない。ロゼッタの日常を描いているだけの、とにかくとてつもなく単調なドラマだ。
アルコール依存症の母を疎ましく思いながらも、けなげに守ろうとする姿がめちゃくちゃ哀れである。そして知り合ったリケ(ロンギーヌ)にほのかな思いを寄せるのだが...。
ダルデンヌ作品は余りにも哀れで、悲しくて、観ていて少々辛くなる。
ロゼッタが大事に、大事にしている一足のブーツが映画の中で非常に印象に残る。トレーラー・ハウスでの食事のシーン...ゆで卵をさも美味しそうに食べているロゼッタ...「ある子供」のキッチンのシーンでも、粉末かなんかのインスタントの顆粒を鍋に入れて、後はトマトを切って入れるだけの質素な食事...寂しいメニューだなと思った。
フランス映画お得意のあっと言う間のラスト・シーン...どう理解しようかと考えるのだが...後でジーンとくる。それは「ある子供」「息子のまなざし」にも共通しているダルデンヌの技であろうか...。上写真は素顔のエミリー。
「LE FILS」...aka「THE SON 」2002 ベルギー/フランス
2002年度カンヌ国際映画祭主演男優賞/オリヴィエ・グルメ
脚本もダルデンヌ兄弟。主演はオリヴィエ・グルメ 。グルメはヴァンサン・ペレスが監督した「天使の肌/2002」やロマン・デュリスの「パリの確率/1999」に出演しているのだが...悲しい...記憶に...なしである。この作品の詳しいストーリーはとても書けない...ネタバレしたくないし...余りにも重いしで...。
職業訓練所の教師オリヴィエ(グルメ)には暗い過去がある。
ある日フランシス(モルガン・マリンヌ)という少年が訓練を希望しにやって来る。オリヴィエの受け持つ木工クラスは、すでに人員オーヴァーで受け入れる事が出来ない。いったん断るオリヴィエなのだが...撤回してフランシスを自らの木工クラスに招き入れる。
ある夜仕事から戻ったオリヴィエの家に訪ねて来た別れた妻マガリ(イザベラ・スパール)。彼女は“子供が生まれるの!”と言う。“あなたには誰か良い人いないの?”とマガリに聞かれ“ノン!”と答えるオリヴィエ。
この後は観てのお楽しみとしたい。とんでもないストーリー展開に...あっと驚いてしまった。この作品のラストも...たまらない...。
この作品は途中で(最初の方...)何度も挫折し、観るのを諦めかけた映画である。というのも始まりが余りにも辛気くさくって(単調)...邦題の「息子のまなざし」というタイトルはどうなるのか?と考えたりして...しかし「ある子供」を観た後にもう一度トライしたのだが、一気に観る事が出来た。原題は“息子”。
素顔はやっぱりパリジェンヌ? あのボーイフレンド、「ある子供」でも出ていましたね~ ダルデンヌ組とかやっぱりあるのかしら・・ワッフル工場の社長が「息子のまなざし」のお父さんのようですし・・。
唐突な終わり方なんですけど、それがかえって更に余韻を残しますよね~ やっぱり天才なんでしょうか。
映画、監督、出演ってやはりチームがあるのでしょうかね?ダルデンヌ映画でも...。オリヴィエ・グルメは出てます...わたしたちが観てる映画に...チェックしなきゃですが、結構普通のojisanぽいので解りづらいのかもですね?ダルデンヌは単調なドラマの中で語る監督ですよね...やはり天才でしょう?